月夜裏 野々香 小説の部屋

     

After Midway

 

第87話 1977年 『他が為に金がなる』

 米ソ対立、自由資本主義と共産主義を機軸とする世界情勢。

 世界で注目を浴びている紛争地、係争地は多い。

 しかし、元々の原因は、その地域に内在していたモノといえる。

 トカレフとAK47は、それを鮮明にしただけだった。

 法を守る事が善で、法を破れば悪、

 基本的人権が保証された国なら当たり前の感覚でも、

 体制の都合で、ごり押しで作られた不公正な法だとしたら・・・・・・・

 人権が侵害され・・・

 踏み躙られ・・・

 虐げられ・・・

 生存を脅かされ・・・・

 そこには、善も、悪も、存在しない。

 法の下で下層階級の生存圏が脅かされると、大人しく殺されろは無理な話しで・・・

 インドのダリット反乱。

 中国西域の少数民族と貧民層の蜂起。

 共産圏内の反体制勢力、不穏分子。

 東洋系ユダヤ人と白人系ユダヤ人の抗争。

 アンゴラ内戦。

 カンボジア内戦。

 エチオピア紛争。

 南米諸国の軍事政権。

 他にも細々とした紛争・係争が起こり、

 差別、貧困、主義を口実に人が殺されていく、

 仮に引き金を引くことが犯罪で罪だとしても・・・

 誰しも、生きるために引き金を引きたくなる。

 そして、主義主張が国と民族を分断してしまう。

 東西ドイツ。

 南北朝鮮。

 南北ベトナム。

 中国と海南国がそうだったりする。

 

 紛争・係争を緩和させた事例もある。

 キプロスは、ギリシャ系とトルコ系は制度的な優遇(圧力)?

 と文化的な交流から融和が進む。

 パレスチナでは、東洋系ユダヤ人とアラブ・イスラム世界の融和が進み。

 反イスラエル、反アラブが軽減される。

 南アフリカ公国連合内では、アフリカ新興独立国で見られる内紛は小さく、

 治安が安定していく傾向にあった。

 チベット独立で、チベット人の民族自決が可能になったこと。などなど・・・

  

 決着の付いていない対立も残されていた、

 米ソはICBMを向け合い、

 日本は、自由・共産の対立軸の合間を縫って、経済大国化してしいく。

 大国が国内問題を解決するため、

 政治力と軍事力で小国の経済的な事情を無理やり捻じ曲げる。

 産油国の石油輸出量や貿易摩擦などが、それだったりする。

 石油輸出量と貿易摩擦になると、日本は、当事国になってしまう。

 エコノミックアニマルと陰口を叩かれながら・・・・・

 (−・−)   「軍国主義の方が・・・」

 ( ^ ・ ^ )``  「あ・・・いや、このままで・・・」

 

 日本は、有色人種諸国、黄色人種諸国が目指すモデル国家だった。

 後進国の多くが日本へ留学生を送り込み、日本の本質を探らせる。

 島国であるため、犯罪を起こしても逃亡が難しい。

 日本の刑事ドラマで海岸や断崖絶壁で犯人が捕まるのは、それを象徴する。

 また天災で貧富が固定されず。

 建築物の修復など高いレベルで技術を維持しなければならず、技術者の価値が高いこと。

 天災時に助け合うなど和を重視しやすい環境も作られる。

 村社会は、問題点と同時に相互信頼関係が強い基礎条件が生まれやすい。

 これは風土的な強制力でしかなく、

 他国では、社会全体の信頼関係と協調性を得るため宗教で善悪と価値観を一つにする。

 それ以外でいうと・・・・

 「・・・・他の国民より、勉強して、働いていただけなの?」

 「うん」

 「・・・・・・」

 勤勉、勤労、滅私奉公以外の秘密がない事が分かると留学生は退いていく。

 私利私欲と現世利益を目指す人間にとって、死刑宣告に近い衝撃となった。

 

 

 戦前・戦中・戦後、

 日本の工業は、欧米の下請工場であり、組立工場でしかなかった。

 戦後再建も欧米から購入した良質のマザーマシンが使われる。

 日本工業の下地は、秋田のドイツ人租界地と朝鮮戦争による規格統合と品質向上で育った。

 そして、米国で、最初のNCフライス盤(1952年)が完成する

 NC(数値制御)工作機械は、数値を入れていくだけで素材を削れていく、

 低賃金・長時間労働でき、没個性的でマニュアル化され易い国民性により、

 基礎工業力は飛躍的に引き上がってしまう。

 以前は、部品が壊れたり、磨耗したりすると、

 外国から部品が届くまで操業停止ということも珍しくなかった。

 しかし、工業力が強くなれば需要と供給で採算しだいでライセンス生産が可能になる。

 日本人の勤勉、勤労、滅私奉公の精神が花開くと、世界有数の工業国になっていた。

 とはいえ、資源小国で脆弱な砂上の楼閣でしかなく、

 日本のエネルギー資源が自立したのは、飛鳥ガス油田が軌道に乗ってからといえる。

 日本の市民権売却が日本民族の視野を高め、ときに広げて異国人種を味方に付けていく、

 人質だったはずの海外州が日本の外交戦略を安定させ、

 国際的地位を押し上げてしまう。

 不倶戴天の国際情勢下、

 妨害も少なく、日本が急成長できたのは戦後の厭戦機運と米ソ冷戦のおかげといえた。

 そして、中国共産化、朝鮮革命戦争など、いくつもの幸運が味方し、

 日本は、有色人種国家でありながら、アメリカに次ぐ経済大国となっていた。

 それだけではない、

 日本のICBMは、ワシントンも、モスクワも射程に収めることができた。

   

  

 01/

 日大理工学部の学生グループ。

 人力飛行機で飛行距離2093.9mの世界新記録を樹立。

  

 イギリスの経済危機救済で、IMFが39億ドルの貸付けを決定。

  

 アップル社、25万ドル近い資金により法人化。

  

 チェコスロバキア、自由派知識人257人が人権の抑圧を批判する「憲章77」を宣言。

 西側各紙に掲載される。

  

