月夜裏 野々香 小説の部屋

   

After Midway

 

 

第67話 1957年 『やれやれ』

 南極に昭和基地が建設される。

  

 核兵器の小型化に賭けるか。

 核ミサイルの性能を向上させるか。

 放漫財政に浪費されることもあるので予算を振り分ければ良いというものでもない、

 とはいえ、予算に比例して成果も上がるのだった。

 そして、使い方にも、いくつかの選択があって、派閥で、こじれたりもする。

 赤い絨毯が敷かれた偉い人の部屋。

 数人の男たちがいる。

 「イスラム向けの予算は疑問に思う。日ソ関係を悪化させている」

 「それより、純粋に国防費として振り分けるべきだろう」

 「機甲師団を強化すべきではないか」

 「南アジアから中東にかけて反共産主義勢力を固められるのならムダと思えないが」

 「そんな他力本願な」

 「同盟戦略を他力本願とは、軍部らしい孤立主義だな。先が思いやられるわ」

 「無駄になりそうだろう」

 「アメリカはイスラエル支援で中東に拠点を作って、イスラムの反感を買っているからな」

 「日本のイスラム向けの資本が反米、反英に向けられては困る」

 「まぁ 確かにイスラム圏は、一枚岩でない」

 「パキスタンとインドの関係を考えれば、これ以上の投資は、疑問だな」

 「しかし、ソビエトの南アジアでの軍事負担が増えると、欧州と極東で軍事負担が減る」

 「日本の南アジア投資は、総合的に有利ではないだろうか」

 「日本には大した資源はない」

 「ソビエトが極東で作戦を行う可能性は低いように思うが」

 「こちらの戦力が相応にあれば、日ソ間で戦線になりそうな戦域は無いといえる」

 「つまり、ソ連の反日感情を煽るのは、得策ではない」

 「いや、反日感情は既にある」

 「ここで南アジアから退けば舐められるだけだ」

 「しかし、虚勢を張るのは・・・・日本の国力は小さすぎる」

 「ソ連と中国に印パ対立を煽られ、南アジアをバラバラにされてしまうと不利だ」

 「日印貿易の低下は、日本の国際的な地位を押し下げるよ」

 「こういった事柄は世界の警察を自負してるアメリカにやらせればいいんだ」

 「サウジアラビアに空軍基地を建設してただろう」

 「キリスト教はイスラム圏に嫌われているからな。インドも白人を良く思っていない」

 「・・・かといって、日本人だから上手く行くわけでもないだろう」

 「上手くは、いってないがね。それでも成果はある」

 「貿易収支を見れば右上がりは、はっきりしている」

 「んん・・・しかし、な・・・」

 「まぁ 端的に言うと後進国は、信じられる人間が少ない」

 「先進国は、いろんな手法や価値観がある」

 「しかし “約束を守れる” という共通点はあるからね・・・」

 「いわゆる。後進国は、後進国になる要素があるということか」

 「確かに純朴ではないな」

 「信用できる人間を探すのは、先進国より大変だろう」

 「「「「「はぁ〜」」」」」

 「」

 「」

 

 

 

 ウスリー川

 日本漁船がウスリー川を上ってハバロフスクに向かっていく。

 オホーツク海で獲れた魚を下ろす。

 日本は、日ソ漁業協定で

 オホーツク海で獲れた漁獲の一部をハバロフスクに降ろす事が決まっていた。

 ソ連は、すぐにオホーツク港を軍港にしなくても、

 何もしなくてもハバロフスクの魚市場が潤う。

 その代わり、ソ連は、オホーツク海の漁業・軍事行動を控える協定になっていた。

 それが時間稼ぎでも日ソ両国は、妥協する。

 漁船

 「・・・もっと上流にも魚を運ぶ事になりそうだ」

 「疑われているだろう?」

 「魚の中に何か入っているとか?」

 「ありがちだろう」

 「誰の口に入るかわからないのに?」

 「見つかったら国際問題だよ」

 「しかし、貿易が増えると日本向けの中に何が入っているか、わからないから同じか」

 「キャビアは、金になるし、ウスリー川の魚種も日本だと珍しいからな」

 「ウラジオストックより、ハバロフスクの魚市場の方が漁獲量が多い」

 「ソビエトは得をしているな」

 「ついでに惣菜にして降ろすか」

 「ふっ 弁当屋でも開くか」

 「一分で凍ってしまいそうだ」

 

 

 国際連合 ニューヨーク本部

 アメリカ合衆国 VS ソビエト連邦

 自由資本主義圏 VS 共産圏

 そこに日本を核にしようとする第三勢力が浮かび上がる。

 白人 VS 有色人種

 日本は、勝ち目が無いとわかっているのか、その気がない。

 しかし、インド、南アフリカ公国、東南アジア諸国は、有色人種国家連合を望み、

 次第に国際世論を集めて気勢を上げていく、

 反共大同団結を狙う西側自由主義陣営と、

 反資本主義、反帝国主義で嫉妬と憎しみを煽る東側共産主義陣営は、

 植民地から独立して気勢を上げる民族主義勢力にタジタジになり、

 日本は、童話の鳥族と動物族の中間にいるコウモリのような気分を味わってしまう。

 

