月夜裏 野々香 小説の部屋

    

錬成系 維新戦記 『1kg級魔法使いで』

 

  

  

 第89話 1939年 『大和文明勲章あげるから言うこときいて (笑』

 

 ユダヤ暦5699年  皇紀2599年  明治38年

 第122代明治天皇(60)   18代将軍 池田 徳真(35)

  

 

 マジョリティは、同胞との競合で対立しやすく、

 マイノリティは、マジョリティの世界で、結束しやすかった。

 マジョリティが、弱体化するほど、マイノリティは、優位になり、

 マイノリティは、マジョリティの不信と、分断と、対立を増長させることで弱体化させる。

 その最大は、右翼と左翼の分断と、対立で、

 利己主義と、拝金主義で、マジョリティをバラバラに解体してしまうことといえる。

 マイノリティは、右翼と左翼に潜んで、マジョリティの分断工作を進めるし、

 マジョリティの足を引っ張ることで、地位と財産を会得していく、

 日本最大のマイオリティは、白人系混血と、フィリピン人だけど、

 日本に潜む、朝鮮系日本人や大陸系日本人や、それらの在日より毒性が少なかった。

 

 

 

 貧富と地域の格差を広げると、反対する者たちを各個撃破できるし、

 貧困層を増やせば、金で人を動かせるし、

 どんな、汚い仕事でも、やらせることもできる。

 例えば、外患誘致とか、売国とか、戦争、革命、内戦とか、クーデターとかね。

 もちろん、鍵十字の旗を持たせて街路を歩かせるていど、お茶の子さいさいだ。

 権力の座に就き、大金持ちになると、それができることに気付くわけ、

 早い話し、右翼と左翼を対立させて、傷口を広げることから始まるし、

 対外的な外敵を利用して、国内問題の目を逸らすこともできる。

 まともな人間だと、そういった出鱈目な政策はできないのだけど、

 統治者が外患や内患の一味だったり、弱みを握られていたりすると、

 次第に国賊化してしまう。

 そして、国賊に反発するように、外患が近寄り、売国者にしてしまう。

 ちなみに、史実の明治維新も革命を成功させるため、売国奴と深く関わってる気がするね。

 この国賊化と売国奴化は、対で、

 この時代でいうと、右翼と左翼が担当している。

 本来、まともな統治者なら、国権と民権を戦わせていいものじゃないのだけど、

 工作員が強くなるほど、そっちに引っ張られた。

 

 

 そうそう、観光客が増え、外国人要人が増えると、その中に、貴族も混ざっていたりする。

 そして、歓迎の義が行われるようになると、序列が意識される。

 日本側も、相応の関係比が必要になるので、だいたいの対比図が必要になっていた。

石票 民主主義 完全世襲
武家衆 10人長制 師弟閥 皇族・公家衆 貴族
征夷将軍 1000万人長 適35歳 天皇
大将 藩主 大老 100万人長 摂家 公爵
中将 家老 老中 10万人長 清華家 侯爵
少将 若年寄 大臣家 伯爵
大佐 奉行 奉行 1万人長 羽林家
中佐 名家 子爵
少佐 大目付 大目付 半家(諸大夫家)
大尉 1000人長 男爵
中尉 与力 与力 100人長
少尉 同心 同心 10人長 適21歳
軍曹 騎士
伍長
一等兵
二等兵

 完全世襲の公家衆は、

 公家衆の各位と、

 太政大臣、左大臣、右大臣、大納言、中納言、参議、中将、少将、侍従、四品、諸大夫など、

 任官の序列が決まってるので、貴族との対比が簡単だった。

 一方、武家衆は、石票で世襲可能が決まるせいで、公家衆と事情が変わる。

 石票は、大人一人1年分の食糧 = 一石:米150kgから来ている。

 江戸時代は、150kg収穫するのに必要な平均的な農地面積は 1000u なのだけど、

 平農地は、天候での良作・不作や、土もピンからキリまであって、

 農地面積と、収穫量の石高が安定してない、

 不作地に農業用高層建築が建ち、最新の農業技術が使われるようになると、

 法律で三圃式農業やノーフォーク農法を強制しても全国平均で面積当たりの作物量が増えている、

 全農作面積の合計と、全収穫量を割って平均一石を出すのだけど、

 あと、石票として加算されていない開墾9年以内の平農地と、軒下作物も流通し、

 漁業分の石票も存在している。

 食卓は、米が少なくなり、小麦と、野菜類と、魚介類と、肉類が増えているせいか、

 作物によって、

 石票が減少してるのに、収穫量と収入が増えたりとか。

 収入が減少してるのに、収穫量と石票が増えたりとか。

 収穫量と石票が減少してるのに、収入が増えたりとか。

 あるいは、その逆とか。

 石票と、収穫量と、収入が変動するダイナミックな産業になってるらしい、

 いまは、全国平均、1000u で、四石(600kg)ほどの収穫をあげてるけど、

 米生産は、全生産量の半分以下に落ちて、統計でしか判断できなくなりつつある。

 ほかに、林業、鉱業の石票も差し引くと、複雑な構造になるし、

 鉱山など、採掘がはじまると、石票が10年平均で増加し、

 採算の合わなくなるにつれて、石票が減少し、閉山に伴って、石票が消失してしまうものもある。

 そんなわけで、石票を江戸時代の石票と同列比すると、辻褄が合わなくなるので、

 石票は、遠い昔の概念を残した残照なのかもしれない。

 また、自己石票で、藩主の座についてる者は、1人もいないし、

 藩主に気に入られるなら、無石票でも、10人長でも、

 委任状だけで、家老になる者さえいるので、石票が、その地位に繋がっていない事もある。

 ていうか石票だけなら、おれは、相続してる石票で、もっと上の地位・・・・ みたいな。

 