 フランスの大学入学資格試験(バカロレア)、

 日本語が英・独・伊・スペイン語と並んで第1選択外国語に加えられる。

  

 アメリカ、カーター民主党政権が成立。

  

 ソ連検察当局が、※ サハロフ博士に反国家的言動をやめよ。と厳重警告。

  

  

 02/

 ECは、日本製ボールベアリングにダンピング課税20%を課すことを通告。

 対日経済制裁措置第1号。

 出雲

 セールスマン

 「・・・ひでぇな〜 ECの連中。国が20パーセントもピンハネするなよ」

 「だけど、どうせ、EC準加盟の出雲経由なんだから意味ないよ」

 「なに考えているんだ・・・ECは?」

 「国内企業と労働者の保護。ただの嫌がらせというか、パフォーマンスだろう」

 「日本から直接じゃなければ、出雲に近いフランス、イタリア、スペインが有利だろう」

 「だから、フランス、イタリア、スペインの陰謀だろう」

 「イギリスとドイツが損をするのか」

 「欧州経済の重心を北部から南部に移動させたいのだろう。我田引水だよ」

 「しかし、いくら働いても20パーセントも関税をかけられたら日本企業も困るだろうな」

 「どうかな、国内企業のボールベアリングが潰れようと、国の監視をかいくぐろうと」

 「品質が良くて、安い部品があれば欲しがるよ」

 「それが企業の生きる道か・・・」

 「しかし、日本の保護政策も槍玉に上がっているだろう」

 「農業だろう」

 「作地面積は、企業農法で支えて、段階的に自由化して温室から出しているよ」

 「工業化は追い風だけど、国家戦略の観点で農業離れは厳しいな」

 「瑞穂州と敷島州も割のいい工業製品を作る方が好まれているからね」

 「工業は、税制の優遇で北方に重心を移動させているけど民間は、面白くないだろうよ」

 「農業機械が、もう少し、なんだろうか」

 「少しばかり軍事に予算が取られ過ぎているかも」

 「専業農家も、兼業農家も、企業農法に押されている」

 「このままだと、能力のない個人農業経営者は、生き残れない」

 「選択枝は、田畑を企業農業に渡すか、売るか、だろうよ」

 「資金、機械化、情報、流通、市場で企業側が優勢か、そりゃ、そうだ」

 「日本の食料自給率を維持する点は優れているよ」

 「農業用地を維持する点。収穫率も付加価値の高さもね」

 「余剰米をソビエトに輸出できるほどだ」

 「食料全体の自給率は低下しているのに何で余剰米なんだ」

 「備蓄米と、米より他のモノを食べている関係だろうね」

 「米以外の機械化が遅れているだけじゃないか」

 「なるほど・・・」

  

  

 チベット独立戦争が一息つくと中国との国交問題が出てくる。

 中ソ蜜月で中国の近代化も進んでいたものの軍需産業だった。

 中国の民生品は乏しく、一般民衆は生活必需品すらなく、さらに貧しかった。

 しかし、中国首脳部も権力闘争の合間に考えることがある、

 中国が世界的に孤立するのは好ましくない・・・

 なぜなら大陸で権力を喪失すると、資本主義のような新規巻き返しがなく、死を意味する。

 それなら海外口座に資本を隠し、亡命先を作っておくべきだと、

 中国で生産したものを直接、西側に輸出すれば外資が入る。

 その外資で楽ができ、自らの権力構造を維持拡大でき、

 さらに国外に避難所も作れると・・・

 

  

 香港

 西側と中国との接点は、香港になることが多かった。

 中国の一人当たりのGDPは低く、購買力で劣っていると見られがちだった。

 しかし、総人口に占める共産党の10パーセントが中国の国益を代表しており、

 しかも国内事情を先送りできるためか、

 動かせる資本の大きさだけなら世界でも有数のお金持ちであり、

 同時に中国大陸に眠る地下資源は、魅惑的だった。

 さらに中国は、インドの様な多言語やカーストの弊害がなく、

 経済的な勢いがつけば成長も早いと見込まれた。

 膨大な地下資源。

 潰しの利く労働力。

 大量消費。

 一次的な利潤が再生産を繰り返せば利潤が膨らみ、雪達磨式に豊かになる可能性を秘めていた。

 日本、アメリカ、中国は、いくつかの事務レベルの協議の後、

 日米中で国交回復の仮調印を行なう。

  

  

 全米ネットABCテレビ。

 アレックス・ヘイリー原作「ルーツ」8日連続放映。テレビ史上最高視聴率35%。

  

 

 日米漁業協定が調印。200カイリ水域の初協定。

  

 インド大統領。副大統領のジャティが大統領就任

  

 中国、トウ小平の副主席復帰。江青など四人組の永久追放を発表。

  

 北朝鮮で、金日成主席の後継者として息子の金正日が推挙されていることが判明。

  

  

 03/

 アメリカとソ連が200カイリ漁業専管水域を実施。

  

 インドにジャナタ(人民)政府が樹立。

 インドの権力構造が、どう変わろうと、それは、表層面でしかなく。

 根底のカースト問題はなおざり、

 カーストは反旗を翻したダリットを根絶し、従順させるまで手を緩めず虐殺が続く、

 ダリット側も踏み躙られるばかりではなく、抵抗する武器があるのなら必ず抵抗する。

 そこには、宗教的な寛容性はなかった。

  

 ルルとヤマトの戦いは、適当な場所に罠を仕掛け、

 そこにインド軍を誘い込んで壊滅させるという戦法を取った。

 問題は、インド軍を誘い込む手法でネタが尽き始めていることだろうか。

 ルルが、神妙な表情で、本を見つめる。

 孫武? 『孫子』

 クラウゼヴィッツ 『戦争論』

 横山○輝 『三国志』(漫画) 71年〜

 を読みながら新手の誘い出し作戦を練っていた。

 そして・・・・・・

 地図を見ながら作戦会議。

 「・・・ルル・・・・だ、大丈夫なのか? これで」

 「こっちの戦力も揃っている。そろそろ、こういう作戦もいいだろう」

 インド人が日本の漫画を読んで、作戦を考えるのも妙な気がする。

  

