月夜裏 野々香 小説の部屋

    

錬成系 維新戦記 『1kg級魔法使いで』

 

  

  

 第77話 1927年 『国境とバラマキは、民権の生命線』

 

 ユダヤ暦5687年  皇紀2587年  明治26年

 第122代明治天皇(48)   第17代将軍 島津忠重(41)

 

 十字軍戦争は、8年目。まだ続いている。

 日本は、15年戦争やったけど、十字軍戦争もそんな感じになるのかね。

 欧米列強は、中東と、東アジアの利権を失うことを恐れ、戦争をやめられない、

 もう一つ、やめられないのは、国土の被害が少な過ぎることで、

 欧州が壊滅なら産業復興で、金を貸して、成功しても美味しい、失敗すればもっと美味しい、

 カンフル剤で生かさず殺さずの状態なら、ウルトラハッピー! な現象が期待できないことかな。

 ここは、オスマン帝国に欧州侵攻してもらえるといいのだけど、

 オスマン帝国に、そこまでの余裕がなく、

 負けると、元も子もない事態に陥る。

 

 

 

 

 

 1月

 イギリス放送協会 (BBC) 設立

 武漢の民衆が漢口英租界を占領

 日本水平社結成

 アメリカ軍10000人が上海に上陸

 日本ゼネラル・モータース設立

 イギリス軍2000人が上海に上陸

 春秋社「世界大思想全集」創刊

 及川奥郎が新しい小惑星を発見

 東京地方で気象台開設以来の寒波

 

 京都で雪景色を見ながら温泉に入る。

 日本人に生まれてよかったって、思える瞬間の一つだね。

 看板にラジウム温泉、ラドン温泉って書いている。

 ラジウムは、鉱石で。ラドンはラジウムがアルファ崩壊して放出される希ガスで、

 どちらもアルファー線を放射している。

 アルファー線は、エネルギーが大きいのに、紙一枚通さない、

 大量に浴びても皮膚の表面を癌にするくらいだけど、

 新陳代謝で角質が剥がれたら、それでおしまい、

 器官や内臓に入ると、どうかなって気がするけど、

 体内へ入ったラドンの半分は30分で消え、

 残ったラドンも約2時間で尿で排出されるので食道からだと、あまり気にしなくていいようだ。

 ていうか、紙一枚、皮膚一枚透過できないアルファー線が、なぜ、健康に有益なのか、

 それは、ラジウムだから、ラドンだから、アルファー線だからとしか言いようがない、

 そういえば、未来の世田谷事件、なぜ、紙一枚通さないラジウムのアルファ線が戸外で検出されたんだろう。

 アルファ線検出器なんて、普通のガイガーカウンターじゃ拾えないはずなのにな。

 あれは、自作自演だったんだろうか。

 

 

 閨閥にはいると、いろいろ、特典がある。

 島津の将軍様から家紋を貰った。

 綾波家は、13代将軍徳川家定から貰った円に三本線を斜めに交差させた家紋を使っていて、

 時司家もそれを使っていたけど、

 新しい家紋は、円に  士  というか、カモメ機をデフォルメさせたもの (笑

 いや、ダサいんじゃないのって思ったけど、

 まぁ いいや、

 一族のアイデンティティは、族史と系図で形成され、一族の結束力になるわけで、

 家紋を賜ったは、封建的だけど、相乗効果があったりするね。

 未来の日本でいうと、国民栄誉賞的な一面があるかな。

 一族にアイデンティティがないと、子孫に血統を伝えにくく、精神から平民にさせられる。

 閨閥は、族史を独り占めし、平民が一族史を作ることを嫌うこともあるけど、政敵の族史を消そうとしたりもするね。

 まぁ 家紋を賜るって、子孫の誰かが、何かをしでかす動機とか、力の根源になるかもしれない、

 わかんないけどね。

 

 

 東アジアは、兵数で勝る清国軍が、

 武器弾薬が足りなくなった露独英仏米軍と、バルカン移民軍を押していた。

 満州は、長春でドンパチやって。遼東半島のロシア軍は孤立し、

 朝鮮半島は、清国軍がソウルまで押し寄せ、英仏米軍が防戦中、

 山東半島も清国軍が青島のドイツ軍を囲んでいる。

 清国主要都市にある欧米露租界は、大惨事で、描写すると、SAN値喪失する。

 持ち応えているのは、欧米海軍戦力が張ってる上海のみで、

 アメリカとヨーロッパから来る増援部隊と武器弾薬で、防衛線を持ち直してるけど、

 とりあえずの期待が、清朝打倒で立ち上がった蒋介石の経軍だけどいう・・・・

 

