月夜裏 野々香 小説の部屋

    

錬成系 維新戦記 『1kg級魔法使いで』

 

  

 第71話 1921年 『見つめるのは30年先の未来』

 

 ユダヤ暦5681年  皇紀2581年  明治20年

 第122代明治天皇(42)   第17代将軍 島津忠重(35)

 

 

 キリスト教連合国

   イギリス  フランス  ドイツ  イタリア  アメリカ

     オーストリア=ハンガリー  ルーマニア  ロシア

       セルビア  クロアチア  ブルガリア  ボスニア  マケドニア  ギリシャ

          インド  清国  朝鮮

       VS

 イスラム教連合国

   オスマン帝国  オーマン  ザンジバル  イラン  サウジアラビア

 

 アチェ王国内戦

 オランダ領インドネシア独立戦争

 

 そんな世界十字軍大戦なんだけど、オスマン帝国は、まだ頑張ってる。

 日本が輸出した武器弾薬が効いてるのか。

 オスマン帝国が自治規制を外した日本・イスラエル自治区の工業力増設で、武器弾薬が増えているのか。

 オスマン帝国は、最強戦闘機と最強戦車を戦線配備して、バルカン・カフカス防衛線を死守している。

 もっとも、戦車と戦闘機が、まだ少ないので、オデッサ作戦は、できそうにないけどね。

 ちなみにイギリス、フランス、ドイツ、アメリカは、クレタを陥落させた後、キプロス島に上陸しようとしているし、

 オスマン帝国もキプロスを守ろうと将兵を増強している。

 あと、清国が軍を増強しつつ、対オスマン戦に派兵してるけど、不穏な動きを見せてる。

 ひょっとして、英仏米露がオスマンより弱かったら、満州とか。半島に・・・・

 

 

 1月

 第17代将軍 島津忠重(35)が日本領フィリピンで、上陸してきた敵上陸軍を撃退する演習をしている。

 おれ、航空参謀だし、同行して、フィリピンの演習をお手伝いしている。

 もう、年下の将軍に、ごますりました (笑

 世界大戦の影響なのか、おれも、戦争準備で忙しい、

 別に戦争したいわけじゃないけど、

 欧米列強が日清戦争に仕向けるよう、清国国内と、日本国内の工作員を操っている、

 その結果、清国艦隊が日本を挑発して、日本の右翼が反清運動を騒いでいる。

 と言っても領海の外をウロウロしているだけなんだけど、

 その手に乗ると、

 日本は、国権が強くなり、民権の力が削がれるので、格差が広がって、既得権が大笑い、

 利権屋は、お駄賃を貰って大儲け

 実に単純な構造なんだけど、

 悪戯に危機感を煽って、国民を騙そうとするマスメディアが少なからず存在している。

 困ったものだ。

 ちなみに、第17代将軍 島津忠重(35)は、綾波学閥派で開戦に消極的で助かる。

 次期将軍もそうあって欲しいけど、だれがなるのやら・・・・

 4発輸送機が戦闘機4機を曳航しながら離陸していく、

 空中給油が困難で、最初からケーブル付きで飛ばすそうだ。

 練度の低いパイロットでも長距離飛行しやすいようにするためだけど、

 そのための特殊機構とか備品とか、重量が嵩んで、うまみがあまりない、

 それでも往復分の燃料をタンクに入れたまま、作戦ができるのだから生存率が高くなった。

 

 

 

 

 

   24000t級戦艦     富士  八島  敷島  朝日  初瀬  三笠

   26000t級戦艦     香取  鹿島  薩摩  安芸  河内  摂津

   26000t級巡洋戦艦  筑波  生駒  鞍馬  伊吹

   36000t級巡洋戦艦  金剛  比叡  榛名  霧島

   38000t級戦艦     扶桑  山城  伊勢  日向

 新型50口径120mm連装砲 (弾頭30kg 初速1200m/s 射程24000m 25発/分)

 新型50口径150mm連装砲 (弾頭56kg 初速1050m/s 射程30000m 10発/分)

 新型50口径300mm連装砲 (弾頭460kg 初速990m/s 射程38000m 3.5発/分)

 新型50口径360mm連装砲 (弾頭720kg 初速863m/s  射程42000m 2.5発/分)

 が開発され、新型砲塔に換装されつつあった。

 砲塔は、新素材で製造され、仰角45度。

 300mm連装砲台は、534tから427tに。

 360mm連装砲台は、615tから492tに削減されてるにもかかわらず、

 防弾と、旋回速度と、制動力を向上させている。

 新型揚弾薬機と、装填装置と、冷却装置により、

 射程と連射速度が向上している。

 口径と違いスペックで評価されにくいけど、命中精度も優れている。

 砲弾は、粘着鋼弾と、対空榴散弾がある

 粘着鋼弾は、被帽に粘着性爆薬が使われ、タングステン弾芯の徹甲弾で、

 対空榴散弾は、VT信管といったら、わかりやすいかも、

 欧米列強が大口径砲を採用しても、なんとか戦える。そんな気がする、

 対イスラム圏と、対スペイン・ポルトガル圏貿易で得られた利益で

 新型砲塔を開発できたのだとしたら悪くない、

 

 

 

 

 

 2月

  ペルシアでレザー・ハーンがクーデターを起こす。

  クレタ島が陥落。

 

 

