月夜裏 野々香 小説の部屋

    

錬成系 維新戦記 『1kg級魔法使いで』

 

  

  

 第76話 1926年 『経国 VS 清国』

 ユダヤ暦5686年  皇紀2586年  明治25年

 第122代明治天皇(47)   第17代将軍 島津忠重(40)

 

   “生めよ、増えよ、地に満ちよ”

   “地のすべての獣、空のすべての鳥、地に這うすべてのもの、海のすべての魚は”

   “恐れおののいて、あなたがたの支配に服し”

   “すべて生きて動くものは、あなたがたの食物となるであろう”

   “さきに青草をあなたがたに与えたように、わたしは、これらのものを皆あなたがたに与える”

 十字軍大戦は、世界最大のキリスト教とイスラム教の戦いなのだけど、

   “殺せ、減らせ、地から追い立てよ”

 と、真逆の呪詛を人類に掛けている者たちがいるのか。

 オスマン風邪のせいか、人口が減少しつつあるらしい、

 噂によると、中東戦線から清国に帰還する清国人は、

 オスマン風邪に感染しやすい様、工作がされていると、北イスラエル王国親衛隊の情報だ。

 戦争で殺し合わせるより、オスマン風邪の方がたくさん人を殺せると、計算したのかもしれない、

 恐るべし、

 ああ、恐るべし、

 

 

 小説を書くように国際情勢のシナリオを作ってる人たちがいる。

 貧富の格差、階級格差、地域格差、民族格差を広げ、

 茶番劇のように右翼と左翼を戦わせ、特権層と貧困層を憎み合わせ、宗教と宗教を戦わせ、

 差別、詐欺、犯罪、不正腐敗、暴力、テロ、暗殺、クーデター、紛争を繰り返し、

 武器を売り、利権を買い叩き、人を分断して従えていく、

 策謀者は、温存されたまま、

 中庸で良識化で愛国心を持つ者が巻き込まれ、犠牲に遭い、捕らえられ、

 状況が極論同士の殺し合いへと悪化していく、

 そして、自作自演劇を起こしてでも国家と国家を戦わせ、戦争させる。

 同盟を作らせれば戦争の規模が大きくなるし、条約上、単独講和が難しくなった。

 史実だと、ドイツ帝国、オーストリア=ハンガリー帝国、オスマン帝国の3国同盟と、

 イギリス、フランス、ロシアの3国協商の戦いだったけど、

 この世界は、おれが干渉したせいで、

 アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、イタリア、

 ドイツ、オーストリア=ハンガリー帝国のキリスト教7か国連合十字軍、清国・韓国・台湾の遠征軍と、

 オスマン帝国、オーマン、ザンジバル、イラン、サウジアラビア、

 エジプト、エチオピアのイスラム教7か国連合軍の世界大戦になってる。

 そこに清国が国内の米英仏独露の資本を攻撃、イスラム圏側で参戦して、戦況が混迷してしまう。

 ここで、日本が参戦したら楽しいだろうなって、思えるけど、

 日本・イスラエル自治区は、軍需工場で、事実上、イスラム圏側で参戦している。

 日本は、戦争を利用して、イスラム圏の利権に食い込むことに成功していて、

 イスラム圏も基幹産業が作られ、近代化が進んでいる。

 

 

 

 

 格差が好きなら利権に配分し、国民が好きなら国民にバラマキく、

 馬鹿でもわかるほど、単純な構図なのだけど、

 ユダヤ金融系経済学者は、屁理屈を捏ね回すものだ。

 軍属は、戦争を起こして儲け、

 警察は、犯罪を増やして立身出世し

 保険は、人を不安にさせて保険料を手に入れ、

 病院は、病気を作って儲け、

 葬儀は、人が死ぬと儲け、

 原発は、癌患者を増やすことで、外資を儲けさせる

 政治家は、利権と結託して私腹を肥やし、

 官僚と資本家は、利権を作って、天下って世襲する。

 資本主義が進むほど、少数の富裕層と、大多数の貧困層に分かれてしまう。

 バラマキを行ってしまうと、天下りと世襲より、能力や実力や人物評価で、新陳代謝が行われ、

 社会構造が若返っていく、

 日本・幕藩連合は、まぁ 藩主を除けば、新陳代謝の激しい国かもしれない、

 もっとも、豊臣秀吉の如く、下層出身の藩主も少しずつ表れている。

 綾波家の事だけどね。

 ちなみに、時司家も、綾波家からほぼ独立してしまってるので、成り金の一角を占めてる。

 おれもその気になれば、海外地の藩主になれるかもしれない、

 ていうか、京都で、おれを邪魔だと思ってる勢力が多い、

 もう、邪険にしないで欲しいものだね。

 いまの日本は、未来の日本人からしたら、羨望なんだぞ、マジで、

 

