月夜裏 野々香 小説の部屋

    

錬成系 維新戦記 『1kg級魔法使いで』

 

  

 

 第08話 1858年 『安政憲法発布と、銅本位制バブル』

 イギリスは、セポイの大反乱。

 オランダは、インドネシアの完全植民地化。

 イギリス・フランスの清国侵略戦。

 この時期、幕府は、欧米の東アジアに危機感を覚えていた。

 危機感といっても、庶民の危機感と違う、

 幕府の危機感とは、権力基盤の崩壊、

 あるいは、外国と結んで搾取から逃れようとする反乱軍の出現で、

 山賊が海賊を恐れる的な感じ、

 幕府が情報収集しようにも、東アジア、東南アジア、インドに足場がない、

 情報を聞き出そうとしても見ず知らず、

 助けようにも見ず知らずの相手なわけ、

 幕府が鎖国してきたのだからしょうがないのかもしれないけどね、

 ちょっと、海外に対して、ナイーブ過ぎたというか。

 ペストをばら撒かされそうで嫌だったというか。

 鎖国して本当に良かったのかね

 そう思うよ。

 そうそう、憲法を発布するけど、その内容が、まぁまぁ良しみたいな本を子飼いの作家に書かせてる。

 別に売れても売れなくてもいい、

 そういう本が書店に並んでいるだけで、庶民に圧力になる、

 庶民は、知恵を得ようと書店に来るけど、

 実は、こっちの都合のいい屁理屈を庶民に押し付けてるだけだったりする。

 新聞、ラジオもそうだけど、

 こういう広告戦は、資金力と物量作戦で、

 未来だと、アメリカ系とか、在日系とか、中国系の反日工作本や政官財天下り利権が強いけど、

 この時代だと、旗本系、幕府系、諸藩系、大商人系の我田引水が強い。

 おれ、電話電音、諸本、新聞とかマスメディアも押さえてるんで、

 幕府に金をもらったりとか、諸藩から金をもらったりとかしてやってる。

 正直なところ、庶民にとって悪くない憲法だと思うね。

 国家。侍利権。庶民で、侍利権が不利。国家と庶民がやや有利になってる。

 ぶっちゃけ、国民国家を作るのに

 庶民なんて虫けらみたいに思ってる非生産部門で高所得寄生階級が邪魔で邪魔でしょうがない、

 

 

 

 

 1月

  イギリス領カナダが通貨に10進法を導入

  アロー戦争: 広州の戦い終結、広州陥落。

  フェリーチェ・オルシーニがナポレオン3世暗殺未遂

  英ヴィクトリア王女・プロイセン王フリードリヒ3世結婚式

  メンデルスゾーンの結婚行進曲が演奏され同曲が有名となる

 

 ガトリング砲を試作中、

 実のところ、アメリカにあるんじゃないかと、探りを入れたら、なかった。

 どうやら、まだなくて、何年か先に完成するみたい、

 最初の機関銃が6.5mm×50銃身を束ねて撃つ方式は変わらない、

 まぁ 重たいけど、やれば、出来る子みたいな出来になりそうだ。

 もともと城塞都市や島礁防衛で使うつもりだから、重たくってもいいや的な感じだ。

 

 ちなみにこの頃、イギリス軍が何故強かったかというと、

 先込め式エンフィールド銃

  990mm/1397mm

  14.66mm銃弾

  単発

  発射速度20〜30秒/発

  初速267m/s

  射程900m

 を使ってたから、

 あれぇ〜 弱い〜

 だって、日本は、

 銃身長700mm/全長1000mm  5発装填 6.5mm×50 初速730m/s を使ってたんだよ。

 追い抜いてるじゃん。

 そういや、イギリス人が自信満々に密輸しようと先込め式エンフィールド銃を見せたら、

 幕藩連合軍人が失望したように去っていったって、ショックを受けてたっけ

  

 

 

 2月

  ルルドで聖母マリアが出現したとされる

 

