月夜裏 野々香 小説の部屋

    

錬成系 維新戦記 『1kg級魔法使いで』

 

  

 第23話 1873年 『グローバル詐欺と、グローバル馬鹿』

 

 江戸時代は、武士階級の世襲しか選択肢がなく、民主的でない、

 家臣団が牽制しあい、合議的に人材を取り立ててるので、世襲権力が矮小化しやすく、劣化しやすい、

 小さな藩は、独り善がりな政策を押し切りやすいけど、藩が大きくなると、そうもいかず、

 統廃合で混乱してるので軍閥化できる藩は、少ない、

 特に陸奥藩は、関東藩に次ぐ石票を持つのに統一意見が出しにくい、

 統廃合した21ヶ藩は、幕藩連合がさらに進み、

 指揮系統を京都に置く国軍と、指揮系統を藩に置く警察に分離してしまう、

 都市中心は、昭和っぽく、

 外側に向かって、大正風、明治風って感じになってる。

 これは、人口を郊外に移動させ、

 都市中心に向かって、近代化させようとしたからかな。

 政治制度が連邦制に近いのも、

 バラマキをしてるのも、地方に人口を分散させるため、

 領民に力をつけさせ、領主にNOを言わせやすいためでもある。

 そんな感じの幕藩連合議会で、石高の増加が新たに承認された。

 漁獲分と、未承認石高を含めるなら、倍の石票分が潜在的に存在している。

 

 東北以北の諸藩は、石高増しが承認されにくい状態が続いている。

 西日本諸藩が東北以北は、天候不良で、生産が安定してないとか、難癖つけてるからであるけど、

 至極もっともな理由でもある。

 とはいえ、議会の石票次第で、徳川家が将軍の地位を追われかねないので、舵取りが大変そうだ。

 徳川家に恨みがあって嫌いな藩は、多いのだけど、

 では、どの藩主が将軍になるのかというと、折り合いがつかず、

 徳川家茂の続投が、決まってる、

 今のところ、

 将軍の座に野心を持ってるのは、薩摩藩主の島津忠義と、関芸藩主の毛利元徳で、

 議会で辛うじて信任されそうなのは、加賀藩主の前田慶寧か、陸奥藩主の伊達宗敦か。

 あと、樺太藩のおれ、綾波源司かな、

 でも樺太藩じゃ、石票が足りなさ過ぎで、議会を維持できない、

  扶桑2万石

  樺太藩20万石  千島藩5万石  北海藩30万石

  出羽藩182万石   陸奥藩361万石

  加賀藩208万石   信越藩239万石

  京府藩211万石   尾張藩218万石   富士藩125万石   関東藩523万石

  南紀藩180万石

  関芸藩163万石   上瀬藩230万石   播磨藩232万石

  伊予藩194万石

  肥前藩70万石   筑紫藩129万石   豊原藩89万石

  肥後藩90万石

  薩摩藩150万石

  瑞樹150万石

 南方は、反徳川が強いけど、まとまりきれない、

 北方は、石票の不満が大きく、議会工作と、分離運動が起きそうな予感もする。

 まぁ 南北問題ってやつ、

 イタリアと南北逆位相だけど、

 おれが商業と工業部門で投資してるので、賃金収入が大きく、なんとか、収まってる感じ、

 

 

 

 1月

  改暦 太陽暦導入 安政19年旧12月3日を1873年1月1日とする

  公園設置令布告

  華族・士族・平民間の養子縁組を許可

 

 よし、改暦。改暦。

 幕藩連合にも民衆にも不満があったみたいだけど、

 扶桑、瑞穂、ナミビアと、海外進出が大きいので

 月日を合わせたほうが都合がいいと押し切りました。

 でも、本当は、ぶっちゃけ、おれが、わかりやすいから (笑

 

 

 

