コロナが来た
世界中がコロナ禍で大騒ぎな年だった

2020年は2度目の東京オリンピックがあった年である――という書き始めになる予定だった。
しかし、今年はもう、新型コロナ一色に染まった年になってしまった。東京オリンピックは来年に延期。

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1月に、豪華クルーズ船で患者が発生し、横浜で停泊した。その頃は、文字通り「対岸の火事」だった。
やがて、世界でもパンデミックが宣言され、国内の患者が増え、花見の頃には自粛が促され、4月7日にはとうとう「緊急事態宣言」が出た。
飲み屋の営業は夜8時までになり、学校も休みになった。
そのさなかに東京都知事選挙があったが、当然のように小池百合子氏が再選された。
夏場になって第2波が来て、いったんは沈静化した。 このコロナが一番少なかった頃に、東京都は「東京アラーム」を発信し、レインボーブリッジが赤く照らされたが、まったくもってタイミングが間違っていた。
秋には第3波が来て、都内感染者が600人に達するようになり、12月31日にはついに1,300人を超えた。
私の都庁在職中に、新型インフルの流行があったが、それは日本には影響がほとんど出なかったので、正直なところパンデミックをなめていた(反省)。

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コロナとインフルエンザの大きな違いは、その影響の選別にある。
インフルも年3千人くらい死者が出る。年齢的には抵抗力の弱い子どもの死者も多い。 コロナの死者は圧倒的に高齢者と持病持ちが多い。若年者にとっては、ただの風邪だ(中には後遺症に苦しめられる人もいるというが)。
ところが、陽性率を調べると、10代~30代の感染者が多い。集団生活や飲み会が感染源になっている。
若年者から高齢者等へ感染し、死者が出る。しかも、潜伏期間が10日から2週間くらいあるので、症状の出ない者がこの間にウイルスをばらまく。
3月29日にタレントの志村けん氏が逝去した。4月23日に岡江久美子氏が逝去した(彼女は私と同じ歳だが、乳がんなどの持病があった)。
志村氏の一件から“夜の街”が感染源だと指摘された。確かに、歌舞伎町のホストクラブから、たくさんの感染者が発見された。夜の街から灯が消えた。 酒を提供する飲食店、カラオケ屋の深夜営業に自粛が求められた。
次に「三密」(密閉、密集、密接)が問題視され、そのとばっちりでパチンコ屋がいくつも廃業した(えん罪だと思う)。
ライブハウスからクラスターが発生したため、人が集まる集会が中止になった。スポーツも無観客試合が行われた。
ソーシャルディスタンスとか、テレワークという言葉が流行った。
ヨーロッパの都市はしばしばロックダウンになった。 アメリカは大統領選挙で盛り上がったためか、たくさんの人が死んだ。
幸いにも、日本では経済活動は止まらなかった。
国は苦境に立った観光業や飲食業を支援するために、GoToトラベル、GoToイートといった費用負担を行ったが、効果が出たかと思うとそのタイミングで感染者が増え、 ブレーキを踏んだり、アクセルを踏んだり、という皮肉な結果となった。

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私としては、なすすべもなく、ただ眺めるしかなかったが、国が国民一律に出した支援金10万円は、しっかりもらった。
8月19日に10年有効のパスポートが、1個のスタンプも押されることなく期限切れとなった。どうしようか迷ったが、そのままにした。 身分証明書としての役には立ったが、マイナンバーカードの活用が今後拡大されると見て、もう止めた。
映画館からも足が遠のいたが、前年12月にwowwow、Netflixに加入したので見まくった。HDMIのワイヤーをパソコンとTVとで繋いだので、AmazonPrimeも見られるようになった。 偶然とはいえ、ラッキーだった。
展示会にも、あまり行かなかったし、行っても規模縮小で元気がなかった。

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新型コロナを除けば、かなり落ち着いた1年だった。大きな地震や台風もなかった。
マンションの管理組合で、マンション規約をネットで公開するためにワード化するという話が出ていた。
外注で8万円もかかるという。「やらして欲しい」と申し出て、ボランティアでやった。3週間ほどかかった。管理組合からお礼の品(ふりかけ詰め合わせ)をもらった。
夏場は暑いし、コロナの自粛期間だったので、ちょうど良いヒマ潰しになった。
毎日歩くことを続けていたが、どのくらいになるのか計ってみるためにスマホに歩数計ソフトをダウンロードした。 1月20日から計測を始め、12月末には2,900kmを超えた(1/20~12/30、計2,970km)。日本列島を北海道から沖縄まで縦断する距離だ。結構歩いている。
ただし、秋口から歩いていると、右足袋はぎに痛みとしびれを感じるようになった。
医者の見立てだと「脊椎管狭窄症」ではないかという。背骨の横に神経の太い束が通っている。 背骨がズレる、背骨にトゲトゲのような突起ができる、椎間板ヘルニアになる、といったことが原因で脊椎の神経を圧迫する。それで手足のしびれが出る。 ま、要するに老化現象だ。やれやれだなぁ。
それと、就寝中に身体にかゆみを感じて目が覚めることが、しばしば起こった。 寝床にダニでもいるのかと、駆除剤をバンバン蒔いたり、洗濯の際にダニ退治用の洗剤を使ったりしたりしたが、ネットで調べると「アルコール摂取の過剰」とも書いてある。 さもありなん、というところか。
12月12日に豊玉保健相談所に出向き、特定保健指導を受けた。区の健康診断でBMI値が高かったからだ(一口で言って“デブ”だ)。 ヒマ潰しの興味本位といったところだった。
栄養士さんは優しく言った。「毎日、お酒を飲んでいる人に飲まない日を作れというのは厳しすぎますよね。ワインはカロリーが低いので、まだ、そっちの方はいいです。 だから、自宅に帰ってから飲む焼酎の量を半分にしてください」
ということで、水っぽくてまずい焼酎を飲みながら、ビデオ三昧の毎日である。はてさて、効果のほどはいかに。

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近所のイタリアレストラン「HARUTA」に週3~4回通った。
以前は「パンコントマテ」という店に行っていたのだが、マンションに建て替えられるので廃業してしまった。店じまいの時、ワインをプレゼントされた。
そこで、同じような店を探していて見つけたのが「HARUTA」である。地元チェーン店らしく、和風飲み屋や餃子屋など数店がある。そのうちの一つだ。
私は、仕事をしなくなってから、生活時間をずらしている。一般の人で混み合っている時間帯はコロナ前から避けていた。
「HARUTA」は、これまでは平日5時開店だったので、4時半頃通る私はあまり立ち寄ることがなかった。ところが、コロナ禍で客足が遠のいたので、終日営業に変わった。
ここで私は“ガンプラのお父さん”と呼ばれている。
gunpla自粛期間中、自宅でガンダムのプラモデルを毎日作るようになった。
制作物がだんだんと完成に向かっているのを見るのは、精神衛生上、かなり良い。
プラモデルは23個作ったが、うち19個がガンプラだった。作りすぎて、だんだんと対象商品がなくなってきた。
バンダイさん、マスターグレードをもっと出してください。老眼だとリアルグレードは小さくて作れません。
プラモデルは作るだけではなくて、実写の風景写真と合成して、それらしい絵柄にしている。 これまでは年賀状に入れて知人に提供してきたが、収まりきれないので、正月に本サイトで公開した。
いわゆる「詳しくはWebで・・・」という方式だ。ネット公開は知財権に抵触するので躊躇はしたのだが、期間限定なので許していただきたい。

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