月夜裏 野々香 小説の部屋

    

錬成系 維新戦記 『1kg級魔法使いで』

 

  

  

 第122話 1972年 『月産宇宙ロケット打ち上げ時代』

 

 ユダヤ暦5732年  皇紀2632年   大正19年

 第123代 大正天皇(43)   第20代将軍 綾波 静馬(28)

 

  

 

 国際情勢は、自由、共産、封建の三者にわかれているものの

 政治でなく、金融視点だと別の陣営が冷戦を繰り広げている。

 民主主義の権利でバラマキで行う金融民主国家と、

 資本主義の信用創造の貸し借りで行う金融独裁国家の冷戦かな。

 それはそれとして、総人口8億人を超えた日本国民の国民総生産の自力なのだけど、

 人工知能の生産とか、人型カラクリとか、目に見えないところで、シコシコやってましたけど、

 ついに本領を発揮したというか、表層面的に見せないと怪しまれるので、

 仕方なく、月産で宇宙ロケットを打ち上げました。まる。

 

 

 

 01月

 公家衆・武家衆・1000万・100万人長・有力師弟人脈・高級官僚の会食が時折行われる。

 最近は、国外収益が多いグローバル系経営者の参加も少なくない。

 ちなみにおれは、機密産業と、グローバル産業のどっちにも顔が利く、

 主に、顔合わせと意見交換で、

 世襲・天下りが多いと、バラマキをやめて、消費税でもやりたいぜ、ってなるかもしれないけど、

 1000万・100万人長・有力師弟人脈が多いとそうもいかない。

 教授がどんな詐欺師的なマクロ経済・ミクロ経済で説明しようとしても、

 経済成長が成り立たなくなるからで、論破されるからだろうか。

 そんなわけで、富裕層は、いつ新興企業や成り金に寝首をかかれるかわからず、

 常に市場の動きと、社会資本の量と、設備投資と雇用で頭を悩ませてるのか。

 時々 会場の外に電話しに行く、

 

 

 

 月着陸船4番船 谷風(127t) を搭載した宇宙ロケットを打ち上げた。

 4日後、月着陸基地 谷風(62t) は、月面南極域エイトケン盆地に着陸し、

 月着陸基地は 波風(62t) 峯風(62t) 澤風(62t) 谷風(62t) の4基となった。

 基地が多くなるほど工作力が増していく、

 掘削、レゴリスの内壁、土砂(レゴリス)の掻き出し、氷層の解凍と、滑走路建設が進んでいる。

 宇宙開発管制室

 「滑走路の建設後、横穴掘削と、レゴリスドームの建設。どっちが有利になるかね」

 「レゴリスドームも滑走路建設と同じで、掘削した土砂で建設するので、たいして変わらないと思います」

 「ですが、短期的な目的ならドームが優れてるかもしれません」

 「滑走路と掘削は、順調のようだけど、想定した計画以上ではないようだ」

 「人口増加率で逆算すると、ちょっと、辛いですね」

 そう、宇宙移民計画という切り札がないと、南アメリカの居留利権は、間借りでしかなく、

 対価を支払われたら、5年以内に出国しなければならなくなる。

 いまのところ、資源を払って、日本人を出国させようという動きはないけど、

 日本人の所得が大きくなり過ぎると、どうなるかわからなくなる。

 

 

 

 

