月夜裏 野々香 小説の部屋

    

錬成系 維新戦記 『1kg級魔法使いで』

 

  

 第48話 1898年 『斜陽スペインの本気』

 

 ユダヤ暦5658年  皇紀2558年  安政44年

 第121代孝明天皇(67)   第15代将軍前田利嗣(39)

 

 時の権力者や利権に都合のいい、年号と事柄だけを覚えさせられるなど、退屈、極まりない、

 歴史は、時の権力者や利権にとって都合のいい史実と、

 権力者や利権に都合の悪い陰謀論込みで、学ぶ方が刺激を与える、

 仮に陰謀論がフィクションでもファンタジーでも、それは、歴史を楽しむ要素になるし、

 歴史を魅力のある科目させ、豊かな文化を作る原動力になる、

 未来の日本の歴史教科書は、味も素っ気もなく、眠くなるばかりだったよ。

 歴ヲタのおれでさえね、

 何度も、何度も、

   このブタ野郎! 教壇から降りろ、いや、もう、死ね!

 と、何度も、心の中で叫んだね。

 喉まで出かかっていたけど、言うと、単位が貰えなくなるので、黙ってたけどさ、

 この世界の幕藩連合は、統合教科書と別に、21の藩史を教えることができ、強い地域性を持っている。

 まぁ 藩史が正しいか、わからないけど、

 地域の歴史認識の差異があるほど、

 学ぶ者は、歴史に興味を持つし、どっちが正しいのだろうと思うわけ、

 実のとこ、歴史認識で、ごちゃごちゃと、

 ああでもない、こうでもないと話すのが、歴史の醍醐味で、楽しいわけよ。

 おれの学生時代は、専門の先生様に依存するだけで、そういう相手がいなくて、寂しい学生生活でした。

 ちなみに韓国人の歴史は、論外だけどな (笑

 

 

 

 葉隠にある 武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり は、潜在的に影響を与えているのだけど、

 何を見つけるのかは、観念の世界にあって、自律性に任されているのに対し、

 旧約聖書において、神に命じられた約束は、強制で、明確な文として残されている。

 この違いが南ユダ諸派と、宿命観を失った北イスラエル王国の末裔の違いと言える。

 神との血統的な資質でなく、

 神との約束が人類史を創作する原動力に成り得たのかもしれない、

 とはいえ、この世界の日本は、北イスラエル王国を継承し、

 旧約・北イスラエル王国の歴史と、古事記・日本書紀・日本の歴史を結合させている。

 まぁ おれが歴ヲタだから、やったことだけど (笑

 オスマン帝国パレスチナの北イスラエル区画は、日本が軍工廠を建設し、

 足場を作って、南ユダ諸派を結集させようとしている。

 黄色人種系南ユダ諸派だけどね (笑

 

 さてと、今年は、米西戦争だし、

 おれ、まだ、若返ってないし、

 扶桑で隠遁生活なんだけど、

 23歳だから政界入りは早いけど、人脈だけは作っておかないとな。

 マジで、まずい。

 あーー 空から女の子が降ってきて、この窮状を救ってくれないかな。

 ていうか、これ、日本引き籠もり協会の陰謀だよ。きっと (笑

 

 

 

 

 1月

  エミール・ゾラがドレフュス事件に関する公開質問状を掲載(J'accuse)

 