 フィリピンの旅館で、電映を見ていると、

 イスタンブルの日常生活が映し出されていた。

 庶民は、映写機の前で、日本語で挨拶をしている。

 日本の武器弾薬がオスマン戦線を支えていることは知られているのだろう。

 戦争の割に。首都イスタンブルまで260kmに前線がある割に。身内に戦死戦傷者を出している割に

 たぶん、虚勢を張ってるのかもしれないが、戦線維持が民衆を高揚させているのだろう。

 オスマン帝国空軍は、ガリポリ戦線の制空権を握っていて、

 連合国軍は、物量を生かし切れず膠着状態に陥っている、

 オスマン帝国にとって、深刻なのは、バルカン戦線と、カフカス戦線の方なのだけど、

 冬季明けまで大きな攻勢は、ないみたいだ。

 ちなみにバルナと、パトゥミは、まだ攻撃されていない、

 というより、連合国軍に余計な国を攻撃する戦力がないようだ。

 そして、オスマン帝国戦闘機が空襲に来たドイツ飛行船を撃墜した撮影を映していた。

 軍機より、国威高揚を選択したのだろう。

 

 幕藩連合 情報戦略局

 実際の戦力を図上に配置し検討がされていた。

 とはいえ、制服組は戦況を見る。羽織袴(背広)組は予算を見る。と言われており、

 羽織袴組の心ここに非ずかもしれない。

 「んん・・・ 戦争で、外国の戦略物資が高騰して、開発と建設が遅れているのに、軍は、建艦競争をしたがってる」

 「軍に押し切られると、開発予定が狂いますね」

 「時司殿。気を付けてください。駒を動かしているのは、イスラエルの情報戦略局です」

 「ほかの情報戦略局とも直通で繋がって会話もできますし、電音の向こう側に、将軍がいる可能性さえあります」

 「それは怖い怖い」

 「あと、高級将校の何人かは、配当金に目が眩んでるはず。下知を取られると、厄介なことになりますよ」

 「ふっ・・・」

 「航空参謀殿。よくお越しくださいました」

 「少納言殿。オスマンの戦況はどうです?」

 「オスマン側の地の利と制空権が思ったより大きく、守りきれそうです。欧米列強相手に勇戦していると言えますね」

 「早く映像と写真で、戦訓を確認したいものです」

 「戦場が立体的になると、指揮も大変でしょうね」

 「はい、映像や写真を見なければ、どういう経緯で、戦線が動いたのか、わかりにくいですからね」

 「となると、戦線に一番近いイスラエルの情報戦略局が情報が早いわけか」

 「はい、電音の会話も、イスラエル情報戦略局への質疑が8割を占めてます」

 「オスマンの反撃は、バルカン? コーカサス? ガリポリ?」

 「オスマン軍は、偽電を頻繁に打っていますが、予備戦力が移動したという報告は、受け取っていません」

 「化かし合いか。既に上陸した連合国軍の方がわかりやすそうだ」

 「このまま、日本が武器供給を続けられるなら、オスマンは、負けないかもしれませんね」

 「しかし、日本商船が、インド洋で清国艦にまとわりつかれている」

 「日本船が攻撃されたのですか?」

 「いや、報告では、船籍と、積み荷と、目的地を聞くだけのようだ」

 「清国は、欧米金融マフィアに脅されているそうです」

 「清国とは事前交渉を済ませている」

 「清国が暴走して侵攻してこない限り、清国に何かするつもりはないよ」

 「そうあって欲しいものです」

 「これから農業用高層建築を建設して、石票で主導権を握ろうという時に、白蛮人に邪魔されてたまるものか」

 「御膝元は、大丈夫ですか?」

 「ああ、忠誠心の強い家臣団がまだ多く残っている」

 「ほかの藩と、比べて、ですね」

 「出向が多いからな、それでも、二代目になれば、薩摩藩に従ってくれるよ」

 「ほかの藩のように幕強藩弱が進んでないということですね」

 「天皇贔屓が過ぎたり、藩外企業を引き込むと、藩色が薄まるからな」

 「そういえば、来年は、天皇陛下がフィリピン巡幸をされると聞きましたが、なぜ、この時期を選んだのですか?」

 「さぁ フィリピンの平定も進んでるし。神社に奉納するだけで、天皇の権威が強まるし」

 「老いる前にフィリピン巡幸を済ませた方がいいと思ったのだろう」

 

 将軍と天皇家は、補完関係にありながら、政治的には、競合していた。

 何かの切っ掛けで、周りにいる者たちが、天皇系がいいと言い出しただけで、引っ繰り返ってしまう。

 それくらい危うい権力といえる。

 実のところ、北イスラエル親衛隊の主導権を握っているのは、天皇・公家衆で、

 将軍・藩主は、内政を執り行っているものの、

 藩主数は21人で変わらないのに、100万人長議員は119人もいて、気圧されてる状況にあって、

 来年は、さらに増える。

 もちろん、議会は、石票の合計で、決議されるのだけど、

 権謀術数と、意見次第で、石票が流れてしまうわけで、

 将軍は、いつ首を挿げ替えられてもおかしくないし、

 藩主も、藩議会の調整を誤ると、石票持ちの、ただの藩議に落ちぶれてしまう。

 旧大名280人で藩議に居座ってる者は200人に満たない、

 そして、成り上がりの石票持ちは、依然として増え続きつつあった。

 そう、伝統的な武士の権威で居座ってる大大名が、

 1000万人長に将軍職をとられかねない事態も予想されている。

 ちなみに、そういう架空戦記が売られていて、

 庶民が興味深く読んでいるのだから、武士階級も戦々恐々と言える。

 

 

