平成も終わる、私の仕事人生も完了
いよいよ隠居生活に

「東京都地域中小企業応援ファンド事業」の応援のために始めた東京都中小企業振興公社の非常勤だったが、昨年で応援ファンドも新規採択が終わり、周知事業がなくなった。2年間事業なので、まだ進行中の企業はあるが、仕事量はずいぶん少なくなった。3月でリタイアする私は、事業そのものよりも一足早い足抜けとなる。

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年明け早々からボチボチと退職の準備を始めた。
まずは、健康保険の加入から。練馬区のホームページの情報から保険料を計算してみると、国民健保の方が任意継続よりも若干少ない保険料となると推計できたので、国民健保に入ることにした。
事前に区役所を下見する。「手続きは4月にならないとできないが混みますか?」と聞くと、かなり混むとのこと。朝一番に行ったところ、あまり待たされることはなかった。
ついでに年金の相談窓口に行き、今後の厚生年金の徴収が免除されることを確認した。

悩ましいのは失業給付だ。6年勤めたから満期の失業給付が出るはず。安い給料だったが、全額だと90万円近くにもなる。しかし、正直言って、もう勤める気持ちになれない。
労働相談をやっていた頃は、相談者に対して「もらえるものはもらわないと損だよ」とずいぶん説教してきたのだったが、いざ自分の番となると、実際のところ働く意欲はないのに、毎月企業を紹介してもらい、面接で何とか嫌われて給付だけ受け取るというのも、やっぱ何だな~と思う。そんなことで、求職活動はしないことにした。

9月には年金の手続きに年金事務所に行く。誕生日の前日でないと書類を受け取ってくれない。その書類受け取りの予約をするのに1か月前から窓口の予約を取らないといけない。ずいぶん敷居が高いところだな、と思った。9月に手続きをし、10月分から年金が出るのだが2か月分まとめて支給されるので、初めてもらえるのは12月だ。しかも基礎年金部分は65歳にならないと出ない。
月額で13万円。金額は前々から通知が来ていたので、分かっていたが、42年も働いてこんな額かと思うと、情けなくなる。
とはいえ、私が子供の頃は『働かざる者食うべからず』というのが常識だったから、働かなくてもお金がもらえるのは、ありがたいことだと思う。
この先は、年金と蓄財の取り崩しで生活を維持していくことになる。何とかお金があるうちに、人生ともおさらばしなければいけない。まったくもって、情けないかぎりだ。

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東京都は、9000億円という巨額の税金が国に吸い上げられると怒っている。
まぁ、知事がああいう感じなら、国もそれなりの対応をしてくるのは当然だ。ドブに捨てる金になった豊洲の賠償金よりも、まだマシ。
それに、都民も無関心。そんなに都政に期待していないということなのか。そんな都政の中で、あんなに苦労して働き、定年を全うできずに辞めた自分は、いったい何だったんだろうか。
だから、もう一度、東京都の仕事をしようという気持ちにはどうしてもなれない。
11月に築地市場は豊洲に移転し、いろいろと評判は悪いけれど、淡々と事業は進んでいる。やはり行政はそうでなければいけない。政治に翻弄されすぎた。

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さて、日々の生活の中で困るのは、ヒマのつぶしかただ。しかも、無収入なので、金をかけられない。
これまでも、仕事人生のリタイア後に向けてやってきたことがある。
一つは、家にある書籍を全部もう一度読む、ということだ。
退職に向けて本屋などにも行ったのだが、あまり興味を持つ本が見つからない。そして家の書棚は満杯。しかも、背表紙を眺めてもその本に何が書いてあったか思い出せない。
だったら、もう一度読もう。そして、仕事関係の本は読んだら捨てよう。・・・ルールその1

1月に4kテレビを買った。その画像性能を確認するために自宅にあるDVDをもう一度見ているうちに、いっそのこと全部もう一度見ようと決めた。そして、面白いものとつまらないものを仕分けして、保存することにした。・・・ルールその2

天気の良い日は散歩しよう。散策は在職中からもよくやっていたが、それを毎日の日課にした。
2時間~2時間半くらい歩くのがちょうどいいようだ。雨降り以外は、これを励行している。でも、夏は暑すぎた。おかげで少しばかりやせた。・・・ルールその3

以前より年賀状にプラモデルの合成写真を入れて送っていた。しかし、小さな年賀状に入れられるプラモデルの台数は少ない。次第に積み残されるプラモが増えてきた。
プラモデルというのは、棚に飾り続けていると、柔軟性を失ってきて、だんだん壊れやすくなっていく。
年末の大掃除の際には、いくつかお釈迦になる。かわいそうだ。
そこで、日頃も合成写真を作って、フェイスブックに掲載することになった。
厳密に言うと、プラモデルにも知的財産権があるようなんだが、ずいぶんと独自の解釈を加えているし、それで金儲けをしているわけでもないし、フェイスブックだと知人くらいしか見ないから、ま、そこんところはちょっと目をつぶっていてもらいたい。
背景となる写真を、もと部下だった観光部のKさんなどから提供してもらい、それに馴染むように光の角度などを考えて、プラモデルやフィギュアを撮影し、背景と合成する。おかげでフォトショップの使い方がだいぶ分かった。それに楽しい。しかも、作ったプラモの再活用だから、二度おいしい。そのうえ、お金もかからない。実にいい趣味を見つけたと感じている。

時間が余っているので、トイレのウォシュレットを自分で入れ替えた。定価10万円のところ、アマゾンで5万円で購入。かなり安く上がった。粗大ゴミも区に依頼して回収してもらった。わずか400円しか、かからなかった。手探りの連続だった。
そんな自慢話を、元同僚のSさんに話したら、「水道局出の私らにとっちゃ、自分でやるのが当たり前だ」と言われてしまった。

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6月18日、大阪府北部地震(Mj6.1、死者6人)が起こった。9月6日、北海道胆振東部地震(Mj6.7、死者41人)が起こった。それに、いくつも台風が関西地方を襲った。北海道の地震では、道全体が停電になった。冬場だったら大変な惨事になるところだ。
例年、元旦にはお堀端の平将門の首塚に初詣に行く。そして、東京に天災が起こらないように祈る。今年は、本当に御利益が大きかった。流石にパワーが違うと関心した。
今後、30年以内に70%の確率で東京湾北部地震が起こるというが、何とか守っていただきたい。

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今年のイベントとしては、平成10年に参加した「東京都勤労青年洋上セミナー」の同窓会があった。20周年を記念してのものだ。悪ガキだった皆さんも、けっこういいオジサンになっていた。
天王洲アイルの近くのレストランに50人ほどが集まった。盛り上がった。
皆さんで東京都歌を歌った。私はすっかり忘れていたが・・・。

映画鑑賞が続く。今年のマイベストワンは「ジュラシックワールド/炎の王国」。それにしても潤沢に資金を投入して作っている。やはりハリウッドはすごい。

何もしない生活は耐えきれないのではないかと思っていたが、馴れてしまえば、それほどつらくもない。
ちょっとずつ何かをやっていれば、1日が終わる。プラモデルも合成写真もだいぶ飽きてきたし、本やDVDも間もなく全部見終わる。
その先、やることはあまり思いつかないけど、ま、懐具合と相談しながら、だらだらと過ごしていくことになるだろう。

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