 国連のラウンジ。

 東洋人が2人どんよりとしていた。

 「・・・南アフリカ公国とインドは、血気盛んだな」

 「フランスの北アフリカ政策に対する追及は手厳しい」

 「最近は、東南アジア諸国も反白に躊躇しない」

 「他の国より、まず自分の国を何とかすべきだな」

 「国内問題のシワ寄せを国外に向けても限界があるよ」

 「というより、国内問題を誤魔化す為、国外に敵性国家を作り、目を向けさせているね」

 「南アフリカ公国は、人種戦争を起こしてアフリカ大陸を黒人の世界に取り戻そうとしているようだ」

 「アフリカは、元々、まとまりのない地域だよ」

 「独立しても、いいように部族紛争を煽られ奪い合うだけだ」

 「そうなると、共産主義の思う壺か」

 「インドも有色人種の雄としての地位を狙っている」

 「帝国主義時代じゃあるまいし、そんな格好つけても損するだけだよ」

 「東南アジア諸国も黄色人の誇りを取り戻すんだと・・・」

 「誇りのために民族や国家を危険な状態に追い込むのは愚かなことだよ」

 「それ、どこかで・・・デジャブか・・・」

 「出雲は、海峡を挟んでフランスと接しているから泣きたくなる状況だよ」

 「どうしても、巻き込まれたくない」

 「・・・・」

 「有色人種諸国を何とか、退かせられないのか」

 「んん・・・自重して欲しいとは伝えているんだがな」

 「ふっ まず、自重の意味を教えないとな」

 「有色人種で辞書を持っている人間は少なかろう」

 「それはあるな」

 「国民は、国力比すら知らないぞ」

 「上層部でさえ、井戸の中のかわずだ。戦前の日本みたいにな」

 「いや、日本より、資源があってバランスが取れるだろう」

 「白人に植民地にされていた時の記憶が残っている間はね」

 「中ソ共同宣言で共産圏がもう少し覇気を見せてくれると、有色人種も目立たなくて良いんだがな」

 「んん・・・中ソ同盟も、まだ、パワー不足だな」

 「欧米諸国が日本と有色人種諸国を頼りにしたくなるくらいの根性を見せてくれたら良いのに」

 「出雲は、EEC共同体から仲間外れにされると困る」

 「遺恨あり同士でも経済は別か」

 「頭と下半身は別だ」

 「それを言うなら、イタリア料理でも、フランス料理でも、腹に入ればいい」

  

  

 ソ連。バイコヌール宇宙基地から世界初の人工衛星の打ち上げに成功。

 人類初の人工衛星は「スプートニク1号」 地球を96分で一周。

 


YS11 (史実型) YS11 (戦記型) P3C オライオン C130H ハーキュリーズ
全長×全幅×全高(m) 32×26.3×8.99 32×28×8.3 35.6×30.4×10.3 29.79×40.41×11.66
翼面積(u) 94.8 70 120.8 162.1
自重(kg)/ 15460 18000 27890 34686
最大積載量(kg) 5400 8700 18000 20000
最大離陸重量(kg) 24500 28000 47119 70000
馬力(hp) 3060×2 5200×2 4910×4 4508×4
最大速度(km/h) 490 670 760 600
最大巡航速度(km/h) 454 640 610 550
最大乗客数 64 70 11 92(兵士)
航続力(km) 2200 2500 2500+哨戒3時間 3789
         
初飛行 1962年8月30日 1957年8月30日 1958年8月19日(YP3V-1) 1954年8月23日

 

 YS11は、タ−ボプロップ機の効率限界、最大巡航速度640kmを目指して設計された。

 これ以上の速度で飛ぶと、ジェット機の方が効率良くなる。

 優秀で強力なターボプロップエンジンで馬力に余裕を持たせ、

 細身軽量の機体にすると、高速機が出来上がる。

 軍事用として利用価値が高くなるが積載量は、小さくなり採算効率が悪化する。

 日本は、アメリカがB52戦略爆撃機。C130輸送機を開発していたことで圧迫を受けていた。

 B52は、8発ジェット戦略爆撃機

 P3C オライオンは、4発対潜哨戒機

 C130は、軍用4発輸送機。

 YS11は、双発旅客機で純粋な軍用機と比較すると負ける。

 しかし、ライセンス生産可能なP2哨戒機より性能が良く。

 双発機として馬力も余裕があった。

 なので国防省で気に入られ採用される。

 というより、国産メーカーを軍用に転用できなければ、海外市場で信用されるはずもなく、

 持ちつ、持たれつの関係だった。

 民間は、彩風(さいふう)。

 国防省は、月影(つきかげ)。

 機体が同じでも性質が違うのか、違う愛称をつける。

 YS11は設計を変えながら、

 それぞれの特性に合わせた対潜哨戒機、早期警戒機、攻撃機、給油機へと発展していく。

  

