月夜裏 野々香 小説の部屋

    

錬成系 維新戦記 『1kg級魔法使いで』

 

  

  

 第129話 1979年 『夢の現実化か。現実の夢化か。』

 

 ユダヤ暦5739年  皇紀2639年   大正26年

 第123代 大正天皇(50)   第20代将軍 綾波 静馬(35)

 

 

 情報戦で最たるものは、創作で大衆洗脳してしまうことだろうか。

 まぁ おれもやってるけど、

 おかげで、この世界の日本は、古代イスラエルを継承した世界最古の国家で、世界史の主軸を占め、

 キリスト教からも、イスラム教からも一目置かれ、

 ユダヤ資本から金を借りても利息免除という絶好の国際的地位を手に入れてる。

 日本史の否定的な工作とか、ディスカウント日本をしやがる成り済まし外国人はいるけどね。

 あと、日本の生産力は、世界最大で、世界中から集めた資源で加工して輸出し、膨大な黒字を得てる。

 そして、その黒字の多くを人工知能と、人型カラクリと、宇宙開発に投入している。

 

 

 

 

 01月

 たまに空を見上げ、若い女の子が降ってこないかと、待ってる。

 それが未来からやってきたオタって、もんだろう。

 いや、まじめに、

 この世界は、まだ、そんなオタ魂は、育っていない、

 ていうか、日本がおバカな歴史を辿らないよう改変するのに忙しくて、オタ文化は、等閑でした。

 このままだと、史実以上にずれ込みそうな気がする。

 鬱だぜ、

 でもいいんだ。

 オタ比率が史実の10分の1でも、人口10億なら10倍だし、

 おれの生き甲斐は、命脈を保てるでしょう。

 

 

 

 未来の世界でもそうだけど、

 この世界でも、日本商品のパクリモノが国外に出回っている。

 主に清国朝鮮自治区から世界に流れてるようだけど、

 盗んで、お祭り騒ぎで起源化し、劣化させてオリジナルを潰す手法は、

 歴史・政治・経済・軍事・文化の全般で使われてます、

 もう、血統的な才能かもしれないけど、ユダヤ資本がテコ入れしてるから凶悪さが増してる。

 日本の宇宙開発の脚を引っ張ろうと必死なのかもしれない。

 

 

 

 02月

 747級のジェット旅客機と、ジェット巡航哨戒管制機が飛んでるのだけど、

 中型と小型のジェット機もそれとなく増えている。

 国内線は、人工知能が使われ、パイロット自体必要ないのだけど、一応、搭乗している。

 でもまぁ おれが乗ってるのは、カモメ機、

 基本仕様は変わってないけど、

 材質は、炭素甲線とか、炭素甲網とかで、軽量さが増してる。

 んん、いいよねぇ 自分で操縦しての遊覧飛行は最高だよ。

 でも、最近は、ヘリコプター操縦を覚える富裕層が増えている。

 まぁ 安全性が増したからかもしれない。

 次に若返ったら、ヘリコプターを覚えようかな。

 

 

 イラン革命の様子を電映で見ていた。

 阿頼耶識でも、監視カメラが公開されていたら様子を見ることができるけど、局所的なものにとどまる。

 一通り巡回する方法もあるけど、時間がないときは、信用できそうな局の回線に合わせる。

 『まさか、史実通りに起きるとは・・・・』

 『確かに国王が欧米と緊密で、欧米化に対する揺れ戻りなのかもしれないけど』

 この世界のイランは、日本利権が馬鹿でかいから、他人事ではなくなる。

 『まさか、中越戦争も史実通りじゃないよな』

 『この世界だと、チワン合衆国と、ベトナム帝国になるけど、国境紛争は特にないし』

 『チワン合衆国の仮想敵は、ベトナム帝国でなくて、清国だし・・・』

 『サッチャーが首相になったら、新自由主義が強まるんだろうか』

 

 

 

