月夜裏 野々香 小説の部屋

    

After Midway

 

 

第79話 1969年 『求めよ、さらば・・・・』

 

 アシュケナジー(白人)系ユダヤと

 スファラディ(東洋)系ユダヤの対立が激しくなると。

 アメリカ、フランスが、イスラエル向け武器供給を停止。

 アラブ・イスラム圏は、スファラディ(東洋)系ユダヤへの支援が戦略的に有効だと確認。

 全イスラム諸国の東洋系ユダヤ人への支援が増していく、

  

 

 ソビエトがソユーズ4号を打ち上げ、初の宇宙ステーション建設。

 

 ソビエトの有人宇宙船ソユーズ4号と5号が宇宙空間でドッキング。

 宇宙飛行士の乗り移りに成功する。

  

 アメリカ第37代大統領ニクソンが就任する。

  

  

 アラファトがPLO執行委員会議長に選出。

  

  

 モザンビーク(ポルトガル領)

 北部 マクア・ロムウェ族47パーセント。

 南部 トンガ族(ツォンガ族)23パーセント。

 ほか、マラウイ(チェワ)族。ショナ族。ヤオ族など10部族。

 大多数がバントゥー語で、公用語は、ポルトガル語。

 1964年からモザンビーク解放戦線(FRELIMO)が独立運動を展開。

 モザンビークに救いはアンゴラのように混乱していないことといえる。

 問題は、ポルトガル語圏だろうか。

 南アフリカ公国連合は、アフリカ大陸黒人解放政策という大義名分があるものの、

 国内事情で、余力がないのか、重荷なのか、二の足を踏んでいた。

 それでも、大義名分の金字塔は、強く。

 モザンビーク解放戦線(FRELIMO)と水面下で交渉。

 南アフリカ連合は、武力闘争によらない独立と連合加盟を望み。

 モザンビーク(FRELIMO)は、完全独立と主権を望んでいた。

 ポルトガルは、可能な限り利権を残すことを望み。

 戦争になると、国際連合から後進国開発資金援助が受けられなくなると慎重になる。

 さらに軍事費が拡大するため、

 戦いを避けようと三者の交渉は、次第に煮詰まっていく、

 南アフリカ公国連合は、連邦制より緩やかな連合体で強制力も、拘束力も、強くはない。

 議会の過半数で簡単に離脱できる。

 それは、経済的な格差が、そのまま、残されやすいことにも繋がる。

 金は、よこせ、主権独立も欲しいでは都合が良すぎる。

 南アフリカ公国連合とモザンビークの経済格差は、年々広がり。

 南アフリカ公国連合への密入国も急増している。

 ケープタウン。

 「・・・爵位の件は? 大丈夫でしょうか?」

 「まぁ、モザンビークに関しては治安もいいようですし、問題は、ないと思います」

 公爵位 マクア・ロムウェ族、

 侯爵位 トンガ族(ツォンガ族)、

 「あとは武力闘争を避け、連合に組み込む事ができれば良いわけですね?」

 「まぁ ポルトガル側も利権さえ確保できるなら自主撤退も良いと」

 「こちらとしてはポルトガル利権の保障もしたいところです」

 「しかし、経済格差の問題がありますから」

 「安い労働力。資本家は喜びますからね」

 「国連からの後進国開発予算で何とか埋めたいのですが」

 「それは他の理事国との兼ね合いがありますから」

 「やはり、南アフリカ公国連合の拡大は望まれていないと?」

 「利害関係で言うと微妙ですな」

 「あえて言うなら南アフリカ公国連合の姿勢、次第とも言えますし」

 「相手に有利な取引をしろと?」

 「それは、そちらの考えることですから」

 「しかし、公国連合全体に対する強制力が弱い面も不利なようです」

 「・・・・」

 「つまり、通商で言うと」

 「せっかく作った販路が消される不安もあります」

 「安定供給を望む声もあれば」

 「逆に強制力が強すぎて独裁国家だと退いてしまう事もあります」

 「・・・・微妙ですな」

 「政治は微妙ですよ」

 「何とか、最大公約数を見出してもらうしか、ありませんな」

 「なるべく内政での弱点を減らして行くつもりです」

 「できれば、今後とも日本には支援を願いたい」

 「ええ、了解しています」

 

  

 ペルーの軍事政権がアメリカ系石油会社を無償接収。

  

 パリ市内で学生600人がデモで警察に検挙される。

    

  

 国税庁が昭和43年11月の法人所得で

 松下電器が日銀を抜いて1位となったことを発表。

  

 シリアで政変が起こり、アサド国防相が実権を掌握する。

  

  

 西ドイツ連邦大統領にハイネマンが選出。

  

 海老原博幸が、ホセ・セペリノを倒して世界フライ級チャンピオンに返り咲く。

  

 イスラエル首相に労働党ゴルダ・メイア(71)就任。

 世界で3番目の女性首相となる。

  

  

 

 パキスタン

 国民の過半数がバンジャービー語を使用していた。

 しかし、公用語は、10パーセントしか使われていないウルドゥー語、

 エリート層と公文書で効力を発揮するのは英語だったりする。

 民主化すれば状況が変わったりするが簡単にいかない、

 こういった、いびつな、ねじれは後進国でよくある部類に入った。

 独立の経緯から日本語は強く、

 今後も、増加傾向にあった。

 しかし、エリート層は既成事実で英語圏と癒着しやすく、

 子供にも英語を薦めたりと反白が広がっても、

 一概に日本語が増えていると言えない、

 どちらかというと、貧民層で日本語が習得されやすかった。

  