 

 長崎に行くと、外資系保険会社が説明会をしている。

 アメリカの保険会社は、どういう仕組みかというと、

 お金持ち再配分機構かな。

 たとえば、庶民から100のお金を集めて、アメリカに90のお金を送金する。

 日本に残った10のお金の配分は、アメリカ本国で決めるわけで、

 当然、アメリカと、特別な関係の一族に、あげる仕組みで、

 一般家庭は、保険金なんかもらえない、

 文句を言ってきたら、子飼いの外資系弁護士、医者、製薬会社、警察が全力で潰します的な

 未来の日本だと、なんだったかな。アヒルみたいな、

 ア×ラックとかいう名前だったか、忘れちゃった。

 国内系の保険会社なら、まだ、日本人の企業だし、

 逃げ場がない企業責任があるわけだし、支払いが悪くても日本国内に資本が循環するのだけど、

 外資保険会社だと、日本に循環することはあまりなくて、

 外国人の手下の売国奴維持費になってる感じだ。

 日本で保険会社をやろうという連中も、アメリカの保険会社ほどじゃないけど、

 アメリカ系保険会社の仕組みをわかってて、やってるわけだから、

 医療費が高騰してるなら、バラマキを増やした方が益しなのよ、

 ちなみに保険に入ると、妻を、夫を、親を、子供を殺したくなる率90パーセントな。

 保険業は、やめた方がいいわ。

 でも、怖いのは、製薬会社かな、

 未来の日本は、薬に発癌性物質が入ってんじゃねぇのっていうくらい、癌が増えてる。

 

 

 

 

 瑞樹行きの飛行機に乗る。

 子供たちは、一緒じゃないけど、別々に瑞樹に来ることになってる。

 一緒に移動すると、時司家全滅ということにもなりかねないからね。

 戦争中は、フル回転で生産が増えるので、幾ら生産しても、資源不足に陥るし、

 欧米は、生産を増やしても、格差を維持したいのか、日本への発注も多く、

 日本の産業基盤も経済成長率も、著しく大きくなっている。

 まぁ 戦争を利用して、儲けられる間は、儲けるつもり、

 

 