 飛行船を飛ばしました。

 飛ばさないと欧米列強に対し、余計な劣等感を抱いてしまいそうになるからです。

 亜鉛に塩酸をかけると水素ガスが発生するのですけど、

 水素ガスよりヘリウムガスの方が多い、

 まぁ どうやったかというと、

 ヘリウムは、自然界に、それなりにあるわけで、

 半径900m以内のヘリウム原子をコツコツと集めました。

 ちなみに飛行船は、布ってことになってますけど、カーボン製が混ざってます (笑

 

 

 

 

 3月

 好景気は ”どこか” らか富が庶民に分配されてる時、

 不景気は、庶民から富が “どこか” に集約されている時、

 この時空でいうところの “どこか” は、瑞穂系企業なんだけどね。

 日本は、瑞穂紙幣で、富を2倍に水増ししている、

 銅行への預け入れが増えれば、乗数効果で、使える銅貨が増えて、投資を増やせる。

 逆に言うと、銀行が借りてる分以上の投資をしている危険な状態だ。

 まぁ 金融バブルと違って、工場とか建物とか採算性を取りやすい利権を作ってるし、

 生産しているのは、売れ行きがいいから自動的には、金が入って回収できてる、

 銅行は、最初の預け入れ割得が利益で、

 預金に利息とかないから利息バブルとかないし、

 瑞穂紙幣を銅貨に戻そうってやつは、いないはずだから、今のところ上手くいってる、

 とはいえ、銅の価値が瑞穂紙幣より高くなれば、別だけどね。

 今のところ、銅の需要は増えてるけど、銅山も増えてるし、なんとかなりそう。

 いざとなったら巨大ダイヤでも作って、お金持ちに売ってしまえばいい感じだ。

 今のところ、瑞穂系利権を増やしてるし儲かってるから採算がいいよ。

 利権というと、石鹸とか、歯ブラシとか、歯磨き粉とか、T字型カミソリとか、タオルとか、

 駅の近くに日用品を作る工場を建設している

 この時代は、何を作っても売れる感じだ。

 からくり機械も多いけど、雇用も大きくて、

 社員は、農民、工民、商人、士族の順に多い、

 まぁ ほとんど、人口比かな。

 士族は国賊意識が拭いきれてないから天下りと同じ、賃金と生産効果が悪くなるし、

 あまり、入れたくないな、

 工場が軌道に乗ったら、同じ工場を瑞穂に持っていくつもり、

 でも、農業機械とか、農業プラントを作らないと、

 工業と商業に人口を移動させにくいぜ、

 

 

 

 

 

 4月

 飛越地震

 死者426人、負傷者646人。

 全半壊・流出2190戸をだした。

 幕藩連合は、被災地を二つに分け

 富山藩に1000両渡して、復興させる1000戸の地域と、

 1戸(4000文)1両相当ずつ分配する1000戸の地域のどっちの復興が早いか、

 比較することにした。

 幕藩連合の家臣らが被災してる村々の記録を取っていく、

 以前は、他藩の家臣が別の藩に勝っ手に入れるような仕組みでなかった。

 だけど、幕藩連合以降、藩軍は対外軍と認識されるようになっていた。

 そして、復興資金を捻出できた理由は、被災規模がそれほど大きくなかったこと、

 欧米列強に対し独立を維持するなら、

 国民国家として被災から回復状況を知っておくべきと、おれが力説したからだ。

 どちらにせよ。

 一人二日分の日当に過ぎない支援金でどうにかなるものではないが、

 復興支援金は、日本の歴史が始まって以来、初めてのことかな。

 

 

 

 

 5月

  アメリカでミネソタが32番目に州となる

  イギリスでロイヤル・イタリアン・オペラ新築開場(コヴェント・ガーデン)

  露清間でアイグン条約締結

 

 

 そうそう、護身用にリボルバー拳銃(8mm×21)を作ったよ。

  銃身長120mm/230mm

  装弾6発  初速170m/s  有効射程100m

 ダブルアクションだし、そこそこいいんじゃね的な。

 でも、幕藩連合警察隊は、拳銃より、日本刀を使いたがるみたい、

 まぁ 幕藩連合で、侍魂を一番踏襲してるとしたら警察だものね。

 一旦作ってしまうと、あとは、1kg魔法で材質を変えるだけで、

 超〜軽くて強いマイ拳銃になったよ (笑

 

 