 そして、毎年、農業用高層建築が建設され、生産量が上がってるので、

 何石持てば、大将相当とか、二等兵相当とか、いえなくなってきてるし、

 石票で、知行権となって、地租税の基準にもなっているのだけど、

 信託会社で石票目的の農業用高層建築が増えると、石票の概念はさらに変化する。

 例えば、売買している一石票(1ku:150kg相当)を買うと、現実にある住所と番地が書かれているけど、

 所有権と、議決の石票:配当権と、経営権は、分割された石票になる。

 大手藩主になると、所有権と、石票:配当と、経営権を一致したもの持っているけど少数派で、

 石票=所有権=地位=経営権が結び付きにくくなってる。

 

 

 そして、公家衆と武家衆と貴族は、大まかな序列が決まっても、

 学閥は、最後まで揉めた。

 適正年齢試験は、21歳から弟子を取って、教室で教えることができるのだけど、

 最高位の35歳の適正年齢試験に合格しても、教室や弟子を持たず、

 仕事の交渉術の学歴でしか利用していない者も少なくなく、

 家庭教師ばかりで、数人の弟子しか教えていない者もいる。

 逆に21歳でも教えるのが上手いのか、数千人の弟子を抱える者さえいて、

 師弟閥を弟子の規模で測ると、適正年齢試験と師弟規模が合わなくなるし、

 師弟規模で合わせようとすると、適正年齢試験と合わなくなってしまう。

 また、一人しか教えていなくても、直系の弟子が大成功してしまうと、

 御大臣扱いされかねないわけで、

 知識力と、教育力の歪な関係になっていたりする。

 求められるものが違う軍階級、任官、10人長制のカテゴリを混在させてる日本社会だし、

 ヒエラルキーのみの貴族で対比させようとしても、合わないモノを無理やり合わせるようなもので、

 各位で人を見下すことの多い、欧米貴族な人たちは、納得しないのかもしれないし、

 伯爵と欧州市長との関係性は、見当が付いても、

 貴族と10万人長の各位は、どうなのか、見当が付かないのかもしれない。

 

 

 

 1月

  大和文明歴史勲章制定

  横綱双葉山が安藝ノ海を破って(70連勝)

  チリで大地震(M8.3、死者約8万名)

 

 

 正月だけど、瑞樹にいる。

 来年、死ぬと思うと、家族との付き合いもなんとなく、感慨深いし、

 せっかく、関係を築き上げた仲のいい友人知人とも、政敵とも、お別れになる。

 だけど、若返るから、滅多やたらにスキンシップできない、

 死ぬのは、今回で、2度目になるけど、

 全ての人間関係を断ち切るのって、死んだも同じ気がしてくる。

 

 

 資源を発見し、採掘するほど、加工品が増え、大量生産も大きくなっていく、

 瑞樹が内地に負けないほど公共投資が進み、産業基盤が形成され、

 生産力が増大するのも資源の単価を小さくできるからで、

 海外に利権が増えるほど、日本に供給される資源も増えた。

 そして、イスラエル王国親衛隊は、日本に資源を輸出することで、

 高層建築を増殖させ、利権を増やし、味方も増やした。

 その相乗効果は、大きく、

 戦後の民需転換の成功と重なって、日本の高度成長を加速させ、

 世界的な建設ラッシュかな。

 

 

 瑞穂の過疎域に若返ったはずのおれがいる。

 ていうか、若返ったおれが、存在してるように工作している。

 まぁ 居ない人間をいるように工作するとか、困ったものだ。

 

 

 

 大和文明勲章は、ノーベル賞の真似。というか、パクリ

 ちなみに大和は、ヘブライ語の “ヤハウェの民” が語源で、勲章あげるから言うこときけ的なものだけど、

 聖書から続くアブラハム直系の天皇から勲章を貰えるのだし、

 イスラエル王国を継承した日本で与える勲章なんで、権威は、ノーベル賞より上かな。

 文明殊勲章、歴史殊勲章、文化殊勲章、大陸殊勲賞、国家・民族殊勲章・・・

 で、われていて、貢献度に応じて、勲章が与えられる、

 査定は、シビアで、厳正かな。

 ちなみに、おれは、飛行機を飛ばしたから貰った。

 前の綾波も銅行と潜水艦とエンジンで貰ったかな。代理で長男が貰ったけど、

 あと、数人の日本人と、外国人が貰った。

 

 

 

 

  2月

 日本・コロンビア・メキシコ・ベネゼエラ海軍合同演習

 

 飛行機に乗って、ニューカレドニア、

 ニューカレドニアは、火山島じゃないので、300m級高層建築が建設されやすいようだ。

 ニッケル炭鉱のおかげで、島の基幹産業は、大きくなっているし、

 工業化も、オーストラリアやニュージーランドより上だ。

 ちなみに、おれの利権もあるけど、そろそろ、遺産分けしとかないとな。

 一応、隠し子の若返ったおれの名義も増やしてる。

 

 

 港を見ると

 高雄型巡洋艦の後部甲板から、ヘリコプターが飛び立っている。

 ヘリコプターの完成度の高さは、おれが関わったからだけど、

 ターボシャフトエンジン開発は、ジャンクヲタのおれでも、手間取ったぜ、

 なにはともわれ、これで、空軍の独立は、進むだろうし、

 おれがいなくなっても、大丈夫だろう。

 ターボプロップエンジン装備の爆撃機富嶽の開発は、まだ先になりそうだけど、

 若返ったら、一般人みたく、やっていくかな。

 

 ちなみに、ターボプロップエンジンの開発は、それなりに進んでいる。

 たぶん、次の航空機は、ターボプロップエンジンになりそうだ。

 

 