 フィリピン鉄道に乗って、資源探し、

 鉄道が一巡すると、次は、飛行機で資源探し、

 資源帯を見つけると美味しいからね。

 あとまぁ 現地で、未来情報を利用して中小企業診断士みたいなこともやってる。

 もうかりまっか (笑

 フィリピン人は、少しずつ人口が増えてる。

 土木建設で雇われ、所得が増え、生活しやすくなってきてるのかもしれない、

 ちなみに幕藩連合議会で、教育1対16法が確立されいる。

 発端は、良心的な日本人が多いのか、フィリピン学生が増えているのに、

 元々 フィリピン人は、国籍がなく、地租税の枠外で、

 仮にフィリピン人に教えても幕府からも藩からも給与の支払いはなかった。

 しかし、金にもなからないのに、フィリピン人に教える日本人教師は徐々に増え、

 仕方なく、フィリピン人からは、授業料を徴集する制度化で議会が動いたらしい、

 早い話し、フィリピン人に教えるのなら日本人に教えた方が得だろう幕府案で

 日本人 対 先住・外国人で 1対16

 ハーフで1対8。クォーターで1対4。

 ワンエイスで1対2。ワンシクスティーンス1対1となった。

 フィリピン学校で、フィリピン人16人に教えて、

 日本人1人に教える給与にする法案は、先住・外国人に対する一つの目安になった。

 あと、藩が先生に支払う給与分もあるので、そちらが、横並びするのか不明だった。

 少なくとも、植民地フィリピンでは、採用されているけど、

 それは学校で教える師匠の給与の話しで、

 既にバラマキで日本人と所得差のあるフィリピン人の賃金に反映されるかは、別だった。

 

   

 電映

 オーストリア=ハンガリー帝国の映像で、

 警察がウィーンでテロを起こしていた犯罪組織を銃撃戦の末、殲滅していた。

 ピエロ男たちの死体が暴かれ、トルコ人やアラブ人やアチェ人が放映されている。

 たぶん、バルカン戦線で捕虜にした兵士にそれらしい服装を着せたのだろう。

 せっかくの印象操作だけど、子供が起きている時間だと、

 残虐シーンは、別の映像に差し替えられる。

 

 

 

 

 3月

 第29代アメリカ大統領ウオレン・G・ハーディング就任。

   “自由と民主主義を愛するアメリカ国民よ”

   “オスマン帝国と、帝国に従うイスラム世界は、テロによって、自由と民主主義に挑戦しただけでなく”

   “神とキリストの選民たる白人キリスト教世界に挑戦したのである”

   “その野蛮な意思が感染症となって、白人世界を汚染し、いまも甚大な被害を国民にもたらしている”

   “多くの身内がオスマンの呪いによって、失われた”

   “そして、イエスキリストの代理人たるローマ法王ベネディクトゥス15世さえも手にかけたのである”

   “自由と民主主義を愛するアメリカ全国民が、謀殺の標的にされているのである”

   “ここに至り、座視して殺されるのを待つべきではない”

   “戦って勝たなければ、我々の未来が殺されるのである”

   “我々は、敵の首都イスタンブルまで250kmにまで迫っている”

   “人類は、我々白人キリスト教世界が主導すべきであり、怯んではならない”

   “いまこそ、人類は、未来のために立たねばならないときであると”

 なんか、白人世界の危機とか。キリスト教世界の危機とか。

 アングロサクソンよ立ち上がれとか。

 そんな感じの演説でした。

 ほかの欧米露列強も似たような演説で、燃えている。

 死ぬのは、未来ある若者だしで、戦傷者を抱え込むのも庶民なんだけど、

 欧米露列強は、金本位制の制限を気にせず、紙幣を印刷する口実になるし、

 勝てば、中東石油利権が得られるし、

 勝てなくても財政投資の国家利権強化と、国民の弱体化で、

 既得権の権力基盤は、盤石だぜ、ヒャッハー!

 なんだろうね。きっと、

 ていうか、オスマン帝国も身に覚えのないテロ、感染症、法王暗殺を口実に宣戦布告されるとか、

 勘弁して欲しい、気分みたいだけどな。

 

 

 

 

 日本に戻ってきた。

 大戦中は、なるべく、日本にいた方がいいような気がする

 長崎

 時々イギリス領インド帝国の独立勢力が日本にやってくる。

 インドは、バラモン。クシャトリア。ヴァイシャ。シュードラ。ダリットの階級格差と、

 地域格差と、言語格差と、民族格差と、宗教格差があって大変で、

 それをイギリスに付け込まれ支配されてる、

 インド人は、対オスマン戦で、イギリス側に立って戦っているけど、

 それは、オスマン帝国が憎いわけではなく、

 インド独立の為であって、イギリスの為ではないし、まして、金の為でもない、

 あくまでもインド独立のための出兵といえる。

 とりあえず。全国民に独立の意思と想像力があって、一歩を踏み出してる。

 未来の日本の保守右翼は、アメリカのコントロール下というか、

 日本の愛国者から金を集めて弱体化させるための看板利権、

 言ってることは、その場凌ぎというか、目先の利益しかないというか。

 モロにアメリカのための政治が身について、

 日本のための政治とか、日本人のための政策をやろうとすると、利権右翼、拝金右翼に刺される。

 ていうか、利権保守の領袖が日本人じゃないのだけどね。

 インド人も似たような組織があるけど、面従腹背率は、日本人の数千倍も強い、

 あと、アメリカ人とイギリス人もやってくる。

 オスマン帝国とスペインと手を切って、仲間になれって、感じだ。

 未来から来たおれとしたら、アメリカ人とイギリス人の方が油断できない、

 というより、日本に致命的な敗北を与えて、植民地にする気だと思えるので、

 なるべく、オスマン帝国とスペインと仲良くしているのだけど、いろいろ誘惑してくるんだよね。

 と言っても、科学技術産業とも日本が上なので、資源以外に興味がない、

 もちろん、資源は喉から手が出るほど欲しいけど、我慢できないこともない、

 それで、朝鮮・台湾・清国が交渉の材料になってるんだけど、

 半島と大陸に所縁のありそうな人たちとか、興味を示したりするわけ、

 まったく、困ったものだ。

 

