月夜裏 野々香 小説の部屋

     

After Midway

 

第19話 1943/12 『第2ディエゴガルシア島沖海戦とカイロ会談』

 1943/12/15 軽空母サンジァント 建造

 

 (雲鷹)、秋風、夕風、太刀風、帆風、野風、沼風、波風が米英潜水艦の雷撃で撃沈される。

 

 

  

空母エセックス

 アメリカ太平洋艦隊

 空母エセックス、ヨークタウンU、プリンストン、カウペンス、 290機

 戦艦アイオワ、ニュージャージー、

 軽巡サンディアゴ、クリーブランド、デンバー、

 軽巡コロンビア、フェニックス、ボイス、

 駆逐艦15隻

 

 

 空母レキシントンU、バンカーヒル、インディペンデント、ベローウッド、 290機

 戦艦サウスダコタ、インディアナ、

 軽巡サンジュアン、モントピーア、バーミンガム、

 軽巡ホノルル、セントルイス、

 駆逐艦15隻

 

 

 空母イントレビット、モントレー、キャボット、ラングレーU、  235機

 重巡バルチモア、ボストン、キャンベラU、

 軽巡オークランド、サンタフェ、モービル、

 駆逐艦15隻。

 

 

 イギリス艦隊

 戦艦キングジョージ5世、デューク・オブ・ヨーク、ハウ、アンソン、

 巡洋戦艦レナウン、

 重巡オーストラリア、シュロップシャー、

 軽巡ホバート、リアンダー、エンタープライズ、デリー、アキレス、

 駆逐艦12隻

 

 上陸作戦部隊

 護衛空母8隻、護衛艦24隻、輸送船29隻

 

 

 

 第1機動部隊、

 瑞鶴、翔鶴、瑞鳳、174機

 利根、妙高、那智、足柄、羽黒

 駆逐艦、陽炎、不知火、黒潮、親潮、早潮、初風、雪風、天津風、時津風、

 駆逐艦、夕雲、巻雲、長風、秋雲、風雲、

 駆逐艦、秋月、照月、涼月、初月、新月、若月、

 

 

 第2機動部隊、

 飛鷹、準鷹、龍鳳、 145機

 筑摩、高雄、愛宕、摩耶、鳥海、

 駆逐艦、浦風、磯風、浜風、谷風、野分、嵐、萩風、舞風

 駆逐艦、巻波、高波、大波、清波、玉波、涼波、藤波、早波

 

 

 

 高速戦艦部隊

 長門、伊勢、日向、

 金剛、榛名、比叡、霧島、

 最上、鈴谷、古鷹、加古、衣笠、青葉、大淀、能代

 駆逐艦、朝潮、大潮、満潮、荒潮、朝雲、山雲、夏雲、峯雲、霞。

 駆逐艦、曙、漣、潮、暁、響、雷、電

 駆逐艦、島風

 

 

 

 アメリカ太平洋艦隊とイギリス戦艦部隊は、孤立した島礁で、

 日本軍が相互支援できず戦略的効果の高い目標を選択していく、

 消去法で選ばれた島は、第1機動部隊が配備されているインド洋の要。

 ディエゴガルシア島。

 物量作戦で有利な米英海軍は、数々の陽動作戦で日本海軍を撹乱していた。

 それが仮にブラフであっても作戦可能な戦力であれば陽動は真実味を帯び、

 日本軍を悩ませる。

 もっとも、現地指揮官の裁量は、機動防御のみに限定され、

 運を天に任せるようなところもあった。

 そして、アメリカ機動部隊の移動は日本潜水艦によって確認される。

 アメリカ・イギリス海軍にとって、この作戦は、現状でもっとも有利な作戦であると評価された。

 しかし、反対する将校も少なくない。

 あと半年もすれば、もっと機動部隊を充実させることができたからだ。

 

 

 アメリカ機動部隊3群 エセックス型5隻、インディペンデンス型7隻と

 イギリス戦艦部隊は、オーストラリアのパース港で補給を受けると、

 ディエゴガルシア島に向けて出撃した。

   

