業種判定という面倒であまり建設的ではない事務を何とかして省きたい。それでいて、商業・サービス業向けの支援事業だとわかってもらうには、どうすればいいか。
いろいろ考えあぐんだあげく、私は支援制度の作り込みそのものに、そういう主張をさせればいいのではないかと考えました。
わかりやすく言えば、「商業・サービス業にお得感のある補助制度=製造業にはあまりお得感がない補助制度」に仕立て上げれば、業種云々という面倒な判定を逃れられる、ことに気づいたのです。 |
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まず、あまりにも当たり前のことですが、事業テーマには「商業・サービス業」が対象であることを、大きく謳いましょう。
かっこいいカタカナ表記を使って事業の性格付けを不明確にするくらいだったら、その方がよほどいいです。
事業タイトルは、「商業・サービス業育成型 〇〇事業支援補助金」といったように、「商業・サービス業向けだよ」という文句を組込むことにします。 |
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次に、地域密着型であることを打ち出します。
製造業の場合、生産現場が他県や海外にある場合も多いので、地方自治体の補助金には馴染まない面が出てきていますが、商業・サービス業は商圏から離れられないので地域性重視でもかまいません。
事業の受益者は、直接は企業そのものですが、間接的には納税者である都民にも利益が還元されるものでなければなりません。
そこで、「人件費補助の対象となる従業員は都内在勤者に限る」「補助金によって設置される設備の設置先、店舗の内装工事は東京都内の自社事業所のものに限る」など、「東京都の範囲限定だよ」ということを強調します。
ここで、「原則として」とか「等」とかいう、曖昧な文言を入れると、後日、かえってもめます。
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事業規模は、商業・サービス業の基準を使います。製造業を除く中小企業の定義は以下のとおりです。ここでは経営革新計画の例を示します。 |
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卸売業 |
資本金1億円以下 |
または |
従業員100人以下 |
サービス業 |
資本金5,000万円以下 |
または |
従業員100人以下 |
(ただし、ソフトウエア業または情報処理サービス業は資本金3億円以下 従業員300人以下、旅館業は資本金5,000万円以下 従業員200人以下) |
小売業(飲食店を含む) |
資本金5,000万円以下 |
または |
従業員50人以下 |
業種について、ここまで区分が曖昧になってしまったなら、アバウトに解釈した方が事業執行上は便利だと思います。 |
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職種区分がないのだから、製造業などでも申し込みたいという企業があるかもしれません。その場合は、卸売業の基準を適用することにしましょう。
ソフトウエア業がサービス業なのかは疑義があるところとは思いますが、これも制限した方がすっきりします。
こうしたことから、次の基準を考えました。 |
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(本制度の対象となる中小企業の範囲)
小売業(飲食店を含む) |
資本金によらず |
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従業員50人以下 |
その他 |
資本金によらず |
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従業員100人以下 |
実にすっきりしていて気持ちいいです(拍手)。 いずれにしても、制度設計の考え方次第だと思います。 |
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