 製鉄所の減価償却は約40年ほど、

 21藩は、藩内に製鉄所を欲し、

 年に2基建設し、年に2基を解体すれば、42基の製鉄所が国内に存在することになる。

 日本国内で公共投資をし、海外地を開発をするとしても、

 数社の大規模製鉄所と、多数の中規模製鉄所の組み合わせになりそうだ。

 コストパフォーマンスという言葉がある。

 支払うお金より、価値の高いモノが得られるとき、コストパフォーマンスが高く、

 支払うお金より、価値の低いモノしか得られないとき、コストパフォーマンスが低い、

 インフレーションは、紙幣が増えて紙幣価値が低下し、物価が上がる前に先行買いする方が得で、

 借金しても小さな労力で返済できるので楽、

 デフレーションは、紙幣が減って紙幣価値が大きくなり、物価が下がるため買い控える方が得だった。

 借金すると、紙幣がないので働けど働けどで破産しやすくなる。

 インフレと、デフレでは、コストパフォーマンスの考え方が逆になることから、

 インフレは、物価が上がる前に買おうと、バブル経済になりやすく、

 デフレは、物価が下がるために買い控えるためモノが売れず不況になりやすかった。

 日本は、バラマキ金融効果なのか、

 バランスシート上、利息分を含めても黒字になることから、

 先行投資しやすい経済循環構造だった。

 

 

 

 造兵局

 30口径150mm連装砲の実射試験をしている。

 大砲は、装甲と並び、最高の冶金技術が集められる。

 規格と品質で上位5社の製鉄が使われる。

 この時代だと、長射程と、高い命中率と、貫通力で最強の大砲だった。

 建造中の10000t級金剛輸送機帆船に搭載するつもり、

  全長170m×全幅16m×吃水8m

  ディーゼル機関5000馬力  16kt  10000海里

  30口径150mm連装砲8基

 25mm装甲を二重にした船体は、強靭で、

 この時代の大砲ならなんとか耐えられるし、

 武装は、少なめだけど、射程外から敵艦に砲弾を撃ち込めるのなら、

 航路を守れそうだった。

 この時代は、半武装船が主流で輸送艦とか仮装巡洋艦に近く、本格的な軍艦は、少数派、

 商船と軍艦をわけたほうが機能的というか、合理的なんだけど、

 無線技術がようやく、一般化したばかりなので、もうちょっと、先かな、

 

 

 

 

 

 2月

  東京市養育院落成(護国院内)

  スペイン第一共和制成立(アマデオ1世退位)

  アメリカで金銀複本位制廃止

 

 商法が確立して、バラ撒きが定着すると、民間経済が力をつける。

 まぁ 実力と能力のある者が人脈を広げて資金を作り、

 投資と、利益回収を増やし、成功し、

 収益を担保に銅行で金を借りて、さらに業績を伸ばしていく、

 最近、力を増やしているのが、ルート配送で、

 郵便局が民間に資格を与え、下請け配送させてたのだけど、

 藩営や私営の配送業者が生まれ、

 郵便局を仲介せず、独自に配送するようになっていた。

 単純な話し、能力があって、顧客に信用されるなら

 郵便局を介さずとも、誰でもできる業種かな。

 あと、ぶっちゃけ、武士上がりの郵便職員にムカついてたので、

 そうなりそうな予感がしてました (笑

  

 

 3月

  E・レミントン・アンド・サンズ社がタイプライターを製造開始

  プエルト・リコで奴隷制廃止

 

 最近は、扶桑開発船団という感じでなく、まばらに出入りすることが増えている、

 西布哇諸島が中継基地になったせいで、個別の船足や事情に合わせ始ま帝る、

 扶桑の基盤も確立しているからかもしれない、

 今年の越冬組は10250人程になる。

 そろそろ、第3城塞都市の建設をしていい頃かもしれない、

 投資の割に回収が長期化するので、評判は悪いけど、対米拠点は大切だし、

 採算度外視でもやるべきだろう。

 

 