 インデペンデンス型空母ラングレーUの艦橋

 「艦長、洋上補給が終わりました」 副長

 「よし、マーク少尉。給油艦から離脱だ。ぶつけるなよ」 艦長

 「はい。補給艦から離脱します」 操舵手

 給油艦から軽空母が離れていく、

 「インド洋か・・・」

 「15000トン級の軍艦が地球の裏まで攻めていくなんて、何度目の海上補給だ?」

 「後で日誌で数えておきます」

 「ディエゴガルシア島は東海岸から遠いですからね」

 「まったくだ。交替で対潜哨戒機を出すぞ。準備しておけ」

 「はい。ティーガ小隊を予定しています」

 「よろしい」

 「副長。イギリスの戦艦部隊は、複雑そうだったな」

 「勝っても、負けても、イギリスの利権は戻ってきませんからね」

 「イギリスの植民地支配とフランスの植民地支配も終わるな」

 「イギリスの政策に問題ありでしょうか」

 「イギリスが、これほどの利権をポーランドを守るために失うのは馬鹿げていたな」

 「確かに」

 「植民地の独立後は、独立した国と直接交渉して、安い資源を買いあさる」

 「アメリカは、日本に感謝すべきだろうな・・・・」

 「そんな気に慣れませんね。私のいとこは、日本人に殺されました」

 「わたしも、弟を殺された」

 「しかし、そうでも思い込まなければ、冷静な判断は出せない」

 「冷静な判断は、艦長にお任せいたします」

 「ははは・・・・出来立て、ほやほやの軽空母も前線か」

 「本艦は、完成して3ヶ月だぞ。信じられんな」

 「機関だけでも、まともに動かせれば、囮くらいにはなりますね」

 「それでも、水兵の体たらくは、目に余る」

 「戦争ですからね。マンパワー喪失を前提で軍の整備をすべきです」

 「たとえ金がかかっても、もっと機械化をすべきでは?」

 「機械が破壊されたときが怖いな」

 「それに機械が発達すればするほど、専門のマンパワーに頼らなければならん」

 「彼らを維持するのにも莫大な税金が使われることだろう」

 「機械化には反対で?」

 「いや、否が応でも機械化していくだろう」

 「誰も止められない。止めたいとも思わない。平時では便利だからな」

 「・・・考えが足りませんでした」

 「素人のわたしは、飛行機に乗れないからね」

 「実のところガーランド自動小銃の組み立ても怪しい」

 「機械化も取捨選択で誤ると、大変なことになりそうですね」

 「しかし、せめて、艦隊出身と航空出身の確執くらいは、取り除きたいものだ」

 「艦隊出身の黒い靴と航空出身の赤い靴ですね」

 「空母という特殊な軍艦では必然的に起こるものだが。せめて、ほどほどにして欲しいね」

 「日本海軍にもあるのでしょうか」

 「当然あるだろう」

 「しかし、ミッドウェー以降、陸海軍の規格が統合されている」

 「意識が変わっているかもしれないがね」

 「大変な政変だったようですが」

 「名目上の統治者が実質上の統治者になっただけだ」

 「ミッドウェー海戦以降、日本側の作戦がまったく予見できないとか?」

 「日本人らしからぬ豪胆さと、ふてぶてしさが戦略にある」

 「たぶん、危機感がないか、無神経なのだろう」

 「現場を知らず、数字だけを見て計算しているような気もしますね」

 「たぶん、実戦を知らない人間が計算してやっているな」

 「アッツ海戦に新型戦艦2隻を突入させてきたのには驚きました」

 「そうでなければ、今頃、アッツを占領し、キスカを無力化していたはずだ」

 「最強の海兵隊も失わずに済みました」  副長

 「ベーリング海では、空母運用が制約される」

 「日本の戦艦2隻の突入は最善だったのかもしれない」

 「しかし、命令した者は、新型戦艦に対する愛着すらないのだろう」

 「少なくとも、今後の作戦で、日本の新型戦艦を計算に入れなくてもいいのでは?」

 「んん・・・現状の戦略でインド洋で戦うのは気が進まないな」

 「この作戦・・・やはり気が進みませんか?」

 「ああ、補給を考えれば、太平洋側から攻めた方が日本の輸送路を多元化できる」

 「インド洋だと日本は、策源地の防衛と延長にるだろう」

 「そして、我々は、地の果てまで来ないといけない。燃料だけでも大損だ」

 「日独連絡を絶つべきでは?」

 「効率性でいうなら、大西洋側の分担と考えるべきだろうな」

 「確かに・・・」

 「いまさら利権の離れたインド洋で雌雄を決するのも考え物だ」

 「ここを攻めるという事は、独立を維持したいインドも敵になるということだ」

 「太平洋は、厳しいですか?」 副長

 「飛燕2型、ゼロ戦5型は、新型F6Fヘルキャットと比べても遜色ない」

 「マーシャル・ギルバートだと10ヶ所ぐらい飛行場が相互支援しているらしい」

 「今回の作戦のように一撃で破壊することはできない」

 「待ち構えている太平洋より。インド洋だろうな」

 「どちらにしろ、日独連絡を絶たなければ・・・」

 「これ以上、日本の技術を底上げされるのは、面白くない」

 「日本人に輸送船を拿捕されたのは、問題でしたね」 副長

 「一般に評価されにくいがミッドウェー海戦後、日本の戦略を支えた原動力だな」

 「ミッドウェーの大勝も吹き飛んでしまったよ」

  

  

