第07話 1857年 『封建のための攘夷と、月下の切っ先』
日本の開港は、長崎のみで、オランダ以外の通商国が増えただけ、
4000t級青葉型機帆船と5000t級征夷型輸送機帆船の建造が進み、太平洋の島とか、取りに行ってる。
ハワイ諸島は、ニイハウ島(180ku)より西の島を全部取って、一安心かな。
国内は、幕藩連合(連邦)制をなんとか、機能させようとしている。
だけど、封建制度って、血筋家柄が人事の判断基準だからさ、
適材適所で選びたい人間を選べないだけじゃない、
投資したい産業に投資できない弊害も大きいわけ、
さらにアホな幕臣が、悪貨良貨を駆逐するで、才能を殺すから、産業が劣化しちゃうわけ、
もう、邪魔だから、上に立たないで! 的な。
そうそう、東アジアは、清国が、太平天国(内戦)と、アロー戦争(外戦)で大変なことに、
あと、朝鮮は、悪鬼半島で、敵扱いさせてるので、取り込もうとする連中が減るはず、
1月
日本の庶民は、二つの方向を向いている、
一つは、外国との取引が増えた長崎の出島群。
もう一つは、おれのやってる瑞穂事業。
ていうか、欧米がもたらす文明機より、瑞穂系企業が国産で生み出す産業が上だし、
電気、水道、鉄道、造船の規模もでかいわけ、
ぶっちゃけ、瑞穂産業を一回りしたあと、
外国に視察に行った連中は、失望して戻ってくるわけよ。
失望っていうのは、あの生意気な国防参謀の綾波源司をやっつけてやろうって思ってる連中のことね。
迷惑な話しだけど、
国賊と売国な権謀術数で、まともな日本人がたくさん殺されてる。
嫌だよねぇ〜 まったく・・・
未来にも、たくさんいたよ。
本当、あの連中には、殺意が湧くよ、
おれも殺されないよう鏡新明智流(きょうしん・めいち・りゅう)剣術の稽古をしてるけどさ、
下手っぴな順から数えたほうが早いんでやんの
でも、ちょっと上手くなったよ。
まぁ 暇なときにやってるだけなんだけどね。
それでもまぁ 道場は、仲間を作るのに役に立った。
先輩でもあるし、弟子でもある関係で、親密になると、瑞穂系企業に振り分けてる。
そうそう、岡田以蔵(19)と立ち稽古したよ
すげぇ〜
こいつ、強いというより、薄情でガラスみたいに尖ってる。
おれ、人を殺せそうな雰囲気を持つ奴をはじめて見た。
2月
上下水道・電気・鉄道・郵便・銅行の配当金が少しずつ入ってくると、
幕藩連合の家臣団がうまみを求めて役職についていく、
その役職に付けるなら許可してやってもいいよ。的な。役所根性。
明治維新を経なくても、そういう役所根性だけはあるし、
未来は、もっと多いよな。
それで、今以上の高い俸給をもらいたがるわけ、
こいつらを殺さないと、公職者の給与が高すぎて、日本経済が失速する。
だから、士農工商混在の師団方式で組織を作っているのだけど、
こいつらときたら侍根性の差別意識が強くて困る。
とはいえ、こいつらが稼いだお金が配当金目当ての次の株券になるわけで、
貧乏人だけだと、金が集まりにくい、
3月
合衆国最高裁判所がドレッド・スコット対サンフォード事件の判決を下す。
ジオポリマーで5階建てを建てて、屋上に樹木を植えてやったよ。
なんとなく、反対されなさそうだしね。
同じ敷地なのに部屋を大きく出来て、住民も増やせる。
上下水道と電気と通信を完備した現代風の建物は、火事でも燃えないし、注目された。
そりゃ 3階建ての建物くらいは、あったし、
城郭は5階建てとか。寺院の五重塔とか。珍しいけど存在してるけど、
おれが作ったのは、人が生活できる高層建築だったから驚くわけ、