 筑紫藩129万石

 博多湾の浜辺は、高さ15mほどの防波堤で守られていた。

 対清朝警備隊がポツリ、ポツリと、海岸線を行き来している。

 砂浜で海水浴がしにくい、遊びにくいと評判こそ悪いが、

 それでも敵に潜入された時の被害は、少なくないし、

 狂犬に噛まれたような哀れさも見たくない。

 また、権力中枢に入り込まれた悲劇は、未来で経験している。

 おれにしたら、大型軍艦より頼りになる防波堤だし、

 清朝軍が攻めてくるのなら、攻めてくればいいいくらいの気分になってる。

 不意に現れた男3人が拳銃を抜いた。

 引き金を引くが3丁とも、不発。

 すぐに護衛の者たちに取り押さえられたが、1人が舌を噛んで自害。

 2人は、朝鮮系の男と判明し、

 命令の出処を割らせると、長崎の白人だったので、犯人と証拠を商館長に突きつけ、

 制裁を科し、帰国させた。

 祖国に結核を蔓延させてくれるはず。

 

 

 

 

 4月

  郵便料金が全国均一となる(書状は市内1文・市外2文)

  

 清国が北京、山西、西安、南京、福建、広東、重慶、四川の軍閥紛争で荒れてる、

 建国時、有名を馳せた八旗軍は、特権を貪るうちに脆弱化し、

 太平天国に梃子摺り、英仏軍によって一掃され、

 太平天国が66年に終わって間がないのに地方軍閥の抗争が起きてると報告を受けてる。

 上海では、白人が中国人を奴隷のように扱っていて、

 このままだと、インドのようになると、警告された。

 おれ、それもいいんじゃない、みたいな気分になってる。

 ただ、日本の公共事業を続けるのに、

 鉄鉱石と石炭と希少資源だけは、安定供給したいのだけど、思うようにいかない、

 そうそう、少数部族への武器弾薬の供給は、成功している。

 彼らがどうするかは、わからないけどね (笑

 

 

 

 

 5月

  ウィーン万国博覧会開幕 ( - 10月31日) 日本が初めて公式参加

  銀座煉瓦街一部竣工

  スウェーデン王オスカル2世戴冠式

  日本橋改架竣工

 

 

 10省庁の国土開発省に耐震・対津波研究局があって、耐震研究をしている。

 まぁ 床が揺れるようになっていて、その上に家を建てるんだけど、

 研究成果は、藩営、民間土建屋が自由に得られることなっていた。

 この手のやつは、国家予算でやって、データーを民間に流したほうが、負担が少ないからね。

 この時代からやっとけば、築100年以上の建物は、少数派になるだろうし、

 未来のおれが生まれる頃は、耐震構造の家ばかりになってたらいいなって感じ、

 ていうか、未来を変えちゃうので、おれって、生まれるのかね。

 あと、地震計と、電話電音網を使って、震源地を探る研究もしてる。

 地震が起きたとき、電車が走ってたら危ないからね。

 

 

 

 6月

 ガラス会社

 強化ガラスとか、ガラス繊維を製造でき、

 ガラス製品は、そこそこ、向上してるのに、ヴェネチアガラスやボヘミアンガラスに負けてる、

 でも、結構、作ってるところを見せろ、と外国人が現れる。

 おれがたまに魔法で金糸、銀糸、白金糸を落とし込んで高く売るので、どうしても知りたいらしい、

 ちなみにチェコにゴールド・サンドウィッチ・ガラスがあるのだけど、

 その技術が失われてしまったらしい、

 現物を見せてもらったけど、ガラス板の間に金箔を挟み込んで作ったものらしい、すげぇ〜

 魔法ですか (笑

 

 

