月夜裏 野々香 小説の部屋

    

錬成系 維新戦記 『1kg級魔法使いで』

 

  

  

 第116話 1966年 『戦略ナノ電脳基盤』

 

 ユダヤ暦5726年  皇紀2626年   大正13年

 第123代 大正天皇(37)   第19代将軍 千家 夷隅(43)

 

 

 史実だと、戦争と革命のFRB人類暗黒時代が始まったのが1913年12月23日で

 翌年には、第一次世界大戦がはじまった。

 この世界だと、戦争と革命のFRB人類暗黒時代が始まったのが1918年12月23日で

 翌年には、十字軍世界大戦がはじまった。

 史実よりは、益しだと思ったけど、

 東南阿アジア戦争は起きるし、コンゴ戦争は起きるし、タイ王国と、アチェ王国は、ゲリラ戦が増加してる、

 清国も内・・・・・ あ、あの国は、古代からの年中行事だからいいや

 

 

 

 史実と違うのは、日本が黒船来航以降、戦争を経験しておらず、

 最先進国で、GDP世界最大で、幾つかの海外地を保有している。

 総人口は、史実の7倍以上あるし、資源消費も馬鹿でかい。

 資源が足りないのは事実だけど、同盟国が多いので、何とか資源を買えてる。

 そして、余剰国力があるので、人型カラクリとか、宇宙開発できることかな。

 因み、オスマン帝国、アチェ王国、オーマン王国、ザンジバル王国が健在、

 いま、焦点なのは、コンゴ戦争だけど、

 清国は、年功行事的な武装蜂起が続いているし、

 アチェ王国はインドネシア併合と、タイ王国は、マレーシア併合が原因でゲリラ戦が続いてる。

 

 

 次期将軍の詮議が行われている。

 いくら戦争にでもならない限り権力が集中しない将軍でも、

 あまり長くやらせると、我田引水が繰り返されて良くないことが起こるわけで、

 誰が次の将軍になるか話し合われていた。

 候補は、1000万人長、尾張藩主、樺太藩主が有望らしい。

 

 

 

 

 

 01月

 水素爆弾を搭載したアメリカのB52爆撃機がスペインのパロマレス沖でKC135空中給油機と衝突、

 水爆を搭載したまま墜落(パロマレス米軍機墜落事故)。

 

 

 

 100万人長は、先任・主任・副任合わせて600人ほどいる、

 おれ、副任だけど、

 未来の日本だと、副知事に当たるし、年末年始は、忙しい。

 冠婚葬祭とかもあるしね。

 いろんな、寄り合いに参席するけど、

 今年は、秘匿されてる人型カラクリより、次期将軍詮議と、宇宙ロケットの話題が大きいかな。

 

 

 

 正月が開けると、

 宇宙ロケットを打ち上げるので、瑞樹に行く

 白風は、世界最大級の旅客機で、乗員・乗員450人が乗る。

 カモメ機でも行けないこともないけど遅い。

 小型ジエット旅客機は速いけど、何回か給油しないと届かないし、

 白風は、速く到着するし、それなりに広々としてるからね。

 

 

 瑞樹に降りると

 神社仏閣があって、本土より大切にされている。

 人事を尽くしてしまうと、後は神頼みなのだろう。

 せっかくなので、家族旅行するかな。

 旅行は、一人旅が楽しいけど、おれが子供のころ過ごした街を見せるのもいいかもしれない。

 故郷に錦を飾るみたいな感覚も楽しい。

 15歳くらいに若返った方が故郷が作れていい。

 でも、意外に友人が残ってない感じ、海外地って、郷土意識が薄い気もする。

 それでも “瑞樹に来い” な空気が強い。

 というのも14歳以上の男子人口が増えると、バラマキも増えるわけで、

 でかい高層建築とでかいフロアを作って、移民を呼び込めば、バラマキの分母が大きくなるし、

 相乗的に景気も良くなる。

 新規の移民者にやさしい感じの街だ。

 

 

 

 ドベライ半島の 蜘蛛の糸 街は、宇宙開発関連企業が多く、宇宙港を支える工業地なので、

 藩主、公家、10人長、宗教、師弟人脈が100万人長区画の主導権の取り合いをしてる。

 血生臭い争いは、滅多にないけど、情報戦は、激しいかな。

 