 アイグン条約で沿海州がロシアのものに、

 太平天国のせいか。

 それともアロー戦争で、英仏軍に負けてるからかな。

 清国は内憂外患で踏んだり蹴ったりかな。

 日本に飛び火しそうだけど、飛行船とか飛ばしてるし、

 大型船とか建造してるからね。

 さすがに用心して日本に浸透しにくいと思いたい、

 

 

 

 6月

  ジョヴァンニ・バッティスタ・ドナティが彗星を発見する

  井伊直弼が大老に就任

  アロー戦争: 天津条約締結(〜27日)

 

 なんと、清国がイギリス、フランス連合軍に敗北

 イギリス・フランス軍は、強かったね。

 広州を制圧。

 清国の提示した和睦条件が気に入らないからって、

 北京と目と鼻の先の天津を制圧。

 そして、ようやく、天津条約を調印だよ。

 清国軍が太平天国で忙しかったとしても、イギリス軍とフランス軍は強えぇよ。

 まじ、白人おっかねぇ〜よ。

 

 

 

 7月

  ダーウィンとウォレスの自然選択説がリンネ協会で公表

 

 日米(長崎=フィルラデルフィア)通商条約調印で、通商を長崎だけに封じ込めました。

 アメリカは、艦隊を率いて清国みたくしてやるぞって、恫喝したんだけどさ、

 ポーハタンを知らないか? とか聞いてくるから、ちょっと、滑稽、

 こっちは、知らん、知らんとか、惚けるわけ、

 でも、日本船襲撃は大統領命令のはずなんだよね。

 それが行方不明になったんだから、アメリカが、日本を疑うのが筋道、

 そして、アメリカは、日本の小型機関帆船に撃沈されたと、信じたくないせいか、

 イギリスと、フランスと牽制し合ってるらしい。

 

 

 

 幕藩連合が長崎沿岸に鉄道を走らせ、

 飛行船を浮かべたので、渋々 最初の条件で条約が調印されました。

 もちろん、見えない形で、30口径120mm砲と、30口径75mm砲で睨みを利かせてましたけどね。

 撃ち合ったらアメリカ艦隊は30分で全滅です。

 でも、天然痘付きの毛布を相手国に送らないという記述は、最後まで、文句を言ってましたけど (笑

 

  

 

 8月

  イギリスが東インド会社への委託統治を廃止し直接統治とする

  初の大西洋横断電信ケーブル敷設

  チャールズ・バリントンがアイガー初登頂

  第13代征夷大将軍徳川家定薨去

  外国奉行を設置

  ヴィクトリア英女王とブキャナン米大統領が大西洋横断海底ケーブルの完成を祝うメッセージを交換する。

  日蘭(長崎=アムステルダム)通商条約調印

  日露(長崎=サンクトペテルブルク)通商条約調印

  日英(長崎=ポーツマス)通商条約調印

 

 

 飛行船が飛んでる下、

 欧米諸国と本格的な通商協定が結ばれていきます。

 基本、出島管理貿易と同じですね。

 ただし、アメリカとイギリスの2カ国だけは “天然痘入り毛布を相手国に送らない” って、記述があったもんで、

 相互主義のはずだけど、すげぇ〜 むくれてたし、

 まるで、降伏文書にサインさせたような気分でしたね。

 

 

 

 9月

  戊午の密勅

  彗星が初めて写真撮影される(ドナティ彗星 (C/1858 L1))

 

 

 そうそう、欧米が大西洋横断電信ケーブルを敷設したので、

 対抗上、日本と瑞樹州を繋ぐ海底ケーブルを設置することにしました。

 あと、日本とニイハウ島まで、

 ちなみに、ていうか、面倒なんで、一部、光ファイバーを使いましたよ (笑

 貿易を長崎限定してると、こういうことができるんですよね。

 

 

 いま、南町奉行所にいる。

 別に犯罪を犯したからじゃありません、

 窓口になる支店長と、奉行所の顔合わせね (笑

 警察組織も幕藩連合軍と同じ軍隊組織と似させてる、

 地元出身は、10人に1人以下ということ

 右も左もわからないで、治安が維持できないだろうとか思えば、

 ええぇ〜! 警察って仕事してたの?

