月夜裏 野々香 小説の部屋

  

After Midway

 

 

第80話 1970年 『自由と死』

  01/05 中国・通海地震。

       中国雲南省でマグニチュード7.3の地震。1万6000人が死亡。

  

  01/19 インド初の原子力発電所完成。

  01/21 北海道と東北にマグニチュード6.8の地震。1人死亡。

  

  01/22 ジャンボ・ジェットボーイング747の1号機、

       ケネディ空港からロンドンに向けて飛び立つ。

 

 

 東シナ海 ガス油田 メガフロート“飛鳥”

 大陸棚に浮かぶメガフロートは、予算の都合で、いくつかの省の寄り合い所となっていた。

 当然、利権も複雑に絡んでいた。

 互いに退けないのか困ったもので出資を渋りながら権限と利権を欲しがる、

 国防省代表と農林水産省代表は憮然と睨み合う。

 漁礁の敷設とSOSUS網の調整。

 漁獲は、年々 減ってきている。

 日本漁船は、中国・韓国領海内 (領海侵犯・犯罪) まで、

 出張って魚を漁っていた。

 しかし、中国と韓国の警備艇と漁船の性能が向上し、それも難しくなっていく、

 いくらなんでも中国・韓国の領海で警備するな。魚を獲るな。食うな。とも言えず。

 漁業関係者の生活も年々 苦しくなり。

 食卓の魚介類も、年々 高くなる。

 水産側は、東シナ海の大陸棚を利用した漁礁と海洋牧場を画策する。

 「底網なんて、やって、海洋資源を根こそぎ、食い潰したりするからだ」

 「他国の漁船を侵入させないのなら、巡視船の方が国益を守っているんじゃないか」

 「国防省は、国を守っているのであって漁場を守っているわけではない」

 「ふん、まるで大戦中の思考だな」

 「独り善がりな国防意識で国益など考えておらん」

 「乱獲の原因は国防省にはない」

 「そっちの自己責任で自業自得だよ」

 「」

 「」

 『・・・・こいつら、相変わらずか・・・・』

 飛鳥の総責任者は、ぼんやりと終わるのを待つ。

 内閣でも決着が付いていない。

 いま介入しても、こっちが悪者になるだけ、

 オホーツク海では、それなりの漁礁が作られ、成果を上げていた。

 しかし、緊張関係の強い日本海、東シナ海、南シナ海は、海軍と水産庁の反目が続く。

 地元漁民にとって死活問題で、

 広大な大陸棚を利用した漁礁に期待したくなるのもわかる。

 漁業と国防の産業の大きさだけで判断しがたい。

 漁業関係者の集票と海軍の集票の差もでてくる。

 利権が複雑に絡んでいる飛鳥では、大小の揉め事を調整する能力が問われる。

 単独では予算が足りず。

 メリット・デメリットあるのだが “飛鳥” は、寄り合い所帯になっていた。

 それは、縦割り行政の弊害があっても、

 ガス油田だけで終わらない可能性も秘めている。

 「・・・もう、いい加減に日本の国益の足を引っ張るのは止めてくれ!」

 「そ、それは、そっちだろう。あつかましい!!」

 『頭が痛い』

  

  02/11 人工衛星「おおすみ」の打ち上げに成功する。

  

  02/12 シャープが液晶・LSIを使用した電卓「マイクロコンペット」を発売。

       電卓の価格が10万円を切る。

  

  

  02/20

 日本の余剰米がソ連に売却される。

 ソ連極東域の食糧自給率が低下し、極東ソビエトの日本依存が強まっていく、

 減反政策か、余剰米の輸出かで、輸出になってしまった事が原因だった。

 海外雄飛で土地の分配の代わりに企業化農業が増えて機械化したこと。

 企業農業法人○△支店

 「じゃ 収穫の収入は、南アフリカの○○銀行に・・・」

 「わかりました」 受付嬢

 日本の国内事情が極東ソビエト経済を助けてしまう皮肉な結果に繋がる。

  

  

 江戸川河川沿い

 上流側に27000t級アメリカ戦艦テキサスが埋め立てられ、

 下流側に43000t級フランス戦艦リシュリューが埋め立てられていた。

 観光客もいれば、地元住民も気晴らしに訪れる。

 戦艦リシュリューの艦内食堂は、喫茶店になっていた。

 日本人と、どこかの黄色人。

 「世は全て事もなく・・か・・・」

 どこかの黄色人は日本の新聞を見ながら日本人みたいなセリフ。

 「・・・暇だねぇ」

 日本人の方が思わず苦笑いする。

 「・・・ところで、中古車の輸出は?」

 「中古車・・事故車だろう・・まあ、進んでいるよ」

 「ふっ 別に罪悪感に縛られることもなかろう」

 「パキスタンでは、日本製なら何でもいい。そして、何でも組み合わせてしまうよ」

 「・・・いいけどねぇ」

 「廃車でもね。ソ連側に取られたくないんだよ」

 生真面目な日本人には、抵抗があるが需要があった。

 とにかく、何でもいいから、パキスタンの日本人町へ送ってくれという。

 当然、日本人の感覚では、事故を起こしてはいけない。

 無責任は、いけないなどの理由で廃車なのだが、お国事情というやつだろう。

 戦後直後の日本と同じ状態、

 後進国は、民需産業の成熟度合いで疑わしい。

 まともな官僚機構が作られているのかも、かなり怪しい。

 当然、モラルも怪しい、

 後進国の日本人町は、入植から5年以内で消費側から、

 生産側へと切り替わって黒字経営に移行している場合が多い。

 世界中が日本民族の成功を探ろうとするのだが・・・

 原因の一つは、個人と社会の力関係で社会が強いとわかると退いて行く、

 自己犠牲の強制も程々に、なのだろうか。

 わからなくもない。

 当初、日本の市民権を持った外国人が職と利便性のいい生活を求めて殺到した。

 しかし、日本の警察機構の強さと

 没個性な日本の社会事情を見るにつけて、

 中間的な気質の日本人町に移動し始める。

 海外の日本人町は、折半案で悪くないらしい。

 おかげで日本のゴミ問題は後回し、

 日本のゴミほど金になるものはないらしい。

  

 テレビで吉本漫才が流れている

 『・・・なんで地中海に日本人の住む世界があるんだ』 フランス系

 『その前に・・・なんで、東京湾にフランス戦艦があるのか教えてくれ』

 『・あ・・アメリカが勝手に持って行ったんだ』

 『・あ、同じだ』

 吉本漫才も国際色が豊かになり、欧米風のジョークも取り入れられている。

 ジョークで笑う節目も多様になりつつある。

 ある程度、知識がないと笑えない。

  

  

  02/23 ガイアナ共和国が発足。

  

  

