子育て支援
[例示]待機児童の解消、保育サービスの充実、保育人材の確保・定着・育成など
[2017の採択案]
・森と自然を活用した保育等の推進
・元気高齢者など多様な人々が輝く子育て支援員等の確保促進事業
私のように生涯独身率を高めている者にとって、子育て対策を考えるのは困難だ。でも、それじゃ話は前に進まない。 何で独身老人になってしまったかというと、若い頃、仕事と生活のバランスが大きく崩れていたからだ(と思いたい)。 そっちの方は、働き方改革の項に譲ることにする。
さて、子供の数はずっと減っていた。
にもかかわらず、待機児童が増えたのは、働く(働かざるを得ない)お母さんたちが増えたからだ。
私は、早晩、待機児童は無くなると考えている。子供の数はまだまだどんどん減っていくからだ。
最近、一時的に合計特殊出生率が上がったが、それは2人目を迷う夫婦が、「子供を増やそう」という時代の流れに乗ったためだと思う。
しかし、親世代の絶対数が少なすぎる。団塊二世は40代に入った。地方から若者が流入するにしても、その地方そのものに若者が枯渇している。 移民の基準を見直したとしても、そうそう定着するとも思えない。
にもかかわらず、待機児童問題は後を引くとも考えられる。
私は、待機児童への施設サービスをしている企業を知っているが、こうした事業者は立地条件をよくよく考えて受入施設を作り、高いサービスを提供している。
なぜなら、高いサービス=高い費用負担、となるからだ。
今の若い人はお金を持っていない。昔はもっと貧乏だったが、身分相応に生活し、贅沢はしなかった。
それでも欲しいものは手に入れる。収入とのバランスが取れなくても、周りの人が買う物は買う。
なぜなら、今の子育て世代そのものが、少子化の中で育ってきたからだ。両親と祖父母の6つのポケットから小遣いをもらえた。 だから、自分たちと同じように、子供たちにも世間並みの贅沢はさせたいと考える。
しかし、不安定雇用を続けてきた人は給料は安く、親たちの年金も昔よりずいぶん少なくなった。長くなった老後の経済的な不安も大きい。
そうしたことから、施設の不足から待機児童が発生するのではなく、経済的な逼迫から待機児童にせざるを得ないケースが増えるのではないか。
そういう状況を前提として、子育て支援策を考えてみよう。
[事業提案]
事業名:少年少女秘密基地建設プロジェクト
商店街の空き店舗を借り上げる。
そこを近隣の小学校の児童の一時預かり所とする。
預かり所には、ちょっとレトロなゲームとか、駄菓子を置き、利用する児童からは安価な料金を取る(50円程度か)
管理のため高齢者1名を常時配置する。ただし、見守るだけ。
残業などで定時に帰宅できない父母は、子供に「迎えに行くまで秘密基地で待っててね」と指示する。
利用する児童は、その都度、利用者名簿に名前を記載し、父母との連絡手段を確保しておく。
まず第一に、提案したのは地域に密着した事業なので、東京都の事業ではなく、区市町村の担当となる。
都民提案を求めると、提案する側はそんなことを考えていないので、どうしても身近な政策を求める。
でも、まぁ、それはさほどの問題ではないだろう。
第二の問題は、いかにしてこの事業を定着させるかだ。利用者が少ないのでは意味がない。
かといって多すぎるとキャパシティを超える。ほどよい利用者を得るには、絶妙なさじ加減が必要。
しかし、それは事業運営上の課題に過ぎず、工夫してなんとかするしかない(ネットで画像中継するとか)。
最大の問題は、事業が成功したときに発生する。
小規模な事業だから、成功すると、ほかの地域でも「やってほしい」と要望が出る。これは無視できない。
さらに1年間やって定着すると、このまま続けてくれと言われる。これは、東京都の条件<原則として単年度事業>に抵触する。
となると、区市町村の負担で継続させるしかない。
商店街の空き店舗を月20万円で借りたとして、年間240万円。それがずっと区市町村の負担になっていく。 しかも、複数地域で設置するとなると、これには区市町村側が耐えられない。
つまり、本事業は、成功すると続かない。かといって、失敗すると意味がない。ということになる。
東京都の言うように「単年度事業」で終わるようなら、やらない方がよい。
以前、某市が空き店舗を利用した起業家育成事業を実施した。
しかし、手塩にかけて育成され独立した起業家は、その商店街に店を持たず、もっと賑やかな隣接地域で開業してしまった。 しっかりした経営者なら、当然の判断ではある。
が、こうなってしまうと、事業を維持していこうとする市側のモチベーションも下がってしまう。
起業家育成に視点を置くならば、広域行政として都道府県が担っていくべきものなのかもしれない。しかし、それでは地域の協力が得られないかも。
同じ空き店舗対策、その線引きは難しい。