 外国人参勤交代観光ルートは、人力車が多い。

 バスやタクシーがあっても、自国にもあるわけで、

 馬車とか牛車があるけど、好まれるのが人力車なのだから、廃れていない。

 最新は、炭素甲線か、炭素甲網でフレームが作られ、

 人型カラクリが引っ張ることもあるらしい。

 交渉すれば、どこにでも行きつけてくれるので、日本人の利用者も少なくない。

 久しぶりに妻と乗ってるけど、微妙に後ろめたい気がする (笑

 「長男と次男は、そろそろ、本社に戻しても、いいんじゃないかしら」

 「そういや、随分と、下積みさせてたな」

 「結婚前に、本社に戻さないと、いろいろ、辛い目に遭うかもしれないわ」

 「給料が上がるのに、辛いもないだろう」

 「人の上に立つのは、厄介なことが多いはずよ」

 「そうかな」

 「あなたは、特に、忙しそうみたいね」

 「あははは・・・ ほら、成り上がりだから、人並み以上に頑張らないと」

 「時司家は扶桑で藩主。霧島家は瑞樹で藩主になるそうじゃないですか」

 「しっかりしないと、綾波宗家に恥をかかせてしまうことになりますよ」

 「ただの景気付けの名義貸しだよ。実質、議会という神輿の上にいるだけの立会人だ」

 「そういう意味では、綾波家も、時司家も同じだけどな」

 「そんなこと言ってると、次は1000万人長に将軍職を取られてしまいますわ」

 「一度、見てみたいものだ。1000万人長の将軍」

 「将軍が2年から6年で、交替なんて、政治が安定しないでしょ」

 「いやいや、石票で支持されている限り、誰であれ、将軍だよ」

 「そうでしたわね」

 むかしは、と言っても結婚する前の10代中旬のことだけど、

 あまり家とか、血統を気にする娘じゃなかったけど、

 最近は、神頼みが増えてるし、

 一族の家内安全、夫婦円満、商売繁盛、受験合格、金運開運・・・・

 ばかりで、神社仏閣みたいというか。随分と保身になったものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 03月

 宝ヶ池 幕藩連合議会で、幕藩拡大が採決された。

 これで、安政以来続いた21藩と、イスラエル藩を含めた22藩体制が崩れ、

 来年、海外地も含めた幕藩体制に移行する。

 現地生まれが主流になったし、

 石票が幾ら持ってても藩主が少な過ぎて、

 100・1000万人長も数の圧力に圧倒されていたし、

 政治権力機構の均一化という時代の流れに逆らえませんでした。

 それぞれの藩主候補たちは、石票が最も多い地域に移動しつつあるし、

 石票を分散していた藩主たちは、石票の交換を行ったりで、改易みたいにゴタゴタしている。

 単純に、瑞樹、扶桑、フィリピン、ナミビアは、独立できるんじゃね、って感じなんで、

 綾波家は、恨まれるかもね。

 というより、綾波家で、やるからという公約で、将軍になったようなもので、ババ引いた感じかもしれない。

 

 

 

 

 人工知能、人型カラクリ、宇宙開発は、夢の現実化で、

 電話50回線を利用した阿頼耶識ネットワークと電脳シンクロ技術は、現実の夢化で、

 もっとも顕著なのが、頭脳を載せた人造人間と、人工知能を装備した強化人間かもしれない。

 電脳シンクロ技術は、一つの革命で、

 元素から太陽系までのモデルを作り、

 強い相互作用 電磁相互作用  弱い相互作用 重力相互作用の法則をシミュレートしている。

 あと、人間動植物などの動きもシミュレートしている。

 なぜ、こんなものを、というか、

 宇宙開発で利用できるし、

 これからの国際情勢の動きとか、政治経済の動きとか、戦争も、予測しやすいかな。

 あと、これを利用した現実と変わらない異世界を作り出すことも成功している。

 人工知能とネットワークに接続した人だけが、そのファンタジーな世界の住人となりえた。

 おれも全周スクリーンで疑似体験をしてるけど、パソコンの画面だけでゲームするより、凄い。

 ちなみに、魔法使いのエルフでやってる (笑

 あかんわ、ハマりそう。

 ていうか、これがあると、権力闘争に参画してくるライバルを減らせるわ。

 あと、これを使うと、なぜ、好況・不況になる構造もわかるわけで、

 政官財のルールを変えると、不況も、戦争も、革命も、内戦も起こさず、

 安定成長させることもできた。

 ある範囲の中で、下剋上になるけどな。

 

  

 

 

 04月

 日本の発電は、地熱スターリング発電が大きく、

 一般家庭は、自家発電で余剰分を相互に融通していたし、

 産業用も、産業発電で賄っていて、余剰電力は、国外に輸出していた。

 では、なにが、一般家庭が自給自足できず、賄えないかというと “水”