 

 

 棒術の演舞を見ている。

 棒を舐めちゃいけない、

 日本刀は、刃に触れると自分の手を斬っちゃうけど、

 棒は、長く、どこを支点に持っても自分を斬ってしまうことはない、

 支点を中に変えられるなら速度と威力を倍増させられるし、

 ベテランになると、自由自在、変幻自在で、

 棒を斬られる前に、日本刀を叩き落したり、喉を突いたりで、簡単に相手を殺せる。

 なにより、刃のない棒は、殺意を隠せるくせに、殺傷を調整できる強みもあって、

 武士だけでなく、刃を嫌う武士も、棒術をよく習う。

 棒術の演舞が終わると、おれの番・・・・

 武士の端くれだと、時々 日本刀を振るわないといけない、

 ていうか、一定の水準の剣技を求められるわけで、

 畳巻を切って、武士なんですよって、披露しないといけない、

 臆病な人間が “戦争反対” と言っても無視されるわけで、

 覇気を見せた後 “無用な戦いは、避けるべし” というと、皆、頷いてくれるわけだ。

 おれが作った日本刀が高値で売れるのも、立ち振る舞いで下手そうに見られても、

 事実、下手でも スパーッ! って斬れるから

 ちなみにおれの剣術は、中の上だと思うな。

 短い時間があると、素振りしてるし、

 この歳で、開眼しそうな気がするね。

  “時司先生。46歳の誕生日おめでとうございます”

 「あははは・・・ありがとう」

 存在しない出生。借り物の誕生日。嘘の前半生・・・

 誕生パーティで、先生と呼ばれるときほど、空々しく感じることはない、

 もちろん、そういう状況にならないよう予定を立ててきたし、おれの主催じゃない、

 周りが気を使ったらしい、

 どうでもいいことに気を使うなよ。って思う。

 本当のおれは、生まれてもいないし、たぶん、生まれない気がするね。

 

 

 

 4月

 分母が大きくなるほど、分子も大きくできた。

 もし、分子が利己主義的な独占を狙うとしたら、文明そのものが破壊される。

 それが金融、農業、海産、土木建設、鉄道、造船、通信、教育、

 軍事、電力、電子、機械、輸入業者、医療・・・・・など

 基幹産業に深く関わっていたとしても新しい基幹産業を殺し、他国に後れを取らせる

 14歳以上の男子へのバラマキは、金融の独占による支配構造を廃し、

 支配層が望む産業でなく、国民の投資と消費と探求とコミュニティが産業のベクトルを決定する、

 結果、利己主義と拝金主義を弱め、

 需要と供給は、既得権の思惑でなく、民衆の意思によって定められた。

 日本産業は、十字軍世界大戦の需要で軍需生産が増えたものの、

 民需が中心で、集積回路が研究開発されたのだから、

 鈍感なほど健全だった気がする。

 もちろん、集積回路は、軍事利用ができるのだけど、

 民需が圧倒的に需要があった。

 とはいえ、トランジスターも、集積回路も、軍機なので、公表されないけど、

 幕藩連合と、基幹産業と、軍に納入された。

 ちなみに、開発におれが関わっていたのは、事実だけど、

 思ったより早く開発されちゃった的な (笑

 

  

 電映で、冬季明けのバルカン戦線と、カフカス戦の様子を流し始めた。

 オスマンと、オーストリア=ハンガリーは、多少、編集しているようだけど、

 世界最大最強の工業国を味方につけたいのだろう。

 自国視点で編集した映像を日本人に見せたいのか。相当数の軍機を映しているように思えた。

 両陣営とも日本語で挨拶したりもしている。

 そうそう、音響と映像が良くなってる。

 ていうか、未来の音響と映像を知ってるんで、

 もっとよくしろって、圧力をかけているからだけど、興味深そうに人々が魅入っている。

 ていうか、工業生産世界最大の日本抜きで、世界大戦とか、あり得んって、ぶすくれてる。

 そして、世界中が日本に味方して欲しいと思ってる時に、プロパガンダ映画とか流したりしている。

  “主はアブラムに言われた”

  “あなたは生まれ故郷。父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい”

  “わたしはあなたを大いなる国民にし。あなたを祝福し、あなたの名を高める”

  “祝福の源となるように。あなたを祝福する人をわたしは祝福し。あなたを呪う者をわたしは呪う”

  “地上の氏族はすべて。あなたによって祝福に入る”

 曰く、アブラハム直系の日本民族に意地悪したら、天罰が下るよ みたいな (笑

 

 

 

 5月

  フランス・パリでココ・シャネルが、調香師のエルネスト・ボーを起用し、シャネル初の香水「NO.5」を発売する。

 

 