この成功で、奥多摩湖からの水道建設が許可されるようになった。
あと、琵琶湖からの水道網もね。
みんな水道代とか、電気代とか、通信代、運賃の配当が目当てってわけ、
そうそう、行方不明になったアメリカの2415t級蒸気外輪船ポーハタンのことなんだけど、
欧米でも日本国内でも話題に上ってるらしい、
そりゃ 一時、アメリカ海軍の旗艦になった蒸気船だし、
それが単艦航行中に行方不明になったら、怒るよね。
箝口令、箝口令、
ここで、変な噂が流れると、アメリカで南北戦争が起こらなくなるし、
そうなったら、おれ、困るし
4月
京の端から住宅公団を建設していくよ。
15パズルと同じで、住民を移動させながら、住宅公団を建設していくわけ、
この時代の長屋なんて住みにくいだけだし、
上下水道、通信ケーブル、電気がある場所に移りたがる。
そんな感じで、3等地から2等地、2等地から1等地へ登っていくわけ、
あれっと思ったら、いつの間にか、1等級下がった場所に住んでる感じ、
でもまぁ 道路とか舗装して3倍くらいに広げないとだし、
結構、大変かな。
この時代で制作不可能な最高峰の紙幣を1kg級魔法で錬成しているのだけど、
魔法で錬成できる紙幣量に限りがある。
5種1g錬成200札の瑞穂紙幣を保存10個の中に入れると、1種1g錬成1000札を錬成できるけど、
それでも大きな公共工事をすると消えてしまうし、
商品の種類が増えて消費が拡大するし生活水準が上がると、賃金闘争も増えるし、
賃金を上げると利鞘を稼ぐために物価を上げるか、
機械化で一人当たりの生産量を上げるんだけど、
機械を作るのに工場を建設て工作機械を並べて、人を雇わないと、
そして、工場を建設すると、電気がいるから、水力発電を建設しろってなる。
この堂々巡りで、産業規模が大きくなるほど、紙幣が不足するので、錬成だけじゃ足りない、
なので紙幣を印刷しようってことになるんだけど、
高精度の原版を錬成できても、インクと印刷技術は、別で、思考錯誤しないといけないし、
模造防止の透かし技術とか、機械で、どうやるの的な感じ、
あと、小判とか集まってきたので、新しく金貨を作れということになった。
いまは、瑞穂紙幣が金貨や銀貨の代わりに流通してるので、
金貨も銀貨もお金持ちの蓄財用で、あんまり流通しなくなってきている、
なので、強化ガラス膜で覆って、
5gプラチナ貨。10gプラチナ貨。20gプラチナ貨。30gプラチナ貨
5g金貨。10g金貨。20g金貨。30g金貨
5g銀貨。10g銀貨。20g銀貨。30g銀貨を作った。
ちなみに、どうやって、作ったんですか級の金貨で、
瑞穂銅行の窓口で、文。プラチナ貨。金貨。銀貨の交換率が相場制で表示されている。
でも魔法力だから金貨は重いから数を作れねぇ
1kg級魔法とか、マジ無理だし、
せめて10kg級魔法でやらせてくれ、
5月
インドでセポイの大反乱起こる。
日朝断交
やったね。
おれ、反朝情報操作が効いたのか、金脈を抑えたからか、
悪鬼半島と悪鬼人に触るな。話すな。交流するなで、
朝鮮系日本人と南蛮スパイ朝鮮人に気をつけろで断交までしてやったよ。
おれ、別に純血主義者じゃないけど、
こいつらに日本人や日本の足を引っ張られると困るわけよ。
そうそう、インドでセポイの乱。
この反乱鎮圧で、イギリスは、オランダに妥協する。
ていうか、清国とも戦争して、いっぱい、いっぱいだから、
オランダがアチュ王国を占領していいよ。みたいな。
やれやれ、なんだけど、
今のところ、力不足の日本は、できることないかな。