 対する日本海軍もアメリカ海軍の動きを掴むと、機動部隊を出撃させる、

 ディエゴガルシア沖を中心に日米英艦隊が集結しつつあった。

 第1機動部隊(瑞鶴、翔鶴、瑞鳳)の迎撃準備を完了させ、

 シンガポールを出撃させた第2機動部隊(飛鷹、準鷹、龍鳳)と戦艦部隊を

 ディエゴガルシア島沖に集結させることに成功していた。

 日独・米英の潜水艦部隊が暗躍し、互いに位置を探りあい、

 時には、危険を犯して雷撃する、

 しかし、戦果らしい戦果はなかった。

 夜間になると日米機動部隊は、その位置を急速に変え、

 翌日の海上航空戦を優位に展開しようとする、

 アメリカ艦隊は、必ずディエゴガルシア島を無力化しなければならなず。

 米英高速戦艦部隊によるディエゴガルシア島の夜襲が始まる。

 ディエゴガルシア島沖

 雲に覆われた深夜。

 瑞雲11型水上偵察機は、波間に漂い哨戒任務についていた。

 夕方に着水し、任務は時化ない限り、翌朝まで洋上を監視する。

 視界は1kmほどであり、星の見えない夜の海は、魔物が出そうで、かなり怖い。

 二人いることで、なんとなく、平静を保てた。

 「・・・古里兵長。寝てしまいそうです」

 立ちションを済ませた狩谷上等兵が座席に潜り込み呟く。

 水上機は、洋上が静かであれば、下ネタで悩まなくて済んだ。

 「アメリカ艦隊は、本当に来るんだろうか?」

 古里兵長は、釣り糸を上げ下げしながら呟く、

 竿はなく、ただ、手製の巻きリールがあるだけだった。

 眠気覚ましの暇潰し、

 もちろん、ハリも餌も付いて、機内にナイフと醤油もある。

 魚が釣れればオニギリと干物の夜食に刺身が付いた。

 「どうですかね。昨夜は来なかったですし・・・」

 「しかし、こう暗いと水平線も微妙過ぎて分からんな」

 「ええ、アメリカ海軍は、電探があるそうじゃないですか。いきなり撃たれるのは、困りますよ」

 「この大きさだと漂流物扱いじゃないか?」

 「どうですかね。潜水艦と思われたら、砲撃されますよ。きっと」

 「この暗さだ。向こうが明かりを点けてくれれば、見つけやすい」

 「点けますかね?」

 「普通、点けないよな・・・」

 二人は耳を凝らし、時折周囲に目を凝らす、

 もっとも、波音ばかりで、無線機も静かだった。

 気休めかもしれないものの、20機近い水上機が波に浮かんでいるはずだった。

 こういう時、広い空間の二式大艇や97式大艇が羨ましい。

 単発水上機は、窮屈で眠ったりすると腰に来る。

 「・・・古里兵長・・明かりです」

 「南の方向に小さな明かりが見えた」

 「ふっ セントエルモの火か」

 「敵ですね」

 「ああ。行くぞ!」

 釣り糸が切られ、エンジンが始動すると同時に敵艦隊から砲弾が発射された。

 瑞雲11型水上偵察機は、砲弾の雨と水柱に包まれながら、暗闇の海を滑走し飛び立った。

 

 ディエゴガルシア島沖

 水上機を浮かべていた日本海軍にアメリカ戦艦部隊は、接近を知られてしまう。

 瑞雲水上偵察機は、飛び立つとアメリカ艦隊上空から吊光弾を投下、

 真昼のように照らされた米英戦艦部隊は、日本戦艦部隊に発見される。

 高速で接近する米英戦艦部隊の全面に立ちはだかったのは、日本の高速戦艦部隊だった。

 異変と通信で敵艦隊の襲撃を知った日本の水上機が次々と飛び立ち、

 次々にアメリカ戦艦部隊上空から吊光弾とアルミ箔片を投下していく。

 アメリカ戦艦部隊は、光の中にいて暗闇が見えず。

 さらにアルミ箔でレーダー射撃が困難になった。

 そして、日本戦艦部隊は、米英戦艦部隊に対しT字戦を取ることが出来た。

 

 第2次世界大戦最大の艦隊戦が開始される。

 サウスダコタ 艦橋

 「やられたな。基地の周囲に水上機を配置していたとはな」

 「旗艦からです。突入。続行です」

 「やれやれ、豪胆だな」

 「日本の戦艦部隊が出てきても、勝てるという計算でしょうか?」

 「陸奥が沈んでいるのも、新型戦艦2隻がアッツに座礁しているのもわかっている」

 「未確認だが扶桑、山城を解体しているのもわかっている。残っている戦艦は?」

 「長門、伊勢、日向、金剛、比叡、榛名、霧島の7隻です」

 「こっちは、米英の新型戦艦8隻とレナウン」

 「まともに撃ち合えば計算上は勝てる」

 「では、日本戦艦部隊も太平洋から回航されていると」

 「可能性はある」

 「しかし、レーダーが混乱しているのは、辛いですね」

 「それと、問題は、こっちが吊光弾の下にいることだ。光学的に撃たれるな」

 忌々しそうに上空から投下されたパラシュート付き小型太陽を見つめた。

 アメリカ戦艦部隊の周りだけ、昼間のように照らされる。

 「魚雷の方が怖いですが・・・」 副長

 「第2次アッツ海戦で、日本の巡洋艦、駆逐艦を相当数、撃沈しているはずだ」

 「こっちの推測が間違えていなければだ・・・」

 「航続力の短い駆逐艦を太平洋から回航させるのは、簡単じゃない」

 「では、提督の突入命令は、正しいと」

 「どうかな。日本戦艦部隊の位置によるよ」

  

  