 某国某所

 東洋人が数人同士で向かい合っていた。

 一方が、西側の傭兵気取りで前向きで積極的。

 一方は、西側の部品工場らしく、後ろ向きで消極的。

 「わが大韓民国は、日本の占領と併合によって、甚大な被害を受けたニダ」

 「・・・被害? 確か、日本の社会整備、資本投資で、人口が増えたのでは?」

 「そんな、はずはないニダ」

 「あの当時は、どこの国でも人口が増える趨勢にあったニダ」

 「!?」

 「その甚大な被害は・・・云々・・」

 『代表・・・国家として、女々しくないですか?』

 『民族性なのだ。あれでも男らしい要求なんだ』

 「・・云々・・・これら甚大な損失に加え」

 「戦後、日本は、これらに資本・設備を日本本国へ持ち出そうとしたニダ」

 「そ、それは、日本の資産ですし・・・」

 「アメリカが設備と資源と土地を買わなければ、わが大韓民国は農業国から初めるところだったニダ」

 「アメリカに礼を言うべきでしょうな」

 「アメリカは、我が国を欲し」

 「日本は、我が国をアメリカに叩き売ったニダ」

 「た、確かに・・・ですが・・・それで、半島は、工業化しつつあったのでは?」

 「当時の半島は、日本の工業力すら追い抜く趨勢にあったニダ」

 「アメリカは、軍政を敷いたニダ」

 「我が人民を労働力として冷遇したニダ」

 「民族の誇りと尊厳を踏み躙り、自尊心を傷つけたニダ」

 「そして、日本はアメリカの朝鮮への投資を利用して、私腹を肥やしたニダ」

 「あ〜 遺憾の意を・・・・」

 「我が国は、十分な人権と保障を求めて、立ち上がったニダ」

 「満洲朝鮮族が、それを利用して攻めて来たニダ」

 「偉大な韓国の工業力に負けそうになった日本が満州朝鮮族をそそのかし、南進を誘ったニダ」

 「い、いや、まさか、当時の朝鮮総督府は、韓国大統領へ、満州朝鮮族の侵入を何度も警告したはずですよ」

 「それに発注需要で潤っていたのに・・・」

 「警告した証書も確か・・・残っていたはずですが・・・」

 「それは、捏造ニダ」

 「こっちは満州朝鮮族が日本人から南進を誘う手紙を受けたと聞いているニダ」

 「はぁ〜 少し調査して見ますので、その内容を教えていただきたい」

 「い、いや。これは重要な証拠物件で見せることはできないニダ」

 「・・・なるほど・・・せめて写しだけでも・・・」

 「それはできないニダ。日本側が証拠隠滅をする疑いがあるニダ」

 「はぁ・・・」 脱力。

 「つまりニダ!!」

 「本来、アメリカが朝鮮に投資する資本を日本が金儲けで奪ったニダ!!」

 「さらには、満州朝鮮族の南進の責任は、日本にあると明白な事実ニダ」

 「十分な補償を求めるニダ」

 「さらに日本に占領併合された期間の補償も要求するニダ」

 『明白じゃないような・・・』

 「・・・いや、アメリカが日本へ発注したのは韓国で発注できなかったものですし」

 「満州朝鮮族の南進は、ソビエトと中国の支持を受けてのこと」

 「また、日韓併合は、半島側の要請に基づいて手続きを踏んでのことですし」

 「そんなことは、断じてありえないニダ!」

 「我が民族は、最後まで併合に反対したニダ!!」

 「しかし、当時の朝鮮の新聞によると・・・・」

 「それは、日本が発行したもので、我が民族が発行したものではないニダ」

 「日本は、我が民族の名前を奪い。言葉を奪ったニダ」

 「しかし、あなたも、国外に出るときは、日本人で日本人名を使っていらしゃる」

 「そ、そんなことはないニダ!!」

 「日本人などと言ったことは一度もないニダ」

 「日本人名を使ったことなど、一度もないニダ!!」

 「海外では、日本語を・・・」

 「日本語など使ったこともないニダ!!」

 こういう場合、真偽はともかく。

 声が大きい方が有利で、激音、濃音に慣れた韓国語有利といえる。

 「なるほど・・・」

 「だいたい、韓民族は日本語など使わなくても十分にやっていけるニダ」

 「我が韓国語は、世界に通用する言語ニダ」

 「いかなる発音でも滑らかに話せるニダ」

 「はぁ・・・」

 「英語など、簡単に覚えてしまうニダ。優秀な民族ニダ」

 「・・なるほど・・」

 「だいたい、日本語のような、濁音などという堕落した音声など。使うのが、おかしいニダ」

 「・・なるほど・・」

 「・・だいたい。我が民族の自尊心たる・・・・・・・・」

 『・・代表・・・英語の B D G J V W Z は・・・』

 『ん・・・知らんのか、平音を濁して合わせるのだ。だから、濁音になる』

 「・・・・・というわけで優秀な漢民族の言語は、優秀な頭脳を形成させるニダ」

 「我が民族に本音しか存在しないのも、最高言語たる韓国語に起因しているニダ」

 「日本のような本音と建前といった曖昧模糊とした」

 「わけのわからない様相をつくっている社会とは・・・云々・・・」

 『代表・・・本当に本音だけで?・・・』

 『ああ・・・・変わるのだ・・・朝と昼と夜で言う事がコロコロと。酷い時は、五分前と違うことを言う・・・・』

 『どれが本音なので?』

 『んん・・・その時々で都合の良い方だ』

 「だいたい、4000年の歴史を持つ、高貴な言語というのは・・・・」

 「ああ・・そろそろ、本題に入られては?」

 「ああ、我が大韓民国は、アメリカと同盟関係にニダ」

 「西欧列強とも良好な関係ニダ」

 「また、同族である北朝鮮と結べば、北朝鮮と通じて共産圏とも通じるニダ」

 「そして、非同盟反白諸国の資本も多く、韓国は世界有数の外交戦略国家ニダ」

 「さらに西側に対する軍事的な貢献も大きいニダ」

 「我が大韓民国と日本がよしみを結びたいのであれば骨を折っても良いと考えているニダ」

 見事な他力本願論を組み立て、賄賂をよこせという、しぐさをして見せた。

 気付かない振りをする。

 「ああ・・・そうですな・・・国民のコンセンサスを得ませんと。日本は、民主主義の国ですから」

 「そんなものは政府がバッと決めてしまえばいいニダ」

 「馬鹿な大衆に一々問うては、日本政府が無能と思われてしまうニダ」

 「これは隣国への善意の助言ニダ」

 「なるほど・・・」

 「だいたい、大衆などというものは、烏合の集・・・云々・・・・」

 『・・・代表・・・ 大韓民族の尊厳は・・・・』

 『だから、5分・・・持たなかったな・・・』

 『それとも、日本の大衆に限定しているのか・・・』

 『暗に断っているのが理解されていないのでは?』

 『むかしからでな・・・唯我独尊なのだ』

 「・・云々・・・・であるからに大韓民国は、国際的な連合の中核にニダ」

 「我が大韓民国は、日本の生命線を握ったも同然ニダ」

 「半島南岸など風前の灯。生殺与奪も思いのままニダ・・・・」

 「然るに、国際情勢における。日本の慢心と驕りは目に余るニダ・・・・・」

 『・・代表・・・本気で言っているのでしょうか?』

 『むろん本気だよ・・・』

 『しかし、驕りでなく。日本の奢りは、目に余るようになったがね』

 「・・・我が大韓民国が北朝鮮と結び、日本に上陸し」

 「積年の根を解くことを良しとしないのは我が韓国民族の慈愛溢れる良識ニダ・・・」

 『船は、どうするんだろうか?』

 「・・あ・・北朝鮮軍を日本に上陸ですか」

 「何を馬鹿なことを北朝鮮は半島で留守番ニダ」

 「我が大韓民国軍の精鋭が日本へ上陸するニダ」

 「ああ・・・それは、止めた方が良いのでは?」

 「ふっ 恐ろしいニダカ。さもあらんニダ」

 「い、いや、北朝鮮軍を日本に上陸させようとばかり・・・・」

 「何を言う。敵前上陸作戦など北朝鮮軍には無理ニダ」

 「だから、我が大韓国軍が精鋭が先鋒になるニダ・・・」

 「・・・・・・」

 『・・・代表・・・北朝鮮に韓国を占領されると思わないのでしょうか』

 『・んん・・・頭の中で完全に味方になっとるな』

 『目がイってますよ。日本の領土、資材、財産を狙っているのでは?』

 『確かに、金に目が眩んでいるように見える』

 「・・・・さらに、恐るべき、我が韓国軍の偉容を見て、欧米諸国、共産圏も共に戦うニダ」

 「我が大韓民国軍は、チベットで勇戦し・・・云々・・・・」

 「世界に平和をもたらせた国際連合の盟主となるニダ・・・」

 『どうぞ、どうぞ』

 思わず吉本以上だと。拍手したくなるのを抑えながら・・・・・

 難民をどうしようか・・・・

 いやだな・・・・

 などと心配しながら・・・・

 「ああ、国交の件は、とりあえず・・・」

 「日本国民のコンセンサスを検討するということで・・・」

 閉会する。

  