 棒術大会が行われている。

 こういう大会に来ると、日本が武家社会から近代化した国と実感する。

 棒術ほど重心移動と棒の軌道修正が勝敗を決する武術はない。

 特に十五割棒術は、身長の1.5倍の長棒を使うことから重心移動に気を使う。

 二つの流れるような型で重心移動が行われ、遠心力で加速した棒と棒がぶつかる。

 棒の打撃と反作用も次の重心移動の作用として利用され、

 それが型になって、相手の身体に向かって打ち下ろされる。

 相手も、こちらの重心移動を予測しながら重心移動し、

 遠心力を利用しながら棒の軌道修正を行っているので、

 双方が対峙する空間は、棒と棒が何度も交差するし、棒と棒が衝突する。

 むろん、無理な重心移動と、棒の軌道修正を行うこともできる。

 しかし、重心移動の選択肢が減少し、棒の勢いが落ちる。

 そうなったら、相手の強力な打ち下ろしに耐えられなくなる。

 棒術が、重心移動と型の熟練で勝敗が決まるようになったのは、10年くらい前からだろうか。

 早い話し、相手の重心移動と同じ重心移動を体験していれば、

 相手の棒の軌道も推測できるし、対処もしやすかった。

 そのおかげで、映画のように流れるような立ち合いになって、観客が増えるのだけど、

 そういった重心移動の起点の変化と、打算がわかると、面白さが倍になるだろう。

 「霧島殿。あれは、人型カラクリですよ」

 「十五割棒術も覚えたのか」

 「計算が速いし得意ですよ」

 「人型カラクリは、ベテランより強いの?」

 「いえ、人型カラクリは、対処が速いですが。ベテランは先読みが早いですからね」

 「守勢に追い込まれると、詰将棋のように詰まされますよ」

 「少しくらい面目躍如がないとね」

 「そういった手練手札も蓄積しますから、時間の問題ですけどね」

 「・・・・・」

 

 

 

 

 02月

 28番目の宇宙ロケットが打ち上げられ、高度500kmの宇宙基地と連結し、

 8960t級秋月型(直径30m×全長104m×28基)宇宙基地となった。

 これで、4列目が完成した。

 

 

 阿頼耶識の上位100万頁に電話代の一部が再配分されることから、

 電話線50回線・電音36回線・電映48回線は、通信網を急速に広げ、

 全世界ネットワークを構築している。

 再配分が大きくなるほど、通信網が広がることから、

 値上げ分の半分は、再配分に使われている。

 ナミビアに来て、全周スクリーンで見るのは、日本の風景だったりする。

 生まれ変わりのおれが生まれたとしたら、この時のアレって、

 暗に伝えるために旅行なんで、証拠映像みたいなものかな

 授業とか行って、済ませてしまう。

 あと、人にも会わないとね。

 この時の旅行で仕込まれましたとかね。

 

 

 しかし、霧島の47歳か。

 一々計算しないと面倒だし、証拠作りのための平屋も準備しないと、だし、

 まぁ 面倒なことこの上ないけど、公共カメラが増えたんで、自分で自分の首を絞めてる観が半端ない、

 

 

 

 

 映画 戦争屋の一日

 “グローバル化で、国境を廃止するニダ”

 “金融自由化で格差を広げるニダ”

 “日本にも移民を増やして、外国資本・外国人の利権をもっと認めるニダ”

 “人権は大事ニダ。外国人をもっと日本国内に入国させるニダ。日本を元気にするニダ”

 “バラマキはよくないニダ。資本家が困るニダ。藩主の地位が脅かされて仕事にならないニダ”

 “欧米の法体系と共有化を図るニダ。国際化ニダ”

 “愛国心が大事ニダ。原子力発電所を建設するニダ。愛国心は原子力発電所ニダ”

 “軍事力をもっと増やすニダ。公共投資なんてやってはいけないニダ。軍国主義ニダ”

 “おれTUEEEEの最強兵士は最高ニダ。前線に行くニダ。戦争するとかっこいいニダ”

 “基幹産業を強くするニダ。反対する者は非国民ニダ。貧困層は時給300文でいいニダ”

 “人権は大切ニダ。特定少数民族を支援するニダ”

 “外国人をもっと登用するニダ。成長のためニダ”

 “数万の将兵に命令を下す将軍になるニダ。数百の艦隊を動かす提督になるニダ。戦争するニダ”

 “社員のクビ切りをしやすくするニダ。企業は社員より国家より大切ニダ”

 “金融は、日本銀行が独占するニダ。国民の口座にばら撒くなんて、世界的非常識ニダ”

 “日本国内に外国特別特区を作るニダ。国際的なオモテナシニダ”

 “政治、経済、軍事に詳しいのは、豚みたいな体形で女の子・男の子に嫌われるニダ”

 “想像より情報。情報より戦略。戦略より兵站。兵站より戦術。戦術より兵器ニダ。超兵器・超TUEEEEEニダ”

 “戦争なんていけないニダ。絶対反対ニダ”

 “戦争できる国にするニダ。絶対戦争する国にするニダ”

 “陰謀論は、平和ボケ右翼と、平和信者左翼とも否定するニダ。なぜなら、陰謀はないからニダ”

 “外国資本・外国人を最恵国待遇するニダ”

 “外国資本の工場に査察するなんて、もってのほかニダ。入ってはいけない。麻薬・武器なんてないニダ”

 “藩主は偉いニダ。適正年齢合格者は、エリートニダ。著名人もエリートニダ。ノブレス・オブリージュ階級ニダ”