 電音を聞くと、南ユダ諸派ハザール系は、積極的に日本に浸透している気がする。

 この浸透力は、まったくもって、日本人の理解を超えてるのだけど、

 国土を持たない流浪の民である背景と、

 金融利権という国土と、紙幣という兵力を支配している現実と、

 歴史観世界観の違いが動機と原動力になっていると行き着くわけで、

 この経済侵略戦争に抗う国家戦略を持つ国家と民族が存在してない、

 まぁ 篭絡されたことのある俺が言うのもなんだけどね (笑

 それは、そうと、財力に任せて、時司名義の工場建設と、扶桑温泉街建設計画が進んでいるし、

 越冬組が増えるかもね。

 しかし、新興企業を興そうとすると、

 売り上げが減らされる既得権益が、ヤクザな当て馬を使って、嫌がらせをする、

 ほら、時代劇で、代官と大商家が、当て馬の利権ヤクザを使って、弱い者イジメをするお決まりのパターンね。

 あと、高級娼婦みたいな、お偉い先生に付け届けして、

 既得権に都合のいいことを言ってもらうとかな。

 利権ヤクザが日本人なら嫌がらせで済むけど、

 朝鮮系日本人ヤクザだと、半殺し、

 在日ヤクザだと、殺されて、すべて奪われる、

 そして、足を引っ張れば分け前を渡すとかで、

 キチガイみたいに騒いで人数を動員して日本人同士を仲違いさせる。

 そんな連中・・・

 

 

 

 今日は、エアロゲル(凍った煙)の研究

 エアロゲルは、カボンナノチューブと並んで、有用で、

 一度、コツを掴むと、シリカゲル、ケイ素、アルミナ、酸化クロム、酸化スズを使って錬成できる。

 1kgもあれば、相当な断熱保温効果があるし、真冬の扶桑で凍死を免れそうだ。

 まぁ 防御でも、そこそこ使える。

 それは、それとして、まぁ公表しない方がいいかもしれないし、

 開発して、扶桑開発で使いたい気もする。

 ていうか、まだ製造できるないので、おれ専用の秘密基地とか (笑

 

 

 

 米西戦争が起こればよし、米西戦争がなくてもよし、

 この世界の日本の分岐というか、架空戦記を検討検証している、

 未来の日本みたいにアメリカに占領されると

 国賊の政治家、官僚、資本家が、売国奴にさせられてしまう。

 国民は、税制と財政の両方で兵糧責めされ、

 愛国者ぶった利権屋に騙され、人道者ぶった人権屋に搾取され、

 弱いもの順に自殺や犯罪者へ追い込まれてしまう。

 ほとんどの人間は、見ざる聞かざる言わざるで、

 少しでも真っ当な人間は、SSXハーロ×ク気分で、占領軍と、隷属政府相手に戦わされる。

 ていうか、真っ当な人間がアウトローにさせられるとか、未来の日本人が惨め過ぎるわ、

 ていうか、黙して語らずとか、女子供って気がする。

 まぁ この世界は、銅本位制で、金融バラマキを続ける限り、金融支配されにくいだろうし、

 日本人も奴隷にされない気がするけど。

 権力志向の天下り世襲閨閥は、不確定要素だし、

 利権ヤクザは、国体を危機に晒しても利権を守ろうとするから危険かな。

 そういうの、たくさんいるから・・・・

 

 

 

 2月

  ハバナ湾でアメリカ海軍の戦艦メイン (ACR1)が爆発し沈没(米西戦争の一因)

  大師電気鉄道(後の京浜急行電鉄)創立

 