 日本は、相応の戦力と核兵器を保有していた。

 しかし、韓国は、国内に配備されている駐留アメリカ軍と、

 核兵器を自国の戦力の様に考える節があった。

 つまり、彼らの脳内では互角。

 また、中ソなど隣国に大国があって、日本が核を使いたくないことを良く知っている。

 まるで自分自身を人質に取るかのような、捨て鉢なやり方をする。

 日本は、もちろん、金持ちケンカせず。

 半島は、欲しくもなく、戦争自体が無駄だった。

 さらに韓民族を抱え込んで面倒見るなど、もってのほか。

 日韓国交正常化に対するアメリカの圧力は強まっていたものの、

 今のところ、はね返せる。

 半島は、アメリカと第3国に任せ、放置するのが一番だった。

 しかし、韓国側の本音もある。

 アメリカ資本、欧州資本、華僑資本、有色人種系資本。

 搾取されながらも、少しずつ人口が増えていく。

 狭い土地。増える人口。

 豊かさを実感するためには人口を減らしたくなったのだろう。

 そして、日本とこれら外国資本を相克させ、潰し合わさせ、

 主権回復という漁夫の利を得ようとしている。

 それが成功するか、もっと、酷いことになるか・・・・不明だが・・・・

 年齢の高い韓国人は、日本の統治下が民族として成長した事を知っている。

 今の状況は民族としての成長ではない、

 借家住まいは韓国人であり、家持の多くは外国人と裏切り者だった。

 そして、もう一つ、韓国を勢い付けさせているのはチベット戦争への派兵だった。

 韓国は、キリスト教系で軍隊を派遣。

 派兵規模に応じて欧米諸国とキリスト教からの補助金が得られた。

 当然、韓国と欧米キリスト教徒の関係も強まっていく、

 そして、状況は、北朝鮮も似ていた。

 国軍を傭兵の様に中国軍に売り渡していた。

 高山病を克服しつつある韓国軍と朝鮮軍は、チベット戦線でもぶつかる。

 

 

  

  03/03 女性誌「an・an」が創刊される。

  

  03/14 大阪で日本万国博覧会(EXPO’70)が開催される。

  

  03/11 大口ブラジル総領事が反政府組織に誘拐される。

 

  03/23 ニクソン大統領が郵便ストに対し非常事態宣言をする。ニューヨークに軍隊が出動する。

  

  03/26

 ネヴァダで日本が初の水爆実験。

 TNT換算100万トンの最大級の地下核実験を強行する。

 カウントが始まり、

 日本とアメリカの将校が双眼鏡を覗き込む。

 「日本もようやく、水爆か・・・」

 「少し遅れ気味ですかね」

 「・・・日本のレーザー迎撃砲・・・どの程度の物かね」

 「まぁ モノが発電所に併設されていますから。大気層の薄い山頂ですし。ソコソコですよ」

 「・・・山岳地に重要施設を移してしまうとは逆転の発想ではあるな」

 「新幹線にレーザーを載せるというのは?」

 「ちょっと・・・予算不足で・・・」

 日本のレーザー迎撃砲に対抗し、

 米ソはチタン装甲の核弾頭という形で現れ、盾と矛の争いは常に行われる。

 「レーザーなど、紛い物を使わずに155mm砲や203mm砲で迎撃したらどうか」

 「その方が割安なのではないか」

 「レールガンは研究していますが必要とする電力も大きく」

 「威力もありそうです」

 「しかし、摩擦抵抗などマイナス面もありますし」

 「レーザーは威力で怪しいのですが光速で長短ありますな」

 「日本は、もう少し、ヒロシマとナガサキの団体を抑えられないのか?」

 「オアフの団体と同じ程度に抑えていますよ」

 「あいつら、始末に負えんよ」

 「日米が一緒に核実験するのも連中の反発を分散するためだ」

 「日本も民主化が進んで・・言論規制が難しくなってきてますから・・・・」

 「日本の核は、安全なんだろうな」

 「・・・配備しているのは住民が住んでいない島ですから」

 「ゴジラは、放射能で強くなるんだがな・・・・」

 「あははは・・・」

  

 

  03/31 八幡製鉄と富士製鉄が合併し、新日本製鉄。

  

 

  04/11

 ヒューストン時間13時13分、

 アメリカの月探索船アポロ13号が月に向かって打ち上げられる。

 アメリカの月探索船アポロ13号が故障のため月着陸を断念し、

 着陸船を使って帰還(04/14)する。

 

  04/16 日立製作所がLSIを開発する。

 

  04/17 米ソ戦略兵器制限交渉(SALT)第1回会議が開かれる。

 

 

  04/23

 カンボジア

 シアヌーク元首は、インドネシアに亡命し王政復古を唱え、アメリカ系ロン・ノル政権と対立する。

 プノンペン ホテルのラウンジ

 男たちが新聞を読んでた。

 “新三国同盟、日本・印パ・南アフリカ公国連合の展望”

 “なぜ、韓国軍に納入するキムチ缶詰を日本の工場で作るようになったのか?”

