月夜裏 野々香 小説の部屋

    

錬成系 維新戦記 『1kg級魔法使いで』

 

  

 第24話 1874年 『北イスラエル王国の嗣流は・・・』

 

 紀元前732年

 ユダヤ人は、北イスラエル10支族と、南ユダ王国2支族に分裂していた。

  北イスラエル

   ルベン族  シメオン族  イッサカル族  ゼブルン族   ダン族

   ナフタリ族  ガド族  アシェル族  エフライム族  マナセ族

  南ユダ

   ユダ族  ベニヤミン族

 もっとも、完全に分かれていたわけでなく、6支族が北イスラエルと南ユダに混在して住んでいた。

 この時期、イスラエルの東方

 肥沃な三日月地帯を支配する大帝国アッシリアが隆盛を極め、

 その版図は、ペルシャにも及んでいた。

 そして、そのアッシリアが北イスラエルに侵攻する。

 北イスラエル王ホシェアは、アッシリア軍敗北して従順を誓うも、

 密かにエジプトと結ぼうとした事がアッシリアに発覚し、

 再度、アッシリア軍に攻撃された。

 北イスラエルの抗戦は3年に及び

 紀元前722年、王ホシェアは、アッシリア軍によって、捕らえられ、北イスラエルが滅亡したのである。

 北イスラエルの政治経済文化軍事の中枢を占めるイスラエル人28000人は、ペルシャに送られ

 捕囚と呼ばれる環境に追い込まれた。

 その後、大帝国のアッシリアは、エジプト遠征や周辺国との戦乱に明け暮れ

 兄弟同士での内戦が続いていた時代で、治世に余裕がなく、

 東方の入植地ペルシャに関わっていられなくなっていく、

 北イスラエル10支族の出ペルシャの目的地が陽の沈む西の故郷でなく、

 陽の昇る東に向けられたことは、何かを暗示させるかもしれない、

 なんにせよ。

 北イスラエル滅亡62年後の紀元前660年、

 神武天皇の即位は、弥生時代の日本でなく、捕囚地のペルシャで行われ、

 古代ユダヤの正統後継者は、預言者八咫烏に導かれるままモーゼの如く東の荒野を放浪した。

 その後、北イスラエル10支族は、日本に到達して天孫降臨を果たした。

 天皇は、代を重ねながら神道(ユダヤ教)を受け継ぐため命脈を保ち、

 預言者八咫烏の母体レビ族は、支族として数えられず、穢多、山伏、陰陽師として野に潜んだ

 と、歴ヲタのおれは、そう思うわけ、

 

 この時代、あちらこちらを掘り返せば、証拠の遺跡とか、遺品とか、石碑とか、文献が出てきそう。

 発見したら北イスラエル正統後継の大和朝廷って感じで、

 日本史を古代イスラエルに繋げるかもね。

 

 

 

 国家は鉄成りとは、よく言ったもので、

 大型船が就航し、自動車が増え、

 高層建築、トンネル、鉄橋、水力発電ダムが次々と建設されていく、

 最近は、ガラス繊維と、プラスチックが少しずつ生産されてる。

 おかげで、士農工商は、完全に崩れた感じで職業が固定されなくなるし、

 貧富の格差が広がってる気がする。

 ていうか、実力や能力のある中堅層の利権が大きくなってる感じだ。

 もっと、米英列強に差をつけるため、バラマキを増やしたほうがいいかも、

 史実だと明治7年なのに

 経済は、大正に近くて、

 政治は、江戸時代、江戸時代して焦ってる。

 

 

 

 1月

  増上寺が焼失

  金属材料研究所設置

  青山御所(後の赤坂迎賓館)設置

 

 いま、ナミビアまで、海底電線を伸ばそうとしている。

 ウォルビスベイ港はイギリスに取られてるけど、

 まぁ それでもリューデリッツ湾を押さえて、ナミビア全土の開発を進めてる。

 イギリスは、今のところ東アジア権益を失いたくないのか、おとなしくしている。

 たぶん、権益の大きさから割に合わないと考えてるのだろう。

 カメルーンは、イスラム系王国が形成されているけど、

 たぶん、ドイツに取られそうな予感、

 とりあえず、商館を置いてるけど、どっちに転ぶかは、現地民次第かな。

 ていうか、領土より、開発なんで、なんとなく、乗り気じゃない、

 