 艦隊上空から吊光弾の投下が続き、アメリカ戦艦部隊は闇に浮かび上がっていた。

 それでも米英戦艦部隊は、増速しながらディエゴガルシア島に突入した。

 島の艦砲射撃に成功すれば翌朝からの海上航空戦で、

 日本の基地航空部隊の戦力を考えずに済んだ。

 そして、ディエゴガルシアまで、もう少しというところで大口径砲弾の砲撃を受けた。

 前方の暗闇、水兵線上に突如として、50条もの火焔が立ち上がり。

 砲声とともに砲弾が空気を切り裂き飛来してくる。

 「ちっ! 正面。T字戦だ!」

 艦長が最悪という表情を浮かべる。

 「どうやら、日本は、こっちに合わせて太平洋から戦艦部隊を回航してきたようですね」

 「距離は12000から8000でしょうか?」

 米英戦艦部隊の周囲に次々に砲弾が落ち、

 立ち昇る水柱の海水が雨となって降ってくる。

 「前回と違って、日本戦艦部隊は間に合ったようだな。燃料が補給されていると思うか?」

 「3分の1以下だと愚考します」

 「艦長。旗艦から “面舵40度” です!!」 士官

 「よ〜し。旗艦に合わせて面舵。艦隊を崩すな、左舷! 砲撃戦用意」

 「この距離では、旧式戦艦も、新型戦艦も、ありませんね」

 「ああ、少しだけ有利なだけだ」

 「ティルピッツが、いなければ、いいのですがね」

 「この状況では、あまり、遭いたくないな」 艦長は同意する。

 次の瞬間、先頭を進むアイオワとキングジョージ5世に砲弾が炸裂し爆発する。

 衝撃と爆発音が轟き、大気を震わせる。

 Z旗を掲げた長門。

 そして、伊勢、日向、金剛、比叡、榛名、霧島の先制砲撃が先手を取った。

 アイオワ、ニュージャージー、サウスダコタ、インディアナ、

 キングジョージ5世、デューク・オブ・ヨーク、ハウ、アンソン。レナウン、

 米英戦艦の多くは、近距離から日本戦艦の336mm砲弾を受けて大損害を出していく。

 しかし、新型戦艦は、致命的な損害に至らず。

 米英戦艦の放った砲弾は、日本戦艦のバイタルパートを貫き、致命的な損失を与える。

 

 

 金剛の艦橋

 「撃て、撃って、撃ちまくれ!!」

 「吊光弾が尽きる前に一発でも多く命中させろ」

 「敵戦艦に火災を起こさせなければ、形勢が逆転するぞ!」

 「キングジョージ5世型1番艦に5発命中。中破です」

 「2番艦に切り替えろ。レーダーを破壊する」

 「火災を起こせば、こちらの吊光弾が尽きても戦える」

 「米英戦艦部隊から星弾です」

 米英戦艦が星弾を撃つと、

 火の玉のようなものが日本艦隊の上を超えて、反対側に落ちていく、

 そして、わずかな時間、日本艦隊を照らし出してしまう。

 それを合図にしたように米英戦艦部隊の砲撃が精確になっていく。

 日と米英の巡洋艦、駆逐艦が互いの戦艦部隊を守ろうと急速に接近し、砲撃と雷撃を繰り返す。

 そして、双方とも大損害を受けて戦場から逃げ出すか、沈没していく。

  

 

