理想の展示場を作ろう
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ホールに備えなければならない設備(2)

(1)通信設備

ホールは広いので、通信設備は必ず必要です。
スタッフ用には、トランシーバーのようなものがなければいけません。しかし、専用のものを作るのでは費用がかさみます。
世の中には、携帯電話のようなものがあるので、それを使わない手はないでしょう。
したがって、携帯電話がかけられるような電波状態が維持できなければなりません。
PHSのためには、1ホールに複数のアンテナの設置が必要です。
こうした通信機器は、見本市の際に展示される重要商品となっています。それが、会場内で使えないというのでは、展示場の信用問題になります。

(2)空調設備

大きいホールですから、空調を動かすとたいへんな費用になります。
しかし、コンサートなどのイベントでは、それこそぎっしりの人が入り、ホール内の二酸化炭素濃度もどんどん上がってきます。CO2を常時モニターしておくセンサーをつけ、強力な空調設備を稼働させます。自動で開く、空気抜きの窓なども、あると役立ちます。
夏場の冷房はまだいいのですが、冬場の暖房は高い屋根の部分に上がっていってしまいます。このため、上部から下へ向けて空気吹き出し口を作って、ホール内の空気を攪拌します。
展示会の開催時には、場内サインを天井からぶら下げる場合があります。
空調の吹出口が、その正面にくると、案内がぶらぶら揺られてたいへん危険です。
準備段階では空調は稼働していませんから、それに気づかないことがあります。吹出方向などを、遠隔操作で変えられると、こうしたことが防げます。

(3)消防装置

ビッグサイトの各ホールには2カ所ずつ、強力な放水銃が設置されています。しかし、訓練以外では、まだ機動したことはありません。
実は強力すぎて、放水銃を発射すると火災より放水銃の被害の方が大きいともいわれています。

(4)火災センサー

消火装置よりも、火が広がらない前に消す方が大切です。このため、ホール上部に赤外線のセンサーを設置し、早期に火災を探知するようにします。

(5)放送設備

主催者事務室から場内放送をします。
ホールは、分割したり、間仕切りを取り払って一体として利用したりしますから、放送設備もこれに適応できなければなりません。

(6)監視カメラ

会場を俯瞰できる位置に、複数の監視カメラを設置します。
主催者事務室にモニターを設置し、常時会場内の状況を把握できるようにしましょう。
監視カメラは、首振り・ズームも、事務室からコントロールできるようにしておく必要があります。
しかし、これとは別に、主催者事務室には大きな窓をつけて、会場内の様子がいつでもわかるようにしておくといいでしょう。

(7)照明

ホール全体の照明(水銀灯)を、主催者事務室でコントロールします。自然光を活用すれば、かなり照明用の費用を節約できます。

(8)作業用電源

各ブースへの電気取り出し口とは別に、大容量の作業用電源が必要です。広いホールの場合は、複数用意しなければなりません。

(9)水回り

トイレ等の設置はいわずもがなですが、それとは別に水を供給できる場所が必要です。今では少なくなりましたが、木造の展示ブースの場合、ベニヤの壁に色とりどりの壁紙を貼って装飾していきます。
当然、そういった作業のためには、水が必要です。
通常の家庭の水道より、もっと太い水道管の設置と、スペースに余裕をもった洗い場がバックヤードにあると便利です。

(10)ストックヤードなど

会場としては、ホールへ1uでも面積をとりたいところです。だから、意外と忘れられてしまうのですが、各ホールの備品をストックする倉庫が必要です。
理想的な展示場を作るのだったら、こういったスペースをたくさん作っておきたいところです。

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