 

 

 2月

  銀座煉瓦街の欧風道路が完成

  イギリスで第一次グラッドストン内閣辞職

  イギリスで第二次ディズレーリ内閣成立

  ハワイ王国でカラカウア王が即位

  浅草橋竣工

 

 

 史実だと佐賀の乱だけど、この世界の日本は不発

 でも、肥前藩70万石が統廃合でゴタゴタしてるのは、同じ、

 権力闘争なんてしないでさ、

 利権を大きくしようよ。

 そう思うんだけど、新しくパイを作るより、

 既にあるパイの争奪戦しか、目に入らないのかね。

 ていうか、肥後藩の長崎港は、欧米各国の出島商館があるんで、気を遣う藩なんだよな

 

 

 オスマン帝国、オーマン、ザンジバル、アチェ王国、ズール王国との交易が急増している。

 主に武器弾薬が中心だけど、

 まぁ 独立を保てる程度の武器弾薬で、

 利権に比例して、鉄道とか強いてやったりしている。

 おかげで、イギリス、フランス、オランダに嫌われてるけど、

 オスマン帝国と連携すると、ロシアからも嫌われそうだな。

 でも、油田がある中東に足場が欲しいんだよ。

 そんな感じで、オスマン帝国への軍艦売却のおかげで信頼されたのか、

 外交努力のおかげか、対露戦略交流が増えていた。

 そして、いくつかの利権交渉の末、要塞建設を手伝うことになった。

 やったね。

 ブルガリアのプレヴェン要塞に通じる地下通路の建設と、シプカ峠の要塞化かな。

 アナトリア東部方面は、カルス要塞の強化かな。

 

 と思っていたら、次にオスマン帝国が発注する軍艦の代金で、

 なぜか、ブルガリアのバルト(3000ku)と、

 グルジアのバトゥミ(3000ku)を日本自治区でもらったのだけど、

 黒海の港町とか、どう考えても死地だし、日本が防波堤にされてるよね。

 普通に油田が欲しんですけどって言ったけど、ダメっぽい、

 ちなみにルクセンブルクの面積が2586ku

 択捉島が3139kuなので、幕藩連合がその気になってる、

 おいおい・・・・

 オスマン帝国軍は、現地民を追い出して、日本軍に引き渡すという。

 ていうか、次の土露戦争まで、あと、3年くらいしか残されてないじゃん、

 

 

 

 

 3月

  女子師範学校(後のお茶の水女子大学)設置(翌年開校)

 

 史実の失策は、国内投資もそこそこに半島投資や満州投資に走ったこと、

 利権を守るため、新陳代謝を防いで、産業を低迷させたこと、

 この世界の日本だと、国内と海外地への投資が中心で国外投資は、ほとんどない、

 新陳代謝は、おれの先見性と、バラマキと、銅行の投資が行っている。

 扶桑の今年の越冬組は、12000人ほどになるそうだ。

 投資の割に遅い、

 それでも現地人を取り込んで、同化政策を進めさせてる。

 同化政策を進める方法は、

 白人がアメリカ大陸のインディアン5000万人を虐殺したって、刷り込み教育ね。

 数字の信憑性は、気にしなくていいから、

 朝鮮系CIA新聞とか、馬鹿大学教授が言ってる数字と同じだから

 まぁ 言ったもん勝ち (笑

 

 

 幕藩議会で

 国立公園、国定公園、都道府県立自然公園、国民保養温泉地が制定され、

 優れた自然環境地と保養地に国民宿舎を建設することが決まった。

 実は裏があって、

 参勤交代がなくなって低迷する宿場とか民宿を救うと同時に

 電話・電音網を使って民宿ネットワークを構築するつもり、

 ネットワーク網を連結すると、

 1つの保養地。数十軒から百数十軒の100室から1000室を効率良く客に分配でき、

 大規模旅行業務が可能になる。

 おれは、大ホテルとかあまり好みじゃないけど、

 最低限の画一化したサービスと品質は、審査して印紙を発行しないとね。

 あと、どさくさに紛れて、21藩で御所を作るんだ。

 御所さえ作ってしまえば、

 巡幸の際、江戸を東京に改称しても文句言われなさそう。

 