 

 

 

 1月

 ルフトハンザ航空設立

 東洋レーヨン設立

 「幼年倶楽部」創刊(野間清治)

 

 鎖帷子(チェーンメイル)系衣類の研究を進めさせている。

 材料は、ケプラー、チタン、炭素繊維、珪素繊維、プラスチック、ナイロンなどで、

 鎖帷子構造がミクロやナノに近づくと銃弾や刃物どころか、針すら貫通しなくなる。

 そして、一層を重層化し、複雑な多層多重構造にしていくほど、

 衣類の強靭さが増していくわけで、研究開発を進めさせている。

 本気で作ると、滅茶苦茶高いけど、

 日本の総人口は2億2000万を超えているのに、将兵は、110万ほどしかいない、

 生産コストを支払っても、それに見合う戦闘服を準備すべきだろう。

 実のところ、日本が生産した戦闘服がオスマン軍に輸出され、

 それがイスラム教国家軍の強さに一役買い、、

 日本の軍需産業を底上げする収入になっていた。

 ちなみに、おれは、魔法でカーボン・シリコンナノチューブを錬成した衣類を着込んでるけど、

 鋼鉄の20倍なので、厚み分を差し引いても、引っ張り強度は、この時代の軽戦車並みと思ってる。

 

 

 

 

 アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、アメリカは、戦力配分で苦戦していて、

 このまま、オスマン帝国と、清国を押し切るか。

 オスマンの見に集中し、清国利権は手放すか。

 オスマンを止めて、清国に集中するか。

 オスマンと清国から撤収するか。4者選択を迫られている。

 仮にオスマンと清国を降せたとしても、

 日本とスペイン・ポルトガル語圏と中立国は、結束するかもしれない、

 日本海軍と、中立国海軍との合同演習は、それほど、大きな規模でないにもかかわらず、

 欧米露列強で、話題になった。

 この場合の話題というのは、ぱっと広がって、パッと消える類の話題でなく、

 一度、広がると、胸のどこかに支えて、取れない、

 “次は、日本と、スペイン・ポルトガル語圏連合軍か”

 未来だと、リップサービスとか、お付き合い程度かもしれないが。

 この時代、同盟条約もなしにいきなり合同演習とかやられた日には、驚天動地らしい、

 

 

 

 昨年の分の朝鮮半島の映像と画像が図書館に収められた。

 白人たちが面白半分に朝鮮人を殺している画像が多いようだ。

 イジメは、苛められる側に原因があるという胡散臭い論理があるのだが、

 白人たちの表情に殺傷の躊躇がないのは、

 韓国人をどう思ってるのか、ということに起因しているかもしれない、

 ちなみに、おれ、視点だと、白人が “蛇よ、蝮の子らよ” を殺してる感覚かな。

 別に白人の方がいいのかというと、いいわけでなく、

 少なくとも、白人は、長崎と、厚岸に居て、観光ルートが決まっているわけで、

 日本国内に潜入しても、成り済ますことが難しいということだけなのかもしれない、

 もっとも、ハーフとクォーターが増えて、それも、少し怪しくなってる、

 ちなみに、日本に送られてくる白人美少女は、6〜10歳で、

 日本人の同年層0.1パーセントで輸入制限があるのだけど、

 戦争が終わると、輸入制限ギリギリの年間5万人くらいになるかもしれないって、

 ちょっと、社会問題になりかけてる。

 

 

 

 

 

