月夜裏 野々香 小説の部屋

    

錬成系 維新戦記 『1kg級魔法使いで』

 

  

  

 第118話 1968年 『赤い霧』

 

 ユダヤ暦5728年  皇紀2628年   大正15年

 第123代 大正天皇(39)

 第19代将軍 千家 夷隅(45) ⇒ 第20代将軍 綾波 静馬(24)

 

 

 

 “新聞が左向け左と言えば左を向く”

 “雑誌が右向け右と言えば右を向く”

 “テレビが左向け左と言えば左を向く”

 “政治の偉い人が右向け右と言えば右を向く”

 “著名人が左向け左と言えば左を向く”

 “師匠が右向け右と言えば右を向く”

 “革命左翼が左向け左と言えば左を向いたし”

 “戦争右翼が右向け右と言えば右を向いたな”

 “そんな地方から来たんだよ”

 “え〜〜〜 うそだぁ”

 “うそうそ”

 “そんな地方は、ないか”

 ““ないない””

 “それはよかった”

 そう、未来の日本は、宗教的な個人崇拝と、特定組織権益と、

 針小棒大な目的意識と、偽善と、射幸心と、快楽と、

 利己主義と、拝金主義と、偏向知識と、マニュアル化で飼い慣らされ、

 仕様で喋ってるだけの親方日の丸と、台本読んでるだけ著名人に事勿れる。

 想像力、思考力の乏しい国民は、いいように騙され、嵌められ、暴走し、自滅し、滅ぼされてしまう。

 そんな国の上層部は、間違いなく、国民より愚かだ。

 愚かだと、わかっているのなら、まだ、救いがあるのだが、

 我は、世襲特定産業天下りのノブレス・オブリージュ、

 お前らは、賤民だから逆らうな。

 そんな黒を白、白を黒と押し切るような馬鹿が日本帝国を滅ぼし、

 未来の日本を滅ぼそうとしていた。

 そして、この世界の日本も・・・・

 そうだねぇ 兆候はあるけど、いまは、まだ、目立たない。

 しかし、着実に世襲と天下りが増えてる気がする。

 だいたい、馬鹿が上に立つほど、努力、実力、能力でなく、

 既得権と資本力に頼るから不正腐敗と、貧富と地域差が広がり、賤民が増え・・・

 まぁいいや

 

 樺太藩4代目 綾波 静馬(24)が将軍に選任される。

 樺太・瑞穂社は、ナノ技術の珪炭社と、航空の創巧社に追い詰められてるけど

 まだ、日本最先端の工業地帯だし、

 なんとなく、そうなる気がしていたかな。

 ていうか、樺太藩の工業力が日本全体に平準化したので、将軍職が回ってきたのかもしれない。

 ていうか、江戸幕府最後の大名家が、将軍職になるのだから、

 次は、いよいよって気もする。

 

 

 そうそう、欧米列強が日本の高度成長の足を引っ張りたいのか、日清戦争を画策してるのか

 清国に武器弾薬を売ってるっぽい。

 幕藩連合が、欧米列強に清国への兵器武器弾薬の輸出に文句を言うと、

 清国の自主自衛権の範囲だとか。日本も南米・中東・アフリカに兵器武器弾薬を輸出してるとか。

 言い返してくるらしく、

 ちっ! だぜ (笑

 

 

 

 

 01月

 第19代将軍 千家 夷隅(45) ⇒ 第20代将軍 綾波 静馬(24)

 将軍が変わり

 おれは、年末年始を艦命神社で迎える。

 まぁ なんていうか、冠婚葬祭をキチンとやらないと、結束力が失われやすいわけで、

 真面目に付き合って、愛想笑いしていると、それなりに付き合いが深まったりするかな。

 昼には、時司の頃、錬成した日本刀の試し斬りを見せてくれるので、群衆ができていたりする。

 

 日本に帰国して、まずやったことと言えば、人工知能と、人型カラクリを確認すること。

 日本の有識者は、戦略兵器を除く兵器は、形状的なモノと考え、あまり気に留めない。

 むしろ、人間の代わりに陸海空で戦ってくれる人工知能と、

 軍民両用で使える人型カラクリを最重要軍機に位置づけている。

 宇宙開発でさえ、列強の目を宇宙に向けさせるために打ち上げた、と思うほど、囮的な要素が強い。

 

 

 

 

 人型カラクリで、ナノ微細加工がされている個所は、人工知能を除くと、動力機関、関節部の2つしかない。

 しかし、人型カラクリが限度まで小型化していくと、ナノ微細加工が増え、製造価格が跳ね上がる。

 体重2.5kg級身長40cm型人型カラクリは、現在の財政可能上限で最小だった。

 「飾りとして置くのなら便利だな」

 「これが、人類の未来の姿になるのかね」

 「人型に拘らなければ、巨大な人工知能に全て並べてしまえるかもしれませんよ」

 「現実から隔離してしまうの?」

 「墓所という名の疑似仮想世界ですよ。仮想宇宙と言ってもいい」

 「外界の刺激がないと、上手くいかないのでは?」

 「ああ、未知の知的分野を作ることでしょうね」

 「あと、動いた事にして、触った事にすれば・・・」

 「なるほど、現実の仮想化で実感を持たせるってことか」

 「仮想の現実化ですよ」

 「数億人分の巨大人工知能宇宙船を建造して、太陽系開発させられるかもしれませんね」

 「まさか、我々が、現実の世界に生きてる振りをさせられていることはないだろうな」

 「あははは、気付かないように処理されていなければ、気付きますよ」

 「「「「・・・・・・」」」」

 