 

 酒場で友人や家臣たちと酒を飲んでほど酔い気分でいると、数人の男たちに取り囲まれる。

 特に武器らしいものは、持っていないようだ。

 「綾波殿。あんたは、私腹を肥やしてる」

 「私腹か・・・・」

 おれは、前に出ようとした家臣を止める。

 「そうだ」

 「投資しているが、利益が上がるかどうかは、わからんな」

 「そんなはずはない、私利私欲のために、法律をいくつも通した」

 「その法律を通すことで、あんたの会社は、膨大な利益を上げているんだ」

 「権力者と資本家が欲するのが」

 「自分の代わりに戦争してくれる奴隷と、自分の代わりに働いてくれる奴隷だよ」

 「紙幣を独占すれば、それが可能になるのだけど」

 「邪魔になるのが自給自足している農家と、反発する良識家だ」

 「わたしは、藩主だし、紙幣を発行している」

 「しかし、紙幣の独占が面白くないので紙幣を国民にばら撒かせてるし」

 「農民から米を奪うより。創業と投資で利益を得る方がいいと思ってる」

 「・・・・・」

 「領民を奴隷としか思わず。農民から米を奪うだけの連中は、こんな。安酒場にいない」

 「君らの声の届かない料亭で、君たちの10日分の賃金を一晩で食べてるぞ」

 「・・・・・」

 安酒場全体が、おれを非難した相手たちを敵と思って睨みつけ、

 男たちは、逃げるように去っていく、

 やれやれ、古い年貢に頼っている侍階級が

 電音、新聞、出版を使って、おれにケチを付け、反綾波が少しずつ増えている。

 ああいう、跳ねっ返りは、増えそうだな。

 

 

 

 4月

  明六雑誌創刊

  ヨハン・シュトラウス2世喜歌劇「こうもり」初演(アン・デア・ウィーン劇場)

  リヴィングストン博士の遺体がサウサンプトンに到着

 

 史実だと、民権派の板垣退助を立志社設立したけど、

 この時代は、幕藩連合幕府で、

 民主主義は、瑞樹や扶桑など、海外地で行われている程度だ。

 板垣退助も瑞樹で市長になってるらしいけど、それより上になれる兆候は、あまりない、

 

 

 日本のマスメディアは、電音60回線。新聞97社。出版64社。

 多いような気もするし、少ないような気もするし、

 藩営が最低1回線、1社あるので、差し引けば、民需の力が見えてくるかもしれない、

 もっとも、藩営だけで、番組や紙面を埋められず、

 誌面の5分の4を民間業者の広告と民間記者に書いてもらっているのが現状かな。

 実のところ、日本メディアの拡大を一番驚いてるのが、欧米諸国で、

 出島商館の代表が時折、日本を巡っては、驚きの声を上げ、祖国へ報告しているらしい、

 最近は、元大統領、欧州貴族がお忍びで日本に訪れていることも珍しくなく、

 その度に土産物が海外に輸出されていく、

 あと、お忍びで、各国のお偉いさんを治療したりね。

 そのおかげか、日本の外交戦略は、少しばかりうまくいってる、

 そして、ジャパン・ガラスの需要が増えて発注が舞い込んでる、

 と、言ってもおれが魔法で金糸や銀糸を落とし込んで巻いたものだけどね。

 長崎に送ったり、海外商館に送ったりだ。

 統制貿易なので自由に貿易できないけど、

 まぁ おれが作ったジャパン・ガラスは、需要があるよ。

 そうそうゴールド・サンドウィッチ・ガラスを職人に見せて試しに工場で作らせたけど、

 ガラスを合わせるとき気泡が入って透明感がなくなっちゃうよ。

 どうやって、製造したんだろうね。

 何年かかかるかも、

 