 紙幣を増やすと、生産と消費の増大による雇用増加と、衣食住の確保と、人口増加に繋がる。

 紙幣を減らすと、生産と消費の現象による雇用減少と、衣食住の縮小と、人口減少に繋がる。

 紙幣ほど、日常から非日常すべてに関わっているモノは存在しない、

 つまり、紙幣は、経済の血液であり、

 無能な人間たちが血液を支配し、世襲天下りの武器にするほど、自殺が増え、治安が悪化し、

 戦争か、革命か、内戦の三者選択を強いられ、

 下手をすると人口が減少していく、

 マクロ経済の常識なのだけど、

 未来の世界は、利権マフィアに雇われたキチガイ経済学者の声が大きくなり、ミクロ経済が強くなってしまう。

 曰く、金融、軍需、土建、医療、電力、電車、自動車、

 貿易、警察、教育、在日のための財政傾注が日本民族の精神を歪め、

 世襲天下り利権貴族の台頭が金融循環の破壊に繋がり、

 新人、創造、研究、開発など新陳代謝を阻害させてしまったことが、

 国家の健全な成長を停止させ、文明の屋台骨そのものを破壊してしまう。

 この時代も、利権と結託する在日の暗躍で、世襲天下りに好ましい財政が行われている

 日本の国家産業の分母がでかいので、身の丈が大きくなるほど、影が大きく、闇も深くなるわけで、

 比率的には、小さいけど、外資と結託した在日と、利権がこそこそしてるので、まぁ 兆候がある、

 ちなみに、最近、新聞を賑わした贈収賄だと、貿易業があるね。

 なにが、問題かというと、貿易業者が強くなると、生産の取捨選択が進み、

 輸入が断たれると、国民が飢餓で絶滅して、日本が亡ぶ、

 未来でいうところのTPPだね (笑

 まぁ そこまで破壊的な事件じゃなかったけど、

 利権マフィアにしたら穀物輸出国を、穀物輸入国にするほど金になることはないんだろうね。

 困ったものだ。

 

 

 本屋に立ち寄った。

 利権がらみの文化教祖が増えるほど、悪貨良貨を駆逐し、

 タブーで精神が病み、歴史と文明を破壊し、国民を腐らせ。国家を自滅させてしまう。

 利権同士の仕様で対立すれば、飼い犬作家同士の仲も悪くなっていくし、

 咬ませ犬を使ってでも仮想的利権作家を貶めていく、

 もっとも、インフレ中だし、

 底上げて買ってくれるのは省庁企業でなく、購買層なので、

 未来より、安穏としている。

 ぶっちゃけ、ベストセラーほど信用が置けないモノはないわけで、

 買うとしたらロングセラーがお勧めかな。

 しかし、漫画は多いね。

 内容は、政略、戦略、謀略、心理戦、我田引水とか、政治経済と結びついた内容が多くて、

 子供の歴史政治経済軍事の入門書みたいになってる。

 たまに、残弾を計算せずに戦線突破する将軍、提督が主役のものや、

 戦場美学に殉じ、弾幕と地雷原に突撃したくなる作品もないこともない、

 勝算なくても、勇ましいというか、格好良く書いてるので、軍需産業と軍の後押しで、宣伝されてる。

 そんなわけで、未来の本屋と、雰囲気が違うかもね。

 でも官能小説は、未来と変わらずというか、相変わらず強いぜ (笑

 H写真集も、あれだ、芸術作品と思えばいいんだよ。

 でも、流石に幼児は、いかんかな。

 コスプレならセーフかもしれんけど、

 そうそう、コスプレ物も意外に人気がある。

 ああ、世界十字軍大戦の架空戦記が出てたので買った。

 バラマキの廃止で強まる中央集権と省庁支配構造と、諸藩の衰弱化と、利権排外者との確執、

 戦争しやすい社会構造に移行したところで、

 人権亡国左翼と、愛国殺人右翼の馬鹿領袖たちの極論政争、

 マスメディアの不自然な偏向報道、

 そして、ブチ切れクーデターと、愛国党の台頭、

 アメリカ人事でマジシャンズ・チョイスされていなければ起こりえない経済構造と政争だけど、

 そこまでして、日本を戦争させたいらしい、

 そして、巨艦巨砲で おれTUEEE のドンパチ・・・・

 しかし、そんなの読むくらいなら、電映漫画、電映特撮を観た方が100倍も楽しい、

 だいたい、小説で、電音や電映に勝るものがあるとしたら、

 保身、陰謀、謀略、心理戦、利権戦争、潜入、贈収賄、印象操作、裏切りなど

 利権保守中心の国情と、生き馬の目を抜く国際情勢が描かれていないと、深みと刺激と面白みに欠ける。

 読み物特有の深みで、映像と音声の写実描写を圧倒するしかないのだから、

 

 

   39120t級長門型空母 長門 陸奥

     全長290m×全幅34m×吃水8.8m

      200000馬力   34kt   12000海里/16kt

        60口径120mm砲8基   70口径40mm6束砲8基

         艦上機150機以上

 ようやく就役した空母に乗ると、すげぇ〜

 そんな気分になるね。

 砲撃戦をする予定がないので、怖いのは、雷撃と爆撃になる。

 対潜ソナーを張り巡らしているし、対空用電探、射撃用電探もある。

 飛行甲板は、80mm装甲で覆われ、舷側装甲200mm装甲に達している。

 格納庫は、一層だけど高さ5.3mがあって、機体を宙吊りする機構がある。

 あと、カタパルト射出ができる。

 サイドエレベーター(17m×13.4m)2基を使っていて、

 サイズ的には、月光を昇降できるし、

 主翼折り畳み機構を採用すれば、さらに大きな機体を運用できた。

 この時代の戦闘機なら2機同時に昇降できたし、機体の大型化にも耐える広さがあった。

 双発輸送機の離着艦もできるだろう。

 毎年のように特殊鋼と新素材の生産量が増えてるので、

 艦内装飾が洗練されてるし、未来の護衛艦に近付いてきてる気がする。

 でも、いいよね。空母。

 この時代は、戦艦派が強いけど、

 それは、利権がらみ産業がらみの将校の声が大きいからで、

 空母の潜在的価値と可能性は、純軍事学的に期待されていた。

 まぁ 綾波時代に潜水艦に力を入れていたし、

 日本海海戦はなかったし、

 人事で戦艦派を落とさせていたので、

 この時代に大型空母を建造できたのだけどね。

 

 

 

 

