理想の展示場を作ろう
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複数の交通アクセスがなければなりません
展示場は様々な利用のされ方をします。バーゲン会場にも、コンサート会場にも、試験会場にもなります。アクセス手段が一つだと、なかなかうまく来場者をさばけません。

(1)電車によるアクセス方法は、2種類あればベターです。

 ビッグサイトには、りんかい線国際展示場駅からのアクセス方法と、ゆりかもめ国際展示場正門からのアクセス方法があります。
 後者があまりにも有名なため、多くの人はゆりかもめを利用しますが、実際の輸送力からいうと、りんかい線の方が上です。
 ですから、地味なりんかい線の駅の方が近いとよかったのですが、実際は逆になっています。

 理想的な展示場を作るのなら、入り口地下に、地下鉄の駅を設置しましょう。

 逆にゆりかもめのようなコミューターを引くなら、展示場をぐるっと一巻するように配置し、臨時駅でもいいから、複数箇所で乗り降りできるようにします。そうすれば、来場者は、自分の一番便利のいい駅から会場に入ることができます。
 それから、コミューターは必ず循環線にしてください。そうすれば、来場者が一方向に偏ることもなくなり、効率よくアクセスできます。

 駅の切符売り場にカメラを設置し、場内のモニターに交通機関の混雑状況を表示するようにします。そうすれば「ゆりかもめはたいへん混雑しております」というような、放送を流す必要はなくなります。
 モニターの脇に喫茶コーナーを作ると、駅が混雑したときには繁盛するかもしれません。

 ビッグサイトのオープン時には、ゆりかもめの発車間隔は車両数が少なかったので10分間隔くらいでした。切符を買うのに1時間近くかかることもあり、そりゃもうひどいもんでした。
 今は、当初のブームが過ぎたのと、発車間隔が5分になったこと、その他の交通網も整備されたことで、積み残しが出るほど混むことはなくなりました。

 交通アクセスを複数用意したなら、それを利用するにはどっちの方向に向かったらいいか、会場内の案内版に表示します(ということは、その案内板がすぐに視認できるようでなければいけないということです)。

 

(2)即売会を誘致するなら、駐車場が必要です。

 即売会のお客様は、帰りの荷物が増えるので、車で来場することが多いようです。ですから、会場周辺に来場者用の駐車場が必要です。
 常設の駐車場のために大面積を確保すると、ひじょうに経費がかかります。必要に応じて拡張できるような臨時駐車スペースを周辺に確保しておくことをお薦めします(ビッグサイトでは、このスペースを利用して、正月の出初め式やコンサートを開催しています)。

 それから、車関係の展示会では、来場者の多数が車に乗ってきます。周辺幹線道路からのアクセスプランを入念に練っておいて、事前に警察とよく相談しておくことが必要です。

 コンベンション施設として、学会など高レベルの会議を開催するなら、地下駐車場がなくてはなりません。地下駐車場には、自動式の入場ゲートを設けます。誰でもわかるように誘導表示をつけ、また、満車か空きがあるかの自動表示板を立てます。
 身障者用の駐車スペースも忘れずに確保してください。
 

 そして、車に乗ってきた来場者とタクシー・路線バスのための駐停車用ローターリーのために十分すぎるくらいのスペースを用意します。
 ロータリーの位置は、飛行場のように、バスから降りるとすぐ正面がアトリウムというのが、理想的です。雨風を避けられるように、屋根があるといいですね。

 業界のイベントでは、地方から観光バスを何台も仕立てて来場者がやってくることがあります。バスの降車場も別途用意する必要があります。

 食堂業者などの会場関係者が材料を積んで車で来ることを忘れてはなりません。そうした人たちのために、一般の来場者とは別の駐車スペースを確保します。

 搬入・搬出用車両の待機場が別途必要です。

(3)船は必要か?

 晴海会場時代、海上バスは貴重な来場者の足でした。
東京駅などからの送迎バスが、むちゃくちゃ混んでいたため、展示会を熟知した人はみな竹芝から海上バスを利用しました。
 しかし、多数のアクセス手段がそろっている今日では、海上バスは、観光的色彩が強い交通手段に位置づけられるようです。

(4)路線バスは必要か?

 路線バスが来ていると、イベントで多数集客が見込まれるときには、臨時運行を頼むことができます。路線バスを誘致するときには、乗降スペースはもとより、待機車両の駐車スペースをロータリーに確保する必要があります。
 運転手さん用の休憩場所を別途用意してあげます。

(5)もちろん、空港も近い方が

 国際的な展示会場となれば、空港が近い方がいいにきまっています。空港との距離が、展示会場のグレードを大きく左右するからです。
 海外からのお客様は、空港からの至近距離に、こうした国際的な施設があるのが当然と考えています。

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