 

 宝ヶ池

 将軍様にご挨拶

 江戸時代的な封建制が強く残ってる感じ、

 血縁と言っても、綾波家の闇閨閥の時司家の闇閨閥の霧島家なんで、血が繋がっていて、低くみられる。

 珪炭社の創始者という立ち位置のが、大きく見られてる感じだ。

 本当は、おれが宗主なんだけどね (笑

 

 

 

 

 02月

 コンゴ戦争はまだ続いている。

 ザンジバル軍は、兵站を無暗に前進させず、コンゴ部族のゲリラ戦を支援させている。

 まぁ ザンジバルの国力が小さいこともあるけど、

 コンゴ部族の独立戦争を利用した方が、兵力を温存でき、戦後体制で有利と考えたのかもしれない。

 んん・・・おれが知ってる日本帝国軍の10倍、頭が良いし

 未来の日本みたく、集団的自衛権で、火中の栗を拾う馬鹿より100倍も頭が良いわ (笑

 

 

 海底熱水鉱床、熱水噴出孔など、希少物質の回収と、

 海中のパラジウム採集が少しずつ進んでいるのか、パラジウムの生産が増加したらしい。

 たぶん、世界最大の保有国かもしれない。

 これで、人型カラクリ軍団を編成できるかもね。

 

 

 

 ピッチングマシン8基が人を囲み、

 ランダムに射出するテニスボールを棒で防いでいた。

 人工知能を埋め込んだ強化人間は、五感のほか、

 フェーズドアレイレーダーと、赤外線暗視装置も組み込んでいる。

 「霧島殿。どうです。上手いものでしょう」

 「人型カラクリほどじゃないけど、人間離れしてるな」

 「いま、人工知能が半自動状態で、意識はありますが、体を動かしてるのは、人工知能ですよ」

 「動体視力との誤差は?」

 「動体視力と前帯状回皮質の直感は活用しますよ」

 「人工知能と、レーダーと、赤外線暗視装置で、補正しますけどね」

 「電話回線とは、どう繋げるの?」

 「目立たなようにしてますが、頭頂眼に光無線通信を付けています」

 「つまり、電話ができて、阿頼耶識が見れるわけだ」

 「電音が聴けて、電映も見れますよ」

 「便利だな」

 「手術が命懸けで、しり込みしますけどね」

 

 

 酒場

 10人長制高位者と、師弟人脈系適正年齢高位者

 どっちが有利なんだろう。

 そんな話題で賑わう。

 任期制民主公務職と、終身制学閥専修職は、根底から役割が違う。

 10人長は、高位に比例して多様な職場で責任を持たされるけど、

 人柄、歴史観、思想、背景、石票で選出されやすく、常人な判断をしやすい。

 師弟人脈筋の適正年齢高位者は、その道のプロで、知識と経験で勝る。

 まぁ 重複することもあるので、そうなると、最強だろうか。

 あと、資本家というのもいる。

 いわゆる金持ちで、利権を握っている勢力、

 ちなみにおれは、珪炭社で炭素甲線と炭素甲網を製造してるパイオニア、

 まぁ 軍機だから言えないけどね。

 でも、千章眼、床屋・井戸端談義板と、ウォ×クマンは、言える (笑

 おれ、バリバリの国外コネクションを思われていながら、

 権力基盤を日本においた国粋系基幹産業の宗主ってことかな。

 

 

 

 

 

 

 

 03月

 幕藩連合国防会議

 海軍が10万t級ニミッツ型に対抗する10万t級飛凰型空母の設計図を持ってきたけど、

 関係者から空気が読めていないと、総反発くらい、取り下げさせられた。

 どこかの国を侵略するのでなければ、空母は不要だし、

 日本の衛星監視網と、戦略爆撃機の爆撃圏から逃れられる艦隊は存在せず、

 アメリカ機動部隊を何度も出し抜いている。

 潜水艦も、アメリカ空母を何度も射線に入れてるわけで、

 日本にとって、空母保有は、それほど意味のあるものでなくなっていた。

 

 

 

 

 

 日本に潜入した在日が欧米から輸入した退廃的、性差別的、地域差別的、貧富差別的な作品を持て囃し、

 日本人に成り済ました在日に増殖させて、外国に逆輸出することで、日本人を貶めている、

 国際交流を利用したお祭り的な民族劣化作戦で、相乗効果で使われている。

 この時代の日本人は、まだ、総合バランスを重視してるので、反発してる気がするね。

 しかし、資金力がある限り継続できる工作だし、

 まぁ 資金源は、資源を持ってる欧米なので、ほぼ無尽蔵に継続できるんだよな。

 マジでムカつく

 

 

 

 