 

 

 5月

  スイスで憲法(現行)が発効

 

 史実だと、台湾出兵(征台の役)だけど、

 原因になった事件がなかったので、台湾出兵がない、

 代わりにアメリカ、イギリス、フランスが上陸している。

 おかしいな。

 歴史と違う〜

 アメリカ本土じゃ アメリカ軍とインディアン軍が戦争中だし、

 南軍のゲリラ戦が続いてるはずなんだけど、なんで、台湾や朝鮮に出てくるかな。

 対日圧力かな。

 それっぽいな。

 半島は、風土病と、精神汚染地帯だから、いらんけど、

 台湾をイギリス、フランス、アメリカに取られると、地政学的に気持ち悪いかな。

 

 

 手下というか、工作員たちが追々、アフリカ大陸と東南アジアへの潜入に成功したので、

 植民地化されそうなアフリカ・東南アジアに武器弾薬を供給し、

 対価で、足場になる拠点をもらうことにした。

 植民地なんて、ご大層なものじゃなくて、日本人町だ。

 城塞都市化してるけど (笑

 欧米列強は、日本の船と交戦することを避けてるので、

 よほど、戦力差がない限り邪魔しないはず、

 

 

 

 

 6月

 安政維新が史実の明治維新と違うのは、版籍奉還と廃藩置県が上手くいっておらず、

 華族制度が確立していない、

 良いのか悪いのか、天皇中央集権は、警戒されてるし、武断政治が続いてるわけだ。

 そんなわけで、大名とか、奉行とか、旗本とか、代官とか、番頭とか、与力とか、

 わかりにくい世襲役職が重複して使われている。

 この世襲をどうにかしたくて、

 領民に力をつけさせて、世襲の力を削いでるのだけど、

 明治維新みたいに戦争していないから既得権破壊が、上手くいってない、

 まぁ 戦後、日教組&マスメディアの洗脳方式でやることにしてるので、何代もかかりそう。

 それでも、幕藩連合法は、藩法より上だし、

 商法が確立されたせいか、中小企業数20万社が創設され、

 藩を幾つもまたぐ広域産業も生まれている。

 瑞穂社もその内の一つだけど、相対的に伸び悩んでいる。

 それくらいの創業ラッシュってことで、需要を掴んで、成り上がる業者が増えてる。

 おかげで、紙幣は、増刷に次ぐ増刷。

 そうそう、銅行の調査で、

 藩営企業は、藩財政でカンフル剤を打たれていなかったら、倒産しそうなのが3分の2ほど、

 意外にも3分の1が健全経営に移行しつつあるらしい、

 そういうところっていうのは、たいがい、武士階級が若手層か、少数派のようだ。

 安政時代の老害ぶりは、未来の日本に通じるものがあるというか、

 未来の老害さえ、武士階級の老害ぶりには、腹を立てるかもしれない、

 そんな感じだ。

 

 

 

 そうそう、樺太、北海、扶桑は、外を出歩くとき、拳銃と日本刀が手放せない、

 拳銃や日本刀で用が足りるかというと、これが心もとない、

 まぁ ないよりましだし、当たり所が良ければ、助かる的な。

 ちなみに、川沿いを家臣5人と散策してたんだけど、

 立ち上がって3mくらいのヒグマと睨み合ってる、

 滅茶苦茶怖いわ、ビビるわ、

 おれの歴史改変物語危機一髪じゃん

 日本刀が、なにかの切れっ端に思えてしょうがねぇ

 拳銃を撃ったら、怒るよね。

 きっと、逆上して、襲ってくるよね

 そういう顔してるよ。こいつ・・・・

 こういう時、転移魔法のやつが羨ましいぜ、

 しばらく、にらみ合ってたんだけど、ヒグマが去っていったからホッとしたよ。

 でも、帰りはビクビクで、家臣の一人が、時々、森の中を指差すのを見ると、

 例のヒグマがこっそり追いかけて来やがる。

 ヒグマって、怖ぇえええええ〜

 

 