 工場

 改造されるYS11(月影)。

 2人の男が機体を見上げる。

 技術者(54歳)、元パイロット(41歳)

 「改造は、いつ終わるのかな」

 「数年先かな。量産までは、もう少し、旧式機でがんばってもらうか」

 「あのなぁ〜 完成、量産する頃には旧式化ということもあるぞ」

 「アメリカとソビエトは4発機を使っている」

 「予算と命知らずが多ければ失敗を恐れず。いくらでも思い切った改造を試せるのに・・・」

 「・・・・」

 「むかしの様に仕様が五月蠅くないから無理な機体は作らずに済んでいる」

 「旅客機と輸送機は違うが要は、予算とバランスの問題だな」

 「主翼を大きくするのか」

 「対潜哨戒機、早期警戒機は、長時間の低速飛行が必要になる」

 「予算が決まっているから基本設計は、なるべく、変えたくないが・・・」

 「増槽をつけても足りない」

 「やれやれ、まず予算ありきとは世知辛くなったな」

 「それでも最新鋭のターボプロップエンジンだぞ」

 「そういえば、ジェットエンジンをつくっていた連中が予算を盗ったと怒っていたな」

 「人聞きが悪いな。エンジン設計でコンピューターを余計に使っただけだろう」

 「そういえば、一番予算をとっているのが電子関係だった」

 「電子装備で負けたからだろう。戦場にいたから良くわかるだろう」

 「そりゃ 敵の部品でゼロ戦を作り直したくなったよ」

 「現に航空戦で負けなかったのは、数で拮抗したこと」

 「敵の輸送船を捕獲して部品を使えたからだと思っている」

 「250機も撃墜したのに?」

 「数と質で拮抗できたから撃墜できたんだ」

 「そうでなければ損害は10倍以上で、戦果も半分から4分の1以下だ」

 「それに戦果の半分のソ連機は入れたくない」

 「そんなに下手だったのか」

 「騎兵か、歩兵と同じ感覚で数に任せて突撃してこられるとな」

 「こっちが勘違いしているのかと錯覚するよ」

 「ドイツ空軍に礼を言うべきだろうな。ソ連空軍のレベルを下げてくれたのだから」

 「ラボーチキン7型。ヤク9型は、悪くはない」

 「ベテランもいたが数が少なかった」

 「戦場が限定されて降りても地上なのだから、ああいう航空戦術もありなんだろうな」

 「そういう機体の方が楽そうだな・・・」

 「日本では、無理だな・・・しかし、高翼か・・・」

 「旅客機は、見晴らしが良いのが好まれるんだ」

 「それでも、まともな攻撃機の誕生か」

 「長距離対艦ミサイルを装備できる。ないけど・・・・」

 「その貧乏さが泣けてくるよ」

 「しかし、隔世の観だな。民間機が、これほど性能がいいとは」

 「民間機でも、元々は、軍用機の設計技師だからな」

 「対艦ミサイルは?」

 「フリッツXで、我慢してくれ」

 「ふっ 死ぬな」

 「ソ連は、Tu16バジャーだから負けている」

 「日本のジェット機は戦闘機だけか」

 「しょうがないよ。日本は、焼け野原だったから」

 「やれやれ」

 「しかし、時間の問題だよ。高度成長期に入っている」

 「戦闘爆撃機は開発するはずだろう」

 「予算がどこに振り分けられるかにもよるよ」

 「当面は、こいつで、お茶を濁してくれよ」

 「収益が上がったら4発ジェット旅客機だそうだ」

 「し、収益って、修飾語付きかよ。しかも旅客機」

 「・・・・露天掘りで資源が採れる国なら爆撃機でもいいさ」

 「働かざる者、食うべからず?」

 「そう。じっと、手を見る」

  

 

 戦後の領土拡張が予算を分散させていた。

 橋を10個作る予算を計上させても。

 国土が小さければ、その分、集中しやすく効率が良く。

 国土が広ければ、その分、分散しやすく効率が悪い。

 もちろん、広い土地で大きな収穫を上げられるかもしれない、

 しかし、回収の遅い僻地に投機をさせられる。

 日本国全体の底上げは、国が地主から土地を取り上げる農地改革が断行されただけ、

 それ以外は、傾斜経済で基幹産業の再建に集中していた。

 おかげで庶民生活を無視するより他になく、

 国民を騙すような弱者切捨ても平然と行われる。

 日本が戦争で、もっと景気よく負けていたら、

 日本がアメリカの犬の様に生きていたら、

 航空機も対空、対艦、対潜ミサイルも払い下げられるに違いない。

 “軍事的に独立する” は、国民に負担を強いてしまうと同じだった。

 国防費増大は良く思われておらず、

 民間機であっても使えそうなものは使うしかなかった。

 戦後軍縮と呼ばれる時期で、もう戦後では無いという、

 しかし、国の台所事情は厳しかった。

 成果を技術労働者・熟練工の給与に反映させないと意欲が低下し、民間に逃げていく、

 電装品は、年々 価格を上げてしまう。

 結果的に予算を増やすか、市場を広げ量産するか、

 価格単価を引き上げるか、賃金に格差を付けるか、いろいろ・・・

 軍事関係は機密性が強く、技術を日本経済に反映させにくく、

 軍事全般で平均点を取ろうとしても凡庸以下になるだけだった。

 それなら民間機を底上げして改良する方が数を揃えられた。

 

