月夜裏 野々香 小説の部屋

 

After Midway

 

 

第96話 1986年 『うんじゃだめよ』

 荒涼とした大地に吹く風が小雪を舞い散らせ、銃声とともに消される無念を弔う、

 春を過ぎれば穴が掘りやすくなり、銃殺ではなく、生き埋めになった。

 無常な死が銃声とともに歩み寄る。

 辛く苦しいだけの生を生きてきた。

 死を受け入れるより、己が無力を思い知らされる。

 絶望と無念が入り交ざる。

 ばぁ〜ん!!!

 苦痛に満ちた生から解放される最後にして最大の痛み、

 銃声と共に死が近付き、仲間たちが地に伏していく、

 恐怖と無気力が交互に生じる。

 ばぁ〜ん!!!!

 ジリッという足音が背後に迫る、

 撃鉄の小さな音がすると、銃声が響く、

 衝撃は後頭部を破壊しながら、

 赤黒い模様と一緒に自分の脳を掻きえぐり、突き抜け、

 内側から前頭部を撃ち破られていく、

 肉体にしがみ付いていた意識が切り離され消えていく・・・・・

 

 人は、何もわからず地上に生まれる。

 出会いと別れを繰り返し、行き迷いながら生きていく。

 普通に寿命を迎えても無念を残して逝く、

 人が私財を残しても雲散霧消する。

 血縁を残しても不安は消えない。

 志を残しても色褪せる。

 宗教・思想、文書を残しても曲解され、拡大・拡散し、分派して争いの種になっていく、

 業績を残しても歴史の中に埋没し廃れていく、

 生きた証を残すことを許さない、

 生きた証も、後を託す者もなく、血縁もなく、地上から消されていく、

 国家然とした権力者の意思によって人生が消え失せていく、

 