 とコラムが書かれていた。

 「・・・CIAが、ついにやりやがったか」

 「地方は、まだ貧しいから共産系が強くなっている」

 「対抗するには民主化より軍部独裁なんだろうな」

 「アメリカも酷いことをするもんだ」

 「国権と民権の比重は、歴史的経緯とか、国情に合わせてだろうが」

 「いい加減、王政潰して、デモクラシーの押し付けは止めて欲しいね」

 「まぁ 日本も混血優遇政策を押し付けているけどね」

 「日本は市民権の関係で圧力を掛けてるだけだよ」

 「反対すると市民権発券されないから?」

 「CIAのような謀略はとらないよ。自主的に決めているのさ」

 「自主的ねぇ〜」

 「まだ、シアヌーク王がカンボジアから叩き出されるとは限らんさ」

 「アメリカもロン・ノル政権の正統性を確保するため。日本と妥協するだろうよ」

 「だといいけど。CIAは、知らぬ存ぜぬだよ」

 「真実は闇の中、それに体制が、どうとかいうレベルでもなさそうだ」

 「おかげで、治安悪化して、投資は足踏みだ」

 「トンレサップ湖は、メコン川と並んで面白かったんだがな・・・」

   ※トンレサップ湖 面積2700ku、水深1m。

       雨季になるとメコン川が逆流。面積1万6000ku、水深9m。

 「底の浅い船を開発中だったのにな」

 「輸出すればカンボジア、ベトナム、ラオスも水上経済が一気に伸びるよ」

 「しかし、カンボジアは、負のサイクルに嵌まり込んでると思うね」

 「権力者が近代化と私利私欲のため列強から買い物をすると」

 「貨幣経済を取り入れ、公共財を増やすから搾取率が大きくなる」

 「庶民生活は社会資本を奪われ、貧しくなる」

 「自作農が減って水飲み百姓が増え、自給自足ができなくなり」

 「子供が生きていくため都市に行くが労働基準法はなく」

 「真っ当な仕事に付けなければ男は兵士、女は売春か」

 「それともアウトローになるか行く末が決まる」

 「それでも、面積単位の生産力と消費が増えるから、都市は大きくなっていく」

 「物価が大きくなると貧富の格差が広がって、社会運動も大きくなる」

 「カンボジアが国として近代化できるか。微妙なところだな」

 「日本も経験してきた道か。パターンだね」

 「日本は単一民族で島国だったから、まだ良かったけどね」

 「カンボジアは多民族多言語だ。コミュニティが作れないのは不利だよ」

 「それでも人は人の中で生きて行くんだから、誰が悪いとも言えないよ」

 「権力者が欲張らず」

 「ある程度、教育が進めばチャンスが与えられて知的生産力も大きくなるんだがな」

 「知的生産力が大きくなって、国力が大きくなっても貧富の格差は埋まらないよ」

 「でも才能が生かせるのはいい事だよ」

 「このままだと貧富が固定されて共産化だな」

 「日本語習得者は、増加中か」

 「おかげで観光客も増えて悪くないよ」

 「お金が落ちれば、カンボジアも少しは豊かになって、共産化防止にはなる」

 「なれば、いいがね・・・・結局、外貨は、お金持ちに吸い上げられる運命だろうね」

 「少なくともシアヌーク王は、北京のポルポトと縁を切らせている」

 「どっちが良かったかは別にしてね」

 「インドネシアも悪くないさ」

 「インドネシアの対アメリカ感情も低下しているから墓穴を掘ったのに近いよ」

 「・・・どうだか、アメリカは金と軍事力の力で押し切るときがあるからな」

 「どうでも、いいけど、カンボジアを地雷で歩けない国にしたくないだけだよ」

 この頃の日本資本は、かなり、えげつないレベルで東南アジア諸国に入り込んでいた。

 地元の業者が地方から若い娘を買い、

 綺麗な民族服を着せ、民族舞踊を教え、

 日本風の接待を教えるだけで相当な利益になった。

 地元業者も、日系資本と提携する方が安全であり、

 需要があるので現地資本が応え、供給しているだけ、

 一応、病気の検査だけは義務付けられていた。

 現地業者も発覚すれば取引停止になるため、

 意外にきちんとしてきたりする。

 この方式は、戦前・戦中で、どこかの地域で行われていたやり方で、

 慰安婦システムとも呼ばれる。

 現地は、安定して金が入って美味しく、

 白人たちも “日本人は、むっつりスケベだな〜”

 と言いながら混ざっていたりする。

 

 

 民主主義のアメリカは、王政に反発があり、

 人権擁護のため民主化運動に力を貸したりする。

 しかし、CIAが意図するような民主化は後進国で成功しにくい、

 そして、高まる共産主義運動に対するワクチンで、軍事政権の支援へ移行していく、

 立憲君主制に抵抗のない日本とイギリスは反発もするも、力関係で黙らされる。

 欧州諸国も反白を反米と反ソに摩り替える方が良く、干渉することは少なくなっていた。

 黄色人と白人

 「カンボジアの軍事政権は、安定するだろうか」

 「どうかな、バオダイ帝を追い出した結果の南ベトナムの軍事独裁と混乱」

 「今度は、カンボジアのシアヌーク王を追い出した結果の軍事独裁と混乱」

 「民主化は程遠いのに、あいつらの個人主義信仰というか、人権信仰というか、傲慢さは呆れるよ」

 アーパネット ARPANET(インターネットの前身)の書類がテーブルにおいてある。

 なぜ、こんなところにあるのかというと、直接本国に行くと足が付くため。

 一旦、第3国を経由する。

 “こんなところに行くやつが重要書類など持っているわけがない”

 ということで少しばかり油断があって持ち出しやすい。

 「アーパネットだがSOSUS網で、一部、応用が利きそうだな」

 「つまり、似たような構想だったと?」

 「いや、アーパネットの方が進んでいる」

 「しかし、何とかなりそうだ」

 「やはり、IBMでなく、JISで造るのかい」

 「性能と値段は、ともかく。JISはウィルスに強いよ」

 「そりゃ 細分化されてもハードとソフトが1体だと、データを改ざんするのも一苦労だ」

 「軍事用向きで、不経済極まりない」

 「アメリカ国防省も日本のJIS規格を使うかどうかで揉めて悩みどころだな」

 「・・・やはり、日本を警戒して?」

 「IBMに勝たせたいのさ、当然だろう」

 「日本は、JIS規格に合わせた企業連合だ。IBMがJIS規格で造るのなら構わんよ」

 「IBMは、自分のメインフレーム規格を捨てたりはしないよ」

 「ふ 軍事用と民間用。どっちが金になるかな」

 「IBMに、どっちも作らせれば満足かね」

 「当然、資源を分散させられるのなら嬉しいね」

 「だが、民間で押されている」

 「金に目が眩むとそうなる」

 「しかし、2バイトの言語プログラムで多言語を使えるJIS規格は、需要があるよ」

 「日本語だから年寄りでもプログラムを組める者がいるくらいだ」

 「2バイト圏は、少しくらい高くても買うわけか・・・・」

 「そういう事になるな・・・2バイト圏で、なんとか、拮抗している」

 「IBMは、英語の世界化を進めようとしているからな」

 「確かに英語は有利だよ」

 「まぁ プログラム言語で、ドイツ語、フランス語、イタリア語が使えるのであれば、1バイト圏でも売れるだろうがね」

 「その辺は、何とかなるだろう」

 「言語が違っても決まった文節にあわせてネットワーク上で関連させやすいが」

 「IBM側も世界標準型を模索している」

 「価格に対する性能比を埋めなければ、今後も厳しいだろうな」

 

 

  05/01

 李垠(Yi Eun)がソウルで没。72歳(誕生:1897/10/20)。朝鮮王朝最後の皇太子。

 

  05/04

 厚生省が全国の「かぎっ子」は483万人と発表。

 

  05/11

 日本山岳会エレベスト登山隊の松浦輝夫と植村直己が日本人として初の登頂に成功する。

  

  05/11

 バーレーン帰属問題解決の国連決議成立で、バーレーンの独立が決まる(独立は8月)。

  

  05/15

 ヒロシマ・ナガサキ・オアフ連合監視船団が見守る中、

 フランスは南太平洋で地下核実験を行っていた。

 フランス海軍

 戦艦ジャン・バール

 来年、退役するフランス戦艦は、非核団体への威圧のため。この海域にいる。

 そして、戦艦の圧力は本物で、違う意味で写真が撮られていたりもする。

 艦長と副艦長が双眼鏡を覗き込んでいた。

 「・・・くっそうぉ」 艦長

 「あいつら平和を傘に着やがって、むかつきますね」

 「・・・日本みたいにネバダ実験場を貸してもらうか」

 「やめて下さいよ。使える島があるんですから。それにネバダも地下実験ですし」

 「結局、あいつらも、金だろう」

 「まぁ 平和で集金になりますし、半分、半分ですかね」

 「妥協するための金でしょうね。向こうも、一応、動いているところも見せないと・・・・」

 「ゴジラに全滅させられる前に。始めるか」

 「映画では、全滅させられましたからね。次は、パリをやるとか」

 「日本人め、日頃大人しいくせに、破壊衝動だけは強いからな」

 「シャンゼリゼ通りとエッフェル塔を壊してみろ黙っていないぞ」

 「これが終わったら東京湾ですか?」

 「・・・核実験の前に行きたかったがね」

 「この艦も解体だ。同型艦リシュリューとお別れになるな」

 「日本行き。喜んでいる者も多いようです」

 「出雲と違って、本場だからな」

  