  2月

 蒋介石に率いられた中華欧州派遣艦隊が香港に入港すると、

 清王朝に裏切られた清国人40万人が中華軍として降り立った。

 最初から持たざる者として徴兵された死兵の清国人は、いまさらという気がしないでもない、

 しかし、そこは、それ、人心掌握術の何とやらで、

 蒋介石が “裏切りの清王朝倒し、経王朝を建てる” と、叫ぶと、

 勝ち戦の予感と、且つ最底辺の階層が立身出世の機会が得られる希望を信じたのか、

 清王朝打倒の声が上がる。

 蒋介石が、ユダヤ資本でいうところの、

 民主国家の皮を被った共産国家と、資本国家の金融支配構造をとらず、

 旧来の封建王朝制を選択できたのは、

 ニューヨーク・ロンドンの偽ユダヤ資本が、それだけ、苦戦していたからに他ならない、

 なんにしても、蒋介石は、自ら王朝を起こすと宣言し、清朝に対して、宣戦布告した。

 

 

 チワン合衆国は、沈黙している。

 国家の近代化と成長を企ているせいか、

 日本や欧米諸国を模倣しながら、幾つもの事業を進めているらしい、

 欧米列強は、散々支援してやったのにと、撫すくれているらしい、ざぁまみろ。

 

 

 20000馬力級ディーゼル機関の研究試作を行っていた。

 既に15000馬力級ディーゼル機関は、生産されていて、艦船に搭載されている。

 日本のディーゼルは、中速型が多く、商船は、1基から2基。

 軍艦は、6基以上搭載している。

 

 

 

  3月

 労働農民党結成

 世界最初のSF専門誌『アメージング・ストーリーズ』創刊

 ロバート・ゴダードが最初の液体燃料ロケットを発射

 

 アメリカがワシントン州以外にも日本の電話・電音・電映網を導入するらしい、

 広いんだから無線の方がいいんじゃね、と思えたのだけど、

 日本がイスラム圏。スペイン・ポルトガル語圏に通信網を広げてるのが気に入らないらしい、

 日本で制作した映像が欧米で見れるのだけど、

 通信網条約は、電音12回線と電映16回線の使用料のほか。

 全国電音1回線と、全国電映1回線は、日本製を選んで流すことが決まっている。

 代わりに、藩内電音11回線と、藩内電映15回線は、アメリカで制作したものを流せる。

 情報操作で、日本が有利なのだけど、

 自分の局で作った作品を選んでもらえるよう、

 日本側が気を使う可能性が常にあって、逆情報操作されかねない気もする。

 ちなみに外国が日本の映像や電音に回線を合わせる家は少なく、百分の1時間に過ぎないわけで、

 日本人が現地に行ったとき、郷愁で回線を合わせるだけのような気がする。

 ちなみに漫画は人気があるらしい。あと、教育番組。

 日本の電音・電映は、クオリティが高いらしく、

 制作に空きがあると、映像が買われ、翻訳されて、現地藩内回線で流されることも多いようだ。

 

 

 そうそう、欧米が300〜400馬力級エンジンを開発し始めてるので、

 500馬力級エンジン搭載の戦闘機をイスラム圏に輸出しつつある。

 これで、欧米列強の反撃は、相殺できるはず、

 ちなみに日本の戦闘機用エンジンは、1000馬力に達している。

 まぁ ゼロ戦級

 

 

 

 特撮モノが流れていた。

 “日本人は、頭を空っぽにして、楽しむニダ”

 “頭が空っぽになるニダ”

 “無関心になるニダ〜 無気力になるニダ〜 無責任になるニダ〜”

 “お酒をたくさん飲むニダ〜 賭け事をたくさんするニダ〜 Hなことばっかりニダ〜”

 “日本人は、言いなりになって、想像力を失うニダ バラバラになるニダ〜 憎み合うニダ〜 殺し合うニダ〜”

 “親の言うことを利いてはいけないニダ〜 上司に逆らうニダ〜 社会をリセットするニダ〜”

 “現実を見ないで、幻想の世界に浸っていくニダ〜”

 “日本人は、無国籍化するニダ〜 駄目駄目になっていくニダ〜”

 “そして、自殺するニダ〜〜〜〜”

 怪人たちが子供たちを操ろうとし、

 正義の味方が現れて、子供たちを守ろうとしている。

 中央利権も、大衆が言いなりになって、戦争してくれると、大儲けなので、

 なんとか、格差を広げたがっているようだ。

 まぁ 困ったことなのだけど、今ある株で配当を増やしたいと思ったら、そんな気分になってしまうのかもしれない。

 

