月夜裏 野々香 小説の部屋

    

錬成系 維新戦記 『1kg級魔法使いで』

 

  

 第39話 1889年 『国家と。民族と。宗教と。』

 

 ユダヤ暦5649年 皇紀2549年 安政35年

 

 有り体に言うと、白人のユダヤ人は、存在しない、

 しかし、白人のユダヤ教徒は、存在する。

 そして、ユダヤ教でないユダヤ人の国家は存在するのか、

 これは、北イスラエル王国を継承した日本で、最近、出現した。

 もっとも、血は、薄まっているだろうけどね。

 それは、国家と、民族と、宗教の3つ集合の集団が重なっていないからで、

 国家は、異邦人であれ、異教であれ、税金を払ってくれるならいいや的な。

 民族は、同胞なら国が違っても、宗教が違ってもいいやみたいな。

 宗教は、同じ宗教で献金してくれるなら、民族の同胞や国境を越えてもいいやで、

 日本人だと、国家、民族、宗教と書いたり、民族、国家、宗教と書いたりするけど、

 海外だと、宗教が最初に書いたり、2番目に来たり、国家や民族が最後に来ることも珍しくないわけで、

 日本みたく、国家と民族の枠の中に宗教の集合が幾つかある認識だと、理解しにくい構造だろう。

 むろん、ユダヤ人の中のユダヤ人とは言えば、

 ユダヤ国で、アブラハムの血統民族で、ユダヤ教徒なのだけど、少数派

 というより、ユダヤ国家そのものが、最近まで存在していなかった。

 

 

 バラマキ効果のせいか、領民が藩を支え、藩が幕府を支える構造が作られてる感じ、

 明治維新だと、中央集権で、国が地方自治体を押さえ込み、

 地方自治体が庶民を押さえ込む感じなので、雰囲気がかなり違う気がする。

 指揮系統がゴチャゴチャしてるけど、安政以前の幕藩体制より統一されてる。

 苦労が多いのは、出向の多い武士階級かもしれないけど、

 出向できるのなら武士でなくても良いとなって、農工商出身の行政官が増えてるかな。

 

 

 

 1月

  アメリカでハーマン・ホレリスがタビュレーティングマシンの特許を取得

  オーストラリアで最高気温記録(摂氏53度、クイーンズランド州クロンカリー)

  徴兵令改正

  三池炭鉱が三井組に払下げられる

  オーストリア=ハンガリー帝国でルドルフ皇太子が謎の情死(マイヤーリンク事件)

 

 徴兵は基本的にしていないけど、

 戦争が始まったら徴兵できるってこと

 14歳以上の男子に口座を作って、ばら蒔いてるので、

 徴兵は、難しくないかな。

 

 

 パナマで暴動騒ぎが起きたと思ったら、パナマ独立勢力の反乱、

 そして、内戦が始まったと思ったら、アメリカ軍が上陸、

 コロンビア軍と、パナマ独立勢力・アメリカ連合軍が交戦状態になってる。

 コロンビア沿岸がアメリカ艦隊に海上封鎖されてるみたいだけど、

 エクアドルとか使って、コロンビア軍に武器を供給してる。

 なんか、正念場なんだよね。

 このアメリカ・コロンビア戦争で、コロンビアが負けると、

 パナマ運河建設で、アメリカ両洋艦隊誕生だし、

 コロンビア軍が戦線に踏みとどまって堪え凌げば、アメリカ両洋艦隊の夢は潰える。

 イスラエル親衛隊から情報だけは聞いていたので、事前に武器を送って、

 コロンビアに警戒させていたけど、どうだかな。

 とりあえず、アメリカ国内のイスラエル親衛隊に、厭戦機運を高めるように連絡させたよ。

 国家戦略とか、地政学がどうであれ、

 一般庶民は、他国の内戦に関わりたくないと思うものだからね。

 

 