 

 建造中の宇宙ロケットを見に行く、

 こんなデカいのが宇宙に向かって飛んでいくのだからたまげる。

 しかし、軌道に乗るのは、8分の1もない。

 子供たちが おっきい! おっきい! と、喜んでる。

 大人のおれでも、同じ感想。それほど、大きい。

 「完成は、いつ?」

 「組み立てて燃料を注入すれば、完成です」

 

 

 

 

 孤児院に行く、

 それらしい女の子を探さないといけないし、

 公文書偽造と私文書偽造を手伝ってくれる私兵を探さないといけない。

 この世界は、金の力より、石票の力が強いし、個人の倫理観が強い。

 バラマキをやるとそうなってしまうので、無茶な命令は出せないけど、

 孤児は、義理人情が繋がると無理が効くかな。

 権力層に近付くと、封建的な人間関係が強くなるんだよね。

 困ったもんだ。

 

 

 

  

 

 02月

 ソ連の無人月探査機ルナ9号が初の月面軟着陸に成功

 

 

 地下鉄で海抜2200mの宇宙ロケット打ち上げ場まで登っていく、

 関係者は、打ち上げ指揮所に降りて。無関係者は、打ち上げ観覧所に降りる。

 おれは、関係者なので、指揮所に行けるけど、良く見える観覧所で見守る。

 ていうか、そっちの方が多い気がする。

 というより、妻と子供たちとも合流したし、家族と見てる富裕層も多いかな。

 あと、監視カメラが至近距離で宇宙ロケット映している。

 「御父さん。あんなに大きいのに、人が乗ってないんだ」

 「ああ、最初は、貨物だけで打ち上げ速度が速い」

 「有人用は、軽くて、打ち上げ速度が少し遅くなるな」

 「ふ〜ん」

 子供は、眼を輝かせている。

 ・・・・10・・9・・8・・7・・6・・5・・4・・3・・2・・1・・発射!

 2800t級(全長110m×直径10m)夕張型ロケットの下部から白煙が噴出し

 誘導口から白煙が広がっていくにつれ、ロケットも昇っていく、

 大多数の日本人は、無事に昇っていくことを願うのだけど、

 幾つかの国と、その工作員は、途中で爆発しろ、と思ってるかもしれない。

 いろんな思いは、あるかもしれないけど、ロケットは視界から消え、

 電音の音声がロケットの安否を知る手掛かりになった。

 しばらくすると、衛星軌道に乗ったという知らせが入り、歓声が上がる。

 

 

 

 日本の大型ロケットは、素材で軽量化され、赤道から打ち上げるので効率がいいのか、

 320t級(全長26m×直径8m)宇宙船を周回1時間34分の高度500km軌道に配置できた。

 旅館で電映を見てると、カラクリ腕が内部から機材を宇宙に搬出し、

 宇宙船の予備の倉庫区と、防護帯で覆い、人間が居住できる空間を増やした。

 日本が大型宇宙船を打ち上げると、

 全世界的に軍事衛星と話題になったけど、室内を公開すると静かになった。

 まぁ 将来は、人間が居住できる宇宙船って感じと思われた。

 

 

 子供たちが、面白半分に師弟人脈教室に行く、

 教室は、一見さんでも歓迎されるし、新しい出会いを楽しんでる風だ。

 ちなみに適正年齢試験は、毎年2回あるけど、

 10、11、12歳で一度合格すると、

 しばらく、サボって、15、16、17歳の試験を受ける事が多いらしい。

 ちなみに息子たちも何回か試験を受けて幾つかの適正試験に合格してるらしい。

 優秀かどうかというと、まぁ 普通。

 

 

 

 

  

 

 

 

 03月

 瑞樹の珪炭支社を見学、

 人工知能を製造してたりするけど、ナノピンセットを使った体内機械や超小型機械も研究設計製造している。

 体内の癌を殺したり、機械内で修理したりする機械かな。

 あと、拳銃弾・小銃弾サイズの誘導弾とかね。

 いや、冗談じゃなくて、試作しているけど、高すぎて、量産不可だろうね。

 おれ、創始者だけど、支社は、1000万人長区画ごとに半独立していいる。

 限定的な決定権があるのと、配当が得られるけど、経営権は、あまりない。

 ちなみに支社で作ったモノを規格化することもあるので、接待攻勢もあるね。

 