  

  05/18

 国鉄のリニアモーターカーの研究チーム発足。

 全国新幹線鉄道整備法が公布される。

  

  

  05/31

 ペルー北部でマグニチュード7.7の大地震が起こり、

 山崩れと洪水で死者6万6000人。ユンガイ市が全滅する。

  

  06/01

 ソ連が2人乗り宇宙船ソユーズ9号の打ち上げに成功する。

  

  06/08

 アルゼンチンで軍部のクーデターが起こる。

 レビングストン准将が大統領に就任する。

  

  

  06/14

 セイロンが国名をスリランカ独立社会主義共和国とする。

  

 インド大陸全域で戒厳令が出されていた。

 ダリットの反乱は、トカレフとAK47によって行われる。

 ダリット解放政策は、食料自給率の問題も絡んで進まない。

 しかし、カースト制度で固定された最下層を押し潰すだけでなく、

 反乱で人口問題を解決できると思えるほど死んで行く、

 一億のダリットが反乱を起こしても、人口の一部に過ぎないなのだからインド大陸の懐は大きい。

 それまで、搾取され奪われる側だったダリットの男たちが武器を持って立ち上がる。

 上位階層の地主を殺し、娘たちを犯していく、

 元々 命以外に失うもののない最下層であり、

 自由か、死か、の選択肢しかなかった。

 インドの混乱は収まらず、

 カースト軍とダリット軍の戦いは続く、

 このインドでソビエト・中国共産主義が解放者の様に振舞っていた。

 日本と欧米諸国は、道義的に表立ってインド政府を支援できず、

 カースト制を利用してきた欧米諸国もカースト制を無視した日本も、

 戦いが始まると、どっちつかずで、蚊帳の外に追いやられていく、

 そして、インド・カースト軍の反撃も、武器弾薬の密輸で行われていた。

 ソビエトと中国に流れ込んだ武器弾薬は膨大で、

 誰がトカレフを持っていてもおかしくない状況が作られつつあり、

 共産主義下であっても治安維持と粛清は命がけになっていく、

 人民解放軍と中国農民が土地収用を巡って銃撃戦を繰り広げる。

 農村が集団でギャング化し、他の村や町を襲撃し、人質を取ったり、村同士の戦争も始まる、

 また、元々、地方軍管区は、中央の言うことを聞かない傾向が強く、

 人民解放軍も農村に反乱の汚名を着せて略奪し、農村と銃撃戦になったりする。

 カザフスタンでもイスラム教徒が武装蜂起し、ソ連の鎮圧維持軍と交戦が繰り広げれ、

 中央アジア全域で無法地帯が拡大していた。

 

 インド 日本人町

 街で数カ月生活すれば、イギリスがインドを支配できた理由が良くわかる。

 カースト同士でも階層が違えば日本人が仲介で間に立つしかなかった。

 それほど、徹底している。

 次第に治安が悪化していく中、日本人町の自衛も進んでいた。

 街ではダリットとカーストのどちらにも職場があり生活が安定しているため戦おうとしない。

 搾取率が小さいため抗争も起きていなかった。

 町の外で銃撃戦が行なわれても

 町の中は自分の生活を守ろうとし、静かだったりする、

 カーストとダリットの人たちは、不安げに街の外を見ており、

 インド人の多くは、日本人町のダリットとカーストを裏切り者と見ることがあった。

 

 ダリットの反乱でインド人の死者は、億単位に迫ろうとしていた。

 これだけ死ねば、資源の分配で一時しのぎができそうだった。

 しかし、階層の差別でアイデンティティを維持してきた歴史は根強く、

 骨身に染みた差別意識は消えない、

 カースト制で生きていた者たちは、カースト制度を守るために命がけになるだろう。

 それでも死ぬよりマシで、ダリットに殺される寸前、少しばかり後悔するだろうか。

 一方、ダリット。トカレフがあれば失うものは命しかない。

 どの道、幸福への道が閉ざされた階級であり、立ち上がる以外になかった。

 そして、雄飛組みの中で街の領外で生活している日本人も日本人町へと逃げ込んでくる。

 「ひゃ〜 参ったよ。外は戦場だよ」

 「他に日本人は?」

 「いや、見なかったよ」

 「そうか・・・日本人町も、やばいかな?」

 「どうかな。銃撃戦に巻き込まれない限り、外国人は相手にされてない」

 「ダリットも欧米諸国や日本人の介入を恐れているようだ」

 「下手に介入すれば、どっちに付くか、わからないからな」

 「どうせ付くなら、ダリット側が良いな」

 「本当に?」

 「インド社会で生活してきた人間の感覚だよ」

 「ふ それは大使館で生活していた人間より、貴重な意見だな」

 「弱者が正しいとは限らないがカースト制は破壊すべきだね」

 「それは日本だけでなく、欧米諸国も似たような意見だ」

 「だろうな」

 「といっても、今のところ、介入する気はないみたいだけどね」

 「だと思ったよ」

 

 

  07/15

 イギリスで、港湾労働者の全国的ストライキが起こる。

 

  07/16

 イギリスのストライキで、国家非常事態宣言が出される。

  

  07/22

 初の肥満児童調査の結果が発表される。

 

 

 チベットは、中国とソビエトと交戦状態にあり、

 反体制勢力に目立った動きはなかった。

 しかし、後方支援していたインドは、ダリットの反乱で混乱し、

 パキスタンは軍事クーデターで混乱していた。

 そして、ソビエトと中国も流れ込む武器弾薬で社会不安は増大し、戦力が削がれていた。

 インド、ソビエト、中国は、国内の不穏分子を外部に向けるどころか、

 国外からの武器の密輸で内戦状態が作られていく、

 国際情勢の兼ね合いから内戦を認めたくないのは、ソ連、中国だけでなく、

 インドも同様で、パキスタンも軍事クーデターは国際社会でマイナス要因だった。

 もっとも、ほとんどの国が他国の干渉を排して内戦を認めず、

 内輪の処理を貫き、チベット独立戦争への義勇軍の派遣と

 敵性国家への武器密輸も継続されていた。

 

  

 チベット 戦場跡

 ソビエトと中国のT62戦車、T55戦車が破壊され残されていた。

 この頃になるとT34戦車は少数派になっていた。

 それでも、破壊されたT34戦車を集めて戦車を作れるほど取り残されている。

 そして、宗教連合の軽戦車も少数ながら破壊されていた。

 「・・・・なに、やっているんだ」

 インド兵が破壊された敵戦車の写真を撮ると寸法を測りだした。

 「アルバイトだ」

 「戦車の寸法を測るのが、か」

 「これを日本の玩具メーカーが買うんだよ」

 「おおぉ 道理で日本のプラモの質が良いと思っていたら、そんなことをやっていたのか」

 「開発中の新型戦車なら物凄いお金になるんだがな」

 「ほ、本当か」

 「ああ、早く来ないかな・・・・」

 「こんな山奥に持ってくるのは大変だからな」

 「どこかに、MiGとか、不時着していないかな」

 「しかし、MiGは、下手に近付くとアメリカ系の傭兵にスパイ扱いで撃たれないか」

 「それでも、いい・・・・アメリカは、金をくれない」

 「寸法を測って日本人に渡せば金になる。金がいい」

 「なるほど・・・じゃ 俺も混ぜてくれよ」

 「んん・・・仕事を紹介するから、2割寄こせよ」

 「しょうがねぇな・・・MiGが落ちたところに行こうぜ。あれは双発だから、MiG25だな」

 「おほぉ〜 MiG25なら・・・・これだけ・・・」

 紙に数字を書いてみせる。

 「・・・うげっ!!」

  

