月夜裏 野々香 小説の部屋

  

After Midway

    

    

第32話 1945/01 『雷風と秋田・ドイツ人居留地』

 1945/01/28 空母アンティータム 建造

 

 日本帝国議会で朝鮮人帰還命令が出された。

 一進会が日本人に準ずる第二位を確立しようと裏工作したことが天皇の耳に入り、

 裏目にでてしまう。

 陸軍の朝鮮人養護派が更迭されると、

 朝鮮人は、日本での地位を喪失していく、

  

 赤レンガの住人たち

 「ドイツは危ないぞ」

 「お陰で一進会は、ドイツ人を追い落としと」

 「朝鮮民族をナンバー2にしようと画策したことがばれて混乱している」

 「朝鮮人が対米英戦で役に立ったことがない」

 「それでドイツ人を虐げようとするのだから、何を考えているのか、分からんな」

 「炭鉱と船荷受で困るだけだな・・・」

 「「「「・・・・・」」」」

 「しかし、朝鮮民族の本性だろう」

 「朝鮮総督府の報告通りだ。同化は失敗したと考えるべきだ」

 「だがドイツが負けると厳しいな」

 「クラクフでドイツのタイガー戦車部隊に側面を見せたソ連軍は、大損害を受けて後退したそうだ」

 「ソ連は、寒いのに進撃したんだな・・・」

 「中部から南部にかけての山岳部は、そうだろうがドイツ北部は平野部、食い止める術がない」

 「平原は、戦車を隠す場所が少ない。森に隠しても、森ごと爆撃される」

 「西部戦線と南部戦線は、今ひとつのようだ」

 「第2機動部隊が北大西洋で暴れまわったから補給不足で米英軍の進撃も鈍ったのだろう」

 「その分、ドイツ軍も東部戦線に投入しているはずだろう」

 「T34戦車は、それだけ強いという事か」

 「日本に運んできたT34中戦車は、M4戦車より強かった」

 「そういえばタイガー戦車とスターリン重戦車に比べると」

 「97式戦車は、おもちゃ 棺おけだったな」

 「戦車を土木建設機械製造に切り替えてよかったな」

 「土木建設は良いとしてだ」

 「鉄道建設予定地を広げすぎていないか」

 「どさくさに紛れて、どうするつもりだ。採算が取れないだろう」

 「国が建設して後は、官民に払い下げという仕組みらしい」

 「採算が合わなければ」

 「土地は、無理やり交換させている。建設は戦後になるだろう」

 「下関トンネルで本州と九州が連結されるのは良いがね」

 「電気機関車にすべきだな。海底トンネルで蒸気機関車は使えん」

 「電力が足りればね」

 「だいたい、戦争以上に採算の合わないものはないよ」

   

 ビアク島防空戦

 北ニューギニアのアメリカ軍は、鉄道を利用して西進し、

 航空基地をビアク島に接近させていく、

 十分な戦力が整うとムスタング、サンダーボルト、B17爆撃機など空襲部隊が編成され、

 大規模なビアク島爆撃が始まる。

 対する日本は、主力迎撃機を疾風とゼロ戦6型に更新させ、

 ビアク島のレーダーと、強力な通信機を持った100式司偵が空中戦の指揮を執り、

 有機的で効果的な迎撃が可能にさせていた。

 ビアク島上空、

 100式司偵20機、疾風140機、ゼロ戦6型64機と

 ムスタング67機、サンダーボルト78機、B17爆撃機88機の空中戦が展開される。

  

   

 ビアク島

 航空作戦司令室

 日米の航空戦力がコマで表わされ、地図上を動かされていく。

 「少ないな、アメリカ軍機の総数は、これだけか?」

 「海面スレスレに接近していないだろうな」 少将

 「いえ、海上の哨戒艇からは、まだ報告を受けていません」 中尉

 「ゼロ戦隊をムスタングにぶつけろ」

 「疾風は分割してサンダーボルトとB17にぶつける」

 「予備機は、準備できしだい出撃」

 「対空砲台は、味方だけには、当てるなと伝えとけ」 少将

 「味方に限って初弾から当たりますからね」

 「洒落にならんよ。味方の弾が当たったなどと遺族に説明しようがない」

 「いい加減にしないと、味方機が対空砲台を機銃掃射しますよ」

 「ほとんどの場合、見てから撃つのでは遅すぎるから音で判断する」

 「見たときには、引き金を撃つ状態で待機だ」

 「後方のソロン基地からゼロ戦6型30機を支援機で出せるそうです」 通信士

 「・・・いや、そちらの防空で使うように返事をしておいてくれ」

 「有線を敷けて良かったですね。話しが早い」

 「陛下の勅命で、もっとも優れた戦略的要素の一つだ」

 「暗号に頼らずに済む。出来ればトラックとパラオにも繋げたいな」

 「平和になれば、全ての基地を有線で繋ぐそうです」

 「暗号が解読されている、というのが、どこまで信憑性があるのか、わからんがね」

 「暗号を減らせば解読される可能性も減る」

 「噂だと外交官筋から洩れたと疑われているそうです」

 「・・・ゼロ戦部隊がムスタングと接触します」

 ゼロ戦部隊の無線通信が作戦室全体に流れる。

 戦況は悪くなかった。

 零戦6型と疾風は、アメリカ製の治具、部品、燃料を使って、すこぶる調子良く。

 ムスタングを相手に十分に戦うことが出来た。

 100式司偵と戦闘機の生々しい戦場の声を無線で、防空司令部に伝えていた。

 対象的に図上の駒が無機質に次々と減らされていく、

 減らされる場合、ほとんど、戦死の可能性があった。

 もっとも、基地上空の日本パイロットは生還率が高く、

 それだけが有利だった。

  

  

 

 

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キングタイガー戦車です。

『ミッドウェー海戦のあと』の世界では、アルデンヌへの攻勢は行なわれず。

東部戦線に配備されていました。

そこにソ連軍戦車部隊が突入。

しかも、側面を見せて・・・・

ご愁傷様です。

   

そうそう、時系列上、B29爆撃機が配備されます。

怖いです。

  

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第33話 1945/02 『ムスタング対ムスタング』