 そして・・・・・・

 ×ね×ね機械旅団のアジト。

 「ルルとヤマトめ・・・ダリットは、後回しニダ。あいつら、絶対に捕まえてやるニダ」

 ×ね×ね機械旅団のK大佐も、『孫子』 『戦争論』 

 『三国志』(漫画) 71年〜を読んで捕獲作戦を練っていた。

 どちらも付け焼刃。

 K大佐は、韓国人らしからず。

 自分の能力を過信し過ぎていない点でルルと同レベルといえた。

 いや、勝ったら自分が考えた作戦だと言い張るつもりで柔軟な思考といえる。

 どちらにしろ、まだ、机上の空論。

 組織力と変化する情勢に合わせ、実行に移せる作戦も制約されていく、

    

   

  

 ルーマニアでマグニチュード7.2の大地震が発生、首都ブカレストが瓦礫の山となる。

  

 カイロで、第1回アラブ・アフリカ首脳会議。

  

 アメリカ国際貿易委員会、日本製カラーテレビの輸入増で米国内産業に被害があると裁定。

  

 インド総選挙 国民会議派大敗、インディラ・ガンジー首相(60)落選。

 ジャナタ党のモラルジー・デサイ党首(81)新首相。

  

 エングアビ大統領 公邸内で射殺。(誕生:1938)。

 コンゴ人民共和国国家評議会議長。軍部が全権を掌握。

  

 04/

 世界卓球選手権で河野満が中国の郭躍華を破って初優勝する。

 日本の優勝は8年ぶりとなる。

  

 フィリピン南部13州、イスラム教徒自治に関する住民投票。94%が分離自治に反対。

 モロ民族解放戦線は投票を棄権。

 

 日本初の高速増殖炉「常陽」が臨界。

 

 全日本柔道選手権で、山下泰裕が史上最年小で優勝する。

 

 ソ連が現行の日ソ漁業条約の廃棄を通告(1年後に失効)。

 

 国立大学共通1次試験 大学入試センター発足。

 

 

 05/

 領海12カイリ法、漁業水域200カイリ暫定措置法が成立。

 

 ロンドンで、第3回主要先進国首脳会議が開催される(ロンドン・サミット)。

 

 ヒロシマ、ナガサキ、オワフの非核団体が世界非核サミット。

 

 アメリカ映画「スター・ウォーズ」が公開される。

  

 05/20 Su27 フランカーB 初飛行

 

 

 06/

 全国公害被害者が集会。環境庁と経団連にデモを行う。

 

 イギリス、エリザベス女王即位25周年記念式典がロンドンで挙行。

 

 ジプチ共和国独立。

 

 東京外為市場で円が急騰、1ドル268円60銭を記録。

  

  

 F4ファントムの改装は、電装品の一部を換装するだけで終わる。

 日本が求めている対艦装備、対地装備の比重が違うものの、

 対艦攻撃も対地攻撃も必要と思われたらしく、

 数人の技術者が、あちらこちら見ている。

 「・・・エンジンの耐久時間を越えたら雷燕2型のエンジンに換装する」

 「元は、同じジェネラル・エレクトリック製だからね」

 「日本製は軽くて推力8200kg。F4ファントムは推力7960kgだ。速度が上がるな」

 「エンジンが機体の重心に近いのが助かるね」

 「しかし、質量バランスで尻が軽くなるから後方レーダーを強化するか」

 「それともチャフか、フレアを積むか検討しよう・・・」

 「ミサイルも日本製のものに換装するから」

 「その時、バランスが狂わないように外板の一部をチタン製で軽量化するか」

 「性能向上は、さすが、日本製エンジンでしょうか」

 「いや、ターボファン化させて、チタンとジルコニウムの比率の差で、そうなっているだけ」

 「基本構造はJ79で亜種だからね」

 「アメリカは、F14はTF30系、F15はF100系、F16はF110系で進化してる」

 「ね、値段が高いだけですか」

 「アメリカに新規開発してもらって、日本で生産・改良してアメリカに売る」

 「これがな・・・日本の生きる道」

 「加工する力ですか、独自開発もしたいですね」

 「加工なら試行錯誤で済んで成功率が高い」

 「開発は、暗中模索で負担が大きい割りに成否が分かれる」

 「やっても途中でアメリカとのライセンス生産で声がかかる」

 「たしかに・・・・」

 「日本の開発力は、資金、人材、設備とも負けている」

 「分母を減らして集中して投入するしかないな」

 「・・・国力差は、シビアですね・・・」

 「独自開発を増やすには、CADで追いついてから、かな」

 「やはり、アメリカが先行していると」

 「そう思わなければ、納得いかないものもあるよ」

 「あ、政府専用機は、そのままで?」

 「んん・・・あっちは、ボーイング社で改装してくれるだろう。何人か派遣するがね」

 「企業と消費者がアメ車を買いたくないからって、政府がジャンボジェット機なんて・・・・」

 「シワ寄せが国民の税金だよ」

 「専用機である必要があるのか疑問だけど。ボーイング747自体は悪くないかな」

 「普通は、待機中の機体で政府チャーター機を準備しますからね」

 「イザという時は、エアフォースワンになるのかな」

 「機能的には、それらしく作られるんですよね」

 「たぶん、そうだろうな」

  

      ※ ジルコニウム 比重6.5。融点1852℃

      ※ チタン     比重4.5。融点1812℃

  

  

 CAD・・・・コンピュータ援用設計は、コンピュータを用いた製図システム。

 思い付き、インスピレーションを図面化できた。

 脳内のアイデアが現実に影響を与えやすい時代、

 CADは、それまで相手にされなかった人間に光を当てる。

 能力だけでなく、実力だけでなく。

 想像力のある者を公の場に引き出し、

 創造と芸術の価値を一般に共有させてしまう。

 技術力と財政的な余裕と市場が見込めるのなら、

 人の個性と想像力が技術を革新させる時代なっていく、

 彼らをニュー・フリー・タイプと思うか。ニュー・ウェーブ・タイプと思うか。人による、

 時代が新しい技術を要求し、新しい資質が生まれ、新しい時代が育っていく、

 

 アップルコンピュータ社がマイクロコンピュータApple II を発売

 