 “左翼は、他人に一方的に最恵人待遇を強要する偽善者で、気持ち悪いニダ”

 “右翼は、将校でもないくせに、将校の気分で偉そうにして、気持ち悪いニダ”

 “内患増長? 外患誘致? 内戦? そんなことは毛ほど思ってないニダ。人権擁護・世界平和のためニダ”

 “陰謀論はやめるニダ。陰謀論は存在しないニダ。陰謀論は騒乱罪ニダ。捕まえるニダ”

 “既得権を腐らせて、新興企業を潰す? そんなこと望んでないニダ”

 “ダイナミックな対外貿易を増やすニダ。宇宙開発なんて、後回しニダ”

 

 

 

 

 03月

 ナミビアを回ってると、軍需産業が侵攻作戦がしたいのか、

 金を貰ってる手合いというか、子飼いが現れる。

 なんていうか、戦争で勝つことでなく、儲けること、開戦までが目的なのか、

 これが、未来の旧陸海軍の様な狭心的な右翼なんだよね。

 集約型経済を構築して、少数精鋭エリート部隊で敵国に向かって突撃するタイプだ。

 

 これは表面的に強い様に見えて前例主義、教条主義、精神主義、年功序列のエリートに陥りやすく、

 柔軟性、創造性、合理性、戦略性が失われやすくなった。

 そして、どれほど金をかけて教育し鍛錬した精鋭エリートが本当にエリートと限らないわけで、

 脆い個所から簡単に亀裂が生じ、破壊され、後がなかった。

 一方、欧米は、集約させることなく、地力を付けさせ、敵の攻勢を防ぎつつ鍛錬し、練度を上げ、

 敵国に向けて反撃させる方が戦訓が大きく、

 実戦経験者と戦績順に部隊を再編成しできるので強靭だし後続部隊もあった。

 

 

 ナミビアの砂漠で、多脚歩行機械の研究が進められていた。

 器用に動くのだけど、蜘蛛のように脚が長すぎる気もする。

 「面白い実験です」

 「この多脚歩行機械は、月面で使います」

 「月面で?」

 「いま、月面で滑走路を建設していますが、月は、大気がないので揚力が期待できません」

 「それで、逆噴射で減速降下しながら、多脚歩行機械で衝撃を緩和させながら着地します」

 「それは可能なのですか?」

 「人工知能と、炭素甲線と炭素甲網は、それを可能にするだけの力がありますよ」

 「じゃ 月面を蜘蛛型建設機械が這い回るわけですか」

 「月面を蜘蛛型カラクリと、蛇型カラクリが這い回る。楽しみです」

 「・・・・・」

 本物のマッドサイエンティストのセンスに付いて行ける者は、少数派かもしれん。

 

 

 

 ナミビアからイスラエル藩に向かう。

 コンゴ上空は飛ばないので、少しばかり遠回りになる。

 イスラエル藩は狭いので、若返りの誤魔化しが難しいかもしれない。

 しかし、バルカン半島北部、コーカサス北部なら誤魔化せるかもしれない。

 12時間ほどで到着し、ホテルに行くけど、イスラエル藩の風景は、宗教・人種民族・文化の多様性が大きかった。

 ほかの日本は、外国人旅行者は、和親条約で決められた “線” の移動だったのに対し、 

 イスラエル藩は、そういった既得権が、認められず “面” を解放され、外国人観光客が広範囲に広がっている。

 政治経済軍事の中心は、日本人で。聖域になる区画を地下に隠しているけど、

 地表は、ほかの日本と空気が違うというか。

 中東の空気というか。欧州・アフリカ・アジアの十字路的な風景が広がっている。

 

 

 エルサレムで、公家衆を中心にした全イスラエル会議が行われている。

 イスラエル王は、天皇なのだけど、普段、京都に居るので、皇太子が来たり、××宮とか来たり、

 内容は、世界の調和とか、そんな会議、

 でも、国境をぶっ壊すとか、文化を破壊するとか、物騒な話しにはならない。

 通信と物流が中心で、無理な移民政策も、金融開放もない。

 ちなみに白人は、ユダヤ教徒として、オブザーバー参加している。

 会議の外では、あれだ。

 似非右翼が凱旋している

 “権力と利権を味方に大イスラエルを達成するニダ”

 あと、似非左翼も、

 “労働運動と人道を味方に人権擁護と難民受け入れニダ”