 久しぶりの瑞樹は、点から線に移行してるような気がする。

 発展度をどう言い表すかというと、7406万人/786000kuだと、94人/kuで、

 史実の日本だと、1875年規模の人口密度で、

 水力発電、地熱発電、太陽光熱発電、風力発電の全部が使え、

 数倍の発電力で数倍の社会基盤になりそうだ。

 この世界の日本だと、かなりのものだけど、

 史実の1875年は、大部分が田舎だ。

 しかし、この世界の日本は、鉄道網と道路網が広がっていて、陸の孤島が減っている。

 それは、海外地にも波及し、瑞樹も発展している。

 とりあえず、鉄道で回って、資源を探すけど、温泉が多い、

 暑いのに温泉って、あまり嬉しくないけど、

 地熱スターリング発電なので、冷房にも使える。

 高層建築分の発電を賄えるくらいの発電になることもあって、投資しやすい、

 驚くのは、1500m級の高原に高層建築が建ってることかな。

 地盤とか大丈夫なんだろうかと不安になるのだけど、

 まぁ 大丈夫なんだろう。

 人口増加率で、逆算すると、

 土建屋で談合して、何棟建てれば、収支は、大丈夫という試算がでるし、

 多少、作り過ぎても、インフレ分で、吸収できた。

 しかし、紙幣を国民にばら撒くと、なにが起こるのかというと、

 貧富と地域の格差を利用して力付くで地所を買いにくいこと。

 それなら海外地利権への投資が増えるので、海外地に高層建築が建ちやすいし、

 バラマキなので、海外地に入植しても、循環させる紙幣は足りた。

 地盤がしっかりしているところでは、200m級高層建築が増え始めていた。

 高層建築といっても、倒れようがないほど広くて、一つの街みたいになっている。

 室内は、太陽光を偏光させ、天井から引き込んでるので、明るく、

 内壁のフロアに行くと、冷房がなくても涼しかった。

 土木関係は、ほかの職業に比べて、賃金が大きく、次男三男坊は、海外地で働きに行き、

 そのまま、日本より床面積の大きな現地で足場を固めて、住むことが多く、

 日本の海外地開発産業の仕組みを作っていた。

 子供を育てるためだけに一つのフロアを手に入れ、恩を着せた老夫婦にみさせている。

 1人しかいないのに2人というか。

 名前が2つあるけど1人というか。

 その辺は、複雑なので省くけど、

 子供がいたという事実のみが重要で、

 たぶん、子供が15歳になる前に老夫婦は亡くなってくれるだろう。

 後は、上手く入れ替わるだけなのだけど、

 格差を広げて、貧困層を増やせば、戸籍を売ってくれる人間が現れる、

 未来の日本だと、意図的にそういう状況を作ったりしてるけど、

 おれは、そんな気ないし、

 困ったものだ。

 

 

 

 

 電音によると、

 清国 VS 経国 の戦いは、続いている。

 日本は、両国から支援を求められてるけど、軍機以外の物資を資源と交換してる。

 この辺が、戦略的な思惑と、利権があって武器弾薬を売ってるオスマン帝国と違うところ、

 ちなみに清国からも経国からも利権の売買の打診があるけど、

 未来の経験則で、約束を守る気のない国は、信用しない方がいいと思うの、

 もちろん、大陸に利権を欲しがる堅気じゃない勢力もいて、抗争中、

 

 

 

 

 

 

  2月

 資源帯を見つけた。

 これで、もう少し、発展するかもしれない、

 

 電音で、中国情勢を聞いている。

 清国軍の防衛線は、湖南省、江西省、福建省の北部だけど、

 清国軍が数の優位を生かせないのは、

 清国艦隊が、欧米列強の艦隊に勝てないとわかってるためか、

 揚子江の奥地に引っ込んでいるためかな。

 

 

 この世界の日本は、

 幕藩連合は、俸禄を止めて特権を廃し、

 紙幣をばら撒くことで、民主資本主義で近代化したように思えても、

 天皇を中心とする古支配層の公家衆が北イスラエル王国親衛隊という基盤を持ち、

 旧支配層の武家衆が幕藩主連合を保持し、

 新支配の新興政官財衆が100万人長議員を議会に送って、権力層を形成している。

 おかげで、武家諸法度や日本刀にしがみ付いてる武士がいる。

 封建社会は、権威主義が強くなって、思考停止状態に陥りやすくなるから、

 まぁ なんていうの、

 独善と、膠着した思考に、良識とか想像性が踏み躙られやすいってことなんだけど、

 武士にとっては、俸禄を奪われたことより、

 農民と同じ、バラマキが、癪に障るらしい、

 そして、もっと、腹を立てているのは、家柄のある武士より偉くなったり金持ちになる農民が増えていることで、

 安政維新から2世代、3世代を経ていても、

 公家衆と旧藩主は、10人長制の強い海外地に面白くないのか、

 世襲は、人を腐らせるのか、

 権威や利権を奪われるくらいなら、殺してやる的な人格を形成している気がする。

 そして、権威や利権を復権するため、瑞樹に朝鮮人を引き込もうとする公家衆、武家衆も少なくない、

 また、世襲的な後ろ盾のない、議員連中も長いモノに巻かれるより、

 非合法で潰しの効く味方を引き入れようとする場合があるし、

 そういった狭心な私利私欲と我田引水の延長が未来の日本の姿なのだが、

 格差を広げると、既得権が強くなるので、地位に執着するために、不正腐敗が蔓延りやすくなる。

 そして、芳しくない世相が作られていくのだけど、

 聖域で権力に溺れている人間は、視野が狭くなるというか、日本全体を見なくなるし、

 いろいろ、まずいことになりそう。

 特に利権を愛国心と摩り替えてるキチガイ利権保守集団は、

 上には奴隷の如く。外には乞食の如く。配下には王の如く。といった醜悪そうな権威主義者だし、

 ちょっと、呆れ困るのだけど、

 中東を中心にした十字軍世界大戦が、東アジアに波及すると、

 どうせ、死ぬの下々だし (笑

 重工業の利権を買って、日本も戦争しようじゃん もっと、儲けようじゃん、っていう声が強まるわけで、

 主戦派と、不戦派で、攻防中かな。

 それで、主戦派の切り崩しで、どうしても、

 経済成長させて利権の分配的なことが必要になっちゃうのだけど、

 それやると、紙幣の価値が低下していくわけで、

 どうせ紙幣価値が低下するならと、

 借金してでも利権を買うぜ、っていう投機的な輩が現れるので、

 それやると、バブルに繋がって不都合なことが・・・

 あーー 困った、困った。

 