 海外地開発が増えたのは、他藩と協力しないと金と人材と知的所有権が足りない、

 それで、仕方がなく、海外地で共同開発が行われるのだけど、

 海外地に独立されると面倒なので、小さな島で開発し、藩企業にフィードバックする手法が増える。

 ニコバル諸島、ビスマルク諸島、ソロモン諸島、フィジー、バヌアツは、そういう複藩企業が多く

 ニューカレドニアは、特に、複藩企業が多い島で、先端工業藩の樺太に次ぐ、

 関東藩、京府藩、尾張藩が連合して開発工場を建設していた。

 ここまでやると、扶桑への嫌がらせかと思うほどだけど、

 年間を通して、作業できる地域は、好まれやすいのかもしれない。

 

 

 ニューカレドニアの山を走り回る。

 基幹産業の鉄道・道路網は、幕府が建設していくけど、

 区画整理した開発地を買うことはできるが個人が買える敷地面積は制限がある。

 法人で買うのだけど、一法人が購入できる敷地面積も制限がある。

 それ以上に購入しようとするなら、新規法人を立ち上げるよりない、

 あと、複藩企業法人で買うと、藩数が増えるほど、購入できる敷地面積を増やすことができた。

 今後、100万人長連盟でも敷地面積を増やすことができるかも検討されている。

 早い話し、個人や一法人の敷地独占を禁止する法案で、高層建築を増やし、未開発地を後世に残すためでもある、

 幕府は、未開地の売買だけで、税収を増やせるので、楽ではあるけど、

 たまに山岳信仰でも広めたいのか、山伏的な人たちとも出会う。

 彼らが、霊山だと言えば、霊山になってしまうので、

 おれにしたら、被ると、困る連中になるね。

 ちなみに宗教の敷地面積も区画ごとの人口比で決められていて、

 それ以上、増えると、購入費が高くなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  3月

  玉川塾(専門部)設置

  日本空軍創設

  ピウス12世がローマ教皇に選出

 

 スペインは、格差が広がって、右翼と左翼の対立が強まっている。

 下手すると内戦なんだけど、日本の高層建築のおかげで、雇用が増えて鎮静化している。

 ギリギリの綱渡りなんじゃないだろうか。

 格差を減らせよ。そうすれば、左右の対立や内戦なんて起きないだろう。

 客観的な立場になると、皆、頷くのだけど、

 日本国内だと、もっと政官財で癒着して儲けさせろ的な勢力は、根強い、

 まぁ 国境を超えた富裕層の結束をグローバルといえなくもないが、

 これが進みすぎると、イナゴのように国富を喰い散らかすので、困ったものだ。

 

 

 

 

 

  4月

  イギリスで徴兵制導入

 

 日印和親条約で、高層建築だけでなく、

 上下水道網、電話・電音・電映網、鉄道網の建設が進んでるらしい、

 流石、バラモンと藩王はお金持ちだ。

 というより、亜鉛、ウラン、銀、クロム、石炭、ダイヤモンド、

 鉄鉱石、鉛、ボーキサイト、マンガンといった資源が欲しいだけなんだけど、

 資源の代わりに、高層建築を丸ごと一つという取引もあるらしい、

 それが非課税なら、避難場所を確保したがるのが富裕層というものかもしれない、

 日本語の学校建設も決まってるので、ひょっとしたら、インドが近代化してしまう可能性もある。

 イギリスが不貞腐れてるらしいけど、気にしない、

 ちなみに、インドは、ヒンディー語と英語のほか、主要言語が21言語ほどあるので、大変なんだけど、

 もっと、大変なのは、主要言語以外に200言語があって、混沌としている。

 ちなみに日本人でヒンディー語の話術者は、少数派だし、困ったものだ。

 

 

 電音

 “コロンビア・ペルー・ブラジル国境の日本領レティシアが南アメリカ新幹線網と連結しました”

 “南アメリカ大陸の日本領は、主要地域と連結されて一安心でしょうか”

 “これで、涼しい場所に行けそうですね”

 “涼しいと言っても、コロンビアか、ペルーの山岳地ですけど”

 “南のピルコマヨは、どうでしょう”

 “2100km以上も南ですし。大して変わりませんよ”

 “行くならブラジルとウルグアイの国境を挟んだバラ デル シュイでしょう”

 “100kuは、狭すぎませんか”

 “狭いですね”

 “日系ホテルに泊まるなら、日本領に行くのとあまり変わらないそうですよ”

 “あの、建設の対価で建設したホテル利権の?”

 “ホテルなので。現地の客もいますけど、従業員は、日本語が通じますよ”

 

 

 

 

 

 

 

 

  5月

  男鹿半島で地震(M6.6)

  ニューヨーク・ヤンキースのルー・ゲーリッグ選手が現役を引退

 

 飛行機で瑞樹に戻った。

 死ぬ前に治療とかやって、恩を着せて。若返ったおれを助けてもらわないと、面倒に巻き込まれかねないからね。

 しかし、どうやって死のう、

 死ぬのって、辛い以上に、難しいんだよな。

 

 