 今日は、官僚仕事の会合に参加した。

 飲料水、生活用水、農業用水、工業用水の問題、

 淡水化プラントを建設して10パーセントほど余剰生産させてるけど、

 年々 水が必要になるわけで、どうしたものかなと、

 いや、淡水化プラントを建設するしかないのだけどね。

 日本沿岸の洋上風力発電は、ほとんどが、淡水化プラントになってしまうし、

 それだけじゃ足りず、

 製鉄、火力発電所、地熱スターリング発電所でも淡水プラントを併設して水を生産していて、

 公共投資の優先順位は、額の大小は別として、淡水化プラント、農業・居住用高層建築が上で、

 人工知能、人型カラクリ、宇宙開発の予算は、下段に位置している。

 「極東ロシアが、建設費の対価で、淡水供給枠を増やしたいそうだ」

 「ロシアに生命線を握られるのは面白くない」

 「濾過だけで安上がりだし。上澄み分を超えない程度ならいいんじゃないの?」

 「しかし、なにか、ある時って戦争だろう。畳み掛けてくるからな」

 「何かあるときは、扶桑から輸入するよ」

 「ロシア輸入枠は、前回と、同じ比率で増やすで、いいのでは?」

 「しかし、洋上風力発電の建設費。馬鹿にならないよ」

 「宇宙開発局がブツブツ言ってくるし」

 「水道代を値上げするの?」

 「藩主枠が海外地に広がるなら、人口流失が増える気もするけど、建設する必要あるの?」

 「とりあえず、上澄み分の範疇だよ。それに、次男三男の出戻りと、旅行客の増加も含めないと」

 「まぁ 値上げで淘汰は必要だからな」

 「嫌なら、水道代の安い扶桑か、瑞樹に行けばいいんだし」

 「若い連中は、みんな、海外地に行ってるよ」

 「次男坊と三男坊は、そうだね。うちも行ったし」

 「雇用があるなら行ってもいいと思うよ。うちは、しっかりして戻ってきたし」

 「行ったことある地域だと安心なんだけどな」

 「部屋の中にいるなら、ほとんど変わらないらしいけど」

 「そういや、どこ行っても屋根ばかりだからな」

 「空も狭くなったもんだ」

 

 

 

 霧島家は、瑞樹の西パプア軍管区(11万5364ku)の藩主になるらしい。

 正式には、西瑞藩の藩主ね。

 ちなみに西瑞軍管区は、総石高6780万石で、人口4800万ほど、

 日本の宇宙開発の中心でもある。

 おれの持ち石票は10万石しかなくて、

 議会の1パーセント以下なんで、完全な名目藩主と言える。

 悲しい現実というか、

 官僚が準備した台本を読んで、議会で決まったことに、署名するだけの傀儡ね。

 まぁ どうしても意見が合わなくなったらやめるけど、

 少なくとも、国権と民権が敵対してないし、バランスを取ってるわけで、

 まだ、未来の日本みたく、出鱈目な政策にはなっていない。

 ただ、場所柄、アチェ王国の反政府ゲリラが流れ込んでる噂があって、キナ臭い。

 ちなみに、自分の家を探してるんだけど、

 珪炭社の支社社宅に間借りするか、建設するかって感じ、

 若返り上、不味いような好都合なような・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 05月

 46t級試作戦車が疾走している。

 電気ポットほどの対戦車ミサイルで、戦車を破壊できてる時代に本当に戦車が必要なのか。

 人型カラクリが対戦車手榴弾を投げるだけで破壊できる戦車が必要なのか。

 対戦車ヘリや無人ヘリの標的になるだけじゃないか。

 右翼に、いろいろ言われながらも、戦車開発がはじまっていた。

 右翼といっても、いろいろいで、

 軍需産業の雇われ利権右翼と、

 日本を戦争させて日本人を殺し、地位を得て私腹を肥やしたい外資在日右翼と、

 日本の国土と国民を守りたいだけの国民右翼と、

 軍系趣味で右翼といえない人がいる。

 それぞれの言い分は、特徴があるのだが、

 わかる人間はわかるし、わからない人間は、わからないかもしれない。

 「人型カラクリが完成してしまうと、本当に戦車が必要なのか。疑問に感じるのだけどな」

 「こちらが戦車を持っていたら、敵は3倍以上を持って来る必要がある。敵に負担を強いる兵器だ」

 「結局、搭乗型は、人型カラクリに負けるし」

 「パワードスーツは、機械の反射速度で、人間の筋肉が壊れるから、戦車に決まったんだろう」

 「8本脚とか、6本脚は?」

 「4本脚も含めて。人が搭乗しないなら利益はあるよ」

 「大砲は、120mm砲のままでいいの?」

 「対人型カラクリに向かないけど。敵戦車を破壊するのに適当な武器だからね」

 「人型には、人型なんだろうか」

 「そりゃもう、そうなるね」

 「人型同士だと、大型が有利?」

 「んん・・・ 筋力の耐久性を落としていいなら、一概にそうとも言えないからな」

 「いまは、長期仕様だっけ」

 「ほかの国が人型カラクリを持っていないから、長く使う方がいいだろう」

 「人型カラクリの性能がいいと、ヘリの価値も相対的に下がりそうだな」

 「結局、制圧は人型だからね」

 「ヘリじゃ 地下に潜む人型を駆逐できないし、かといって、低空に降りると、やられてしまうからな」

 