 報告書とダベリで、就業時間の半分を使います、

 残り半分も犯罪を避けて。金ずるに媚びつつ、

 国家権力を嵩に犯罪を犯したりとか、

 天下り探しと、事件の後始末に使います、みたいな。

 早い話し、権力に尻尾を振る犬、利権の犬で、仕事する振りだけは、上手い的な。

 たまに犯罪搜索とかやるけど、庶民向けの広告で、犯罪側と自作自演だったり、

 お小遣いの受け渡しがあるので、情報筒抜けも珍しくない、

 いうなれば、政府公認ヤクザ。

 こういうのは、過去も未来も基本的に似てるんじゃないかな。

 まぁ おれ、当事者だからわかるんだけどね。

 なので警察機構で地元勢を減らしたのも、地元に癒着が少なく、

 身内の人質が少ない方がマニュアル通り仕事をしやすい気がするから。

 おれが紙幣をばら蒔こうとしてるのも、庶民の金回りをよくして、

 天下り利権体質、政官財癒着、世襲を減らしたいからなんだよね。

 そうじゃないと、国賊利権の外では生きていけなくなって、

 利権を守るために庶民を殺したり、国家を殺したりするようになるよ。

 未来で言うところのバカで近視眼な旧日本陸海軍みたいに・・・

 未来で言うところのバカで近視眼な反日公務員みたいに・・・

 

 

 

 10月

  日仏(長崎=ブレスト)通商条約調印

  ジャック・オッフェンバック喜歌劇「天国と地獄」初演(ブッフ・パリジャン座)

 

 京都

 幕藩連合議会で、資料を配り、内外報告書を読んでます。

 まず、石炭生産、鉄鉱石生産、石油生産。

 粗鋼生産、造船・・・・

 その後、海軍、陸軍の総数の順ですね。

 新聞で書いてる内容とだいたい同じ、

 粗鋼量がわかれば、割り算するだけで、最大で作れる軍艦、大砲、鉄砲がはじき出されますし、

 あれを読んだら、日本の国際的な地位は、だいたい見当がつくし、

 幕藩連合でやっていくしかないと誰でも思うわけ、

 まぁ おれ一人だけ庶民上がりですけど、

 藩主と、代理人の家老たちも静かに聞いてくれてる感じです、

 あと、議会は、基本的に藩主か、代理人の家老の石数の総量で決まります。

 日本国憲法、民法、商法、刑法が決まっていきます。

 内容的には、やや、男尊女卑的な感じ、

 まぁ 時代背景的にしょうがないよね。

 

 

  告文

   高天原に造化三伸三柱と別天津神二柱があって、

   太古、天地は、互いに混ざり合って混沌としていた。

   混沌の中から、清浄なものは上昇して天となり、重く濁ったものは大地となった。

   そして、天地の中に葦の芽のようなものが生じ、神世七代。七組十二柱の神々が現れた。

   そのうち、五組十柱の神々は、男女神だった。

   五組十柱の最後のイザナギとイザナミが日本を創造し、高御産巣日神とともに天皇家と繋がる。

   大和朝廷は、古の建国より民に支えられ、今日まで、民の長を委任されてきたのである。

   

 

  憲法発布

   第121代孝明天皇より委任された征夷大将軍職により、

   第14代征夷大将軍徳川家茂は、日本国憲法を発布する。

 

 

  上諭

   第14代征夷大将軍徳川家茂は、民の長として、

   安政4年10月12日、日本憲法を制定し、

   日本の国土と、日本の国民と、領内権益を守るものとする。

   幕藩連合は、民の安全、権利、財産を貴び、これを保護し、

   憲法と法律の範囲で、その享有することを宣言する。

 

 

  第1章 天皇

   第01条  天皇は、日本の文明と歴史に君臨する。

   第02条  皇位は、皇統男系男性子孫が継承する。

   第03条  天皇は、憲法を擁護し。憲法は、天皇を担保する。

   第04条  天皇は、幕藩連合政府に行政を委任する。

 