 山岳域の堅い地盤に基地司令部が建設されている。

 シールド工法で掘ってる恒久施設で、山を刳り貫いて、滑走路を作ってるのは、空襲に強いためと、

 最初から高度が得られて、上昇に有利だからだ。

 仮に奇襲されて平地が占領されても周辺地域の非戦闘員を避難させることができ、

 増援軍と徴兵部隊と共に平地を奪還できそうなほど巨大な地下空間が建設されていた。

 実のところ、兵力を少なめにして、基地を拡張させてる。

 戦争になったら将兵を増やすことができるけど、

 基地や産業は、すぐに大きくできないわけで、いまのうちに拡張しておくべきだろう。

 どの道、自己完結型経済を目指してる日本であるし、

 他国に侵攻する気がないわけで、仮に戦争が始まるとしても、本土決戦から始まる。

 司令部の地図を囲んでいた。

 「瑞樹本土より、離島の要塞化が進んでるのか」

 「瑞樹の軍管区は、ミクロネシアからサモアまでですし」

 「日本本土より負担が大きいので、ある程度、現地の島で自衛してもらわないと」

 「あと、イースター島と、ファン・フェルナンデス諸島も、瑞樹の軍管区ですからね」

 地図の上に風景写真が置いてあった。

 「ほぉ イースター島は、随分と、緑化が進んでるじゃないか」

 「山もそうですが。森林は、身を守る盾ですよ」

 「桜も?」

 「桜は、魂を守る盾ですよ」

 「まぁ そうだな」

 

  

 

 

  6月

  昭和電工設立(日本電気工業と昭和肥料が合併)

 

 扶桑に帰還する。

 まぁ あれだ。

 死ぬ前に故郷に戻って、あれこれやらないとね。

 最近、4発機で行き来できるし、4発飛行艇の性能もいい、

 移動が速いし、便利になったものだ。

 途中、西布哇諸島に立ち寄った。

 ニイハウ島(180ku)は、ところどころ人口湖が作られ、緑化が進み、

 高層建築が建ち並んでいる。

 一時は、扶桑開発最大の足場だったこともあるし、

 いまでも、越冬しない労働者の休息地だし、大動脈になってる。

 西布哇諸島が重要なのは、扶桑開発だけでなく、

 ハワイ王国存続とも深く関わっている。

 もし、西布哇諸島が遅れた辺境地だと、

 ハワイ王国がアメリカに占領されてる可能性が高かった。

 

 ホテルで、電映を付けると、真珠湾の様子が映っている。

 真珠湾は、日本の巡洋艦と、アメリカの巡洋艦が停泊している、

 別に砲塔を向け合ってるわけじゃないけど、素人が見ても相互監視していると思うだろう、

 王宮に何かあれば陸戦隊が動くだろうし、日米が衝突する可能性もある。

 まぁ ハワイ王国を奪われても西布哇諸島が日本領である限り、

 簡単には、負けないだろうけどね。

 

 

 扶桑

 鮭が川を遡上して、熊が腹を満たしている。

 もちろん、おれも、捌かれた鮭の刺身に、ワサビ醤油を付けて食べる。

 資源探査もあるけど、

 おれが死んだ後どうするか、それとなく、一族に話しとかないといけないし、

 遺言的なものも準備しないといけない、

 あれこれ相続することは多いかな。

 まぁ 子供に実力や能力がないと思ったら、実力や能力のある部下に任せて、

 権限のない名誉職にして置くのもありだ。

 騒ぎになったので、振り向いてみると、小熊が庭に入って、ノコノコと近づいてきていた。

 小熊の近くには親熊がいるので、緊張感が増す。

 「幸。鮭を一本渡して、帰って貰いなさい」

 「わたし?」

 「やってみろ」

 9歳の孫娘は、鮭を抱えて小熊の前に置くと、小熊は、鮭を咥えてノコノコと帰っていく、

 「おじいさん。熊。帰った」

 「そうか。よくやった」

 「えへへへ〜」

 

 

 

 

 電映

 コロンビアの映像が流れていた。

 “現在、200m級高層建築が40棟ほど建つことが決まっていますが”

 “さらに追加する可能性もあるようです”

 首都ボコダは、日本製高層建築が建設され、格差が広がっているように思えた。

 ニッケル、鉄、銅、鉛、金、白金、銀、

 マグネシウム、金、白金、リン鉱、塩、エメラルドの取引は増えていて、

 対価で不足分は、日系ホテルという形で増えている、

 国際情勢で、コロンビアが焦点になっているのは、ニカラグア運河が、アメリカとニカラグア以外から使われておらず、

 コロンビアのパナマ運河ばかりが国際的に使われていることで、

 次の戦争は、パナマ運河爆撃から始まると、多くの国々が考えているようだった。

 その前哨戦で、宗主国スペインの左右対立があるかもしれないと思われていた。

 そして、失速中のスペインに成り代わり、

 日本だけでなく、ドイツ帝国も介入しようとしている。

 映像がパナマ運河に切り替わると、船舶が数珠繋ぎになって移動している。

 通行費用は、パナマ運河の方がわずかに高いくらいなのに、

 ニカラグア運河が閑古鳥が鳴いているのに比べると、雲泥の差だ。

 

 

  

 沿岸小型艦艇は、短時間作戦しか考えられておらず、

 居住性を割り引くことができるため、総トン当たりの火力を大きくできた。

 代わりに波濤に弱いため、全天候型といい難く、高波になると、プラットフォームが安定せず、戦力が低下してしまう。

 逆に遠洋大型艦艇は、長期作戦が求められ、居住空間、生活物資などの容積が膨大なほど大きくなり、

 総トン数当たりの火力が減少してしまう。

 国防中心なら大型艦艇を建造せず、

 沿岸小型艦艇を作る戦略もあるのだけど、

 資源が少なく、海外地の多い日本は、そんな戦略も取りにくく、

 そのため、中型艦を戦力の中心にした艦隊陣容になりやすかった。

 そして、戦艦を主力としていた名残も残っている。

 

 金剛型と、扶桑型の改装が始まっている。

 重視されたのは、巨艦であることを利用した原子力発電航行と、

 対艦対空対潜電子装備の強化と、通信指揮能力と、格納能力だった。

 