なんか、士農工商がギクシャクしてる。
ただでさえ、派閥と性格と能力で衝突するのに、
全く関係のない、既得権とか、家柄とか、血筋で決まる、
そりゃもう、殴ったりとか。殴られたりとか。刃傷沙汰とか。
こっちは、人材の選択肢を増やすために士農工商をなくそうとしているのだけど、
俸禄貰いの武士階級は、利権を守ろうと対立してくる。
こっちは、封建制から民主制にソフトランディングさせようとしてるのに、
ぶち壊ししたがる人たちがいる。
まぁ 既得権無視で、能力とか実力で選ぶと下克上だし
そりゃ 怒るわな。
明治維新で、武士の自尊心を根底から壊したのは、小銃なんだけどね、
内戦がないとなると、武士の魂の日本刀でゴリ押ししようって輩も現れるわけで・・・・・
放られた日本刀を受け取る、
どうやらおれが腰に差してる獲物が竹光と思われているらしい、
殺す側の配慮ってやつかもしれない、
「綾波殿。お覚悟」
てなわけで、おれ、暗殺者4人と剣を構えてる。
夜の1人歩きは、するものじゃないよな。
橋の真ん中で、前に2人、後ろに2人。
後ろの2と前の1人の3人は、剣を降ろして陣立かと思っていたけど、1人が前に出過ぎ、
どうやら殺すにしても、1対1で戦わせてやろうという気持ちがあるらしい。
武士の情けだね。
とはいえ、おれ、こいつらの構えを見ただけで、おれより強いって、わかるくらい腕を上げたわ、
さてと、剣術で負けてるけど、
おれの服は特別製で、日本刀どころか銃弾を通さないし、打撃も少し緩和できる、
このアドバンテージは、戦い方を根底から変えるし、
首とか手首を斬られない限りなんとかなりそう、
時代の風に晒されて、おれも肝が座ったけどさ
ちょっと、ドキドキするよ。
でもまぁ 説得くらいしないとね。
「仕事への努力もせず、親の七光りで、力に不相応な地位に就きたいとか、情けない限りだな」
「黙れ! 我々は武士だ!」
「下賎な者たちと肩を並べて仕事をするために修練してきたわけではない」
「修練・・・ 彼らは向上心があり、努力し。その仕事に人生をかけてる。下賤とか言うな」
「五月蝿い! あ、あのような仕事、武士のする仕事ではない」
「うわ〜 その仕事に対する意識と姿勢で、農民に負けてるんだよな」
「それとも、青い目をした人から金でも貰っての襲撃かな」
「う、五月蝿い!」
正面の侍が切りかかってきた瞬間、
わあっ!!!!! × 4
4人の動きが止まり、日本刀が落ちた。
この数秒を利用し、4人の剣を弾いて川に捨てた。
おれ、100m以内なら900Vの電撃を食らわせることができるからね。
いやぁ 魔法の練習していた甲斐がありました。
周囲から電気を集め、一点に命中させるものらしい、
そうそう、4人の命は、取らぬことにしたよ。
悪夢を見そうだしね。
そうそう、おれ、ロリ発情して妻の千代とやりまくっていたら子供が生まれた。
男だったんで 綾波 総司(♂) って名前にしたよ。
おれも、やることは、やってました。
ていうか、妻の千代も16歳の子供なんですけど、江戸時代って凄い、
6月
千島列島
火山性山脈が多いのでスターリング地熱発電機を設置させてる。
温度差発電は国有地で行っていて、電気代が収入源になる、
そして、収入から配当金が株主に支払われる。
電気さえあれば、生活はなんとかなるし、
軍事基地を建設すれば、住人は増えた。
なぜ、寒冷地に投資するのかというと、
ロシアがアラスカを売る気になってるからで、
アメリカじゃなくて、日本がアラスカを買うつもり、
なので大型船と上陸用舟艇がいる、