 パキスタン海軍は、外洋海軍より、河川水軍といった趣が強い。

 理由は、国民性とも国内事情ともいえる。

 “内平らかにして外成る” というが

 “内が平らかでなければ外に成り難い” というところ。

 インダス川

 パキスタン海軍 インダス河川艦隊所属 300トン級河川砲艦アスニー。

 「・・・アクタル。なんか、丘の様子が、おかしくないか?」

 「・・ああ、陸軍は、なにやっているんだ?」

    

 この日、ペルシア語起源で “清浄な国” を意味するパキスタンは混乱していた。

 首都イスラマバードは、ヤヒア・ハーン将軍のクーデターで大混乱。

 アユブ・カーン大統領は、月影VTOLに搭乗して窮地を脱していた。

 「・・・もう、駄目かもしれんな」

 大統領が呟く、

 「それは、失策以前の問題ですね」

 「軍部の独裁を許せば、軍事クーデターは連鎖的に起こると思われます」

 「日本も、むかしは、軍部独裁だったのでは?」

 「二度とごめんですよ」

 「よほど政府と官僚が腐らない限り、軍部独裁を認めたくありませんね」

 「・・・・確かに我が国の不正腐敗は酷かったよ」

 「・・・許容範囲と思いたいですが。今後は自制を願いたいものです」

 「わたしだけのことでいうなら、十分可能だが、わたしだけ、というわけではない」

 「地方の不正腐敗は、手に余るよ」

 「しかし、今回のクーデターで懲りるのでは?」

 「・・・・返り咲く事ができれば、少しばかり、引き締めるとしよう」

 「それが可能ならね」

 「是非、国内を安定させていただきたいものですな」

 「しかし、ヤヒア・ハーン将軍は外交方針を変えないと・・・」

 「わたしに見切りをつけた方が良いのではないか」

 「インダス川を制するものはパキスタンを制する。ではありませんか」

 「軍を制する者がパキスタンを制す、に変えたほうが良いかも知れぬな」

 「とりあえず。カシミールに向かうことを進言しますよ」

 「まだ確認は取れていませんがパキスタン国内問題というより」

 「共産主義勢力の誘発という可能性を否定できませんから」

 「だといいが」

 「軍とてヤヒア・ハーン将軍の一枚岩ではありませんよ」

 「カシミール軍とパキスタン海軍は、どうです?」

 「インダス河川艦隊は陸軍に負けないだけの火力を有し、重要な河川と中州を抑えています」

 「・・・そういえば河川砲艦は日本から買ったな」

 「高い買い物ではなかったと、認識していただければ幸いです」

 「いや、この月影と同様、泣きたくなるほど高かったよ」

 「海軍とカシミールに連絡とれるかね」

 「はい」

 陸軍総司令官ヤヒア・ハーン(52)の起こしたクーデターは、海軍(河川艦隊)と

 カシミール軍の支持を得られず。

 共産主義勢力から支援されていると風評が立ち失墜していく、

 そして、内戦は不利と悟って亡命し、

 軍事クーデターの成功率は、必ずしも高くない事が認識される。

  

 カラチ港から出航するインドネシア海軍 やまぶき型巡洋艦 スバラヤ

 電子装備と練度で難があっても基本構造は日本巡洋艦と同型艦だった。

 東南アジア諸国の海軍は、その気になれば、中国海軍を全滅させる事ができた。

 クーデターの首謀者、陸軍総司令官ヤヒア・ハーンは、ぼんやりと祖国の大地を見つめる。

 「ハーン。アメリカへの亡命は受け入れられたようです」

 「・・・これが君たちのやり方かね」

 「なにがです?」

 「ドサクサにまぎれさせて、わたしに地方の豪族連中を殺させただろう」

 「アユブ・カーンに好都合なようにな」

 「クーデターは、そちらの勝手で起こしたものですし」

 「こちらは亡命の条件で都合が良かっただけですよ」

 「本当にかね?」

 「ええ、偶然ですよ」

 「流れとしては、悪くありませんでしたがね」

 「都合がいいものだな」

 「陰謀などというものは発覚した反動と反発が怖いですから」

 「それほど、当てにできませんよ」

 「流れと自然に逆らわず。それとなく誘導が良いと思いますよ」

 「CIAと随分、違う発想だな。連中は企画立案で事を起こす側だ」

 「CIAとは、時々、ケンカしますね」

 「どっちが勝つのかね」

 「まぁ・・・基本的には、戦わない方向ですよ」

   

  

 ストックホルム

 アイスホッケー世界選手権、チェコスロバキア・チームがソ連のチームを破り。

 歓喜した市民が反ソデモ。

  

  

 中東問題に関して国連緊急安保理事会が開かれる。

  

  

 04/01

 インドで、第4次5ヵ年計画が開始。

  

 ハーバード大学の紛争が始まる。

   

 中国共産党の九全大会

 毛沢東(76)の後継者を林彪副主席(61)と定められる。

  

 ソ連が初の宇宙有人ドッキングに成功。乗員の移乗が行われる。

  

 北アイルランドの紛争にイギリス軍の派遣が決定される。

  

 レバノンに非常事態宣言が布告される。

   

 ド・ゴール仏大統領(71)が前日の国民投票で敗北し、辞任。

  

 フセイン大統領が急死。(誕生:1897)。

 インド大統領でガンジー主義教育推進に尽力した。

    

