実践! 経営革新入門 経営革新計画って、何?
●経営革新計画って、何?

[坂井(コンサル)]: それと、新事業を「経営革新計画」として東京都に認めてもらうのも、検討価値があります。

[都南社長]: 「経営革新計画」って、何ですか。初耳です。

[坂井(コンサル)]: 中小企業新事業活動促進法(中小企業の新たな事業活動に関する法律 平成11年法律第18号)という法律があります。新しい事業に挑戦しようという中小企業を応援しようという法律です。
まったく新しく創業するというのではなく、これまで蓄積した事業実績を踏まえて、新事業展開しようとする中小企業を評価しようというものです。
経営革新計画を承認されると、政府系金融機関の低利融資制度が受けやすくなったり、特許料金の減免制度があったり、その他の支援措置が受けられます。
直接の金銭的なメリットばかりではありません。社会的信用を高めるためにも意義があることです。御社のように、お子さんたちを預かるというような仕事を始める会社さんにとっては、大きな利点だと言えます。

[都南社長]: 必ず融資してもらえるのですか。

[坂井(コンサル)]: なかなかそう簡単にはいきません。各種の援助策のスタートラインにつける、といった程度とお考えください。それでも、一歩前進ですし、企業のイメージアップにも繋がります。

[都南社長]: しかし、申請書など、作ったこともありません。どうしていいかわかりません。坂井さんにお願いできますか。

[坂井(コンサル)]: 私たちが代行して作成することもできますが、費用がかかります。それに、社長自らが事業計画を作ることが大切なんです。これから考え始めるというのならともかく、ここまで固まってきたプランですから、ご自分で作ってみてはいかがでしょうか。

[都南社長]: 時間ばかりかけて、御利益が少ないのなら、当社のような中小零細では、やる意味がないと思いますが・・・。

[坂井(コンサル)]: 中小企業こそ、こういった制度を利用する価値があるのです。日本の企業の99%は中小企業です。日本のような小国が、世界から経済大国と呼ばれるようになったのは、99%の中小企業が強かったからです。

[都南社長]: でも、最近の中小は、どこも息切れです。

[坂井(コンサル)]: そうでもありませんよ。何かと頑張っているところはあります。世界一細い注射針などを作って注目されているのも、町工場です。日本の中小企業が強いのは、そんな風にいつも新しいものに挑戦してきたからです。

[都南社長]: 元気なところと、ダメになっていくところがあります。無理をして失敗するところもあります。今回のことで、ずいぶんと反省させられました。

[坂井(コンサル)]: そのためにも、今の会社の状況をよく把握しておくことが必要です。
新事業に挑戦するには、その前提として、自分の会社がどんな強さ、どんな弱点を持っているか、経営者自らが把握しておかなければなりません。そういうことをもう一度見直してもらいたい・・・新事業活動促進法には、そんな意味も込められているのです。

[都南社長]: それにしても、私のような者が申請書類なんて作れるのでしょうか。

[坂井(コンサル)]: これまでPTを作って検討してきたことを、書面に落とし込めば、いいのですよ。それに、都庁や商工会議所・商工会に行けば相談にのってもらえます。中小企業振興公社というところも、相談窓口を開いています。

[都南社長]: もう一つお聞きしたいことがあります。もう準備が始まっているのですが、これから申請するのでは間に合わないのではありませんか?

[坂井(コンサル)]: 都南空調サービスの場合、決算の締め日が3月ですよね。前回の決算を直近の期末とすると、それ以降に着手された事業は対象になります。ものづくり教室の検討を始めたのは5月ですから、大丈夫です。次の決算を税務署に出す前に、申請してください。

[都南社長]: それじゃぁ、さっそく、様式を取り寄せてみます。

[坂井(コンサル)]: 東京都産業労働局のホームページに様式が載っています。そこからダウンロードできますよ。




 
 <補足説明>
東京都(※要アポイントメント)や東京都中小企業振興公社では事前のご相談にも応じます。きちんとした計画がまとまっていない段階でもかまいませんので、お気軽にご相談ください。




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