 金剛の艦橋

 金剛の艦体が、飛び上がるような衝撃と爆音。

 艦橋の将兵は一瞬にして転がされる。

 気がつくと、爆炎と硝煙が艦橋に立ち込め、艦体が傾いていた。

 そして、防弾の窓ガラスが割れ、艦橋の中は、無事だった。

 副長が窓から外を覗き込む。

 「どうした? 何があった」 艦長

 「第1、第2砲塔が破壊されました。砲塔そのものがありません」 副長

 艦長は、よろけながら窓際に捕まると艦首を見る。

 第1、第2砲塔が消えて大穴が二つ。硝煙を上げていた。

 長距離射撃でなく、近距離で撃ち合っているため。

 砲弾が砲塔を貫通し内部で破壊すると同時に砲塔ごと反対側に消し飛ばしていた。

 「浸水は?」 艦長

 「・・・こちら艦橋だ。被害を報告しろ!!」

 副長が伝声管に向かって叫んだ。

 「艦首の主砲弾を誘爆させるな!!」

 「旗艦に戦線を離脱すると通達!!」 艦長

 さらに衝撃が起こる。

 「こ、こんどは、何だ!」 艦長

 「本艦、ではありません。後続艦、比叡です。沈みます」

 外を見ていた士官が応える。

 「くそっ やっぱり、相手が新型戦艦だと分が悪い・・・」 艦長

 「艦長。機関室および艦首に浸水。亀裂が広がっています」

 「やはり、リベットが、いかれていたか・・・・バラバラになるぞ」

 さらに衝撃を受けた。

 「艦尾に被弾。第4砲塔が破壊されました」 士官

 「ディエゴガルシアに乗り上げろ!! このままだと沈没だぞ」 艦長

 「ディエゴガルシアに乗り上げます!!」 操舵手が復唱する

 「艦橋が無事であるのは良いな。何が起きても対処ができる」

 「ええ、ただの確率論ですが助かりますね」

 「後は、幸運を祈るだけだ。残った3番砲塔で敵の2番艦に砲撃を続けろ」 艦長

 金剛は、ディエゴガルシア島に乗り上げて沈没を防ぐ。

 そして、金剛の後を追って、霧島もディエゴガルシアに乗り上げ沈み込んだ。

 「・・・・霧島もか」

 霧島が事切れたように10度以上、傾いて沈んでいるのが見えた。

 甲板から水兵が飛び降りて島に向かっていく。

 霧島から爆発音が届いた。

 「榛名が沈みます」 士官が応えた。

 艦隊戦は、最悪ともいえる状況だった。

 長門、伊勢、日向は、炎上し、

 まだ、主砲弾を撃ち返していた。

 そして、撃ち返している方向も炎上している艦が多く。

 紅蓮の炎は夜を照らし、重油が赤黒く燃え、

 火薬と油の臭いが、辺りに漂い、地獄絵図が広がっていた。

 「艦長。雨が降ってきたようです」 副長

 「天を騒がせ過ぎたな・・・」

 「結構、激しいスコールになりそうですね。3時間くらいでしょうか」

 「一休みできるな」

 「このままでは、日本から海軍艦艇がなくなってしまいますよ」

 「・・・・開戦前から予測していたことだ」

 「同じ数だけ沈んでいっても、日本海軍は全滅する」

  

  

 一方

 米英戦艦部隊も大損害だった。レナオンが砲撃と魚雷で沈没。

 デューク・オブ・ヨークが魚雷3本。

 アイオワ、ニュージャージー、サウスダコタ、キングジョージ5世、ハウが魚雷2本。

 インディアナ、アンソンが魚雷1本の魚雷を受けていた。

 そして、410mm砲弾を受けている艦も、少なくなく。

 360mm砲弾に至っては、ほとんどの戦艦が、6発以上、命中していた。

 先頭を走っていたアイオワは20発、キングジョージ5世は23発が命中。全戦艦が大破していた。

 そして、いかに最新鋭艦であっても距離が近すぎた。

 もはや、幽霊船に近く、戦闘能力は、絶望的に低下していた。

 

 日本の巡洋艦、古鷹、加古、衣笠、青葉が沈没し、

 駆逐艦、島風、山雲、夏雲、峯雲、霞、暁、響、雷、電も沈没。

 アメリカの巡洋艦フェニックス、ボイス、ホノルル、セントルイス、オーストラリア、シュロップシャーが沈没し。

 駆逐艦4隻も沈没。

 そして、日本戦艦部隊の残存艦隊は、ほとんどが大破。

 または、中破して後退するしかなかった。

     

   

 

 日本の残存艦隊、

 長門、伊勢、日向、

 最上、鈴谷、大淀、能代

 駆逐艦、朝潮、大潮、満潮、荒潮、朝雲、

 駆逐艦、曙、漣、潮、

 いずれも損傷が大きく。

 これ以上の戦闘は不可能になっていた。

 日向艦橋は、3度ほど右舷に傾いていた。

 「艦長。米英戦艦部隊が、水平線の向こう側に移動しました」

 「助かったか・・・沈まなかったのが奇跡。それにスコールのおかげかな」

 艦長は、ぼろぼろに裂かれ、破壊された1番砲塔、2番砲塔を見て呟く。

 ここから見えないが艦尾の第3砲塔も完全に破壊され、

 4番砲塔だけは、動かすことができるらしい。

 「敵の撤退が始まったのは、スコールの前だと記憶していますが・・・・・」

 「大改装で、3番砲塔と4番砲塔を取って、助かりましたね」

 「艦隊中央に2発受けていますが、何とか浮いてます」

 「重油が少なかったことも幸いしたようです。延焼も、消し止めましたから」

 「ああ、急いできたから燃料が少なかったことも幸いした」

 「しかし、米英の新型戦艦と撃ち合う事になるとはね」

 「沈められなかっただけでも運が良い」

 「艦長。9ノットで航行可能だそうです」 士官

 「そうか、朝になれば、航空戦の的になる。さっさと合流点にまで下がるぞ」

 「補給を受けたらそのまま、シンガポールに後退だ」

 「金剛と霧島は、ディエゴガルシアに座礁して、沈没だけは免れたようです」

 「機関室に飛び込んだ、不発弾は?」

 「まだ報告は受けていません。こいつが爆発すれば、日向も沈みますね」

 「まったく酷いな。撃ち負けたといっていいか」

 「それでも、中央部の主砲塔2基を降ろして高速戦艦にしたのは正解だったな」

 「よくやったと思います」

 「旧式艦隊7隻で米英新型戦艦8隻に大損害を与えたのですから」

 「このあと、敵潜水艦に会わなければな・・・」

 米英戦艦部隊は、大破した状態でディエゴガルシア島の要塞砲台と撃ち合うこと。

 そして、仕掛けられているであろう機雷を危険と判断して撤退。

  

 

