月夜裏 野々香 小説の部屋

    

錬成系 維新戦記 『1kg級魔法使いで』

 

  

 

 第14話 1864年 『ペンは剣先を決める』

 アメリカの南北戦争と、清国の太平天国は、史実より長引きそう。

 今のうちに日本の文明開化と富国強兵をやるよ。

 特に瑞穂(ニューギニア)と、扶桑(アラスカ)の基幹産業は、急がないと・・・

 そうそう、おれ、化学、科学の本とかも書いたよ、

 知識は、独り占めの利権作りが得なんだけど、

 日本の国力というか、総合力を引き上げようとしたら、そうも言ってられない、

 まぁ 多少、底上げしても、おれ、1kg級魔法があるし、

 未来歴史も知ってるんで、なんとか、やっていくつもり、

 で、幕藩連合議会で、おれにどのくらいの力があるかというと、

 樺太藩の藩主なので、議会で発言できる

 だけど、石高ゼロ票なので、オブザーバーに過ぎない、

 あと、国防参謀の地位で発言できるけど、それだって、トップじゃない

 議会の外で、病気を治したり、産業を起こして雇用したり、金融で利益誘導したり根回しできるけど、

 小中藩の統廃合をやろうとすると、

 すごい反発が来るので、埋め合わせるような対価が必要になったりね。

 開票の段階になると、祈りたくなるよね (笑

 いま、そんな感じ、

 

 

 

 

 1月

  ロンドンでチャリング・クロス駅開業。

 

  瑞樹(ニューギニア)島

  曽論(ソロン)市 田葉(タバ)市 蛇耶(ジャヤプラ)市 瀬美(セピック)市 摩陀(マダン)市 羅江(ラエ)市

  江南(エナラトリー)市 府羅(フライ)市  南都(ポートモレスビー)

  

   ビアク島   毘亜市

   アルー諸島 亜瑠市

   ヨススダルソ島 八州市

   ブーゲンビル島 亜羅(アラワ)市

   ニューブリテン島 熊襲(ラバウル)市 

   ガダルカナル島 堡丹(ホニアラ)市

   バヌアツ諸島 瑠賀(ルーガンビル)市

   フィジー諸島 守場(スバ)市

   サモア諸島 亜毘(アビア)市

 

 区画整理が進んで、口分田が割り当てられるので、人口が増えている。

 瑞穂も都心を押さえて、高層建築を建て

 大通りは、馬車が行き交って、近代的に見える、

 おれが瑞穂にくるのは、病人とか怪我人を助けるため、

 毒蛇に噛まれた人とかも助けてるよ

 まぁ 正義の味方というわけじゃないけど、

 綾波を恩人と思う人間が組織の中に3人〜4人いると、

 金融支配とは別の相乗効果ががあって、金で裏切りにくい味方を作れる、

 真面目な武士とか、

 弱者ほど、献身的というか、忠誠心を見せてくれる。

 

 

 あと、地下資源を探さないとね。

 鉄鉱石と、石炭と、石油さえあれば、基幹産業を興せる。

 とりあえず、金、石油、銅、ニッケルは、採掘してるよ。

 鉄鉱石と石炭は、探さないと、

 農業は、陸稲、ゴム、タバコ、砂糖、ヤシ油、コーヒー、茶、カカオ

 キャッサバ、トウモロコシ、サツマイモ、ココヤシ、サトウキビ、

 大豆、ラッカセイ、タバコ、

 牛、スイギュウ、豚、ヤギ、ヒツジ、ニワトリがいけてる、

 水田は、雨が強くて苦手みたいだ。

 

 そうそう、デザインのいい女性用下着を持ってきたら思ったより売れた。

 海外地は、3割り増し賃金にしてるけど、意外に消費性向が高まってる気がする。

 まぁ 女の子を雇って作らせてるだけは、あるのかもしれない、

 

 

 