 全周スクリーンの中、10人ほどが人型カラクリの視点と視界で世界を見ていた。

 焦点は外国人観光客に合って、人型カラクリは、スペイン語で受け答えしている。

 自動翻訳と字幕が流れ、状況がなんとなくわかる。

 「応対が、上手いもんだ」

 「気付かれていないか?」

 「表情を見る限り、そんな風ではないな」

 「外交で役に立てばいいが」

 「外交になったら、集中力が全然違うだろうし、流石に、ばれるだろう」

 「最初、使うとしたら目立たない秘書か、随行員じゃないか」

 「外交交渉前に、秘書と随行員を調べないとしたら三流国だと思うがね」

 「やはり変か」

 「何か変だと思われたら、潜入工作員を使ってでも、徹底的に身元調査されてしまうよ」

 

 

 

 04月

 日本海は、北から極東ロシア皇国

 朝鮮半島の清国軍と、イギリス・フランス・アメリカの韓国があって、

 たぶん、日本の最前線

 沿岸域は、地下街が広く深くで、全住民が地下に避難することができて、核戦争・化学細菌戦争に備え、

 要塞線が連なって、巡航ミサイル、迎撃ミサイル、空軍、陸軍、海軍が配備されている。

 核武装してるので、敵性国家は全て薙ぎ払えるのだけど、先制攻撃する気がなくて、待機状態かな。

 密入国監視網が構築されつつあるし、カラクリ部隊が配備されるのも日本海側が早い。

 大型ヘリが低空飛行しながら重武装人型カラクリ兵士が連続降下していく、

 低空であっても高速なので、飛び降りること自体考えられないのだけど、常人が持ち歩けない装備重量で、飛び降りていく、

 「地下網が広がってるのにヘリがいるの?」

 「核戦争後の展開ですよ」

 「ふ〜ん」

 

 

 駐車している大型8輪迎賓バスの窓からカラスが飛び立っていく、

 外見は、民間貸し切りバスだけど、中身は、軍情報部が使っている。

 国内での攻勢防御が国防の指針なので、目立たない民間バスの方が都合が良く、

 装甲列車と違って、行動が自由なので、予算でも、バスにシフトしてる。

 鷹型カラクリは、高々度偵察が得意だけど、

 身近な鳥だと、カラスになるし、動物だと猫になる。

 人工知能を使えば、かなり近い動きになるけど、小型過ぎて、作戦能力が低かった。

 ディスプレイに鳥が見た映像が流れている。

 「音もほとんどしないし、動きがよく似てる」

 「超小型ですから。鳥を注意深く見ている人間は、少ないですからね」

 「表情やしぐさも少ないですから人型より見破られにくいですよ」

 「超小型でもロータリーエンジンだろう。冷却は上手くいってるの?」

 「羽と毛は、冷却に都合がいいですよ」

 「じゃ 問題は、パラジウム吸蔵水素の量か」

 「水を飲ませて熱を上手く利用して、酸素と水素を分離し、水素を吸蔵できれば多少作戦能力を延命できますよ」

 「機密でなければ、実戦で使いたいものだ」

 「清国が攻めて来るなら好都合なんですがね」

 「半島に4発爆撃機200機と、揚陸艇500隻を配備してるそうじゃないか」

 「たぶん、全機撃墜。全機撃沈できますよ」

 「それならいいがね」

 

 

 

 大型無人早期警戒管制飛行船が上昇していく、

 全長300m×全幅140m×全高60mで亀型

 人工知能と、人型カラクリを載せ、人間不在なので長期の作戦が可能だった。

 「補修カラクリは搭載したのか?」

 「ええ、船外修理してくれるので、耐久力ありますよ」

 「落ちずに?」

 「反対側にも補修カラクリがあって電磁石でくっ付きますから、表と裏の両方から修理できますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 05月

 欧米諸国のマスメディア誘導は、巧みで、利益誘導を繰り返し、格差を広げてしまう。

 そして、その時の都合で、主戦派と不戦派を対立させながら、都合のいい方向に大衆を誘導する。

 右翼と左翼は、正気な良識派を削ぎ落しながら、都合のいい言論者を残し、主戦派、革命派に言論を押し倒してしまう。

 一般人にしたら、なぜ、突然、右翼が強くなったりすのか、左翼が強くなったりするのか理解できないのだけど、

 早い話し、マスメディアは、金を貰って印象操作する機関に過ぎない。

 格差が大きく、バラマキのない国は、マスメディア大衆誘導が効果的で、

 格差が広がるほど、嘘、泥棒、人殺しが横行し、

 どこかの国と、開戦するかもって、帰趨に追い込まれてしまう。

 欧米列強は、日本の高度成長を恐れ、日本の足を引っ張るために戦争させようと躍起になってる。

 貧富の格差を利用して、共産主義を蔓延させたり、利権の味方をして格差を広げようとしたり、

 日清戦争を画策し、日本のマスメディアに浸透して、主戦派を煽るのだけど、

 バラマキのある国は、マスメディアに金をチラつかせても、なかなか、言うことを効かないし、

 日清紛争に国民を迎合させようと話題を振ってもマスメディアは、1年ごとの入札制で、

 阿頼耶識が大きく、マスメディアの全体に占める視聴率は、小さく、波及効果が低かった。

 ナノでバラマキを廃止させようとしても、中央集権でなく、連邦制なので上手く調整できないでいた。

 