 あと、バルカン半島と、土露戦争が起こるとの情報も入ってくる。

 オスマン帝国の支援で、パレスチナの利権が増えるけど、

 心配なのが、ブルガリアの城塞都市バルナと、グルジアの城塞都市バトゥミ。

 金に任せて、防衛力を強化してるけど、

 ロシア軍に本気で迫られたら落ちるだろうな。

 まぁ そうなったらカムチャッカ半島や沿海州は、取るし、

 ただでは済ませない、

 でも戦争して軍国化すると永続的に仮想敵が強まるし、歯止めが難しくなるからね。

 軍民バランスが来るのが面白くないし、

 もっとも現ロシア皇帝のアレクサンドル3世は、昨年88年の鉄道事故で、負傷し、

 飲酒を続けて、気落ちしてるらしい、

 国力や国軍で開戦可能でも、統率者のプライベートが優先する。

 あと、91年は、ロシアの皇太子が来日するかもしれないから、

 その時、日本の国力を見せつけて、戦意喪失させるつもり、

 でも、やりすぎると、米英露で対日十字軍が編成されそうで嫌だから程々に (笑

 

 

 2月

  K田首相が超然主義演説を行う

  秋田魁新報創刊(秋田新報改題)

  セザール・フランク交響曲初演(パリ音楽院)

 

 大阪湾環状線計画は、国防の関連事業として行われる。

 敵が上陸してきたら兵隊をたくさん移動させないといけないからね。

 要塞を作るという話もあったけど、

 海底トンネルを建設して、兵站線を伸ばす方が有利ということにした。

 あと、淡路島は、四国とも繋げるよ。

 まぁ 藩主たちも自分の客車を持ってるので、旅先が増える方がいいと賛成したよ。

 ちなみに鉄道のダイヤは、鉄道局が決めるので、

 大名客車といえど、数日前に通達しないと割り込めないことになっている。

 政治を家老に任せて、大名客車で、日本全国を回ってる大名もいるよ。

 いい気なもんだけど、そういう人生も楽しくてよさそうだと思うね。

 おれも未来を知らなかったらやってたかもしれない、

 

 

 

 カナダ北西部からアメリカ北西中央域にかけて大規模なインディアン戦争がはじまったらしい、

 アメリカがコロンビアと戦争していることをハイダ族、トリンギット族、スー族、アパッチ族に教えたら、

 インディアンたちが物凄い勢いで反撃したけど、

 どうなるんだろう。

 ていうか、長崎のアメリカ商館長からインディアンに武器供与するのはやめろと抗議が来た。

 流石にこの量になったら誤魔化せないかな。

 「でも、アメリカが清国に横流しした銃がインディアンに流れてるんじゃないか」

 「あと、元南軍将校の武器弾薬の横流しとか」

 そう言ったら、すこし口を濁していたかな。

 実は、清国に横流しされた銃がインディアンに渡した銃の3分の1を占めてるんだよね。

 あと、アメリカ軍武器庫から大量の武器弾薬が紛失した事件も、情報として入ってる。

 だけど、スー族、アパッチ族が嫌いなインディアンもいて、

 インディアン同士の戦いも行われてるんだよね。

 こういう戦いぶりを見ると、

 アメリカ人にしたら、清族、朝鮮族、日本族って感じで、分断抗争化させる手口とか、

 インディアン戦争の延長なのかもしれないね。

 

 

 今日は家族と、焼肉。

 子供だけでなく、孫とかもいるよ。

 孫が9人もいると、ちょっと、感動する。

 でも、隠し子とか入れちゃうと、もっと感動するけど、一緒にいられない、

 隠し子は、生まれ持って日陰者、みたいなのがあるよね。

 まぁ 若返ったおれもそうなるけどさ、

 だけど、焼肉はいいねぇ 文明開化だよ。

 牛、豚、鶏だけじゃなく、

 リョコウバト、トナカイ、ヘラジカ、ドールシープ、ジャコウウシ、ヤクとかの珍しい系があるし、

 ホルモン焼きとかもね。

 ちなみに年代的に日本起源な (笑

 ていうか、肉を焼くなんて、スタイルが多少違うだけで、

 焼肉とバーベキューとシュラスコの違いというか、

 原始的な食べ方に近いし、起源を気にするほどのことはないような気もするね。

 でも、店とか増えて競争が激しくなると、洗練されて味がいい方が残っちゃうんだろうな。

 樺太畜産は、家畜にビールを飲ませたり、パンを食べさせたり、音楽を聴かせたり、

 いろいろやらせてるかな。

 おかげで、霜降りが増えて評判がいいかな。

 