 

 

 

  4月

 星製薬設立

 アサヒカメラ創刊

 滝実業学校開校

 

 

  ただの改変には興味ありません。

  このなかに宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上

 と、思っているのだけど、

 どうやら、未来人は、おれだけみたいだ。

 さて、

 京都にいると、個々彼処で10支族のシンボルマークを目にするせいか。

 10支族を背負ってる公家衆の力が増しているのがわかる。

 公家衆で、ヘブライ語で南ユダ2支族諸派と疎通する者が増えると、

 日本イスラエル自治区だけでなく、南ユダ諸派2支族の国際ネットワークに食い込んでいる。

 南ユダ2支族諸派も、

 イエスキリストの殺害とかかわりのない日本イスラエル10支族で、反ユダヤを押さえつつ、

 世界大戦で、莫大な富を得て、ユダヤの権威を高めているわけで、

 いまさら、日本抜きの全ユダヤ会議を想像できなくなっている。

 南ユダ系が面白くないとしたら、

 世界史の主軸が南ユダ王国2支族系から、北イスラエル王国10支族系に持って行かれることかな。

 十字軍世界大戦が、金本位制金融システムの限界と、

 不換紙幣移行のドサクサで、金塊を手に入れ、儲けようという一派の策謀があったにせよ。

 南北ユダヤ抗争、あるいは、本ユダヤと偽ユダヤ抗争が

 世界十字軍大戦の因果律や流れとも深く関わっているのも事実かもしれない、

 そして、日本が支援するオスマン帝国が善戦するほど、

 戦後の全ユダヤ会議での日本・イスラエル10支族の発言力も大きくなるわけで、

 これで、世界大戦の帰趨が日本の思惑で左右されるようになると、

 相乗効果で、公家衆も まろは 〜でおじゃる とかいいながら、

 ユダヤの策謀の中心に近づいていくんだろうな。

 

 菊章、将軍(摂関)家紋を付けた御車バスが移動していく、

 外から中は見えないけど、中から外は見えるようになっている。

 御用達の店にいると、たまに御忍びで現れることもあって、席を立って敬意を示すときがある。

 師弟人脈ごとに、歴史の視点と見方と解釈が変わる、

 大まかに国権派と、民権派にわかれるが、

 聖書史観、ユダヤ神道史観、天皇史観、農民史観、商人史観、

 将軍史観、幕府史観、藩史観など、様々だ。

 どの教科書を使うかによって、価値観と人生観まで違ってくるわけで、

 人によっては、数冊の歴史教科書を読んでいるし、

 適正年齢が上がると、歴史教科書の範囲と数も広がり、

 系統別の解答を書き込む問題も出てくる。

 史実の明治の様な、天皇が神である記述は、神話以前しかなく、

 神話以降、現れない、

 そんなわけで、京都で、天皇を見かけても、文化や歴史的な権威以外のものはない、

 

 石票で首が挿げ替えられる将軍を見かけても似たような感じで、土下座なんてことはなく、

 ある程度の敬意を払っているだけで、済まされている。

 とはいえ、キリスト教を思い起こさせるような島津の十字紋も見飽きた気がする。

 ちなみに、島津宗家は、平安末期の忠久(〜1227年)から続く系統を誇っていて、

 皇族とも少なからず縁を持ち

 対抗馬の藩主も、まだ、まとまっていないので、もうしばらく命脈が続きそう、

 そして、島津家も前任の藩主たちと同様、

 徳川家みたく毛嫌いされる前に、退陣する潮時を考えているらしい、

 

 一番力を持ち始めているのが、非公式だけど13人いる1000万人長かな。

 1000万国民から選ばれたから強いだけじゃなく、

 1000万人長を一まとめした学閥、武術、産業構造は、

 軋轢や重圧の少ないピラミッド構造になりやすく、

 2つから3つの藩を跨いだ無地藩主として、行政を調整できた。

 領民も、世襲の藩主が駄目な時は、民権代表の100万人長に頼るわけで、

 非公式ながら頼りになる1000万人長を信任しやすかった。

 そして、藩主たちも、非公式とはいえ、1000万人長との関係を壊さないように気を使うわけで、

 石票だけで、現しにくい関係が作られている。

 