 

 

  3月

 新潮社「世界文学全集」刊行開始

 研究社「新英和中辞典」刊行

 北丹後地震

 上海で英米露の司令官が緊急会議

 福島県磐城炭鉱で坑内火災(136名死亡)

 ハイゼンベルクが不確定性原理に関する論文を提出(量子力学)

 村山貯水池(多摩湖)完成

 

 

 長男の頼経(22)は、奉納する日本刀を大事そうに抱えている。

 封建的な教育と雰囲気が残ってるせいか、息子らは、護衛のつもりで守ろうとするけど、

 どこまで役に立つのやら

 本当の死の恐怖に打ち勝つには、失うものがない人間の忠誠が有利で、

 実をいうと、孤児院出で、魔法で命を助けてやった部下の方が頼りになるかもしれないって思ってる。

 ていうか、修羅場で、そういうのを何度か見てるし、

 おれも未来で、親父を守るために命を懸けたかというと、微妙だし、

 いろんな判例を目にしてるし・・・

 「父上。この山は、女人禁制のようです」

 「男女が一緒にいると面倒事が増えるし。来るものも、いろんな目で見るからな」

 「あと、そう書いてると、良いことがありそうな気がするからだろう」

 「なるほど、一石三鳥ですね」

 「本音は、言わないだろうがな」

 不況になると、宗教にすがる人間は少なくない、

 そして、不況になるほど、博打や宝くじが増えるのも、似たような心理的傾向と言える。

 しかし、瑞樹で新興宗教が強くなったのは、不況が原因でなく、

 次男・三男文化で、コミュニティの価値を認められたからだろうか。

 まぁ なんでもいいから、コミュニティを作ろう的なものだ。

 瑞樹産の神道系、仏教系、陰陽系、山岳信仰系、独立系の宗教があって3000m級のところに本山があったりね。

 そうそう、師弟人脈が編纂した聖書で出来がいいとされる7種が翻訳され、海外でも読まれ始めていた。

 日本人の整合性と、日本に伝わる何かと、

 イスラエルで、原書に近い聖書を発掘し、それを原典にしたわけで、

 一神系聖書だけでなく、多神系聖書もあったり、野心的な聖書も少なくなくて、

 それを利用したユダヤ10支族神道系も、増えつつあるらしい、

 海外では、北イスラエル王国10支族系聖書として、大騒ぎになっていた。

 幕藩連合が統一した見解を決めなかったこともあるけど、

 原典になる文献が博物館に飾られていて、世界中から、聖職者と、聖書研究者が集まったりとかね。

 ちなみに瑞樹原産宗教にも興味を持ってるのか、瑞樹でも白人観光客が増えている。

 

 宗教、封建制度、金融資本主義、金融共産主義は、信者や利害関係者に奴隷根性を植え付け、

 収奪・労役・戦争を強いるピラミッド統治形態の一つで、反民主の最たるものかもしれない、

 たぶん、奴隷根性を和らげ、収奪と労役を軽減させるような社会構造は、

 それら寄生虫の敵というか、最後までバラマキに抵抗してたかな (笑

 しかし、宗教が、同じ志向、似たような善悪感を持つ人間を集めやすく、

 文化、人種、民族、言語が違う地域ほど、宗教の価値が大きいのも事実で、見ず知らずの多い開拓地だと、

 新興宗教が共同体を構築するための切っ掛けになってるような気がする。

 なんていうか  僕と宗教契約して、信者になってよ  みたいなリスク&リターンがありそう。

 ちなみに、一番の宗教は、金融支配貨幣信仰の資本主義だね。

 対抗馬の金融支配労働信仰の共産主義も強いけど、

 戦争の度に金本位制をチャラにしながら、大儲けで、利権を増やし、

 不足な紙幣を供給しつつ、格差も広げるのだから、

 そして、適当に産業が繁栄して、利権支配を広げて強くし

 金融、電力、農業、マスメディア、学閥、医療、水産、警察、軍隊、

 水道、年金、鉄鋼、石油、石炭など、生殺与奪権を握ったら、

 もう、一度、紙幣供給を絶って、

 税制を上げて、さぁ 戦争 (笑

 ちなみに、おれは、未来人だから、不可視×界線の向こうから来た1kg級魔法の使い手だから、

 この世界の神様からしたら異物だし、事業関連の協賛が目的かな。

   はっ! この気配は、闇の眷属か! (笑

 「父上、その構えは、なんというのです?」

 「ち、厨二段・・・」

 「宙弐段ですね」

 

