理想の展示場を作ろう
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ヨーロッパ型かアメリカ型か
展示場を意味する「メッセ」という言葉、聞くところによると教会のミサにその語源があるといいます。ミサのある日に街角に出店が並んだ、それが、商品の展示会へと発展したとのこと。

日本でいえば、神社の縁日のようなものですね。確かに、展示場の運営を考えてみると、縁日の取り仕切りと似たところがたくさんあります。

ところで、縁日にはいろいろな小屋が立ちますが、商品展示の場合も入れ物(展示ホール)が必要です。
旧晴海会場の場合、大きな通路をはさんで、数千uの展示館が6館、それぞれ独立して建てられていました。こういった展示場は、ヨーロッパで多く見られます。

作りは飛行機の格納庫のようにシンプルなものですから、維持管理経費は安くてすみます。
逆に、雨降りなどの時などには、となりの館への移動が面倒です。どのホールのどの位置にブースを出せるかが、出展社にとって大問題になります。

これに対して、展示場と会議場、レストラン(規模が大きい場合はホテルも)をワンパッケージとした施設をコンベンションセンターと呼びます。
アメリカにはこの形式が多く、ラスベガスやシカゴ、ニューヨークには、こうした展示場があります。
厳密にいうと、幕張メッセも、このコンベンションセンターの一つです。

昔の展示会は、単に商品を展示していればよかったわけですが、最近はハイテク関連の展示が多くなっていて、品物を見ただけでは、その性能を十分理解することができなくなっています。
このため、セミナー・講演会・パネルディスカッションなどや、レセプションパーティを併催する展示会も増えてきました。

コンベンションセンターは、そうした新しいタイプの展示会に適応した会場の形式となっています。
その代わり、会場のグレードを維持するために、たくさんのお金がかかることを覚悟しなければなりません。

新たに展示場を建設する場合は、ヨーロッパ型にするか、アメリカ型にするかを、まず決めましょう。

今回は、アメリカ型(コンベンションセンター)を前提に展示場を設計します。しかし、状況によっては、見栄をはらずにシンプルな施設にした方がいい場合もあると思います。

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