 07/

 東南アジア条約機構(SEATO)。

 日本(昭南州)、インドネシア、マレーシア、

 ブルネイ、フィリピン、タイ王国、

 南ベトナム、北ベトナム、カンボジア、

 ラオス王国、ビルマ王国。海南国・・・

 日本本土決戦の功績で、

 日本政府から貰った勲章を誇らしげに胸に着けた者たちが国の代表になっていた。

 日本の国力の差がそうさせているのか、

 日本以外の国が立つと他の国が納得しない事が多く、

 好むと好まぬとに関わらず日本は中核だった。

 そして、日本に対して、というより、他の東南アジア諸国と張り合う事が多く、

 中産業興業で組み易い日本とアジア連合を目指す勢いもあった。

 日本と有色人種諸国は、貿易量を毎年のように記録更新しており、

 その一つの品目でも交易が止まれば生活できなくなる人間も増え、

 国際市場にも少なからず影響を及ぼした。

 政府と財界は莫大な収支に干渉すべきではないと考えており、

 八方美人で優柔不断で無策無能な状況に追いやられていく、

 日本にすれば、有色人種諸国の思惑とは裏腹に、

 白人・欧米諸国は、先端科学技術と利潤の大きな高品位商品の取引先であり、

 どちらとも取引関係が崩れると、経済破綻の可能性が強まっていた。

 

 日本政府は、自ら情勢を作りだすといった気概もなく、

 有色人種諸国と欧米諸国の調停役のような役割を背負い込まされてしまう、

 日本代表は、議長席で、ぼんやりとしている。

 発展途上国の勢いは強い、

 「東南アジア諸国は、自由主義と共産主義によって、国内を混乱させられるべきものではなく」

 「自主独立、自主文明圏を構築すべきである!」

 拍手、喝采。

 「・・・・・」 ぼんやり

 「なぜ、我々が、白人世界で作られたイデオロギーで殺し合わなければならないのか」

 「断じて、無知蒙昧な思想と主義主張で殺しあうべきではない」

 拍手、喝采。

 「・・・・・」 ぼんやり

 「」

 「」

 主義・思想・宗教は、万人を信じ込ませ、

 民衆の感情を煽り誘導する力がある、

 そうでなければ思想、主義、宗教とは言えない。

 仮に思想、主義、宗教を凌駕するモノが現れても、

 既得権が存続する限り消えることはなかった。

 共産主義は、平等を追及し、

 欲望を否定したことで競争心を削ぎ怠惰なままに経済を停滞させやすく、

 資本主義は、欲望を追及し、

 平等を否定たことで既得権を奪い経済を破綻させる恐れがあった。

 多くの国が国権と民権、公私の狭間で鬩ぎ合い、

 妥協しつつ折り合った結果、義務と権利が生じる。

 制度が理想を追うほど、非合理で矛盾した人間が着れないものに仕上がり、

 皺寄せが弱者に押し付けられていく、

 独立してまだ間もない後進国は、資本主義と民主主義の狭間で、

 アイデンティティを保とうと躍起になっているといえた。

 『カオス過ぎる・・・』

 

  

 

 領海法・漁業水域暫定措置法が施行。領海12カイリ、200カイリ漁業水域が設定。

 

 パキスタン。

 軍部クーデターが失敗し、反乱将校が逃亡し、現政権は返り咲いた。

 連鎖的な軍事クーデターを防ぎとめられたのは僥倖といえたものの、

 選挙の敗退は、予定調和といえる、

 秘密警察で軍部を押さえ付けろとでもいうのだろうか。

 軍部支配の社会は重苦しく、

 秘密警察支配の国家も息苦しい、

 単に軍が身をわきまえ、自制できるのならそれでいいといえた。

 インダス川を渡す橋が建設され、近代的なビルが建設されていく、

 これは国家経済基盤を充実させつつある証拠といえた。

 桜並木が両岸を埋め、

 河川観光船の白人と黄色人が共に酒を飲んでいた。

 「・・・軍部のクーデター阻止。本当によかったので?」

 「部族社会からいきなり、国家機構だから、いろいろあるよ」

 「現政権も、クーデター政権も、パキスタンの内政問題を解決できない」

 「我慢するしかないね」

 「少なくとも、こちらの貸しは大きいですな」

 「しかし、我慢して何とかなるというわけでも、ないような・・・」

 「混血優遇政策は、それなりでは?」

 「難いやつの血統じゃなく、両方から疎まれてる子供だから、本当にそれなりだよ」

 「経済は、強くなっている」

 「宗教国家連合の総本山がチベットになったのが大きいだろうな」

 「献金の波及効果か。宗教団体が連合して銀行やったら無敵だろうよ」

 「おかげで、パキスタン経済も余波を受けて伸びてる」

 「実体を持たない宗教国家連合が、これほど力をつけてくるとはね」

 「資金力を考えたら国際連合も真っ青だな」

 「人民から直接集金できる宗教連合と、国家ごとの枠組みで集金する国際連合じゃね・・・」

 「口出し無用にされアメリカが落ち込んでるし」

 「金と票を握っているなら宗教は強いよ」

 「ふっ 宗教は、人の欲望を超えてしまうときがある?」

 「時々だよ。時々」

 「しかし、宗教国家連合に銀行の真似事をされると・・・・・」

 「できれば、個人的な人材発掘を目的とした投資にして欲しいですね」

 「表面的には、そういう風にするだろうが、何しろ巨額な資金だ」

 「ユダヤ資本、アラブ資本、華僑資本、和橋資本も、ひっくり返される」

 「宗教国家連合は、チベット独立戦争で、信頼を得たようだ」

 「国家に対する反動で各宗派とも献金が増えているからな」

 「はぁ 奇麗事を国際政治に持ち込まれても困るけどね」

 「こっちが利用できるのならかまわんがね」

 「たしかに・・・・」

  

 ニューヨーク。25時間にわたる大規模な停電。

 広範囲にわたって略奪や放火事件が起こる。

  

 キャンディーズが「普通の女の子」にと引退宣言。

  

 ひまわり(静止気象衛星)1号が瑞穂宇宙基地から打ち上げられる。

 

