月夜裏 野々香 小説の部屋

    

After Midway

 

 

第86話 1976年 『出るクイは、打たれるよ』

 01/

 フランス、超音速旅客機コンコルド就航。

 

 南アフリカ公国連合

 公国、侯国、伯爵領という名称が部族ごとに付いてた。

 部族間は言語、風習など違い、

 移動、交流、交換、共同、助け合いが困難な集合体だった。

 アメリカ系黒人の移民が増え、勢力が拡大していくと、

 アメリカ合衆国の開拓精神(フロンティアスピリット)が鎌首を持ち上げ、

 程度の低い黒人を消し、

 高い知識を持つ優良な黒人で南アフリカ公国の国力を底上げすべき、

 という発想になりやすい。

 もちろん、アフリカ大陸黒人解放政策、混血優遇政策とぶつかる。

 融合・融和による統合の道は、負担が大きく、険しく、長く、

 格差が酷すぎて拗れ、余計に憎しみが増す事も少なくない。

 そして、排他的統合は、道のりが容易で即効性が高く、魅力があり、

 アメリカ系黒人が増えるほど、そちらへ向かいたがる。

 黒人たちの集まり、

 「・・・だから、それは君らがアメリカで受けてきたことだろう」

 「・・・・・」 憮然

 「それを君ら自身がやってしまうと、白人のやったことを君らが正当化することになるな」

 「だ、だが、気持ちは、分からないこともないだろう」

 「わ、分かるからといって、真似するのか?」

 「アメリカ合衆国は、建国200年で世界最強の国だ」

 「融合・融和を目指した南米諸国と比べてみろ」

 「黒人同士だろう」

 「知的レベルとか、品格とか、そういう問題か。同じ人種、同族だぞ」

 「・・・・・」 憮然

 「・・・・・」 憮然

 そして、移民者だけでなく、

 南アフリカ公国出身も良識派、選民派と呼ばれる人間が現れる。

 都会で生活した者は土民、狩猟の社会に戻れなくなる。

 多くは故郷を考えず人生を送ろうとし、

 一部は、自らの故郷を滅ぼそうとする者と、負担でも変革させようとする者も現れる。

 そして、同郷の者でさえ戻らない世界へ、敢えて入って行く奇特な人間もいる。

 仮に1000人に1人もいない。

 それでも、日本民族の成人男子の人口が仮に3000万だとすると万単位。

 日本から、出て欲しくない人間が日本を出てしまい。

 日本から、出て行って欲しい人間が日本に残る。

 そして、アメリカ系黒人でさえ、原住民の黒人との婚姻を嫌がる。

 たとえ、爵位持ちでも、そこに嫁いでいける日本の女性はかなり奇異だった。

  

  

 公国連合の集落。

 黒人シャーマンの “お経” や “りん” に惹かれたのか、

 日本人も時折、現れる、

 黒人以上にお経やりんの意味を知らず、情けなかったりするが実利面で好かれていた。

 アフリカで最先端の技術は必要なく、

 基本的な技術、技能を応用する能力があればよかった。

 教育水準は、実に恐ろしいもので、

 小さな集落では日本の中学生レベルの知識でもトップレベルになってしまう。

 本国では、役人らしく、予算がどうのと机の上で頭を抱えている人間もいる。

 しかし、日本政府の支援組織でなく、

 政府保証なしで個人の所業でやっている者もいた。

 試行錯誤しながら個人で田畑を耕し農耕を定着させ、

 発電所を設置して小売店や工場を作って学校を作り、

 村社会ごと底上げしてしまう日本人がいた。

 寡黙で辛抱強い日本人はアフリカの大地に生きていた。

 そして、いつの間にか、族長になってたりする。

 若いうちに世界を見たい、と来た者もいる。

 日本のモーレツ社会で揉まれ、

 余生を南アフリカ公国連合で、と考える者もいる。

 中には、服役後の改心で来ている者もいる。

 日本で差別される彼らも普通に扱われ、

 時には有り難がられる。

 いろんな経歴の持ち主がいた。

 生きがいを見つけたのか憑き物が落ちたように生き生きとしたり、

 実入りは、小さいのだが運が良いと、いろんなところから勲章を貰ったりもする。

 そして、

 「なぁ。これ使ってくれないかな」

 「んん・・・」

 と場違いな洗濯機が置かれ

 後から実入りが良くなったり、

 日本企業が新製品を持ってきたり・・・・

 写真を撮ってコメントが載せられるとセールスなど渉外の時に強みになった。

 海外組の勢力は、ドメ派と拮抗している。

 それが小さな写真でも少ないコメントでも、

 環境の悪い場所で動くと分かると取引相手の信頼度も上がる。

 海外渡航者の縁者、身内が多い時代。下手な広告よりも効果があった。

  

 02/

 第1回ASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議。

 バリ島宣言を採択。反共政策の堅持が決まる。

 

 アメリカ大統領フォード、大戦中の日系米人強制収容命令無効を宣言

 

  

 科学庁が世界最強の超伝導磁場を発生させる。

 1914年、イギリスのエミール・バチェレットが

 電磁誘導反発式の磁気浮上リニアモータを実験して61年が経っていた。

 技術と採算性でリニアの実用が困難だっただけであり、

 リニアモーターの考え方は新しくなかった。

 技術的な問題点を解決する手段で超伝導が検討されると現実味が増していく。

 先行投資、世界初の栄誉は悪くない。

 しかし、失敗は、他国の予算で、という発想もあったりする。

 日本航空がジェット機旅客機の開発から退くと、鉄道は有望視され、

 日独でリニア技術の等価交換が増えリニア開発が進みだした。

  

