第49話 1946/06 『満州戦線崩壊』
満州はチチハル、ハルピン、長春が陥落。
中国国民軍は、ソ連軍の圧倒的な機甲戦力に粉砕され撤退を続ける。
アメリカは、慌てて本国から増援部隊を輸送、朝鮮半島に上陸させる。
一方、日本は、雪解けに合わせて、カムチャッカ半島などオホーツク沿岸に上陸、占領していく。
モスクワ クレムリン
「オホーツク沿岸の回復は?」
「残念ながらソビエト海軍では、日本海軍に勝てません」
「アメリカが裏切らなければ、こんな無様なことにならぬものを極東利権に眼の色を変えやがって」
「満州方面は、国民軍が総崩れなので制圧できそうです」
「国民軍は腰砕けで、日本は限界のはず。満州を奪うぞ」
しかし、スターリンは、北東シベリアの失地回復を不可能と計算すると、
対日戦の戦意を喪失。
ソ連の交渉団は、スウェーデンの日本大使と条件闘争を開始する。
イナゴの如く空を覆うシュトルモヴィク爆撃機。
そして、地上を埋め尽くすように押し寄せるT34戦車。
アメリカ軍事顧問団
ドイツとの戦争で軍民合わせて2000万人も死んだ報告は、嘘ではないだろうか。
あと一歩で首都モスクワが占領されるところだったも嘘ではないのだろうか。
「本国に通達。すぐに機甲師団と155mm榴弾砲とカノン砲を最優先で送れ」
「それと航空支援を要請しろ」
「はい」
「通信を送ったら、すぐに撤退するぞ」
「撤退ですか?」
「見てみろ、中国軍は、完全に浮き足立っている」
「駄目ですね。戦友を犠牲にしても生き残ろうという意思が強すぎる」
「あれでは軍紀を保てず。戦線も維持できません」
「くっそぉ このままだと満州の利権を全て奪われてしまう」
「結局、ソ連に利権を買わせればいいのでは?」
「ここにアメリカの軍事拠点を作りたいのだよ」
「利権は、その維持費をまかなうだけのものだ」
「なるほど」
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