ロシアとの取引も増やしてるよ。
鉄鉱石と、石炭と、石油がいるからね。
北海道
屯田兵が城塞都市を建設している。
成功すれば同じ方法で城塞都市を増殖させることができそう、
そういや、北海道にも時計塔があったっけ、
160m級でもいいんだろうか、
そうそう、開拓地とか、ある種の運動家たちがいる。
「北海道でも瑞樹と同じ、民主政治制度を取りたい」
「日本国内で二つの政治勢力が争うことになると、少しばかり困る」
「いまは、民主政治が失敗しても被害が少なくて済む瑞樹でやりたい」
「「「「・・・・」」」」
「綾波参謀役。瑞樹型民主主義があなたの本命ではないのですか」
「保険だよ。まぁ 相乗効果で上手くいくのなら日の本でも採用する」
「我々は、瑞樹型民主主義こそ正しい政治制度だと信じているのだ」
「いやいや、瑞樹で実験してるだけなので、成功しない限りは、どうにもできないな」
「分かり申した」
男たちは去っていく、
物分りがよくて助かったけど、血生臭いことになって、両方が倒れなければいいがな・・・・
7月
幕藩連合は、幕府が嫌、外様が嫌、譜代も嫌、親藩は、もっと嫌
そんな足の引っ張り合いの主導権争いがあって、
地縁やしがらみの薄く、日本を近代化させてる原動力のおれが仕切ってる。
しかし、瑞穂銅行の利権と、国防参謀の権力が大きくなるほど、
おれを亡き者にしようという計画が強くなるわけ
ぶっちゃけ、金と、兵力を握ってるわけだからね。
だから、足がつかないよう朝鮮人を使おうとしたりとか、
何回か、電撃魔法を使って身を守りました。
やっぱり魔法は、電撃がカッコいいよね。
あ、おれ、幻術使いとか、忍者だとか。
陰陽師だとか。そんな噂が巷で流れてるよ。
やりすぎたかな。
そうそう、日比谷公園の160m級時計塔が完成したよ。
15文で展望台に登れる。
それなりに高いけど、行列が出来てます。
あと、京都と長崎の時計塔も完成している。
大藩は、真似して建設するらしい、
あと、瑞穂系以外も製鉄所とか作る藩が増えてる。
この時代、藩の自主性が強いし、
お金をとって、株を分けてもらって、作ってあげたんだけどね。
あまり意地悪しても諸藩が外患を引き込むと困るし、しょうがない感じだ。
“芹沢鴨(30)の電音談話〜♪”
“淀。電音放送。維新チャンネルでお送りします”
“幕藩連合移行でも、武士階級の世襲が続く、日の本ですが、如何お過ごしでしょうか”
“今日は、氷解塾長・長崎海軍伝習所勝海舟(34)をお呼びしています”
“宜しくお願いいたします”
“よろしくお願いいたします”
“いま、勝先生。幕藩連合海軍は、どういった感じなのでしょうか”
“そうですね。まぁ アメリカやイギリスの船に負けないと思っていますよ”
“本当ですか?”
“そうですね
“あと、10年もすれば、船の数も揃いますし、船員の練度も高まりますから”
“では、安心ということでしょうか”
“まぁ 軍機なので、あまり詳しく言えませんけど、安心してください”
“なるほど、自信の程が伺えます”
“では、お手紙が届いてます。西大路三条小町さんから”
“来年、憲法が発行されるそうですが、わたしたちの生活はどうなるのでしょう。とっても心配です”
“そうですね”
“みなさん、心配されてますね”
“なるべく、領民の利益になる法律ならいいのでしょうけど、勝海舟先生は、どう思われます”
“んん、一部を人伝で聞くことがありますけど。まだ、本決まりではないようですし”
“10日くらいで、文章が変わってるので、いまは、何とも言えませんね”
“では、まだ、決まっていないと?”