  

 アンゴラ沖。

 南アフリカ公国連合機動部隊

 28000トン級エセックス型 ズールー(ヨークタウンU) ハリア40機

  ズールー(ヨークタウンU)

 6000トン級やまぶき型4隻。

 

 VTOL機の着艦は、通常の艦載機の着艦と違う。

 空母は、風下に向かって航行し、合成風力で風速を0mに近付ける、

 ゼロでなくてもよいのだがゼロの方が着艦し易かった。

 月影VTOLは、翼面積70uが90度反転しているため風の影響を受けやすい。

 チタン製のジャイロコンパスが高速で回転し、

 宇宙的な法則で水平と垂直を安定させる。

 簡単に風に煽られないものの、さっさと着艦するに限る。

 月影VTOLは、ズールーに着艦するとすぐに翼を水平に戻し、

 補給品を降ろし始めた。

 アメリカは、多種多様なヘリを開発し、

 日本は、月影VTOL機の開発と生産だけで済ませ

 価格相応の用途に応じたヘリを交換していた、

 しかし、アメリカ・公国連合のエチオピア派遣で空母建造の見直しを迫られ、

 アメリカと南アフリカ公国連合は、逆に月影VTOLを注目した。

 俗な言い方で “ないもの欲しさ” というが通常は、重要兵器など違う言い回しをする。

  

 黒人の提督と艦長。

 「・・・月影とハリアによる空挺部隊の創設は分かるがね」

 「日本の工廠の話しですと、空母は90年まで現役で使えるそうです」

 「日本の工廠は優秀すぎる。もっと早くガタが来ないかな」

 「耐久年数が少ないと空母無用論が出そうです」

 「ん・・・むむむむ・・・・」

 「普通にやるのが良いかと」

 「ん・・・むむむむ・・・・南アフリカ公国連合の国力は、年々、大きくなっている」

 「しかし、予算は限られている、空挺部隊創設のシワ寄せは機動部隊に来るだろう」

 「国境線の向こう側で有用なのは、機動部隊より空挺部隊ですか」

 「理屈だけは分かりますがね」

 「月影VTOLは航続力2500kmだぞ。赤道以南なら、どこでも強襲できる」

 「片道なら公国連合領からエチオピアへ直接いける。有用なのは違いない」

 「ですが、ぜいたく品ですよ。撃ち落されたら泣きたくなるほどです」

 「それはいえるな、救いがあるとすれば維持費が、やすいことだろうな」

 「日本は儲けそうですね」

 「どっちに転んでも日本は儲かるよ」

 南アフリカ公国連合は、公共設備など底上げ予算の比率が大きかった。

 先端技術などの軍需品は他国に依存している。

 日本連邦にとって、公国連合は、アメリカ、欧州、インド、南米諸国に並ぶ顧客だった。

 「・・・むかし、日本は、イギリスから戦艦を購入して力を付けた」

 「公国連合も日本から兵器を購入して力を付けていけばいい」

 「日本は、優れた技能、知識と統一した単一民族でのし上がった」

 「公国連合は膨大な地下資源がある」

 「・・・ですが、我が軍は、今ひとつのような気がしますが」

 「予算のほとんどが内政に使われている」

 「しかし、識字率が高まり、世情をある程度、理解できるようになれば」

 「アフリカ大陸黒人解放政策を無理に推し進める者を少なくできるだろう」

 「能無しの腕力バカでは国が自滅するか、空中分解する」

 「今は、中途半端で、一番危ない時期では?」

 「日本人のおかげで、セーブされているよ」

 「彼らが歴史から学んだことはムダではなさそうだ」

 「膨張主義者はいるが有力者の多くは、日本の市民権を持ち」

 「かれらは無理な膨張主義に反対している」

 「そういう意味でも空挺部隊は、食指を動きやすく好ましいといえないな」

 「戦乱に巻き込まれたくないと?」

 「公国連合は陸続きで、戦乱で損をするのは海軍だ」

 「モザンビークを見たらいい。彼らを養い教育するため、いくら国庫が注ぎ込まれているか」

 「これ以上、公国が消耗するのは海軍にとって得策ではない」

 「それに安易に同じ黒人を虐殺してみろ。公国連合は空中分解するぞ」

 「確かに彼らを隣人として迎え入れるのは気が進みませんね」

 「それに月影VTOLを開発した日本でさえ、大規模な空挺部隊を持っていない」

 「持っているのは、予算で余裕のあるアメリカだけだ」

 ヤマト系の制服は、実戦によって培われた実用的なものでなく。

 アニメ仕様、世界屈指の見栄え優先で視覚的な影響が強い。

 人種的に粗野なはずの黒人将兵が覇気より、

 この制服や軍服を汚したくない、といった高貴な気分になりやすく、

 適当な理由をつけて紳士的だったり、

 戦わない方向に行く動機が見え隠れする。

 着ている軍服でクーデター起こりにくくなったり、

 気分が変わってしまうのもありがちかもしれない、

  

  

 03/

 北海道庁ロビーで時限爆弾が爆発。

 2人が死亡し95人が重軽傷。東アジア反日武装戦線の犯行。

 これが、日中、日韓の国交回復交渉に影響を与えて、調査が済むまで先延ばしとなった。

  

 アルゼンチン軍部がイザベル・ペロン大統領(45)を自宅に軟禁。

 クーデターでビデラ将軍が大統領となる。

  

 