 電音でニュースが入ってきた。

 まだ、インディアン戦争が続いているというのに・・・・

 米西戦争が始まりそう。

 アメリカは、なにを考えてるんだろうな。

 たぶん、日本がスペインに軍艦を輸出しているからかな。

 このままだと、スペイン艦隊は日本製になってしまう的な。

 だけどさ、日本がスペインに軍艦売ったからって、たいしたことないよ。

 スペインは、封建貴族制度が強すぎて、指揮官が劣化してるし、勝てないんだよね。

 封建系利権政治は、閨閥と世襲と年功序列で人材が乏しいからね。

 まともな指揮官がいないし、平気で兵士を犠牲にする。

 それだけならともかく、

 叩き上げの士官・将校が少なく、

 現場がわからないから何ができるのか、何ができないのかわからないときている。

 戦場で、現実から隔離した想像で机上の空論をやられたら迷惑だし、

 現場で不可能な指揮なんてされたら負けるに決まってる、

 これだと、末端の兵士は、白けるし、戦意どころか士気低下が止まらない、

 まぁ 日本の現状も似てるけどね。

 幕藩連合軍は、兵器で優れてるし、武器弾薬量も多いけど、

 バルナ・バトゥミ防衛戦で戦った将兵を除くと、

 実戦経験皆無の武士階級が大半を占めてるし、

 そして、兵士の大半も実戦経験がないわけで、戦争したくないんだよね。

 なので、日本が戦争するとしたら、防衛戦で最小限の被害で戦訓を積ませつつ、

 無能な将校を更迭して、

 戦力を整えて反撃っていう軍事教本なのだけど、

 立身出世の為か、無視して、攻勢をかけたがる手合いが多い・・・

 まったく、人的資源を浪費するなって思うのだけど、

 行政官僚には、自身の誉れや保身のためなら、数万人殺せる連中が腐るほどいやがる。

 まぁ 未来の日本もユダヤ人の手下みたいなのがいたよね。

 前線の将兵を飢餓状態で放置して、立身出世した将校とか。

 消費税で、失業、犯罪、自殺者が増えても良心の呵責を感じない官僚がさ、

 

 

 そうそう、スペインから日本に軍艦発注が相次いでるらしい、

 対価は、植民地だそうだ (笑

 

 

 3月

 ハバナ湾の戦艦メイン爆破は、アメリカが仕掛けた陰謀なのだろうけど、

 事前にアメリカ軍需産業株を買っておくと、大儲けなわけ、

 それは、それとして、陰謀論は、疑われやすいのだけど、史実を疑うべきな気がするね。

 

 

 史実だと三国干渉で、ロシアが遼東半島。ドイツが山東半島。フランスが広州湾に足場を作ったのだけど、

 この世界は、まだかな。

 たぶん、日清戦争を待ってる感じかな。

 おれは、戦争させないよう誘導するけど、政界に出るには、人脈が・・・

 そして、人脈を繋ぐには、まだ、若返りが・・・

 ていうか、自分の体重以上に痩せて、若返るとか、どんだけ食えばいいんだよ。

 

 

 印刷された5000文札を入手したので見たけど、

 うぇえええ〜〜〜

 1000文札と同レベルの出来に軽いめまいを感じたよ。

 どれくらいの出来かというと、

 これなら、偽札いけるんじゃね的な (笑

 10000文札は、錬成を再開したから瑞穂紙幣の命脈を保てそうだけどさ、

 印刷できるのなら、瑞穂じゃなくてもいいんじゃねって、思えるわけよ。

 まぁ 印刷物なんだから、しょうがないんだろうけどさ、

 戦争準備のためでもあるね。

 やろうと思えば、公共投資と設備投資を繰り返すことで、社会資本を増やし、

 食料増産もできるのだけど、

 権力強化や穀物単価当たりの利益を増やすため、農業用高層建築の建設を妨害し、

 食糧難を口実に国際協定を結ばせ、

 国際軋轢を利用し、紛争を理由に戦争したがる勢力が存在する。

 そうなるよう大学教授に金を払い、新聞と雑誌と書籍を利用し、世論を誘導する、

 事前に戦争特需で儲けられるよう戦争産業へ増資し、株を購入し、

 社会資本と雇用を減らし、国際協定を結ばせ、国際詐欺で破綻させ、戦争させる。

 そして、そういった動きがあるのも事実で、人の不安を煽ってくれる、

 まぁ 前提として、戦争できる日本が戦争回避の努力をするだけで、

 日本を戦争できない国にするつもりはないけどね。

 

 

 

 4月

  米西戦争

    アメリカ海軍がキューバの海上封鎖を開始

    アメリカがスペインに宣戦布告

  トラピスチヌ修道院創立

 

 銃剣術の鍛錬をしながら、電音を聞いてたら、

 ああ〜 アメリカやっちまったぜ、米西戦争 (笑

 近視眼な利権勢力は、単純に利益が大きいからアメリカの味方をしたがる。

 だけど、遠史眼な戦略とか国益で考えると、採算度外視でスペインの味方かな。

 シナリオ通りなら、日本がスペインを応援して、アメリカを疲弊させることになるけど、

 ちょっと、不安。

 しかし、どうやって、政界に入っていったものか。

 この世界の日本は、公武閨閥が幅を利かせている。

 おれの場合、綾波の隠し子なので綾波裏閨閥になるけど、そっちは使いたくない。

 なので、師弟人脈からになる。

 学ぶ側が自由に科目を選択するので、文系と理系に分かれていない、

 というより、武系もかなり強い、

 一部の人間は、得意な分野に集中して歪な知識になるけど、

 ほとんどは、将来を見据え、総合バランスを考えて学ぶ、

 藩の政治学閥師弟人脈で、

 戦略、歴史、経済、工業、資源、金融、財政などを学び、政治の世界に入っていくか。

 省庁の実務の叩き上げから政界に入るか。

 大会社で成り上がる。

 あと、武術人脈から政界に入る道もあるらしい、

 