  38000t級改金剛型戦艦  扶桑 山城 伊勢 日向

   全長260m×全幅34m×吃水9m

     小型ナトリウム冷却高速炉50000kw(37500馬力)4基

         200000kw(150000馬力)   30kt   30年

     50口径360mm連装砲4基  60口径120mm連装砲8基  60口径40mm6束機関砲8基

     ヘリコプター8機(対空哨戒ヘリ4機。対潜哨戒ヘリ4機)

 

  36000t級金剛型戦艦  金剛 比叡 榛名 霧島

   全長240m×全幅32m×吃水9m

     小型ナトリウム冷却高速炉50000kw(37500馬力)4基

         200000kw(150000馬力)   30kt   30年

     50口径360mm連装砲4基  60口径120mm連装砲8基  60口径40mm6束機関砲8基

     ヘリコプター6機(対空哨戒ヘリ3機。対潜哨戒ヘリ3機)

 

 例え、アインシュタインが、イスラエル藩にいても、

 いずれ、誰かが、核砲弾、核魚雷、核爆弾を開発する、

 大口径砲は、今後、脅威となりにくいとしても、

 金剛・扶桑型8隻は、防御力と搭載能力が大きいし、まぁいいや

 

 

 

 

  7月

  東芝設立

  大川周明『日本二千六百年史』刊行、ミリオンセラーとなる

 

 

 電映を見ていると、スペインでテロが起きたらしい、

 今頃、ブルボン王朝アルフォンソ13世は、王統継続か、亡命か、悩んでるだろう。

 マイノリティの生存戦略と、権力の聖域化が結びつくことで、金融支配が生じ、

 盤石な権力基盤が、格差をさらに広げるため、利己主義と拝金主義を蔓延させた。

 中央銀行の独占下だと、民主主義で選出される議員は、高級娼婦でしかなく、

 黙示録でいうところの 大バビロンの大淫婦 なのかもしれない。

 資本主義では、権力基盤と格差を維持するために、戦争がビジネスとなった。

 国権を握る者たちは、国民が逆らわないよう、負の歴史を隠し、

 保身のあまり、愚かで孤立した奴隷か乞食であることを望み、

 文化と、コミュニティと、家族と、解体し、強権を発動して戦争を繰り返し、マジョリティを弱体化させながら、

 マイノリティが有利な国家解体と、グローバル化に移行させてしまう。

 国家の枠組みが戦争の火種になるのではなく、

 自作自演で、愛国だ。人権だと。お祭りを見せ、

 国家同士を憎み合わせ、戦わせ、マジョリティが相争って衰退し、弱体化させていく光景を嘲笑するのは、さぞ楽しかろう。

 スペインで起きようとしている右派と左派の内紛は、それだし、

 国際銀行家は、儲け過ぎつつあるスペインが近代化してしまうことを恐れ、

 ロシア革命のような内戦を起こすため、工作員を送り込んでいるらしかった。

 もちろん、イスラエル王国親衛隊と、抗争になってるのだけど

 貧富の格差からくる傲慢蔑視と、卑屈、憎しみは、半端ない、

 

 

 

 

 

 

  8月

  アインシュタインは、北イスラエル藩に居住

  アメリカ・イギリス朝鮮領 釜山、巨斉島、済州島を韓国と名称、

  ジュディー・ガーランド主演のファンタジー・ミュージカル映画『オズの魔法使』が、ハリウッドでプレミア。

  ドイツ帝国ハインケル社のジェット機He178が飛行に成功

 

 

 いま資産を息子たちに任せて整理している。

 ていうか、おれ、すげぇ資産家なんだよね、

 まぁ 税金は、基本が地租税で、一部、所得税で、

 お金持ちほど、高層建築を利用するので割得になった。

 不公平だからって、所得税を増やそうという動きがあったけど、

 高層建築を増やすために、現状維持、

 あと、相続税という名の財産税が2割ほど抜かれる。

 やれやれ、

 そうそう、朝鮮半島の釜山、巨斉島、済州島を 韓国 とか、デジャヴ

 そういえば、デジャヴって、歴史改変の残照のような気がするね。

 

 

 

 創巧社に行く、

 今は、扶桑最大企業で、日本やほかの海外地にも拠点を置いてる広域大企業になってる、

 まぁ 一代で作り上げたのだから、我ながら大したものだ。

 経営は、ベクトルだけを決めて、詳細を部下たちに任せているし、

 あとは、遺言的な言葉を残していたらいいだろう。

 偽ユダヤ金融詐欺商品に手を出すな。

 朝鮮半島人と、支那人は、信用するな。

 革命と、戦争で利益が得られる政治団体は、気を付けろ、

 社訓にもあるけど、この二つだけは、念を押してる。

 

 

 

 アインシュタインの北イスラエル藩居住は、昨年のドイツ帝国の(水晶の夜)反ユダヤ事件に反発したらしい。

 ていうか、水晶の夜は、ヒットラー一派がやった陰謀で、欧州のユダヤ人をイスラエル藩に移動させようという意図があったらしい。

 ちなみに白人系はユダヤ人扱いされないが、藩主が認めるなら、ユダヤ教徒の形で住み続けることが可能だった。

 ちなみに、オフレコだけど、アインシュタインは、イスラエル王国親衛隊だ。

 

 

 この世界のホームページの阿頼耶識(あらやしき)のおかげか、

 日本の電話・電音・電映網が外国に広がって、外貨会得も順調に伸びてる、

 ぶっちゃけ、IC電子制御装置と記録媒体の磁気ディスクは、日本が独占しているし、

 閲覧代再配分は、時間×電話番号なので、自作自演すると、損することになるかもしれない、

 おれ、若返るおれの名義に、阿頼耶識関連株を移動させてる。

 独占じゃないけどね。

 これで、時司は、思い残すことはないわ

 

 

 

 

  9月

  大協石油設立

  パウル・ヘルマン・ミュラーがDDTの殺虫効果を発見

 