 6月

 九十九里演習が電映で流れていた。

 ていうか、最近、演習がいっぱいで報告書にサインしないといけないことが増えてる。

 表向き、上陸してきた敵軍を撃退する演習だったけど。

 総司令部は、上陸艦隊にあって、明らかに敵前上陸の訓練だ。

 国際外交上、開戦の意思がなくても、実力行使が可能な示威行為は、最低限必要だった。

 戦艦 金剛から演習を見聞しているけど、

 上陸作戦は、マニュアル通り進んでいる。

 しかし、江戸時代の流れで陽明学の儒教が強く、

 未来の明治のような朱子学の儒教教育は人気がないし、

 将兵の覚悟は、見た感じわかりにくい、

 というより、将兵一人一人が将来の計画を持っているだろうし、

 当然、死にたくないと思ってるはずで、攻守でいうと守勢で本領を発揮できそうな軍隊だ。

 まぁ 民権の強いアメリカの気分だね。

 手順を踏めば、侵攻軍として鍛え上げられるけど、

 法制で意図的に貧困層を増やすとか、おれ、したくないし、

 現状は、民権の反発が多くて、難しいかな。

 

 

 実のところ、清国軍は、イギリス・フランス・アメリカ・ロシア・ドイツ軍が弱いと判断したら、

 満州・朝鮮・山東半島を総攻撃する気でいたし、

 散々日本を挑発してるくせに、対欧米露開戦後、日本の協力を欲してるのか、交流を増やしている。

 こういった裏事情に気付かないと なんで? ってなる。

 まぁ 鉄鉱石と石炭と希少資源を輸入できるならいくらでも、って気がするけど、

 戦車・戦闘機を持つ国と、戦車・戦闘機を持たない国では、まるで違う。

   

 

 

 7月

  イラクのバスラで世界記録となる最高気温58.8℃を観測。

  ラッセル来日

 

   4700t級蒼龍型潜水艦

    全長 90m×全幅10m×吃水8m

     水上2600t   3000馬力   14kt   37500海里/14kt

     水中4700t   5000馬力   17kt     600海里/10kt

      533mm魚雷6基  24本

 戦艦乗員を怯えさせる新型潜水艦が就役した。

 葉巻型でX舵で、大砲が付いてない、

 おれ、航空参謀で畑違いだけど、艦内を見学させてもらった。

 たぶん、親の七光り、

 スターリング機関は、高圧ヘリウムをどのくらい閉じ込められるかで、性能が変わる。

 陸上用と違って、高品質に製造されているけど、100kw(136馬力)ほどしかなく、

 照明か、電子機器、淡水化と空気清浄器を動かす電力がせいぜいのようだ。

 魚雷は、音響磁気魚雷と、機雷、

 防御兵器は、曳航型と魚雷型のデコイがある。

 乗員は80人で、この規模の潜水艦だと、少ないはず、

 ちなみにシャワー室2基、トイレ4基あって、史実の伊号より楽かも、

 

 

 

  32600t級コロラド型戦艦メリーランド

   全長190.2m×全幅29.7m×吃水11.6m

    28900馬力 21.0kt  8000海里/10kt

     45口径406cm連装砲4基  51口径127mm砲12基  50口径76mm砲4基

     533mm水中魚雷発射管2基

 

 

 

 8月

 日本は、オスマンへの軍需輸出で、ロシアと関係が冷え込んでいる。

 最前線になりそうな樺太藩に立ち寄ってみると、

 オスロと、ストックホルムと、ヘルシンキと、サンクトペテルブルクを足したような街が広がっている。

 元々北欧を模倣して都市計画を立てたのだから、似てしまうのは、仕方がないけど、

 ひょっとしたら樺太藩だけで、独立できるんじゃね。

 そんな風に思えるほど、街に覇気がある気がする。

 地震が少ない島なので、見上げるような高層建築が並んで、自動車が道路を行き来している、

 綾波から引き継いだ部屋がるので、入ってみると、最低限の家具しかなく、薄らほこりをかぶってる。

 各藩の藩主や有力者は、高層建築への投機を繰り返しているので、

 主要都市の高層建築の部屋一つを押さえていることがよくある。

 高層建築の地租税は、平屋の地租税の十分の1以下になることも珍しくなく、

 サービスより、隠密に足取りを押さえられたくないときに使う。

 別に足取りを押さえられてもいいのだけど、たまには、一人になりたいときもあるというか。

 持ち物件の確認くらいしないとね。

 この時期は、仕事や観光で来る者たちも多く、活気がある。

 西国諸国と違って、最初から都市計画を作ってるので、歩道と公園がまばらに広がっている。

 石油コンビナート工業と関連企業が強く、電子産業でも先端を行ってる。

 たぶん、北海藩、東北諸藩より近代的かな。

 樺太は、藩外移民者で構成され、西国諸藩の比率も大きい、

 彼らをまとめて樺太藩の領民にしてるのは、綾波家によるところが大で、

 初代綾波藩主の善政が引き継がれているのかもしれない、

 ていうか、綾波本人が若返ったのが、おれだけどね。

 あと何十年したら扶桑は、樺太に追い付くのだろう。

 地下街が圧倒的に広くて、たぶん、世界一、

 ていうか、地下街トップ100は、日本の主要都市が独占している、

 

 

 33190t級テネシー型戦艦カリフォルニア

 全長190.2m×全幅29.6m×吃水9.4m

 28900馬力   21kt   8000海里/10kt

  50口径356mm三連装砲4基  51口径127mm砲14基  50口径76mm砲4基

  533mm水中魚雷発射管2基  

 

 

 9月

  大塚製薬工場設立

  軍備縮小同志会結成

 

 人口が増加しているせいか。

 電話。電音12回線(全国6回線:藩内6回線)。電映16回線(全国8回線:藩内8回線)の回線網は、毎年、広がっている。

 綾波一族とかいう週刊誌とか、売っていて、綾波一族の顔ぶれが写真つきで、プロフィールが書かれていたりする。

 側室とその子供が載っていても、愛人とその子供は、基本的に、載っていない、

 というより、愛人は公開しない、が、暗黙の了解なんだよね。

 もっとも、おれは、航空参謀なんで、書かれている。

 しかし、綾波の写真を見比べると、おれが一番似てる。

 ていうか、若返った本人だし、困ったもんだ。

 そうそう、一度、若返って歳をとると、食べるものが変わるせいか、生活環境が変わるせいか。

 表情とか、立ち振る舞いとか、雰囲気がちょっとだけ変わる。

 驚いた?