 

 

 

 3月

  アメリカ第23代大統領ベンジャミン・ハリソン就任

  アメリカ大統領がオクラホマ未割当地への白人入植を認可

  ロンドンでウリッジ・フリー・フェリー開業

  エッフェル塔落成式(開場5月6日)

 

 兵器廠

 いま製造してる火砲は、

  60口径6.5mm機関砲   60口径15mm機関砲  60口径40mm機関砲

  45口径75mm砲      45口径120mm砲     45口径150mm砲

  45口径200mm砲     45口径300mm砲     45口径360mm砲

 で、砲身命数、初速、連射速度、射程、命中率、

 破壊力、貫通力、生産性を少しずつ向上させてる。

 真空管とか作ったし、火器管制装置とか、ちょっとしたものだと思う。

 ちなみに45口径360mmは試作中、

 スペックは、アームストロング、ラインメタル、クルップより上だよ。

 先に製鉄が進んだからだろうね。

 あと清国の鉄と石炭のおかげかな。

 

 

 

 4月

  最初の食器洗い機がシカゴで販売

  甲武鉄道の新宿 - 立川間開通

  アメリカ合衆国オクラホマ州で白人入植解禁(ランドラッシュ)

 

 

 報告書によると、今年の扶桑人口は、48800人になるらしい、

 そうそう、日本人と、トリンギット族やハイダ族との混血が生まれてる。

 教育能力は日本の方が強いので、少しずつ日本に帰化させて同化させてる。

 トリンギット精霊社とか、ハイダ精霊社とか建立して、面白い文化になっていくかもね。

 でもポトラッチは、勘弁ね (笑

 そうそう、印象操作で、トリンギット族、ハイダ族に

 白い悪魔がアメリカ先住民族を滅ぼそうとしてるって教えて、対処方法も教えたよ。

 事実なことほど、わかりやすいものはないかな。

 トリンギット族、ハイダ族の戦士たちがアパッチ族やスー族と連合するため、

 武器弾薬の輸送をしてくれるし、戦ってくれる。

 

 

 

 

 5月

  パリ万国博覧会開催( - 10月31日)

  大槻文彦「言海 (第一冊)」発刊

  アメリカペンシルベニア州ジョーンズタウンで大洪水(死者2209名、ジョーンズタウンの大洪水)

 

 

 朝鮮人は、地縁血縁が強く、

 自画自賛と誹謗中傷と、詐欺と泥棒と殺すことしかしない、

 これで国家形成が成り立つのかというと、

 報告にあるような朝鮮社会が作られている。

 日本人の一派で脱亜入欧が強いのも、そういった気質があるからだけど、

 対朝不信は、江戸時代を通じて一般化していた。

 史実だと、朝鮮系日本人が多い長州人が明治政府を作って、朝鮮人への警戒感が薄れたのだけど、

 幕藩連合政府は、朝鮮不信を継承している。

 報告書によると、朝鮮半島は、平安道 咸鏡道 京畿道 全羅道 慶尚道 済州島 の6方言と、

 英語 フランス語 の2外国語が混然と使われてるらしい、

 なんか、ますます混乱してるけど朝鮮人の人口が減少して、白人の入植が増えてる。

 さすが、猟奇的なアングロサクソン。期待を裏切らない、

 朝鮮人を奴隷のように働かせて城塞都市や鉄道を建設してるらしいけど、

 どうなるんだろうね。

 朝鮮人を殺しながら社会基盤を建設させて、白人の東アジア開拓史ってことになるんだろうか。

 ていうか、朝鮮半島より、アメリカ・コロンビア戦争とか、インディアン戦争が気になるよ。

 とにかく、コロンビアがパナマ地峡を守りきれば、日本のコロンビア利権は、増えるかもね。

 

 

 

 

 

 6月

  カナダ太平洋鉄道が太平洋・大西洋間で全通

  アメリカシアトルで大火(25街区壊滅、シアトルの大火)