 史実だと、ナチス・ドイツのポーランド侵攻で、第二次世界大戦が勃発したけど、

 この世界は、ドイツ帝国全盛に向かってる気がする。

 また、国際情勢的に戦間期が続いている。

 おれ、戦間期が大好き、

 ていうか、ずっと、戦間期でいいや的な (笑

 

 

 紙幣発行を資本主義の貸し借りでやると、担保となる資産か、借金の契約をしなければ、紙幣が発行されない、

 担保となる資産は、銀行の抵当にされ、好景気で、収益を上げるほど、資本の集約が起こり、格差が広がり、

 社会資本が減少して、購買力が失われ、資本集約の頭打ちが始まり、経済の低迷が始まる。

 そして、乗数効果で支払利息が紙幣発行の総量を上回り、

 貸し渋り貸し剥がしが行われやすくなり、経済が破綻する。

 支払利息の負の総額以上の紙幣を発行するしかないものの、

 担保となる資産はなく、購買力が低迷している状態で、借金し、投資する者もいない。

 紙幣の価値が物価を上回り、不況が到来する。

 貧困層は増大し、革命の機運が高まってしまう、

 そして、紙幣を印刷させたいのなら、戦争しろという圧力がかかるのはそんな時で、

 紙幣をばら撒いて格差が小さくなるくらいなら、

 貧乏人は、戦争で徴兵されて死んでしまえと言うのが、富裕層の正直な気持ちなのかもしれない。

 貸し借り資本主義の思想でなく、民主主義な思想で紙幣を供給するよりない、

 国際銀行家は、次の戦争のため、一時的な経済成長を許すよりなく、

 まぁ 早い話し、政敵にも金をばら撒かなければ、国力が大きくならない状況に陥る。

 

 

 扶桑が冬に閉ざされる前に、飛行機で、日本へ移動する。

 先代の綾波も、時司も、同じ手で死ぬのは、疑惑をもたれやすいし、

 おれの望むところじゃない、

 死ぬとしたら、飛行機事故が適当だと思う、

 誰にも迷惑を掛けないよう、自動車を改造した飛行機を製造している。

 馬鹿な爺さんが、飛行自動車を試作して、海で死んだことにするけど、

 なんか、間抜けな死に様だなって、思うが、

 どこか、おれに似た死体でも転がっていない限り、

 そうするよりなさそうだ。

 

 

 京都に着くと、

 なんとなく人口が増えてる気がしてくる。

 年内に1億5850万人になるんだっけ、

 子供と老人が多いように感じるのは、次男三男が海外地に中抜きされているからかもしれない、

 もっとも、樺太、北海道、東北の人口密度が大きくなってるので、

 京都の人口が増えているというより、観光客が増えてる感じなのかもしれない、

 権謀術数が繰り広げられる京都だけど、黒船の頃のようなピリピリした感じはないかな。

 戦争が終わって、外圧が弱くなると、藩主も、中央より、領地に意識が戻ってる感じがする。

 しかし、そんな隙間を狙って、外資系工作員が、退廃思想を刷り込もうとしているし、

 スペインのように、国権と民権のバランスを破壊し、貧富と地域の格差を広げ、

 戦争か、革命か、内戦を画策してる節があるかな。

 

 

 

 

 航空参謀らしく人事整理をしないとな、

 関係各所に自分の代理人を立てていく、

 おれも歳だしってことで、若手に任せようって、感じだ。

 二条城は、増改築中で、宝ヶ池の幕府公館に機能が移動している。

 見かけは古くても、中身を機能的に、新しくするのだろう。

 議会の争点は、海外地では1000万人長を認めてもいいのではないか、

 そんな話しになっている

 100万人長を議会に入れてからの混乱は、石票の価値を低下させてるし、

 1000万人長の公認は、藩主以上の存在を認めることになるし、海外地で決まったことは、内地にも影響する。

 そして、将来、将軍を超える1億人長の公選にも繋がる。

 そうなると、日本という国そのものが、大きく変わってしまう気がする。

 まぁ それはそれとしていいのかもしれないが、

 おれとしては、人口問題を解消するため宇宙に活路を求めたいね、

 ちなみに将軍に航空参謀の年内の辞意を申し出たよ。

 止められたけど、もう、歳だからって、相談役にしてもらった。

 

 

 イスラエル王の戴冠をした明治天皇が、気に入らないのか、

 欧米の映画で、日本人がラスボスになり始めている、

 よく見ると、朝鮮人なんだけど、

 あと、世界中で、日本人に成り済ました外国人が犯罪を繰り広げているらしい。

 日本人を犯罪予備軍の悪鬼とか、戦争キチガイとか、劣化醜悪な人種と言わんばかりに、悪評を広げている。

 実に執拗な印象操作で、観客が嫌悪するほど、人気がないにもかかわらず。

 面白いと喧伝する馬鹿が煽りまくって、日本人を貶めている。

 一遍、本物と見分けがつかない偽札をばら撒いて、やめさせようかと思うけど、

 日本も5000文以下の紙幣は、欧米より少しいいくらいなので、

 どうしたものかと、思ってる。

 

 