 

 

 

 月面の人型カラクリの生活を見ている。

 基本というか、防諜の為、人と似た行動をしているので、

 人間が宇宙生活するとどういう動きをしたらいいか、シミュレートできた。

 「行ってみたいな。月」

 「人間が、宇宙に行っても、足手まといですよ」

 「でも、行ってみたいんだ!」

 「1G区画が小さいと、三半規管が勘違いして酔いますし」

 「大規模な1G区画は、10年先になるんじゃないんですか」

 

 

 

 

 

 

 06月

 街頭で、共産主義者が、資本家の横暴を喧伝して、巨悪に見せ、

 利権保守は、共産圏の恐怖を喧伝する。

 右翼は、左翼を巨大に見せることで、数千倍も数を水増しできるし、

 左翼は、右翼を巨大に見せることで、数千倍に数を水増しできた。

 しかし、政治家、官僚、財界、学者、著名人・・・

 いくらお金を使ってるんだろうな。

 ほとんどがエキストラで、アルバイトなのかもしれないけどね。

 ここにきて、激しさが増している。

 おかげで、共産主義の脅威を伝える媒体が増え、親派が集まってるらしい。

 日本は、世界でもっとも、格差が小さい国なのだが、

 資本家の利権保守が反発し、共産親派と、キャッチボールやってる。

 まぁ 国権派と、民権派が対立して、格差が広がってしまったら最後で、

 戦争か、革命か、の二者選択を強いられる。

 日本が、どっちに行くか、なんていうのは、未来人のおれはよく知ってるわけで、

 右翼と左翼のどっちも黙らせるのだけど、

 連中は、大衆をアダルト系、アスリート系、文系、理系に分断させて政治勢力を削ぎ落とし、

 治安維持法や特定秘密保護法案などで、権力・富裕層と、国民の関係を分断させようとする。

 あと、詐欺、テロ、犯罪を利用し、陣営を強化しようと画策するので、

 表面上、平和なんだけど、

 水面下は、創作情報思想戦とか、金融・利権・資本の攻防が繰り返されている。

 最終的な目的は、以外にシンプルで、地球人類を支配しやすいよう間引きするつもりらしい。

 おれにしたら国権は悪ではないし、民権も悪ではないのだけど、

 困ったものだ。

 そういうの、嫌なので、地球圏以外に足場を作ってしまうつもり。

 

 

 

 

 与那国島を離陸した蒼電(そうでん)2機が382km南のフィリピン最北のアミアナン島に向かう途中、

 台湾を離陸したF15イーグル2機と、急接近したらしく、大騒ぎになってる。

 公海上上空なんで、

 400〜500mほど離れて擦れ違いざまに、旋回して後ろに回り込もうとしても、

 射撃用レーダーを使ったわけじゃないけど、

 心臓に悪い。

 

 

 

 

 07月

 10・・9・・8・・7・・6・・5・・4・・3・・2・・1・・発射

 月面南極エイトケン盆地のマスドライバーが完成したので、

 地球だと1000tで、月だと600tの貨物船が打ち上げられ、地球周回軌道に向かってくる。

 月衛星軌道に打ち上げるより、地球衛星軌道に乗せた方が、スイングバイがやりやすいからね。 

 

 

 

 

 月産のインゴット類、作物、資源を満載した1000t級デルタ翼の着水船が相模湾沖に着水した。

 月引力圏からの打ち上げの段階では600tでも、

 地球引力圏では、1000t級の着水船になる。

  全長80m×全幅70m×全高38m  翼面積1500u

 もっとも 船体+積み荷 で1000tなので、巨大ではあるけど、

 未来のA380の1.4倍くらいにしか感じない、

 着水船は、降りたのち、二度と、宇宙に戻ることはなく、

 翼を剥がして、定期連絡船として、使われるらしい、

 タグボートが着水船を引っ張って、港に付けると、

 世界各国のマスメディアが撮影を開始する。

 コンテナが次々と降ろされ、物資が荷揚げされていく光景は、宇宙時代を予感させる。

 「ついに、宇宙時代幕開けって感じだな」

 「投資に見合う回収は、先の話しだろうけど」

 「宇宙エレベーターを建設できたら早いけどね」

 「人口増加を考えると、そうだけど、まだ余裕あるよ」

 「ヘリウム3と、チタン部品と、穀物は、大きい」

 「核融合炉が完成すればね」

 「まだなんだ」

 「完成すれば、こぶし大の核融合炉で、人が一生使う電力を確保できるからね」

 「電力会社は、開発した途端に倒産だよ」

 「「「「あははははは」」」」

 