 

 

 

 保育園

 子供たちが人型カラクリの保母に懐きはじめている。

 「梃子摺らされたが、なにが問題だったんだ?」

 「匂いと、眼と、表情ですかね」

 「なるほど、人間臭さってやつか」

 「まさか、幼児に梃子摺らされるとは、思いませんでしたよ」

 「何にしても、完成に近付いたのなら、国外配備も可能になるだろうね」

 「ええ」

 

 

 

 

 06月

 実家の回線は、軍機に繋がる阿頼耶識を見ることができ、暗証番号を入れると、公開されてる頁が広がる。

 20式戦略爆撃機 海凰

   自重100t/運用300t/全備重400t

    全長76m×全幅68m×全高12m  翼面積800u

    ギヤードターボファンエンジン推力25000kg4基  1200km/h   航続力20000km

    対空・対艦・対地巡航ミサイル20t

 

   20式艦上戦闘機 蒼電(そうでん)

    10000kg/24000kg

      全長17m×全幅12m×全高4.8m  40u

      推力8000kg2基   2500km/h   2500km〜5000km

      25mmバルカン砲   ハードポイント8基 8000kg

 

 無人の海凰から無人の蒼電に空中給油が行われている。

 エンジンと機体を合わせた価格より、人工知能が高く、人間が搭乗しているより作戦能力と、機動性が高いらしい。

 コンゴ戦争だと、

 輸出用の簡易エンジン・劣化電装・アルミ製の蒼電は、F4ファントムを撃墜してるらしいから、

 隣国空軍と、同数を揃えて置けば十分ということになる。

 

 

 

 

 瑞樹から第7番目の宇宙ロケットが上昇していく、

 2240t級秋月型宇宙 全長26m×直径24m×7基のハニカム構造を完成させた。

 予備機材からエアロジェルと炭素甲網を重ねて外郭を重ねていくと、直径30mほどになっていく、

 

 

 

 

 瑞穂銅行

 ナノメモリー1億文炭素甲網(グラフェン)紙幣を試作したけど、軍機なので流通しない。

 というより、人工知能の予備記憶媒体で、内容を書き込んで消したりもできるので、カラクリの私兵化に繋がる。

 なぜ、銅行で試作したのかというと、貨幣価値を維持するためかな。

 まぁ 持ち運びがしやすく、価値がある商品と、秘密裏に受け渡しができる代物で、

 金と交換できなくても、金と匹敵するモノと交換を保障できて・・・・

 となると、ナノ記録メモリー型紙幣は、一つの選択になりそう。

 

 

 

 幕藩連合議会

 長崎、厚岸に続き、第三港の開港が議題になってる。

 海外地に港を保有してるので、日本籍の船なら内港に入れるのだけど、

 太平洋に面した四国から千葉までのどこか、一港を開港しないと、積み荷で長崎と厚岸の港が溢れかえる。

 長崎と厚岸か、海外地の港を増設すれば延命できなくもないけど、どう考えても、国防が減退する。

 まぁ しょうがないよね。

 

 

 

 

 07月

 人造人間の人工知能50個にVRMMOを展開させ、

 電話50回線を使ったネットワーク共有を研究している。

 なにをやってるかというと、人造人間同士の合戦で、対人選を含めたシミュレーション。

 「最大50人になるのか」

 「回線を増やせば、人数も増やせますよ」

 「常人が遊べないのが辛いな」

 「人造人間なら人工知能が日常生活を補完できますし、同一性を取りやすいですからね」

 「精神異常を起こしたりしないだろうな」

 「現実と、明らかに違う色の世界にしてますから問題ないですよ」

 「あと、人工知能は、順法が強いですからね」

 

 将官たちは、全周スクリーンにコンゴ戦争を投影し、シミュレーションで、師団を100kmほど後退させていく、

 後退戦術を上手くできないと将官になれない。

 しかし、カラクリ兵器を使った戦略展開は、戦訓がなかった。

 コンゴ戦争で人工知能搭載のカラクリを投入する動きもあったけど、存在そのものが機密なので、御流れになった。

 「大隊が人型1体に襲撃されて崩壊か・・・」

 「戦車砲を避けるって、どういうんですかね」

 「撃った瞬間にベクトル計算して、身をかわすのだから常人じゃできませんよ」

 「カラクリと常人の戦闘力に差があり過ぎて、不確定要素を補正できないんじゃないか」

 「敵地侵入が一番効率がいいのは確かだね」

 「というより、平時外国運用で十分というか」

 「まぁ 戦場で使うのが勿体無いですね」

 

 

 

 宇宙ロケットが打ち上げられ、

 2560t級秋月型宇宙 全長52m×直径30m×8基 基地

 ハニカム状の宇宙基地の後部中央に宇宙船1隻が連結された。

 宇宙衛星制御管制室

 「ようやく、宇宙基地らしくなってきたな」

 「生命維持が7割くらいを占めてますけどね」

 「設計して打ち上げているとしても、重複してる機能が多いのだろう」

 「宇宙空間ですからね」

 「いま、人型は?」

 「2.5kg40cm級3体。50kg級160cm級3体です」

 「それと人造人間2体か・・・」

 「もう、人間の出る幕じゃないですね」

 「まぁ 人間も上げたいけど、安全性を確保してからじゃないとな」

 