 
 国連

 中国とインドが人口比に応じた票加算を要求。

 当然、世界の総人口30億の大半を占める有色人種系国家群は、賛成。

 白色人種は、反対する

 ラウンジ

 「・・・言うと思った」

 「連合国の国連なんだがな。途中下車の中国には用はないぜ」

 「敵国の日本が理事国入りしているのだから途中下車の言い分もありだろう」

 「インドも人口比率に賛成しているし、反対すると後でこじれる」

 「アメリカは?」

 「比率の問題だとさ」

 「国内の有色人種が増えているから表向き選挙対策だろうな。本音は反対」

 「比率は? 最小人口国を1票にするのか。どこだ?」

 「さあ、アメリカは、人口1000万以下を全部、1票にするとか、しないとか」

 「しかし、中国もインドも人口100万以下を1票にしたがっている」

 「なるほど。わかりやすいな」

 「人類の人口を30億とすれば、単純に100万で1票なら300票。1000万で1票なら3000票・・・」

 「日本を1億としたら10票か、100票」

 「中国は、70票か、700票くらいだな」

 「きたねぇ〜」

 「分担金は、10万ドル以下から1票で、累計加算しているだろう」

 「アメリカが4000票で、日本が1000票」

 「人口比だと。インドは、60票を越えるだろうな」

 「人口が、はっきりしてないような気がするぞ。だいたい、信用できん」

 「そういうこと、ごねるのに十分な理由だよ」

 「しかし、人口を1000万や100万単位で誤魔化せないだろう」

 「やりかねないよ。査察に入って、調べるわけでもないし」

 「墓に入っている人間だって数えるに決まっている」

 「死んでいると認めたくないとか。言って?」

 「ありがちだな」

 「最近は、貿易量が増えて生活が良くなって、途上国の人口も増えている」

 「人口増加に拍車がかかるな」

 「ソ連は?」

 「どうかな、分担金で500票だろう」

 「仮に人口100万を1票なら人口で130票。アメリカは、人口で250票くらいだ」

 「ソ連は損だな。共産圏の主導権を中国に取られてしまう」

 「かといって、それを理由に反対するのも問題ありだろうな」

 「100万が1票だと。得をするのは、経済力がなくて、人口の多い国か」

 「アメリカが反対しないのであれば、どっちでもいいがね」

 「アメリカは、むかし、日本に似たようなことをやられて、いまは、困っているだろう」

 「分担金の比率で理事国を決めようというやつか」

 「あの時は、アメリカは得だったから乗ってきた、今は、それほどでもない」

 「人口比率で票加算して本当に得かどうか、考えるさ」

 「ふっ 常任理事入りとか言われても固定させた特権階級が気に入らなかっただけだろう」

 「加盟で損しても難癖つけて覇気を見せて、実は、同時にアメリカに取り入りたかったのさ」

 「裏でいろいろ、うまみが、あったらしいが」

 「戦後は、貧乏なくせに無理したよな」

 「・・・人口比率の票加算。1000万人単位がいいよ」

 「だいたい、有色人種。人口多すぎだよ」

 「白人世界とこれ以上の対決は困る。インドがなんと言ってくるかな」

 「当然、協力しろだよな」

 「つ、辛いな〜」

 「トータルで言うと黄色人種。有利だけどな」

 「黒人も増えている。白人諸国は、人口比率で票加算だと反対するだろうな」

 「南アフリカ公国・・・ナミビアを取り込んだら動きそうだな」

 「本気でアフリカ大陸を黒人の手に取り戻す気だな」

 「黒人自体が元々、バラバラなのに、どうやって糾合するつもりだ」

 「解放したとたんにバラバラだな」

 「勢いがあるから挫折しないとわからないんだよ。共産主義と同じ」

 「あはは・・・」

 

 