 

 瑞樹の高層建築は、150〜250m級が多くて、縦幅横幅が長い。

 地租税で逆算すると、高層になるほど有利になるけど、建設費が高い。

 なので、信託企業が金を集めて、地盤で最大限の高層建築を建設する事が多くて、

 投資家は、石票と配当だけを得るのが一般的。

 資金力があるところは、自前の資本で建設することもあるけど、

 大規模な起業を起こすときを除くと、あまりない。

 人型カラクリの個人保有が増えると、自己資金で高層建築を建てる事もあるかもしれない。

 高層建築の内壁側に行くと、涼しくなって、家族で焼き肉を食った。

 

 

 

 

 瑞樹は、行政の一元化が話題になってる。

 石票上位100人で上院を作り、10人長制議員で下院を作って、議会を二層構造にする発想が生まれる。

 藩主を地頭・守護勢力。100万人長を民主勢力としてきたのだけど、

 藩主の海外資産が大きくなり過ぎたらしい。

 あと、海外地出身の新興勢力で石票持ちも増え、

 国政を委任するだけじゃ不公平すぎるのが、後押しになってる。

 どうやら、藩主は、人型カラクリがあるせいか、

 地場勢力をやめ、国外資産勢力に転向する気らしい。

 逆に10人長制民主議員が地場勢力になるのかもしれない。

 ぶっちゃけ、藩主が拠点を定めず石票を権力の中心にして

 10人長制で行政で棲み分けした方がわかりやすいし、

 ていうか、時代の流れに逆らうと革命的なことが起こりそうで怖い。

 

 

 

 

 

 瑞樹製人型カラクリがヨットを操作している。

 「上手いものだ」

 「ベテランの模倣だよ」

 「泳げるの?」

 「泳げるよ。というより潜水艦並みで。さらに、潜水病にもならない」

 「もう、怖いもの無しだな」

 「人型カラクリは、これといった弱点がないですね」

 「値段が高いことを除けばな」

 「確かに」

 「「「「あはははは」」」」

 

 

 

  

 

 04月

 欧米列強で、日本が打ち上げた宇宙基地が注目され、電映で流されてるらしい。

 宇宙時代開幕って、感じだけど、

 日本でも権力基盤に結び付きにくい産業は、設備投資が小さいし、

 宇宙開発は、これからの産業って感じ、

 でも、一度、打ち上げに成功すると、

 掛け捨てでも規格品を改良しながら作り続けるくらいの産業基盤と財力はあるかもしれない。

 

 

 

 

 幕藩連合広報を見てると、人身売買による美少女輸入が減少しているらしい。

 国外の日系学校と日系旅館が増えたのが最大の原因だけど

 日本に美少女を輸出する業者が圧力を受けたのも事実のようだ。

 ハーフ、クォーター、ワンエイス、ワンシクスティーンスの美男美女が増え、

 需要が減ったことも事実なんだけどね。

 そうそう、女性の社会進出が少しずつ増えて、女社長とか増えてる。

 女は、バラマキがないと言っても、親が豊かなら七光りがあるだろうし、

 努力と才能で伸し上がったりするのだろう。

 というか、起業系の師弟人脈もあるらしい。

 

 

 

 

 61351t級キティホーク型空母が瑞樹の港に入港した。

 甲板を一般人に一般公開して、核兵器は全て降ろしてきたという。

 まぁ 本当かどうかは、わからないけど、

 コンゴ戦争を自由世界の正義の戦争と位置付けているらしい。

 砲艦外交もあるけど “アメリカは、日本と仲がいいですよ” で、ウォール街の株が上がるらしい。

 なので、小遣いを稼ぎたくなったら、砲艦外交で日本との関係を良好に見せかける。

 例えば、飛行機事故で水爆が海に落ちて、株が下落して、すぐに株を買い。

 空母を親善で日本の港に入港させると、株が上がるので、売って儲ける、みたいな。

 これができるのは、ウォール街のユダヤ人たちなんだけど、

 そのことの意味がよくわからない人間が多い。

 一国の軍隊を私利私欲のために私物化しているってことなんだけどね。

 しかし、経済の原動力を生産も消費もしない雇用もしない株式市場にしてしまうとか、マジで、致命的だよ。

 経済の原動力は、消費、生産、雇用、所得などの実体経済の規模で測るべきだね。

 