 アメリカ機動部隊は、夜明け前からディエゴガルシア島を爆撃しようと。

 ヘルキャット368機、ヘルダイバー150機、アベンジャー60機を出撃させる。

 日本側は、ディエゴガルシア基地と第1、第2機動部隊からの電探と無線誘導によって、

 効率のいい防空が可能になっていた。

 ディエゴガルシア島は、夜明け前から飛燕2型72機、ゼロ戦5型118機が迎撃で出撃。

 そして、日本第1、第2機動部隊はディエゴガルシア島近海に集結しており、

 ゼロ戦6型40機、ゼロ戦5型160機を出撃させる。

 ディエゴガルシア島を中心とする海上航空戦は、史上空前の規模で展開され、

 アメリカ攻撃部隊は、基地と日本機動部隊の両方を発見し、

 「日本機動部隊です」

 「バカな。戦艦同士の夜戦があったのに早朝から機動部隊を前進されてきたのか」

 と混乱。

 日本戦闘機ゼロ戦6型40機、ゼロ戦5型160機、飛燕72機の390機と

 ヘルキャット368機の航空戦が始まる。

 試験的に配備されたゼロ戦6型の活躍でヘルキャットの優位性は、完全に失われ。

 航空戦は、日本航空部隊が優位になっていく。

   

 アメリカ攻撃部隊は、ディエゴガルシア島の近海に日本機動部隊2群を発見したことで、

 作戦指揮系統の乱れ、

 戦力分散によって、アメリカ航空部隊は、大損害を受けた。

 それでも、防弾に優れたアメリカの爆撃部隊は、ゼロ戦隊や飛燕2型を振り切る。

 艦隊と基地の弾幕を破って突入し、

 そして、爆撃。

 アメリカは、ヘルキャット259機、ヘルダイバー123機、アベンジャー38機が撃墜され、

 日本は、飛鷹は爆弾1発受けて中破する、

 

磯風

 初風と嵐が瑞鶴と飛鷹に向かって放たれた航空魚雷に体当たりして大破。

 その後、集中攻撃を受けて沈没し、

 ディエゴガルシア航空基地に爆弾4発が命中した。

 第一波で、ゼロ戦5型32機、飛燕28機の撃墜が確認されていた。

 アメリカの攻撃部隊は、3分割され、

 ディエゴガルシア島も、日本機動部隊2群も、被害を最小限にすることが出来た。

 そして、アメリカ機動部隊は、艦載機の大半を失って後退していく。

  

 そして、退避中の米英戦艦部隊が日本の索敵機に発見される、

 ゼロ戦5型30機、彗星40機、天山40機は、戦場から離脱している米英戦艦部隊を空襲した。

 米英戦艦部隊は、直営戦闘機を持たず、

 さらに夜戦で対空火器のほとんどが破壊されていた。

 そして、護衛艦の多くが損傷した状態で爆撃され、

 アイオワ、ニュージャージー、サウスダコタ、インディアナ、

 キングジョージ5世、デューク・オブ・ヨーク、ハウ、アンソン、

 戦艦8隻は、爆撃と雷撃を受けると力尽きて沈んでいく。

  

 アメリカ機動部隊は、戦艦部隊の爆撃されていることを知ると、

 出撃できる航空戦力をすべて出撃させ、日本機動部隊を攻撃。

 ヘルキャット150機、ヘルダイバー30機、アベンジャー20機が

 退避の遅れている第2機動部隊に集中した。

 ゼロ戦69機、飛燕2型18機の迎撃と弾幕を掻い潜り、

 飛鷹に2発、龍鳳に1発、準鷹に1発の爆弾を命中させて大破させた。

 ここで、航空戦力を失って力尽きたアメリカ機動部隊は撤退を開始する、

 日本機動部隊は、アメリカ機動部隊の撤退を確認すると、日本の残存艦隊も撤退する。

 日本機動部隊も被弾機が多く。航空戦力の多くを失っていた。

 炎上する飛鷹 艦橋。

 大穴の空いた飛行甲板から、もうもうと黒煙が上がっていた。

 「まだ、火は消えないのか?」 艦長

 「900kg爆弾2発が命中して、被害は機関室にまで達しています」 副長

 「武器弾薬は捨てて誘爆を防ぐんだ」

 「それと、負傷者は、艦首側が安全だと伝えろ」

 副長が伝声管で正確に指示を与えていく

 「艦長。第2機動部隊は、駆逐艦6隻を率いてシンガポールに後退するとのことです」

 「全艦隊じゃないのか?」

 「巡洋艦5隻と駆逐艦10隻は残せということでは?」

 「まあ、燃料を考えれば、そうなるだろうが」

 「完成した空母、日進、千歳、千代田を配備する気かもしれないな」

 「火災を止めたら、燃料を補給して引き上げですね」

 「運がよければ、内地で修理改装。運が悪ければ、シンガポールで修理改装だな」

 「第2機動部隊は、壊滅ですね」

 「生きていれば・・・沈んでいなければ、修理改装して再戦できるさ」

  

  

  