 そんな感じの運動、

 本音は、イスラエルで戦争と、内戦と、革命を起こして泥沼にして、日本人を追い出し、

 タルムード系ユダヤ人でイスラエル藩を占領することかな。

 イスラエル藩を占領したら、バルカン北部と、コーカサス北部は、風前のともし火だし、

 オーストリア=ハンガリー帝国と、オスマン帝国で、革命戦争を起こせるし、

 でも、そんな風な思惑があると言いふらすと、右翼と左翼は、陰謀を完全否定する。

 陰謀に対して、国民が結束すると、

 反日は、日本を分断できなくなるし、格差も広げにくいので、困るんだろうな。

 

 

 

 

 月着陸船5番船 鈴風(127t) を搭載した宇宙ロケットを打ち上げた。

 4日後、月着陸基地 鈴風(62t) は、月面南極域エイトケン盆地に着陸し、

 月着陸基地は 波風(62t) 峯風(62t) 澤風(62t) 谷風(62t) 鈴風(62t) の5基となった。

 全周スクリーンに指向性の強いレーザー通信で得た光景が映されている。

 5つの車両が動き、無窮な砂の世界で滑走路が建設され、

 どこまで高いのかわからないほど高い斜面に横穴があけられていく、

 地上に広げられたマイクロ波受信機で、衛星軌道の衛星から供給させれるマイクロ波を受け取っていた。

 その電力で、5つの車両が動いているわけなのだけど、ゆっくり動いていた。

 そうそう、太陽光の届く場所と、太陽光の届かない場所の温度差を利用した発電もいい調子だ。

 地熱スターリング発電が月でも役に立つとは思わなかった。

 

 

 バルカン北部域は、美少女が多い。

 厳密に言うと日本の自治区であって、日本の領土ではないのこの地で生まれても日本の国籍はない、

 しかし、両親が日本人だと日本の国籍を持つ、

 逆に片親が日本人でも、子供は日本人ではなく、ハーフ扱いとなる。

 ハーフ、クォーター、ワンエイス、ワンシクスティーンスの政治的制限と職業的制限は大きく、面白みがないし、

 血液検査でばれるようなことはしたくない。

 しかし、日本人同士の子供なら自動的に日本人で、

 日本人の孤児で若い娘がいれば目的は達成できた。

 数撃ちゃ当たるなんだけど、おれも人非人なことをしてるな。

 とはいえ、綺麗な自然なんだよな。

 日系グローバル資本の溜まり場だし、

 観光客も意外に多くて、混血も多いんだよね。

 

 

 

 04月

 なんていうか、孤児院で、おにゃの子探し、

 いや、事前調査で、本人より親等を遡ることができるよ。

 次の若返りの為なんだけど、若い娘は扱いにくくて、困ったものだ。

 ちなみに世を憚る関係だしね。

 あと、史実との分岐が進み過ぎたせいもあるけど、

 最近の娘は、よくわからないというか、世代格差を感じるね。

 一般でも、維新の安政。引き継ぎの明治。分担の大正と言われている。

 理由は簡単で

 維新の科学技術は、単純で、1人でも多くの分野を把握できた。

 明治の科学技術は、高度で、1人では、一分野でさえ、把握するのが困難になった。

 大正の科学技術は、精密で、1人では、一分野でさえ、巨大組織になってしまう。

 1人で大陸を把握できた時代は終了し、

 幾つかのカテゴリーを薄く広く把握するか、コアな世界に引き篭もるか、

 科学技術だけでなく、いろんな分野でも当てはまる。

 あと、阿頼耶識の多文化が広がり過ぎて、おれでも把握できない。

 たぶん、これから、一生、見ない漫画の方が多くなるだろうな。

 

 

 

 

 29番目の宇宙ロケットが打ち上げられ、高度500kmの宇宙基地と連結し、

 9280t級秋月型(直径30m×全長130m×29基)宇宙基地となった。

 5列目の建造が開始される。

 品質と性能が向上しても、重量バランスが狂うと事故に繋がるので、個々の質量は変わらない。

 もちろん、燃料、水、物資の移動でバランスを取ることができるものの、

 全体として、最初の設計に近いユニットを連結させている。

 そして、次の宇宙基地は、数段、性能が向上した宇宙基地になりそうだ。

 

 