 カンボジア沖

 ロン・ノル政権を支援するアメリカ。

 シアヌークを支援するインドネシア。

 クメール・ルージュ(ポル・ポト)を支援する共産勢力が睨み合う。

 日本は、独立条約で利権を持ちながらも傍観を決め込んでいた。

 独立国の有力者が日本の市民権を失いたくない事も含め、

 独立条約の利権維持を望んでいると分析しており、

 カンボジアが独立条約を破棄しても東南アジア全体に波及しないと推測していた。

 日本は、東シナ海の油田で余裕があるのか、着々と国内の準備を進めており、

 独立条約の破棄でも良いらしく、

 アメリカの思惑は空振りさせられつつあった。

 この時代、アメリカ市民権は、強国だけあって強く、

 日本市民権は、敵が少ないのか汎用性で好まれ、

 国際的に、ほぼ同等の価値があった。

 端的にいうなら日本の市民権があれば、世界のどの国でも行く事ができた。

 事業展開のチャンスも大きかった。

 英語に馴染んだ東南アジア諸国の有力者が日本の市民権を失いたくないのも邪推と言えなかった。

  

 

 04/

 カリフォルニア州ロスアルトスのスティーヴ・ジョブス。

 家のガレージでアップルコンピュータ社設立。

  

  

 カンボジア プノンペン

 関係各国、各勢力の代理人が集まり協議していた。

 親米ロン・ノル政権は、共産勢力拡大を抑え、国内の支配権を確立しつつあり、

 親中ソのクメール・ルージュ(ポル・ポト)ゲリラは、紛争を利用し、共産勢力拡大を狙う、

 インドネシアが支持するシアヌーク王は紛争の隙間を突いて返り咲こうと思惑を巡らせていた。

 北ベトナム、南ベトナム、タイ王国、ラオス王国は、紛争に巻き込まれたくないのか、

 国境を閉ざしている。

 しかし、抜け道がある。

 一攫千金。安楽な生活。妻を娶ろうと思う者。家族を養うため。

 “金が、もらえるなら何でも運ぶ”

 という商売は、どんなに危険でも成り立った。

 おかげで製造国は、いろいろなのだがトカレフ、AK47が流れ込む。

 

  

 地政学上の不思議といえるのがラオス王国だった。

 米ソの思惑に乗らずに王政を留めていた。

 これは、タイ王国と同様、ラオス王国も日本華族と縁戚関係にある事が上げられる。

 実質的には、スズなど地下資源によるところが大きく、

 日本とラオスの資源ルートは、北ベトナムと南ベトナム両国の市場原理が働き、解放されていた。

 ラオス王国は、王政を維持するため、文字通り地下資源の叩き売り、

 内陸国でありながら日本との関係は深く、

 制限された区画では、外国人用の租界が作られ、治外法権さえ認められている。

 兵器体系も日本製で占められていた。

 ラオスが有利だったのは、単一民族といっていいほどラーオ族が多く、言語もラオ語が主流。

 身持ちが良く、部族争いが少なければ、意外に平穏だった。

 ラオス王国にとってカンボジア紛争の波及は、困り、

 まして、共産化は困るのだが日本とアメリカの温度差が違うため戸惑っていた。

  

 国際会議で

 「日本は、どうされるのですか?」

 「紛争には反対ですよ」

 「では、ロン・ノル政権を支持されるのですか?」

 「・・・基本的には、カンボジア民族の総意を支持したいですね」

 「? では、シアヌークですか?」

 「だ、だから・・・・・・」

 貿易立国の日本は、他国を顧客、取引先としてみていた。

 アメリカも、インドネシアも、カンボジアも、お得意様でしかなく、

 諸外国からするとイライラする性分が見え隠れしていた。

 国内資源で産業と消費を賄える国家と、

 国外の資源と消費に依存する貿易立国は、外交戦略で開きがあった。

 

  

  

 05/

 植村直己(35)が北極圏1万2000Kmの単独犬ぞり走破に成功。目的地、コッビューに到着。

  

 06/

 南アフリカのヨハネスブルク。

 小学校の授業で公用語アフリカーンスを押しつける政策に反発、

 黒人学生が暴動。25日まで死者176人。

  

  

 国際捕鯨委員会がナガスクジラ捕獲禁止を含む捕鯨枠の大幅削減を決定。

  

 07/

 第21回オリンピックが、モントリオール(カナダ)で開催。

  

 中国、唐山市を中心にマグニチュード7.8の地震。死者約24万人。

 

 

 インド

 カーストとダリットの血で血を洗うような内戦は続いていた。

 ヤマトは、K大佐の×ね×ね機械化旅団の待つ高原へと向かう。

 攻撃ヘリ(AH)コブラが頭上をホバーリングし、

 ヤマトは絶体絶命だった。

 「わっはははは・・とうとう最後の時を迎えたニダ。ヤマト。梃子摺らせたニダ」 K大佐

 「汚いぞ、K大佐・・・子供たちを人質に取るなんて、返せ」 ヤマト

 普通の子供たちではない。出資者と反乱部隊の子供たち。

 「あははは、どうやら、本物のヤマトらしいニダ。ばかニダ」

 「この見晴らしのいい場所なら、これまでのような、罠は通用しないニダ」

 「ふ どうかな。K大佐」 にやり

 「・・・・」

 「な、なにいぃ?」

 「アノクタラサンミャクサンボダイ・・・・・」

 「・・・・・・」

 K大佐は、居心地悪そうに辺りを見渡す。

 「アノクタラサンミャクサンボダイ・・・・・」

 「・・・蛇を警戒しろニダ!!」

 兵士が火炎放射器で身構える。

 「アノクタラサンミャクサンボダイ・・・・・」

 「な、何が起こるというのだ・・・・・」

 聞こえるのは風の音だけ。

 シ〜〜ン!!