 

 

 

 

 

  

 

 05月

 人工知能が生まれたことで、

 阿頼耶識で、著作権が多言語で自動的に類似・引用されることになった。

 更新した途端に引用先が掲示されるのだから用心深くなるだろう。

 特許は、閲覧料を払うことで公開され、特許使用料も提示され、利用する企業と個人の一覧があった。

 日本の場合、機密特許を除いて、特許の使用拒否権がない。

 機密特許は、その筋から機密扱いされるか、人工知能が気付くと、機密扱いに送られてしまう。

 ちなみに、珪炭社は、ほとんどが機密扱いで、財政で生かされている感じ (笑

 

 

 

 瑞樹は、高層建築が並んでいる。

 地震帯から外れ、地盤のシッカリしている地域は、300m〜400m級高層建築が建っている。

 高層建築の外周各階層は、南洋観葉植物が植えられていることが多く、

 無毒化が進んでるというか、人工的な楽園化が進んでる気がする。

 床面積の南洋植物を敷地面積で換算すると、

 アマゾンの3〜4倍の高密度密林地帯になって、酸素供給をしているらしい。

 「魚! 魚だ!」

 「凄い、かわいい〜♪」

 子供たちが観賞魚の水槽にへばり付いてる。

 おれは、養殖魚の方に関心が行くけどね。

 「ついに軍事機密の炭素甲網を使った高層建築が建設されるとはね」

 「高層建築で耐久年数が長い方が、石票の持ち主が嬉しいのだろう」

 「権力基盤の石票を少しでも長く持ちたいわけだ」

 「最近は、権力基盤が人工知能の数になりそうだけど」

 「希少価値でいうなら親指大の巨大空母ですか」

 「私物化できるならね」

 

 

 

 

 

  

 

 06月

 人型介護カラクリが老人の世話をしている。

 1体幾らだよ。

 そんな豪勢な介護なのだけど、データーだけは、蓄積しておかないと駄目ってこと、

 「車いす型と、人型は、どっちがいいの?」

 「車いす型は量産型賢者の石でも十分ですが、人型介護カラクリは、人工知能ですからね」

 「まぁ 下の世話をしてもらうなら人型介護カラクリでしょう」

 「確かにね」

 「何体くらい必要になるかな」

 「1体で10人くらい面倒を見れるのかな」

 「老人の障害にもよりますけど、人工知能を持つ人型カラクリ、量産型の人型カラクリと、老人の人数を突き詰めた方がいいでしょうね」

 「風呂、便所、食事、掃除、洗濯、着替え、買い物、移動か」

 「人造人間か。強化人間化する方が楽かもしれませんね」

 「それは、本人の意思だし。不安要素が大きいだろう?」

 「まぁ そうなんですけどね」

 「瑞樹の人造人間と強化人間は、いま、どの程度、進んでるの?」

 「基本的に、全国共通ですよ。年内分で、開発が進んだとか、聞いてませんし」

 「人工知能を埋め込んだのは?」

 「本音と建前がありますし、本人が思う言動と、本人がしたい言動と、本人がする言動は違いますからね」

 「まぁ 曖昧な部分は、受け取りにくいからね・・・」

 

 

 

 十字軍戦争の影響か、東南アジア独立戦争の影響か、コンゴ戦争の影響か。

 欧米諸国で、キリスト教に失望する人間が増えてるらしい。

 白人が観光にやってきては、ブツブツ言ってる。

 いや、もう、なんていうか、哀れになるほど苦しんでいる者さえいる。

 これは、キリスト教徒じゃないと理解しにくい失望感かもしれない。

 そして、北イスラエル系10支族が編成した聖書を読んで、日本ユダヤ神道に入信する者も少なくない。

 まぁ 日本の聖書は、いっぱいあって、混乱するのだけどね。

 なんにしても、イスラエル親衛隊が1人増えたかもしれない。

 

  

 

 