 

 

 

 日常会話が懐かしいな。

 天気がいいねとか。

 あそこの店の、あじの梅みそたたきは、美味しいねとか。

 近所の山田さんは、喧嘩早いから困るとか。

 なんていうか、

 人は、一人では生きていけない、

 幻聴が聞こえそう (笑

 なんとか言えよ。×夜×。お前でもいいからさ、

 退屈なんだよ。

 

 

 

 5月

  米西戦争 マニラ湾海戦

 

 電音で報告が届いた。

 アメリカ艦隊は、香港から出撃した。

 既に圧倒的な戦力差で、勝利は確実視されていた。

  アメリカ・アジア艦隊

   5870t級巡洋艦オリンピア(203mm砲4門)  4413t級巡洋艦ボルチモア(203mm砲4門)

   3213t級巡洋艦ローリー(152mm砲1門)

   3000t級砲艦ペトレル(203mm砲6門)    1710t級砲艦コンコード(152mm砲6門)

   4413t巡洋艦ボストン(203mm砲6門)

 

  スペイン・アジア艦隊

   3520t級帆走艦レーナ・クリスチナ(157mm砲6門)

   3260t級帆走艦カスティーリア(127mm砲4門・119mm砲2門)

   1045t級帆走艦イスラ・デ・キューバ(119mm砲4門)

   1045t級帆走艦イスラ・デ・ルソン(119mm砲4門)

   1160t級帆走艦ドン・アントニオ・デ・ウロア(119mm砲4門)

   1159t級帆走艦ドン・ファン・デ・オーストリア(119mm砲4門)

   500t級帆走艦マーキス・デル・ドエロ(157mm砲1門)

 

 マニラ湾海戦は、初期。アメリカ艦隊が優勢だった。

 3260t級帆走艦カスティーリア。1045t級帆走艦イスラ・デ・キューバ。

 1045t級帆走艦イスラ・デ・ルソンが沈没していた。

 しかし、そこに日本で建造されたばかりのペラヨ型戦艦2番艦

 10000t級戦艦サン・フェリーペ(35口径320mm砲2基。35口径280mm砲2基)が現れたことで、

 戦況が変わる。

 湾の入口を押さえた戦艦サン・フェリーペは、アメリカ巡洋艦部隊の脱出と砲撃をものとせず、

 順番に撃沈し、ついには、アメリカ艦隊を全滅させてしまう。

 戦艦サン・フェリーペは、慣熟航海中で、将兵が不足していたけど、

 就役のための整備をしていた民間人の日本人が協力していた。

 明確な参戦行為なのだけど、

 まぁ おれが申し送りしてたので、そんな風になってしまった感じ、

 そして、フィリピン領海の制海権を確保したスペイン海軍は、反撃を開始できる。

 

 うぅぅ・・・ 

 扶桑資源の探索行きたいのに、

 米西戦争が気になって、動きにくいぜ、

 まったく、困ったもんだ。

 てなわけで、銃剣術の鍛錬かな。

 

 そうそう、ドイツが小銃Gew98(7.92×57mm)を開発した。 

 ドイツが日本の小銃と同じレベルの小銃がようやく誕生という感じ、

 

 

 6月

  米西戦争 アメリカ軍がグアンタナモ湾に侵攻

  清、戊戌の変法運動が起こるが、戊戌の政変により失敗

  保安条例廃止

 