 どこかの官民団体

 数人が窓から黄昏を見詰める。

 「・・・UNIVAC Iに負けるな」

 「絶対に勝てんわ。基礎になる単語の数で違う」

 「英語は26文字、小文字や記号や数字を足しても8ビット。1バイト256文字で足りる」

 「日本語は、ひらがな、カタカナ、漢字、英数字が加算される。6400文字くらいだな」

 「処理コードを抜くと16ビットで、2バイト。65536文字が必要だ。基礎になる部分から1対2かよ」

 「その上、ライセンス制限されている」

 「日本が基礎理論で負けていないとわかるまで、ライセンス制限かけてくるからね」

 「トランジスターでは、へこまされたよ」

 「当面は、英語でやるしかないな」

 「ホント。アメリカやイギリスには、泣かされるよ」

 「余裕を持って4バイトで、本当にマルチ言語でインターナショナルコンピュータを作ってやるか」

 「一文字に4バイトも使われたら性能で負ける」

 「4バイトなら、向こうは、4分の1で済む。2バイトでも絶望的なのに・・・」

 「8ビットで済む英語圏には、わからない苦労だな」

 「そうそう。連中にすれば、日本語が消えても構わないからね」

 「性能が落ちても基礎理論で独立するか。このまま、英語圏の傘下で行くか」

 「日本語でプログラムを作れるのは、将来的にプラスが大きい」

 「そうそう。日本語のプログラム言語なら基礎になる分母。人口を増やせる」

 「つまり、性能と価格の問題であっても最終的には、欧米から独立しやすいということだな」

 「・・・・・・・・・」

 「・・・予算がないな」

 「予算か」

 「何個師団分かな。あいつら、ごねるからな」

 「ふっ 日本語防衛だろう」

 「国防のためなら、日本語も売りかねないぞ」

 「いや、それを言うなら予算のためなら国を・・・・」

 「あはは・・・予算の取り合いに仁義はないからな」

 「・・・オリンピックがあるから、そっちにも流れそうだな」

 日本がコンピュータの概念で英語圏と枝分かれする原因がいくつかあった。

 通産省工業技術院電気試験所(現:産業技術総合研究所)が史実より早く創設され、

 予算が大きかったこと。

 アメリカ側が日本軍の軍事転用を恐れ、

 ライセンス制限が多かったこと。

 日本は、2バイトを必要とする言語体系だったこと。

 そして、既に日本語を核にしたコンピューターを構築していたこと。

  (ひらがな、カタカナ、漢字、英数字、記号を0・1の組み合わせ)

  (より多くの技術開発をしようと思えば、その成果は、分母になる予算と人口に比例する)

 欧米から枝分かれする。

 不利益は、腐るほどあった。

 しかし、コンピューター人口が増えれば、何とかなるだろう、という。

 獲らぬ狸の・・・的思惑もあった。

 

 

 ベトナム

 中国との国境線は、厳戒態勢だった。

 同じ共産主義でも一枚岩でないことがわかる。

 中国と北ベトナムは、ソ連とユーゴの関係とも似ている。

 北ベトナムは、共産主義圏より日本との関係が近い。

 日本の武官が中越国境で大手をふって歩いているのを見ると、

 本当に共産圏なのか疑いたくなる。

 ベトナムは、対中戦で実績ある日本軍に陣地構築の助言を望んでいた。

 とはいえ、日本軍で対中戦のジャングル戦エキスパートは少数派だった。

 さらに北ベトナムの予算は少なく。

 まともな師団を編成しようとすると、

 訓練費用で武器弾薬の購入代が消えてしまう、

 戦術は限られていた。

 南ベトナムがアメリカ軍の中古で国軍の装備を固めているのと比べ雲泥の差といえた。

 仕方なく、大陸で中国側が使ったような罠とゲリラ戦をジャングル戦に応用していく、

 ゲリラ戦の加害者である中国軍は、ゲリラ戦の効果を自身で経験しておらず。

 ゲリラ戦の被害者の日本軍は、ゲリラ戦の効果を身を持って認識していた。

 そして、ベトナムの風土に合ったゲリラ戦を北ベトナム軍に助言していく、

 これが北ベトナム軍の教本になっていく、

 とはいえ、ゲリラ戦の骨子は、かなり単純といえた。

  1) 潜伏先を発見させない。

  2) 一般住民の協力を得る。

  3) 外国からの支援。

  4) 武器弾薬、食料の確保。

 この4つが守られるなら自然に戦訓が積み重なり練度が高まる。

 とはいえ、諸外国の北ベトナム支援は見込み薄だった。

 北ベトナムと中国との関係は悪く、

 南ベトナムのアメリカ軍は北ベトナムに対し挑発的だった。

 利権欲しさで消極的な味方はタイ王国くらいだろうか。

 というわけで北ベトナムは、日本とソビエトに依存してしまう。

 北ベトナムは、世界でもっとも不思議な国といえた。

 

 北ベトナム ハノイ

 日本製品が入り込んでいる。

 ベトナム資源の10分の1が独立条約で日本の保有だった。

 多いようだが植民地時代に比べれば、天国。

 当然、日本企業も進出し、工場が建設されている。

 ベトナム人の気質は日本人に近く、

 日本人を模倣することに変なプライドも抵抗もない。

 中国系や韓国系と違い、台湾人に近いといえる。

 もちろん、後進国特有の “騙されるやつが悪い” という姿勢は強く、

 信頼が次ぎの仕事に繋がるとは思っていない、というより限らない。

 必ずしもというわけではないが一度、信頼されると、

 不信されるまで惰性で続くのが日本式。

 当然、カルチャーショックもあるものの、

 日本とベトナムは、比較的良好な関係だった。

 