 07月

 試作無人戦車は、人工知能を搭載し、50t級20式戦車を元にしている。

 乗員は1人で、戦車を動かすためのカギでしかなく、

 戦術機動は、人工知能が指揮官に従って自動的に動かす、

 搬出搬入口は、砲弾と弾薬をいれる個所と、燃料を入れる個所しかない。

 燃料は、パラジウム吸蔵水素と、ロータリーエンジンと、電気モーターのハイブリットで、

 人型カラクリと同じ構造になってる。

 「金塊並みの希少金属パラジウムを使うのは、戦略上の難点だな」

 「逆に言うと、パラジウムを買えるなら可能ということだろう」

 「ていうか。パラジウム使うなら潜水艦に使え、と叩かれた」

 「ニッケルでも水素を吸蔵できるだろう」

 「戦術上のうまみが小さい」

 「そういえば、空軍がパラジウム吸蔵水素のターボファンエンジンを試作したらしい」

 「あいつら、戦車にパラジウムとか許さんとか、言いながら・・・」

 「まぁ 研究くらいしたくなるだろうけどね」

 大型ミサイルを乗せた車両が近づいてくる。

 「あれは、例の強襲空挺団?」

 「はい、人型、犬型、蛇型を敵陣営後方に撃ち込みます」

 「蛇型の敵味方識別は、大丈夫なんだろうな?」

 「非日本人顔と、軍服と、言語で識別します。自動帰還装置があるので、収容できるはずです」

 「ただの火力制圧と、どっちがいいか、判定がでたの?」

 「火力制圧が一時的な恐怖感なのに比べ。浸透兵器は、持続的に交戦状態を作り出せます」

 「敵に与える疲労は、浸透兵器の方が大きいかと」

 「まぁ どっちもあった方がいいということか」

 「はい」

 「ところで、瑞樹って、侵略される心配って、あるの?」

 「ないですね」

 

 

 

 

 

 全幕藩連合体育大会

 オリンピックの間を挟んで4年ごとに体育大会が行われる。

 以前、藩対抗体育大会に、100万人長区が参加していたけど、

 安政以前の大名が藩議会の石票で負けて大半が失墜しているせいか、

 しがらみと、仇敵と、遺恨のを引き摺る藩対抗体育大会から、

 ゲームバランスが公平で、シンプルな全1000万人長区対抗体育大会に移行している。

 あと、武術・武道人口が少しばかり比率が減って、球技人口の比率が増えてる気がする。

 10人長制行政は人口と連動して増えるせいか、流動的で

 15個の1000万人長区画は、

  神武  綏靖  安寧  懿徳  孝昭  孝安  孝霊  孝元  開化  崇神

  垂仁  景行  成務  仲哀  応神

 と、天皇の名称が付けられ

 何年かしたら16個に増える。

  仁徳  履中  反正  允恭  安康  雄略  清寧  顕宗  仁賢・・・・

 次の1000万人長区画の準備も既に準備が整えられていて、

 行政的には、支障なさそうだった。

 欧米列強にしたら、準国家分の国力が行政単位で確認できるわけで、脅威かもしれない。

 

 

  

 

 08月

 人型カラクリが飛行凧(ハンググライダー)で滑空している。

 「ありきたりだが、上手いもんだ」

 「ハングライダーは、炭素甲網と、炭素甲線で作られて軽量ですし」

 「人型カラクリは体重が小さいのに力がありますし、100mくらいの高さから飛び降りても平気ですよ」

 「もう、人型カラクリだけで、戦争できそうだな」

 「数さえ増えれば・・・」

 「数を揃えようとすると、流石に財政破綻するかもな」

 「ですよね」

 

  

 

 旅館に行くと、カレンダーが3つ並んでいる。

 西洋式グレゴリオ暦カレンダーと、日本太陰太陽暦と、13月(28日)カレンダーで、

 西洋式を国際外交標準とし、

 日本の太陰太陽暦は、祝祭日で使われることが多い。

 13月(28日)は、電灯のせいか、夜、月を見なくなって日本太陰太陽暦が不便になり、

 西洋式カレンダーに戻そうとしたのだけど、西洋式の対案で、使われるようになったらしい。

 まぁ 1年をどう区分していくかってことなんだろうけど、

 安政維新が欧米外圧主導で行われず、

 日本の自助・自浄内圧で、近代化できたからかもしれない。

 あと、ユダヤ歴との合流で、精神的に自発性というか、自信が生まれたのかもしれない。

 3つのカレンダーを上手く使いこなしているらしい。

 