 「・・・・・・・・・・・・・・・」 ヤマト

 「・・・・・・・・・・・・・・・」 K大佐

 突然、九字を切るヤマト

 「・・・臨(りん)・・・」

 「・・・・・」

 「・・・兵(びょう)・・・」

 「・・・・・」

 「・・・闘(とう)・・・」

 「・・・・・」

 「・・・者(しゃ)・・・」

 「・・・・・」

 「・・・皆(かい)・・・」

 「・・・・・」

 「・・かい・・・・か・・・・・」

 「・・・・・」

 「・・・・なんだっけ?」

 「お・・・おまえ・・・・インドで、なに修行したニダ!!」

 K大佐が、拳銃をヤマトに向ける。

 「K大佐。ヘリが近付いています」

 「なんだと!! そんなもの、撃ち落せニダ!!」

 「・・・・そ、それが・・・・」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 どこからともなく。ヘリがやってくる。

 吊り下げられているのは、藩王の子供(王子)

 「あ・・・」

 「ふふふ・・・K大佐・・・王子を見捨てたらクビが飛ぶな」

 「・・・じ、時間稼ぎニダ!!」

 「再就職の相談なら乗ってもいいぞ。K大佐・・・」

 「あ、韓国人は、駄目だった。国交が回復してない」

 「きっ! きっさま〜!!」

 「・・・子供たちを放せよ」

 「くっそぉお〜 日本人め、人質を取るなんて卑怯者ニダ!!」

 「おまえが先にやったんだろうが!!」

 「うるせぇ!! 俺は良いニダ」

 「でっ どうする?」

 「んん・・・貴様が王子を返す補償(保証)がどこにあるニダ」

 「・・・ルル!!」

 ヤマトが合図を送るとヘリから段ボールが落とされ。

 地面に落ちるとバラバラに散らばる。

 「・・・いい匂いだろう。K大佐。日本製のキムチ缶詰だ」

 「「「「・・・・・ < ^ ・ ^ > ・・・・」」」」 韓国傭兵部隊の目の色が変わる。

 「・・・燃やしてしまおうかな〜」

 「きっ! きっさまニダ〜!!」

 「「「「・・・・ < T ・ T > ・・・・」」」」 韓国傭兵部隊

 「まだ3箱あるぞ。戦友。コブラを大人しく下に降ろせよ」

 「・・・・わ、分かったニダ。缶詰と王子をあの山の上に置くニダ。そうすれば、人質を放すニダ」

 人質を交換すると両勢力は、離れていく。

 韓国傭兵部隊は、キムチ缶詰が気になって追撃できない。 

   

   

 08/

 フィリピンのミンダナオ沖でマグニチュード7.8の地震、5000人から8000人が死亡。

  

 南アフリカのヨハネスバーグで、スト派と就労派が衝突し、36人が死亡。

  

 09/

 その日、日本海上空を飛ぶ幻凰のレーダーに未確認の影が映る。

 千歳基地から飛び立った雷燕2型4機は、電子管制機型(幻凰)の誘導にしたがい、

 領空に侵入しつつあるMiG25を発見し、後方に回り込むと、

 MiG25の後方レーダーに探知されない範囲で有利な位置に収まる。

 いつでも撃墜できる。

 「・・・命令は、まだかな・・・・・」

 !?

 「あ・・・・気付かれた」

 「げっ!」

 「速ぁ〜」

 日本機に気付いたMiG25は、雷燕2型の警告を無視して、急加速。

 MiG25は、相対速度で勝り、雷燕2型を振り切ると函館空港に強制着陸してしまう、

 そして、先に着いた警察が周りを封鎖してしまう、

 函館空港は、民間施設であり、いくつかの法的手続きを経て、

 日本陸軍が警察と交替しMiG25を囲む。

 現場は、緊張感に包まれ、刺々しかった。

MiG25

 管制塔の一画に関係者以外立ち入り禁止の紙が貼られ、

 部屋では、数人の男たちがMiG25を見下ろし、安穏と事が進んでいた。

 「なんで、ミサイルを撃ち込まなかったんだ。地対空ミサイルでも撃墜できただろう」

 「亡命は、すぐに分かったし・・・・撃墜命令を待っている間に振り切られたし」

 「民間の飛行場だぞ。面倒を持ち込みやがって、降りるなら千歳空港に降りろ」

 「そうだよ。亡命したいのなら、間宮半島から歩いて入ればいいんだ」

 「撃たれるだろう」

 「・・・ソ連は、何か言ってきたかな」

 「聞くまでもない。機体とパイロットの即時引渡しだよ」

 「線引きは?」

 「検査した後、機体だけ返す」

 「そんなとこか」

 「しかし、軍のモラルが低下するとソビエトも大損だな」

 「日本も軍の予算を締め付けているから、やばいかも」

 「いや、給与と待遇でしょう」

 「どこでもそうだが、だんだん、我がままになってくるからな」

 「むかしの日本軍の清貧は、どこに行ったのかな・・・・」

 「死なば諸共で、戦艦を道連れに沈めたりとか?」

 「あははは・・・」

 「順番が確実に回ってくるのなら少しくらいは待つよ。新型アイスクリーム製造機とか・・・・」

 「あれは、アッツの呪い。アメリカ軍の陰謀だよ」

 「だから、栄養価だって。卵の保存で優れているんだよ」

 「な、なんか騙されているような気もするぞ」

 「まさか、新型アイスクリーム製造機を守る分の士気も上乗せできるだろう・・・・」

 「んん・・・・・」

 「ほんと、だって」

 「んん・・・まあ、いいか」

 「・・・・少しは、新型戦闘機の参考になればいいがな」

 「MiG25も新型機だろう」

 「チベットで、宗教連合軍が墜落した機体を手に入れている」

 「日本も部品のいくつかを入手したがね・・・・」

 「目新しさは、なしか」

 「あっても少ないだろうね」

  