 瑞穂は、日の本から転封されてくる世襲藩主区と、

 10人長選挙で選ばれる藩主区が存在する。

 だいたい、川を挟んで、片方が世襲藩主区。片方が民主選挙区になりやすい、

 そして、選挙が行われるとき、なぜか、民主選挙区の人口が増えるという。

 南都(ポートモレスビー)の10人長選挙を見学している、

 資本主義は、利己主義と拝金主義が進むほど、

 利権に頼って、ゼロサム主義が台頭して、不正腐敗が増大していく、

 不正腐敗の発覚を恐るほど、新興勢力の台頭を恐るようになり、

 貧富の格差が大きくなり、利権外の生活が困窮し、貧困層の再起が困難になっていく、

 民主主義は、利権が大きくなるほど、利益誘導と、議員の世襲が進む

 議員は、利権と結び付きを強めるほど、弱者の敵となり、

 不正腐敗は発覚を恐れ、攻撃的になり、国民を殺してでも、利権を増大させる、

 おれは、独裁するつもりがないので、

 10人長選挙がどう推移していくのか、興味深い

 構造上、世襲は、ともかく、連続当選はない、

 選挙場所は、10人が集まることで始まるけど、支庁で選挙をするより、

 喫茶店とか、酒場とか、娯楽場が多いらしい、

 親戚票、近隣票の根回しで、決着がつくのは、10人長とか、100人長までで、

 1000人長になると、利権も大きくなるので、そうもいかない、

 新聞とかで、どういう組み合わせて勝ち上がっていくのか、書かれ、

 公営選挙馬(議)券が売られていて、おれも買った。

 なので、交渉も数日から十数日の長丁場というか、持久戦。

 少なくとも体力がないと話しにならない、

 10人がテーブルに座って、誰が1000人長になるかすり合わせてるけど、

 議員に成りたい人5人、誰に票を入れるか迷ってる人5人で、難航している感じ、

 公約によっては、農業、漁業、林業、工業で予算の流れが変わるし、

 割損する人たちもいる、

 瑞穂社だって、ただじゃ済まないこともある、

 店員、選挙管理人、立会人、見物人が、どう決着がつくのか、気にしてる。

 農民出とか、非人出でも、公約しだいで、妥協する支援者が着くので、1年くらい粘れる、

 幕藩連合の幕臣は、利益誘導するほど関係性が低いらしく、

 民主選挙がどう、推移していくのか、興味津々で見てる感じだ。

 未来の選挙と違うのは、10人中5人を味方につければ勝ちなんだけど、

 組み合わせはくじ引きで、それを数回繰り返さないといけない、

 テーブルトークは、喋らないと負けるし、喋り過ぎても負けるという、変な交渉力がついてしまう。

 まぁ 胆力とか、交渉力とか、人となりとか、値踏みしやすいし、

 外交交渉するなら有利な才能かもしれない、

 警察、ヤクザ、営業が残りやすいかもしれない、

 あと、贈収賄は、あるのかないのか、わからないけど、

 選挙管理人や周辺の人たちも注目してるのでやりにくいかも、

 少なくとも投票は、10人しかいないので、不正選挙は難しい、

 ちなみに選挙期間に自殺とか不審死があると、

 そのグループは、差し戻しで、面子を変えてやり直しになる、

 「綾波殿」

 「ああ、大岡殿。久しぶりですな」

 幕藩連合から派遣された選挙管人の一人で幕臣だ。

 「民主主義がいいとか、とても思えませんがね」

 「まぁまぁ アメリカ民主主義に啓発された人間が現れても、瑞穂や扶桑に行かせればいいでしょう」

 「幕藩連合の打撃を軽減できる」

 「まぁ そうでしょうが・・・」

 「時に綾波殿、船の建造が増えてるのに、夏になると船が減るので、不安がってる者が多いのですが?」

 「当分、扶桑行きが増えるのは、致し方ないでしょう」

 「船の建造を増やしてるのですか」

 「増やしたいのですがね。鉄が足りない」

 「そういえば、大藩は、どこも、鉄鉱石や、石炭や、言うて、慌ててますな」

 「鉄道と造船は、藩力と藩益に繋がるからね」

 「世知辛くなったね」

 「まぁ 国民男子に100文ずつばら蒔いてるし、景気はいいでしょう」

 「よくそんな金がありますな」

 「いずれは、金融と財政の一体化で、捻り出すことになるか」

 「銅本位制を放棄しないといけなくなりますかね」

 「では予算は、ままらなくなるわけですか」

 「国民から稼げるか否かですよ」

 「侍は、100文貰っても損ですな」

 「景気は良くなるので、金回りはいいですよ」

 「怠けなければですな」

 「あはははは」

 