  第2章 幕藩連合

   第05条  幕藩連合の公職は、藩内藩外問わず人口比に応じて出自採用しなければならない、

             新領地は、人口比に応じ、出自採用で派遣しなければならない、

   第06条  幕府と藩。藩と藩の関所は廃止し。幕府と藩。藩と藩は、民、手紙、荷の移動を妨げてはならない、

   第07条  教科書の使用を藩が強制してはならない、

   第08条  国防軍は、幕藩連合軍が統合する。

   第09条  藩の治安と警察権は、藩主が責任を持つ

   第10条  藩法は、幕藩連合法に反するものであってはならない、但し、慣習法を除く、

   第11条  国道と国鉄道は、幕藩連合が優先するが。藩道と藩鉄道は、自由に連結できるものとする。

   第12条  工業規格は、幕藩連合が定め、藩は幕藩連合の規格に従うものとする

   第13条  特許は50年間とし、幕藩連合が統合管理し、利用者は、幕府と発明者に収益100分の1の払いを義務とする。

   第14条  港湾は、幕藩連合が定めた規則に従う。

   第15条  罪の無い領民に、銃口切っ先を向けてはならない、

  

  第2章 日本国民権利義務

    第16条  士農工商を廃止する。

    第17条  国民は、公務に就くことが出来る。

    第18条  国民は、兵役の義務を有する。

    第20条  国民は、創作物の権利を得ることができる、

           創作物の権利は50年間とし、収益の1パーセントを納税義務を負う。

           創作者との法人契約は、5年更新とし、

           創作者は、収益の1パーセント以上を会得できる。

             但し、国家機密及び軍機に関わる創作物は、50年間の独占契約とし、公開されない、

    第21条  国民は、納税の義務を有する。

    第22条  国民は、居住と転居と移動の自由を有する。

    第23条  国民は、法律によることなく、逮捕、監禁、審問、処罰を受けることはない。

    第24条  国民は、法律に定められた裁判官の裁判を受ける権利を有する。

    第25条  国民は、法律に定めた許諾無しに住居に侵入されたり、捜索されない。

    第26条  国民は、法律で定められた場合を除き、通信の秘密が守られる。

            国民は、所有権を侵害されることはない。

            公益の為に必要な処分は、法律で定められる。

    第27条  国民は、神社仏閣の檀家であること、

            神社仏閣は、所定の金銭を払えば檀家であることを拒んではならない、

    第28条  国民は、法律の範囲内で言論、著作、出版、集会、結社の自由を有する。  

    第29条  国民は、規定に従い幕藩連合に請願できる。

    第30条  本章は、天皇の君臨を妨げるものではない、

    第31条  幕藩連合軍人は、憲法に従うものとする。

    第32条  国民は、4年に一度、総理大臣、藩主の交代を請求できる、

             国民の7割が交代を請求した場合、総理大臣、藩主は交代しなければならない、

 

 

  第3章 幕藩連合議会

    第33条  議会は、藩主。あるいは代理の家老であること、

    第34条  票数は、石高に比例し、石票の合計により立法が作られる。

    第35条  帝国議会は、毎年召集する。

    第36条  帝国議会は、会期を3ヶ月とする。勅命で延長することがある。

    

 

  第4章  幕藩連合政府

    第37条  政府は、幕藩連合議会で総理大臣を選出し、征夷大将軍を兼ねるものとする。

             行政外交の責任を負い。大臣の人事を行い。予算を決めなければならない、

    第38条  政府は、幕藩連合と国民の利益を守らなければならない、

    第39条  将軍は、軍令と予算に定められた範囲内で国軍の編制、規格、整備、訓練、輸送、指揮を行う。

    第40条  政府が他国と結ぶ国際協定は、相互主義に基づくが、

               協定は、国家安全保障、国柄、国家資産と、国民資産を損なってはならない範囲とする、

    第41条  政府は、国際協定、同盟、同盟破棄、宣戦布告を行うが、幕藩連合議会の了承を得なければならない、

    第42条  政府の土地収用は、等価以上の代替地を準備し、地価に見合う対価を地主に支払うこと、

               また、収用は、幕藩連合議会の承認を得なければならない、

 

 