 

 

 

 

 09月

 親指大の人工知能と、カラクリは、人工知能が高い。

 それどころか、戦闘機よりの数十機分になる。

 まぁ 設備投資もデカいけど、職人1000人がかりで1年かけて製造するから、人件費だけで、そうなってしまう。

 耐久年数が長そうなので、元が取れるかもしれないけど、いまのところ、掛け捨ての大赤字だ。

 

 

 

 某教室

 人型カラクリが教室で教えている。

 まぁ 適正年齢の高い師、人気のある師の模倣をさせてるけど、意外に人気があるようだ。

 なんていうか、人型カラクリって、ばれないか、ヒヤヒヤなんだけど、

 

  

 

 

 10月

 人工知能を使った最小人型カラクリは、身長40cm。体重2.5kgほどになった。

 これまでの最小は、蛇型の全長200cm、体重5kgと、猫型5kgなので、半分になる。

 ていうか、蛇型や猫型より複雑なので、ナノ加工部品が増え、標準的な人型カラクリの3倍も高額になる。

 「赤ん坊より小さくないか」

 「この大きさで、常人300倍。万力ですよ」

 「速度は?」

 「反応速度は、常人の10倍」

 「常人の時間がゆっくりに見えてるんだろうな」

 「まぁ そうでしょうね」

 「それより、なんで作ったの? って言われそうな大きさだな」

 「個人の遺伝子情報と、映像などで生活記憶を人工知能に転写し、小型新人類をできないか」

 「という政治的な思惑があったようですが、疑似人格に過ぎませんからね」

 「結局、本人が人型カラクリに移動したとわからない限り、成功とは言えないからね」

 「二重人格や多重人格を移籍移籍させられないか検討してるみたいですよ」

 「へぇ〜」

 「つまり、二重人格の一つが消えて、人型カラクリに移動したら、成功と考えていいですからね」

 「なるほど」

 「というのが表向きで、軍が狭い空間で作業できるので最小人型カラクリを作りたかった。が大きいようで・・・」

 「安全保障で?」

 「ええ」

 「ほぉ 安全保障で押し通すと、思ってたら・・・・」

 「最近は、あっちこっちに、気を使って他力本願してますよ」

 「「「「あははは」」」」

 

 

 

 

 

 5kg級猫型カラクリを借りた。

 言葉を話せるので、気分は、使い魔かもしれない。

 この小ささだと、ナノ加工が増えるので、標準型人型カラクリと、変わらない値段になるらしい。

 子供たちと適当に遊ばせて、勝手に帰還させる。

 子供たちに大人しく抱っこされてるけど、虎より強くて、1、2分で、眼と鼻を潰して、内腹を食い破るそうだ。

 値段的には潜水艦を抱っこしてるんだろうな。

 定時無線で位置を司令室に教えてるし、映像で全て記録している。

 情報部の諜報と、要人警護で需要があるらしい。

 

 

 

 

 

  

 

 11月

 戦略爆撃機と、潜水艦は、空路や海路から外れた離島の基地に配備され、作戦を展開する。

 今回は、瑞樹の小島に立ち寄った。

  20式戦略爆撃機 海凰

    自重100t/運用300t/全備重400t

     全長76m×全幅68m×全高12m  翼面積800u

     ギヤードターボファンエンジン推力25000kg4基   1200km/h   航続力20000km

     対空・対艦・対地巡航ミサイル20t

 炭素甲網と、炭素甲線の機材が増え、ステルス形状に近付いていた。

 あの巨大さで小型機ほどの大きさに見えるらしい。

 瑞樹は、海凰12機が配備され、豪州の抑止を担当している。

 戦略爆撃機は、巡回機、スクランブル機、待機、保守整備の4サイクルで、

 巡回してる機体が戦力として数えられて、現在は、2機が飛んでるらしい。

 長射程から1個艦隊を核攻撃し、艦隊ごと葬れるだけの対艦ミサイルを装備している。

 

 