 

 ニューヨーク 国連本部

 国連の予算は、分担金比率が理事国の席につながり、票数にもなった。

 当然、予算も余計に集まりやすく、支払いも良い。

 上位7カ国は拒否権を有することから駆け引きも苛烈だった。

 予算の使われる度合いは治安回復が多く、

 後進国の支援や投資に使われたりもする。

 しかし、紛争国など、軍事費の割合の大きな国は除外される。

 安全保障で拒否権が使われると予算が使われない。

 おかげで国際紛争の抑止にもなっていた。

 アフリカ大陸は紛争が沈静化しつつあり、

 低軍事予算内で首脳狙いのギャング抗争モドキが細々と行われる。

 現在、大きな係争地は、チベット独立戦争と中東の紛争地帯に限定されていた。

 チベット独立戦争が継続できるのは、政略・戦略上の観点で重要であり、

 ソビエトと中国の肩入れ。

 宗教団体の献金と資本家の投機。

 チベット地下資源の利権で維持されているに過ぎない。

  

 国連本部 ニューヨーク

 「フランスが、ごねているらしい」

 「後進国の開発予算? 軍事予算比率の引き下げ?」

 「まぁ、本音は、ソビエトも、アメリカも、だがね」

 「軍事比率2パーセント以下しか開発支援をしないなら」

 「各国の軍需産業は輸出規制で大打撃だからな」

 「日本の軍需産業も大打撃だ」

 「奇麗事じゃすまないところが世の常か」

 「高価な兵器を輸出して戦わせて資源を安く買い叩く」

 「この繰り返しが先進国の発展に繋がる」

 「“国防の権利なんたら” というのはフランスの言い分だよ」

 「兵器を輸出する方は、見舞金も、遺族年金もなし」

 「血を流さなくても兵器を実戦で実験、確認、改修できるから笑いが止まらないよ」

 「そりゃ そうだ。日本も、やまぶき型が売れたら嬉しいし」

 「本音と建前のどっちが強いかだな」

 「偽善者ぶっている方も実は、下駄をフランスに預けているのだから始末に終えないね」

 「国際紛争の拡大はフランスが悪いんです、か」

 「あはは、フランスに無理な分担金を払わせ、さらに嫌がらせだな」

 「フランスは武器輸出に依存して比重が大きいから、丁度いいよ」

 「しかし、建前が勝つと、やばくないか?」

 「どうかな、日本の民需主導は変わらないし」

 「ガス油田で余裕ができても貿易立国。国際緊張を招く兵器輸出は望ましくない」

 「まぁ 安直に他国民の生活を軍靴に踏み躙らせて、利益を上げるのも寝覚めが悪すぎるからね」

 「ほどほどにすべきだよ」

 「そのほどほどの線引きが問題だよ」

 「アメリカの軍産複合体に殺されたくないからね」

 「いまのところ、チベットで武器弾薬の減価償却しているから、それで、我慢して欲しいよ」

 「空輸分じゃ足りそうにない・・・あいつら欲が深いから、どうかな」

  

  

  05/16

 ソ連の惑星間ステーションの金星5号が金星に到着。

  

  05/17

 ソ連の惑星間ステーションの金星6号が金星に到着。

  

  05/28

 スーダンでのクーデターの結果、民主共和制に移行

  

 NATO国防相会議が開かれ。地中海艦隊の新設が決定する。

 

   

 アルゼンチンのコルドバ市で反政府暴動が発生。

  

  

  06/10

 経済企画庁が、1968年の日本の国民総生産が112兆円

  

  

 6000トン級やまぶき型巡洋艦 “からすうり” “くまやなぎ”

 艦橋

 水平線上に艦影4隻が見える。

 「・・・艦長。カシン級2隻、タンカー2隻です」

 「あれが、カシン型駆逐艦か・・・」

 「オールガスタービンCOGAG方式は、艦政本も期待してるようです」

 「4390t。76mm連装砲2基。ヴォルナ(SA-N-1)SAM2基32発」

 「5連装533mm魚雷発射管。あと対潜ロケット4基」

 「どう思うね」

 「対艦ミサイル牙龍を使うのは勿体無い。155mm砲で瞬殺でしょう」

 「命中率次第だがな」

 「最近は、フィン・スタビライザー機能も向上して揺れも少ない」

 「弾道計算も、すこぶるいい、有視界なら当たるだろう」

 「もう少し艦体が大きくても良いですがね」

 「その方が命中率も安定しますから」

 「プラットホームとしては、そうだが予算がな」

 「赤レンガの連中は、憮然としているよ」

 「よくもまあ、毎日、あんな表情ができるものだ」

 「予算枠が決まっているのに、あちら、こちらから突き上げですからね」

 「中国海軍の増強が良い刺激になればいいのだが」

 「中国海軍は評価が低いですからね・・・・」

 「潜水艦は来てないか? そっちの方が脅威だ」

 「いえ、今回は、水上艦艇だけのようです」

 「あの程度の軍艦では “見せる” という以上の戦略的価値はない」

 「ですが少なくとも巡視船の40mm砲では歯が立ちませんね」

 「しかし、これまでの様にいかなくなる」

 「だが見た目で脅威になる、空母とか、大型巡洋艦とか、ヘリ空母とか建造してもらわないと」

 「日本のヘリ空母も後回しですか?」

 「仮に建造してもソビエトにとって最優先は、大西洋・地中海側」

 「インド・太平洋は中国への輸出で対応かな」

 「チベット独立戦争が足を引っ張っていますからね」

 「テロ・ゲリラの報復戦か。まるでヤクザ同士の抗争だな」

 「宗教過激派と共産過激派の紛争ですか」

 「内容はともかく。やっている事は鉄砲玉ですから底が知れますね」

 「望んでいるのは平和でなく、勢力圏争いか、実に人間らしいよ」

  