 

 

 大東流合気柔術

 少し棒術の練習を増やした。

 自分にも相手にも危なくなくて、

 持っている間、刃先を気にしなくていいので気が楽。

 ていうか、歳をとると力まかせがなくなる、

 無駄な力が抜けて、老獪な形になりやすいかな。

 なぁあんちゃって、おれ、表向き51歳だけど、30代前半のパワーでいけてる。

 でも、1対多が基本鍛錬の道場だと、持久力がモノを言うし、

 必要最小限で効率よく戦うことを覚えてしまう。

 ていうか、おれも長年生きてるせいか、尖った性質が小さくなった感じだ。

 

 

 雪妃(15)が嫁いでいった。

 何人か候補がいたけど、相手は、某閨閥の御曹司だ。

 おれは、微妙な相手な気がしたけど、

 まぁ おれが、そいつと、結婚するわけじゃないし、何とかなるでしょう、みたいな。

 これで、女は、全部売れました。

 あとは、男の結婚なんだけど、

 男は、20代後半で、10代中旬の娘と結婚することが多いので、

 そんな時流に乗りそう。

 ていうか、若すぎると、どんな男になるのか、不安になる。

 女は、親元の縁を切らせて、夫の家に馴染ませ易いのが原因らしい、

 

 

 

  5月

 兵庫県宝塚市に「宝塚ホテル」誕生(阪神間初の郊外型ホテル)

 十勝岳が大噴火(死者144名)、絲屋銀行が破綻。

 

 清国参戦で、ロシア帝国、ドイツ帝国の二大陸軍国家の兵力が半減し、

 イギリス、フランス、アメリカは、清国利権を喪失しかねないことから、

 海軍艦艇の幾分かを東アジアに割かなければならず、

 オスマン帝国は、一息つくことができた。

 そう、前線での兵力の損失比は、1対5でも、

 オスマン帝国は、ほぼ一国で戦っているわけで、男が大量に死んでいる。

 戦争で生き残れば、超〜ハーレム状態なのだけど、負傷者は、死傷者の倍はいる。

 そう、オスマンも限界に近い、

 その状況で、清国参戦は、ありがたかったのだろう。

 オスマン帝国将兵の士気は、上がり、

 連合十字軍将兵の士気は、低下している、

 しかし、オスマン軍が近代化しつつあり、

 社会基盤を数倍に大きくしていることは、悪夢以外の何にでもなく、

 オスマン帝国を均衡勢力として残したまま、戦争をやめるわけにはいかなくなっている。

 

 

 

 

 

  6月

 日本アマチュア無線連盟結成。全世界に向けて設立宣言文を広報発信。

 ダイムラー・ベンツ社設立(ダイムラー社とベンツ社が合併)

 三木清「パスカルに於ける人間の研究」発表

 

 

 

  扶桑194万石

  樺太藩233万石    千島藩105万石

  北海藩382万石

  出羽藩583万石   陸奥藩993万石

  加賀藩418万石   信越藩496万石

  京府藩364万石   尾張藩352万石   富士藩311万石   関東藩747万石

  南紀藩330万石

  関芸藩318万石   上瀬藩415万石   播磨藩412万石

  伊予藩462万石

  肥前藩193万石   筑紫藩308万石   豊原藩223万石

  肥後藩254万石

  薩摩藩388万石

  瑞樹2287万石

  ナミビア537万石

 

 瑞樹の石票がでかく、

 政治力が欲しいのか、藩主と資産家の瑞樹投資が止まらない、

 民間が、戦艦を建造できそうな資本で、高層建築を建設し、

 それを一杯、二杯と数えてる時代、

 扶桑、瑞樹、ナミビアの藩化の声と、

 海外地に藩主はいらないの声が強まっている。

 ちなみに、おれは、不戦を固めて、海外地の資産価値を大きくしたいだけなんで、

 どちらでもない、

 フィリピンは、先住民の人口比が多いので、後回しという感じになっている。

 

 

 おれ、今年は、扶桑に戻ることにした。

 まぁ ニカラグア運河開通で、アメリカの圧力が大きくなることと、

 扶桑開発が進み、次の資源捜索をして欲しいみたいなことを言われたから、

 あと、清国参戦で、アメリカが、日本、スペイン・ポルトガル語圏と事を構える気が失せていること、

 逆に、利権右翼の対清戦争の声が大きくなってるけど、

 なんとか、食い止めているしね。

 