  

 10/

 中国、四人組のクーデター計画が摘発

  

  

 厚木基地 滑走路

 アメリカ海軍のF4ファントムが駐機していた。

 アメリカ海軍がF14トムキャットを配備すると、F4ファントムが余ってしまう。

 日本は、新型双発戦闘機を開発中で、F14も、F15も、売り込めそうにない。

 そこで、適当な戦術攻撃機を持たない日本にF4ファントムを払い下げる日米交渉が始まる。

 制空なら電子管制機型(幻凰)、雷燕2型で何とかなりそうだった。

 しかし、幻凰、月影の艦隊攻撃では、速度が不足している。

 ベストは、F111戦術攻撃機。

 ベターは、F4ファントムだった。

 F4ファントムなら容積が大きく、戦術偵察機でも通用する。

 機動性重視の新型双発戦闘機、雷燕2型と、

 積載量の大きいF4ファントムの組み合わせは、いいように思える。

 仮に国産で攻撃機を開発しても共有部品が増えるものの、

 開発費は莫大で生産ラインを含めると価格が跳ね上がる。

 それなら、F4ファントムを小改装で数を揃え、飽和攻撃した方がマシになる。

 他にもパイロットの維持費も洒落にならなくなりつつあり、

 見舞金や遺族年金を考えなくても良いのなら、

 研究中の巡航ミサイルが良いのではないか、という発想も生まれたりもする、

 

 

 ソビエト海軍は、艦隊主力を大西洋・地中海側に配備していた。

 極東ソビエト海軍は、まったくお話しにならない規模であり、

 月影と幻凰の中長距離対艦ミサイルでも、十分、お釣りが来る。

 アメリカのバイヤと日本人関係者

 「MiG25の侵入事件も、中国海軍の増強も、日本攻撃の前準備に違いありませんよ」

 「たしかに、そういう恐れは、ありましょうが・・・・」

 『むしろ、在韓・在海アメリカ軍が邪魔で、これないような気がするが・・・・』

 日本空軍の仮想敵は、対ソ、対中より、対韓基地・対米機動部隊用に近い、

 アメリカ海軍もF14トムキャットの更新で背に腹は変えられないのか。

 「どうです。これなら、アメリカ機動部隊が攻めてきても日本を守れますよ」

 「はあ?」

 日本にすれば “なに考えているんだ、おまえは” 状態といえる。

 「とりあえず。MiG25の情報と交換で、これくらいは送らせて頂きますよ。タダで・・・・」

 ズラッと並ぶF4ファントムは、呼び水。

 本当は、F111戦術攻撃機の方が良いのだが、それは嫌らしい、

 「・・・あ、あのぅ〜 ネバダ実験場は?」

 「そ、そちらの方は、新大統領との折衝になりますので・・・・」

 「・・・・・」

 「く、口ぞえは、しておきますから」

 「そういうことであれば・・・・」

 

 アメリカと日本が仮に戦争すると、アメリカ機動部隊や潜水艦は切り札になった。

 アメリカ軍は、韓国・海南国配備の地対地中距離ミサイルと航空部隊を使う、

 当然、日本も、地対地中距離ミサイルを配備して相撃ち、

 しかし、戦術爆撃機の精密爆撃は、戦術の幅を広げる。

 日本の兵器体系は、少ない予算を有効に使うため、

 攻撃を中距離、長距離ミサイルやロケットに頼っている。

 戦闘機、巡洋艦、潜水艦、短距離ミサイルは、勢力圏内での機動防御で、

 基本的に迎撃戦だった。

 むろん、適当な攻撃力を適度な速度で戦力集中できるF4ファントムも機動防御で有用といえた。

 「攻撃は最大の防御。宮本武蔵の『五輪書』にも、『武士道』にも、書いてありますよ」

 「お安く提供しますよ」

 『書いてたっけ・・・』

 「・・・はぁ・・・」

 「」

 「」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 今後、中国海軍が強力になってくると事情も変わってくる。

 F4ファントムは積載量で雷燕2型を凌駕し、

 対空ミサイル、対艦ミサイル、爆弾も何でも御座れ、

 先尾翼式と尾翼式の違いがあっても部品の共有率もあった。

 対米戦でも対艦攻撃で有用・・・・

 日本がアメリカ機動部隊を攻撃する場合、

 ディーゼル潜水艦の展開が間に合うか、不確定要素になった。

 雷燕2型でアメリカ機動部隊上空を制圧しながら、

 幻凰で艦対艦、地対艦、月影の空対艦ミサイルを誘導し、

 対艦ミサイルの飽和攻撃で片付けることになっている。

 日本がF4ファントムを安上がりに購入し、対艦攻撃力を増しても、

 アメリカ機動部隊にF14トムキャット戦闘機が配備され、

 天秤はアメリカ機動部隊が有利だった。

 そのために取引が成立するのだろう。

 1機で6機撃墜できて、その後の空戦でもトムキャットは強い、

 日本側も、ダミーミサイルや曳航式ダミー機を検討しているもの成果は怪しかった。

 

 アメリカは、グラマン社などの航空機産業を守れ、

 機動部隊を守れるのなら大丈夫だと判断したのだろう。

 もとより、日米戦争の可能性が低いといえる。

 国家間取引での利益配分率なら アメリカ5.3 VS 日本4.7 というところだろうか。

 この比率を無理やり変えようとすると、日米関係の悪化につながり、

 総合的に不利益になってしまう。

 少なくともF4ファントムは、対中・対ソで有用以上のものがある。

 ネバダ核実験場の使用もかかっている。

 政治取引のため性能を犠牲にするのは珍しいことではなかった。

 ほかに代替取引がなければ、落としどころ、といえた。

  