 

 インド

 インド軍の演習が演習していた。

 留守のインド軍駐屯地に隙が生まれ、

 ルル・ヤマト反乱軍の襲撃がはじめる。

 「ヤマト・・・どうだ?」

 「留守部隊は、少ないようだ・・・50人くらいだな」

 「ばかめ、第15の計 “虎を調(あしら)って、山を離れしむ” に引っ掛かりやがったな」

 「・・・ルル。ずいぶん、漫画を読んでたな」

 「ふっ 偽の命令書で演習に行きやがった」

 演習で留守になった駐屯地にルル・ヤマトの反乱軍が忍び込んでいく。

 基地の中は、毒蛇による撹乱で大騒ぎ、

 反乱軍は、たちまち駐屯地を制圧し、戦利品を奪って撤収ていく。

 「・・・やったな。ヤマト。作戦は、大成功だ」

 「・・・・・」

 「どうした? ヤマト」

 「・・・・敵だ!」

 「ん」

 「どこだ?」

 「あのジュート畑」

 高さ2メートルほどのジュート畑が目の前に広がっていた。

 「本当に?」

 「・・・・虫の音が止んだ」

 「虫の音?」

 「いる」

 「・・・虫の音?」

 「・・・いいから、攻撃しろ」

 反乱軍がジュートに向け、銃撃を始めると、ジュート畑からも反撃がはじめる。

 そして、いたるところに伏兵がいるのか、

 辺り一帯から攻撃され、反乱軍も苦戦する。

 とはいえ、ジュート畑の主力部隊が先制攻撃され大混戦。

 ルルとヤマトは、岩陰に隠れ、AK47を撃つ、

 「ちっ! やばいぞ、ルル。相手の方が多い」

 「・・・くっそぉ〜 どうして、ばれたんだ。俺の計画にミスはなかったはずだ」

 「ルル。蛇をあの谷側に誘導する。それで、突破しよう」

 「万が一のことを考えて、地雷を仕掛けてある」

 「ああ・・・しかし、ヤマト。何で、敵がいることがわかったんだ?」

 「? だから、虫の音だって」

 銃撃が岩に当たって、辺りが硝煙に包まれる。

  

 「・・・反乱軍め。どうして、罠が、わかったニダ?」

 岩の後ろにK大佐がいた。

 「・・・K大佐だな。どうして、こっちの作戦がわかったんだ?」

 「あははは、ばかめ。空城の計の応用ニダ」

 「しかも、自分の部隊ではなく、インド正規軍の駐屯地を使ったニダ」

 「げっ!!」

 「あははは、お前らが演習地の近くで密輸組織と会うとデマを流してやったニダ」

 「なんてことを・・・」

 「そして、お前らには、インド軍が演習に出かけると情報を流したニダ」

 「お前らがノコノコでて来るのは、お見通しニダ」

 「・・・やばい」

 「わはっははは、死ねニダ。ルル、ヤマト。今日で、お前たちの最後ニダ」

 突然、重砲弾が辺り一帯を包み込み、爆音が轟き、

 敵味方関係なく、砲撃の的になっていた。

 「なっ! ど、どういうことニダ!!」

 「第03計 “刀を借りて人を殺すの計” だよ」

 「×ね×ね機械旅団が反乱を起こそうとしていると、演習に出たインド軍に教えたんだ!!」

    ※ 二虎共食の計 ともいう。

 「なっ!」

 「K大佐がインド人を馬鹿にしてた。ともな!!」 ヤマト

 「なっ! なんだと!! このガキども!! もう許さ・・・」

 砲撃の雨で周囲が爆発と爆音と爆風に包まれ、

 ごほん! ごほん! ごほん!

 「うぁ〜 アイゴ〜 ニダ〜!!」

 インド軍の砲撃で辺り一帯は、滅茶苦茶になっていく。

 インド軍は、×ね×ね機械旅団が駐屯地を襲ったと誤解。

 砲撃は、誤解が解けるまで続き、

 その間、ルル・ヤマト反乱軍は逃走する。

  

  

 ネバダ核実験場

 地下の土砂を高価な観測機ごと噴き上げ、きのこ雲が立ち昇る。

 精密機械が自らが破壊される様を送信しながら生涯を終えてく、

 高価な実験といえるが、これで、核兵器の小型化を実証できる。

 日米関係は刺激ある関係といえた。

 不思議なことにこの関係が互いの軍隊を維持する上で都合が良かった。

 日米の将校が並んでいた。

 「・・・日本のレーザー兵器の調子は、どうです?」

 「限定された空域のみの防空ですよ」

 「高山配置でもレーザーの減衰はありますが直撃を防ぐ事ができそうです」

 「戦略拠点ごと守れるのは、悪くないでしょう」

 「相互確証破壊とは違った抑止効果がありますよ」

 「“世界が燃えつきる日” ですか」 ※映画

 「少なくとも、一方が文明を維持できる地域を限定的で守れるなら核戦争をしたくないだろうね」

 「核戦争自体、得るモノより失うモノの方が多いはず。国家そのものを崩壊させかねない」

 「単一民族の日本人は、核戦争後も再建しやすいでしょうな」

 「さあ、どうでしょう。アメリカの核シェルターも、そうなのでは?」

 「あはは・・・」

 どこの国も似たようなことを考える。

 「・・・F4ファントムは、どうです」

 「ベストではありませんがベターですよ」

 「それは良かった」

 「黒字減らしで売りつけられた腹いせにワシントンにICBMを撃ち込まれたくない」

 「まさか、国ごと自殺なんて、できませんよ」

 「それに日本の国防省としては助かりますからね」

 「まあ、お互い様ということでしょうね・・・・」

 「ふっ 外圧でもないと、なかなか・・・・」

  

  

 中国共産党第10期3中総で、トウ小平が党副首席に再復活され、四人組を除名する。

  

 中国共産党が、江青ら四人組の除名を決定する。

  

  

 08/

 原水爆禁止世界大会の統一大会 14年ぶりに開催される。

 

 日立造船、国内最大50万トン・タンカーを完成。

  

 中国共産党第11全大会 文化大革命の終結。新党規約が発表。

 