 

 雪上ホバークラフトは、悪くない。

 海岸付近は、白熊がいて、内陸に入っていくとグリズリーのテリトリーに入っていく、

 7年ぶりの扶桑は、意外に発展している。

 資源帯を一つ見つけると、数万人規模の直接雇用が生まれ、

 資源の単価が低くなり、副次的な産業が付随して大きくなっていく、

 資源帯を見つける前に先物で買っていたら大損かもしれないけど、

 戦争中は、そういう含み損を吸収してしまうほどの需要があった。

 そして、未だに戦争が終わる気配がなかった。

 ていうか、いつまで戦争してんねん、いい加減にしやがれ、的な (笑

 でもまぁ おかげで、扶桑産業もデカくなって、いいんだけどね。

 いま、北極圏でカナダ国境に近い川を遡上している。

 海産物は、ゲンゲ科、カジカ科、サケ科、タラ目、カレイ目、軟骨魚類が6割を占めていて、

 久しぶりに口にすると、美味い、

 あと、その川にしか棲んでない固有種を見つけると、デカい、

 というか、釣り人口が大きいので、町を一つ作れる。

 まだ、遡上したことのない川だけど、幾つかの資源を見つけた。

 国境は、あまり近づきたくないのだけど、安全保障の調査も兼ねている。

 国境警備隊は、鉱山の一つも見つけてもらえれば、娯楽と歓楽街に繋がるのか、期待している。

 扶桑の人口が、もっと増えれば、地産地消というか、

 領域経済で紙幣を循環させられるようになるので、

 早く、人口を増やしたいのだけど、環境が邪魔をしている。

 ていうか、冬が長過ぎ暗くて、高層建築を大きくというか、地下街を広げないと、辛い、

 そして、北極圏に近付くほど、凍土も深くなっていくので、厄介だ。

 

 

 

 

 なんか、綾波時代の正妻千代(84)の具合が悪いらしい、

 いよいよなんかな。

 ちょっと、いろんなことを思い出すかな。

 

 

 

  7月

 白夜を利用して、寝る間を惜しんで、資源探索をしてるけど、

 時々 通信ケーブル沿いに、一定の間隔で建設した遭難退避用の小屋で休む、

 缶詰が置いてあったりするので便利だ。

 電音

 “蒋介石が封建的な経軍を率いて清朝討伐を開始しましたよ”

 “もっと国民を糾合しやすい方法をとると思いましたけどね”

 “新王朝の方が糾合しやすいと思ったのでは”

 “なるほど、迎え撃つ、清国軍は、どんな感じなんでしょうね”

 “愛新覚羅溥儀は二十歳で、軍閥連合が仕切ってますので”

 “馬家軍の馬福祥(ば ふくしょう)が代理で広東軍と戦うようです”

 “ほかの軍閥は、それで納得してるのですか?”

 “まぁ 軍閥合議で、決まったことですからね”

 “清国軍は、蒋介石を 拝洋蒋軍 隷洋蒋軍 と蔑んで、戦うわけなので”

 “数が多いですし、意外に士気が高いようです”

 “蒋介石が有利なのは、旧式化した戦車と航空機を欧米から購入できたことで”

 “清国軍は、欧米からの購入の道が閉ざされてますし、緒戦で勝てなければ後がないかもしれませんね”

 “大陸が、どういう情勢になるのか、とても気になりますね”

 “どちらの陣営にも電映機があって、戦場を映しているそうですよ”

 “それは楽しみだ”

 “外国に本人名義の口座があって”

 “映像フィルムを売れば口座にお金が振り込まれるからで”

 “いざという時、国外に逃げ出さなければならない者たちにとっては、金銀宝石と、並ぶ保険ですよ”

 “外国というのは、どこなんでしょうね”

 “たしか、白地に赤い丸の付いた国旗の国だったと思いますよ”

 “金銀より、映像を見たいものです”

 “楽しみですね”

 “ところで、経って、なんなんでしょうね”

 “ああ、漢字は、何でもいいんですよ”

 “一文字国名は、中華思想に基づいていて、唯一無二ということで”