 扶桑(アラスカ)半島の端に茂沿(モーゾボイ)湾というのがあって城塞都市を建設している。

 日本から比較的近く、

 鉄道を敷いて5000kmも伸ばすことができれば、扶桑の牙城は、磐石になりそうだった。

 もっとも地上だと、稼働率が安定せず、

 地下鉄だと、1kmの建設費が300億文で、

 泣きたくなるような予算を注ぎ込まなければならない、

 バラマキを1ヶ月500文にしたのも建設費を引き出すためで

 12ヶ月なら6000文。

 14歳以上の男子を2000万人と計算するなら、年間1200億文で、年間4kmほど建設できた。

 紙幣の回収を考えるなら、トンネルか都市内の建設だろうけど、

 海外地は、防衛込みで戦略的にやっていたほうが良さそうだ。

 史実の明治予算が6000万円弱で、文と円の物価はそれほど変わらない、

 いずれは支払わなければならないお金ではあるが、

 大抵は、老後の引き出し分でストックしてるので、

 多少ばら蒔いても、インフレ分と合わせて、回収可能な資本と思えた。

 まぁ 財政投資でやりたい気もするけど、

 侍階級に私腹を肥やされそうだし、系列で金が流れそうなので面白くない、

 もっと、工業力が大きくなったら、バラマキを増やさないと、

 それには、農業用建築を増やして、余剰人員を増やさないといけないっていう・・・

 あと白都(アンカレッジ)も開発するつもり、

 

 

 

 7月

  プリンス・エドワード島がカナダに編入

  両国の花火が復活

  地租改正法公布

 

 なんか、欧米ゼロサム型銀行をやりたがる勢力が増えてる、

 あれやると、政官財で癒着してウマい汁が吸える利権団体は天国だけど。

 利権から溢れたり、最下層は、奴隷にされる。乞食が増え、失業、犯罪、自殺が増える。

 おれは魔法があるんで、そういうのは回避できそうだけど、

 内輪の序列とか、格差のために起こるかもしれない戦争に負けたくない。

 あと、利息が自動的に累積してくので、土地や家を取り上げるか。計画倒産するか。

 利息分の紙幣を大量印刷しないと、

 破産者、自殺者、泥棒、強盗が増えるので気が進まないと反対すると。

 白い悪魔に唆されたみたいに頑強に抵抗しやがる。

 もう、電音、新聞、書籍で、ユダヤ金融システムの危険性を暴露して、追い詰めてやった。

 

 

 

 意外にも柔術場と、剣道場が隆盛だ。

 理由は、農工商階級が武士階級と、交渉しようとするとき、

 “剣術は××流なんですよ”

 だけで、事足りる。

 俺を含め、ほとんどの武士階級が嗜みと、コミュニティのための剣術に切り替えつつあるようだ。

 剣術大会の上位層は、なんとか、武士階級が押さえているけど、

 中堅以下は、士農工商が混在で、武士で劣勢だった。

 さりとて、武士出が、農工商出の剣術に負けるわけにもいかず、

 農工商出の挑戦を避けるため、穏健な姿勢に切り替えるわけで、

 免許皆伝で自信のある武士でもなければ、高飛車な態度を取らなくなっていた。

 今時、剣術とか、どうでもいいのだけど、

 議会の全てと、行政府の3分の1を押さえてる武士階級だし、

 この時代特有の過渡期な風潮かもしれない。

 あ、剣術免許皆伝は、車の免許と大卒を合わせた感覚に近いかも、

 

 

 

 

 8月

  ロンドンでアルバート橋 開橋

 

 銅とニッケルの生産が増えたので、硬貨が増えるし、

 硬貨が増えると瑞穂紙幣と交換するので、高額紙幣が増える。

 自動的にインフレ傾向になるけど、

 公共投資、扶桑開発、瑞樹開発、ナミビア開発が吸収してるので沈静化している、

 でも、扶桑と、ナミビアの開発は、年月がかかりそうだな。

 

 