 

 

 電映を見てると、 

 バルカン戦線の様子が映されていた。

 空中戦は、何か撃墜されてるみたいだけど、遠過ぎて、どっちが落ちたのか、よくわからない、

 性能差で、英仏独の機体が落ちてると、思うのだけど、

 連合軍も数の力で、オスマン帝国機を落とすことがあるらしい、

 喋ってるトルコ語は、100個ほど単語を覚えたので、なんとなく、聞き取れる感じ、

 オスマン語が増えると、近くにアラブ人将兵がいるんだなって、思える。

 オスマン軍が使ってる装備のほとんどは、日本イスラエル自治区製のもので、

 戦線を支えてるのって、日本だって気がしてくる。

 ていうか、日本は、世界大戦の一方の陣営の武器生産と、民需の8割を余裕で生産してるわけで、

 近代戦争に占める工業生産力の価値でいうと、

 キリスト教連合国と、日本の戦争みたいな気がするね。

 連合国は、そういう戦況にあっても、日本と事を構えるのを控えている。

 イスラム圏・清国と事を構え、

 ここで、日本と、戦端を開くとか、どんな間抜けでも、あり得ない、

 

 

 

 

 4月

 チリのイバニェスが事実上のクーデターで大統領に就任

 

 瑞樹は広すぎるぜ、

 しかも、暑くて未開地で資源探しとか、

 年寄りをいたわれよ的な。爺いを働かすな的な。

 ああ、でも、連れの護衛の方が先に参ってる感じだな (笑

 まだまだ、若いモノには負けん、みたいな。

 そうそう、こういう時、

 どっちが先にばてるか、とか、賭けをして、

 おれにもしものことがあったら、隠し子の、あれとあれを気にしてくれとか。

 若返りの口裏を合わせさせるのを忘れない、

 ていうか、おれの人生の後半は、そればっかりが中心で、

 利権づくりも、その若返りのための布石なんだよね。

 バラマキのせいで、不正腐敗に関わる人間が少ないので、利害関係だけじゃ足りなくて、

 命の恩人とか、賭け事を利用しないと、いろいろ、難しくなってきてる。

 

 

 

 教室

 “十字軍戦争の原因は、ピエロ男たちの犯罪、オスマン風邪、ローマ法王の暗殺と言われているが”

 “そう思ってもらう方がいい勢力によって、そう思わされていることもある”

 “国家は、国権と民権のバランスを執るのだけど”

 “国家戦略が定まっていない国は、戦略が定まっている利権勢力に分断制御される”

 “なぜ、偽ユダヤの国家破壊計画で決めたマジシャンズチョイスの資本主義と、共産主義に踊らされ”

 “国民同士が対立しなければならないのか”

 “それは、格差と差別を広げることから始まるのだけど”

 “元々そうしたいと思う権力層が多いからで、欧米列強では、中央集権型金融で後押し”

 “詐欺、人事劣化、利権対立、暗殺、テロで、紛争を大きくしていく”

 “一般人は、元締めが印刷する紙幣の増減に戦々恐々としながら取引をするわけで”

 “抵当になる質草がなくなれば、自動的に奴隷化させられ”

 “経済基盤を先鋭化した大企業支配に生殺与奪を握られ”

 “小銃を持たされ、泥水に浸かりながら、戦場で戦わされる運命になる”

 “日本がいまのところ、戦争に巻き込まれていないのは”

 “貸し借りによらず14歳以上の男子へのバラマキが、中央集権型金融の支配を消しているからで”

 “政府は、国債を発行することなく、国家財政を税収だけで行いやすい”

 “しかし、戦争が始まると、国債を発行せざるを得なくなるが”

 “国債とは、軍事に強い既得権に金を渡し”

 “その借金のツケを国民に支払わせるものなので、長い目で見ると、貧富の格差が広がってしまうわけだ”

 “利権保守と呼ばれる利権屋は、そういった仕組みに触れさせず”

 “紙幣を大企業に集め、戦争美学を騙り、愛国詐欺で金を集め、若者を戦場に追いやろうとするのだけど”

 “そういった、利権保守に近付かない方がよろしい”