 赤レンガの住人たち

 「第2ディエゴガルシア島沖海戦。酷かったそうじゃないか」

 「金剛、比叡、榛名、霧島が撃沈されたよ」

 「もっとも米英戦艦8隻と交換なら悪くないがね」

 「金剛と霧島は島に乗り上げているが修復は不可能だ」

 「金剛と霧島の乗員半分が生き残っただけでも御の字だな」

 「しかし、ティルピッツの修理改装が終わったと思うと、これだ」

 「長門、伊勢、日向は?」

 「大破している」

 「シンガポールで修理が必要だ」

 「その後、本土で本格的な修理改装をするか、いっそのこと、解体するか」

 「そんなに酷くやられているのか」

 「長門もそうだが、伊勢と日向は、406mm砲弾に耐えられるように修理改装したがね」

 「夜戦で距離が近かった」

 「イギリス戦艦の砲撃も早かったから、撃たれ強さにも限度があるな」

 「だが、お陰で新型戦艦8隻を大破させて、最終的には、航空攻撃で全滅させることが出来た」

 「第2機動部隊も大破だが、こちらを優先的に修理しないと」

 「第1機動部隊だけでは、危機的状況だ」

 「完成したばかりの千代田、千歳、日進を第1機動部隊と第2機動部隊に編入して代用するしかないだろう」

 「大鳳が完成したら第1機動部隊に編入できる」

 「しかし、アメリカのヘルダイバーとアベンジャー。頑丈に作るのは、性能以上の戦力を発揮するな」

 「陛下に勅命どおり戦闘機を集中配備して、アメリカ機動部隊の第1波を撃退しても大損害だそうだ」

 「やはり開発中の60口径47mmの配備が必要だな。25mmでは射程が短すぎる」

 「せめてボーフォース40mm機関砲が欲しいな」

 「アメリカの90mm対空砲も良いぞ。捕獲兵器の中にもあったし」

 「ドイツ経由で88mm砲の製造のノウハウも手に入れただろう」

 「そうだろうが陸軍がな。規格統合だと陛下も面白くないだろうし、何かと問題があるな」

 「まあ、47mmが悪いとは言わないが早くして欲しいものだ」

 「開発が上手く行けば25mmから47mmに切り替えるそうだ」

 「25mmが中途半端だからだろう」

 「いま開発中の戦闘機、雷風で、その25mm砲を使うかもしれないそうだ」

 「重過ぎないか。砲身だけでも110kgはある」

 「滑空砲にしてエンジンに連動させて、プロペラ軸回転で撃ち出すそうだ」

 「はぁ?」

 「エアコブラに似ているがエンジンとプロペラは、一番後ろに配置して、B29爆撃機を撃墜するそうだ」

 「飛ぶのか、水冷エンジンは量産を中止しただろう」

 「機体そのものを細くして、吸気口から空気をエンジン部に流し込むそうだ」

 「エンジンとプロペラは、火星2200馬力で機体後部に取り付ける」

 「んんん、新機軸だが・・・」

 「25mmなら十分にB29爆撃機を撃墜できる。初速の小さいエリコン20mmとは、格が違うよ」

 「滑空砲で軸回転させるから初速は1100m」

 「ドイツのマウザーの撃鉄部を模倣して、発射速度も220発から380発に向上するそうだ」

 「既存の25mm砲もベルト供弾にするから対空能力も向上する」

 「それで、離着陸できるのならいいが」

 「エンジンとプロペラの重量に合わせて主翼が後方に後退」

 「尾翼が前にくる先翼型。エンテ・カナード型の機体になる」

 「ちょうど逆向きに飛ぶことになるな」

 「脱出する時は、ドイツのHe219を参考に火薬で座席ごと打ち出す」

 「それだと、振動は?」

 「日本は、米軍機と違ってプロペラを均等に作れないだろう」

 「エアコブラを捕獲して参考にしている」

 「雷風の場合、エンジンと一緒にプロペラは機体の後ろだ」

 「滑空砲の砲身を軸回転させるだけでプロペラを回すわけではないから振動による影響は小さい」

 「それにプロペラの規格も良くなっているから最近は振動も小さいだろう」

 「後ろのプロペラが邪魔で飛び上がれないという事はないだろうな」

 「前輪式になるな。垂直翼と脚を兼ねて下向きにつけるそうだ」

 「昔の96式や97式戦闘機並みだ。流線型で空気抵抗は少ないだろう」

 「奇抜すぎないか」

 「火星2200馬力エンジンは、ダブルワスプより直径が大きい」

 「例え、まともな機体を設計してもB29爆撃機の飛ぶ高度10000の上空には届かない」

 「水冷エンジンは工作機械の振り分けで絶望的。選択の余地はなかろう」

 「複座で、電探装備型も検討しているから夜間戦闘機としても使えるだろう」

 「性能は」

 「重量4800kg、2200馬力、時速760km、航続力2000km、25mm1門」

 「それと初速の近い捕獲したブローニング12.7mm2丁」

 「ずいぶん早いな・・・・武装が寂しくないか」

 「25mm機関砲の銃身だけで110kgもある。1発250gの弾薬も馬鹿にならない」

 「過給器だけは装備しているがサンダーボルトのような排気タービンもないし」

 「可能な限り軽くしたい」