  

  07/03

 エルサルバドルとホンジュラスがサッカーの試合の乱闘がきっかけで戦争状態になる。

 ジュネーブ軍縮委員会に日本初参加。

  

  07/20

 アポロ11号。月着陸船イーグルが月面に着陸。

 アームストロング船長が人類初の月面第一歩を印す。

 “この一歩は、小さいが人類にとって偉大な飛躍だ” が最初の言葉。

  

  

  07/21

 ソ連の宇宙船ルナ15号が月面に着陸。

  

 ニクソン大統領がインドを訪問。

  

 ローマ法王パウロ6世が史上初めてアフリカを訪問する。

   

 アメリカ大統領ニクソンがルーマニアを訪問。

 初の共産圏訪問となる。

  

 

  08/02

 水戸黄門、放送開始。

 

 

 チベット

 ロッキードC5ギャラクシー 4発輸送機。

 この規模の大型輸送機になると主力戦車を運び込めたりする。

 この日、M60戦車が初めて、チベット高原に降ろされる。

 シェリダンの高価な対戦車ミサイルと違って、

 M60戦車は、割安な砲弾を使用でき、

 敵主力のT34戦車を楽に撃破できた。

 主力戦車のチベット空輸成功は、宗教連合軍の本格的な反撃を予感させる。

 しかし、こんなものをチベットに送るくらいなら、トカレフ。AK47。

 バズーカ、対戦車ミサイルをカザフスタン、中国西域、ウィグル域に密輸した方がいい、

 と考える者も少なくない。

 そして、同じ便で運んできた風力発電機の方が戦略的に有用だ、という者も少なくない

 「・・・よ〜し。これで、トカレフとAK47の工場がようやく、稼動できるぞ」

 「少なくともチベットを攻撃すれば敵国の反体制勢力にトカレフとAK47を密輸できる」

 「あと、迫撃砲と手榴弾と対戦車ミサイル。対空機銃と対空ミサイルの製造だな」

 「チベットで国産兵器が揃えば独立も目の前か」

 「ったく。民需を後回しにされたおかげで随分と時間がかかったよ」

 「インフラあっての軍需産業だからな」

 「鉄道も、もうしばらく必要だが、そちらにも金を掛けて欲しいね」

 「気圧が低いと疲労も激しい」

 「時間はかかるだろうさ」

  

  

  08/20

 プラハで群衆と軍・警官隊が衝突、

 死者が出て320人以上が逮捕される。

 

  08/21

 エルサレムで回教寺院放火事件。

  

 松竹映画「男はつらいよ」第1作が公開。

  

  