 兵装の種類が多くなるほど、国力の生産力から、人材と、予算と、機材が奪われる。

 合理的に開発すれば、必要最小限のソースで済ませられるけど、

 軍艦丸ごと、航空機丸ごと、戦車丸ごと、国産できる国家は、少数派で、

 脅威的な知識と想像力と開発力と生産力といえなくもない、

 まして、多くの産業分野で優位に立つなどあり得ない、

 大国でさえ、消耗品の一部を外国産業に依存している。

 とはいえ、工業では、モンキーモデルとか、ダウングレードがあって、

 しかし、劣化モノだと、意外に簡単に生産してしまうこともあった。

 研究室で有線リモコン戦車の実験が行われている。

 最前線で戦うための戦車でなく、

 後方で整地された駐屯地を巡回する豆戦車で、室内からカメラを確認し、機関銃を操作し、歩哨の補助をする。

 機械化人間やバイオ強化人間を研究してるのなら、相当なダウン・グレードだ。

 「電力は、後方の電源車から貰うわけか」

 「レールは、全長1kmの複合銅線で、送電と操作の両方を行います」

 「自動車に乗って巡回する方が楽な気もするが」

 「後方とはいえ、戦場ですからね」

 「敵兵は、サイレンサー拳銃、ボウガン、ナイフが豆戦車に通用しないことに気付くでしょう」

 「まぁ それは、大きいのかもしれないな」

 「カメラは弱点になりますが、その時には、警報が鳴り響くわけです」

 「ほお」

 「なにより、歩哨と室内の両方で監視するので、同時にサボりにくいはずです」

 「まぁ そうだろうな」

 「軍艦のように、中央部屋に、外の四方をカメラで映すのと、どっちが安上がりだろう」

 「戦場の後方といっても、流動的ですからね」

 「いざという時は、前線で撃ち合うことにもなりますので、機動性は、欲しいところです」

 「まぁ そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  10月

  ニューヨーク市立空港開港

 

 

 

 瑞穂銅行から、イスラエル王国親衛隊の報告が届いた。

 同行は、紙幣発行に関わる特定会員があって、

 それらの会員には、無条件に、公家衆と武家衆と100万人長と官庁で共有する情報が届いた。

 そして、相続人を若返るおれに移行させている。

 中央集権が私利私欲の国際銀行家で、国民を乞食と考え、

 国家の代表さえ、高級娼婦でしかないと思う者たちが支配する国、

 それが、アメリカ合衆国の真の姿といえる。

 そして、その対極の存在として伸し上がろうとしている国が、国民を奴隷と考え

 国の代表でさえ、収監長でしかないと思う者たちが支配する国、

 それが、ソビエト共産主義の真の姿で、

 銀行家が支配する乞食の国か。労働者が支配する奴隷の国の違いでしかない。

 中央集権は、権力層の相互監視と浄化が行われず。

 むしろ、国民同士を相互監視させ、逆らえないようにしてしまう。

 特権と権力の先鋭化により、貧富と地域の格差が進み、保身と不正腐敗により、戦争か、革命か、内戦に至る。

 そして、戦争か、革命か、内戦を経ても、資本主義か、共産主義の選択肢しかないとしたら、

 この世界は地獄でしかない、

 そして、その地獄の世界を作ってでも人類を支配し、頂点に立とうとする一族が存在する。

 ひょっとしたら、彼らにとって、イスラエル王の戴冠を済ませた天皇は、邪魔かもしれない、

 

 

 

 たまには、孫たちと、街を歩くのもいい、

 そういえば、憩いの場が増えてるし、ハーフとクォーターも増えてる気がする。

 未来から来たおれでも、これほどの比率で白人系を見たことがない。

 市場価格は、それほど、物価が上がっていない、

 まぁ 金融をバラマキでやってるのと、

 財政が海外地優先に回っていること、

 さらに、民間投資も海外地へ向かってるせいかもしれない、

 あと、国外投資が行われていること、

 これが中央集権で首都京都になり、バラマキが廃止されると、

 世襲天下りが急増して、一気に、インフレが進み、

 コーヒー一杯が、海外地の家賃並みになってしまうかもしれない、

 それだけ多くの紙幣が、社会資本として蓄えられ、海外地で流通している。

 ちなみに白人美少女を連れ歩いてる男を見ると、お金持ち風で、

 どうしたものかと、悩んでる風でもある。

 いやぁ なんていうか、おれも経験があるからさ、

 走馬灯のように、当時の事を思い出すねぇ うんうん、

 ちなみに、おれも、お金持ち初心者に、側室か、愛人か、どっちがいいか、質問される。

 ていうか、愛人はいるけど、側室がいないので、どっちがいいか、わからんし、

 側室がいるのは、藩主、家老と、天皇、公家衆の一部と、伝統文化を受け継ぐ旧家か、

 資産家くらい、

 それで、せいぜい、1人かな。

 ていうか、安政以前でも、そんな感じ、比率は、変わらない、

 愛人は、富裕層に比例して増えた気がする。

 

 

 

 

 

 貨車に未来の74式戦車を二回り大きくした新型97式戦車が載ってる。

 97式戦車は、1600mm広軌鉄道最大積載戦車をコンセプトに、研究開発された戦車で、

 外見は、38t級95式戦車を二回り大きくした戦車に見えた。

 実験的に製造したら思いのほか性能が良く、嚮導戦車で、試作量産が始まったらしい、

 陸軍の革新犯と思うのは、おれだけだろうか。

  50t級97式戦車

   全長10.8m(車体長7.55m)×全幅3.50m×全高2.4m

   900馬力   速度52km/h  500km

   50口径120mm砲  10mm機関銃2基

 ちなみに

  1600mm広軌鉄道の車体幅3600mm

  1435mm標準軌鉄道の車体幅3400mm

  1067mm狭軌鉄道の車体幅3000mm

 になる。

 なぜ、鉄道を広軌を使ったかというと、大型戦車を積載できるからで、それ以上の意味はない、

 ああ、でも、旅をエンジョイしたかったのもあるかな。

 ちなみにスペイン・ポルトガル語圏と、イスラム圏と、インド圏も1600mm広軌圏になりそう、

 イギリスとアメリカが対抗して、支那大陸と半島を1435mm標準軌にしてるけど、

 狭軌戦争は、たぶん、日本が有利な気がする。   

 しかし、戦車と、航空機がインフレしたのは、おれの改変のせいか。

 ぅぅ・・・気が重い・・・・

 