 

 

 2月

  第二次シュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争( - 10月30日)

  朝廷が幕府の諮問機関として参預会議設置。

 

 

 暑いよ。暑いよ。暑いよ。

 大切なことなので3回言いました。

 でも、資源開発しないと、瑞樹開発が進まないし、自立ができない、

 おれの器用貧乏能力で探検は辛いわ、

 単一チート能力な転移系が羨ましいし、

 金さえあれば楽天から民需品をいくらでも引き出せる召喚系も羨まし過ぎる、

 港湾、水力発電所、上下水道、道路・鉄道、電話電音網は、そこそこだけど、

 円形ドームな総合建築が多いのは、寒冷地と同じ、

 建物が大きくなるほど、配管とか銅線を減らせるし、

 労働集約とか、消費と市場を集約させられるからね。

 あと、城塞都市だし、建物も半要塞化してるので先住民から守りやすい、

 でもなんか、異国情緒のある都市になったな的な。

 ていうか、先住民に人食い部族が含まれてるから怖えぇ

 

 

 

 3月

 瑞穂の城塞都市を巡回している、

 いや、日本より広いから大変だぜ、

 そうそう、史実だと、安政1855〜1860。万延1860〜1861。文久1861〜1864。

 元治1864〜1865と変わるんだけど、

 この世界の日本は、安政が続いてる。多分続いてるはず、

 まぁ あまりコロコロ元号を変えられても、庶民が困るからね。

 しかし、黒船が来たり攘夷開国で争って、全然、安政じゃない、

 ていうか、日本の元号って、社会情勢と逆いくよな。

 てな感じで、城塞都市を巡りながら、必要な指示を出していくけど、

 海底電線を敷かないとダメだな。

 あと、映像でも見たいし、

 

 

 

 

 

 4月

  アメリカで貨幣鋳造法成立(In God We Trustの刻印が義務化)。

  新任のロッシュ駐日仏公使が長崎に来日。

 

 瑞樹は、水力発電、地熱発電、太陽熱発電が豊富で、都市電力を賄える、

 自家発電で、とってもリーズナブルな州なんだけど、

 暑いから高い賃金で、労力が低下するとか、土木建設が大変なわけ、

 企業人泣かせだけど、足場は着実に大きくなってるし、

 自衛できる程度の基幹産業は興せそう。

 あと足りないものを供給しないとだから、あれこれ、指図して、日の本に帰る。

 

 

 5月

  天狗党の乱。

  高杉晋作が萩藩で野山獄に投獄される。

 

 

 各国の商館長が日本国内を見聞して、日本の見解が改められたらしい、

 長崎の各国商館の状況も少しずつ変わってきている、

 そりゃ 5000t級征夷輸送機帆船と、4000t級青葉型機帆船が次々と建造されてるし、

 鉄道網、上下水道網、電話電音網が広がり、

 高層化した建物が建ち並ぶと、対日脅威論が高まるわけで、当然な気がする、

 日本の近代化がアメリカの黒船砲艦外交と、

 欧米列強の開国の要求で日本の近代化が啓発されたと考えられ、

 日の本への下手な外圧は、日本の近代化と成長に繋がり、白人諸国に不利になる結論が出てしまう。

 まぁ 触らぬ神に祟りなし的な。

 「日本人は、1を知れば10を学ぶよ」

 おれが、そういう風に欧米の商館長に思わせたのは事実だよ。

 「「「「・・・・」」」」

  

 

 