  第5章 司法

    第43条  

          司法は、幕藩連合の定めた法律に従い裁判所が行使する。

          裁判所は、法律によって構成を定める。

          裁判官は、法律で定めた資格を備える者を任命する。

    第44条

          裁判官は、刑法の宣告。懲戒処分以外に、職を罷免される事はない。

          懲戒の条規は、法律で定められる。

 

    第45条  裁判の対審・判決は、公開する。

            但し、安寧と、秩序と、風俗を害する恐れがある時、

                法律と、裁判所の決議により、対審の公開を停止できる。

 

    第46条  特別裁判所の管轄に属すものは、別の法律で定める。

    第47条

          国家機密、軍事機密以外で行政官庁に権利を侵害されたとき、控訴以降は陪審員制とする。

          国家機密、軍事機密以外で行政官庁に不正が発覚したとき、控訴以降は陪審員制とする。

 

  第6章 金融と税制と財政

    第48条  

          税制は、瑞穂紙幣。または、通貨であること、

           地租税8と所得税2とし。配分は、幕藩連合6。藩4とする。

    第49条

          1人10坪以下。1人年間所得3石以下の家から税をとってはならない、

    第50条

          新租税と、税率の変更は、法律で定めなければならない。

          ただし、報償に属する行政上の手数料、その他の収納金は、前項の限りでない。

    第51条  国債発行は、幕藩連合議会の協賛を経なければならない。

    第52条  現行の租税は、法律で改めない限り、旧の法律により租税を徴収する。

    第53条  予算は、幕藩連合会議の賛成が得られなければならない、

    第54条  皇室経費は、毎年、定額を国庫より支出し、

            増額を除き、幕藩連合会議の賛成を必要としない。

    第55条  天災、国家事業、予測される損失の備えが迫られたとき、

            政府は、年限を定めて、継続費として幕藩連合会議の協賛を求めることが出来る。

    第56条  避ける事の出来ない予算の不足を補うため、

            予算外に生じた必要な費用に当てるため、予備費を設けなければならない。

    第57条    内外の情勢により、公共の安全を保持する緊急の要件がある場合、

            政府は、幕藩連合会議を召集できない時、

                勅令により、財政上必要な処置を行う事が出来る。

            次の会期において幕藩連合会議に提出し、その承諾を求める必要がある。

 

 

 第7章  日本幕藩連合国軍

    第57条  宣戦布告は、幕藩連合会議の承認を得なければならない、

                また、全権大使が宣戦布告の日時を告げて後の開戦とする。

    第58条  国軍は、幕藩連合会議の許諾なしに対外侵犯してはならない、

    第59条  国軍は、他国軍に国土、領海、領海を侵犯され時、警告し、必要に応じ、武力で排斥できる。

    第60条  公海、紛争地の交戦は、命令なき場合、正当防衛に限るものとする。

    第61条  戦時、非常事態は、幕藩連合会議が日本の最高意思決定機関となる。

    第62条  停戦、講和後、大本営は、国権を3ヶ月以内に政府と議会に移行する。

    第64条  安全保障上、人種浸透戦術の恐れのある清国人と朝鮮人の入国を制限する。

   

 

 第8章  補足

    第65条  憲法改正は、天皇、政府、幕藩連合会議が議案を提出する。

    第66条  憲法改正は、幕藩連合会議の5分の4以上出席で、議事を開く、

    第67条  憲法改正は、出席議員5分の3以上の多数で改正の議決をする。

 

 幕藩連合中心の非民主的な政体になってしまったけど、

 それでも国民の言論、移動は自由だし、

 税制の下限を定めたからとりあえずいいとして、

 段階的に形骸化させて、民主化させていこう。

 でも、なんか幕臣連中がブツブツ文句言ってるよ。

 ていうか、おれの歴史改変が上手くいかないのは、どう考えてもお前らが悪い!