 

 

 バラマキの額が増えたので、なんていうか、格差が縮まって、世襲は石票固めに焦り、

 公務員は、一ランク低いところに天下りするか、天下りを諦め独立を模索する。

 大企業は、天下りに暇をやって、設備投資を繰り返し、

 社員を増やして、生産を大きくして、新規商品を発表するわけで、

 日本全体が社会資本を回収するため売り市場と、買い市場で、大騒ぎになっている。

 まぁ なんていうか、お金持ちにお金を渡すと世襲天下りの閉塞的な封建社会で、

 その気になれば、未来の日本みたく、女を性奴隷にして毎晩の如く、とっかえひっかえ出来る。

 逆に、バラマキを増やすと、御破算に願いましては・・・

 の、経済下剋上がイノベーションってやつなんだろうな。

 

 

 

 

 08月

 国外コネクション仲間と集まって酒を飲んでる。

 今回は、南アメリカコネクションの驕りなんだけど “利権投資しないか” が言外に含まれているわけで、

 おれ、千章眼と、床屋・井戸端板の外資があるし、資源を買って日本に輸出するばかりじゃ芸がないし、興味津々かな。

 スクリーンは、南アメリカ大陸の特集を映していた。

 南アメリカ大陸資源を欲する日本と、近代化を急がせたい南米諸国の思惑が一致したのか、

 コロンビア=ベネゼエラ間のサバナのリャノ (58万3000ku)

 ブラジル北東部のサバンナのカンポ・セラード (200万ku)

 熱帯性湿地のパンタナル (15万5000ku : レティシア4500ku)

 サバナのグランチャコ (64万7500ku : ピルコマヨ4500ku) は、

 日本資本が、ほぼ独占的に開発している。

 動機と、好条件と、技術と、資金力と、労力があるからで、欧米列強で参画しようとしているのは、ドイツだけらしいけど、

 採算が取れているのは、日本資本だけだった。

 「いつの間にか、発注が増えてるな」

 「欧米列強の圧力で、資源の代わりに、対価の床面積を増やしたからでしょう」

 「どのみち、不毛な地ですしね」

 「大型農業用高層建築10000棟。全床面積100億u」

 「居住権は3割だから、約3億人分か」

 「出鱈目な」

 「しかし、日本は、人口が増えてるし、将来的に助かる」

 「世界最強の工業力、世界最大の生産力と言われても、資源欲しさで扱き使われる哀れな労働者の国だな」

 「成功報酬ですし、他国を侵略して強奪するより穏健で健全だと思いますよ」

 「治安は、良いんだろうな」

 「日本人は、尊敬されてますよ」

 「居住権利用者の9割が旅行者でもね」

 「3億人を超えたら、流石に問題になりそうだけど」

 「選挙権が欲しいところですな」

 「選挙権を要求すれば、もれなく、兵役も付いてくるよ」

 「それは、悩ましいところですな」

 「それはそうと、チリも高層建築が増えてる」

 「銅山資源でしょう」

 「持つべきものは、資源だな。王様になれる」

 「チリの利権でも、協力できますよ」

 「まぁ やり過ぎても幕藩連合に睨まれそうだし、今回は、見送るよ」

 

 

 

 真実が出現すると、偽証は権威を喪失し、

 見世物的なエンターテーメントで、権力を保持していると思わせようとする。

 涙を流しながら踊る滑稽な道化とか、痴話げんかを実況する娯楽役者の様なものだけど、

 空虚さのあまり、眼が死んでいくというより、

 歴史的に死んだ人間たちで、

 後世の歴史家は、この時代を宝石のような希望を数個と、ゾンビ化した大衆としか認識しない。

 この時代の希望数個のうちの一つは、

 軍事機密で、人工知能に関わる極僅かな人々と、電映・電音・阿頼耶識で語られている内容を信じる者たちかもしれない。

 まぁ 人工知能は、日本幕藩連合が独占していたし、

 日本の電映・電音・阿頼耶識で、人工知能という単語を使うとしたらSFの分野であって、科学の分野でないことだろうか。

 もちろん、数千万人がその産業に関わっていたとしても、全員が守秘義務に署名させられ、

 全体像を知る者は少数派で、一部を知る大半の者は、人工知能に繋がっていると思っていない。

 人型カラクリと合気道の組手をしている。

 ぶっちゃけ、手刀で体を貫けるのだけど、リミッターがあって、そんなことはしない。

 リミッターの解除は、緊急回避で、何重もの承認を必要とし、眼が赤くならない限りあり得ないことになっている。

 まぁ 早い話し、達人級であっても、人外な速度と、力技はない。

 しかし、外見が145cm級の女の子型カラクリに手玉に取られるのは、萌えだけど、

 43歳だし、ちょっと、情けないわな。

 

 

 

 