 

 酒場

 日本人とロシア人がベトナム酒を飲み比べていた。

 こういう光景は、めったにお目にかかれない。

ネップ・モイ

 (原料:黄色もち米、シナモン・ウイキョウなど)

 蒸留酒ウォッカ。アルコール度40度

ネップ・カム

 (赤もち米。アルコール度29.5度)

ルア・モイ

 (うるち米。蒸留酒アルコール度数45度)

 「アメリカ・・・いや、南ベトナムは、攻めてくるんじゃないのか」

 「いや、攻めてくるのは、中国軍では?」

 「困るなぁ〜 北ベトナムの利権を失うのは困る」

 「日本もだ」

 「そうそう。ここが戦場になったら得をするのは、中国か、アメリカ」

 「それは面白くない」

 「出来れば、中国側には自重してもらいたい」

 「いや、アメリカの方だろう。何とかならないのか」

 「・・・アメリカは、どうにもならないよ。台風とか、冬将軍とか、災害の類だよ」

 「あはは・・・しかし、日本が反対すれば、やめるんじゃないか」

 「んん・・・無理・・・それより、中国は?」

 「・・・中国か、あいつら最近、生意気なんだよな」

 「いったい、誰のおかげで共産化できたと思っているんだ。言うこと聞くか、どうか・・・」

 「中国が近代化したら、あっという間に石炭と石油が使われて地球資源が枯渇するよ」

 「えっ! そうなの?」

 「あのねぇ〜 世界最大の人口で近代化されたら地球は、あっという間に砂漠にされてしまうよ」

 「んんん・・・それは不味い。やっぱり、原始的な生活をおくらせる方が良いかな・・・・」

 「うんうん」

 「それはそうと。何で、日本軍が北ベトナム軍の軍事部門で口出しするんだ。協定違反だろう」

 「いや、ホーチミン王から頼まれて・・・・」

 「同志・・・」 崩れる。

 「ジャングル戦と対中戦の経験が無いと駄目だよ。こういうのはね」

 「くそぉ〜 兵器体系には、口出ししないでくれよ」

 「いや、口利きしてやるよ。お金次第で」

 「あくどいな。おまえ」

 「いやぁ〜 AK47は、悪くないがね。伏せ撃ちの時が困るな」 にやにや。

 「・・・・酒代、奢ってやるよ」

 「あはは、わるいねぇ〜」

 「くそぉ〜 日本でウォッカは、どうだ」

 「ウォッカ・・・日本で、国産で作れるよ。ロシアに輸出してやろうか」

 「やめてくれよ。これ以上、アル中を増やしたくない」

 「あはは・・・それより、ダイヤは?」

 「あれは不味いよ。デビアス社に鉱山ごと権利を持っていかれたから」

 「新しいダイヤ鉱山を探せばいいだろう」

 「んん・・・スターリン時代と違って、無理が利かなくなってな」

 「そうか」

 「日本で掘れよ」

 「温泉しか出ないよ」

 「んん・・・日本の温泉は、良かったぞ」

 「そうか、亡命の時は、口を利いてやるよ」

 「あはは・・・」

 「ところで、北朝鮮って、いまどうなっているの?」

 「・・・あまり行きたくない国だな」

 「やっぱり」

 「あれは、ババ引いたな」

 「アメリカと同じこと言ってるな」

 「まあ、ああいう、汚い仕事をさせやすい民族がいれば、それなりに便利だがね」

 「また、アメリカと同じことを言ってるよ」

 「褒めるところが少なくてな、同化政策をしようと思った日本は偉い」

 「あははは・・・」

 

 

 巡洋艦“高雄”

 1932年竣工 艦齢25年の中古艦。

 大戦の生き残り。

 戦後、延命の改装が一度行われた。

 

排水量 全長×全幅×喫水 馬力 速度 60口径155mm砲 60口径47mm砲 誘導魚雷 水上機
14000 205×21×6.4 100000 32 連装2基 連装8基 8本 4機

 

 対空火器装備。電探。ソナーなど電子装備が追加される。

 これ以上の延命。改装は、費用対効果の関係から行われそうにない。

 この艦も退役が迫っている。

 戦艦と違って引き受け手が無いと思いきや、

 地方の過疎港は、費用対効果で折り合いが付けば、記念艦として、欲しがる。

 血に染まった軍艦。

 退役後は、ミソギとかで1世代は、雑役船になる。

 少なくとも次の世代の耐久年数が過ぎる二十数年は、艦名として使われない。

 