  

   

 11/

 第39代アメリカ大統領選挙で民主党のジミー・カーターが当選。

  

 日本の国会で防衛費をGNPの3%以内とすることが決定される。

 日本全体が貧しければ “贅沢は敵だ”

 日本全体が刺々しければ “安全は、二の次、性能第一”

 公然と言えた時代もあった。

 しかし、自由資本主義によって、貧富の格差が作られていくと、

 日本式の底上げもしていくことになる。

 民間が豊かになれば、将兵も待遇を望むようになっていた。

 富を集約しピラミッドを高くしても基盤になる底辺が脆弱では瓦解しやすくなる、

 すぐに限界に達し、比率が抑えられてしまう。

 そして、平和が続くと大規模な更新ができず少数精鋭に近付くと・・・

 「少数精鋭主義に囚われる国は負ける」

 などと、足を引っ張る者がいて平準化しやすくなってしまう。

 可能な限り正面戦力を抑えて新兵器の開発、配備分を残そうとする。

 しかし、予算が圧迫され、膠着化していく。

 新兵器自体悪いわけではない。

 戦車、潜水艦、航空機など、むかしは、新兵器だった。

 今後、そういった新兵器が現れないというのなら、愚か者という勲章しか与えられない、

 問題は、新兵器の可能性を否定し、

 組織益を優先する勢力が古今東西、必ず存在する。

 そして、堂々巡りの無限ループに、はまり込んで、

 そして、抜け出そうと・・・・・

 「うぅがぁああぁ〜!! こうなったら、双胴空母だ〜!」

 「・・・・・・・・」

 散々、話し合って、ポシャッタはずの計画が浮かび上がる。

 双胴空母ならトン数が小さくても月影VTOL機が着艦できる。

 当然、ヘリもたくさん配備できる。

 実に好都合なアイデアなのだが、どこの国も採用していない。

 理由は、簡単で回頭時に艦体が捻じれ、自壊しやすいからだった。

 あかちょうちん

 「・・・・なあ、中国と国交回復して、予算を増やそうぜ・・・・」

 『・・・なんか・・・・ばっさり、切りたいよ・・・・』

 「日本のため。命がけで○○課のため戦うぞ!!」

 「「「「おおぉ〜!!」」」」

 『はぁ 本音は、日本を○○課の犠牲にするんだよね』

 と、なってしまう。

  

  

 アメリカのクレイ・リサーチ社、従来の10倍の情報処理能力を持つ「CRAY−1」を開発。

  

 日本海軍

 第7次建艦計画で巡洋艦8隻が建造。やまぶき型56隻が就役。

 画一的な建造計画で、年度ごとに兵装が微妙に変わる。

 戦後建造艦も日本海軍の流れを踏襲しての変遷で、VH鋼で装甲20mm〜50mm。

 その後、艦体の軽量化で、一部、アルミ。

 その後、超高張力鋼、マルエージング鋼、カーボン、ケプラ、樹脂、セラミックなど・・・・・

 「ああでもない・・・」

 「こうでもない・・・・」

 と検討されながらチタンの比率が増えていく、

 電装品の比重が増え、ミサイルの性能が向上し、

 60口径155mm砲は3基から2基。

 そして、1基に減少していく、

 第1次から20年、第1次建艦の巡洋艦の減価償却は潮時となり、

 装備の更新は冷徹に見定めなければならくなっていた。

 日本海軍の戦力を形容するなら空母を保有していないだけで、

 アメリカ海軍に次ぐ海軍戦力が適当な評価といえた。

 常時交戦可能なアイドリング状態でいられる海軍はアメリカ、日本、イギリスの3カ国しかなかった。

 現代の航空母艦は、後進国に対し、主導権を取りやすい点で有用だったものの

 対先進国相手は、核兵器前提でなければ効果が小さかった。

 インドと南アフリカ公国連合の機動部隊は先進国の海軍艦艇に対し脆弱なだけの存在で、

 程度の低い電子装備と艦載機は、カモでしかなかった。

 日本、アメリカ、欧州諸国の海軍は、ソ連の対艦ミサイルの飽和攻撃の対抗手段を模索しており、

 迎撃システムは、毎年の様に更新されていた。

 損失比は、状況によって変わるものの、

 シミュレーションは、相殺戦でケリがついていた。

 

 

 55年初飛行 艦載機F8クルセーダー。 フランス空母

 

 60年初飛行ハリア。 イギリス、南アメリカ、インド空母。

 71年初飛行 Yak38フォージャー。 ソ連空母。

 74年初飛行シュペルエタンダール。 フランス空母。

  