 孤児院

 人工知能の生産が増えても、

 単価が国家予算で扱う桁数で、幕藩連合議会で、使用先が登録されている。

 そんなわけで、孤児院での雇用は、それなりに需要があるし、

 おれ、孤児を集めて教室を開くこともあるよ。

 ていうか、どこか、出産死してくれそうな薄幸美少女はいないものかと、思ってる。

 まぁ 最近は、国外利権が増えて、国外出産も珍しくないし、そっちのルートで日本に戻ってくる方法もある。

 もっとも、国外の方が出産・教育・口座管理が厳密で複雑らしく、

 存在してない人間がいるとするのは、逆に困難かもしれない。

 権力を使って、力付くでやれないこともないけど、

 おれが死んだあとは、どうするのっていうのもあるから、なるべく、自然にしたい。

 とはいえ、綾波宗主直系の闇閨閥が4代自立して成功したら流石に不信がられそうだけどね。

 

 

 

 

 

 

 09月

 日本では、パラジウム吸蔵水素を燃料にした軍兵器が少しずつ増えている。

 特に多用されてるのが、人型カラクリで、民間に浸透されつつある。

 第一任務は、機械ということがばれないことかな。

 寿司屋のグルメたち

 「んん・・・ 気のせいか。微妙に違うような」

 「なにがどう違うか、わからんが、何かが違う」

 「弟子は、先代と同じ味をを出せたとしても、先代を超えない限り先代の格下に見られるよ」

 「気のせいだとでも?」

 「まぁ 確かに微妙な違いが気になるね」

 「しかし、常人の数百倍の力で、繊細な力加減を出せるのが驚きだね」

 「これが成功すれば、医術も進むと聞くが?」

 「ベテラン医師数千回分のデーターは蓄積しているよ。処方は間違いないなさそうだし」

 「おれは、人工知能の真似事やカラクリの技術より、美味しく食べて貰おうという意思。患者を治す意思を取るね」

 「意思ねぇ」

 「盲腸の手術を受けるとしたら、人間の医者に頼む事にするよ」

 「しかし、試すとしたら盲腸からだろう」

 「誰がババを引くやら」

 「やっぱり、最初は、立候補してもらわないとね」

 

 

 

 兵器開発局

 人類は、強い力を持ちたいと、剣、槍、盾、弓、銃と、武器を進化させてきた。

 防御の武具は、銃や大砲の発明以降、廃れて久しかったが、

 新素材が開発されると、防弾性が高まり、将兵の命を守る上で欠かせないものとなる。

 そして、電子産業と、小型機関が組み合わされたことで、着装人型カラクリと、搭乗人型カラクリが試作されつつある。

 おれは、炭素甲網、炭素甲線の振り分けで強い発言力があるので、試作機を見物している。

 人型カラクリが手裏剣を投げると、人体を突き抜けてしまうし、石を投げると、人体を突き破って破壊する。

 これと同じことを着装型でやると、着装者の靭帯が切れてしまう。

 そんな反応速度なので、リミッターを掛けないといけない。

 「正直、強化服は、人型カラクリと人造人間に劣るし。強化人間のような面白みがない」

 「しかし、高価でなく、手術も必要なく。抵抗がないですがね」

 「戦車に劣る気がするが」

 「市街戦か、山岳戦用ですよ」

 「そういえば、街が増えていたな」

 

 

 

  2880t級秋月型宇宙 全長52m×直径30m×9基 基地

 宇宙基地は、宇宙開発の足場になるのだけど、

 日本が1基打ち上げるたびに、欧米列強が恐怖を感じるのか、

 新聞・雑誌に書かれ、電映、電音で放送され、阿頼耶識の頁に書きこまれた。

 もちろん、2800t級の宇宙ロケットを打ち上げるには、財政的な余剰力が必要で、

 それを可能としてるのは、格差是正をバラマキによって、持続的に続けている日本だけだった。

 

 

 

 

 

 

 10月

 メキシコオリンピック

 

 

 綾波の時代、黒船ショックドクトリンを利用し、石票制幕藩連合へ移行させ、藩は統廃合されてしまう。

 師弟人脈と、適正年齢試験制度と、基礎学の高度先鋭化と、運用学の妙による収益が増大し、

 士農工商の枠組みを形骸化させていた。

 経済下剋上で地位の入れ替わりが激しく、

 安政維新まで世襲を続けていた藩主は、銅行金融による貨幣増量と、

 バラマキで人口増加と、工業化による時代の変化と、海外地の進出に取り残され、

 持ち石票だけで世襲藩主を維持してる藩主は存在せず、3分の2が藩主の座を失って野に下っている。

 仮に旧藩主が復権しても10人長制とか、資本家とか、行政官僚か、新興宗教で、覇の形も変遷している。

 日本の文明史は、北イスラエル10支族 ⇒ 神武東征 ⇒ 大和朝廷 と移行し、

 日本人の文明歴史観は、根底から変質していた。

 もう一つ、日本の石票藩主は、海外地利権を望むが10人長制支配を嫌がり、

 海外地の10人長は、石票藩主制支配を嫌がる傾向があった。

 石票藩主制と、民主10人長制は、ゼロサムな利権取りができるはずもなく、

 石票藩主制を上院、民主10人長制を下院とした重複行政が検討される。

 もし、一国一制度になるようなことがあれば、藩主は大転封時代になるのだけど、

 既に多くの藩主は、日本より、海外地の石票が多いわけで、

 石票上は、既に藩外フリー、領域フリーとなっていた。

 どこかの酒場

 “今回の将軍も、一国一制度は、見送りか”