 日本縦断鉄道が建設されると、藩営鉄道やら市営支線、私営支線やらが建設されていく、

 気をつけなければならないこともある、

 例えば、藩外資本が投下されても、収益が上がると、社会資本が藩外へ抜かれていくこと、

 これでは、鉄道を我領引鉄しても儲けられるのが利権屋だけ、

 利益の数倍の藩内資本が藩外に抜かれていくため、地方が衰える。

 例えば、瑞穂銅行が支店を置いても、

 収益のお金が藩内でなく、藩外に投資されるということもある、

 これでは、藩も我領引鉄する甲斐もない、

 藩政で、資本保担契約があって、藩内収益の半分は、藩内へ還元投資するというものだ。

 都道府県よりも自立しているので、小さな藩に投資しても旨みが小さく投資が減退するため、

 小さな藩は、さらに貧しくなっていく、

 藩存続のため小中藩で統廃合交渉が進むのもこの時代からで、

 藩の統廃合で生じる藩債分配などで、半の統廃合が可能になりそうだった。

 まぁ 日本国内盤グローバル化ってやつ、

 なるべく、藩を越えても同じ法律でやってくれる方が、煩わしくないみたいな。

 

 

 

 京都

 徳川は、幕府を脅かす手合いを抹殺してきた歴史がある、

 正確には、公儀隠密××衆とか言う手合いの一部なんだけど、もちろん、別の名前で呼ばれる、

 雑草を抜くみたいな感じで、邪魔者を消していくけど、

 実は、町奉行と組織が重複しているし、藩外に派遣して朝廷工作することも珍しくない、

 死して屍拾うものなし的な仕事が多くて、

 情報屋を除くなら、一騎当千の下級武士が担当する、

 ちなみに、死して屍拾うものなし、というのは、

 敵から殺され、味方からも見限られるけど孤軍奮闘してねって意味ね。

 もちろん、幕府と諸藩の間も隠密が行き交っているわけで、

 坂本龍馬、高杉晋作、西郷隆盛、近藤勇とか、藩命で脱藩し、藩外工作してる頭目たちと思っていいよ、

 例えば坂本龍馬の船中八策は、土佐藩が薩長と徳川幕府の間で、バランサーになろうという意図があるわけで、

 土佐の藩益に沿ったものと言える、

 そして、幕藩連合に移行しても、利益誘導は行われるわけで、

 隠密は、脱藩したまま、それぞれに藩外工作を継続し、害をなす連中を密かに狩っている、

 この構造は、未来の日本と変わらない、

 警察と重複した抹殺組織があって、現体制に害をなす人間をこっそり、消している、

 おれも、頭角を表すようになって、数回、狙われたけど、

 いまは、一部の公儀隠密を使う側だ。

 最近は、暗殺から、電話電音網、新聞、書籍へ比重を移して、荒事を避ける傾向が強い、

 ていうか、おれが、荒事が嫌いなだけなんだけどね。

 “ペンは剣より強し” って言うでしょ

 でも、本当は “ペンは剣先を決める” なんだよね。

 敵同士戦ってくれたら、楽でしょ的な。

 ていうか、未来の日本が、それを散々やられて、ボロボロにされたからさ、

 

 

 

 そうそう、おれ、一応、諮問機関の役員になってるらしい、

 高額紙幣が欲しいってことでしょうか。

 高額紙幣より、高精度工作機械を作らないと困るんですけど的な (笑

 印刷紙幣の500文と100文は、流通が多いけど、

 10000文、5000文、1000文をあまり見ないのは、芸術的価値が高くて、あまり手放さい、

 それでも、土木建設が増えてるので、500文、100文の紙幣印刷が増えてる。

 印刷機械は、少しずつ精度が良くなって、貨幣の信頼性も上がってきているみたいだ。

 

 

 いま、白人たちと、宗教本の印刷を進めている。

 和親条約は、宗教布教と弾圧の禁止と、

 宗教教書の相互印刷公開と販売が義務つけられていた。

 まぁ お互い布教しないけど、

 聖書、仏書、神道書、儒教を翻訳して、一定数量を本屋と図書館に並べろってこと、

 でも識字率で逆算すると、

 欧米諸国読者を全部合わせても、日本の読者が多そうだし、日本が不利じゃね (笑

 