 電話・文字通信によると、

 幕藩連合は、スペインと協定を結ぶことができたらしい。

 内容は、軍艦30万tと、スペイン領フィリピン・マリアナの交換で、10000tと10000kuの交換率、

 とりあえず、12000t級ペラヨ型拡大改良型(320mm連装砲2基)戦艦4隻の建造が発注され、

 4000t級青葉型15隻。5000t級征夷型12隻の機帆船27隻がスペインに売却されることになるらしい。

 30口径200mm砲4基を装備してるので、そこそこ戦えるはず、

 それで、日本は、マリアナ列島とフィリピン領の160000kuを会得したらしい、

 マリアナ諸島と。フィリピンの北半分が日本領になったと考えてもいいだろう。

 アメリカにしたらスペインの植民地を取ろうとしたら、取ることもできず、

 スペインの軍拡に比例して、奪うはずだったスペイン領が日本に譲渡されたら泣きたくなる状況だろうか、

 まぁ これだから、戦争は、やめられない、みたいな。

 もちろん、日本は戦わないけどね。

 

 

 腹ごなしに、真剣を振り回し、畳巻きを斬っていく、

 印を付けた線で切れていればよしで、速さと力は二の次、

 真剣を持つのは、未だに怖いし、魅了される。

 ホラーが気分になれる、みたいな。

 実戦を謳う道場が、安物の真剣で、ゆっくり、型を打ち合うことも少なくない、

 真剣を向け合うと体が縮むし、震えるよ。

 桜田門外の変で、安楽な生活をしてきた世襲武士の子弟が逃亡したのを見てたからね。

 最近、武士の世襲力が崩れてきてるから、

 言う事を聞く子弟より、家を守れる子弟を後継にすることが増えてる、

 臆病な子弟は、減ってるらしいけど、

 鍛錬しても、少しばかり生き残りやすくなるだけで、

 死ぬときは、あっさり、死ぬ。

 生存率を上げるなら、人の3倍くらい鍛錬しないといけない、

 

 

 日本から届いた漫画を読むと、画力の水準が上がってるので、かなり嬉しい、

 内容は、21の藩で違うのか、未来の日本より多様多彩で、面白い気がする。

 それはそうと、外資系仕様らしき漫画も発行されているようだ。

 ユダヤ型金融利権とか、お金持ちは、楽しいから格差を広げろ的なもの、

 あと、キリスト教賛美と、フェミニズム・男女同権・一夫一婦制・・・・

 この世界の日本は、一夫一婦制じゃない、

 それどころか、欧州から若い娘を大量に買ってる。

 いわゆる人身売買だけど、

 権力層や富裕層は、側室を持っていたり愛人を抱えてる。

 といっても、デタラメに多いというわけでもなく、せいぜい、1〜4人くらいで、

 正妻に劣るものの、財産分与が決まってる。

 もちろん、よほどの女好きでもなければ、大半が、一夫一婦なのだから、

 気にするほどのことはない気もするね。

 

 

 21の藩から扶桑投資が増えている。

 これは、将来、扶桑の藩制化を見込んでのことで、

 藩主は、農業用高層建築を建設すると、石票権と利益配当権だけをもらい、

 土地と建物も農民に売ってしまう。

 早い話し、その土地の石票権と利益配当権が銅行と幕藩連合議会で、確認されている限り、

 藩主は、石票という議決力で、議会権力を維持でき、広く浅く利益が得られる、

 これが農業用高層建築が居住用農業建築と並んで、建設される理由なわけだけど、

 当然、政敵も同じ理由で、農業用高層建築を建設するものだから、

 自然に建設ラッシュになっている。

 建設慣れした業界は、価格を抑えつつ建物を改良し、

 寒冷地でも石票を得るため農業用建築が増えている。

 そういや、おれが樺太藩主やってた時も、他藩の投資で建てた農業用高層建築があって、

 樺太藩議会で、おれの権力基盤を崩しにかかってきた藩が幾つもあったな。

 ていうか、現在進行形らしいけどね。

 

 

 7月

  イギリスが威海衛を清から租借

  米西戦争

   サンティアゴ・デ・クーバの戦い、

   アメリカ海軍がスペイン艦隊を撃破しキューバ近海の制海権を獲得

    アメリカ艦隊

      戦艦テキサス  アイオワ  オレゴン  インディアナ

      装甲巡洋艦ブルックリン

      砲艦グロースター  ヴィクセン

 