 “周辺国は、蛮族なので、日本とか。朝鮮とか。匈奴とか。二文字”

 “ムカつく〜”

 

 

 

 

 

  8月

 ボルボ社設立

 カール・コルシュ「マルクス主義と哲学」邦訳

 

 たぶん、5つくらい有望な鉱山を見つけたよ。

 あと、温泉を10個ほど、

 扶桑経済も、弾みがつくだろう。

 古巣の創巧社に来ると、工場が大きくなっていた。

 実質的な経営は、部下に任せてるけど、おれが最大株主であることにかわりない、

 扶桑では、瑞穂系列と、双璧の産業体を構築していて、海外地産最強の企業と言われている。

 おれが航空参謀を続けているのも、

 扶桑で100万人長とか。幕藩議会で、非公式の1000万人長になると困るからなのかもしれない、

 血統的には、綾波家の闇閨閥なのだけど、

 実は、綾波本人なんで、悩ましいところだ。

 そうそう、戦場で使う本格的な2発高翼輸送機と、4発高翼輸送機開発を提案してみた。

 いまあるエンジンだと1200馬力が最大だけど、というより1000馬力以上ないと、

 仕様に入れられない性能もあるし、アラドAr232みたいな戦場輸送機ね。

 

 

 

 

  9月

 量子力学の基礎方程式としてシュレーディンガーの波動方程式が確立

 英仏米独露連合艦隊が清国を艦砲射撃

 山陽本線特急列車脱線事故がおこる。

 新宿高野がフルーツパーラーを営業開始

 

 今年は、扶桑で越冬しようと思ったけど、元正妻の危篤だし、日本に戻ってきた。

 冠婚葬祭をめんどくさがる、おれだけど、

 顔ぐらい出さないと、自分が許せないかなって、

 寝てる頃を見計らって、花と、果物を持っていた。

 面影は残っているけど、なんか。少し、痩せてるなって、思った。

 

 

 連合艦隊が清国を砲撃すると、清国艦隊は、揚子江の上流へと遡っていく、

 ちなみに数隻は、日本の造船所で、修復を受けているのだから、ちょっと、笑える。

 満州と、山東半島は、清国軍が押し切りそうな感じで、

 清国軍の一部は、長春と遼東半島を分断し、朝鮮半島まで侵攻して英仏米軍と交戦している。

 それに呼応するかのように朝鮮族の暴動が増加、

 朝鮮半島で入植の進むスロベニア人とボスニア人との間で、殺戮戦のようなことが起こっている。

 ちなみに清国参戦で、

 台湾のクロアチア人と、山東半島のセルビア人も公然と先住民を殺戮するようになり、

 アジア全体が騒然としている。

 おかげで、重工業株系の利権保守も海外利権を会得しようと、算段してるらしい、

 「え、戦争したい?」

 「当然だろう。欧米列強を排斥して、清国を支配するれば、日本は、アジアの盟主であり続けられる」

 「そんなことより、扶桑、瑞樹、フィリピン、ナミビアに投資すればいいじゃないか」

 「人が死なないで、利益が上がるし、アジアの盟主は不動だよ」

 「この馬鹿が、政敵や成り金を育ててどうする」

 「国内利権を守るために、外国資本と組んで、外患を引き込むのは、どうかと思うね」

 「あのなぁ むかしは、藩の盟主だったのが」

 「いまじゃ おれの名前を知ってるやつは、ほとんどいない」

 「おれたちの支配力が減少してるんだぞ」

 「このままじゃ 領民と大して変わらないまま歴史に埋没してしまう。発言力もなくなってしまうぞ」

 「だから、手っ取り早く、軍需産業で利権を増やして、藩の盟主に返り咲こうって?」

 「バラマキをやめるだけで、領民たちは、おれたちの顔色を見て気を使い始める」

 「かもね」

 「飛行機を飛ばしたあんただって、別系統の飛行機屋が出てこない方が、安泰じゃないか」

 「かもね」

 「アジアで戦争すれば、日本国内に予算が集中する」

 「海外地でなく日本に生産基盤がある者たちだけが儲けられる」

 「かもね・・・」

 いやぁ 金が絡むと、人って、鬼畜になるよな。

 ていうか、ある程度社会的地位があるとさ、

 金儲けより、格差を広げることに血道を上げる、連中の方が多くなるんだよね。

 困ったもんだ。

 