 

 

 “大国主神は国譲りに応じる条件として

   「我が住処を、皇孫の住処の様に太く深い柱で、千木が空高くまで届く立派な宮を造っていただければ、そこに隠れておりましょう」と述べ、

  これに従って出雲の「多芸志(たぎし)の浜」に「天之御舎(あめのみあらか)」を造った”

 出雲の国譲りの顛末で、

 出雲大社が大和朝廷系神社と、系統を異にするの神道であることがわかるわけで、

 大和朝廷が北イスラエルを継承した後、出雲大社がどう転ぶのかに、関心が集まる。

 出雲にも鳥居があるし、伝習もユダヤなので、一緒に来たけど、

 兄弟か、双子の権力闘争か。有力部族同士の抗争の末で分岐したのか

 それとも、先住民族の長なのかという考古学上の問題で、

 どちらに転んでも権力基盤に変化はないけど、

 どちらを教えるかで世界観が大きく変わることに変わりない、

 そして、厄介なことに、出雲大社が決めかねてるせいか、

 正論、反論、異論が噴出して論争している

 

 それは、それとして、おれも21藩、120街、400艦名で神社を建立させてる、

 長南年恵(26)の書いたお守りと経文をダイヤ板に落とし込んだけど、

 効果があるのかは、わからない、

 でも、信じる者が現れたら、それは宗教になる。

 宗教は、金くれじゃなければ、伝統になるだろうし、

 日本の文化を豊かにするかもしれない、 

 大社、神社、寺と、お金を出し合って建立した半独立系神道なので、

 経緯から、金剛神社とか、長南神社とか、綾波神社と呼ばれてる。

 あと、軍艦用のお守りと経文をダイヤ板に落とし込んで御神体にしたので、

 護国艦命神社とか、護国艦魂神社とか。

 効果は知らんけど、墓守りする檀家が増えたので、安定収入な気がする。

 ていうか、軍艦乗りの天下り先ね。

 

 

 

 

 

 7月

  東海道線全通(新橋 - 神戸間、直通列車毎日1往復)

  ウォールストリート・ジャーナル創刊

  第二インターナショナル結成(パリ)

 

 10600t級アドミラル型戦艦キャンパーダウン

  全長100.6m×全幅20.9m×吃水8.3m

  7500馬力(通常通風)/11500馬力(強制通風)

  速力 17.1ノット   航続力6400海里/10ktで

  343mm連装砲2基  153mm砲4門

  6ポンド砲12門  3ポンド速射砲10門

  水上魚雷発射管 5門

 

 

 武道館

 江戸時代のまま、文明開化と近代化と富国強兵すると、こうなっちゃうのかね。

 そんな安政日本で剣術試合が行われている、

 武家社会は、剣力だぜ、を農工商に見せつけるためにやってるらしい。

 あと、サッカー、野球に庶民の関心が向くと道場が閑古鳥になるので、やってる感じか。

 おれも3段くらいだから、姿勢とか、太刀筋とかで、強いのが、わかる。

 だけど、練達した剣術は、権威でなく、

 技術とか技能としか見られなくなっているかな。

 でも、護身用にはなる。

 で、なぜ、忙しいのに、武道館にいるのかというと、

 鏡新明智流の師範と、先輩に。おまえ、国防参謀なら顔ぐらい出せって、言われたから、

 この手の武道は、賞金を出したほうが、本気になりやすいから、金もね、みたいな。

 ったく、しがらみだぜ、

 そうそう、無手武術も人気が高まってる。

 ていうか、帯刀をぶら下げるって、少数派だし、

 無礼打ち上等で、

 武士だと切られる方が不心得者なのに、鉄扇だけ、ていうのも珍しくない、

 おれなんか、扇だよ。カーボンナノチューブだけど (笑

 むしろ、無手武術が主流になりそうだし、

 清国の拳法とかも流入している。

 

 

 

 

 

 8月

  江戸開府300年祭

  イギリスで児童虐待防止法成立

  十津川大水害など、紀伊半島南部で大雨被害

 