    スペイン艦隊

      6890t級装甲巡洋艦インファンタ・マリア・テレサ型装甲巡洋艦3隻 (35口径280mm砲2基)

            インファンタ・マリア・テレサビスカヤアルミランテ・オクェンド

      7970t級装甲巡洋艦クリストーバル・コロン (42口径240mm砲2基)

     駆逐艦フロール  プルトーン

 

    アメリカ軍がサンティアーゴ・デ・クーバを占領

    アメリカ軍がプエルトリコに侵攻

 

 キューバを巡る米西戦争は、史実通り進んでるみたいだけど、

 青葉型と征夷型のスクーナー機帆船25隻がスペインに引き渡される。

 スペイン艦隊将兵は、気に入ったのか、喜んでいるらしい。

 

 

 また、鮭の季節、

 川で鮭を採ってると、熊がいる。

 猟銃を持ってるけど、あまり近づいて欲しくないと思うし、

 同時に大自然の中で、共存してる気分にもなる。

 でも、こら、こら、熊。

 せっかく作った鮭を採る仕掛けを壊そうとするなよ (笑

 

 

 

 8月

 史実だと、アメリカがハワイ共和国を準州として併合したけど、

 この世界では、ハワイ王国が健在かな。

 

 そして、今年の扶桑人口107440人。

 やっと10万人が住んでる地域になったわけだけど、

 大きな大地に小さな人口なので、まだまだ、寂しい。

 

 そうそう、スペイン海軍が通商破壊を開始したらしい、

 史実だと、停戦だけど、

 この世界だと、頑張るみたいだ。

 頑張れ、スペイン、応援してるぞ (笑

 

 

 未来の日本歴史は、守護地頭 ⇒ 守護大名 ⇒ 戦国大名 ←→ 幕藩体制 ⇒

 薩長外資閨閥大名 ⇒ 敗戦利得利権の流れになっている。

 薩長の明治維新を失敗させ、

 二律背反の幕藩体制から、積層モザイクの幕藩連合に移行できたのは、行幸かもしれない、

 中小藩の統廃合で、権力基盤が弱く、藩主の世襲が困難だけど、

 政権交代が行われるなら不正が少ないだろうし、

 領民にすれば、生活しやすいかもしれない、

 

 

 

 電音によると、アメリカ系の利権屋が中立しようと騒ぎ出した。

 強い国が弱い国に勝ち続けたら、日本も強い国に滅ぼされるだろうが、

 今の日本は、余裕があるからって、アメリカ合衆国の潜在国力は高すぎる。

 

 

 

 

  

 9月

  オーストリア皇后エリーザベトが暗殺される

 

 今日は温泉街で、ゆっくりと、している。

 仮名を使っているというか。時司の秘書という立場だね。

 まぁ 誰とも交流を持てない不憫な立場だけど、

 なんとなく発展してきてるのがいいよね。

 期間工の人たちも西布哇に戻る前にひとっ風呂らしい、

 時々 綾波の名前が出てくるんだよね。

 親戚が結核から助けてもらったとか・・・

 たまには、人並みの中に紛れるのもいいもんだ。

 そうそう、農業用建物が次々と建設していて、食事内容が多様化している。

 農業用建物だと、農薬がいらない、

 肥料より、何年か置きに土を入れ替えるのだけど、土の厚みが大きいほど、長く持つし、

 扶桑の土は、原生林の土だし、かなりいいようだ。

 そして、余った食料を日本に運んでる。

 

 

 そうそう、史実だと、ファショダ事件で英仏接近したけど、この世界だとないようだ。

 でも、朝鮮半島、台湾、清国でイギリスとフランスが共闘してるしな。

 そのへんは、どうなんだろうね。

 

 

 電音で、日本艦隊がマリアナ諸島と、北フィリピン(160000ku)を接収したらしいけど、

 台湾のイギリス、フランス、アメリカ軍は、沈黙しているらしい、

 不気味だぜ、敵対行為に及ぶつもりがなければいいけど・・・

 