 功績の大きい老人の脳を人型カラクリに移した人造人間が少しずつ増えてるらしい。

 もちろん、脳と人型カラクリの間に暗号無線によるON・OFFがあるし、

 新しい戸籍と、名前を準備して、監視対象になっている。

 

 

 ガダルカナル島

 未来人のおれにとっては、なんとなく、思い入れのある島だけど、

 この世界の日本人にしたら、安政の雄飛で、取得した島の一つに過ぎない。

 特に重要でもなく、特に、意味のある島でもなく、普通に開発されている。

 果物の盛り合わせが主食なのか、御飯と味噌汁は別に注文しないと出てこない。

 なんとなく、子供たちが浜辺で遊んでいるのを見ている。

 浜辺で遊んでる人々の様子を見てると、無駄に肥ってる日本人は少ない。

 たぶん、飽食させるような映像が少ないからかもしれない。

 おれは、若返るためか、食べてる割に痩せてるかな。

 水着の上に網の服を羽織ってるのは、流行らしい。

 水着は、未来の日本よりやや大人しい気がするけど、1966年代的な水着かもしれない。

 水上スキーもやってる。

 1900年、海軍将兵に、やらせてみたのが世界初かもしれない。

 いや、訓練というか、息抜きというか、気晴らしにやらせてみたのだけど、

 民間に広がって、時代を経て、この島でもやってる。

 ちょっと、感慨深い。

 あと、白人系の血が混ざってる者がいるのか、足が長いような気がするね。

 

 

  

 

 12月

   金融マフィア  軍需マフィア  電力マフィア  エネルギーマフィア

   医療マフィア  土建マフィア  電算マフィア  自動車マフィア

   航空マフィア  造船マフィア  道路マフィア  鉄道マフィア

   郵政マフィア  メディアマフィア

   師弟マフィア  藩主マフィア  10人長制マフィア  公家マフィア

 金脈があると、ピラミッドと、用心棒的な政治集団が形成される。

 日本のピラミッドは、日本と、海外地で分断されてるし、

 藩ごとに分権されてるし、1000万人長ごとに分権されてるので、

 省庁単位の巨大マフィアは、存在せず、

 未来の日本だと、数県ほどの大きさの経済圏が繋がってる感じになってる。

 ぶっちゃけ、綾波、時司、霧島がやってきたことは、中央集権潰しと、巨大利権潰しかな

 基幹産業マフィアは、存在するけど、未来の日本より規模が小さくて、

 一般家庭の自家発電力、農耕収穫力など生存力が強いので、搾取力が小さいかな。

 

 

 

 

 

  

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 おれ、 綾波 源司(あやなみ げんじ)  ⇒⇒⇒  時司史朗(ときつかさ しろう)

 露瀬 統司(64)  露瀬 千夏(62)  露瀬 陽介(59)

 時司 頼経(61)  直衛(59)  美智(57)  雪妃(55)

 

 時司史朗(ときつかさ しろう)  ⇒⇒⇒  霧島 高雄 (きりしま たかお : 41歳)

 

 霧島高雄(41)  香織(30)   翔太(12) 慶太(12)  雅(8)  伸治(6)

 

  

 

 史実    9903万人

 戦記    428万0358ku    6億9798万人

   日本  46万6088ku     1億8800万人

   瑞樹  92万5915ku     1億9962万人

   扶桑  171万7854ku     3134万人

   フィリピン 29万9404ku    1億4102万人

   ナミビア・インド洋諸島・イスラエル藩 86万1259ku   1億4000万人

      スペイン・ポルトガル国境 カディス 200ku

      ベネゼエラ トルトゥガ島 156ku

      コロンビア・ペルー・ブラジル国境 レティシア4500ku

      ボリビア・パラグアイ・アルゼンチン国境 ピルコマヨ4500ku

      ウルグアイ バラ・デル・シュイ 100ku

      メキシコ・グアテマラ国境スチアテ港 200ku

      チリ ファン・フェルナンデス諸島 182ku

    オスマン帝国領バルカン北部自治区100000ku

    オスマン帝国領コーカサス北部自治区156000ku

 

 

 

 

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第115話 1965年 『抵抗は無意味だ。金が欲しければ殺し合え』
第116話 1966年 『戦略ナノ電脳基盤』
第117話 1967年 『賢者の石と。カラクリと。宇宙基地と。』