 

 

 11月

  第14代征夷大将軍に徳川家茂が就任

 

 幕藩連合の総理大臣(将軍)、大老(大将)、老中(中将)、若年寄(少将)が政務だけでなく、

 軍務も兼ねられたのは、個人の能力が高いからじゃなく、

 幕藩連合の特徴は、文武政治だったことで、

 行政は、政務官が付き、

 軍務は、准将が付いて補佐していた。

 ちなみに藩主も石高に応じて、中将から少将の位を兼ねており、

 局地戦闘で指揮を執ることになっていたが、それぞれ、准将、准佐、准尉が付いていた。

 まぁ 少将扱いの国防参謀の、おれにも准将が付いてるけどね。

 

 

 “おはよございます。芹沢鴨(31)です”

 “淀。電音放送。維新チャンネルです”

 “幕藩連合移行でも、武士階級の世襲が続く”

 “安政憲法発行の日の本ですが、如何お過ごしでしょうか

 “今日は、ジョン万次郎(31)をお呼びしています”

 “宜しくお願いいたします”

 “よろしくお願いいたします”

 “それでは、ジョン万次郎さん。最近の世相は、どう思われますか?”

 “いいと思いますよ”

 “そうですか?”

 “ええ、アメリカで10年ほど暮らしましたけど”

 “いまの日の本は、民主主義の形が違うようですが、自由が広がってます”

 “たぶん、封建制度下でも、庶民が自由を謳歌させるよう妥協した法律だと思いますよ”

 “なるほど、そう見えますか?”

 “ええ、大丈夫ですよ”

 “では、早速、千本北大路小町さんから質問です”

 “憲法らしきものが発行されましたけど、本当に日本は変わるのでしょうか。ということですが”

 “ジョン万次郎さん。どうでしょうか?”

 “そうですねぇ 大事なのは、自分たちの書いた文章を守れるかと、いうことでしょう”

 “でも、民主的に領民から議員を出す気はないようですね”

 “まぁ その点は、呆れますね”

 “市民の声は、聞かないということですよ”

 “でも、国民の権利みたいなのは、認められてるみたいですよ”

 “それを確認できるのも、執行するのも侍階級ですよね。だめだめですよね”

 “瑞樹に行くしかないですかね”

 “瑞樹は、10人長選挙ですからね。ほぼ、民主選挙に近いそうですよ”

 “本当に自由を謳歌したいのなら、そちらの方がいいですよね”

 “どんな政策でも自業自得ですからね”

 “民主主義が悪い結果を生むことがあるのですか?”

 “一度、利権を手に入れると、人間は、変わりますからね”

 “なるほど・・・”

 ラジオの反応は、気になるところだ。

 むろん、人口に比べ、聴者数は、まだまだ少ないが、

 聴者の比率で、庶民がどこの局に意識が向かってるのかわかりやすい、

 まぁ 反体制が好まれやすいのは、判官贔屓なので、不満のはけ口なのだろう。

 おれも電音を聴いてる。

 そうそう、テレビ化は、もう少し先伸ばししようかな。

 

 

 

 

 12月

  オランダ政府がスホクラントの放棄を決定(1859年施行)

  福澤諭吉が蘭学塾(後の慶應義塾)を創立

 

 幕藩連合艦隊を率いていた。

 いろんな隊形があるが、単縦陣が一番指揮を執りやすく、将兵にもわかりやすかった。

 まぁ 複雑な作戦を決めて、それが成功すればいいが、訓練ならともかく、

 実戦で上手くいく保障なんてないわけで、単縦陣で大砲を撃っていく、

 左右の演習用の訓練船が標的ブイを引っ張り、

 その標的ブイを沈めてしまうと、演習が終了する。

 訓練船を指揮してるのも叩き上げの准将で、

 上手く回頭して斜線を外すなど、なかなかやるものだと思った。

 これなら、海戦ができなくもないね。

 

 

 

  

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  おれ   妻 千代 (17)   総司(1)

 

 

 一軒家 100両 (1000万〜2000万円)

 間口9尺奥行3間長屋家賃 500文

 1日  居職350文  出職410文

 かけ蕎麦 10文   風呂代  8文

 米一升〜二升 100文   味噌醤油 50文

 酒1合 20文〜24文

 1文 30円〜40円    1両   12〜16万円(4000文)

 一分銀 3〜4万円(1000文)    二分金 6〜8万円(2000文)

 1朱   約1万円

 

 

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第07話 1857年 『封建のための攘夷と、月下の切っ先』
第08話 1858年 『安政憲法発布と、銅本位制バブル』
第09話 1859年 『紙幣印刷と。カラクリ業革命と。』