 

 新聞が届いたのだけど、

 アメリカで、朝鮮人が日本の悪口を広めてるらしい、

 あと、日本人に成り済まして犯罪を繰り返して、日本人を貶めるとか。

 アメリカ人にしたら、海の向こう東アジアに悪い人間がいると宣伝しないと、国がまとまらないのか、

 それとも、アメリカが狙っていたフィリピンを、日本がスペインから買ったので、報復のつもりなのだろうか。

 まさか。日西・米戦争に発展しないと思うけど、

 戦争の下準備のつもりかもしれない、

 新聞の仕事に関わればわかると思うけど、

 新聞は、投機や投資じゃなく、売れる内容だから刷るのではなく、

 事前に広告費という形で、底上げされているから新聞を刷れるわけで、

 印刷物は 発行部数 = 売上部数 でなく。発行部数 ≠ 売上部数 ということ、

 これは、未来の印刷業界と同じ、

 新聞だろうと、雑誌だろうと、書籍だろうと、

 別に読まれなくて、そのまま、断裁機行きで、捨てられても、

 既成事実として、発行部数があればいいだけ、

 戦争反対の新聞より、戦争賛成の新聞量が多いとしたら、

 事前に広告の形で、お金を貰っているから発行部数を水増しで刷れるわけ、

 未来の日本だと、パチンコの広告が増えるのも、広告費が出てるからで、

 そう言う意味で、新聞自体が広告というわけ、

 こういう馬鹿げた大ボラをやめる方法があるとしたら、

 召喚系でやってる、生産税を掛けるのが望ましいね。

 もっとも、この世界の日本は、権力を幕藩連合議会の藩主か、藩主の代理が握っていて、

 議決は、紙幣でなく、石票の合計で決まる。

 藩主は、権力基盤を維持できるなら企業誘致を望んでも、

 紙幣欲しさで資本家に媚びたり、

 民主化してないので民衆に頭を下げる必要がない、

 政経分離ができてるわけで、幾ら新聞を刷ったからといって、

 戦争するしないを決めるのは、21人の藩主たちで、

 今のところ、戦争する気がないらしい、

 

 

 

 10月

 スペイン艦隊が通商破壊でアメリカ海軍を苦しめてるらしい、

 4000t級青葉型15隻、5000t級征夷型12隻は、旧式でも通商破壊向きの大型半武装機帆船で、

 本気で活動したら、アメリカ海運は、大損害を出すことだろう。

 まぁ 戦い方を教えたのは、おれだけどね (笑

 

 それは、それとして、剣捌きが様になってきたんで、どこかの道場で試したい気になってる。

 やっぱり、一人でやっても、限界があるからな。

 怖いけど、熊でも斬ってみるか。

 でも、やっぱり怖いから、やめとこう。

 

 

 

 

 

 11月

  東亜同文会設立

 

 扶桑圏内電音で、宗教のCMが度々流れる、

 次男坊、三男坊の改宗を狙っての宣伝で、海外地の新興宗教人口比は、日本より大きかった。

 別にどうというつもりはない、

 ていうか、檀家制で安穏としてる宗教が傾いても、それは自業自得で、

 宗教を名乗るなら、キリスト教に負けないくらいの教義力というか、伝染力が欲しいものだよ。

 てなわけで、採れたてのトマトを食べてる。

 いいよね。トマト。

 素人向きの作物だよ。あと、とうもろこしは、もう少し先かな。

 だけど、一人っきりは、退屈だねぇ

 犬と猫は、慰めになるけどさ、

 しかし・・・・

 あああああああーーーーー!!!!