 艦橋

 「・・・・新型艦艇がようやく、増えてきましたね」

 「ああ、老兵は消えるのみだ」

 「・・・ですが、対空ミサイルと対艦ミサイルのどっちが良いと言われても・・・・・」

 「現場の意見を聞きたかったのだろう。どっちも欲しいに決まっとるがな」

 「ったく。貧乏というか、しみったれ、ですね」

 「だが、大砲減らされて、電子部品を載せられてもな・・・・・」

 「どうも電子部品が部品の価格を上げているそうです。海軍大綱も怪しいとか」

 「やれやれ。対潜ヘリなど、いつになるんだ」

 「アメリカ海軍は、H2シースプライトを使うようです」

 「大国は違うな」

 「ええ、日本とは、違いますね」

 「しかしなぁ〜 いくら金がなくても時代に逆行したら駄目だろう」

 「・・・翼面積が大きいな。潮風に煽られて、ひっくり返りそうだ」

 「軍用は、主翼を半分に折れるので、すぐに収容すべきでしょうね」

 「いまどき、水上機とは、泣けてくる」

 「レジャー用で民間が開発したようです」

 「レジャーで使えばいいんだ」

 「ミクロネシアは、大型飛行場に集中して整備していますから」

 「離着陸だけでなく、水上機としても使えるので人気があるようです」

 「・・・本当に降りられるのか?」

 「風が弱ければ、着艦できますし、少し強ければ、海上に着水です。H2より脆いようですが」

 「ドイツのシュトルヒに近いようだ」

 「三式指揮連絡機。だと思いますが」

 「・・・・陸軍め」

 「陛下が引っ込まれて、また、不仲ですか」

 「予算の取り合いでな」

 「あの頃は、皇軍そのもので良かったな」

 「陛下が引っ込まれなければ良かったのに・・・」

 「・・・・・」

 風に浮く。と表現できそうな機体が艦尾方向から右舷側を艦首に向かって抜けていく。

 水上機であり、滑走路にも降りられるレジャー・観光機だった。

 ミクロネシアで使いやすく、有用で艦載機として使うことになった。

 偵察機としてでなく純粋に対潜哨戒機、連絡輸送機、救難機であるため丁度良かったらしい、

 

民間レジャー機改造。56式水上哨戒機
自重(kg) 全長×全幅×全高(m) 翼面積(u) 最大重量(kg) 最大速度(km) 航続力 馬力 人員
1400 10×14×4 30 2000 300 1800 600 1〜6

 

 “高雄” 3番・4番砲塔をはがして、艦尾に作られたプラットフォーム

 56式水上哨戒機は、1.4トンもあるとは思えないかのようにふわりと着艦する。

 軽量化技術は、それを可能にさせてしまったのだろう。

 作業員が機体を固定し、主翼を折り曲げ、収納していく、

 誘導ミサイル開発の遅れが和製ラインメタル60口径155mm砲を製造させた。

 見た目がすっきりしたように見えて、

 トップヘビーにならないように苦労していたりもする。

 「・・・艦長、次期主力空母と大型巡洋艦で、何か、聞いていますか?」

 「一応、設計図だけは、作られているらしい」

 「やはり、核ミサイルを配備するから、60000トン級空母建造は、中止かもしれないそうだ」

 「中止ですか?」

 「まだ未定だがね。イギリスも攻撃力を核ミサイルに頼ってる」

 「大型空母の建造を見送るか。海軍大綱を引き下げるしかないらしい」

 「艦隊の数を減らしてでも対空、対艦、対潜ミサイルの開発と考えるのでしょうか?」

 「発射したら消えてしまうミサイルの価格上昇は泣きたくなるね」

 「数も必要としますから、日本は厳しいですね」

 「問題は空母だな」

 「アメリカも空母無用論がある」

 「朝鮮戦争がなければ、今のような機動部隊が考えられたかどうか」

 「イギリスは、35000トン級のイーグルとアークロイヤルが最大で足踏みしているようです」

 「ジェット機の運用だと厳しいな」

 「ジェット機を艦載機で運用できる空母なら10万トンは欲しいですね」

 「そうなると建造費用で基地建設した方が良いと思うだろうな」

 「空母無しだと艦隊の意義すら変わってきますね」

 「SOSUS網と艦隊が天秤にかかっている」

 「SOSUS網ですか?」

 「アメリカとイギリスが開発中の?」

 「日本の場合、原子力潜水艦の開発も遅れ気味だろう」

 「ディーゼル潜水艦だとどうしても作戦能力で劣る」

 「地上基地とケーブルで繋いだ潜水艦支援基地を沈めている」

 「それでさえ、作戦海域が限定されて不利だ」

 「しかし、アメリカとイギリスの方が広範囲で進んでいたらしい」

 「真似をすると予算を食われそうだな」

 「電子装備と航空機に予算を取られすぎたのでは?」

 「そういうこともあるな・・・」

 「しかし、戦後、日本が財政破綻しなかっただけでも運が良かったと言える」

 「アメリカ軍の置き土産と独立条約がなければ完全にアウトだった」

 「強制的なインフレ政策は、非難が大きいですからね」

 「朝鮮・海南特需。中国内戦と朝鮮戦争で経済再建できて巻き返せたようなものだ」

 「というより、それがインフレの引き金だな」

 「厳しいですね」

 「SOSUS網で敵潜水艦だけでなく、敵艦隊の位置がわかれば作戦行動も取りやすい」

 「それに潜水艦も2000トン級から3000トン級にする動きもある」

 「艦隊の存在意義が問われそうですね」

 「それにスプートニク打ち上げの煽りで宇宙関連予算も抜かれそうだ」

 「なんとも、先行き不透明ですね」

 