 国防省

 瑞樹の模型が作られていた。

 瑞樹島9ヶ所に港湾城塞都市が建設されると、鉄道で城塞都市が結ばれ、

 鉄道網沿いか、河川沿いに鉱山開発が行われ、

 水力発電ダムや火力発電ダムが建設され、

 さらに鉄道網が内陸に伸び、

 山岳鉄道が高原地帯に登って、街が建設されていく、

 なぜ、国防省にこういった模型が作られるのかというと、

 想像力の乏しい軍人に、

 日本は、瑞樹移民を成功させないと人口増加で苦しくなることをわからせるためで、

 あまり国防予算を取ってくれるなって、暗に要求してるだけなんだけど、

 人口増加政策は、日本の国力と比例してるわけで、

 欧米列強の対日圧力が大きくなってる状況で、やめるわけにいかない、

 幾つかの政策で、簡単に人口を増やせるし、科学技術を発展させられるのだけど、

 未来の日本だと、政治家、官僚、財界は、海の向こうの偉い人に、

 人間は地球の癌だとかなんとか、騙されたのか、保身からか、

 成金から利権を守るためなのか、

 人口を減らせと命じられ、せっせと国民の間引きを実行して、日本国を滅ぼそうとしている。

 利権のために国家と国民を殺すとか、馬鹿なことだと思うのだけど、

 国家観と民族観を失った国家指導者がいる国民は、不幸だぜ、

 と思ってると、夢想家な馬鹿軍人が、もっと、軍艦が欲しいとか、なんとか・・・・

 「・・・・・」 ため息

 

 

 大型船の遠洋漁業も増えてるけど、

 20t20m級のアルミ漁船も大量建造してる。

 人口が増えてるせいもあるけど、

 大型船より家族経営の小型漁船が動かしやすくて好まれてるらしい、

 ていうか、アルミ漁船は、軽量なので燃料が少なくて済むし、

 戦略物質なので、いざという時、使えるってこと、

 

 

 

 

 9月

  日本宗教大学

  日本生命保険開業

  第1回国際度量衡総会(CGPM)開催( - 9月28日)(メートル原器・キログラム原器制定)

  関西学院創立

 

 日本宗教大学は、まぁ 宗教思想から日本を守るための盾と矛かな。

 日本人は、宗教に対する耐性が全くなくて、簡単に負けるというか、逃げ腰になってしまう。

 なので、教義本を読んで、数十の反論、異論を出すくらいじゃないと駄目なわけ、

 ていうか、神社仏閣にとっても、両刃の剣なのだけど、

 これから、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教と、口戦状態になるので、しょうがないかな。

 邪魔なのが、軍事力で戦いたがる武闘派かな。

 

 

 綾波本家

 秋は、焼き芋だよな。

 なんとなく、庭の落ち葉や木切れを集めて石を焼いて、サツマイモを並べる。

 孫たちも何人かいたので、爺が芋を焼いて孫に渡すのだけど、

 なんていうか、おれ、爺臭いな、と思いながらもなんとなく、楽しくなるよね。

 このまま本当に死んでも、

 日本は、戦争回避、敗戦回避でるのではないかって、気もするけど、

 朝鮮と仲良くしようというバカがいて、不安なんだよな。

 お前が朝鮮人と仲良くしようとすると、その100倍の日本人が迷惑するんだよ。的な。

 ・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 国家に戦略があるように、民族に戦略があり、

 藩に戦略があり、利権に戦略があり、師弟人脈にも戦略があり、

 そして、家にも戦略がある。

 兄弟喧嘩してたので、3人で創業を起こせと金を渡した。

 おれ、腐っても綾波家当主だから、

 総司(32) 慶司(30) 晃司(25) は、ブツブツ言いながらも、師弟系図を眺める

 師弟閥が3428流が確認されて、同じ科目は50〜200くらいある。

 あとは、掛け算で、師匠に弟子が30〜40人で、

 有力な弟子数人が教師となり、さらに孫弟子という具合に広がって師弟派閥が階層を構築している。

 期待値の高い学閥や教師は、印がつけられ、

 何かを事業を起こすとき、

 器の学校でなく、

 中身の師弟系列で学科を組み合わせて、雇用する。

 幕府と藩で模試試験をすることもあるけど、採点は、あまり考慮されず、

 政官財に蔓延る師弟人脈が期待されている。

 そして、年月を経るほど、この傾向が強まっている、

 あと、生徒は、師匠を選択して自ら学びに行くけど、

 図書館も人が集まって独学している人間も多く、

 なにか研究大系を考察すると、電音で公開したりする。

 金に困らなくなると、こうなるのかね。

 