 

 

 6月

  南北戦争:レッド川方面作戦。

      北軍30000人  VS  南軍12000

  南北戦争:ブライス交差点の戦い。

      北軍8500  VS  南軍3200

  米国アーリントン国立墓地設立。

 

 

 扶桑(アラスカ)開発船団が出港していく、

 5000級征夷型機帆船50隻が主力で、たぶん、世界最強の艦隊でもある。

 何回も往復することになるけど、計画通り行けば、10000人の労力で、開発ができる。

 土木建設カラクリで、ハンドリフトとか作らせたので、仕事が早くなるはず、たぶん、

 ちなみに扶桑(アラスカ)は、樺太最北端より北にある、

 アラスカ州があの形になってしまったのも、

 寒流が扶桑(アラスカ)湾を逆時計回りに回ってるらしく、

 まぁ 荒海だし、寒いし、濃霧だし、冬になったら、ブリザードの嵐で、

 ちょっと、死ぬかも、みたいな気分にさせるかららしい、

 

 

 

 

 “芹沢鴨(37)の電音談話〜♪”

 “淀。電音放送。維新チャンネルです”

 “幕藩連合移行でも、武士階級の世襲が続く日の本ですが、如何お過ごしでしょうか”

 “今日は、榎本武揚(28)海軍奉行においでいただいています”

 “宜しくお願いいたします”

 “よろしくお願いいたします”

 “榎本さんは、随分若くして、海軍奉行をされてますが、何が認められたのでしょう?”

 “そうですね。婿養子に入ったこともありますが。若い頃より勉学に励んだことが良かったようです”

 “なるほど、海外にもいかれたと聞いてますが、どんな感じでしょうか”

 “そうですね。一部、日本より進んだ分野もありますが、日の本は追いつけると思いますよ”

 “海外に行かれた方は、そういう、自信を持って帰ってこられる方が多いようです”

 “ですが、日本の、ここは不安というのは、ありますか?” 

 “不安なのは、日の本の国土が少しばかり小さいこと、あと、海外植民に出遅れていることですね”

 “榎本さんは、開国したほうが良いと?”

 “いえ、日本は、すぐに開国する必要はないほど、文明開化してますし”

 “幕府が好きな時期に開国をしてもいいかもしれませんね”

 “ただ、変化を恐れず、公共投資と富国強兵は、継続するべきでしょう”

 “な、なるほど・・・”

 

 

 

 7月

  扶桑州で五稜郭完成。

 

 

 史実では太平天国の乱が終結したけど。この世界は、まだ続いてる。

 清国から横流しの武器を買って、太平天国側に流したからなんだけど、

 イギリスとフランスに清国に張り付いてもらいたいわけ、

 日の本に来て欲しくないってこと、

 そうそう、池田屋事件。明保野亭事件は、お流れになったらしい、

 だけど、変な連中が太平天国を助けようとか、

 清国を助けようとか、そんなことを言い出す、

 未来人のおれは、

 朝鮮人を助けよう、満州人を助けようと、大陸に向かった日本の歴史を思い出すし、

 チベットを助けようと、中国相手に喧嘩腰になって歴史を繰り返そうとしてる連中どもを思い出す。

 義理とか人助けで外国を挑発するとか、

 国家存亡を賭けるとか馬鹿なんじゃないの、そう思うわけ、

 

 

 

 山で爆発が轟くと爆煙がトンネルから吹き出してくる

 ダイナマイトを使ってトンネルを掘るのだけど、軍事機密だ。

 ノーベルがダイナマイトを発明するのは、67年だからかなり先行している、

 まぁ 火薬の違いが、砲弾の威力と射程距離の違いに繋がるわけで、

 67年以降、火砲の威力が右肩上がりになっていく、

 それに備えて、30口径150mm砲、30口径200mm砲とか検討している、

 あと、迫撃砲とかも有用だ。

 

 

 