 思わず、大声を出したけど、吹雪に掻き消されたわ

 

 

 

 

 

 12月

  淀橋浄水場竣工

  ピエール・キュリー、マリー・キュリー夫妻がラジウムの発見を発表

 

 幕藩連合幕府は、新たにスペインに青葉型20隻と征夷型12隻で32隻。

 140000t分の軍艦を売ったらしい、

 これで、前回の青葉型15隻。征夷型12隻を合わせると、青葉型35隻と、征夷型24隻の59隻。

 フィリピン全土とマリアナ諸島の全てが日本領になってしまうのだけど、

 スペインは、本気で、アメリカと戦う気になってるらしい、

 ちなみに通商破壊なので、アメリカ艦隊が接近してきたら逃げ出す、

 

 そうそう、紙幣印刷が増える。

 まぁ バラマキだけどね。

 単純にフィリピンの面積比と人口比と、

 初期開発投資分を加味して増刷しないといけないわけで、

 当然の結果なんだけど、フィリピン人に紙幣を上げると、何かと不都合なことがあ起こるわけ、

 なので、その分を国民にばら撒いて、増税して、財政投資で、フィリピン開発をするわけ、

 増税は、地租税だから、お金持ちが、ごねる、ごねる。

 だけど、フィリピン総合殖産会社を作って、利権にすることで、ようやく、って感じ、

 まぁ 扶桑開発や瑞樹開発で、既にやってた単純計算だし、

 慶司(39)にも教えてたことだしね。

 フィリピンを植民地にしたら、当然、って感じ、

 

 

 

 

 

  第十七の議定

   我々同胞は、現在もユダヤ人の信仰や、道徳の掟に背いた者を、

   すべて長老会議に申告する義務をもっているが、

   未来の我々の世界王国でも、これと同じように、

   全人類に犯人告発の名誉ある義務を負わせるのだ。

   こうした方法で我々が意識的に非ユダヤ人社会に広めておいた職権濫用、

   贈収賄といった諸悪を絶滅する。

   そんな弊害を自ら普及しておきながら、というかも知れないが、

   それ以外に彼らの政治、社会を混乱させる、どんな有効な手段があったろうか。

   混乱助長のもっと重要なポイントは、

   秩序維持を果さなければならない高級官僚たちを、彼らの悪癖、

   つまり偏狭性と権力の濫用、特に収賄を盛んにさせたことである。

 

 

 

  第十八の議定

   わがユダヤの王は、目に見えない護衛だけで守られる。

   我々の王が陰謀を怖がって身を隠すのだといった考えさえ人民どもに起こさせてはならない。

   それでは非ユダヤ人支配者と同じことで、王、又はその後裔に対し、

   近い将来の死刑宣告になってしまうだろう。

   王を外面的な警備で防衛するのは、その権力の弱さを露呈したものだ。

   我々の王が人民の中を巡察するときには、

   我々は偶然そこにいた物好きな群集を装ってさり気なく王の周辺を取り巻き、

   いわゆる群衆はあまり接近させないようにする。

   こうした模範を示すと人民もやがて静かに慎み深い態度をとるようになる。

   もっとも、誰かが人垣をかきわけて王に請願書を差し出そうとしたら、

   前列の者がそれを受け取り、みんなが見ている前で王に取り次がなければならない。

   こうすることによって人民は請願書が王に披見され、

   王自ら国務に関心を寄せられることを知る。

   権力威信は人民が「王はご存知なのだ」とか

   「王はわかって下さるにちがいない」と確かに言えるときにだけ保たれるものなのである。

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  おれ   妻 千代 (57)   総司(41)  慶司(39)  佐奈(37)  晃司(34)

 

 おれ、 綾波 源司(あやなみ げんじ)  ⇒⇒⇒  時司史朗(ときつかさ しろう) 23 

 

 

雁皮   高額手形・高額紙幣・株券    “鳳凰   ×××××   青龍”

紙幣

楮    “雉  10000文  松”

三椏    “竹  5000文  鶏”

綿・マニラ麻    “鶯  1000文  梅”

綿・マニラ麻    “桜  500文  雲雀”

綿・マニラ麻    “燕  100文  菊”

硬貨

 銅・ニッケル 50文

 銅・錫    10文

 銅・亜鉛   5文

 アルミニウム 1文

 

 

 史実4288万人

 戦記1億0905万人

 

 

誤字脱字・感想があれば掲示板へ

第47話 1897年 『マクロ経済と、ミクロ経済』
第48話 1898年 『斜陽スペインの本気』
第49話 1899年 『米西戦争延長戦』