 大冒険だったんだけど、

 肉食はいいね。肉食は体を潤してくれる。

 北海藩は、牛、羊、山羊、豚。

 樺太藩と千島藩と扶桑は、ヘラジカ、トナカイ、ヤク、ドールシープ、

 ジャコウウシ、アルパカ、グアナコ、リャマを畜産するつもり、

 畜産は、石高になりにくいけど、食肉が金になるので増えている。

 おれ、ゲテモノ食いなところがあるので、飼えそうな動物は、外国から買いました (笑

 だいたい、樺太藩って、寒いし、人がなかなか来たがらないので、動物を買ったりするわけ、

 いずれ、宗谷海峡トンネルを建設して繋げるんだ。

 水深が浅いから津軽海峡トンネルより楽かも、

 

 

 

 

 

 7月

  アメリカ初の動物園がフィラデルフィアに開園

  三宅島噴火(死者1名)

 

 

  扶桑8万石

  樺太藩30万石  千島藩10万石  北海藩40万石

  出羽藩212万石   陸奥藩381万石

  加賀藩218万石   信越藩259万石

  京府藩215万石   尾張藩228万石   富士藩135万石   関東藩533万石

  南紀藩190万石

  関芸藩173万石   上瀬藩235万石   播磨藩237万石

  伊予藩214万石

  肥前藩71万石   筑紫藩131万石   豊原藩91万石

  肥後藩93万石

  薩摩藩154万石

  瑞樹200万石

  ナミビア

 石高が増えてるにも関わらず、作付面積は、減っている。

 ガラス張りの農業用建物が増えて、敷地面積の10倍近い石高を出し、

 余剰人員を工業と農業に転化させているからで、工業や農業も増えている。

 地上5階地下2階だった耐震構造建築も地上7階地下3階の建築が可能になって、

 さらに面積当たりの収穫量が増し、石票を増やしている。

 余剰穀物の輸出が行われ、ロシアとの関係が良くなってきてる気もする。

 ちなみに大名、大旗本、大商人は、

 発電、上下水道、鉄道、電話・電音、製鉄などの基幹産業の株配当で余裕だったり、

 数十棟の農業用建築を建設して家主になるだけで、

 実入りが良くなって、生活が安定するので、保身に入ってるし、

 家臣団って本当にいるのって、感じになってるらしい、

 おれにしたら、江戸時代から抜けきれないからさ、

 金だけにして、政治に口出しするなみたいな気分なんだけど、

 

 ぼちぼち、隠し子が生まれてくる頃、

 もう、財産分けとか、大変なんだな。

 まぁ 金は稼いでるけどね。ていうか、錬成している。

 

 

 

 8月

  郵便貯金開始

  浅草雷門・新橋間に二階建馬車が運行(千里軒)

 

 でたよ。郵便貯金。

 瑞穂銅行の敵。

 まぁ 郵便局は、全国展開なので、そういう、性質を持つし

 切手はおれが作ってるし、顔役の一人だからね。

 問題は、株の支配率が低いこと

 あと、郵便貯金の金利をどうするかで、銅行が不利になるわけで、

 利息分の紙幣を刷りたくないから、無利子にして銅行に合わせろと言うと、ブスくれる。

 そりゃそうだ。

 長屋住まいが減って、ほとんどの家が、泥棒が入りくい家になってる。

 預けるときに差し引かれるくらいなら、

 金庫を買って、中に金を入れときゃいいだろうになるわな。

 ほとんどの企業が、大金を扱うのが面倒なので、銅行振込にしてるけど、

 たぶん、郵便口座振込でもよくなるわけ、

 

 