 チベット

 キリスト教系傭兵基地

 C130ハーキュリーズ輸送機から軍事物資が降ろされ、

 背広の男が降りてくると、迎えの基地司令と握手する。

 「空気が薄いですな」

 「酸素ボンベを部屋に運ばせてます、徐々に薄めていくと慣れるでしょう」

 「助かります」

 「・・・新型砲弾なので?」

 「ええ、実験的に大規模に使用するが機密にしたい」

 「機密・・・白衣の天使というわけじゃなさそうですな」

 「・・・・・」

 「背広を着ていても臭いで、わかるんですよ。薬品の臭いでね」

 「アメリカのためです。理解していただきたいですな」

 「・・・・・」

 「あの・・・雷燕2型は?」

 「ああ、空中戦で大破したようです。片翼で降りましたよ」

 「ここは、秘密基地だったのでは?」

 「たまたま見つけたのでしょう」

 「この辺で、まともに降りられるのは、この基地ぐらいですから」

 「それに近くに敵の前衛基地が作られるようになって、秘密では、なくなりつつあります」

 「・・・酷いやられ方だ。パイロットは生きているので?」

 「ええ、着陸の途中で炎上して射出。なんとか無事です」

 「捕虜がいれば司令にも、この砲弾の価値を理解していただけると思うのですがね」

 「まぁ いない・・・わけでは・・・・ありませんが・・・・」

 「すぐに見つかるのは嬉しい限りです」

 「捕虜も階級が高いと報奨金が出るので・・・」

 「そういえば司令も半島での戦争で、ご子息を亡くされたとか」

 「ええ・・・まあ・・・」

 「そういえば、この付近の山岳地帯に韓国軍と。たぶん相手側も朝鮮軍が配備されるそうです」

 「・・・・・・・・」

 『・・・下調べ済みか・・・』

 「そう、そう、わたしは半島で父を亡くしましてね・・・」

 「・・・・」

 

 ソ連空軍将校の捕虜は、尋問を受けたが戦術レベルならともかく、

 戦略レベルになると用をなさない。

 それでも最低限、将校らしい扱いがされる。

 そして、逃亡の機会を待っていた。

 目の前に現れた男は、白人で60代で背広。

 「ほぅ 捕虜は、白人。ロシア人か・・・」

 「・・・・・・・・・」 ロシア人将校は、無視。

 「ここは、おまえたちのいる場所ではないだろう」

 「・・・・・」

 「おまえには、明日。面白いものを注射してやる」

 「今夜が、自分が自分自身でいられる最後の夜だ。十分に堪能するがいい」

 「・・・・・」

 そう言うと男は部屋を出て、

 ドアが残酷な響きを残して閉まる。

 ・・・・・どうやら、明日が死刑執行らしい。

 ・・・・・しかし・・・なんだ・・・あの男は、軍人ではない・・・・

 ・・・・注射だと薬物・・・

 “自分が、自分自身でいられる、最後の夜”

 これは、死とすれば遠まわし過ぎる。

 ・・・・・・まさか・・・・・

 この日、尋問はなかった。

 どうやら、神は、チャンスを与えてくれたらしい。

 尋問がなければ、何とかなるチャンスを・・・・

 歩哨は、扉の向こうで檻の中は見えていなかった。

 

 捕虜になる前。

 7.62mm×25弾を飲み込んだのは初めてだった。

 選択の余地は少なかった。

 出てきたときは、それなりに喜べた。

 あとは、まぁ・・・・運(ウン)次第。

 造りの悪い基地で、あちらこちらから集めた物が使える。

 それでも配管に詰め物をし、即席の銃身と釘と石を使う。

 どうせ、一発だけ。上手くいっても命中率は期待できそうにない。

 どの道、助からないと思うと意外に冷静に賭けに集中できた。

 気圧の低い場所で原始的な方法で火を起こすのは、もっとも労力を要した。

 それも深夜。

 衣服を燃やして外に見せる。

 外から牢に明かりがともれば、通報を受けて人が来る。

 人の気配を感じて火を消す。

 「・・・両手を上に上げろ」

 「ああ・・・従うよ・・・」

 警備員二人が怪訝に思ったのか、突撃銃を構えて、牢の中に入ってくる。

 一人が外を覗き込み。

 一人が距離があることを確認し、余所見をしたとき、

 石で配管の底を叩くと釘が炸薬を燃やし、

 撃ち出された弾丸は警備員に命中した。

 飛び掛って突撃銃を奪い、窓辺の警備員を射殺する。

 そして、負傷した兵士も射殺する。

 既に銃声が基地内に響いており、いつ敵兵が着てもおかしくなかった。

 突撃銃を2丁抱えて牢を飛び出し、手当たり次第、敵兵士を撃って行く、

 そして、基地の兵士に位置を予測されないよう全力で走った。

 全て敵なのだから意外と楽で、

 数が多い方は有利に見えて敵か味方か、まず判断しなければならない。

 わずかな、判断の差で撃ち勝っていく、

 基地内に警報が鳴り響いた。

 兵士がバタバタとやってくるが秘密基地らしく、兵士は少ない、

 「くそぉ〜 何事だ」

 聞き覚えのある言葉だった。

 戦場で背広の男は珍しい。

 「捕虜が逃げました!」

 「な、なんだと!! ほ、砲弾だ! 弾薬庫を守れ」

 「あれをやられたら、大変なことになるぞ!!」

 いきなり兵士が減っていく。

 あの背広の男は、どうやら戦場を知らないらしい。

 殺気!

 銃弾が肩を掠め。すぐに隠れる。

 黒髪の男、黄色人・・・・日本人か・・・・

 基地の兵士ではない。

 指揮系統が違う人間が拳銃を持っている。

 「・・・つっ・・・」

 肩に痛みが走る。

 相手は、拳銃なのだが妙に上手い。

 どうやら、弾薬庫の方に追い込まれているらしい。

 ガシャッ!!!

 空になった突撃銃を放って、音で隙を作り。

 一気に階段を下りて移動する。

 基地の将兵たちも弾薬庫を守れと、泣きたくなるようなシチュエーションになっていた。

 資本家だろうか。

 こういうバカ資本家が一つの敵基地に一人いれば楽勝なのに・・・ と、思ってしまう。

 まともな神経の持ち主なら

 弾薬庫を守れなどという命令は出さないだろう。

 通常は、“侵入者を捕獲しろ” か “侵入者を射殺しろ” だ。

 自分が、あの背広の男の部下でないのが救いだ。

 苦笑いしてしまう。

 “味方殺しの政治局員と、どっちがマシだろうか”

  

  

 黒髪の包帯の男は拳銃を構え、侵入者を追跡していた。

 味方の兵士がいない。

 何度か撃ち合ったが戦場慣れして手強い、

 なんとなく、何日か前、MiG25と撃ち合った時に近いプレッシャーを受けた。

 不時着で節々が痛く、味方の援護がなければ厳しい、

 そして、身を隠した部屋は、さらに不自然だった。

 小動物と薬品、実験器具が並び、

 父親らしい軍人と、息子らしい白衣の男が並んだ写真。

 「これは、なんだ・・・・」

 気を取り直して、とりあえず。

 味方のいそうな方向に追い込んでいく、

 敵の動きより、味方の動きの方が不自然に思えた。

 

 声が聞こえる。

 「・・・この砲弾には指一本たりとも触らせんぞ! 出て来い!!」

 信じられないことに弾薬庫にいる。

 兵士たちも生きた心地がしないのだろうか、動揺している。

 信管の安全装置がまともであることを。

 いや、完全に壊れていることを神に祈るばかりだ。

 「・・・やつが来たら撃ち殺せ!!」

 “その砲弾は、細菌兵器だな?”