 チベット独立戦争

 兵站と人海戦術で優位なソビエト・中国軍と、

 高度な電子技術体系に秀でた宗教国家連合軍のチベット権益を賭けた戦い、

 例えチベットの権益を勝者が得たとしても、

 双方とも損益分岐点を越える可能性が考慮される。

 無論、戦争の原因は、経済的な困窮ばかりではない、

 国益と支配圏の拡大。あるいは権力と権益の防衛で起こりうることであり、

 経済的な損失を顧みず意地だけで戦いが続く事もあった。

 チベット独立戦争がその段階へと移行しつつあることは、否めない、

 宗教国家連合軍のカラチ−カシミール−ラサ山岳鉄道が建設されつつあり、

 状況が作られると双方とも軍事的に望まなくても動かざるをえないこともあった。

 宗教連合軍陣地

 将兵たちがトーチカの中でブローニング12.7mm機関銃を渓谷の回廊に向ける。

 酸素不足と荒涼とした地形のため将兵の集団突撃が減り、

 狙撃戦が戦場を支配するようになると、昔のライフル小銃が使われ、

 さらに重機関銃が狙撃に使われ、

 徐々に威力が大きくなり、

 狙撃に60口径120mm高射砲が使われることも珍しくなくなっていた。

 トーチカ内では酸素タンクが置かれ、微量ながら酸素が放出させていた。

 圧力鍋なども常備され、

 その気になれば、レーション食以外の物も調理することができた。

 そして、インスタント食品の先進国は、日本であり、

 日本製インスタント食品は、敵味方問わず人気があった。

 「チベットは、空が狭く感じるな・・・」

 「この辺だと標高3800mもあるからね」

 高度計は3821mをさしていた。

 有線から通信が入った。

 『607高地。中国軍に動きがある、警戒してくれ』

 「今日は、低気圧が迫ってるんじゃないのか」

 『時間的にヘリボーンは難しいかもしれないが、地上軍の移動が確認された』

 「了解・・・」

 不意に砲声が鳴り響いた。

 この日、ソビエト・中国軍は、将来起こるであろう戦略的な不利を覆す為、

 宗教国家連合軍に対し、予防的な大攻勢をかけた。

 峯の向こうのソビエト・中国軍陣地の地対地ロケット弾が発射され、

 152mm砲、122mm榴弾砲が砲撃を開始する、

 宗教連合軍陣地に砲弾の雨が降り注ぎ、

 陣地全体が爆炎と噴煙で包み込まれ、

 標高4000m級のチベット高原とは思えない熱風が流れた。

 宗教軍の防衛線が火炎と爆発によって、粉砕されていく。

 そして、一部の防衛線が寸断され、

 そこにT34戦車、T55戦車、T62戦車、軽戦車、装甲歩兵装甲車が押し寄せてくる。

 チベット上空でも、中ソ空軍機が押し寄せ。

 迎撃に上がった宗教国家連合軍の戦闘機と空中戦。

 ジェット戦闘機同士の航空戦に限れば、史上空前の規模といえた。

 音速で突進し、空対空ミサイルの撃ち合い、

 双方の編隊で爆発が起こって、戦闘機がバラバラに燃え崩れ、落ちていく。

 最初のファーストアタックで機銃弾が飛び交い。

 敵と味方が一瞬で擦れ違う。ジェット戦闘機の展開は早く。

 空戦域全体に敵味方のジェット戦闘機が入り乱れる。

 生き残るためにアフターバーナーを連続で使い、燃料を一気に消耗していく。

 持ち前の運不運と、わずかな、判断の迷いで死線上を行き来する。

 その先に行ってしまうと、滅多に戻ってこれない。

 これが連続で繰り返されると、神経が磨り減らされる。

Mig21 MF

 “全軍、撤退、低気圧が接近している”

 “このままだと嵐の中で着陸することになるぞ”

 E2ホークアイから通信が入る、

 しかし、空中戦の最中だと、簡単に後ろを見せられない、

 雷燕2機が交互にMiG21を追い詰めて銃撃。

 MiGの尾翼が千切れ、錐揉みしながら落ちていく、

 脱出していないところを見ると射出装置が壊れたのだろう、

 雷燕2型が2機が並ぶ。

 「・・・くそぉ〜 ジン。もうすぐ弾が無くなる」

 『・・・スレッガー。こっちも、一射分も残っていない』

 「嵐が来る前に引き揚げよう」

 『ああ・・・』

 ミラージュを撃墜した2機のMiG21が、こっちに機首を向けようとしていた。

 「・・・ちっ! ついてねぇ。MiG21が2機。正面から来やがる」

 『・・・・・』

 「ジン。どうする?」

 『・・・突っ込む』

 「ふ しょうがねぇな」

 『脱出の用意だけはしておけ』

 「・・・ジン。俺が戻らなかったら、荷物を郷に送ってくれないか?」

 「冷蔵庫のシャンパンは、おまえにやるよ」

 『俺は・・・・借用書を好きにして良いよ』

 「うほぉ♪ 本当かよ!」

 正面から向かってくるMiG21があっという間に視界一杯に広がり。

 わずかにズレた軸線で互いのコクピットが擦れ違う。

 銃撃が少しでもされようものなら脱出する気でいた。

 緊張のあまり、しばらく、危険な状態で飛んでいることに気付く、

  

 

 MiG21

 「・・・・・・・・」

 『・・・・・・・・』

 「・・ふ、ふふ、くっ、くっ、くっ・・・」

 『・・・あは・・ははは・・・・・・』

 「・・・ミハイル。あいつらも弾がなかったらしいな」

 『だが、俺の正面のやつ。主翼でMiGの尾翼を切り落とそうとしやがった』

 「・・・まじ?」

 『間に合わない上に、寸足らずで助かったけどな』

 「嫌な野郎だな」

 『だな・・・』

 「帰ろうぜ」

 『ああ』

 戦闘は、数で勝る中ソ連合軍が終始、主導権を握って戦った。

 しかし、宗教国家連合軍の予想以上の抵抗で次第に息切れしていく、

 中ソ連合軍は、目標とするところの地点にまで、軍を進める事ができず。

 低気圧のため軍を停止させることになった。

 戦力も、戦意も、著しく消耗してしまう。

    

 

  09/01

 リビアでカダフィーらの自由将校団による9月革命で王政が打倒される

  

 

  09/03

 ホー・チ・ミン没。

 77歳(誕生:1892/05/19)。北ベトナムの最高指導者。

  