 実は、おれが、驚いている。

 仕事で、幾つかの会合に出ると、瑞穂系企業と交渉することが多くなるし、

 綾波だったころの子供たち、孫たち、曾孫・曾々孫たちと出会うことがある。

 こっちは感慨無量なんだけど。向こうは、格下の闇閨閥と思って見るのが辛いね。

 闇閨閥というのは、血縁の予備の予備というか、

 財政的な拠り所で外郭支援団体みたいに思ってるわけで、

 基本、権力基盤、経済基盤で独立していないのだけど、

 おれは、別格、権力基盤と、経済基盤で独立して、独自の師弟人脈を構築していている。

 まぁ それでも、綾波家の光は強過ぎるので、七光りは、受けてるよね。

 

 

 出羽藩537万石

 寒くなる前に出羽藩に立ち寄ったけど、小寒むって感じだ。

 藩府酒田は、あまり大きくない、

 陸奥藩に取り込まれるのが嫌で統廃合した感が強く、

 藩主が4〜5年で変わる藩として有名で、

 烏合の衆のくせに、石票が大きいので、議決の度に話題になる藩かな。

 農業用高層建築がポンポン建っているし、樺太藩の真似をして、工業化も進んでる。

 史実だと、朝鮮半島のインフラに予算をとられた感が大きいけど、

 この世界だと、西国諸藩の分家とか、出向家臣が大きな家を建てるし、

 広い敷地に大きな家を建てると、家族を呼び寄せたりするので、

 人口が増え、副次産業も大きくなっている。

 ていうか、

  出羽藩535万石   陸奥藩958万石

  加賀藩388万石   信越藩464万石

 は、藩の規制が少なく産業誘致は、東北諸藩有利と判断されてる。

 あと、北海藩、樺太藩も工業が大きいし、

 西国諸藩と東北諸藩は、ほぼ拮抗しているというか。

 将来的には、工業の中心は、東北諸藩へ移動していく趨勢にあるかな。

 これは、関東藩が東北向けのガスを安く供給しているせいで、

 難癖をつけてくる西国諸藩より、東北諸藩に力を付けさせてバランスを取る政策で、

 関東藩を日本経済の中心にしたいという思惑もあるらしい、

 もっとも、東北の株利権の持ち主が西国諸国資本ということもよくあるわけで、

 工業力が北に移動したとしても、東北が強くなっているとは限らないかな。

 

 

 

 

 

 

 

 10月

  ハンガリー王国でオーストリア=ハンガリー帝国皇帝カール1世が逮捕される(カール1世の復帰運動が失敗)。

 

 京都は政治の中心

 なので、諸藩の隠密とか、偽装脱藩浪人とか、省庁と産業の圧力団体が集まってる。

 強いのが、黒いカラスを白いカラスにしてしまえるほど、口調が強く、

 おれの悪評が広がってる (笑

 利権のために団結して荒事もやってくれるのが、朝鮮系日本人と在日ね。

 ちなみに朝鮮と国交断絶してるのに、産業利権の手引きなのか、なぜか潜入してくる、

 ちなみに相手が強いと思うと徹底的に媚びて、

 虎の威を借りると無限に強くなるのが、朝鮮系で、ふと気づくと、言論に進出していたりするね。

 未来でも “日本人は、おれが思うように思って考えろ” って感じだ。

 そうそう、ユダヤ資本飼われた利権屋もいるし、

 大陸に飼われた利権屋もいて、誹謗中傷と自画自賛とミスリードで、思想戦というか、

 褒め殺しというか、宣伝戦を仕掛けてくることが良くある。

 「時司殿の悪評が広がってると聞いて、心配していたニダ」

 「あははは・・・」

 「協力させて欲しいニダ」

 『凄い、マッチポンプだな』

 「そうしてもらうと、助かるよ」

 「ところで、時司殿。新型税で、生産税は、よくないニダ。所得税にするニダ」

 『そっちか・・・』

 「あ、そうニダ。バラマキを廃止して、所得税より消費税にするニダ」

 「そうすれば、日本人は貧乏になるから、安い朝鮮産物や大陸産物を買うにだニダ」

 「貿易を握れば、ライバルを出し抜けて大儲けニダ」

 「気が進まないな」

 「これで、どうニカ?」

 男は、指を3本立てる。

 幾らだろう (笑

 相場だと30億文なんだけどね。

 10000文紙幣を錬成してるおれに買収は、きかんだろう (笑

 「若い女もいるニダ。酒池肉林ニダ」

 「あはははは・・・」

 「国民どもなんて、奴隷と同じで、ボロ雑巾のように扱き使って、捨てればいいニダ」

 「ここままだと、時司殿は、新興成り金勢力に打倒されて、航空参謀の地位を奪われるニダ」

 「航空参謀から追い出されたら、バラマキがないと辛いけどな」

 「駄目ニダ! そんな端金で喜んでちゃ駄目ニダ! 大物になれないニダ!」

 「あはははは・・・」

 利己主義と拝金主義が強くなったら、コロリとやられそうだな・・・・

 

 

  