 田舎では、神社仏閣とか、庄屋とか、名主とかにしか電話電音がなかった。

 しかし、少しずつ、農家にも電話電音網が広がっていく、

 幕藩連合は、道路沿い、河川沿い、橋沿いに電話電音網を広げるべく予算を投じていて、

 外地で息子が働くだけで、電話電音線を引き込む収入が得られた。

 “芹沢鴨(44)の電音談話〜♪”

 “淀。電音放送。維新チャンネルです”

 “幕藩連合移行でも、武士階級の世襲が続く日の本ですが、如何お過ごしでしょうか”

 “今日は、歌手の三条小町(16)さんにおいでいただいています”

 “宜しくお願いいたします”

 “よろしくお願いいたします”

 ““来い恋しぐれ” 大人気ですね”

 “ありがとうございます”

 “いや、お若い”

 “16歳です”

 “維新チャンネル最年少ですよ”

 “偉くなくても出られるんですね”

 “いやいや、歌が上手い。それだけで、電音に出演できる時代になりましたね”

 “嬉しいです”

 “三条さんの声。扶桑や瑞樹でも聞かれてますよ”

 “わたしも扶桑や瑞樹の様子とか聞いてます”

 “それが、当たり前の時代なんでしょうね”

 “わたしは、電話電音のなかった時代の人間なので、ただ、呆然と時代に取り残されてます”

 “そうなんですか。子供のころから維新チャンネルを聞いてたので、憧れてたんですよ”

 “正直に言いますと、無我夢中でやってました”

 “本当に”

 “ええ、わたしも、そろそろ、後進を育てろと、言われてますので、三条さんは、更新候補の一人になります”

 “ありがとうございます、頑張ります”

 “期待しています”

 

 

 

 

 9月

  アメリカで恐慌(1873年的恐慌)

  恐慌によりニューヨーク証券取引所が10日間閉鎖

 

 

 長崎港は、欧米列強だけではなく、

 ほとんどの独立国が、商館を置いて、華やいでいた。

 外交の花形は、アメリカ、イギリス、フランス、ロシアから、

 コロンビア、ブラジル、アルゼンチン、ペルー。チリ、メキシコ、

 オスマン帝国、オーマン、ザンジバル。

 アチェ王国、タイ王国、カンボジア王国、ベトナム、

 ドイツ、イタリア、オーストリア帝国、スペイン、ポルトガル、スウェーデン、ノルウェー・・・・

 などに移行している。

 それまで、付き合ってこなかった国々とだ。

 貿易することで、アメリカ、ロシア、イギリス、フランスを牽制し弱体化させるためで、

 あと、船とか、製品とかを鉄や石炭を交換したいからなんだけどね。

 しかし、どう考えても、遠いし、船が今ひとつで、採算効率が悪い、

 あと、長崎に来ると、グローバル詐欺に引っかかるグローバル馬鹿が、どうしても現れる

 未来だと、撒き餌さで儲けたバカが調子に乗って身代つぎ込み、

 リーマンショックで破産したやつが、

 今度は、外資の手先になって、格差を広げ、

 投機的な金融を喧伝し、グローバル二次被害、三次被害を増やしてる的な。

 誰っちゃ言わないけど、アイツとか。アイツとか。アイツとか・・・・

 この時代でも、そんな奴が、外国人の手先になって働かされてる。

 もう、外交官は、頭でっかちのがり勉でなく、詐欺師じゃないと務まらないかもな。

 

 

 

 ナミビアの写真が届いた。

 ジオポリマーで、ひたすらアーチ状やドーム状の屋根を作って日陰を増やしている。

 単純だけど、日陰があると、過ごしやすく、作物を育てやすくなるようだ。

 太陽光熱は、発電が得やすく、

 淡水化プラントを動かせるし、工場も動かす余力がありそうだった。

 そうそう、ダイヤが届いた。

 工業化に弾みがつくかもしれない、

 でも川がないと、ちょっと、住みづらそうだな。

 

 

 