ルア・モイ

ネップ・カム

ネップモイ

 酒場に白人と黄色人

 「・・・いよいよ。ベトナム美人ともお別れか・・・憂うよな・・・・」

 「おいおい、日本に抜けられたら困るよ」

 「アメリカが北ベトナムに攻めてきたら、どうするんだ」

 「しかしな〜」

 「アメリカ海軍は、機動部隊を使いたくて、うずうずしているんだよ」

 「知っているだろう。元山奇襲作戦」

 「喜んでたな」

 「くそぉ〜 あの野蛮人が」

 「まぁ〜 ホーチミンだけは、人気があったからな」

 「あと二、三年も生きていたら南ベトナムを吸収できただろうな」

 「何とか抑えられないのか?」

 「んん・・・背景がな・・・」

 「チベットは、宗教オリンピックみたいになってるし」

 「キリスト教は、イスラム教に負けられない」

 「しかし、ベトナムは、海軍の利益拡大だろう・・・」

 「五分五分という感じだな」

 「そりゃ困るよ 北ベトナムの利権をアメリカか。中国に盗られてしまうだろう。いまなら日本と半々」

 「おまえらがインドに武器弾薬を送り込んでいるからだ」

 「北ベトナムとは関係ないだろう」

 「いまのところ、東南アジアでの共産主義の伝播はしてないし」

 「代わりに中国共産系が動いているだろう・・・・どうだかな」

 「あのなぁ〜 ソビエトは、この状態で北ベトナムを維持したいんだ」

 「んん・・・東南アジア課は、そうでもないんだ」

 「しかし、南アジア課がツムジを曲げるんだよ」

 「だから、インドが北ベトナムの様になればいいんだろう」

 「ならないね」

 「んん・・・北ベトナムは、ソビエトにとって東南アジア唯一の橋頭堡なんだぞ。失いたくないんだよ」

 「まぁ 北ベトナム軍にがんばってもらえよ」

 「国産の携行兵器ばかりだと厳しいよ」

 「ソビエトがオートバイとトラクターの工場建設に反対したからだ」

 「日本規格じゃないか」

 「AK47とRPG7で、がんばれよ。あと迫撃砲と手榴弾」

 「・・・ぅぅ・・・」

 「だいたい、余裕が無いのに反発するからだ」

 「チベット独立戦争のせいだ」

 「南アジア課と中央アジア課が横槍と邪魔ばかりしやがって」

 「まあ、北ベトナム政府の政策次第だな」

 「日本との関係を前進させるか、後退させるか・・・・」

 「・・・・・・・」

  

  

  09/23

 北ベトナム大統領トン・ドク・タンが選出。

 

  

 南ベトナム

 アメリカ軍の駐留する地域では

 “ギブ・ミー・チョコ” と子供たちがチョコレートを貰っていたりもする。

 アメリカ軍も子供を味方に付ける方が得策と遠慮なくチョコを与える。

 施しは、軍の士気を保つ上でも重要だった。

 そして、その国と国民の自立を助けるといった意識は存在しない。

 アメリカの将来の利益と、

 親米になるであろう子供たちの関係があるだけだった。

  

  