 紙幣を作る方法は、幾つかある

 銅を銅行に持ってきて紙幣と両替する。

 資産を担保に紙幣を借りる。

 幕藩連合が国債を発行して、紙幣を発行する方法。

 14歳以上の男子のバラマキに必要とする紙幣を発行する。

 この中で、外国が紙幣を得る方法があって、銅を銅行に持ち込んで紙幣と交換する。

 外国人は数量規制するといっても、代理人の日本人は、現れるし、

 銅は、貨幣以外にも産業で使うわけだし、

 元々 重たい銅銭を紙幣で持ち運びできる両替から始まった事業なので、

 こればっかりは、拒みようがなく、

 せいぜい、交換比率を変える程度。

 しかし、外国が日本での活動資金を得ようと銅インゴットを大量に持ち込む、

 無論、戦略物資なので、ありがたく使わせてもらうのだけど、

 年々 外資に渡る文紙幣が増加し、国内に工作員が浸透する。

 これが、銅本位制の弱点といえば弱点なのだけど、

 欧米資本が入り込むと、言論が歪められ、利権格差が広がって、

 不況に追い込まれ、細菌兵器や化学兵器で弱体化させられそうだし、

 お金を奪われて、内戦か、戦争か、奴隷か、自滅か、自殺に追い込まれる

 困ったものだ。

 

 

 

 9月

  二階建馬車禁止令

  電信条例布告

  朝野新聞創刊(公文通誌改題)

 

 写真の技術者に映画映像の研究をさせてる。

 最初、信じられないって、表情を見せるけど

 未来を知ってるおれは、投資するよ。

 創作と映像技術で世界を支配するんだ。

 

 電話・電音を使った文字通信が整備されたよ。

 モールス信号16桁を機械的にやり取りして、文字に置き換えていくんだけど、

 解読印字機械を通せば、2000字 平仮名、カタカナ、英数字が印刷されて出てくる。

 解読印字機械は高いけど、

 証拠能力が高いので、省庁、軍、警察、藩、行政、旅館、商店、工場を中心に売れてる。

 まぁ コンピューター方式ってやつね。

 

 

 

 

 10月

  万国郵便連合設立

  新橋駅で脱線事故(日本初の鉄道事故)

  会計年度改正(来る12月より7月 - 6月制に移行)

 

 

 

 ブルガリアのバルト(3000ku)と、グルジアのバトゥミ(3000ku)の報告が届いた。

 まぁ 黒海の両端の港で、たぶん、土露戦争の最前線になりそうな

 もう、嫌な予感しかしません (笑

 でも、オスマン帝国の発想として悪くないだろうな。

 日本自治区に手を出せば、極東でも戦争になるということだし、

 ロシア帝国が両面作戦を避けようとするなら、日本自治区を避けて移動することになる。

 そうなったら、トルコは、戦線を縮小して守れる、

 そして、ロシアが日本と戦争すると、

 日本自治区だけでなく、オスマン帝国と戦争になることも視野にいれないといけなくなる。

 幕藩連合軍が、欧州に軍事拠点を置くのも悪くないと思うのも、わからないわけじゃない、

 しかし、それは、兵站線が確保されてのことで、

 日本からの兵站線は、黒海まで届かない、

 ていうか、イギリスとフランスとオスマン帝国を味方にしないと維持できないとか、罰ゲームだろう。

 なにより、扶桑、瑞樹、ナミビアの開発が遅れるじゃないか。

 

 

 陸奥藩361万石

 東北の統廃合で生まれた日本最大級の藩土を持つ大藩で、

 潜在的に関東藩の石高を超えてる。

 旧仙台藩が中心になっていて、日本国内のロシア帝国みたいな大藩かな。

 でも、石票が倍になったら、利害が一致せず、藩が南北に分かれそうな気がする。

 いま、演習で大規模な後退戦術を取らせてるよ。

 突撃は、馬鹿でもできるけど、

 後退戦術は、攻撃より数倍も高度な連携を必要とする

 現場を知らない将校の机上の空論と、現実の間で、反故が生じる、

 師団の動きでダメ将校と、隊を把握しきれない士官を外せる。

 閨閥絡みのしがらみで、外せなくても閑職に追い込むことくらい出来るかもしれない、

 上手な将官と士官がいると、敵を凹に誘い込んで反撃する離れ業さえやってみせるけど。

 演習通りにいくかというと、敵将にもよるけどね。

 実のところ、おれが観戦するときは、後退戦術ばっかりやらせてる。

 どのみち、機関銃があって、航空機や戦車のない戦線だし、

 塹壕戦と浸透戦術になるのに、時代遅れの横隊突撃なんて、見たくもない、

 