 未来の日本の学生は、エスカレーターに乗って、そのまま、何も考えず、

 社会という谷底に落ちていったのに (笑

 こんな日本は、知らないぞ、

 ヤバい、ほのぼの系学園モノ作れねぇ

 歴史改変は、予想外の分岐あるから、未来から来たおれまで戸惑わせるわ。

 「あのぉ 父上、我々3人とも仕事を抱えてまして、忙しく、創業など・・・」

 「だったら、才能のあるものやらせればよかろう」

 「ち、父上・・・」

 「なんだ?」

 「い、一体何をしたら・・・」

 「金があっても、何をしていいのかもわからん無能なら、事業を起こせそうな人材も探すんだな」

 「「「・・・・・」」」 ぶっすぅ〜〜

 そう、3人とも相続人として、真面目だし、そこそこで、忙しいようだ。

 しかし、創業となるとからっきしか、

 どこかの天下り官僚みたい (笑

 結局、泣きを入れて仲直りするまで、創業をやらせて、

 “たわし” を渡して、これを作って売れと言った。

 

 

 

 

 

 10月

 パリでムーラン・ルージュ開業

 

 目の前に立っている男が銃を向けて引き金を引いた。

 しかし、銃声はせず、不発。

 何度かトリガーを引いて、引き金を引くけど全て不発。

 そして、護衛のSPに捕らえられた。

 「国防参謀。朝鮮人のようです」

 「そう・・・」

 人は、好景気になると、荒事を避ける傾向が強くなる。

 穢多と非人を新領地開拓で動員する対価で、宗門人別改帳に入れ、無宿人でなくなっている。

 また、14歳以上の男子にバラマキをしてるせいか、幸福度が高くなっていた。

 利権屋が暗殺に払う相場は、金の絡んだ一般的な殺人事件、

 いわゆる忍耐と殺意の分水量があって、その平均金額の1.5倍以上らしい、

 少なくとも、10とか100の端金で、人を殺す奴はいないし、

 ただ金だけで、人を殺せるやつも減ってる。

 最近の相場だと、保身と弱みプラスアルファ10000000・・・・

 ぶっちゃけ、おれも、金もらったって人を殺したくないわけだし、

 日本人の暗殺要員は、世代を経るごとに減少して、

 動機がなければ、天文学的な金額になる恐れもあった。

 このままだと、利権屋は、暗殺要員を朝鮮人脈に頼ることになりかねない、

 朝鮮人は、趣味と実益を兼ねて日本人を殺してくれるので、1000分の1になる。

 まぁ 荒事なんてやらないで、みんなで、平和でいいじゃんってことなんだけど、

 保身とか、お金の量に比例して、殺意も大きくなるんだろうね。

 なんにしても、10000000を ポイッ! と出せて、それを上回る収益をあげるやつなんて、

 政府、藩、産業規模のお金持ちしかいないってわけ、

 

 

 

  

   11032t級エカチェリーナ2世級

    全長103.48m×全幅21.03m×吃水8.66m

    9101馬力   15.25kt   航続距離2320海里/10kn

    30口径305mm連装露砲塔3基    35口径152mm砲7門

    20口径63.5mm砲2門   43口径47mm砲8門  23口径37mm単装砲4門

    356mm水中魚雷発射管7門

 

 

 

 11月

  インディアン戦争

   カナダのブリティッシュコロンビア、アルバータ、サスカチュワンと

      アメリカのモンタナ・ワシントン、ノースダコタ、サウスダコタで激戦。

  婦人記者ネリー・ブライが80日間世界一周に出発(翌年1月25日に72日間余で帰着)

  東京湾汽船(後の東海汽船)設立

  グスタフ・マーラー交響曲第1番(初稿)初演(ハンガリー国立歌劇場)