 日本・チリ和親条約継承を確認

 チリが左翼政権が立ったが、地主が強過ぎて、土地無し農民が多かったからだろうか。

 日本資本が高層建築を建設することもあるけど、山岳地で地震地帯なわけで、

 風力、水力、地熱が大きくても、他の地域と比べると狭く、大規模投資になり得なかった。

 チリ庶民の不満を解消できるはずもなく、貧困層の反発で、共産化してしまう。

 共産化したとしても、現地利権が守られ、貿易取引出来さえすればよく、特に支障はなかった。

 しかし、アメリカが、チリの共産化に反発しているらしく、圧力を加えてるらしい。

 電映・電音では、誰かが仕様通りというか、台本通り話してるみたいらしく、

 アメリカ国民に共産化の脅威を喧伝している。

 ちなみに親米馬鹿ウヨのドミノ理論は、日本で少数派。というか、信じられていない。

 

 

 

 

 05月

 バルカン北部でやることやって、コーカサス北部自治区に行く、

 黒海を横断して、孤児院のおなゃの子に会いに行くのだけど、感性が多様化して、いろんな娘がいるし、

 おれ、奥手なんで、結構、大変 (笑

 

 

 

 月着陸船6番船 瑞風(127t) を搭載した宇宙ロケットを打ち上げた。

 4日後、月着陸基地 瑞風(62t) は、月面南極域エイトケン盆地に着陸し、

 月着陸基地は 波風(62t) 峯風(62t) 澤風(62t) 谷風(62t)

 鈴風(62t) 瑞風(62t) の6基となった。

 電音によると、アメリカ、ドイツ、ソビエトの月軌道衛星が日本の月面開拓を監視しているらしい。

 まったく、蛇型カラクリが見られると大変だし、やりにくいといったらないねぇ

 しかし、滑走路も随分と長くなった。

 クレーターの底で地盤が固いといっても、整地とローラーが十分じゃない気がするけど、

 その分、レゴリスレンガの厚みが増す、

 ただ、真空は、空気抵抗と揚力がないので、地球より滑走路の全長が長くなりそうだ。

 空気の7倍以上の質量があるラドンでも撒けば、空気抵抗と揚力が発生するかもしれないけど、

 液化しそうだし、放射性あるし、

 着艦ケーブルを使って減速させた方が良いかもしれない。

 

 

 

 

 バルカン北部の自然も綺麗だったけど、コーカサス北部の自然も結構、気に入ってる。

 しかし、東アジアの日本人がこんな場所で何してるのやら、

 そんな気になるのだけど、日本人と結婚すると、子供がハーフなので、上手くいけば、子孫繁栄かもしれない。

 そんな気になるのか、意外にモテるらしい。

 そんなわけで、下心ありそうな日本人がウヨウヨしている。

 ウヨウヨと言っても、右翼じゃないけどな。

 おやじギャグ言っちまった。

 孤児院と言っても施設が意外にしっかりしている。

 と言っても、綾波の頃、孤児は、身内がいないから主従関係を結びやすいから孤児院の下地を作ったのだけどね。

 

 

 

 06月

 コーカサス北部自治区の高層建築は、耐震性を考えて200m〜250m級が多いようだ。

 多様な白人種族と混在しているけど、日本語の話術者が増えている。

 日本人が基幹産業を押さえてるからかもしれないけど、世界でも強い言語になりつつあるからだろうか。

 とある古城、

 「霧島殿。日本の電映を見たのですが、コンゴ戦争より、清国内紛の死傷者が多いのは、本当ですか?」

 そう言ったのは、おれから見てワンエイスの白人系の中年で、

 綾波時代にオイタして生まれた、おれの血縁の1人。

 まぁ おれの血は、8分の1だけど、日本人との血縁だと2分の1らしい。

 大多数の日本人より、おれとの関係が近い。

 相手も、おれが綾波の血を受け継いでると知ると、交流が持ちやすいみたいだ。

 いや、直接の御先祖様の1人です (笑

 「清国は、土地の収用と開発が行われる際、血が流れるそうです」

 「たしか、縦断道路を建設していたはずですよ」

 「清国は、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスが支援しているのに、なぜ、日本のように近代化できないのでしょう?」