 10月

  祝祭日休暇制定(年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム)

  征韓論

 

 

 白人の黒人や黄色人種は、苛烈で、

 まず、有色人種は、家畜とか、野生動物の一種と考え、まず、人間扱いしてくれない、

 なので、神に選ばれた白人が長崎に立ち寄り、いくらか日本を見聞すると、

 日本人が飛行船を作って飛ばすとか。

 自動車や機関車を作って走らせてるとか。

 電話電音網でネットワークを構築してるとか。

 上下水道や送電線を完備させてるとか。

 欧米列強より巨大な蒸気船を250隻以上、運用しているとか。

 目の当たりにすると、信じがたいことなのだろう。

 選民から降格させられたカルチャーショックで自我崩壊しながら挫折し、

 親日になるか。反日になるらしい、

 

 そうそう、おれ、欧米諸国で10代前半の白人少女を買ってるけど、晴れて10000人に達した。

 人身売買はいけないとか、言う奴がいるけど、

 これやんないと、長崎で篭絡させられるとか、売国奴の切っ掛けになりそうだしね。

 たぶん、将来的に100000人くらい買うかも、

 各藩に500人前後いるけど、理由は聞かないでくれ (笑

 少なくとも奴隷よりいい生活しているし、教育も受けられて、

 子供は、日本国籍も得られるよ。

 ちなみにおれも何人か、囲うつもり、でも若返ってからにしようかな (笑

 

 アメリカを調査させてみたけど、どうやら南北戦争後、国内が大荒れ

 大統領なんていうのは、利権代表みたいなもので、

 利権を守る役者に過ぎず、首の挿げ替えが効く、

 しかし、国民が騙されなくなり、格差是正を求め、利権構造を変えようと動き出すとき、

 利権屋は、仮想敵相手に戦争を計画する。

 まぁ これは、どこの国でも同じ、

 しかし、アメリカの周辺で戦いやすい国が存在せず、東アジアでお茶を濁す感じらしい、

 なぜかというと、

 イギリス、フランス、アメリカが連合で、台湾に上陸しやがった。

 口実は、宣教師殺害なんだけど、聞いてねぇ!

 史実と違う歴史ルート行きやがった。

 油断していたけど、なんか英仏米に圧力をかけると、扶桑、ナミビアがヤバいかもしれない、

 ここは、自重しておくか、

 ていうか、征韓論は、とか、百害あって一利無しだから、

 

 

 幕藩連合と、李氏朝鮮の交渉が増えたらしい、

 おれ、朝鮮人の性品を悪鬼の如く、宣伝していたので、

 それを実感して証明する政府官僚が次々に現れた次第だ。

 もちろん、電音、新聞、書籍で流しました。

 白人に差別されて、やっぱり、アジアと思ってた単細胞が意気消沈 (笑

 おれ、わかってたけど、

 歴史に学ばないし、経験してもわからない奴は、どうしようもないわな、

 おかげで、日本海側の警備体制が強化され、造成が増えた。

 少なくとも、上陸作戦を難しくさせるだけでも、国民に安心感を与える。

 

 

 

 

 11月

  萬世橋竣工

  東京外国語学校設立(開成学校より独立)

 

 テーブルの上に金貨や銀貨が山となってく、

 銅行やってると、なんだかんだで、お金が入ってくる。

 でもまぁ こいつを利権と交換するために投資するわけだけど、

 国内は紙幣で利権を買うことが多くて、

 国外は、金貨と銀貨を使うことが多い、

 おれが羽振りよくお金使ってるのも、金のなる木の利権を作るためでもある、

 あと、次世代のおれに引き継がせないとね。

 まぁ 引き継がせなくても金鉱に近づくだけで、1回9kg〜1kgの金塊がポケットに入るし、

 原料さえあれば10000文紙幣を錬成できる。

 しかし、不換紙幣は、銅貨と交換するという紙幣価値の裏付けがなくなるから、

 10000文札、5000文札、1000文札の印刷現場を見せろって言われてるのだが、

 当然の要求なんだろうけど、

 魔法なんて、ダメだよな・・・・

 どうしよう、いまの印刷機械じゃとてもじゃないけど、真似できんしな。

 ていうか、未来の日本だって、こんな、芸術品の紙幣を印刷する技術なんてないわ。

 