  歌舞伎座開場

  最初のジュークボックスが登場(サンフランシスコ)

 

 最近、共産主義思想が日本に上陸している。

 年代的には、問題ないのだけど、

 たぶん、長崎経由な気がする。

 ていうか、綾波閥に勝とうとするなら、対抗するだけの才覚とか思想を持つか、

 欧米列強に頼るしかないわけで、その一つの代案が共産主義らしい、

 共産主義は、資本の偏在が許されず、競争する意味を失い、

 労働意欲は失われ、生産が劣化縮小する、

 働いて生産しない、生産した物を運びもしないのに店に行列を作っても、

 店頭に商品がなくて当たり前で、並ばずに働いて生産すれば、店頭に品物が並ぶ、

 そんな共産主義の未来の話しをしても、ピンと来ない連中が、共産主義思想を利用して、おれを責めるわけ、

 ひょっとして、資本主義がうまくいかないので共産主義とか。

 いや、共産主義なら、あんたたち以上によく知ってるし、結果もわかってるから (笑

 

 

 師弟人脈が作られると困るのが、年功序列と、派閥と、利権で膠着してしまうこと、

 もちろん、未来の日本のように東大のキャリア独占じゃない、

 最低でも21の藩が独自の学閥を持ってるし、

 学校は、維持費ばかりで、

 幕府、藩、資本、個人が利益になりそうな研究目的の達成に報奨を出す形で、

 それに学閥が引っ張られる構造になっている。

 成功すれば、報奨の分配率で、利権が生まれるのだけど、

 それが電話・電音網を使った二進法32桁・64桁文字通信法と印字機械で、

 次の段階で、32桁・64桁の命令語の研究も始まる。

 まぁ プログラム言語のことだけどさ、

 映画フィルムみたいなものにプログラムの穴をあけ、機械に読み取らせて、ピアノを弾かせてみた。

 だからどうした。普通に音楽を流せばいいって事なんだけど、

 遠隔操作だし、汎用性は高いし、

 検索で必要なものを探しやすいのなら省庁で欲しがるだろうし、

 艦内でも半自動制御で機械を動かせるなら員数を減らせそう。

 あと、将来、コンピューター言語に流用させるつもり、

 

 

 

 

 12月

  日本麦酒目黒工場(現恵比寿)完成

 

 信越藩300万石

 新潟から長野にかけて横たわる藩で、中心は、新潟にあって、

 第13代越後長岡藩牧野忠毅(30)が藩主だけど、

 無理な統廃合のせいで権力が安定していない、

 かと言って、国政で財政を決める藩の石票を失うわけにもいかず、

 モザイクみたいな藩議会でいつ藩主を変えられるかって感じになってる。

 と言っても、変わる藩主格の元大名も石票が足りず、仕方なく、寄せ集まっている。

 そういう藩は、かなり多い、

 独裁する気がないなら、それはそれで、いいのかもしれないのだけど、

 足ばかり引っ張られると、物事が進まない、

 そういう藩なのだけど、

 外国語習得率は、よかったりする、

 ヘブライ語、オスマン語(トルコ・アラビア語)、ペルシャ語、

 ブルガリア語、グルジア語、

 アチェ語、タイ語、ベトナム語、漢語、

 スペイン語、英語、ドイツ語、ロシア語、フランス語があって、習得者が少しずつ増えている。

 おかげで海外貿易と情報が増えている。

 資源とか市場とかが目的の交易が中心なので、欧米より、アジア、中東との取引が大きいかな。

 あと、西洋コンサートホールが完成した。

 いいよね。日本アルプスでオーケストラとか。

 各藩ごとにオーケストラが作られていて、信越藩でも他藩に負けたくないのか、

 長崎に楽団を派遣して、訓練させたらしい、

 楽器製造は、模倣で欧米技術に追いつきそうだけど、

 オーケストラの育成は、数世代かかりそう。

 だけど、蓄音機(レコード)で欧州の演奏を記録してるので、

 練習を続ければ、欧州のオーケストラに近づけやすいかもしれないけど・・・・・・・酷いもんだ。

 