 隠れてるらしい捕虜が声を掛けた。

 声の方向に向けて銃弾が撃ち込まれていく、

 一度も突撃銃を撃った事がない人間が撃つと、ああなる、という。見本。

 「・・・い、行け!! やつを殺せ!!」

 兵士の多くが捕虜の方に意識が集中していた。

  

 捕虜が隠れている場所に向かって兵士がジリジリと近付く、

 万事休すなのだが・・・・

 突然、ガソリンが染みた布に火が付けられて、例の砲弾の上に落とされる。

 「・・・な! なんてことを!」

 「は! 博士! いけません!」

 「け、消すんだ! すぐに消すんだ!!」

 背広の男が火の付いた布を取り払おうとするが味方の兵士によって拉致され、

 弾薬庫の外へと脱出させられていく、

 兵士たちの方が “ホッ” としている。

 そして、弾薬庫が爆発。

 弾薬庫は、誘爆を起こしながら燃え上がる。

 大混乱の中、消火作業が続けられるが弾薬庫は、消せそうにない。

 延焼を防ぐだけで精一杯といえた。

 滑走路の隅、

 博士と言われた男が座り込み

 爆発炎上している格納庫を見つめていた。

 「パパ・・」

 男の唇がそう動いたような気がした。

 どこからともなく銃声が聞こえ、

 博士は、そのまま、倒れ込んだ。

  

 

 管制塔

 基地全体に警報が鳴り響き、格納庫周辺は猛火に晒されていた。

 しかし、長くはない。

 酸素が少なく火の勢いは急速に衰えていく、

 司令官は、息子の写った写真を見つめる。

 「・・司令・・」

 「捕虜の逃亡と博士の戦死。新型砲弾は自然発火にしておけ」

 「・・・・意外な展開でしたが好都合といえば、好都合でしたね」

 「おや? 捕虜が撃った銃弾だろう」

 司令がMP将校に尋ねる。

 「・・・わたしは、何も見ていませんでした。サー」

 MP将校が応える。

 「逃亡した捕虜の追跡部隊を編成します」

 「・・・適当に捜索させてくれ」

 「では・・・」

 「適当でいい」

 「・・・司令、もう一人は?」

 「君は、もう一人、見たのかね」

 司令がMP将校に尋ねる。

 「・・・わたしは、何も見ていませんでした。サー」

 「わたしも、見ていなかったな」

 「たしかに気のせいだったかもしれません」

 「・・・しかし、経歴に傷が付いてしまったな」

 「お供させていただきます」

 「いや、物分りの良い軍人は、長く軍にいてもらいたい」

 「アメリカ国防省にバカが増えないためにもな」

  

  

  07/22

 アラブ連合・イスラエルがパキスタンの中東和平提案を受諾する。

  

  08/03

 アメリカの原子力潜水艦が多核弾頭ミサイル「ポセイドン・ミサイル」の水中発射実験に成功する。

 

  

  08/05

 日本通信衛星を打ち上げる

  

  08/13

 東芝がLSIの多種類量産化に成功したと発表する。

  

  08/17

 ソ連の金星探査機「ベネラ7号」が打ち上げられる。

  

  08/26

 アメリカで女性参政権50周年にちなんで、各地で女性解放のデモや集会が行われる。

  

 

 モザンビークが南アフリカ公国連合に組み込まれる。

 日本皇族系公爵家3つ、侯爵家2つ、伯爵家5つが新たに誕生。

 州都マプトで式典が行なわれ、

 南アフリカ公国連合海軍の機動部隊が式典に花を添える。

 日本人と白人が式典に参席していた。

 「・・まぁ 爵位といっても名義だけなんだけどね」

 「モザンビークは、あの軍服モドキを着たくて、公国連合に加盟したんじゃないのか」

 「一応、迷彩服だがデザイン的に戦争向きじゃないな」

 「格好はいいけどウルトラマンも広めるつもりかね?」

 「ゴジラほどのインパクトはないよ」

 「南アフリカ公国連合の拡大は、白人世界にとってゴジラ並みのインパクトだよ」

 「・・・だが時間稼ぎでもある」

 「まぁ 身の丈が大きくなれば混乱する」

 「混乱した状態が続けば、利権も転がり込みやすくなる」

 「おいおい、デパートを壊されたくないだろう」

 「そうなんだがね・・・」

 「アンゴラは、どうするつもりだ。混乱状態を続けるつもりなのか」

 「まぁ 混乱する要素があるのなら、油くらい注ぐよ。武器が売れると嬉しいからね」

 「やれやれ、まさか、将来的にアンゴラと公国連合の戦争なんて、考えていないよな」

 「・・・まさか」

 「それも、混乱要素があるか、ないか、だろう」

 「まぁね」

 「あはは、悪徳だな〜」

 「問題は、共産系ゲリラの力が増していることだな」

 「アンゴラで、もっと、倫理観の強い指導者を選べよ」

 「倫理観が強いと分け前が少ないから幹部に殺されるんだ」

 「ホーチミンも危なかっただろう」

 「ったく・・・・どうしようもないな」

 「後世で人気があるのは、高潔な政治家なんだがね・・・・」

 「トップに擦り寄って生きる右翼と、反発することで生活の糧にする左翼」

 「そして、非主流で第3勢力を集めて、上澄みを掠める第3勢力か」

 「高潔さは、あまり関係なくてサル山のサルだな」

 「・・・しかし、一人でも聖人君主が出るなら、その国と民族の歴史で指標になるし、希望になる」

 「希望は重要だよ。人が生きていく上においてね」

 「南アフリカ公国連合の歴史にも欲しいな。そういう。高潔な歴史が」

 「黒人は、望んでいるだろうよ。たぶんね」

 「欲の深い側近と有力者が望んでいないだけ・・・か」

 「そっちは、物が売れれば良いのか?」

 「国が小さいと余裕がなくてね」

 「物が満ちれば売れなくなる。そうなると失業者が増える」

 「本音を言うと、破壊と再生で需要が生まれると助かる」

  

  

  08/30

 植村直己がマッキンリーの登頂に成功する。

  

  09/04

 チリの大統領選挙が行われ、

 人民連合候補アジェンデが1位となり、

 国民党のアレサンドリとの決選投票となる。

  

 

  09/17

 ソニーが、日本企業で初めてニューヨーク証券取引所に株式を上場する。

  

  09/25

 日立製作所が人工知能ロポットを開発と発表する。

  

チリ

  10/24

 チリの両院合同による大統領決戦投票で、アジェンデ社会党党首が大統領に選出される。

 サンチアゴの酒場

 TVで流れる映像

 “奴らが私の子供を殺したのよ! 共産主義者たちが!!”