 

 

 11月

  アメリカクリーブランドで万国婦人矯風会設立

 

 また、また、瑞樹行き、

 今回は、総司(17)と慶司(15)を連れ回して、仕事を見せてる。

 でも、夜は別行動ね。

 愛人たちと一緒にいるから (笑

 実子と愛人を連れ回して、仕事とか、笑っちゃうけどさ、

 父親らしい教育も一応やっておかないとね。

 ていうか、次のおれ、樺太藩、瑞樹、扶桑のどこの出身にしようかで、悩んでる。

 新領地は、行政機構で、まだ甘いところがあるから、公文書を誤魔化しやすいのよ。

 あと、治療で味方を作って、資源開発で利権を作って産業興し、

 実のところ、治療で恩を着せてるので、樺太藩より、扶桑より、瑞樹が味方が多い、

 もし、瑞樹が独立したら、おれ、大統領になれそうな気がする、たぶん、

 日本と、瑞樹の違いは、日本が 村→町→街 って、大きくなっていった歴史があるのに、

 瑞樹は 街→町→村 って、広がっていったことかな。

 熱帯と言うのもあるけど、日本人の気質も変わる気もする。

 でも、意外に藩と領民の意識より、日本と日本人っていう意識が強い気がする。

 領内だと小さな違いが許せない、で殺傷沙汰に至ってりするけど、

 外地に出ると、小さな違いがどうした、みたいな。

 日本人同士なんて、たいてい、大同小異だから、そうなっちゃうもんだけどね、

 正直、藩主は、藩外や海外地に出るべきだと思うね。

 最近、海外地に出る藩主や元藩主が増えて、

 少しは、日本と日本人を意識してる感じ、

 

 

  

 

 12月

  清国で光緒帝(徳宗)即位( - 1908年)(摂政は東太后( - 1881年)と西太后( - 1889年)

  島田組閉店

  英語学校設置(開成学校英語部が分離独立)

 

 瑞樹の沿海沿い、河川沿い、鉄道沿い、街道沿いに資源を探索する、

 鉱物資源で採算が取れる場所は、少ないけど、近代化に足りる工業力になりそう、

 街が大きくなって、電話・電音が繋がってると、都会って気がするし、日本って気がする。

 日本風の衣服を着た現地民が日本語教育を受け、

 日本人の指導で働いて、アパートに住み、

 日本料理を食べてたりを見ると、上手く御してる気がする、

 でも、人食い人種とは、戦闘になりかねないかな。

 食料以外の目的で人を殺す野蛮人よりマシだけどさ (笑

 ちょっと、文化的に受け入れたくない、

 子供たちは、現地人を恐れているみたいだ。

 まぁ 無理ないわな。

 人食い人種がいると聞いてるだろうし、

 得体の知れないところがあるし、

 それでも片言の日本語を話してるのを見ると、刀から手が離れていく、

 日本刀を差してるとか、物騒な子供だな。

 って、この時代だと、珍しくない、

 一応、武士の子供ってことになってるしね。

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  おれ   妻 千代 (33)   総司(17)  慶司(15)  佐奈(13)  晃司(10)

 

 

 

 

雁皮   高額手形・高額紙幣・株券    “鳳凰   ×××××   青龍”

紙幣

楮    “雉  10000文  松”

三椏    “竹  5000文  鶏”

綿・マニラ麻    “鶯  1000文  梅”

綿・マニラ麻    “桜  500文  雲雀”

綿・マニラ麻    “燕  100文  菊”

硬貨

 銅・ニッケル 50文

 銅・錫    10文

 銅・亜鉛   5文

 アルミニウム 1文

 

 

 史実3515万人

 戦記5533万人

 

 

誤字脱字・感想があれば掲示板へ

第23話 1873年 『グローバル詐欺と、グローバル馬鹿』
第24話 1874年 『北イスラエル王国の嗣流は・・・』
第25話 1875年 『元禄と、化政と、綾波文化』