 11月

 紅葉、京和傘の下で、京都料理。

 良いよね。

 特に、料亭に呼ばれると、ただだし、

 世界中で戦争していると、思えないほど、落ち着いている。

 くつろいでいると、成り金連中と交渉になることもある。

 まぁ 野心的に開発しているからなんだろうけどね。

 おれの批評とか意見があると、とても、売りやすいわけだ。

 ちなみに未来情報を利用して助言してるので、評判が評判を呼んで、呼ばれることが増えている。

 「最近、大変ですな」

 「例の利権屋ですよ。表と裏で、全く逆のことをするので始末に負えない」

 「まぁ 扇動に騙されるのは、女子供だけですよ。それだって、時期が来れば気付くでしょうし」

 「しかし、先生は、本当にお若く見えますな。足取りなんか、20代ですよ」

 「そ、そうかな。随分と老けた気がするのだが」

 「いやいや、足腰がしっかりしておられる」

 「わたしなど、不摂生で、よろけることがありますよ」

 「また、また、ご謙遜を・・・」

 「あははは・・・ 時に、時司先生」

 「はい」

 「戦艦は、もう駄目なんですかね?」

 「まぁ 改装はしていくかもしれませんけど、巨艦巨砲は限界ですよ」

 「しかし、日本は新型扶桑型戦艦でさえ、36000t級で360mm連装砲8基」

 「イギリスは、40000t級巡洋戦艦フッドで381mm連装砲4基」

 「アメリカは、32500t級で405mm連装砲4基ですよ」

 「・・・実をいうと、演習の度に撃沈判定を出してくれる潜水艦を将兵が怖がってるので」

 「仮に新造戦艦を建造するとしても、せいぜい、30000t級以下なんじゃないですかね」

 「なるほど、機動性重視ですな」

 「しかし、それでは、扶桑型より小さい」

 「小さくても扶桑型より強力ですよ」

 「では、イギリスやアメリカ戦艦より技術が向上してるのですか?」

 「というより、戦艦同士が撃ち合う前に、敵戦艦は、無事でいられなくなる」

 「なるほど・・・そうなると、次は、空母?」

 「空母は少量配備で。これまで通り、主力は、潜水艦なんじゃないですかね」

 「潜水艦ですか」

 「そういえば、オスマン海軍も潜水艦が活躍しているそうですな」

 「ええ、地中海だけでなく、インド洋を南下して、南大西洋に入って、連合軍商船を撃沈していますからね」

 「日本商船は、大丈夫なのですか」

 「両陣営とも、日本商船を沈めないよう念押ししてますし、気を使ってますよ」

 「では、撃沈されたら、参戦で、大儲けですかな」

 「あはははは・・・・」

 「時司殿。清国軍の動きをどう思うますか?」

 「このまま、連合国軍がオスマン戦に苦戦するなら」

 「満州・朝鮮か。山東半島に侵攻するかもしれないな」

 「それは、いつ頃になると?」

 「連合の厭戦気運が高まってから、でしょう」

 「不意打ちは、困りますが、状況によると。日本も動けるのでは?」

 「日本は、現状を繰り返しているだけで、欧米列強を引き離せるよ」

 「まぁ そうですが、新参の成り金に負けてしまいそうですよ」

 「それは仕方がないでしょう」

 「しかし、時司殿。これから、日本は、どうなっていくのでしょう」

 「100年の計が無理でも、せめて、半生分くらいの予測くらいすべきでしょうね」

 「半生分というと、30年くらいですか? 1890年前に、いまの日本は予測できませんでしたよ」

 「バラマキで、新陳代謝が激しいですからね」

 「落馬しそうなほどにね」

 「だれが、自分より金持ちになるのかわからない・・・ しかし、それも一興でしょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 12月

 某工場

 戦闘服は、新素材が使われ、環境によって、材質と機能と形も変わってくる。

 豊かな国の国民は、戦場に行きたがらないし、

 故意に不況を作り出すような金融財政構造にもなっていない、

 そのため貴重な将兵を守る戦闘服は気を使っている、というか、予算を使っている。

 迷彩柄で新素材も多用して、他国より秘匿性と防弾能力が強かった。

 剣銃弾を撃ち込んで戦闘服の破損を見てると、簡単には死なない気がする、

 「衝撃波は、吸収できそう?」

 「網目を厚く重ねる方法もありますが、夏服は、不利ですね」

 「冬服は、衝撃波に強いですが、流石に近くで炸裂すると、内臓破裂で死にます」

 「戦闘機操縦者の服は、圧縮できてるんだろうな」

 「ええ、旋回が楽になったそうです」

 「それは良かった」

 ちなみに史実の太平洋戦争で、日本軍は耐Gスーツがなく、

 アメリカ軍は耐Gスーツを使っていたらしい、

 それだけでも、日本陸海航空兵は、不利な状況で戦わされていた。

 これがあれば、戦いやすいだろう。

 

 

 

   15452t級エスパーニャ型戦艦アルフォンソ13世

     全長133m×全幅24m×吃水7.7

       20000馬力  19.5kt   7500海里/10kt

        50口径305mm連装砲4基  50口径120mm砲20基

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  おれ   妻 千代 (80)   総司(64)  慶司(62)  佐奈(60)  晃司(56)

 

 おれ、 綾波 源司(あやなみ げんじ)  ⇒⇒⇒  時司史朗(ときつかさ しろう) 46

 ロゼ・ティーナ(37)   露瀬 統司(19)  露瀬 千夏(17)  露瀬 陽介(14)

 智子(34歳)  時司 頼経(16)  直衛(14)  美智(12)  雪妃(10)

 

 

  

 

 史実    5612万人

 戦記 1億9960万人

   日本  1億人0967万

   瑞樹     6421万人

   扶桑      74万5997人

   ナミビア・インド洋諸島・パレスチナ 1500万人

   フィリピン 1901万人

 

 

 

 

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