 中国は、ソビエトから技術支援を受けていても、その多くは、軍事部門にとどまっていた。

 中国は、資源を売り払い、

 農民層を搾取しなければ近代化を試みることができないほど遅れている。

 中国の農民層は、少数民族と並んで最下層、

 自由と平等は有史以来存在せず、生と死の分岐線を綱渡る、

 中国政府は、インドのダリッド革命に影響を受け脅えていた。

 反乱を極度に恐れ、本当の知識を農民層に与えようとはしない、

 国語も、算数も、理科も、社会もない。

 無知は情感も起こせず善悪も定められない、文化も育たない、

 農民層は感情を押し殺し、動物のように生きて行くか。

 自動的に体制を憎み匪賊になっていく、

 中国共産党は、反体制派を根こそぎ抹殺しなければ国家を維持できない悪循環に陥る。

 状況は、強圧的に弾圧すれば弾圧するほど反体制派が生まれ、育ち、憎悪が強く大きくなるばかり、

 中国政府は、傲慢な中華思想で価値観で固めても自己満足に過ぎず、

 根本的な解決にならないことに気付いていた。

 中国共産党を守るため、

 農民層に愛国教育と、憎しみの対象を反日・反米・反印パで洗脳していく、

 反日・反米・反印パを叩き込まれ、

 洗脳された恐ろしい人間が育ちやすく、危険な人格になりやすい、

 中国と国交回復した日本は、災難とさえいえる。

 救いがあるとすれば日本に核兵器が存在し、資源取得で有利な条件であること、

 チベット独立戦争による影響で反米、反日より、反印パが強くなっているだけだった。

 中国とインドの国境線は、臨戦態勢にあった。

 そして、中国は、急速な近代化を望んでいるため、最大限の妥協をする。

 中国は、土地収用など進めるため農民層を追放し、

 反対する者を殺戮するため驚くほど早い、

 人海戦術の威力も凄まじく、

 高価な建設土木機械を費用対効果で圧倒する。

 かかる費用は、食事代+αだけ。

 当然、日本側へのリターンも割がよかった。

 人が大地を埋め尽くして働いている。

 「「「・・・・・・・・・・・」」」

 日本人、アメリカ人、ドイツ人は絶句して言葉もない。

 「高速自動車道は、簡単に作れるある」 中国人

 「「「・・・・・・・・・・・」」」

 「この道を自動車が一杯走れば日本も、アメリカも、ドイツも大金持ちある」 ニコニコ

 「「「・・・・・・・・・・・」」」

 「日本のリニアも簡単。簡単ある♪」

 並みの国なら、自国民の利益補償を確保しようとする。

 しかし・・・並みの国でない国も地上に存在する・・・・・

 国民から搾り取った税金で私腹を肥やす日本官僚の贈収賄も、

 この国では、子供遊び・・・・

 無論、欧米諸国も、ここまで酷くなく桁外れ・・・・

 「「「・・・・・・・・・・・」」」

 日本人も、アメリカ人も、ドイツ人も悪魔と契約したのかと悔やむ。

 道徳的な倫理観で中国人の人権が問題視されるだけであり、

 この件で各国政府が責任を追及されることはなかった。

 と、同時に転がり込む利潤を計算してしまう。

 ごっくん

 そう、踏み躙られるのは、10億近い中国人民で、

 利潤を中国当局と折半できれば、おいしかった。

  

  

 スペイン、ポルトガルがEC加盟(第3次拡大)。

 

  

  