“いえ、大体の本筋は、決まってますけど、絞込みで、矛盾を消してるようです”
“少しでも我々庶民の利益になればいいのですが”
“わたしは、たまに耳にするくらいなので、いつの情報か曖昧ですし”
“なにより、聞いた内容が、正確かどうかもわかりませんから”
“どちらにしろ、庶民は、侍階層の利権が強すぎと思ってるようですが”
“わたしも41石の家ですから庶民に近いですよ”
““あはははははは””
“そういえば、勝海舟先生”
“幕藩連合は、競技や芸能を増やして、民衆の目や耳を政治や経済から遠ざけようと必死のようですね”
“ああ、電音相撲中継が増えましたね”
“まったくもって、世襲武家というのは、小賢しいですね”
““あはははは・・・””
電音局の性格の違いと、スポンサーと、
聴者のほとんどが庶民になると、自分で自分の首を絞めるというか、
ゲシュタルト崩壊しかねないような話題になることもあるらしい、
いやぁ マスメディアは、ピエロだねぇ
8月
幕藩連合で、憲法、民法、刑法、商法、民訴、刑訴を検討している。
明治政府は、欧米から学んだけど、
幕藩連合は、欧米の影響を最小限に抑えてるので、
武家諸法度とか、禁中並公家諸法度を基にしている。
あと、17条憲法とか。
幕府も諸藩も一応、同じ法律を使うし、
相互に不正していないかを監視することになっている。
商法は、良いのか悪いのか・・・おれの意見が強いかな。
といっても、24時間に錬成できる紙幣は限られてるけどね。
その上、外国船が銅塊とか、鉄塊とか持ってきて、瑞穂紙幣と交換して、
そのまま持っていくから、どうしても紙幣が不足してしまう。
あと、どいつもこいつも我田引水してるけど、
国民国家として優れた法整備をしないと、外患内患に突け込まれるわけ
まぁ 国家戦略が確立されていれば、外交は、右にも左にもぶれないわけで、
国家戦略がないと、政府や国民が右に行ったり左に行ったりする。
とはいえ、石炭と鉄と石油がないと国家戦略の立てようがないのだけどね。
木製自転車が売れると、洋服も売れる、
もっとも人力車も増えてるし、意地でも着物を捨てない層がいるみたい、
人力車を作ったのは、まぁ 道路を広げるためだけどね。
デザイン的に優れた人力車と、自転車ができたよ。
9月
モルモン教徒とアメリカ陸軍によるユタ戦争が起こる。
造船所
いま、建設してるのが全長150m級の艦船を建造できる造船所。
なぜかというと、ピッチング揺れを減らせて、酔いにくい船にできそうだからね。
瑞穂(ニューギニア)を開発しなきゃだし、
アラスカを買えたら一気に開発しないと、アメリカに突け込まれるしね。
それまで、200隻ぐらい5000t級征夷型輸送艦を建造するつもり、
もっとも、それにも、鉄と石炭がいるんだよね。
10月
幕藩連合政府は、明治政府と違い、反東北の意識が少ない、
むしろ、西国諸藩を警戒するためか、
防衛上の観点からか、バランスのいい投資をしている、
仙台藩
鉄道が敷かれ、駅が建設されている、
やや、洋装化した人々が駅を出入りしている。
ファッション雑誌も持ってきたんで、少しは、斬新な衣服だと思うよ。
柄は、和服用のものだけどさ (笑
あと、列車に手紙、貨物も載せられていく、
鉄道がいいのは、中央と地方、地方と地方を繋げられる、
戦争が起きたら各地の連隊や旅団を動かすこともできる、
そうそう、幕藩連合は、地方分権が強いけど、
それ以上に士農工商の階級打破が強い、
おれにしたら、地方分権以上に、国民の利権を強める方がましだね。
少なくとも地方の反乱を警戒しなくて済むし、
でも、侍階級の反乱は、覚悟しないとかな。
11月
新潟は、油田がある。
まぁ 樺太ほどじゃないけど、利権は確保しないとさ、
利権を確保すれば、幕藩連合の家臣団が、言いなりになってくれる、
こいつら、仕事も覚えないのに、尻拭いもできないのに、地位と金を沢山欲しがるので、
師団と同じように士農工商上がりと組ませて労力を水増ししてる。
もう、うぜぇ〜 ていうか、費用対効果が悪すぎるから、早く死んでくれ、
京都
第121代天皇孝明(26)
岩倉具視(32)
第13代征夷大将軍徳川家定(33)
大老内定 井伊直弼(42)
4人が幕藩連合議会の最上階から下を見下ろしていた。
場所は、未来の京都産業大学辺りかな。
「そちは、このような大きな建物をたくさん作れると申すのか?」
「はい」
「屋上を庭園にしてるのは何故じゃ」