 

 

 清国の石炭と、南関東ガスを使って、人造石油を精製する研究を進めてる。

 成功すればよしだけど、石炭と鉄鉱石と石油の不足は、深刻だな。

 まぁ 樺太や新潟の石油は、心強いけどさ、

 この程度じゃ 未来みたいに工業品や自動車に溢れた生活なんて夢のまた夢だし、

 戦争なんて不可能なんだよね。

 でも、アメリカ、イギリス、フランスが、清国に軍艦と武器弾薬を売ってる、

 

 

 

 瑞穂銀行の表玄関に巨大な石碑がある。

 金融、税制、財政と、

 貧富と地域の格差、好況、不況、インフレ、デフレ、スタグフレーション、社会資本の関係

 そして、失業、犯罪、自殺、クーデター、戦争、革命、内戦に至る筋書きが彫られている。

 同じ内容が教科書にも書かれている。

 これを読んだ国民の多くは、紙幣発行と金の流れに敏感になるし、

 政府や要人の発言を意識するようになった。

 

 

 

 12月

 電化が進み、炊飯器、冷蔵庫が増えると料理がつくりやすくなり、

 あと、農業用建物だな。敷地面積当たりの農業人口を20分の1にできた。

 農業人口は、総人口の4割弱。

 単純に農業用建築を作るほど、余剰人員を工業、商業、兵力に転用できそうだった。

 農業用建物は、発電を使って、寒冷地でもマンゴーとか、パイナップルとか、パパイヤとか、

 バナナとか、サトウキビ、コーヒー、コショウとかも生産してるせいか、

 食生活が豊かになってきている。

 値段は張るけど、味を占めると、誘い水になった。

 格差を望む侍階級が我田引水で戦争したがるというか、

 軍需思考とか、財政思考で足を引っ張るけど、

 民間は、生産需要で雇用が大きく、

 軍需は後回しだな。

 おれは、日韓併合なんておぞましいと思ってるし、日清戦争なんてしたくない、

 これを地政学的な宿命とか、戦略的正解とか、言ってるのって、馬鹿ウヨくらいのものだ。

 

 気に入らないのは、アメリカ、イギリス、フランスが、台湾に上陸して、

 李氏朝鮮軍と清国軍に軍艦と武器を調達してることかな。

 まぁ どうせ、欧米列強に利用されてる狂犬だし、

 準備だけして、無視しちゃおう (笑

 しかし、ちょっと、国軍が強くなると、

 利権増しと、出世狙いで、戦争したがるバカ軍人が現れやがるからな、

 それも、予算欲しさに正義面して戦争したがるキチガイ。

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  おれ   妻 千代 (32)   総司(16)  慶司(14)  佐奈(12)  晃司(9)

 

 

 

 

雁皮   高額手形・高額紙幣・株券    “鳳凰   ×××××   青龍”

紙幣

楮    “雉  10000文  松”

三椏    “竹  5000文  鶏”

綿・マニラ麻    “鶯  1000文  梅”

綿・マニラ麻    “桜  500文  雲雀”

綿・マニラ麻    “燕  100文  菊”

硬貨

 銅・ニッケル 50文

 銅・錫    10文

 銅・亜鉛   5文

 アルミニウム 1文

 

 

 史実3498万人

 戦記5372万人

 

 

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第22話 1872年 『半島と大陸で疲弊させられないこと』
第23話 1873年 『グローバル詐欺と、グローバル馬鹿』
第24話 1874年 『北イスラエル王国の嗣流は・・・』