 

 

 

 08月

 利権は金を生み。金は人の意思を捻じ曲げる。

 利権の思惑とか干渉を受けつつも、人の集まりが法律を決め。法律は人を縛り付ける。

 格差を望む者は、他者の利権と金を奪うことを考え、

 権力基盤や生活基盤を守るためなら、国家を脆弱にし、国民の大半を貧困層を追い込み、

 反発を挫くためならなんでもするのだけど、

 犯罪を増やすことで、国民同士を人間不信と疑心暗鬼の渦中に陥れ、

 不審死を闇から闇に葬り、自殺させることも辞さない。

 また、大国と戦争させてでも、権力基盤を守ろうとし、

 政・官・財は、学・報・暴といった手駒を利用するけど、

 未来の世界がそうであったように戦争責任は、国民のせいとか、

 金を払って世論誘導させたマスメディアのせいにもするわけだ。

 いつの時代にも、子飼いって連中は、強者に味方で、弱者のせいにして、お駄賃を貰ってる。

 王権を守るため、領民の憎しみの矛先を、一番、立場の弱いばあさんを魔女にしてって話し、

 未来の日本でもやってる。

 

 

 この世界の作品は、仕様、原作、脚本、広告、作家、代表など、分局化され、

 個人が太刀打ちできないほど巨大産業になっていく、

 大資本が一方的な配信で作品を流すことで、個人の目と耳が囚われ、

 教育とマスメディアによって洗脳された 消費、価値、優先順位 に囚われ、

 快楽以外は、見ざる聞かざる言わざるで、羊のように無害化されたり、

 大衆扇動が可能になって行くのだけど、

 日本の場合、まだ欧米のような二極化しておらず、中堅マスメディアの層が厚く、

 常識や学んだ事柄に疑問を持ち思考を続ける者たちは、受信より配信を考え始めた。

 阿頼耶識の世界に逃げ込みやすくなるのだけど、

 そういったものがないと配信で、ひたすら刷り込みされてしまう。

 あと、女子供を増長させて、馬鹿にしてしまおうという作品もあるようだ。

 黙示録でいうところのゴクとマゴクは、洗脳する者と、洗脳された者たちになるけど、

 ゴは、ゴーレムなので、

 さしずめ、ゴーレム使いと、ゴーレムということになりそうだけど、

 ゴーレムとは、洗脳された範囲でしか考えられない自意識のない人形となった人間の事でもある。

 さてと、表面的にヤバいのは、ソビエト連邦で教育されている共産主義者と、

 アメリカで教育されてる資本主義者なんだけど、

 金に雇われたただの傀儡で、中核は、少数民族か、外国人が多く、

 共産主義者を使って、国権派を叩き潰し国家を滅ぼし、

 資本主義者を使って、民権派を叩き潰して国民を滅ぼそうとしている。

 そして、金で大衆を支配するか、階級で大衆を支配する実験でもある。

 

 救いがあるとすれば、日本は、独立した個人の自作農業者と、漁業関係者が多く、

 他国のように大農主化されてたり、企業化されたり、

 生殺与奪が奪われていないのが特徴で、

 創作されている作品もある程度の序列とか、節度が残ってる節があるけど、

 それだって、外資仕様の資本投下がデカければ、そっちに転ぶ可能性もありそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 09月

 たまにおれの偽物に代役をやらせている。

 違法なこと以外は、たいていのことができるし、

 予備記憶装置があれば、誰にも知られることなく、若返りができるはず、

 あとは、自分の死体で、上手くいけば、摩り替えることもできるし、

 検死されなければばれないはず、

 まぁ なんていうか、ドキドキもんだよ (笑

 

 

 