 8月

  南北戦争

    荒野の戦い。

      北軍101895  VS  南軍61025

    スポットシルバニア・コートハウスの戦い。

      北軍100000  VS  南軍12000

  エルジン設立。

  第1回ジュネーヴ条約締結(赤十字国際委員会設立)。

 

 

 禁門の変は起きなかったよ。

 よかったよかった。

 庶民の深夜放送が意外に人気

 どこかの塾長が弟子の呼び込みのために話してるらしいけど、

 声がいいみたいだ。

 聴率が伸びそうなので、広告料を払って、宣伝してもらうことにした。

 ていうか、人気電音語りを敵に回ったら怖いから、

 

 

 健康保険制度を検討している。

 一定水準の医療とか、医療器具とか、医療品を維持しないといけないわけだし、

 医者に対する上げ底分とか。製薬の投資とか必要な気がする。

 実は、国民のためというより、

 一定の医療水準の医者と医療器具と薬がないと、富裕層が不安だからというのが動機だけどね

 ちなみに、おれ、スーパードクターAと思われてるので、

 おれが音頭をとっていい気がする (笑

 高度医療は、富裕層のためで、ガン治療とか、重度治療とか、

 究極的には、不死技術とか、超人化技術に至るけど、

 庶民が必要とするのは、とりあえず、労咳、風邪、怪我といったもので、

 軽度医療負担だけを基準にするなら、負担額は、かなり低くなるはず、

 高度医療に合わせると、庶民の負担が大きくなっても

 高額医療が受けられないとか、悲惨なことになるかも、

 でも、将来、アメリカ医療と、張り合う必要もあるし、どうしたものやら・・・

 

 

 

 

 9月

 列強船を長崎港に閉じ込めたので、

 四国艦隊下関砲撃事件と、第一次長州征伐はなかった。

 まだ、戦争したくないから、ホッとするよね。

 

 南北戦争は、ゲリラ戦の効果が少しずつ増えているらしい、

 同族同士の殺し合いに近いからね、

 占領したはずの町で兵隊が殺されるし、

 軍需物資が奪われたり、燃やされたりされたら困るだろう。

 

 

 頭の痛い問題が起こりつつある、

 公害病だ。

 まだ、気になるほどじゃない、

 だけど、おれ、魔法使いだから、人体が金属に侵されているとわかるし、

 まぁ 除去することもできる。

 ていうか、マッチポンプで、恩を着せてやろうかと思わないでもないけど、

 公害病は、被害人数が多いので考えもの、

 おれ、幕府だけじゃなくて、諸藩に行って公害対策で交渉し、公害対策を検討している、

 主に予算の事なんだけどね。

 だけど、上下水道、電話電音ケーブル、地下鉄、建築で、

 石炭を消費して、鉄鋼と、銅を作るのだけど、

 その過程で公害が出るとか、想像できない人たちでキョトンとしてるし、泣きたくなった。

  

 

 10月

  南北戦争:ピーターズバーグ包囲戦。

      北軍67000  VS  南軍52000

  サイクロンがカルカッタを襲う(死者7万名)。

  アメリカでネバダが36番目に州となる。

  第二次シュレースヴィヒ=ホルシュタイン戦争終結。

 

 