 国連の後進国に対する支援プログラムも、

 欧米諸国と日本は少しばかり違う。

 日本の後進国に対するの基本は、働かざる者・・・で、

 少しばかり厳しい。

 一時は、資源欲しさの、ひも付き政府開発援助(ODA)が行われていたが、

 東シナ海油田が開発されると、

 より地道な農業開発と人材育成に力が向けられていく。

 南ベトナムの酒場

 「・・・日本は、これから、どうするつもりかね」

 「どう。と言われますと?」

 「北ベトナム・・・もう、日本が支持していたホーチミンはいない」

 「確かにホーチミンを支持していたのは政策より」

 「彼、個人の資質が大きかったと認めますよ」

 「それでは、日本は、北ベトナムに対し、我がアメリカと共同歩調が取れるのではないか」

 「そりゃあ・・まぁ しかし、もう少し様子を見ては、どうです?」

 「どんな、様子かね」

 「北朝鮮も動く可能性がありますし」

 「なにもチベットと合わせて、両手を塞ぐことは無いと思いますよ」

 「出しゃばりな宗教連合のおかげで手なら、いくらでも都合が付くよ」

 「それより、インドのダリットの乱。何とかすべきでは?」

 「海軍のすることではないな」

 「これ以上、内陸のチベットにかかわるべきではないよ」

 「しかし、インドの問題を何とかしないとチベット独立も怪しくなるのでは?」

 「パキスタンのルートを確保できればいい」

 「カラチからカシミール。ラサまでの鉄道が敷ければ、どうにかなるよ」

 『これだから海軍系は・・・』

 「そうですね・・・」

 「しかし、日本のやまぶき型、題だよ、あの軍艦は」

 「そうでしょうか?」

 「我が国の大砲より大きい」

 「主役は、対艦ミサイルと空母では?」

 「ふん そう簡単に割り切れるものではないな」

 「中型艦に予算を割かれると空母建造に支障が出る」

 「新型の中型艦を建造するので?」

 「155mm砲装備艦だよ。中型艦と言えなくなるな」

 「それは、それは」

 「それにソ連の対艦ミサイル。高速化が進んでいる」

 「今後は、日本と同様にフェーズドアレイレーダーになるだろうな」

 日本は、脆弱な電子装備を量で補うため、

 最初からフェーズドアレイレーダーを採用していた。

 ソ連のミサイル技術が進んだおかげで情け無い方が主流になりつつある。

 「しかし、原子力ミサイル巡洋艦に155mm砲は、不用なのでは?」

 「・・・・・」

 アメリカ海軍は、外洋での展開を第一に考え、

 海軍が独立して作戦を行えるように原子力推進艦艇を拡充。

 一方、日本海軍は、経済水域防衛、領海防衛、通商航路防衛を第一に考える。

 当然、軍艦の性質も違う。

 日本海軍は、東シナ海ガス油田開発以降、

 シーレーン戦略の一部が変更され、

 陸上航空戦力、SOSUS網との連携を前提に構築されていた。

 しかし、チベット独立戦争と中央アジア・南アジア・中国西部域のテロ・ゲリラ報復戦など、

 内陸戦の比重が強くなると海軍予算は問題視され、

 高価な機動部隊の存在意義も問われる。

 「日本は、空母を建造しないのかね?」

 「ヘリ空母は計画中ですよ」

 「そんな、ちゃちなものじゃなく。大型空母だよ。嫌がらせか?」

 「ま、まさか、財政問題ですよ」

 「けっ! よく言う」

 北アメリカ大陸のアメリカ合衆国は、大陸間の政治外交戦略でイニシアチブを発揮するため、

 強大な機動部隊が不可欠だった。

 しかし、政治外交的な理由だけで巨額の予算支出に耐えられない。

 潜在的な脅威がなければ財政的な負担を続けられないというジレンマを抱えていた。

 ソ連はチベット独立戦争で海軍拡充が遅れている。

 “日本に空母を建造しろ” は、同盟戦略というよりアメリカ海軍の我侭といえる。

 日本にすれば付き合う必要もない。

 アメリカ海軍は、機動部隊を維持するため、日本を仮想敵とする可能性もでてくる。

 それは不味いと、やまぶき型を輸出。

 潜在的脅威を振り分けたりもするのだが、

 第3国の155mm砲装備艦が気に入らないという。

 単純に国力だけなら日本は、アメリカに次いで世界第2位で、普通なら仮想敵第一位。

 しかし、ソビエト・中国の共産主義勢力の拡大と核戦略の増強。

 日本は意図的に核戦力を限定し、

 軍事力を抑えることで引っ込んでいた。

 単純にSOSUS網をどれほど強化してもアメリカ合衆国にとって直接脅威にならず。

 核弾頭ミサイルも数を70基以下に制限することで、

 脅威であるが敵意をあまり感じさせないように気を使っていた。

 どちらかというと迎撃レーザーに予算が流れているため、

 日本は、防衛的とも認識されやすい。

 「・・・空母は、いいぞぉ〜」

 「まぁ〜 わたしも、そう思いますがね」

 『思うだけなら、タダだし・・・・』

  

  

  10/13

 ソ連のソユーズ6号、7号、8号が、史上初の3有人宇宙船グループ飛行を行う。

  

  