 “彼らは、美学で殺し合ってくれる馬鹿を喜んでるのだから”

 “必死に仲間を増やそうとしている”

 

 

 

 

 

  5月

 ジュネーブ国際経済会議開催(52カ国)

 アメリカ映画芸術科学アカデミー創立

 オーストラリアで首都移転(メルボルン→キャンベラ)

 日銅総裁 伊藤才蔵

 日本ポリドール蓄音器設立(日本国内でのレコード製造開始)

 ニカラグアでサンディーノがアメリカ合衆国の軍事占領に対してゲリラ戦を開始

 バス学校爆破事件

 チャールズ・リンドバーグが大西洋の単独無着陸飛行に成功

 フォード・モデルTの生産が終了

 

 

 日銅総裁が他家、というより、閨閥移動していた。

 まぁ 金融は、バラマキなので、中央銀行制と違って強くないので、あまり関係ない気がするけど、

 綾波の名前が続くと、都合が悪いので、コントロールしやすい範囲で、閨閥移動が行われてるらしい。

 ちなみに、誰がなっても、10000文紙幣を錬成してるのおれだから (笑

 

 

   4700t級蒼龍型潜水艦

    全長 90m×全幅10m×吃水8m

     水上2600t   3000馬力   14kt   37500海里/14kt

     水中4700t   5000馬力   17kt     600海里/10kt

      533mm魚雷6基  24本

 瑞樹でも潜水艦を建造している。

 出来は、内地と大差がなく、海外地の方が設備が新しいので、生産力が高い場合もある。

 東シナ海や南シナ海では、アメリカやイギリスの軍艦を何回も射線に入れていて、

 仮想の撃沈記録を合わせると、イギリスとアメリカの海軍を全滅させている。

 日本の水上艦や商船は、潜水艦に送電しながら曳航させられる装備が取り付け、

 送電中は、原子力潜水艦並みの生活水準が得られた。

 

  

 電音

 “日本とアチェ王国への投資協定が調印されたようです”

 “これで、スマトラ島における日本の利権がある程度、認められるとのことです”

 “現地ゲリラ勢力が暴れているようですけど、大丈夫なんでしょうかね”

 “日本の利権は、要衝4か所の譲渡ですので防備はしやすいはず”

 “アチェ王国投資は、建設後、アチェ王国に委託するので、テロや紛争が起きても痛手はないはずです”

 “現地勢力と、欧米列強の関係は、わからないのですか?”

 “はっきりとは、わかりませんが”

 “資金提供や武器弾薬の提供を受けない限り、パフォーマンス的なテロ攻撃は、ないはずです”

 “クライアントの人気取りで、テロ攻撃ですか・・・・”

 “金に目が眩んだのかもしれませんね”

 “アチェ王国は、バラマキをしないのでしょうか?”

 “民族、言語、文化の違う現地民の取り込みで躊躇してますね”

 “なるほど、現地と格差が広がり過ぎると、日本は警戒し続けなければならないということですね”

 “資源供給と、維持費負担のバランスが気になるところですね”

 “オランダ領インドネシア残部も気になりますよ”

 “オランダ軍は、現地独立勢力と戦っていますが、清国参戦以降、戦力不足ですからね”

 “アチェ王国が、残部インドネシア解放に向かうかで、戦況が変わるでしょう”

 “行きますかね?”

 “日本から上陸用舟艇と戦車を買ってるみたいですよ”

 “アチェ王国の動きも見逃せませんね”

 “ええ”

 

 

 

  6月

 万国郵便連合加盟50年記念切手(4種)発表

 アムンゼン来日

 

 うぅぅ〜 扶桑に戻りたいけど、瑞樹の資源探査が終わってない、

 広すぎるぜ、瑞樹。

 電音によると、

 なんか、欧米列強が、日本を武器商人エコノミックアニマルとか貶し始めている。

 そういえば、未来でも、そんなこと言ってたよな

 マスメディアも くたばれ GDP とか

 むしろ、くたばれ、マスメディア って、思ってたけど、

 戦争中に中立国がGDPを落とすなんて言うのは、属国ぐらいしかない、

 そんなわけで、イギリスの属国インドの独立勢力と、人脈を繋げている。

 瑞樹は、日本より白人観光客が少なく、非公式な会合がしやすかった。

 

 

 