 “共産主義が人々に提供できるのは、血と痛みだけである”

 “チリが、こんな状況にならないよう、選挙ではエデュアルド・フレイを大統領に選ぶべきだ”

 “赤がチリで勝った時。どんな宗教的活動も不可能になる”

 “チリの母たちよ。キューバで行われたように自分の子供たちが連れ去られ”

 “共産主義圏に送られることを、あなたたちは許さないと、私は知っている”

   

 ふてくされる日本人たち。

 「・・・・ああ、勝っちまいやがったよ」

 「どうするんだよ」

 「アメリカは、経済制裁だよな」

 「困るよ。ホテル建てようと思っていたのに・・・・」

 「んん・・・長いものに巻かれるしかないのか・・・」

 「アメリカ系の財布のほうが大きいからね」

 「そりゃあ、そうだが」

 「アメリカ系の需要が大きいんだ」

 「そりゃあ、そうだが」

 隣のテーブルに座る白人たちも神妙にしてる。

 「・・・なあ、アメリカは、なんとかならないのか」 白人

 「・・・無理・・・そっちで妥協しろよ」 日本人

 二つのテーブル越しで話し合いが始まる。

 「アジェンデには、アメリカと妥協するように言ったんだ」 白人

 「南米は、反米だからな・・・」

 「アメリカは、共産主義を目の仇にして、全部、台無しにしてしまうんだ」 白人

 「共産化するには、理由があるからな。まず、元を抑えないと・・・・」

 「・・・・・・」 憮然とする白人たち

 「貿易額で言うとソビエトより。日本の方が困るんだよな」

 「・・・だったら、そっちで何とかするのが筋だろう」

 「だから、もっと妥協しろって」

 「言ったぞ」

 「最悪でもアメリカ資本の銅山。国営化は待てと言っているのに、あいつら聞きわけがない」

 「・・・貧しいからねぇ」

 「・・・もっと忍耐しないとな」 白人

 「貧富を固定させないで、夢とか機会を与えることよな」

 「でも、くさるよな。相続税の高いこと高いこと・・・・」

 「あと、教育レベル。共産主義に対する無知は駄目だよ」

 「・・・あのなぁ ソビエトはCIAが宣伝しているようなことは、半分もやってないぞ」 白人

 「あ、3分の1は、やっているのか、酷いな、それ」

 「おまえらぁ・・・」 白人

 「いや・・・正直。チリじゃ 無理だな。助けようがない」 白人

 「・・・まあ、アメリカのお膝元だからね」

 「血生臭くなる前に、何とかして欲しいのだが・・・・」 白人

 「国民が自ら選んだ社会主義がどうなっていくのか。見極めたいと思っているよ」

 「それに、チリ国民が選んだのだから尊重はするがね」

 「しかし、アメリカの圧力は、本物だよ」

 「そうそう、チリを攻撃するより、周辺国への投資を増やすべきだね」

 「・・・・・・・」 白人

 武力と嘘による暴力革命でしか、共産主義は、権力を握ることができない。

 恐怖と洗脳でしか、その権力を維持できない、

 とされたイメージ戦略が覆り選挙によって共産主義が選択される。

 反共主義者にとって、最悪のシナリオとなった。

 そして、チリで正当な選挙で選ばれた社会主義政権が始まると同時に、

 「「「「・・・・・・」」」」 ため息

 「「「「・・・・・・」」」」 ため息

 お通夜も始まる。

  

 

  11/03

 チリでアジェンデが大統領に就任する。

  

  

  11/12

 東パキスタンで大規模なサイクロンが発生し、17万人が死亡する。

  

  11/13

 東パキスタンにサイクロンが襲い30万人が死亡または行方不明となる。

 

  11/17

 ソ連のルナ17号が、月面軟着陸に成功する。

  

  11/22

 中国とソ連が物資交換協定に調印する。

  

  11/23

 昭和45/11/23トルコが、ECに準加盟する。

  

  11/29

 総評と公害被害者団体の共催で、初の公害メーデーが行われ、全国で82万人が参加。

  

  11/30

 南イエメンがイエメン人民民主共和国と改称する。

  

  12/02

 10月1日に行われた第11回国勢調査。人口1億人を越えたことが明らかになる。

  

  12/02

 チリの左翼政権が、民間企業を接収する。

  

  12/04

 三和銀行が、カード式自動預金機を開発したことを発表。

  

  12/28

 OPECが原油価格の全面値上げを発表する。

  

 F14トムキャット戦闘機が離陸していく、

 見守る白人将校に混じって日本の軍属もいる。

 高価な戦闘機を何とかしたいと考えるアメリカ国防省。

 日本が買ってくれるのなら助かる。

 あまりの性能に日本の軍属は感動しファンになってしまう。

 しかし、価格交渉になると途端に青ざめていく。

 

 ラウンジ

 「・・・どうだねF14トムキャット」

 「日本でも似たような機体を安く作れますよ。たぶん。設備投資すれば」

 「アメリカに輸出するのか?」

 「あはは」

 「・・・他国の戦闘機を買うような予算は、もうないがね」

 「貿易収支で言うと。2対1で儲かっています」

 「ですが社会保障、国土整備、設備投資分など振り分けて、高価な先端技術を維持しようとすると・・・・」

 「それくらい。わかっておるよ。日本をむかしのような軍事偏重の国にするつもりはない」

 「しかし、相応の軍事力は必要だろう」

 「アメリカ陸軍も新型戦闘機を開発しているようですが」

 「らしいね」

 「同系列の主力戦闘機を2機種とは、お金持ちですな」

 「日本の雷燕2型が、どの程度、もつかだな」

 「早期警戒管制機があれば別だが、相手がMiG25だと苦戦すると聞いている」

 「早期警戒管制機型の幻凰も高いですからね」

 「日本の次期戦闘機の開発は?」

 「今のところ、単発、双発とも、モックアップまで、こぎつけていますが」

 「やはり、海外で、売るとなると、単発機かと」

 「日本はアメリカの双発機をどうかね?」

 「予算次第かと、戦前の様に買えもしないのに判を押せませんし」

 「雷燕2型も、チタン部品の比率を増やして、延命処置を取るか、検討しているそうだが?」

 「姑息なアイデアだけは、出てきますよ」

 「金を使えないなら、頭を使うしかないですからね」

  

  

駄文同盟.com     続・小説の主張   ファースト ナビ

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 月夜裏 野々香です。

 ついに1970年代にまで来てしまいました。

 なんと、熱血アニメが燦然と・・・・・・・

 男が男として生き。

 そこに魅力が感じられた世代でしょうか。

 女性が付いて行くような・・・・

 今は、流行りません。

 ひたすら女性のご機嫌をとりながら、

 カップルで試合を見ている方が幸せそうです。

 女も強くなってしまいました。

 前兆として「an・an」が創刊されたことでしょうか。

 

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 よど号事件は、起きませんでした。

 三島由紀夫(45)の割腹自殺もありません。

  

 それと、某国某所での日韓会議。

 一方は、ギャグでなく、本気です。

 決してコミカルなものでは、ありませんから、笑わないであげてください。

 チベットでは、運が良かったのか、悪かったのか、

 韓国軍と朝鮮軍は通常兵器による撃ち合いになりそうです。

 

 米陸軍は、1950〜60年代にブルセラ菌を充填した砲弾や爆弾を開発。

 感染経路は、接触感染。

 回復させるには、高価な抗生物質を1年近く投与しなければならない。

 1969年、アメリカ政府が生物兵器計画を中止した際に廃棄されている。

  

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よろしくです。  

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第79話 1969年 『求めよ、さらば・・・・』
第80話 1970年 『自由と死』
第81話 1971年 『人世、人世で・・・・』