チリ

ワイン ワイン

 チリ 

 総人口の4割がサンチアゴに集中していた。

 白人と、白人とインディオの混血メスティーソが人口のほとんどを占め。

 先住民インディオは、5パーセントに過ぎなかった。

 大農主制が取られ、貧富の格差は広がり社会問題となっていた。

 酒場

 最近のチリ世情が気に入らないのか数人の男たちが愚痴っていた。

 貧しいインディオ系の子供たちが客にまとわり付く、

 時折、皿を渡すと喜び、仲間達と食べ始める。

 貰い癖が付くと。あげないと怒り出したりする。

 これが大人になると、事態はさらに悪化する。

 いつも、あげていたのに、突然、あげなくなると殺されたりする。

 これは、一部の種族を除いた南米全体で言えることで、

 日本人の善悪基準だと “恩を仇で返した” になる。

 とはいえ、一概に非難していいのか、悩むところでもある。

 キリスト教系の発想なのか、

 南米諸国は施しを受けることを恥ない風潮が強く。

 貴族社会の傲慢さか、施しを与えることを栄誉とする傾向が強かった。

 施しをした方が良いのか、悪いのか、思案のしどころ。

 時折、その子供たちと写真を撮る。

 日本人と違って、こっちの子供たちは彫りが深く、

 素振りが自然で瞳が輝いて見え、絵になりやすかった。

 思い出にもなれば写真集で使えるかもしれない。

 秋津州が観光誘致してるせいか、南米は人気があり、

 日本人観光客も増えていた。

 「・・・共産主義者の大統領か。どうするんだよ」

 社会党のサルバドール・アジェンデの勢いが強まっていた。

 「アジェンデが勝つとアメリカが怒るぞ」

 「CIAが妨害しているようだけど」

 「貧しい連中は貧しいからね、農地解放を望む声は強いよ」

 「やれやれ、貧富の差と不正腐敗のツケだな」

 「酷すぎて日本の不正腐敗が許容範囲に見えてくるよ」

 「まあ、取捨選択が酷くなくて。1パーセント以下のリベートなら・・・・」

 「100億なら1億ぐらいなら良いだろうって?」

 「あはは、こういうところにいると、だんだん、病むというか、腐ってくるな」

 「もう、モラル、低すぎだよ」

 「人口の2パーセントが富の46パーセントを握っている」

 「国民が再配分を願うのをどうして、止められる?」

 「一度、左翼化するか、右翼化して強権発動するしかないと思うね」

 「国民が無責任だから共産主義を選択するのではなく」

 「不公平の度が過ぎるから共産主義を選択するんだ」

 「少しは、利権を手放せよ」

 「俺は、チリの産物が入ってくれば、文句はないぞ」

 「無理。アメリカが経済制裁で妨害するに決まっているよ」

 「何も、そこまで、することないんだよ」

 「こっちは、チリ産のブツが入ってくればいいんだから」

 「んん・・・・チリの銅、銀、魚介類、酒、肉、果実・・・・退けねぇ〜」

 「観光資源も、チリ、アンデスは良いんだよな」

 「そうそう。マゼラン、フィヨルド、パタゴニア、砂漠からリマまで」

 「魚介類、山菜、肉料理でアンデス音楽を聴きながら山岳鉄道の旅・・・」

ウニ

ネーブルオレンジ

キングサーモン

 「くぅ〜 退けねぇ」

 「アメリカは日本にも経済制裁を強要してくるぞ」

 「チベットで足場を作っているんだからチリくらい退けよ」

 「共産主義が南米全体に広がるのを恐れているのさ」

 「まるで疫病か、何かのようだな」

 「ライ病みたいなものだよ。共産主義は隔離するか、駆除しないと」

 「もっとも、資源には伝染しないけどね」

 「資源が欲しいんだよ」

 「共産主義が欲しいわけじゃない」

 「ついでに品物を買ってくれたらベスト」

 「北ベトナムみたいに妥協してくれないかな」

 「場所が悪いな」

 「キューバは維持されているじゃないか」

 「核カードが使えたからな。チリはソ連から遠すぎる」

 「しかし、正当な選挙での共産化だろう」

 「だから、アメリカが反発しているんだよ」

 「はぁ〜 人災の南米か」

 「そういえば、キリスト教も社会主義化しているからな」

 「解放神学?」

 「共産主義と結びやすいから、どうとも、問題ありだな」

 「しかし、アメリカにすれば、好都合だろう」

 「南米の近代化を一番、警戒しているのはアメリカだよ」

 「共産主義はイヤでも、解放神学なら妥協しても良いと思っているんじゃないか」

 「南米諸国で労働者の保障が強まったら南米経済はガタ落ちだよ」

 「じゃ 怪しげな解放神学を南米で実験?」

 「だいたい予想は付くよ。カトリック系の性格のわかりやすいこと」

 「罪によって労働が発生?」

 「そんなところかな」

 「日本は、あまり影響を受けたくないな」

 「キリスト教は、神の前では平等で個人主義的が強くて馴染みにくいよ」

 「日本人は、儒教的な家族要素が強いし」

 「社会との相関関係で個性と自己主張を抑えさせるから、キリスト教に反発しやすい」

 「日本人とイスラムの存在で、キリスト教も傲慢さが取れてきているんじゃないか」

 「ウルグアイとアルゼンチンに行くと、とても、そうは思えない」

 「まぁ 普通に歩くと、日本人は、ちんちくりんだからな。アップの映像に耐えられないし」

 「そうそう、アニメが流行るのも、それ」

 「日本男性に合わせて、ヒロインも痩せ細のロリコン系になるのも必然」

 「確かにムチムチのボリュームのある白人女は、拒食気味になるけどな」

 「インディオの娘は、少し小柄で、直向な目が良いな むふっ♪」

 一人がインディオ少女が持ってきた飴玉と交換に皿を渡す。

 「白人女性だと体格差で舐められるからな・・・」

 「そりゃ 見下ろすほうが有利。力士を連れてくるか」

 「イザとなったらね」

 「あれだけ皮下脂肪があれば、アンデス颪(おろし)も、なんのその」

 「南風が和らいでもアンデス颪(おろし)は、堪えるからな」

 「本当は、太平洋側と大西洋側を繋ぐルートを建設するのが有望なんだけどな」

 「そうそう、風力発電機も売れるのに・・・」

 「政府は利権があるから電力で統制管理したがるし」

 「発電所は収益が減って良い顔しないがな」

 「そういえば日本も原子力発電所を建設したな」

 「政府は、電力を統制管理するほうが国を統治しやすいからね」

 「インフラに依存しない風力発電は気が進まないのさ」

 「だけど、風力発電は、戦後すぐ、天皇陛下の支持が、あっただろう」

 「まあ、当時とは、事情が違うよ」

 「東シナ海ガス油田の開発以前はそうでも、ガス油田開発後は微妙に違う」

 「風力発電機の価格も少し上がっている」

 「ガス油田のおかげで原子力発電も縮小だけどね」

 「火力発電所は、二酸化炭素を出すから問題になりやすい」

 「車も天然ガスを使うほうが良いがね」

 「発電所はともかく、車は既得権を阻害しかねないから実用化まで時間がかかるよ」

 「身の丈が大きくなると、小回りが悪くなるか・・・」

 「それは、そうと、秋津州銀行はチリの共産化を喜んでないか?」

 「共産政権で財産を避難させる人間は多いし」

 「軍事政権も亡命用の保険で貯金が増える」

 「クーデターで名義者死亡で相続人なしが転がり込んでも美味しい」

 「相変わらず。外道、鬼畜だな」

 「州銀行は、州法で守られているからね。スイス銀行の真似だよ」

 「うぅぅ・・いやだ。いやだ。うわばみ、みたいな連中だな」

 「見かけが、人間だから、そっちのほうが怖いがね」

 「・・・妖怪人間ね」

   ※南半球では、南風が冷たく。

    暖かくなるときは、南風が和らいで・・・とか、北半球と観念が変わります。

  

  

  10/30

 ブラジルでメディシ将軍が大統領に就任。

 

 

  11/04

 ブラジルの民族解放同盟の指導者マリゲーラ(誕生:1911)が暗殺される。

 

 

  11/17

 米ソが戦略兵器制限交渉(SALT)を始める。

  

 サザエさん放送開始

 

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 月夜裏 野々香です。

 01月18・19日 東大安田講堂の占拠は、起こりませんでした。

 元々、そういった強行な風潮を持っていけず。

 海外雄飛組の白い視線に気落ちしたかもです。

 出雲州、秋津州も、日本を知らない若者が増え、

 世代格差も大きくなるかもです。

 これが、良いように働く場合もあれば、悪いように働く場合もあり。

 海外雄飛組みが、大局的な観点から愛国心が強い場合もあったり。

 ドメ派が小局的な派閥争いに囚われて国益を損なったり、

 その逆もあったりと。

 善悪はともかく、大枠で、ソフトランディングを狙うのが良いかもです。

 この時期の史実は、文化が多様なってきた気がします

 『ミッドウェー海戦のあと』 は、さらに多様な文化の広がりと深みが、ありそうです。

 

     

 

初代 萌え・・・かも

 

 

  

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よろしくです。  

1969年 昭和44年 誕生酒 (楽天)

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第78話 1968年 『徒然に流れて』
第79話 1969年 『求めよ、さらば・・・・』
第80話 1970年 『自由と死』