 瑞樹は、白夜の扶桑と違って、夜になると寝る。

 極地と赤道の生活習慣は、なんとなく、理解しているので、結構、馴染めた感じだ。

 でもまぁ シーフードを摘まみに、沖縄の泡盛と、現地の果実酒を飲みたくもなるかな。

 電映を付けると、

 アメリカで “JAPANESE ONLY” という横断幕が張られ、

 黄色人たちが何かしら会合している光景が映されていた。

 日本人観光客だろうか。

 日本人らしくないというか。

 テーブルにキムチらしきものがあるし、日本人じゃないような気がする。

 あと、チマチョゴリをハサミで切ったとか、

 相変わらず、自作自演で声が大きい民族って、思うわ。

 ていうか、でっちあげを電映で大々的に流すとか、

 アメリカも基本、反日なんだなって思う。

 

 

 

 

 

 

  7月

 インドネシアでスカルノらがインドネシア国民同盟を結成

 岩波文庫創刊(漱石「こゝろ」他23点)

 芥川龍之介が睡眠薬を多量に飲んで自殺

 

 電映によると、

 北アフリカ戦線は、

 制海権を握る米英仏独伊連合軍と、

 制空権と、地の利を得ているアラブ・イスラム連合軍の攻防戦で、

 カイロから400km西のメルサマトルーから、カイロから240km西のエル・アラメインまでの

 160km区間を敵味方の戦車部隊が行き来しているらしい、

 イスラム国家連合は、戦いが激しくなるほど、聖戦の意識を強めている。 

 まぁ 日本製の武器で勝っているし、

 イスラム圏の拡大とか、考えているかもしれない、

 でも、やり過ぎて、スペイン・ポルトガル語圏を怒らせるとまずいので、調整が必要かもしれない、

 ちなみに、スペイン・ポルトガル語圏では、

  “キリスト教国家群の一員として、オスマンと戦うべし”

  “イギリス、アメリカは、スペイン・ポルトガル語圏を収奪し滅ぼそうとしている敵で。利敵行為はやめるべき”

 と、二つの声が上がっている。

 上は、偽ユダヤの論調で、

 下は、北イスラエル王国親衛隊の論調だけどね。

 

 

 

 

 

  8月

 瑞樹で印刷したドル札、ポンド札、マルク札を見ている。

 本物と、ほとんど違いがない気がする。

 たぶん、見分けがつかない、

 戦争中で、紙幣を増刷してるし、金の取引は停止し、

 金本位制が崩壊してるのだから、偽札を作っても、あまり意味がない、

 しかし、紙幣に戦争をやめさせる力があるのも事実で、

 統制のきかない紙幣が流通させられたら、中央銀行は権力基盤を失うので、

 戦争は中止だ (笑

 金融支配で権力基盤を強く大きくするために戦争するのであって、

 金融支配を失うくらいなら、戦争なんてしないからね。

 

  

 

 

  9月

 宝塚少女歌劇レビュー初演(『モン・パリ』)

 秋収起義起こる

 日本ビクター設立

 蒋介石が来日(長崎着、11月8日まで滞日)

 

 

 中央集権が腐ると、救いようがなくなる、

 そして、中央集権が腐るほど、権力基盤を中央に集めるので、

 地方が衰退し、戦争反対の声が弱くなる。

 この世界だと、欧米列強が、そんな感じだ。

 道化作家というか、狂言回し作家が主戦論仕様の創作を強いられてるし、

 従順で盲目な右翼戦士、従順で盲目な聖戦信者を操って言論を構築して、人々を徴兵し、

 軍団を編成し、イスタンブールに突撃させている。

 大義と言えば、欧米露諸国がイスラム教に支配されるとか

 トルコ・アラブ将校に強姦されるとか。そんな恐怖感なのだけど、

 現在進行形で、逆のことやってるのが、白人キリスト教徒なんだけど、困ったものだ。

 

 

 

 

 

 

  10月

 中国共産党の毛沢東が井崗山にソビエト政権を樹立

 