 幕藩体制は、幕藩連合に移行し、政治統合を行使したものの、

 封建的な士農工商の身分制度は、残っていた。

 もっとも、憲法上、平等になっているけど、

 まだ、実体を伴わっていない憲法で、

 武士階層は、やはり武士階層と結婚するため、

 身分制度が残っているように見える、

 それが順当な内容があるのなら、問題は無きにしも非ずだけど、

 ほとんどの武士階層は、体面と保身ばかりで皺寄せが下層階級へと向かう、

 酷くなると既得権を守るため大飢饉にコメを藩外に持ち出したりで、

 敢えて言おう、カスであると、

 人事上の不合理さ理不尽さが封建社会に内在し、軋轢となって社会を蝕んでいる感じ、

 そして、下級武士を憤らせ、維新思考を巡らさせ、不穏な動きを見せている。

 幕末維新回避の策は、なくはない、

 総人口4120万人で概算するなら

 特権武士階層は、総人口5パーセントで、206万。

 農工商は総人口の95パーセントで、3914万人。

 仮に特権武士層の良識賢人派が20パーセントで、

 農工商の良識賢人派が10パーセントだとすると、

 武士階層の良識賢人派は41万2000人で

 農工商の良識賢人派は391万4000人ほどになる、

 要は、武士階層の9倍に相当する391万人の良識賢人派を適材適所で自由に使いたいわけなんだけど、

 封建的な士農工商の身分制度が邪魔をする、

 まぁ どこの世界にも身分格差は、あるのだけど、

 人事上の澱みが強く大きいと、文明開化と富国強兵で不利だ。

 

 

 

 

 

 11月

  アメリカ大統領選挙でエイブラハム・リンカーンが再選。

  インディアン戦争:サンドクリークの虐殺。

 

 

 幕府の直轄地ニイハウ島(180ku)

 久しぶりに来ると、小さな港湾が建設されてる、

 城塞都市が作られ、沼がいくつも作られ、緑化が進んでいる、

 火山性の島は、地熱スターリング発電が使いやすくていいよね。

 5階建ての建築物が建ち並んで、繁華街が作られてるし、

 室内に穀物を育てている作物プラントもある。

 建設事業は継続していて、人口も増えている。

 実のところ、ハワイ王国より近代化してるよ。

 なんとなく、ニイハウ島だけは、自立出来そう。

 たまにカメハメハ5世が非公式で来て休息をとるらしい、

 ていうか、日布親和条約は、ニイハウ島と、オアフ島が通商港だしね。

 学校を作ると、ハワイ人が留学して、日本語を話せるハワイ人が増えてるようだ。

 アメリカ人の浸透状況を見て、ハワイ王朝日系親衛隊とか編成してやろうかなって、

 

 

 

 12月

  南北戦争

   ピーチツリークリークの戦い。

      北軍1710 VS 南軍4796

   アトランタの戦い。

      北軍3641 VS 南軍8499

   第二次カーンズタウンの戦い。

      北軍14000 VS 16200

   クレーターの戦い。

  教皇ピウス9世が誤謬表を公布。

 

 ポナペ

 1840年ころから天然痘が広がり、10000人を超えていた人口は、急速に減少し、

 1850年には、人口2000人まで減少していた。

 減少した理由は、白人がよく使う手で、

 天然痘やらインフルエンザやら麻疹やらの細菌兵器のせいで、故意に流行させた。

 ここまでやると、白い悪魔という称号を与えたくなるね。

 そして、1954年以降、予定外に日本人の移民が増え、

 さらに城塞都市を建設して、スペイン人に植民地化を諦めさせていた。

 実のところ、スペインは近代化で失速していて、

 代表的な大型艦は、建造したばかりの7189t級装甲機帆船ヌマンシアで、

 それを覗くと前代的な帆走船が主力だったのに比べ、

 幕藩連合海軍は、5000t級大型機帆船50隻以上建造し、

 ほとんどの既存船が機帆船に改装されていた。

 既に日本人とポナペ人の人口は逆転して、

 幕府直轄領になるのは、歳月の問題だった。

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  おれ   妻 千代 (23)   総司(7)  慶司(5)  佐奈(3)  晃司(♂)

 

 

 

 一軒家 100両 (1000万〜2000万円)

 間口9尺奥行3間長屋家賃 500文

 1日  居職350文  出職410文

 かけ蕎麦 10文   風呂代  8文

 米一升〜二升 100文   味噌醤油 50文

 酒1合 20文〜24文

 1文 30円〜40円    1両   12〜16万円(4000文)

 一分銀 3〜4万円(1000文)    二分金 6〜8万円(2000文)

 1朱   約1万円

 

 史実3325万人

 戦記4120万人

 

 

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第13話 1863年 『アラスカを買ったお (笑』
第14話 1864年 『ペンは剣先を決める』
第15話 1865年 『なんちゃって偽装脱藩の・・・』