 宝ヶ池 幕藩連合議会

 1000・100万人長議会は、5分の3以上の多数決で高級官僚を辞任させる権限を得た。

 安政維新の経緯から、藩主は、相当数の子飼いを省庁に送り込み、

 その官僚枠は1割に達していた。

 1000・100万人長は、彼らに対する武器を持っていなかったけど、

 藩主が軍管区に広がることを利用した権利でもある。

 将軍と藩主も他藩からの出向組を面白く思っていなかったことから承認してしまう。

 石票による議決を採用していた日本が、初めて、民主的な議決権を得た事で、世界各国で注目された。

 議員たち

 「第一次産業の暴力か。数による暴力か。ってことか」

 「日本と日本人にとって、プラスに働くか、マイナスに働くか、誰にもわからんがな」

 「しかし、将軍と藩主間の横暴と違って、詰め腹を切らなくてもいいんだろう」

 「100年も前から将軍と藩主のイザコザがはじまったら、詰め腹を切らされる前に身を引くけどね」

 「いや、1600年の中期頃から、そんな感じだったと聞くけどね」

 「でも、いやだよねぇ 世襲武士は “腹を切る” とか、脅迫するし」

 「あはははは、あれは、脅迫なのか」

 「だって、知行と、食い扶持が同じ時代の名残りだろう」

 「バラマキ以降は、馬鹿な借金で投資をしない限り、生きていけるようになったからな」

 「藩主が人型カラクリに任せる事もあるらしいし」

 「よくよく考えると、藩主の押し込みと違って、10人長制は、任期が決まってるから楽と言えば楽だな」

 「いまは、あれだろう。仕事を人工知能に丸投げしてる官僚が多いんだと」

 「手術は、怖いだろう」

 「まぁ うまみもあるからやってみたい気もするが、たしかに怖いな」

 「あと、人工知能は国有財産だから、死んだら返すことになってるし」

 「それも、なんか、嫌だな」

 「だけど、人工知能繋がりの人脈も強くなってるだろう」

 「んん、それがちょっと気がかりかな」

 「人工知能任せで、現実逃避できると、増えてるんじゃないのか」

 「人型カラクリが増えてるらしいし」

 「たぶん、生身の官僚も1000人に1人は、人工知能任せになるかもしれないな」

 「なんか、わかりやすい見分け方って、ないものかね」

 「そんなの、袖の下を渡したら、すぐわかるだろう」

 「「「「「あははははは」」」」」

 

 

 

 10月

 たまに軌道上から1000t級着水船が降りてくる。

 地球から打ち上げる重量より、地球から打ち上げる重量の方がはるかに大きい。

 いまのところ、宇宙からの見返りは、たいして、求めておらず、

 宇宙開発が優先されている。

 

 

 国家経済を牽引する原動力を何に求めるか。

 例えば、

 宗教が中心だと、教会寺院が消費と生産の中心となるけど、消費が小さく、生産が低下し、停滞してしまう。

 王族・貴族中だと、こちらも消費が小さく、国家国民が必要とする消費と生産が不足してしまう。

 新自由主義なら資本家が中心で牽引となるけど、貧富と地域の格差が巨大になる。

 ケインズだと、財政投資と生産が中心になるけど、官僚太りで、受け皿になる所得と消費が連動しない。

 消費に牽引を求めようとしても、永続的な雇用と、十分な所得がなければ、低迷してしまう。

 まぁ 国民が金を持っていなかったら、幾ら紙幣を印刷しても、財政投資を増やし、生産を増やしても、

 お金が権力富裕層に集まるばかりで、幾ら外国人雇用者を引き込んだとしても、

 シャッター街が増え、工場は閉鎖し、社会基盤は縮小してしまう。

 