 “石票制と、10人長制の二つ地域、二つの権力基盤。重複させることはできるかもしれないがね”

 “現状、歪で不満はあるが、一国二制度にも政治学的な益もある”

 “そして、一度、統合してしまうと、元に戻せない可能性が高い。将軍が二の足踏むのは当然だろうな”

 “だけど、藩主の別荘は、海外地の方が大きいし”

 “石票制と、10人長制の重複は、歴史的な趨勢だと思うね”

 

 

 

 

 家族と、着流しで街を歩いている。

 1階から2階は、店舗、サービス業が並んでいて賑わっている。

 道路は、ガス自動車、ディーゼル自動車、電気自動車、ガソリン自動車の順で走っていて、ハイブリットも増えている。

 和服7割で、残りは、異国の影響を受けた傾奇系服装が3割だった。

 この比率は、流行の誤差があっても変わらない。

 ちなみに、おれも、和服党かな。

 ていうか、若返りの事もあるし、目立ちたくない。

 今日は、家族と本場系インド料理かな。

 

 

 

 

 ハワイ王国 核兵器実験の年間10発以下制限条約

 “空海核実験は、肺癌を増やす”

 おれが、広げさせた噂が欧米で駆け巡り、

 地下核実験のみ年間10発という制限条約を結ぶことになった。

 威力制限に続いて、実験回数制限なので、おれが知ってる未来の歴史と随分と違う、

 核保有国の日本、アメリカ、ドイツ、ソビエト、イギリス、フランスが調印し、

 イタリア、極東ロシア、オスマン帝国、インド帝国もオブザーバーとして参加していた。

 というのも核兵器を開発しても、小型化しない限り実験できないからで、

 これから開発しようという国にとって、大きな足かせになっていた。

 

 

 

 

 

 世俗が豊かになると自分の力に頼るので信仰が弱くなり、世俗が貧しくなると信仰に頼るので信仰が強くなる。

 社会資本が豊かになると自己資本に頼るので為政者が弱くなり、社会資本が貧しくなると国家財政に頼るので為政者が強くなる。

 宗教や為政者が権力を強くしたければ国民を貧しくすればいい。

 そして、強権が欲しければ戦争し、中堅層を強化し、国民を弱体化させろ、

 なんていうのが帝王学なんだけど、お金持ちや権力者に媚びたり事大主義になると、碌なことがない。

 日本の宗教は檀家制のせいか、信仰が形骸化しやすいのだけど、

 新興宗教が既存宗教を切り崩して、少しずつ力を付けてるらしい。

 政治は、幕藩連合と10人長制の石票制議決権、

 為政者は、将軍と、21藩主。天皇と1藩主。

 海外地は、1000万人長区画で地理的に分権・細分化されている。

 また、幕藩連合の支配権から離れた国外利権が増大している。

 これだけ、国力が分散していると、戦争は不可能なんだけど、

 世界最強の生産力を誇る国だし、他国が侵攻して来るまでは、待ちの体制でも問題ない気がするね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 11月

 3200t級秋月型宇宙 全長52m×直径30m×10基 基地は、欧米列強の目を宇宙に向けさせ、

 アメリカ、ソビエト、ドイツ、イギリスが追随させてるけど、

 その数倍の資金を投じて製造されている人型カラクリから目を逸らさせた。

 人型カラクリの何がいいかというと、極寒の扶桑で、昼夜問わず建設事業が可能であることかな。

 まぁ 効率のいい方法じゃないけどね

 

 

 

 外交・通商を中心に秘書・通訳型人型カラクリの生産が増えてる。

 いよいよ。国外使用が行われる。

 人工知能は、国有財産なので、レンタルか、リースで、私物化できないことになってる。

 強化型人間で人工知能を埋め込んで通訳能力を付けさせる方法もあるけど、

 人道上の問題とか、手術の危険性があるので、あまりいないかな。

 ていうか、偽の偽造が大量に作られることになるから、上手くそれに便乗できないものかね。

 

 

 

 人口が増えると、飲料用水、農業用水、工業用水が必要になるけど、

 まぁ 幕藩連合でも、藩でも、1000万人長区画でも、マクロ的に計算できるわけで

 金融、税制、財政、取引、所得など、人口移動を誘導したり、淡水プラントを作ったり、

 洋上風力発電、太陽光熱発電を建設したり、海外地に街が建設したり、

 ていうか、広告で騙すより有利な地域を作り出すだけで人が移動していくわけで、

 そちらの方が、健全かもしれない、

 

 

 