 昭南州は、金融、情報、コア部品工場が集まり、

 東南アジア全域の中枢になっていた。

 昭南州で量産されたコア部品が東南アジア諸国へ輸送され、製品が完成する。

 昭南州で集積された情報が配信され、東南アジア諸国のマスメディアが動き出す。

 しかし、この状態は、長くは続かない。

 東南アジア諸国の教育熱も高まりを見せ、工業の自立を画策している。

 コア部品の工作機械を売り渋りするものの、

 技能者が増えれば独自開発も可能になり、

 製造ライセンスも時間の問題だった。

 ココヤシの木陰が南国特有の強い日差しを和ませる。

 金融系ビジネスマンの溜まり場となったカフェテラスで

 日系人が思い思いに過ごし、歓談していた。

 新聞を読んでいた男が呟く、

 「・・・タイ王国が海賊退治用の船に日本の艦載近距離防空システム(CIWS)25mmか、豪勢だな」

 「日本も少し大きな巡視船は、そうだったような気がするが?」

 「そうなの?」

 「レーダーと赤外線に連動しているから霧でも当てやすいじゃないかな」

 「連射速度も変えられるし、威嚇射撃も自由だ」

 「外国と鍔迫り合いをしやすい部署だからね」

 「航空機に対しても一定の牽制もできるし。人減らしもできる」

 「ふ〜ん タイ王国も、この辺りの海賊にキレたかな」

 「貿易量が増えたからだろう」

 「他人事じゃなくなれば、少しは減るんじゃないか」

 「だといいけど、アメリカが落ち込んだから日本製を買って、おべっか、かな」

 「・・・アメリカは、前年末のローマとウィーンのテロ事件でリビアと経済活動を停止だと」

 「世界の警察アメリカの次のターゲットはリビアか・・・やれやれ・・・」

 「プラザ合意で、アメリカ富裕層が吹っ飛んだはずなのに元気なことだな」

 「アメリカの政策を押したり引いたりするやつが減ったんだよ。きっと」

 「富裕層は、1パーセント・・・」

 「人口2億3000万だと。230万の人間がアメリカの富の半分を持っていたんだ」

 「プラザ合意のショックで富の4分の1くらいが減っている」

 「ふっ ドルを必死になって買い戻したんだな」

 「連邦準備銀行の金塊も、紙幣も、かなり目減りしているんじゃないか」

 「搾取した結果でも、一旦、自分の資産だと思うと失うときに真っ青になる」

 「そして、損をする時、その人間の本性が良くわかる」

 「しかし、アメリカが冷戦で儲けた分を吐き出させた。いい気味だ」

 「だけど、ドル安が続くと、アメリカへの輸出が減るだろう」

 「そうでもなかろう。世界中で安いドルが買われたんだ」

 「これから安くなりそうなドルで何を買うか、決まっている」

 「結局、アメリカ合衆国は、がめつ過ぎたんだな」

 「資本が集中し過ぎて、お金の循環が減って自滅だよ」

 「日本の場合は、今のところ、一億総中流。お金は、適当に動くだろう」

 「しかし、金集めの上手いやつはいるよ」

 「どちらにせよ。吐き出されたドルが世界中を循環する」

 「息を吸い続けることはできないさ、吐き出して次の息を吸える」

 「アメリカ合衆国の工場もドルの回収で回り始めるんじゃないか」

 「ドルが世界に流れたとしたらアメリカは、ドルの増刷をしないのか」

 「・・・あまり増刷するとドル安がさらに進む。今の為替が適当だと思うけどね」

 「日本円も同じだよ」

 「下手に国際基軸通貨を気取って増刷すると」

 「いざというとき、世界中で円が売られ、円安にさせられてしまう」

 「円高のために国債の利回りを大きくしたくなるのも道理だよ」

 「最大最強の国だからといって、国際基軸通貨を一国でやるのも考えものか」

 「そういやぁ いまだに、お金で、お金を買うのが、わからないとか言うやつがいたな」

 「んん・・・俺も、先物ばっかりだから良くわからん」

 「国連で国際基軸通貨でもつくらないと、この種の狂乱は続くだろうな」

 「国際基軸通貨? 国連基軸通貨だと・・・・UN紙幣か・・・・」

 「分担金保障で、国連(United Nations)発行の国連債でUN紙幣を作れるんじゃないか」

 「世界の通貨統合もしやすい」

 「んん・・地域通貨を残すとしても、心情的に “円” を捨てるのは、いやだな・・・・・」

 「まぁ “1うな” とか “1うん” じゃな・・・」

 「でも、United Religions (宗教国家連合 United nation Religions) なら “1うなれ” か “1うれ”」

 「あはは・・・」

 「やめよう・・・」

  

  

 ゴルバチョフ書記長

 戦略核兵器の50%削減。中距離核戦力の全廃。

 残存核兵器全廃。核兵器の3段階廃絶構想を提案。

 

 アメリカの無人惑星探査機ボイジャー2号が天王星に最接近し、

 新たな衛星10、リング55本など次々に発見する。

 

 ウガンダで反政府ゲリラが首都カンパラを制圧する。

 

 瑞穂宇宙ロケット基地

 衝撃の映像が流れるスペースシャトル「チャレンジャー」号、

 打ち上げ72秒後に爆発、乗員7人が死亡。

 繰り返される映像・・・

 「・・・情報産業に力を入れ過ぎた結果かな」

 「工業力のすそ野が狭くなると、工員の質も低下してしまうのだろう」

 「日本も、そうなってしまうのでは?」

 「拝金主義が進むと、ロボットに製造を任せてしまう。工員の熟練も怪しくなる」

 「当然、現場知らずで改善能力も低下していく」

 「利潤を上げるため、金のかかる新人教育を疎かにして、優秀な人間を集めてしまう」

 「そして、優秀な人間同士を競わせながら会社のために磨り潰しか・・・」

 「行く末が目に見えるな」

 「その行く末も自業自得では?」

 「良識を捨てて目先の利益優先の成果主義だからね」

 「後進国に工場を移して安く上げるのも分かるよ」

 「日本も立場を変えれば、そのおかげで戦後の下請工場から、何とか工業立国できたよ」

 「アメリカが日本という下請けに咬まれた様に。日本も他の国から咬まれるかもしれないな」

 「アメリカもイギリスの小麦畑だったのだから歴史は繰り返すだよ」

 「仕事を取るのは安い賃金で相応以上の仕事をする人間だよ」

 「賃金以下の仕事をする人間は組織の潤滑油でもない限り、存在に価値がない」

 「それじゃ 賃金の安い後進国に仕事が流れてしまうのを止める手段は難しいな」

 「内需拡大で時間稼ぎはできるよ」

 「内需拡大で工場の海外移転なんじゃないか」

 「・・・日本人の規範しだいか。どっちにしても水は低きとこへ流れだよ・・・」

 「どの程度、吸い上げてしまうか、わからないがね」

 「しかし、アメリカがコケて日本の宇宙計画も一休みかな」

 「適当な距離で追いかけるといっても、本当に予算以上にはいかないよ」

 「・・・・・製造も、そうだけど構造上も、やはり、カプセル式が良いのかもしれないな」

 「アメリカは失敗に気づいても、しばらく続けるから、少しは、有利だよ」

 「一度、投機して産業を作ってしまったのだから、いまさら止められないだろうな」

 「日本で製造してやれば、そのまま続けるかも・・・・」

 「ふっ」

  