 バラマキは、人口が増えるほど紙幣が増える。

 単純明快なシステムなのだけど、

 人口が増えるほど、10000文紙幣のストックが不足するので、錬成ばかりで、苦しくなる。

 でも、財政支出分で、バラマキの一部を補填すると、その分だけ紙幣量を調整できた。

 既得権にしたら、紙幣量を増やしてライバルや政敵を増やして徒労感を覚えるより、

 財政の一部をバラマキに回して回収する方が得策というわけで、

 時々 財政のバラマキ比率を増やして、投資を抑制したりしている。

 おかげで、錬成以外にもできることが増えるのだけど、

 なにをしようかな・・・・

 創巧社の関連企業で、カーボン、シリコン、チタン、セラミックを使った義体を製造している。

 形さえ、完成すれば、真似してカーボンナノチューブやシリコンナノチューブで錬成できるわけだが、

 いまのところ、満足できるものに仕上がっていない、

 人口2億人超えてるなら、未来の日本並みの科学技術力が欲しいところだけど、

 蓄積してるデーターがまだ少ないのか、紆余曲折と試行錯誤が大きいようだ。

 まぁ おれも、そんなに詳しいわけじゃないからね。

 それでもまぁ 電子、複合素材、バイオ関連は、相当進んでる気がする。

 サイボーグとか。バイオ強化人間とか。見てみたい。

 おれの趣味だけど、

 

 

 

  11月

 来日中の蒋介石が日本に 経 の大陸統一に協力を要請

 蒋介石が離日(神戸発)

 アメリカで最初の自動車用水底トンネルが開通(ホランド・トンネル)

 「キンダーブック」創刊(フレーベル館)

 

 

 蒋介石の動向は、気になっていて、手下に探らせていた。

 経人を奴隷のように扱き使って、商品を作って日本に売るから利鞘で儲けろとかいう話しを振られ、

 既得権が新興企業潰しも兼ねて短絡的に儲けたがるというか、産業投資の話しに進んだら、

 エコノミック・ヒットマンを送るところだったぜ (笑

 日本人は、内弁慶というか、下っ端に高圧的だが、外面がいいのか、外交戦略で、鴨になりやすかった。

 未来の日本になると、末期で、

 国富を国外に持ち出して貢いでは、外国人にご褒美を貰って私腹を肥やし始める。

 頭がおかしいにもほどがあるのだが、

 近視眼で視野が狭く、利権以外に守るべきものがない人間だとしたら、

 各個撃破で後回しにされてるに過ぎないのだけど、犬みたいに喜んでしまう、

 そして、最後は、金の裏付けのない紙切れの不換紙幣ために

 日本民族のいない日本を作って、日本を滅ぼうそうとしてしまう。

 電話で、報告を受けたけど、

 警戒していたほど、酷い取引はなかったようだ。

 

 

 

 

 

 

  12月

 『労農』創刊(労農派)

 金鶴香水設立

 多摩陵の造営工事が完成し奉告の御儀挙行

 第54議会召集

 

 ニューカレドニアは、ニッケル鉱山のおかげで、近代化が早い、

 辺境に基幹産業を作って近代化させると、独立したり反逆したらどうするのか、

 そういう、声を聴くことがある。

 バラマキで公平性を確保されているわけで、

 辺境を守るために国軍を送るより、

 現地産業に現地軍を維持させて守らせる方が、楽なわけで、

 仮に独立して独裁で支配できても、10000文札は、印刷不可能で、

 南太平洋で孤立しても経済が縮小するので、

 大多数の国民は、面白くないので、普通は、独立お断り、

 でも、利権の動きは、注意しないとな。

 外資が、半島で、その手の工作員を訓練して、日本に潜入しているから、

 そして、親と同居していないので、素性不明でも何とかなってしまう。

 まぁ おれも、そのおかげで、海外地で、若返りがしやすいのだけどね。

 あまり役に立ってなさそうな城塞都市は、世界でもっとも新しい城塞都市かな。

 あ、ナミビアとか、南極基地の城塞都市の方が新しいか。

 

 

 

  

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  綾波 総司(70)  慶司(68)  佐奈(66)  晃司(62)

 

 おれ、 綾波 源司(あやなみ げんじ)  ⇒⇒⇒  時司史朗(ときつかさ しろう) 52

 ロゼ・ティーナ(43)   露瀬 統司(25)  露瀬 千夏(23)  露瀬 陽介(20)

 智子(40歳)  時司 頼経(22)  直衛(20)  美智(18)  雪妃(16)

 

 

  

 

 史実    6114万人

 戦記    2億3554万人

   日本  1億1752万人

   瑞樹     7406万人

   扶桑      124万5758人

   ナミビア・インド洋諸島・パレスチナ   2384万人

   フィリピン  2785万人

 

 

 

 

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第76話 1926年 『経国 VS 清国』
第77話 1927年 『国境とバラマキは、民権の生命線』
第78話 1928年 『帝王学は、裏技があって、それは・・・っ!』