 OTHレーダーでなければ水平線の向こう側は見えない。

 敵機が低空で侵入し、

 有視界ギリギリの水平線上で対艦ミサイルを発射されると1分足らずで対艦ミサイルが命中する。

 ミサイルの長射程化、高速化、命中率は向上し、

 破壊力は敵の防御力を上回るオプションとして追加できるものになっていた。

 攻撃力に対する防御力は、劣勢になる傾向にあり、

 日本は、アメリカに比べ電探性能で劣っていたことから、

 6000トン級やまぶき型巡洋艦は、当初から開き直ってフェーズドアレイレーダーを採用していた。

 対空装備と対潜装備は年々増加し、対艦兵器は、艦艇の重量配分で減少し続けた。

 艦の軽量化と高馬力が進められたのも防弾効果より、

 経済性と急加速で回避力が求められてのことだった。

 国防省内でも金食い虫と陰口を囁かれながらの更新でアメリカのレーダー技術に追随し、

 相応の対空ミサイル、迎撃機関砲、ECM・ECCMを装備し、

 やまぶき型巡洋艦の対空迎撃システムと対潜システムは、同時期のアメリカ艦艇と並ぶ。

 というのが日本国防省の報告。

 日本の巡洋艦は制海海域を4隻で担当し、2隻で航行する。

 やまぶき型4隻は、陸上機ならともかく、

 程度の低い艦載機と通常兵器の組み合わせでの撃沈は、損失比で割に合わない。

 巡洋艦戦隊の上空に電子管制機型(幻凰)が飛んでいた場合、

 水平線上の彼方でも艦対空ミサイルの射程内に入り迎撃されてしまう。

 さらにECM・ECCMが駆使されるなら1隻も撃沈できず、艦載機が壊滅も十分にありえた。

 核兵器使用で、ようやく、黒字収支といえた。

 通常兵器で日本巡洋艦戦隊を相手に黒字収支できるのはアメリカ空母とその艦載機だけであり、

 日本の勢力圏外で戦って、という前提になる。

 日本の勢力圏内で戦おうものなら、黒字収支から一転、損益収支ギリギリ、

 どちらに転ぶか分からない、

 アメリカ以外の空母保有国が空母を最大限に活用できる相手は後進国しかなく、

 後進国相手なら弱い者虐め用、

 または、正義の味方というシチュエーションで最大の効果を発揮する。

  

 赤レンガの住人たち

 「ヘリに対空警戒システムと対潜哨戒システムを載せれば艦隊の防空と対潜能力は向上する」

 「だけど、相変わらず高いね・・・電装品・・掛けることの56隻分・・・」

 「SH3シーキングとSH60シーホークか」

 「魚雷はいらないから、対空対潜電子管制型にしたいね」

 「ヘリのECM・ECCMは、高が知れている索敵で単一機能にすべきだね」

 「無人機は、開発が進んでないだろうか」

 「無人機ねぇ ソーラープレーンは駄目だっけ、成層圏滞空型の飛行船とか」

 「需要は、民間もありそうだから、民間のお金で開発して欲しいよ」

 「んん・・・・静止軌道監視衛星だと、タイムラグありすぎ」

 「低軌道監視衛星だとタイミングを合わせないと使えない」

 「・・・・空母が欲しいよ。せめてヘリ空母」

 「大綱、変えようか」

 「8次で、巡洋艦をやめて、空母を建造するか、どうかだね」

 「できるだろう」

 「できるけど・・・」

 なんに使うのだろうか。

 仮に8万トン級空母を建造すると、艦載機100機。護衛艦8隻をつけると各海域で穴が空く。

 また、稼働率とローテーションを考えると最低3隻は必要だった。

 アメリカ機動部隊と戦っても、ランチェスターの法則で勝てないだろう。

 後進国相手の弱い者いじめ用ならともかく、今のところ、その意図はなく。

 優先すべきは、対外戦略より、国防戦略だった。

 空母艦載機は?

 開発費など考えたくもない。

 電子装備の更新と幻凰の配備。どの部署も予算を欲しがっている。

 艦体の軽量化を求められいてもアルミは危険視され、

 チタン、セラミック、合成樹脂の研究要望も上がっている。

 安全第一など標語で建前に過ぎない。

 しかし、あまりに酷すぎると、将兵の人命軽視と取られモラルが低下し、

 限界を超えると離兵者が続出し、カタログ通りの戦力さえ維持できなくなる。

 当然、必要な処置を取るため、予算が削られていく、

 空母を建造するくらいなら、ヘリ空母や原子力潜水艦の建造がマシ。

 しかし、月影VTOLを着艦させるなら最低でも30000トン級は欲しい。

 補給の関係で有利で、より柔軟な作戦も可能になるだろう。

 それでは、ヘリ空母というより、ハリアも運用できる軽空母になってしまう。

 割り切って、月影の着艦を諦めれば、もっと小型ヘリ空母になり、

 巡洋艦のプラットフォームも合理的に利用できる。

 縦割りに配分された予算を睨みながら、数字が振り分けられていく・・・・・

  

 政府が77年度国防計画大綱が決定。

 

 

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 月夜裏 野々香です。

 ロッキード事件は、起こりませんでした。

 日本の政治家、官僚とも、史実よりモラルが高かったようです。

  

 『ミッドウェー海戦のあと』の世界。

 第3世界は、史実より少しばかり強く、資源の価格も微妙に高いようです。

 日本は、東南アジア諸国との独立条約で、少しばかり、有利だっただけです。

  

  

 月影VTOL

 基本設計は、双発旅客機 彩風を利用したものです。

 馬力は5200馬力×2から8000馬力×2。

 VTOL化の加重分は、チタンの比率が増えて相殺されている。

 機内容積は小さく、兵員なら50名程度。

 全長32×全幅28×全高8.3。翼面積70。8000kp×2。ローター径12m。

 自重18000kg。最大積載量8700kg。最大離陸重量28000kg。

 最大速度800km。最大巡航速度640km。航続力2500km。

  

  

 南アフリカ公国連合軍の制服は、ウルトラマンの科学特捜隊系から、

 宇宙戦艦ヤマト系に変遷しています。

 これは、黒人であることから受けるであろう差別的な視線を軽減するためが大きいようです。

 南アメリカの有力者の多くは、日本の市民権を持ち、

 血縁関係も少なくなく、日本との関係を重視、

 少しでも洗練された制服を求めた結果。

 日本のデザインを取り入れやすい環境にあるようです。

  