 

 朝鮮半島 半島南岸

 日本軍にドイツ系白人将校がいることは珍しくなかった。

 日系将校とドイツ系将校が双眼鏡で海峡を見詰める。

 ドイツ人は、西ドイツに帰還しないのかというと微妙で、

 秋田ドイツ租界地は、日独双方で有益な存在だった。

 「密入国が多い」

 「泳いで渡ろうとするから根性があるな」

 「辛い生活なんだろうな」

 「日本は、国土が狭く、人口が多い」

 「北東シベリアの開発が進まない限り。難民は受け入れられないね」

 「労働者としても?」

 「コンテナ船が主流になるから。もういいよ」

 「炭鉱も?」

 「炭鉱は、どうかな。石油が主流になっている」

 「それに朝鮮人の入国は反対が多い」

 「秋田のドイツ人も大戦中は、いやな目に遭わされたよ」

 「特にドイツが負けそうになってからね」

 「ふっ 日本が条件付降伏したと知ったら。万歳♪ 独立♪ だからな」

 「ひょうきんさは、ラテン系を超えているね」

 「それなのに日本に逃げてくるのは、どうかと思うね」

 「南韓国は、アメリカ資本、欧州資本、華僑資本・・・」

 「ほかにも、インド資本、南アフリカ資本、東南アジア諸国から資本が集まってきている」

 「日本の近くで超法規的な出先機関が作れ、潰しの利く労働者がいるから悪くないのだろうな」

 「西ドイツ資本もきているようだ」

 「しかし、外国資本が退いたら朝鮮人は、生きていけなくなるだろう」

 「大人しく働いていたら、今頃、日本と並ぶ、アジア有数の工業国だったのに・・・・」

 「アメリカの工業植民地でね」

 「主権があるかないかの違いだけで、日本も韓国も労働条件は、ほとんど変わらないよ・・・・」

 「ほんと、日本人って、よく働くよ。ダラダラと・・・それが自発的なのが奇跡だね」

 「ははは・・・長いモノに巻かれ易いから・・・」

 「それでも、いまの半島よりマシか」

 「ふっ もう無茶苦茶で訳がわからない。魑魅魍魎の巣窟だな」

 「基本的に国家、人種、民族のエゴは、魑魅魍魎」

 「・・・崖の上・・・あそこだ・・・」

 丸太らしいものを抱えた男が見え隠れしていた。

 赤外線スコープだと熱源が見える。

 「飛び込みそうだな」

 「「・・・・」」

 「・・・あ、飛び込んだよ」

 「あそこ深いんだよな。流れも急だし」

 「とりあえず。警備隊に連絡しておくか。運が良くて体力があれば、強制送還」

 「運が悪くて、体力がなければ?」

 「魚の餌」

 「ふっ 最近、玄界灘の魚を食べたくなくなたよ」

 「迷惑な話しだ」

   

  

F8J クルセイダー

 

///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

 月夜裏 野々香です。

 国連の分担金について

 10万ドルを1票として、累計加算させていきます。

 分担金上位5カ国は、理事国で拒否権も発言力(票数)もあるため。

 ここぞ、という時は、各国とも無理をして分担金を払って、

 拒否権のある上位5カ国に入ったりもします。

 おかげで、金払いのいいこと、いいこと。でしょうか。

 日本も核開発の時は、無理して拒否権を有する上位5カ国に入りましたし、

 ソ連も共産主義国家の盟主としての立場が、あるので常に無理をしています。

 10万ドルも払えない国もあるようですが、ほとんどの国は、借款して出しているようです。

 10万ドル出して、ODAの援助、国連銀行の借款が入るのなら得です。

 国連分担金の額が国際外交戦略で有効なので、

 軍縮に一役買っている側面もあるようです。

 ソ連は、偽善者振りを発揮して開発支援で後進国を味方につけていたり、

 アメリカは、かなり不機嫌です。

 それでも国連そのものがドルで採算なので、ほくそえんでいたりと。

 どっちも、どっち、いろいろです。

 人口比率での票の累計加算は、とりあえず、有耶無耶にされそうです。

 白人世界は、まだ圧倒的です。

 

 

 

  

 

HONなびランキング

Wandering Networkランキング

NEWVEL ランキング

よろしくです。

1957年 昭和32年 誕生酒 (楽天)

誤字脱字・感想があれば掲示板へ

第66話 1956年 『中東はね・・・・』
第67話 1957年 『やれやれ』
第68話 1958年 『小さいの? 大きいの?』