理想の展示場を作ろう
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会議室のイスは機能性重視だ
レセプションホール

前に、「応接セットの発注は早めに」と助言しましたが、その他の机・イスについても、発注する数が多いだけに、早い時期に仕様を決めた方がいいでしょう。

まず、レセプションホールのイスですが、会食場所のイスの必須条件としては、しみが付きにくいことです。
ソースや醤油をこぼしても一ふきでふき取れて、しかも、高級感を損なわないものがベストでしょう。
保管の際、積み重ねができることが必須です。

テーブルは、パーティー用丸テーブルを相当数用意しなければなりません。
また、セミナー等にも利用するので、普通の長方形の机も必要です。

机は、パーティ等の場合には、たいがい上部にクロスをかけますから、それほど高級感があるものである必要はありません。
しかし長テーブルの場合、折り畳み・積み重ね保存ができて、軽量かつ丈夫で、安定性のいいことが必要です。
上に料理などの熱いものを置く場合があるので、熱に強いこと。また、天板の張り替えなどが容易であると便利です。

レセプションホールの付属施設には、こうしたテーブル類を保存するスペースを十分とらなければなりません。

もちろん、机・イスを運ぶためのキャリアーが必要です。

また、レセプションホールでは、絵画の展示会などが開催されることも考えられます。したがって、それらの掲示用のボードを用意するか、なども検討が必要でしょう。
壁の一部がパカっと分離してきて、こういった場合のパーティションに早変わりするなんて仕組みがあれば、かっこいいですね。

会議室

会議室関係の備品購入計画は、さらに早く立てる必要があります。
なぜなら、それが、会議室全体の大きさやデザインプランに影響するからです。

イスの必須条件は、軽く(アルミなどの材質で)、とにかく、たくさん積み重ねられること。そのための経費はケチってはいけません。
折り畳みイスでは、そこで開催されるセミナーのグレード自体が低い印象を与えかねません。少々お値段が張っても、品のいいものがいいです。

長時間座るので、座部はクロス貼りで通気のいいものを選びます。ただし、あまり柔らかいものでない方がいいと思います。

机は「2人がけ」にすること。
今どき3人がけで1室あたりの定員を水増ししたところで、クレームがくるだけです。セミナーに集まって来る人は、みな赤の他人ですから、緊密な接触は望みません。
2人用ですから横幅はそれほど長い必要はありませんが、キャスター付き、折り畳み可能にして、保管スペースを節約できるものを選びましょう。丈夫なもの(特にキャスター部分)を選ぶことが肝要です。

部屋と部屋とで備品を融通する場合がありますので、仕様は各部屋統一とします。ただし、目印をつけて、関係者だけには、どれがどの部屋の備品か、一目でわかるようにしておかなければなりません。
主催者が勝手に他の部屋の机・イスを持ち込んで、そのままにして帰ってしまうことが、ままあります。

会場側は、部屋と備品は貸し出しますが、並べ替えには人手が必要になります。
したがって、その経費を誰が負担するか、事前に決めて、料金表などに反映させておく必要があります。
通常は、いくつかの配置パターンを決めておいて、最初の1回目については無料。途中で、その配置換えをする場合は、その都度、必要経費をいただく、という方法をとります
(そうすると、ほとんどの場合、途中の配置換えは主催者側のスタッフが行うようになります)。

※ワンポイント・アドバイス

広い会場にたくさんイスを並べるのは至難の技です。
通常は、タテ・ヨコ・ナナメにひもを張ってそれに合わせます。
そこで、床のカーペットの模様で、これが調整できるようにすると便利です。
あまりしゃれた模様にせず、たてよこに規則性のある幾何学模様にしておくと、机・イスの配置の際に役に立つと思われます。

代々木のオリンピックセンターの会議室では、床に金属錨が埋め込んであって、それを基準にたてよこが合わせられるようになっていました。
これなども、うまい工夫でしょう。

会議室のセッティングは、あくまでも人手仕事になります。これに対し、客席の自動せり出しシステムなどを設けて対処しようという流行が、バブル時期にありました。

はっきりいいますが、それはムダです。
毎回利用者が違う会議室にそんな重装備をつけたら、利用料が高額になります。だけど、利用者は怖がって、そんな大きな仕掛けを使いません。会議室自体が利用されなくなります。

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