 大阪湾

  12000t級黒姫型原子力巡洋艦 愛宕

   全長220m×全幅23m×吃水5.8m

    小型ナトリウム冷却高速炉 電気推進

       50000kw(37500馬力)3基150000kw(112500馬力)  32kt  40年間

        垂直発射装置(VLS)対空・対艦・対潜ミサイル20発 ×4基

        70口径150mm砲2基   70口径25mm6束機関砲4基

        ヘリコプター1機     無人哨戒機3機

 1942年、一番艦の 黒姫 が就役し

 隔年ごと 雲仙 穂高 葉山 黒部 入笠 霧島 比叡 金剛 佐幌 榛名 鳥海 を就役させ

 13隻目の 愛宕 を建造していた。

 そして、愛宕の艦尾甲板に垂直離着陸機が着艦する。

 戦闘機なので、防空の足しになるのだけど、1機だと、哨戒ヘリの汎用性に軍配が上がる。

 「1番艦と、艦型が変わってしまったな」

 「ステルス化もあるけど、炭素甲網と炭素甲線を使ったからね」

 「吃水が上がるのを押さえようとすると、艦型が太るよ」

 「なにも12000t級巡洋艦を建造したところで・・・」

 「大は小を兼ねるし」

 「人型カラクリ200体を積み込んで、敵国の海岸に乗り上げるだけでも、敵国は窮地に陥るからね」

 「なるほど、そんな手があるか」

 「しかし、大量生産の賢者の石は、機械工学の分野だけど。人工知能製造は、術式医学の分野だからな」

 「惜しい気がする」

 「そりゃそうだ」

 「しかし、愛宕型巡洋艦からは、人工知能3基制で、2倍以上の価格だからな」

 「1基が破壊されても、2基残る生存性の方が助かる」

 「近接防空の25mm砲弾は、命中するんだろうな」

 「ええ、4000m先で撃破できるので無傷のはずです」

 「問題は、核攻撃されたときですけどね」

 「迎撃ミサイルは核ミサイルを迎撃できるでしょうし」

 「150mm砲弾が作る衝撃波は、核爆発を減退させられますよ」

 「効果は?」

 「そうですね。人型カラクリは、生存率が高いはずですよ」

 空母無用論は、アメリカだけでなく、日本でも強い。

 日本の場合、宇宙基地と、戦略爆撃機があるから、というのが表向きで、

 実態は、人工知能と、人型カラクリに予算を取られてるから、が強い。

 ぶっちゃけ、人工衛星で、空母の位置が知れるのだから、

 バリア障壁でも張れない限り、空母に生き残る術があろうはずもなく、

 潜水艦優位が圧倒的に強いし、陸空兵装も、核戦争後のヘリ展開部隊が注目されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 12月

 コンゴ戦争でF4ファントムと、MiG21バラライカが手に入った。

 んん、未来人のおれにしたら懐かしい機体だぜ、別に大した機体じゃないし、欲しくもないのだけど、

 まぁ 歴史が変わったし、念のためってやつかな。

 あと、ザンジバルが捕獲機を転売したいらしい。

 無条件で日本に引き渡すから、日本が補修して売った利益の1割を寄越せみたいな。

 新興企業系製造会社は、そういう技術が欲しいのか積極的にやろうとするかな。

 「あまり大したことはありませんな」

 「これなら、先制攻撃してきてもらうと助かります」

 「「「「あははは」」」」

 「時に霧島殿」

 「はい?」

 「欧米列強で、霧島殿の二つ名が定着したそうですぞ」

 「二つ名ですか」

 綾波は、レッドボール・ガーディアン。時司はレッド・レヴィアタン。

 霧島は、なんという二つ名かな・・・・

 「レッド・フォッグ」

 「赤い霧ですか」

 「まぁ 日本人で二つ名が付くのは、愛国者か、売国奴でしょうな」

 「掴みどころがないと、思われたのでしょうな」

 「「「「あはははは」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 おれ、 綾波 源司(あやなみ げんじ)  ⇒⇒⇒  時司史朗(ときつかさ しろう)

 露瀬 統司(66)  露瀬 千夏(64)  露瀬 陽介(61)

 時司 頼経(63)  直衛(61)  美智(59)  雪妃(57)

 

 時司史朗(ときつかさ しろう)  ⇒⇒⇒  霧島 高雄 (きりしま たかお : 43歳)

 

 霧島高雄(43)  香織(32)   翔太(14) 慶太(14)  雅(10)  伸治(8)

 

  

 

 史実    1億0133万人

 戦記    428万0358ku    7億3761万人

    日本  46万6088ku     1億9048万人

    瑞樹  92万5915ku     2億1012万人

    扶桑  171万7854ku     3702万人

    フィリピン 29万9404ku    1億5150万人

    ナミビア・インド洋諸島・イスラエル藩 86万1259ku   1億5048万人

      スペイン・ポルトガル国境 カディス 200ku

      ベネゼエラ トルトゥガ島 156ku

      コロンビア・ペルー・ブラジル国境 レティシア4500ku

      ボリビア・パラグアイ・アルゼンチン国境 ピルコマヨ4500ku

      ウルグアイ バラ・デル・シュイ 100ku

      メキシコ・グアテマラ国境スチアテ港 200ku

      チリ ファン・フェルナンデス諸島 182ku

    オスマン帝国領バルカン北部自治区100000ku

    オスマン帝国領コーカサス北部自治区156000ku

 

 

 

 

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第117話 1967年 『賢者の石と。カラクリと。宇宙基地と。』
第118話 1968年 『赤い霧』
第119話 1969年 『不戦勝の帝国』