 「支那の歴史が圧政の歴史だったこと。清国人内部の権力闘争が激しいこと」

 「もう一つ、支那人は、中華思想が強く。白人の教え方が気に入らないのかもしれない」

 「個々の能力は、一騎当千かもしれないがね」

 「清国は、眠れる獅子と伺ってますが、本当のところ、どうなんでしょう」

 「歴史的に見て。その素養は、十分ありますね」

 「あまり起きて欲しくはないですがね」

 「日本人は、支那人が起きる前に、宇宙に行くのですか?」

 「あははは、是非そうしたい」

 「アメリカが、清国に対し、支援をすると噂を聞き及んでます」

 「爆撃機?」

 「セイルフィッシュ型潜水艦2隻。グレイバック型潜水艦2隻」

 「それは、爆撃機より、警戒すべきでしょうね・・・」

 「日本は、随分と余裕があるようで?」

 「戦力は日本が優勢ですし。清国軍将兵も海を渡ってまで、死にたいと思わないでしょう」

 「清国軍将兵は、日本軍の方が強いと思ってないかもしれない」

 「それはあるかもしれませんね」

 「日本が宇宙ロケットを飛ばしてると知らない清国人もいるようですし」

 外国に血縁があるという気分を何というべきか・・・

 グローバル気分って感じかな。

 血は水より濃いけど、そんな気分の日本人は、意外にいるらしい。

 まったく、この世界の日本人も、未来の世界の日本人も甘いよな。

 でもまぁ 血縁は血縁だし、楽しいひと時ではあるね。

 

 

 

 30番目の宇宙ロケットが打ち上げられ、高度500kmの宇宙基地と連結し、

 9600t級秋月型(直径30m×全長130m×30基)宇宙基地となった。

 この大きさになると壮観かな。

 雰囲気的には、セイルのない潜水艦に太陽光熱パネルを広げている様に見える。

 船体は、網で覆われ、普通に外に出ても宇宙空間に放り出される心配はない。

 船外作業をする人型カラクリが地上でも放映されているけど、

 日本の宇宙飛行士は、アメリカ、ドイツ、ソビエトの宇宙飛行士より、一回り小柄に見えた。

 

 

 コーカサス自治区でやることやったので、飛行機で、インド帝国(490万3312ku)に立ち寄る。

 インドは、高層建築ラッシュで、資源で支払えない対価が増え、日本人の居住権が年々増加している。

 この時期、資源が日本の国力の源泉になっていると気付いてるのか、

 それが宇宙開発に繋がってると気付いたのか。

 資源を売るより、利権を対価で払おうとする国が増えて困ってる。

 実は、その通りで、資源が高騰すると、輸出が減退してしまうしね。

 まぁ 日本の人口増加率を考えると、居住権でも嫌じゃないかな。

 インドは、年々電話代が増えてるし、

 比例して、おれの外貨も増えてるし、

 資源を買って日本に輸出するか。インド利権を漁るか。使い道を考えないとね。

 しかし、国外で、人型カラクリを見ると、ばれないだろうか。大丈夫なんだろうか。

 そんな気になるのだけど、

 一緒に外を歩くと、なんていうか、SPに守られてるみたいで、安心できるね。

 

 

 

 そうそう、タイ王国(84万2967ku)と、アチェ王国(191万9440ku)も年々居住者が増えてるし、

 利権も増えてる。

 しかし、今回は、独立ゲリラが暴れてるので、危ないし、今回はいかない、

 ていうか、いつになったら内紛が収まるんだろう。

 

 

 

 

 07月

 史実通りF15イーグルが初飛行した。

 日本は、宇宙からの監視網と、阿頼耶識を使った監視電映網を併用し、

 各兵器・監視塔のレーダーをデーターリンクさせ、対空ミサイルを発達させている。

 地下の床面積は、世界最大なことから、航空戦力の脅威が相対的に低下している。

 しかし、国際的には、

 コンゴ戦争のように植民地軍航空戦力が優勢だと、独立武装勢力の展開が低迷し、

 ザンジバル空軍が優勢になると、コンゴ植民地軍の攻勢が低調になった。

 そんなわけで、いまだ、航空優勢の神話が続いているようだ。

  

 

 インド帝国から日本領ニコバルに立ち寄った。

 孤児院はあるけど、小さな島だし、ちょっと目立ちそうなんで、戦略的撤退。

 そんなわけで、一週間後、瑞樹に飛ぶ、

 瑞樹は、日本より潜在国力が高いというか。

 経済規模と人口は、日本を超えてる。

 

 

 

 月着陸船7番船 葉風(127t) を搭載した宇宙ロケットを打ち上げた。

 4日後、月着陸基地 葉風(62t) は、月面南極域エイトケン盆地に着陸し、

 月着陸基地は 波風(62t) 峯風(62t) 澤風(62t) 谷風(62t)

 鈴風(62t) 瑞風(62t) 葉風(62t) の7基となった。

 土木建設機械でもあるけど、レゴリスを加工するのが主な仕事で、

 掘削と、滑走路建設が行われていた。

 