 

 

 

 

 

 

  11月

  アル・カポネがアルカトラズ刑務所から釈放

 

 

 長崎

 各国外交施設が点在していた。

 旅客と交易の量が増えるほど、仕事量は増え、施設は手狭になり、不便になってしまう。

 そのせいか、各国とも中央に大使館を欲し、地方に領事館を欲した。

 もちろん、和親条約の改定をするか、開港を増やさないといけないわけで、交渉が続いている。

 

 “日本は、アジアの盟主なのか” という命題は、時々出される。

 欧米列強と戦ったのは、オスマン帝国であり、清国であり、アチェ王国であり、日本ではない、

 しかし、日本が、世界最大最強の工業国であることに変わりなく、

 十字軍世界大戦では、日本の軍事物資が、対欧米露戦線を支えたことに変わりなかった。

 

 日本が、十字軍世界大戦で最大の利益を上げたことは、事実だ。

 しかし、それは、国力における分母の利益で、パイが大きくなったに過ぎず、

 権力基盤は、次々と興る新興財閥により、分散と細分化が進んでいる。

 逆に欧米は、莫大な戦時国債の発行により、金融利権と権力集約が行われつつある。

 今後は、金融の支持がなければ、大統領になりえないだろう。

 たぶん、

 

 欧米で、反日感情は強まってるけど、

 貿易量も旅客数も増加しているのは、取引しないと、

 オスマン帝国、ブラジル、コロンビア、ベネゼエラ、インド、スペインに後れを取ってしまうし、

 ドイツ、イギリス、フランス、極東ロシアも、紙幣を動かさず、

 資源を日本に輸出することで、利権を増やしており、後れを取るわけには、いかないようだ。

 もちろん、欧米列強は、日本に経済制裁できなくもないけど、

 日本は、海外地や中立国の資源を消費して凌ぐことができるし、

 特に、極東ロシアは、食糧難で死活問題になるかな。

 

 

 

 

 

 

 

  12月

  オスマン帝国で大地震(M8.0、死者33000名)

  

 地震が起きることは知っていたのでイスラエル藩に準備させていた。

 余剰物資を掻き集めさせて、オスマン帝国を支援すると、オスマン帝国内の反日感情が減少していく、

 欧米露諸国、支那、半島と違って、

 ほかの国々は、恩を恩として返してくれるので、気分が爽快だよ。

 

 

 大阪湾造船所

    水上7500t級/海中9200t級 信濃型 原子力潜水艦

     全長108m×全幅12m×吃水10m

      小型ナトリウム冷却高速炉 電気推進

        50000kw(37500馬力)  30kt  30年間

        533mm魚雷発射管8基  52発

 世界最大級の潜水艦が建造されつつあった。

 艦尾のスクリューは、未来のハイ・スキュープロペラに近付いてる。

 海中を自在に航行できる潜水艦は、一度、海中に潜ると、作戦が終わるまで浮上しない、

 閉塞された環境なので、海軍だけでなく、

 幕府からも、連絡員が派遣されることが決まり、艦長の指揮下から外れている。

 「静粛性は、どうなんだろう」

 「遮音・吸音とも最新の素材を採用していますので、欧米の潜水艦より静かです」

 「まぁ それならいいけど」

 「スターリングエンジンを装備した通常潜水艦と、どっちがいいだろう」

 「スターリングエンジンで、海中稼働時間を延ばせても限界がありますから」

 「深海域は、原子力潜水艦1隻で、3、4隻分は、活動できるはずです」

 「魚雷は、核弾頭化できそうなのかね?」

 「小型化は、もうしばらく必要だそうです」

 「そうか」

 「音響魚雷は?」

 「調子いいようです」

 「また、船以外の音に影響されたりしないだろうな」

 「海棲生物の音は、外すようにしてますよ」

 「そうか・・・」

 「航空参謀をお辞めになるのですか?」

 「ああ、今年いっぱいで、一線から退いて、相談役だ」

 「もっと、続けていただきたかったのですが」

 「もう、いいよ。もう、後塵の時代だ」

 「まだ、十分にお若く見えますよ」

 「はははは・・・」

 

 

 

 

 

  

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  綾波 総司(82)  慶司(80)  佐奈(78)  晃司(74)

 

 おれ、 綾波 源司(あやなみ げんじ)  ⇒⇒⇒  時司史朗(ときつかさ しろう) 64

 ロゼ・ティーナ(55)   露瀬 統司(37)  露瀬 千夏(35)  露瀬 陽介(32)

 智子(53歳)  時司 頼経(34)  直衛(32)  美智(30)  雪妃(28)

 

 

  

 

 史実    7085万人

 戦記    3億2928万人

   日本  1億4050万人

   瑞樹     9699万人

   扶桑      330万2141万人

   フィリピン  5074万人

   ナミビア・インド洋諸島・イスラエル  4673万人

      スペイン・ポルトガル国境 カディス 200ku

      ベネゼエラ トルトゥガ島 156ku

      コロンビア・ペルー・ブラジル国境 レティシア4500ku

      ボリビア・パラグアイ・アルゼンチン国境 ピルコマヨ4500ku

      ウルグアイ バラ デル シュイ 100ku

      メキシコ・グアテマラ国境 200ku

      チリ ファン・フェルナンデス諸島 182ku

 

 

 

 

誤字脱字・感想があれば掲示板へ

第88話 1938年 『育む者と。奪う者と。』
第89話 1939年 『大和文明勲章あげるから言うこときいて (笑』
第90話 1940年 『権力に媚び、権威を盲信し、金に従う家畜』