 

 

  10月

 郵便年金開始

 新交響楽団結成

 イギリス帝国会議がロンドンで開催され、イギリス本国と自治領の地位は平等とされる。

 

 財政統制経済は、世襲天下りの関係者が有利になるが、

 バラマキは、下剋上戦国経済となり、誰が需要を掴み、長者番付に来るのかわからない、

 長者番付に顔を出すと、堅実な資産配当に財産を移して左団扇とし、

 人脈作りに集中することが増えるらしく、

 上位10位も5年以内に全員が入れ替わる。

 おれ、そんな時代の日本に住んでる、

 

 

 

 千代(84)の葬式

 ババァになっていたけど、ついに死んじゃったな。

 むかしは、あんなことや、こんなこともあったけど、

 まぁ おれが行方不明で死んだことで落ち込んでたらしいけど、

 おれが寿命を縮めたんじゃないよな。

 そんな気持ちで、線香をあげたよ。

 しかし、曾孫から、死ぬ直前まで “もうすぐ綾波のところに行ける” と、笑っていたとか聞くと、

 ちょっと、来るものがあるわ。

 いや、化けて出ないでね、というのが3分の1くらい・・・

 

 

 

  11月

 ドレスメーカー女学院設立

 ニカラグア運河開通

 NBCがラジオ・ネットワーク放送開始

 豊田佐吉が現在のトヨタ自動車の母体である豊田自動織機製作所を設立

 

 ついにニカラグア運河開通か。

 ニカラグアは、何もしなくても、通行料の半分を財政に入れることができる。

 その代り、アメリカ艦船の交通を妨げてはいけないことになってる。

 つまり、戦争ができるということだ。

 ちなみに通行中は、中立扱いなるというユダヤ好みのグローバルさも忘れていない、

 

 

 

 

  12月

 改造社が『現代日本文学全集』を刊行(円本時代到来)

 アガサ・クリスティ失踪事件(14日に発見)

 アメリカ合衆国がニカラグアに干渉

 ロッキード航空機会社設立

 

   41200t級加賀型空母 加賀 土佐

     全長300m×全幅34m×吃水8.8m

      200000馬力   34kt   12000海里/16kt

        60口径120mm砲8基   70口径40mm6束砲8基

         艦上機150機以上

 長門型空母の3番艦と、4番艦だけど、既に運用している長門の拡大改良で、建造する。

 自動化とか。新素材が増えて、目に見えない部分で、住みやすくなってるはず、

 

  12000t級妙高型巡洋艦

    全長203m×全幅20m×吃水6m

     120000馬力  32kt  15000海里/16kt

       60口径150mm連装砲4基    70口径40mm6束砲8基   対潜ロケット4基60発

       水上機4機

 新型巡洋艦の量産に入る。

 艦隊戦は、海上航空戦で決着がつくだろうということで、空母の護衛艦として建造されてる。

 珪素電子火器管制装置と、索敵用電探と、射撃用電探と、対潜聴音機があって、

 主砲は、対艦対空両用砲で、最大射程28000m、最大射高21000m。

 仰角85度で、10発/分を誇った。

 対空対潜対艦でバランスの良い巡洋艦かな。

 

 

 

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  おれ   妻 千代 (84)   総司(69)  慶司(67)  佐奈(65)  晃司(61)

 

 おれ、 綾波 源司(あやなみ げんじ)  ⇒⇒⇒  時司史朗(ときつかさ しろう) 51

 ロゼ・ティーナ(42)   露瀬 統司(24)  露瀬 千夏(22)  露瀬 陽介(19)

 智子(39歳)  時司 頼経(21)  直衛(19)  美智(17)  雪妃(15)

 

 

  

 

 史実    6021万人

 戦記    2億2913万人

   日本  1億1595万人

   瑞樹     7248万人

   扶桑      114万1906人

   ナミビア・インド洋諸島・パレスチナ   2227万人

   フィリピン  2628万人

 

 

 

 

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第75話 1925年 『世界コロッセウムと。国軍グラディエーターと。』
第76話 1926年 『経国 VS 清国』
第77話 1927年 『国境とバラマキは、民権の生命線』