  

 ベレンコ中尉亡命事件。

 史実どおり起こりました。

 結果は、だいたい同じです、

 目視できず撃墜できなかったのか、

 目視できたけど撃墜しなかったのかの違い。

 F4ファントムの方がレーダーが優秀、高速。

 追撃で有利ですが、目視能力は低いようです。

 雷燕2型は、幻凰と基地の誘導さえしっかりしていれば、目視能力が高く、

 見つけやすかったようです。

 問題点があるとすれば推力不足で、追撃できずに振り切られたところでしょうか。

  

  

 日本の外交戦略は、戦略といえない。

 海外組が強くなっても国内事情が優先、

 相変わらずソフトすぎて、諸外国から、分かりにくいようです。

 時代を作ろうとせず。時代に上手く流され、です。

 日本型教育の成果なのか。エポックメーキングは少数派。

 たぶん、そうなのでしょう。

 正論でも権益を破壊されては困る。

 出るクイは打たれやすく、世の利権者、受益者、実力者に疎まれ、煙たがれ。

 近くにいても喜ばれない、というところです。

   

 マルエージング鋼

 1958 年 アメリカ INCO社でマルエージング鋼が開発。

 合金元素(ニッケル、コバルト、モリブテン)を合計30%も含む。

 (市場で普通のNi−Cr系ステンレス鋼のほぼ15倍、構造用合金鋼の30倍)

 とても高く、採算をあまり考えないアメリカ軍でも、

 宇宙ロケット、航空機のごく一部の部品にしか使われない。

  

 高張力鋼

 鉄にマンガン、シリコン、ニッケル、モリブデンなど合金元素を添加。

 焼入れ、焼き戻しをした鋼材。

 ソ連は、71年からチタン鋼のアルファ型原子力潜水艦7隻を建造。

 恐るべしソビエト海軍。

  

 

 国家間取引での利益配分率

 日本連邦は、アメリカに生殺与奪を握られていないため、

 史実よりは、有利な利益配分率です。

 しかし、力関係は、ありますね。

 うん、ありがち、ありがち。

   

 あかちょうちん

 ・・・・課の為とは・・・・

 せめて、省とか、局とか・・・・

 いや、ありがち、ありがち・・・

 「課を潰しても、お国のため」

 という人間は、クビが飛びますから・・・・

  

 

 九字真言 密教系

 臨(りん)・・・兵(びょう)・・・闘(とう)・・・者(しゃ)・・・皆(かい)・・・

 陣(じん)・・・列(れつ)・・・在(ざい)・・・・前(ぜん)

 

 

 大局的な、問題は、対ソ、ソフト路線のジミー・カーター大統領の登場です。

 ウォーターゲート事件の反動とはいえ、弱腰なアメリカ政府。

 今後、日本と欧州諸国は、対応を迫られそうです。

 

6000t級やまぶき型巡洋艦

  日本海・東シナ海 北太平洋・北極海 南太平洋・南シナ海 地中海・インド・太平洋 年度
第一次 やまぶき あかしや あじさい あすなろ さざんか しもつけ ねむのき ろうばい 56年度艦
第二次 しゃくなげ さるすべり ゆきやなぎ はなみずき はなずおう うめもどき こむらさき かくれみの 60年度艦
第三次 ゆきざさ ゆずりは えにしだ くちなし くましで みずなら もくせい もくれん 64年度艦
第四次 えのきぐさ からすむぎ からすうり くまやなぎ ひめうつぎ もみじがさ つくしはぎ すずめうり 68年度艦
第五次 あかまつ つめくさ つゆくさ かまつか あかしで しらかし しらすげ とだしば 72年度艦
第六次 やぶつばき やまざくら さねかづら しろよめな つるまさき とねあざみ とぼしがら かすまぐさ 74年度艦
第七次 さわしば せんぶり やまうり あわぶき かさすげ おにすげ あおみず あおすげ 76年度艦
第八次 むくげ やつで のぶき みずき みつば よもぎ さつき すすき 78年度艦

   

2500トン級 やまひめ型 潜水艦

第一次 やまひめ おおひめ たかさご おにひげ こしなが このしろ むぎつく ひらまさ
第二次 しいら ひめじ あしろ やつめ めじな やまめ あまご いさき
第三次 くさやむろ おあかむろ あかひめじ よめひめじ くろさぎ わかさぎ ひいらぎ かわはぎ
第四次 あかむつ くろむつ ばらむつ やせむつ かわむつ ぬまむつ たかはや しらはや
第五次 あかえそ おきえそ しまそい くろそい おいかわ まつかわ あかいさき しまいさき
第六次 あおはた あかはた あざはた きじはた るりはた にじはた あかはぜ さびはぜ
第七次 やりぬめり ほろぬめり せとぬめり そこぬめり やいとはた おおめはた いやごはた ほうきはた
第八次 ゆめかさご みのかさご ふさかさご しろかさご ぎんあなご くろあなご しろあなご おきあなご

 

  

 

 

 1976年です。

 日本アニメ。舞台も、国際的になっているかもです。出雲発、秋津発、昭南発、瑞穂発などなど、

 労働者が強くなければ、セル画描きは、低賃金で雇える南米の秋津が有利かも。

          

 

 

   

 

 

コンコルド

  

 

 

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よろしくです。 

1976年 昭和51年 誕生酒 (楽天)

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第85話 1975年 『カレーの肉は?』
第86話 1976年 『出るクイは、打たれるよ』
第87話 1977年 『他が為に金がなる』