 宝ヶ池 幕藩連合議会

 今年も、国家予算と、14歳以上の男子への金融バラマキが決まる。

 金融が国民へのバラマキになると、戦争ができなくなる。

 権力層が格差を広げるには、バラマキを廃止するか。

 バラマキの財政負担分を増やして、マネタリーベースを減らし、

 生活経費を引き揚げることになるけど、

 日本は、石票が議決権になってるせいで、衣食住の自給率が高く、

 バラマキを廃止できなければ、数十年先の話しになってしまう。

 議員たちが議場から降りてくる。

 「今年は、財政のバラマキ負担が多いようですな」

 「紙幣を減らしたいのでしょう」

 「人口増加を抑制したいのでしょうかね」

 「人口が増えるほど、1000万人長の発言権が大きくなって、藩主の発言権が縮小しますからね」

 「10人長派と、宇宙開発組は、空振りですかな」

 「そこまで酷くはならんでしょう。せいぜい、繁華街が寂しくなるくらいですよ」

 「だといいのですがね。ちょっと財布の紐を絞るだけで、困る人が出てくる店も増えまっせ」

 「自殺率が低いんなら気にせいへんでしょう」

 「しかし、来年から藩が増えますな」

 「藩と言っても、一族や特定産業だけで石票の過半数を押さえてる藩はありませんし、利益代表みたいなものですよ」

 「今後は、宇宙産業が中心になるのですかな」

 「まだ、投資が多いですがね」

 「資本回収までの歳月を考えると、投資というより投機ですよ」

 「財政でしかやれないことですし」

 「しかし、着水船が降りてきたことだし。宇宙開発は、期待できそうじゃないですか」

 「それに、月面の面積は、アフリカとオーストラリアを足したくらいですよ」

 「いやいや、地球の6分の1の重力ですから6倍の高さの高層建築を建造できるんじゃないですか」

 「そうなったら、石票も大きくなるはず」

 「当面は、地下に掘り進めるそうです」

 「たしか南極エイトケン盆地は、深さ13kmですよね」

 「1kmの地層を残しても、高さ12kmの空間になるじゃないですか」

 「天井と床で2km取られても、10kmの空間になりそうですし」

 「高さ5mのフロアで計算しても、2000階になりますよ」

 「石票換算したら、美味しいでしょうな」

 「余った土砂は、どうします?」

 「そりゃ 宇宙船の原料にしたり、宇宙開発の原料にしたり」

 「月面の上を整地するのに使えばよろしいでしょう」

 「水が足りんと違いますか」

 「そうやったら、金星の空気を月に運んで来ればよろしかろう」

 「金星は二酸化炭素やないですか」

 「かまへん、かまへん、月の表面に並べてドライアイアイスにみたいにしたら綺麗やろう」

 「どうせなら、金星から火星に二酸化炭素を運んだ方がよろしいやろう」

 「火星は、衛星を落とすんやろう。二酸化炭素を落とすんのは、その後やろう」

 「月と火星で、石票を取れたら、議会は、面白うなるんやないですか」

 「いまのうち、投資しといたほうが、石票も取れるやろうか」

 「アメリカ、ソビエト、ドイツの介入が怖いですけどな」

 「人伝手だと、月の開発権を半分寄越せ、言ってましたな」

 「月開発に王手掛けてるのは、日本なのに。そりゃ殺生やろう」

 「いま、外交で、アメリカ、ソビエト、ドイツを宥めてるのは、誰やろう」

 「ほら、紀伊藩の三男坊や」

 「うぁああ・・・ あかんわ」

 「そう捨てたもんやないやろう」

 「手柄を立てて、将軍家に返り咲きたいんかの」

 「せやな」

 「気が進まんの」

 「そやけど、真田家のもんが後押ししとったぞ」

 「もう、分家の方がデカくなったとるやろう」

 「霧島殿は、どう思われますか?」

 「石票が小さすぎで、大勢に影響しませんよ」

 「いやいや、霧島殿がこれと見込んだところなら、参考にしたいですよ」

 「そういわれても、まだ何とも」

 なんというか、この空気の探り合いみたいな感じは、日本人らしい。

 

 

 

 11月

 宇宙開発管制室

 金星の大気圏2〜3気圧域を直径2m級球体の電波発信機50個が周回している。

 温度と速度と大気組成と風速がわかる。

 「高度50kmで。温度は、零度から50度か。悪くないな」

 「硫酸を含んだ二酸化炭素が、風速350kmですがね」

 「風と一緒に飛ぶなら問題ないだろう」

 「対流にもよります。いきなり降下なんてされたら目も当てられません」

 「そういう気流を調べるための気球探査機だろう」

 「下層は地形と地熱の分布がありますし」

 「昼半球と夜半球の温度差で、ダイナミックに動いてくれてますね」

 「分厚い大気を太陽風の防波堤に空中都市を建設するのは、悪くないけど」

 「気流が激しいと、空中分解だな」

 「重石を最下層に置くとしても、空中都市の形状は、球体か、独楽になりそうですよ」

 「重くすると、高気圧に落ちるし、そうなると厚みが増して、さらに重くなるけど、大丈夫なの?」

 「この気流ですと。居心地がいい空中都市にはならないかもしれませんね」

 

 

 