 「本当は、捕獲したブローニング12.7mmを4丁ほど装備したいが重量が増すと性能が低下する」

 「それでも、4800kgか・・・誉装備のゼロ戦6型の4200kg。疾風の4500kgより重いか」

 「サイズも細いが全長13m、全幅13mで大きい」

 「空母に乗らないな」

 「空母用は、機体を小さくしたものを検討している」

 「しかし、筒内爆発を怖がっているらしい」

 「25mm弾の筒内爆発だとプロペラの前後に関係なく落ちるだろう」

 「25mm滑空砲が座席の下を通っているのだから悪い場所で爆発すると、そのまま、座席ごと射出されるな」

 「座席で固定させて回転軸の振動を抑えているのか」

 「前輪脚もだ。あれを降ろす時、振動が大きくなるかもしれないらしい」

 「かなり強力な油圧機を使っているから機首を地表近くまで降ろせて、乗り組むときに楽だそうだ」

 「性能は悪くないようだが・・・・」

 「防弾は、疾風やゼロ戦6型より強い」

 「それとプロペラも厚めに作っている」

 「運が良ければ、ブローニング12.7mmを弾くことが出来るそうだ」

 「他にも急降下爆撃型と雷撃機型も検討している」

 「ジェット機型も検討しているから。艦隊と違って、今後の開発が楽しみだ」

 「艦隊のほうは、大鳳、雲龍型3隻、シャルンホルスト、グナイゼナウの空母化で打ち止めだな」

 「潜水艦の脅威が大きくなりすぎて、とてもじゃないが、大型艦艇の建造は不可能だな」

 「ドイツ艦がなければ建艦計画は、どうなってたんだ」

 「丙型海防艦と潜水艦ばかりだ。情けない話しだな」

 「ドックの数から反対する将校もいるがね。潜水艦による被害も、増加しているし」

 「しかし、日本海軍も、随分寂しくなったな」

 「・・・そうだな」

 

 

 第1機動部隊、(瑞鶴、翔鶴)、144機

 利根、妙高、那智、足柄、羽黒

 駆逐艦、陽炎、不知火、黒潮、親潮、早潮、雪風、天津風、時津風、

 駆逐艦、夕雲、巻雲、長風、秋雲、風雲、

 駆逐艦、秋月、照月、涼月、初月、新月、若月

 

 

 第2機動部隊、(千歳、千代田、日進、瑞鳳、飛鷹、準鷹、龍鳳)、165機

 筑摩、高雄、愛宕、摩耶、鳥海、

  駆逐艦、巻波、高波、大波、清波、玉波、涼波、藤波、早波、浜波、沖波、岸波、朝霜、

 

 

 高速戦艦部隊、

 長門、ティルピッツ、伊勢、日向、

 最上、鈴谷、大淀、能代、矢矧、

 駆逐艦、浦風、磯風、浜風、谷風、野分、萩風、舞風

 駆逐艦、朝潮、大潮、満潮、荒潮、朝雲、

 駆逐艦、曙、漣、潮

 

 

 巡洋艦部隊

 五十鈴、名取、由良、阿武隈、那珂、川内、神通、夕張

 駆逐艦、吹雪、白雪、初雪、むら雲、薄雲、白雲、磯波、浦波、綾波、敷波、

 駆逐艦、白露、時雨、村雨、夕立、

 

 

 対潜部隊

 (大鷹、冲鷹、神鷹、海鷹)、香取、鹿島、香椎

 神風、朝風、春風、松風、旗風、朝凪、夕凪、

 睦月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、長月、三日月、望月、夕月

 装甲艦リュッツォウ、アドミラル・シェーア。

 重巡プリンツ・オイゲン、アドミラル・ヒッパー。軽巡ライプチヒ、ニューインベルグ

 

 

 未完成艦

 (シャルンホルスト、グナイゼナウ)

 (大鳳、雲龍、天城、葛城)

 (酒匂)

 (早霜、秋霜、清霜)

 (霜月、冬月、春月、宵月、花月、夏月)

 

 

 カイロ会談

 アメリカ、イギリス、ソ連の代表が集まって扉の向こうで話し合っていた。

 そして、アメリカ、イギリス、ソ連の将兵が回りで警備についていた。

 米英ソの士官はテラスで雑談。

 「ソ連は、中東に出る予定は、ないんだろう」 アメリカ士官

 「さあ。書記長しだいですから」 ソ連士官

 「やめて欲しいね。そういうのは」 イギリス士官

 「米英海軍がインド洋で大負けしたというのは、本当なのかい?」 ソ連士官

 「・・・わたしは、欧州戦線所属で詳しいことは知らないね」 アメリカ士官

 「戦績は、計算しているが決して負けるわけじゃない」 イギリス士官

 「ふっ 日本ごときに梃子摺るとはね」 ソ連士官

 「日露戦争を忘れたか、若造」 イギリス士官

 「その節は、両国に大変お世話になって。あの時のことは忘れませんよ」

 「まだ、生まれていませんでしたがね」 ソ連士官

 しばらく沈黙が流れる

 「当面。欧州戦線で、ともに戦うことになる」

 「できれば、中東で戦わずに極東で戦って欲しいものだ。戦友としてな」 アメリカ士官

 「個人的には、反対しませんよ」 ソ連士官

 「だと良いがね」 イギリス代表

 

 

 

 

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第18話 1943/11 『日中講和条約』
第19話 1943/12 『第2ディエゴガルシア島沖海戦とカイロ会談』
第20話 1944/01 『ゼロ戦6型と疾風』