信長は「人間五十年・・・」と吟じたが、自分もいつしか、その齢を越えた。
大した仕事もしてこなかったとはいえ、これまでの人生、また、三十余年の宮仕えの中で、様々な経験をした。貴重な邂逅もあった。「なぜあのとき・・・」という後悔も少なくない。
今、自分はここに存在する。当然、父母も祖父母もいた。いずれ私がこの世から姿を消せば、彼らの記憶もいっしょに失われていくことになる。仕事で学んだことも、誰にも伝えられないまま消える。それゆえ歳を取ると昔話をしたくなる。これが聞かされる側にとっては迷惑至極なのだ。
だから、ネットを借りて、私の足跡を書きとめておくことにする。
別に褒めてもらいたいわけではない。
私を知らない人にとっては、おもしろさはない。興味のある方だけ、お読みいただければいい。
なお、本稿には、役所の仕事の舞台裏も書いた。しかし、いわゆる暴露ものではない。自重した箇所も多い。
それでも「あんなこと書いて・・・」と思われる方も多いかもしれない。役所では特にそういう受け止められ方をする。
失敗の記録も時には必要だと思う。
人間も組織も同じだ。同じ失敗を繰り返さないためには・・・。
そういう前提で、後進の参考にと、書き残した部分もある。
ただし個人のプライバシーに係わるため、文中の姓名は原則アルファベット表記と
している(すでに他界した親族と有名人は例外)。
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