 ロンドンで、右翼団体「国民戦線」1500人と有色人種3000人が大規模な衝突。

 

 ユーゴスラビアのチトー大統領がソ連を訪問する。

 

 アメリカのバンス国務長官が中国を訪問する。

  

 

 09/

 日本連邦の貿易は国境を遠く離れ、

 日本人のいない世界はなく、

 陽が登ってる側にも、陽が沈んでる側にも常に日本人がおり、

 陽の沈まない通商国ともいわれる。

 海上航路は日本経済にとって命綱であり、

 国土を防衛できても通商破壊されるだけで日干しとなる。

 中途半端に引き籠もった軍事戦力に頼り切るのは危険であり、

 国際外交戦略を含めた総合力が問われた。

 

 アメリカ潜水艦とソビエト潜水艦は、日本の大きな脅威となっていた。

 日本のSOSUSは、潜水艦への通信・送電ケーブルも兼ね、

 広範囲に探査領域を広げることができた。

 しかし、潜水艦と違い設備更新は煩わしく、

 領海侵犯で発見し警告すれば、SOSUSの存在と性能が知られる、

 アメリカ海軍でも日本とソビエト潜水艦の静粛性と高性能化が問題となり、

 事前に敵性国家の潜水艦の出す音紋を記録し、

 僅かな違いを個別化させる音響測定艦を誕生させていた。

 アメリカ海軍が音響測定艦の艦型をSWATH型双胴船としたのは、平時運用を主任務とし、

 音響測定を最優先にしたためだった。

 日本は、この艦種をさらに大型化し、

 月影の着艦プラットホームも兼ねさせる計画を立てた。

 月影VTOLの航続距離は2500kmであり、

 洋上で補給できるならヘリより哨戒圏を広げることができた。

 苦肉の策とはいえ、安上がりな実験艦を計画する。

 

 アメリカは、国際的なイニシアチブが海外派遣能力に比例すると気付いており、

 南アフリカ公国連合機動部隊とアメリカ機動部隊のエチオピア作戦で確信に変わる、

 40000トン級クジュウクリ型強襲揚陸艦(76年)を建造し、

 輸送ヘリを使った強襲上陸能力を高めていた。

 日本は、アメリカほど海外派遣能力を必要としていない国情にあり、

 津軽海峡トンネル、宗谷海峡トンネルの建設も進んでいた。

 しかし、島礁を奪われた時のカウンターアタックが脆弱だと国際社会で舐められる。

 必要性が疑問視されたものの

 一号・二号輸送艦、旧式アメリカLST艦・リバティ船を使い潰しており、

 日本も空母型揚陸艦を建造し、

 且つ、外洋で指揮、補給、ヘリなど運用しえる対潜ヘリの運用も求められた。

 そこに追い風の黒字減らし、

 普通以上に働いて稼いだ金なのに各国とも日本の一人勝ちはズルイと思うらしく、

 さらに妬まれるのは面白くない、

 日本は、F4ファントムを購入することで切り抜けようとしたらしい、

 しかし、日本の貿易黒字は、アメリカだけでなく、全世界的なものであり、

 政府の肝いりで、レアメタルの大量購入など行なうも不足だと思われていた。

 これまで、アメリカが非核団体の圧力を緩和するためと、

 日本の核技術情報の取得を目的としたネバダ核実験場の使用料も増額されていた。

 

 赤レンガの住人たち

 「・・・政府は、なんと?」

 「黒字減らしより、国債減らしだと」

 「国債発行で政府保証の不渡り手形で無理やり引っ張った経済成長だからな」

 「石炭と土建で回して、再生産とインフレで帳尻合わせたようなものだけど」

 「戦前の軍拡と戦後の民拡か、国家主導の構造は変わっていないからな」

 「馬車馬のように働かされただけと言えなくもないな」

 「結局、利権体制が固まってしまうと、聖域を作って醜く歪むからね」

 「まぁ 経済全体が危ないとしても日本は、アメリカと違って単一民族」

 「一蓮托生な安心感もあるし。死なば一億総諸共的な諦め感もあるし」

 「そうそう、5・15事件から一気に下り坂みたいな。でも押し切っちゃえみたいな」

 「「「「・・・・」」」」

 「取りあえず、F4ファントム。政府専用機。40000トン級強襲揚陸艦の購入かな」

 「・・・・それで、収まると?」

 「利権が大きくなってて、設備投資に反対する人間はいないからね」

 「昔の非国民・・・」

 「「「「・・・・」」」」

 「あいつら、ミカジメ料を欲しがるからな」

 「本当なら国内投資でお茶を濁したいらしいけど、アメリカ国債を買わされるより、マシだね」

 「クジュウクリ型なんて艦名から恐喝に近い恫喝じゃないから。ほとんど、ヤクザだよ」

 「日本人は、外国から資源を購入加工して、それを輸出して、生計を立てているんだぞ」

 「資源を持つ国の3倍も、4倍も働かないと利益を上げられないのに、儲かっているからって・・・」

 「あいつらぁ、きたねぇ〜な」

 「こんなことをやられていたら、まじめに働く人間がいなくなるよ」

 「搾取もほどほどに。アメリカも、それくらい、わかればいいんだ」

 「少しは、分かっているんじゃないか。それでアメリカも国債の購入から兵器購入に切り替えた」

 「いや、日本に核がなかったら押し切られたと思うね」

 「国家間の力関係だから総理と政治家の外交能力は関係ないからね」

 「しかし、クジュウクリ(九十九里)型強襲揚陸艦とはね・・・」

 「二番艦サガミ(相模)と三番艦カシマ(鹿島)の艦名は変更なしで、そのまま使えそうだ」

 「F4ファントム購入なら。空母購入はなかったのか?」

 「いくら黒字減らしでも空母は機密が多くて売らないよ」

 「価格も桁違いで、数でアメリカに圧倒される」

 「それにヘリ空母はないだろう。月影の着艦ができないからね」

 「しかし、揚陸艦なら一石三鳥で海外派の支持も得られやすい」

 「なにより、モノが大きいから」

 「日本は黒字減らしで強襲揚陸艦を買ったと強くアピールできる」

 「どちらにしろ、予算が回ってきたのは助かるよ」

 「旗艦にするの?」

 「そりゃあ、イザという時は、するだろう。一番、大きいし」

 「旗艦用の通信施設を拡張して・・・・」

 