 

 久しぶりの瑞樹。

 次の若返りも瑞樹出身だと芸がない。

 面積が広く、人も多いと、いろいろやりやすいというか、

 次男・三男文化の方が、成り済ましやすいかな。

 孤児院巡りをするけど、

 おれ、孤児院への寄付が多いので、偽善者とか言われてるけど、

 一世一代の若返りのためだし、必死。

 でも、そんな苦労は、誰もわかってくれないだろうな。

 そして、今日も、薄幸そうで出産で死んでくれそうな娘を物色中、

 

 

 

 

 08月

 31番目の宇宙ロケットが打ち上げられ、高度500kmの宇宙基地と連結し、

 9920t級秋月型(直径30m×全長130m×31基)宇宙基地となった。

 

 電映を見ていたら

 欧米の外交官がスパイ活動が確認され国外に追放されていく

 これは、あまり珍しくない。

 和親条約は、両国間の来年の入出国旅行者が前年比で10パーセントを減少させ、

 再来年の入出旅行者が前々年比で20パーセント減少させる事ができる。

 次の年の入出国旅行者数は、交渉次第で、断交も可能になる。

 居住権は、適応範囲外なのだけど、

 相手国に居住権があったとしてもうまみが減ることを意味し、日本にしたら損になる。

 まぁ でもやらないと、あいつら、またスパイをやるからね。

 

 

 

 彼女の家で、というより彼女にあげた家でくつろいでる。

 おれは、脚長おじさんで、秘密にしておいてくれ、

 そんな感じの契約愛人。

 それほど美人じゃないし、ブスでもない、

 身寄りがなく、病弱そうな条件にあっただけの娘。

 子供を生んだら、男子を生んだら待遇が良くなるというか、

 利権が大きくなる条件は、共通で、なるべく、人との交流を避けてくれそうな娘。

 甲斐甲斐しく面倒を見てくれるけど、彼女が産後死ぬとは限らないし、

 次の娘に会いに行くことにするかな。

 

 

 

 

 

 09月

 この時期は、本当に自己嫌悪に陥るわ。

 いや、若い娘と、やったもん勝ちっていう気もするけどね。

 好きというより、男子が生まれ、産後、母親が死んだという事実が欲しいためだけだからね。

 でも、イチャイチャしてると、子供を産ませて殺そうとしている細い彼女に、情が行っちまうぜ、

 おれも、まだまだだな。

 

 

 月着陸船8番船 秋風(127t) を搭載した宇宙ロケットを打ち上げた。

 4日後、月着陸基地 秋風(62t) は、月面南極域エイトケン盆地に着陸し、

 月着陸基地は 波風(62t) 峯風(62t) 澤風(62t) 谷風(62t)

 鈴風(62t) 瑞風(62t) 葉風(62t) 秋風(62t) の8基となった。

 

 

 

 気晴らしにウォ×クマンの工場を見に行く、

 将来、スマ×トホンに取って代わられるけど、いまは、こいつのおかげで、海外利権をたくさん作れる、

 ていうか、国内外に高層建築を何百棟も建てている。

 そして、天下り先になってる。

 

 

 人型カラクリが絵画を描いている。

 人工知能に創造性や芸術性があるのか?

 実は、写実に対し、一定の法則性の範囲と、乱数列を使ってるだけなんだけどね。

 それでも、試行錯誤を繰り返して調整すれば、ピカソやモネみたいな感性で描くことができた。

 「特徴を掴んでるし、上手いじゃないか。未公開作品と疑うな」

 「まだ、模写に近いですが、たまに新境地的な作品を描くときもありますよ」

 「これからは、漫画の方が儲かるかもしれないな」

 「漫画は、もう少し、複雑になるので、これからですね」

 「しかし、人間が描くより5倍から10倍は、速いですよ」

 「ほぉ それは楽しみだ」

 

 

 

 

 10月

 阿頼耶識で、コンゴ戦争の映像が流れている。

 ヘリ部隊が飛ぶとき流した曲は、ワーグナー ワル×ューレの騎行

 密林上空で、双方のヘリ部隊が空挺作戦で入り乱れるときは、壮観だねぇ

 なんか、支那人・朝鮮人部隊と、

 マダガスカルで日本式教育を受けた部隊の戦闘がたまたま映像に取れたらしい。

 本当にたまたまだったのか、疑わしいところもあるけどね。

 

 

 

 

