月夜裏 野々香 小説の部屋

    

After Midway

    

第51話 1946/08 『日ソ講和条約調印』

 8月15日

 スウェーデン

 ストックホルムで日ソ講和条約が調印される。

 日本は、北東シベリアの領有が認められ、

 樺太対岸の南北半島を除く沿海州の返還。

 捕獲した兵器・武器弾薬の返還は求めないこと。

 損害賠償を求めないこと。

 捕虜返還が定められる。

 そして、日本の満州戦線に参戦せず、が約束された。

 

 

 再建されつつある赤レンガの住人たち

 「・・・8月15日に日ソ講和条約調印か」

 「日米英講和条約も8月15日だから、ひとつ覚えれば1年違いだ」

 「学生は助かるだろうな」

 「両国とも前々日に調印が固まっていたがね」

 「戦線は沈黙していたし」

 「8月15日にした方が覚えやすいだろうと調印を15日にしたそうだ」

 「日本人も、ロシア人も、似たようなことを考える・・・」

 「歴史の勉強は大変だからな」

 「ハバロフスクの兵器・武器弾薬は、日本に持ってくるのか」

 「ああ、スターリング戦車とT34中戦車は、陸軍も気に入ったようだ」

 「数も揃っているから本土に配備するらしい」

 「世界最強の戦車か。アメリカのM26重戦車は?」

 「あれだけは、アメリカ軍も持って帰ったからな」

 「捕獲したのが30両ほどあるが、どんなに強力でも数が揃っていなければ実戦配備は難しい」

 「エンジンがいいから教導戦車部隊として残しておくが」

 「アメリカ製の方が優れているのか」

 「優れているのは、エンジンだ。壊れ難さならアメリカ製だな」

 「ドイツのタイガー戦車は、装甲がただの鉄というのが駄目だな」

 「しかし、陛下が決めたこととはいえ。沿海州を捨てるのは惜しいような気がするが」

 「樺太の対岸を押さえていれば問題なかろう」

 「沿海州は国境線が伸びて日ソ関係の緊張が大きくなるばかりで損だ」

 「そうか?」

 「たぶん」

 

 日本海軍残存艦隊

   第1機動部隊

    大鳳、瑞鶴、翔鶴  (220機)

    利根、妙高、那智、羽黒

     夕雲、巻雲、長風、秋雲、風雲、巻波、高波、大波、清波、玉波

 

   第2機動部隊

     シャルンホルスト、グナイゼナウ  (160機)

      筑摩、高雄、愛宕、摩耶、鳥海、大淀

       秋月、照月、涼月、初月、新月、若月、霜月、冬月、春月、宵月、花月、夏月

 

   第3機動部隊

     雲龍、天城、葛城 (195機)

      最上、鈴谷

       早波、浜波、沖波、岸波、朝霜、早霜、秋霜、清霜、藤波、涼波

 

  第4機動部隊

     千歳、千代田、日進、瑞鳳 (120機)

      能代、矢矧、酒匂、

       陽炎、不知火、黒潮、親潮、早潮、雪風、天津風、時津風

 

   第5艦隊

    長門、ティルピッツ、伊勢、日向

      浦風、磯風、浜風、谷風、野分、萩風、舞風

      朝潮、大潮、満潮、荒潮、朝雲

      曙、漣、潮

 

  秋津 派遣艦隊

    大鷹、冲鷹

     吹雪、白雪、初雪、むら雲、薄雲、白雲、磯波、浦波、綾波、敷波

 

  出雲 派遣艦隊

    神鷹、海鷹

     白露、時雨、村雨、夕立

     睦月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、長月、三日月、望月、夕月

 

 ソ連は、日本と講和すると満州で大攻勢を繰り返し、

 遼東半島を除く満州全域を制圧。

 朝鮮半島のアメリカ軍と睨み合う。

 

 日本は、捕獲した米ソの戦車で師団編成を行ない、

 出雲(サルジニア)・因幡(コルシカ)。

 北秋津(バトス)・南秋津(ミリン)へ配備。

 

 

 日本がインドシナ半島独立条約に調印。

 ベトナム共和国、ホーチミン。

 ラオス王国ルアンプラバン国王シー・サワン・ウォン。

 カンボジア王国、シアヌーク王が独立。

 同時にアメリカ資本が入り始めた。

 最大の問題となったのがホーチミンの共産主義だったことで、

 日米は、折衝を重ねたが折り合いが付かず。

 日本政府は、ホーチミン王という地位を併用することで妥協。

 アメリカは、ベトナムを承認しなかった。

  

 

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