 

 日本海軍は、空母やヘリ空母より、

 海上移動型ヘリポート基地という方向に向かっていく、

 F4ファントムがあるのだから、空母でも良いのでは、という意見も根強い。

 しかし、お国事情もあった。

 アメリカ合衆国は、本国が太平洋と大西洋で守られ(隔たれ)。

 国際政治力を海軍力で証明するしかなかった。

 日本は日本海を挟んで国土が大陸にへばり付き、

 狭い海域を挟んで、航路帯防衛と航空戦で決着が付く、

 機動部隊の意味合いも、重要度も変わってくる。

 機動部隊の編成など余裕がない限りできたものでなかった。

 そして、アメリカにとって日本が不利益な国家か、利益になる国家か、

 これにより、国際情勢で日本の立場も大きく変わってくる、

 そのため、少なからず妥協させられてしまう。

 こればかりは、国民が納得しようと、納得しまいと、

 国際力学が働いて落ち着くところに落ち付いていく、

  

  

 10/

 アメリカとソ連のSALT Iが失効。

 

 パリで行われている国際エネルギー機関閣僚理事会、

 加盟19ヵ国の石油輸入総量1日2600万バレルで合意。

 

 ソ連が新憲法を公布(ブレジネフ憲法)。

 

 ルフトハンザ航空の旅客機が地中海上空で西独赤軍に乗っ取られ、

 ソマリアのモガディシオ空港に向かう。

 その後、西独の対ゲリラ特別部隊28人が機内に突入。

 犯人全員を射殺、乗員・乗客86人を救出する。

  

 タイで軍部が無血クーデター。文民政権が崩壊する。

 

 10/06 MiG29K ファルクラムK型 戦闘機 ロシア海軍

  

 

 11/

 韓国の裡里(イリ)駅でダイナマイトが爆発。死傷者1300人。

   

 エジプトのサダト大統領がイスラエルの国会で歴史的平和呼びかけの演説を行う。

  

 フィリピン軍事法廷、

 アキノ元上院議員、ブスカイノ新人民軍司令官、コルプス新人民軍幹部に対し、

 国家転覆罪で銃殺を宣告。

  

 トリポリでアラブ強硬派6ヵ国首脳会談が開かれ、対エジプト凍結の共同声明を出す。

  

  

 12/

 経済対策閣僚会議が対外経済対策を決定(黒字減らし)。

 ボーイング747 (2機)。

 F4ファントム (160機)

 クジュウクリ型強襲揚陸艦 “さがみ” “かしま”。

 レアメタルの購入が決まる。

  

  

 飛鳥ガス油田基地(メガフロート)

 この基地の周辺海域をSOSUS網が蜘蛛巣城に張られていた。

 潜水艦隊、巡洋艦戦隊、基地航空隊は、存在感を示し、

 行き来するタンカーに安心感を与えている。

 飛鳥基地は、ガス油田であると同時に

 中国大陸を押さえ込む海上航空の拠点にもなっていた。

 F4ファントムが飛鳥に着艦する

 「・・・やれやれ、F4ファントムに、強襲揚陸艦か・・・」

 「中国海軍も、ソ連海軍も程度が低い」

 「幻凰の増強か、SOSUS網を広げる方がいいんだがな」

 「それじゃ 黒字減らしにはならないだろう。アメリカ製を買え、ってことなんだよ」

 「やだねぇ〜 企業が儲かっていたって、国と個人が儲かっているわけじゃないんだけどな」

 「そういえば、個人輸入機構は、どうなったっけ」

 「日本側の黒字減らしの代案だろう」

 「直接、日本の消費者とアメリカの生産者を結びつけるインターネット個人輸入機構?」

 「そう、そう」

 「逆に日本の生産者とアメリカの消費者も結び付けるんだと、アメリカ側が難色だよ」

 「落ちてるよな、アメリカの国際競争力」

 「日本みたいにサービス残業はないからね。価格だと、アメリカが不利になるよ」

 「ただ働きだからな。アメリカでやったら革命だな」

 「日本企業は、押さえ込まれて不自由なところがあるからね」

 「結局、企業が燃費の悪いアメ車を抱え込むのを嫌がって、国が借金してアメリカの兵器を抱え込む」

 「そして、借金のシワ寄せは、国民全体で抱え込むというところね」

 「酷いねぇ 弱者にシワ寄せか」

 「資源のない器用貧乏性でケチだからさ」

 「小さなケチが膨れ上がって、終いに手が付けられなくなってしまう。ありがちだね」

 「この飛鳥にあるよ。ガス油田」

 「海上だから実感できないんだろう」

 「寄り合い所帯で世知辛いけどな」

 「国防省と農林水産省だろう」

 「SOSUS網と漁礁の鍔迫り合い。いい加減にして欲しいね」

 「だけど、結局、空母は、駄目だったな」

 「空母は、強襲揚陸艦より高いだろう。艦載機も」

 「アメリカの国債を買うよりマシかな」

 「そのくせ、発言力が欲しくて国連の分担金は一番だし」

 「あははは・・・」

  

 

 国鉄がリニアモーターカーの初の浮上走行実験に成功。

  

 韓国の輸出額が100億ドルを突破する。

  

 

  

A8.net

駄文同盟.com     続・小説の主張   ファースト ナビ

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 月夜裏 野々香です。

 史実と同様。

 日本は、マザーマシーンを製造できるようになって工業的に独立。

 経済を成長させています。

 それも土地転がしにもよらず。

 国債発行は、史実の5分の2程度でしょうか。

 日本市民権と独立条約による資源の会得と市場確保。

 飛鳥ガス油田によるエネルギー事情でオイルショックにも耐え、

 程よく成長です。

 

 虫の音。

 日本人と外国人の脳の違いで良く出てきます。

 詳しいメカニズムは、言語上の問題でしょうか。

 日本人は、虫の音を言語と同じ左脳でとらえ。

 外国人は、右脳で騒音として処理され、

 聞こえない場合もあるようです。

 よく、わかりませんが、検索してみてください。

 

 

 CAD使いはニュータイプ?

