理想の展示場を作ろう
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利便施設その1(医療室、託児室)

医療室

大きな展示場となると、医療室の用意は必要です。
が、会場側で医者を常駐させるわけにはいきません。人件費・設備維持費がたいへんな額になってしまいます。あくまで応急処置ができる程度のものとして施設は確保されます。
展示会も10万人規模となると、途中で倒れる人も出ます。
したがって、こうした事態が見込まれる場合、展示会主催者は医療スタッフを待機させるのが普通です。

ところで医療室を確保するとして、そこに常備する薬のメンテはどうするのでしょうか。
得てして、こういうところは忘れてしまわれがちなのです。

結果として、部屋は用意するが、中身は主催者がその都度整備するというのがベストチョイスとなります。
常備する薬は、切り傷のための消毒剤程度となります。

こうした場合、併設のホテルにクリニックなどあると、お互いの連携が利いて効率的ですよね。私がホテルの併設を推奨するのには、こうした理由もあります。


託児室

展示場は商用施設なので、利便性はあまり求められていませんでした。これからは、こういうものも必要なのかもしれません。
以前、タイの展示場を見学したとき、託児室があったのでびっくりしました。こういう面では日本は遅れています。
ゲームショウのような子供相手の販売会だと、迷子がたくさん出ます。だから、一時留め置きのためのスペースが大切です。

最近の子供は、親とはぐれても、自分が迷子とは思いません。ところが親は、子供が見あたらなくなると、迷子になったのだと思います。パニックに陥るのは親です。
子供:「まったく、ウチのオカーサンはしょうがないな、いったいどこいっちゃったんだろう」
親:「ウチの子がいないんです。どうしたら見つかるでしょ。場内放送をすぐやってくれませんでしょうか」

ところで、ビッグサイトには、設計段階から授乳コーナーが用意されていました。
しかし、その場所は、女子トイレの内側でした。
早々に、来場者からのクレームがありました。その結果、公共スペースに授乳とおむつ替えのコーナーを後から作ることになってしまったのです。
今は、男性も子供の世話をする時代なのです。
女子トイレだけに、おむつ替えのスペースがあったのでは、困るのです。

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