「たくさん作るほど、緑が増えまする」
「なるほど。面白い考えよの」
「しかし、建物は燃えにくい。水回りは良い」
「明かりは灯る。あと、電話電音があるのは良いの」
「恐縮です」
「建物の中が暖かいのは、何故じゃ」
「太い管から細い管に風を通すと、空気が圧縮されて、物を温めてしまいます」
「逆に細い管から太い管に風を通すと、空気が薄くなって物を冷やす効果があります」
「朝は、海風を使い。夜は陸風を使いますが」
「夏は、細い管の蓋を開けて、太い管で空気を薄めて、冷やし」
「冬は、太い管の蓋を開けて、細い管で空気を圧縮させて温めます」
「んん・・・わかるようで、よくわからん理屈だな」
「最近、試作した冷蔵庫も、それを利用しております」
「あれはいいの、冷凍菓子は、とても美味しいの」
「予算さえ、あれば、大規模に作ることができるでしょう」
「しょ 庶民にも冷凍菓子を食べさせようというのか」
「金回りが良くなりますよ」
「んん・・・それは・・・しょうがないの・・・」
「しかし、綾波。この建物を日本中に作ろうというのか」
「日の本が、外国に負けない国になるでしょう」
「これまでの日本と違う日本になるのではないか」
「今のままでは、欧米列強に隷属させられます」
「そうか・・・ それは嫌じゃ」
「なんでしたら、陛下の御所と、将軍の政務室を守りやすい、あの辺に・・・」
幕藩議会を見下ろすような山を二つ指差した。
「悪くないの」
「・・・・・・」
日本の首都京都は、権力を象徴する徳川幕府と、権威を象徴する天皇家が分担している。
機能は、問題なさそうなのだけど、
天皇を担ぎ上げて反乱を起こそうという手合いは、潜在的に存在する。
というより、日本史が、その繰り返し、
実のところ、おれが事務次官的に、幕藩連合を仕切れてるのは、金の力、産業の力もあるけど、
幕府が嫌、外様が嫌、一橋が嫌、
そういった権謀術数の狭間で臨時的に立っている。
元々、行政を仕切る老中とか若年寄は徳川家から選ばれにくいのもバランスの問題なのだろう。
そうそう、大老井伊直弼が就任している。
軍務で言うと大将に当たる。
大将の資質はどうかと思うけどさ、
おれと井伊大老内定の関係は、悪くないよ。
大老になりそうって、前もって、わかっていたから、援助していたしね。
そうそう、上下水道、通信ケーブルの件は、そのまま了承されたよ。
水道代とか、電話代とか幕藩連合で取れるしね。
でも、高層化は、もうちょっとかかりそう。
止事無きお方を見下ろすことになりかねないからさ、
そうそう、おれ、転移系主人公と違って、冷蔵庫は、前もって調べてたよ。
ていうか、元々 ジャンクヲタだから冷蔵庫の構造とか知ってたからさ、
冷蔵庫は、作れるわな (笑
12月
アロー戦争: 広州の戦いはじまる。
イギリス・フランス軍は、清国を蹂躙してしまう。
列強が東アジアに迫ってるヤバいヤバい、
なので、日本の近代化を急がせないと、
幕藩連合が編成されると、国防意識が大きくなるらしくてね。
幕藩連合1600mm広軌の装甲列車は、車体幅3600mmに広げられたし、
30口径75mm砲も搭載できてるし、意外に頼もしく見えるよ。
なるべく水平でなるべくまっすぐ線路を作ると機関車を速く走らせられるよ。
今のところ石炭で走らせてるけど、そのうち電気機関車にするつもり、
電化に成功したら東京湾環状線鉄道を建設するつもり、
浦賀水道11kmくらいは、海底の底を掘るけど、
おれができるといえば、出来るんだよ的な。
あと、明石海峡とか。鳴門海峡とか。友ヶ島海峡とか。下関海峡とか。
装甲列車を走らせれば、たぶん、守れる的な。
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おれ 妻 千代 (16) 総司(♂)
一軒家 100両 (1000万〜2000万円)
間口9尺奥行3間長屋家賃 500文
1日 居職350文 出職410文
かけ蕎麦 10文 風呂代 8文
米一升〜二升 100文 味噌醤油 50文
酒1合 20文〜24文
1文 30円〜40円 1両 12〜16万円(4000文)
一分銀 3〜4万円(1000文) 二分金 6〜8万円(2000文)
1朱 約1万円
第06話 1856年 『星型荘園都市と、箝口令』 |
第07話 1857年 『封建のための攘夷と、月下の切っ先』 |
第08話 1858年 『安政憲法発布と、銅本位制バブル』 |