 と、考えると現実の世界も面白くなったり・・・・・

 

 

 F4ファントム(戦闘攻撃機)の購入機数は、160機です。

 なので、戦闘機は新旧二世代合わせて、3倍、480機が定数でしょうか。

 空対空ミサイルの数からすると、

 電子管制機と一緒じゃなかったら、ちょっとピンチかも・・・

 

  

 クジュウクリ(九十九里)型強襲揚陸艦は、史実のタラワ型強襲揚陸艦です。

 輸送ヘリを使い、ヘリボーンで、あっという間に旅団を送り込みます。

 月影VTOLも離着艦可能で作戦の幅も広がります。

 購入するのは、できたばかりの2番艦サガミ(相模)と就役間近の3番艦カシマ(鹿島)です。

 どちらも関東上陸作戦に関連ある場所でしょうか 相模湾、鹿島灘 (笑)

 一時的に占領したからと他国の地名(戦地名)を艦名にしてしまうなど。

 ったく、ヤンキーは、とんでもない不逞の輩です。

クジュウクリ型強襲揚陸艦(LPH)  二番艦(サガミ) 三番艦(カシマ)
排水量

全長×全幅(m)

馬力(hp) 最大速力(ノット) 乗員  
40000

250×36

70000 24 935  
兵装(改装後)
牙鳳(対空ミサイル) 25mmファランクス ヘリ ハリア 揚陸部隊 車両
8基 6基 23機 6機 1870名 ・・・・・

 

 

 建造費115億円。(全長140m×幅30m) 総トン数1万4000トン。

 ガスタービン機関、最高速度44.8ノット。乗客数740名。

 世界最大級の総アルミ製大型船・・・・

 そうです。テクノ・スーパー・ライナー(TSL:2005年)です。

 双胴空母。不可能では、ありません。

 アルミの代わりにチタンを・・・ホンの20倍・・・・船体価格だけで、2300億・・・・・

 艦載機を除く、搭載兵装で3倍・・・穀潰しです。

 “やまぶき”型56年艦の第1次が100億。

 その後、20年間の物価高騰で3.6倍。

 しかし、やまぶき型76年艦。船体価格は、2.5倍で250億のはず、

 電装品や搭載兵器のおかげで、700億。なんと7倍。

 船体価格より高くなった電装品や搭載兵器に頭を悩ませてしまいます。

 こんな金を14000トン級空母に賭けるくらいなら、

 80000トン級ミニッツ型空母がマシでしょうか。

 それともチタンの耐久性で割得?

 船体価格より、電子・兵装類の価格の伸びが大きい。

 ということは、先に船体を作って、電子・兵藻類を追加した方が得?

  

 音響測定艦は低速でも良いので、材質的に割安。

 こちらは、程度の低い強襲揚陸艦と違い、

 本物の機密ですので、国産で建造になりそうです。

  

 スターリングエンジン。

 気体の熱膨張・熱収縮の温度差を利用したピストンエンジンで、

 気体は、熱を伝導しやすい高圧ヘリウムガスを使います。

 1816年 スコットランドの牧師、ロバート・スターリングの発明。

  

 ※サハロフ博士

 ソビエト原子爆弾の父で、ソ連軍の非人道的な体質から、反体制派に転向していく。

 日本も、国内・海洋で核実験をやっていたら、たぶん現れただろう。

 理想主義的な科学者タイプ。

  

 

 日米中で国交回復の仮調印がされてしまいました。

 利益が得られるのは大企業。

 そして、100円ショップファンでしょうか。

 中小企業は、一時的に中国輸出などで利益を上げ、体力を付けられそうです。

 その後は、中国からの低価格商品が流れ込み、

 勝ち組・負け組みに分かれていきます。

 やはり、目先の利益には、逆らえません。

 社長も、20年後の将来設計より、年末のボーナスという感じです。

 史実同様、確信犯で、20年後に後悔することにしましょう。

 適当な口実で先延ばししましたが、これ以上は、無理な気がします。

 というか、残念ながら作者も100円ショップファン。

 そして、画質の良いアニメも好きです。

 農薬入り加工食品や野菜は、イヤですが・・・・

 日本側に救いがあるとすれば、核ミサイル保有。飛鳥ガス油田。

 史実より軍事的圧力。経済的体力。国際市場での日系人の地位が高いところでしょうか。

 南シナ海の油田も、あるのか、ないのか・・・・・・

  

 因みに政府専用機 史実は、1987年(昭和62)導入決定(2機で360億円)

 クライスラー、フォード、キャデラック、リンカーンなどなど、

 1台160万で計算すると22500台。

 1台200万で計算すると18000台。

  

  

 インドのお金持ち、恐るべしを見つけました。

 リンクフリーで、ないようなので、

 「インド情報・インドの早わかりガイド」 で、検索してみてください。

  

  

 『世界が燃えつきる日』(77年)

 アメリカ全土に数十発の核ミサイルが着弾し、

 核の影響で地球の地軸がずれて気候も変化。

 生き残ったアメリカ軍が装甲車に乗ってサバイバル旅行

 

 少年と犬(1975年)

 西暦2024年、核戦争により荒廃した地球が舞台。

 超能力を持つ犬とその飼い主である少年。

 そして少女との間で展開される物語を描く。

 近未来の映像や、そこで語られる物語など異色極まりない。

 

 核戦争によって荒廃した未来社会が舞台。

 一部のエリート、ボルテックスによって支配され、獣のような生活を強いられている人類。

 ボルテックスの手先だったゼッドはこの支配体制に疑問をもち調査を始める。

 

 

 

 

インドの敷物

ジュート・ウール・キリム

空母 アイゼンハワー

強襲揚陸艦 イオージマ

 

 

 

HONなびランキング

Wandering Networkランキング

NEWVEL ランキング

よろしくです。 

1977年 昭和52年 誕生酒 (楽天)

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第86話 1976年 『出るクイは、打たれるよ』
第87話 1977年 『他が為に金がなる』
第88話 1978年 『日本の生きる道』