 32番目の宇宙ロケットが打ち上げられ、高度500kmの宇宙基地と連結し、

 10240t級秋月型(直径30m×全長130m×32基)宇宙基地となった。

 電映で見てると、人型カラクリが、通信衛星の搬出で船外活動している。

 鳥籠の網の中で活動しているので、命綱は、ほとんど使わない、

 あと、金網の外で活動するときは、船外活動用の作業機を使う。

 推進機があって、マニピュレーターを持ち、パワードスーツに近いかもしれない。

 高度500kmの衛星軌道を 7600m/s でぶっ飛んでるわけだが。

 相対速度が同じで、真空のせいか。ただ、宙に浮かんでる気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 11月

 あの町この町に若い娘有り、行ったり来たりしているおれがいる。

 我ながら馬鹿やってるよな。

 そんな風に思いながらやってるし、

 まぁ 若返りなんて能力があるからで、しょうがないよね。

 

 

 

 月着陸船9番船 灘風(127t) を搭載した宇宙ロケットを打ち上げた。

 4日後、月着陸基地 灘風(62t) は、月面南極域エイトケン盆地に着陸し、

 月着陸基地は 波風(62t) 峯風(62t) 澤風(62t) 谷風(62t)

 鈴風(62t) 瑞風(62t) 葉風(62t) 秋風(62t) 灘風(62t) の9基となった。

 

 

 日本のバスも随分とデザインが良くなって、未来のバスと変わらない。

 材質がいいので、燃費は、もっと、いいかもしれない。

 賢者の石(LSI)が安く。自動操縦が進んだせいか。

 貸し切りで無人バスを動かせるので、誰にも知られることなく、移動することもできた。

 これのおかげで、客車の富裕層への貸し出しが激減したらしい。

 別に重厚長大が好きというわけじゃないけど、

 レンタルバスを選んでるのは、内装が家で移動中も過ごしやすいから

 足を延ばせるし、ベットで眠れるし、トイレもあるし、秘密厳守しやすい。

 あと、黒塗りのベンツが避けて通る。

 まぁ ベンツより上等な高級車を生産してる自動車会社も多いけどね。

 

 

 

 

 

 12月

 人口が多いと孤児院が多い。

 人口の多い瑞樹は、孤児院も多い。

 一番近い親戚の身寄りが引き取ることも多いけど、

 孤児は、養子になる事より、里子になる事より、経済的な独立を望むし、

 そのために、力を付けようとする。

 子供なりの尊厳があるわけで、独立の機会を与えられる資金力があるのなら、何とかなるってこと、

 一部、尊厳を踏み躙ってる気もするけど、独立に天秤が傾きやすい感じかな。

 

 

 

 

 33番目の宇宙ロケットが打ち上げられ、高度500kmの宇宙基地と連結し、

 10560t級秋月型(直径30m×全長130m×33基)宇宙基地となった。

 

 

 

 新型2800t級(全長130m×直径11m)昇鳳型宇宙ロケットを試作している。

 もう、デカ過ぎ、

 本当に、このロケットが空の彼方に昇って行くんだろうか。

 ちょっと疑う巨大さ、

 打ち上げは海赤道近くの海抜2200mで、

 高緯度や平地から打ち上げるより燃料が少なくて済んだ。

 成功すれば、秋月型より質量と体積の大きなモノを地球周回軌道に置くことができる。

 大きくした割に、打ち上げ重量が1割増しになっただけだけど。

 まぁ 安全に打ち上げられるのなら、いいや、

 

 

  

 

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 史実     37万7961ku     1億0759万人

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    瑞樹  92万5915ku                     2億3185万人

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    フィリピン 29万9404ku                   1億7322万人

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      スペイン・ポルトガル国境 カディス 200ku

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      コロンビア・ペルー・ブラジル国境 レティシア4500ku

      ボリビア・パラグアイ・アルゼンチン国境 ピルコマヨ4500ku

      ウルグアイ バラ・デル・シュイ 100ku

      メキシコ・グアテマラ国境スチアテ港 200ku

      チリ ファン・フェルナンデス諸島 182ku

    オスマン帝国領バルカン北部自治区100000ku

    オスマン帝国領コーカサス北部自治区156000ku

 

 

 

 

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第121話 1971年 『ユダヤ歴史世界戦略 正反滅』
第122話 1972年 『月産宇宙ロケット打ち上げ時代』
第123話 1973年 『支配層=強弱。管理層=損得。大衆=善悪。』