理想の展示場を作ろう
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建設場所を間違えると命取りになる。
重厚長大型の展示会を開催するには、やはり規模とそれなりの設備が不可欠だといえます。

東京ビッグサイトは、24万uの敷地面積を持っています。それに周辺に臨時駐車場として使える広場や搬入搬出のトラックの待機場があり、あわせれば倍以上になります。
東京モーターショーが開催される幕張メッセの場合は、周辺の臨時使用地を合わせた面積はビッグサイトをしのぐともいわれています。

それだけのまとまった平場を確保することは、今の日本の状況を考えると、かなり難しいことで、建設位置は、どうしても埋立地になってしまいます。

しかし、小ぶりであっても、地の利が良ければ、それほどの広さは必要ありません。
東京ドームの蘭展や物産展は有名ですし、その遊園地にはプリズムホールという展示場が敷設されていて、個別企業の新製品発表がよく行われます。サンシャインシティや、都心のホテルのパーティルームが立派な展示施設となる例もあります。

要するに、展示場の性格づけがはっきりしていて、そのターゲットとする来場者とのアクセスがどれだけ良く保たれているかということが大切なのです。

したがって、いくら土地があるからといっても、産業の中心から大きく離れたところに建てたのでは失敗が見えています。

よく「地方に体育施設を建てたが維持管理費用を捻出しなければならないので、空いているときは展示会にでも利用したい」という話を良く聞きますが、中途半端な稼働は赤字を増すだけといえます。

そこで建設場所の選択ですが、独断になりますが、ビジネスマンが相手だとすると都心の企業からドアtoドアで、1時間半が限度だと思います。

このくらいなら、いったん出勤してから同僚と連れだって行くこともできます。
10時半に職場を出て、12時に会場付近で昼食、13時から2〜3時間程度会場で過ごし、近くの繁華街に出て一杯やりながら情報交換、というのなら、来る方も気軽です。
ビッグサイトだと、来場者のピークは14時頃になります。昼食を途中でとってからその足で来るビジネスマンが多いからでしょう。

幕張・横浜でも片道1時間以上はかかります。電車の乗り換えに予想外の時間をとられたり、本数が少なかったりする場合もありますし、最寄り駅からの距離というのも、計算に入れなければなりません。

晴海のときは、ビッグサイトより都心に近かったのですが、バス待ちの時間があまりに長く、くたくたになって帰るか、混む前に会場を出るか、といった選択しかありませんでした。
だから、交通機関の整備もひじょうに重要だといえます。
近所に行楽地などがあると、シーズンによっては、同じような交通マヒが起こり、会場の評判を落とす原因となります。

ライバル展示場との競合も問題になります。都心からみて空白域は北部になりますが、なかなかまとまった土地もないようですね。

そんなことばかりいっていては話も進まないので、ここでは、羽田空港が沖合移転が急に実現して用地が突然できた、くらいの想定で先に進みましょう。

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