 

 そうそう、未来情報で、ユダヤ系組織の意図がわかってるので、公開しとこう。

 『シオンの議定書』

  第一の議定

  我々は空しい言葉の遊戯を捨てて、思想の本質を究め、比較と推理で事態を明らかにしよう。

  この方法で我々の思想が、ユダヤ人の立場と、非ユダヤ人=ゴイム(家畜=豚、家畜化)の見地からして、

  どんなものになるかを、はっきりさせるつもりである。

  この世界には性善なる人間より、低俗な本能に生きる者のほうが、遥かに沢山いることを忘れてはならない。

  だから政治においてもっとも効果的なのは、学者の議論などではなく、

  《暴力》と《恐怖》なのである。

  人間と称する残忍な獣を現在まで抑え、つないできたのは、そもそも何であったろう。

  人類社会を形成した原始のころには、荒々しい暴力に服したし、

  その後には法律に従うようになった。

  だが、この法律にしたところで、所詮仮面を被った暴力に他ならないではないか。

  こうした自然の法則から推して、正義は力であるといってよいであろう。

  民衆はどんなことにせよ、表面しかわかってないし、非理論や矛盾に誘われやすいが、

  そんな者を相手に理性的な助言や説得が功を奏するだろうか。

  彼らは浅はかな感情、迷信、習慣、伝統、感傷的な説に同調しやすく、党派根性に陥りがちである。

  この党派根性というものは、どんなに論理的な合意といえどもぶち壊してしまうものである。

  民族の決議はすべて偶然か、表向きだけの多数決によるのだが、

  それは政治の裏取引きを知らないために、みすみす理にかなわぬ議決をさせられ、

  政治の中にアナーキズムの芽が兆すのである。

  モラルに制約される政治家は、政治家失格である。

  そんなことでは、とても権力の座を維持できない。

  政治家たるものすべてから策謀と偽善を用いなければならない。

  民衆にあたって、美徳とされる誠実や率直さは、政治においてはむしろ罪悪である。

  どうしてかといえば、こうした徳目は最強の政敵よりも、いっそう確実に政権を転覆させてしまうからである。

  これらの道徳は非ユダヤ人の特徴であってもよいが、我々ユダヤ人は、決してこれを学んではならない。

  アルコールに酔い痴れ、みずからを喪ったあの動物どもを見たまえ。

  自由が彼らに泥酔を許したのだ。

  もちろん我々ユダヤ民族はこんな状態に陥ってはならない。

  非ユダヤ人は、強い酒に浸って馬鹿になっている。

  彼らの青年は古典の過度の研究で頭がボケており、

  さらに我々の手先――

  つまり金持ちに雇われた家庭教師、メイド、家政婦や、娯楽施設にいる女たちにより若いうちから悪徳に誘われる。

  「社交界の貴婦人」も同類で、放蕩や贅沢の真似に忙しい。

  自由という空しい観念は民衆をかり立て、

  統治者などは、国家の所有者たる人民に委任された管理者に過ぎず、

  使い古しの手袋のようにいつでも取りかえられるものだ、と思いこませることができた。

  人民の代表者が自由に取替えの効くものだということは、我々の思う壷で、

  実際に代表者の任命は、我々が握ったようなものである。 

 

 

 

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  おれ   妻 千代 (48)   総司(32)  慶司(30)  佐奈(28)  晃司(25)

 

 

 

 

雁皮   高額手形・高額紙幣・株券    “鳳凰   ×××××   青龍”

紙幣

楮    “雉  10000文  松”

三椏    “竹  5000文  鶏”

綿・マニラ麻    “鶯  1000文  梅”

綿・マニラ麻    “桜  500文  雲雀”

綿・マニラ麻    “燕  100文  菊”

硬貨

 銅・ニッケル 50文

 銅・錫    10文

 銅・亜鉛   5文

 アルミニウム 1文

 

 

 史実3947万人

 戦記8361万人

 

 

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第38話 1888年 『アブラハムの権能は・・・・』
第39話 1889年 『国家と。民族と。宗教と。』
第40話 1890年 『二つ名は、レッドボール・ガーディアン』