 情報関係者との飲み会

 「半島系アメリカ人がエボラ菌を日本に持ち込もうとしてるっていうのは、本当なんだろうか」

 「貧富と地域の格差を広げて、日本人を自殺させようとか」

 「戦争させて日本人を殺そうとか。革命して日本人を粛清しようとしてる連中だし」

 「まぁ やりかねない民族ではあるね」

 「不味いだろう」

 「不味いかもしれんが、後ろで手を引いてるのが核保有国のアメリカだからな」

 「嫌われたもんだ」

 「インディアンをほぼ皆殺しにして北アメリカ大陸を奪った連中だし」

 「ついでにアジアを手に入れちゃるって感じじゃないの」

 「なんで攻撃的なんだろうねぇ」

 「いつも、騙してきた。奪ってきた。殺ってきた。だからな」

 「自分が逆の立場に立ったら復讐されるとか、強迫観念が強くて、やめられないんだよ。きっと」

 「まぁ 嘘を吐いて、嘘を重ねてってやつか」

 「権力や金に目が狂うと、精神病患者になるんだろうな」

 「しかし、エボラは、いかんやろう。被害が大きくなり過ぎる」

 「一応、予防注射と、特効薬も試作してる。しかし、かかりにくいはずなんだけどな」

 「なんでかかるの?」

 「だから、放射性物質をばら撒いたり、食品添加物を増やしたり、重金属を飲ませたり」

 「あと、ストレスなりそうな情報を流したりして、心身を疲労させるんやと」

 「滅茶苦茶やるな」

 「アメリカの大学じゃ 戦争になったら、どうやって、効率よく人を殺せるか研究しているらしい」

 「多量虐殺常套とか。怖い国だな」

 「日本も、金に目が眩んで、仲間割れしていい状況じゃないけどねぇ」

 

 

 

 

 

 12月

 国内の政官財関係者が20人と、アメリカで20人ほど、お亡くなりになりました。

 例の幕藩連合拡大に伴う外資在日勢力の浸透が酷かったので思わず、

 中二的な力で詐欺しました。

 騙されて財産を失っただけで、自殺とか、チキン野郎ですけど、

 その腹いせというか、報復なのか、失敗した工作員数十人が、不審死であがったらしいです。

 

 

 阿頼耶識の監視カメラを見ると、清国で暴動が発生している。

 なぜ、映ってるかというと、視聴率が電話代の配分になるからで、

 暴動が起こる地域の監視カメラは、中国有力者が押さえていることもあって、

 本物の暴動なのか。ガス抜きの暴動なのか。

 意図的に暴動を起こし、反政府の中核になりそうな人間を間引いていく、

 まぁ 虚々実々が過ぎて、何が本当なのか、よくわからない世界だけど、

 清国社会は、人間不信が行き過ぎて、いまだ、中世から抜け切れていない。

 清国の有力軍閥は、師弟を国外に送り込み、利権を得ることで、生存を図ろうとしているらしいけど、

 ユダヤ資本と気が合うのか、なよくやってるとも聞く、

 清国・経国・チワンは、欧米列強やアフリカに労働輸出やってる。

 

 

 

 

 

 

 

  

 

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 おれ、 綾波 源司(あやなみ げんじ)  ⇒⇒⇒  時司史朗(ときつかさ しろう)

 露瀬 統司(77)  露瀬 千夏(75)  露瀬 陽介(74)

 時司 頼経(74)  直衛(72)  美智(70)  雪妃(68)

 

 時司史朗(ときつかさ しろう)  ⇒⇒⇒  霧島 高雄 (きりしま たかお : 54歳)

 

 霧島高雄(54)  香織(43)   翔太(25) 慶太(25)  雅(21)  伸治(19)

 

  

 

 史実     37万7961ku    1億0253万

 戦記     428万0358ku   9億9940万人

    日本  46万6088ku                     2億1197万人

    瑞樹  92万5915ku                     2億9938万人

    扶桑  171万7854ku                      6249万人

    フィリピン 29万9404ku                   1億8472万人

    ナミビア・インド洋諸島・イスラエル藩 86万1259ku   2億4570万人

      スペイン・ポルトガル国境 カディス 200ku

      ベネゼエラ トルトゥガ島 156ku

      コロンビア・ペルー・ブラジル国境 レティシア4500ku

      ボリビア・パラグアイ・アルゼンチン国境 ピルコマヨ4500ku

      ウルグアイ バラ・デル・シュイ 100ku

      メキシコ・グアテマラ国境スチアテ港 200ku

      チリ ファン・フェルナンデス諸島 182ku

    オスマン帝国領バルカン北部自治区100000ku

    オスマン帝国領コーカサス北部自治区156000ku

 

 

 

 

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第128話 1978年 『利権御用達テンプレ経済学』
第129話 1979年 『夢の現実化か。現実の夢化か。』
第130話 1980年 『偽善と。利己と。拝金と。権威主義と。』