  

 ウガンダでムセベニが大統領に就任する。

 

 

 02/

 ハイチで反政府暴動が起こる。ハイチのデュバリエ大統領がフランスに亡命する。

 

 放送衛星BS−2b「ゆり2号b」が打ち上げられる。

 

 フィリピン、

 大統領選挙の結果をマルコス当選と発表するが不正選挙との批判が高まり。

 不正を糾弾すべく、マニラで50万人の集会が開かれる。

 マルコス弾劾の声は強く、

 宮殿は民衆によって囲まれ、

 マルコスは、月影VTOLで逃亡していく。

 民衆の怒りの声が猛々しくなり、

 怒りだけで月影VTOLを落としそうな勢いだが振り切って、暗闇の中に消えていく。

 ペンションのテラス

 「ああ・・・逃げちゃったよ」

 「どうするかな。フィリピン。共産主義化しないだろうね」

 「貧富の差は限度があるからね」

 「国民のモラルにもよるけど、階層は倒れないように計画的に作らないと」

 「階層統制?」

 「そうそう、平等なんてないよ」

 「それなら組織と同じで貧富の格差もピラミッド状に作らないと」

 「固定化させなければいいけど」

 「員数を固定させるだけだよ」

 「人の欲望は、果てがないから、収まらないよ」

 「趣味で誤魔化す」

 「それは良い・・・・で、フィリピンは? サッカー熱はないよ」

 「フィリピンって、部族社会だからな・・・」

 「普通は、日本の真似をするけど、区画法で資本主義・共産主義を分ける方式も検討されているよ」

 「フィリピンだと部族法。できるか、わからないけどね」

 「私財を認める部族と、私財を認めない部族ね・・・・」

 「それより、マルコスの資産は、どのくらいあるのかな」

 「個人資産だろう。たぶん、スイス銀行と秋津銀行に半分ずつ入っているよ」

 「そっちのほうが問題だな」

 「・・・・んん・・・・国に返還すると預金が減るよね」

 「スイスは、どうするんだろう」

 「スイス銀行が先輩なんだから、真似するか」

 「向こうも、秋津銀行を先にやらせたりして」

 「あはは」

 マルコス大統領の亡命

  

  

 チャド内戦が再燃する。

  

 ソ連が大規模な無人軌道科学ステーション「ミール」の打ち上げに成功する。

  

  

  

 ソウルで空襲警報が鳴り響いた。

 中国空軍のミグ19戦闘機が亡命を求め、

 韓国の空軍基地に着陸する。

 

  

 フィリピンでアキノ政権の組閣が行われていた。

 太平洋戦争の戦後直後、

 貧しい日本ではなく、

 お金持ちのアメリカ依存を選択したマルコス大統領が逃亡、

 当然、反動がある。

 アキノ政権は日本寄り。

 いや、正確には昭南州寄りらしく、日本市民権を持つ者が多い。

 無論、ゲリラ化していた共産系もドサクサに議席を伸ばし、

 軍部は、恭順を示しながらも不穏な動きを見せていた。

 アメリカ系の影響が強い国は貧富の差が激しいといった刻印を残しやすい、

 日本系の影響が強い国は、底上げ型で横並びな観念が育ってしまう。

 男性的で個を優先する排他的な文化と、

 女性的で和を優先する融和的な文化。

 どちらも、良い面があれば、悪い面もある。

 過ぎると弊害だけが目立っていくため、適当な線で収まるのがいいのだが、

 勢いが付くと、既成概念とか、伝統とか、血肉となって歯止め知らずといえた。

 フィリピン政府と・・・

 「今後は、昭南州の協力を得て行きたいと考えていますよ」

 「ええ、可能な限りお手伝いさせていただきますよ」

 「ついては、マルコス前大統領の個人資産を政府が抑えたいのです」

 「働きかけを、お願いしたいのです」

 「その件については、秋津州と事前に話し合っているのですが・・・・」

  

  

 03/

 フィリピンのアキノ政権が非合法の共産党の創設者シソンを釈放。

  

 アメリカ政府は、ソ連の国連代表部がスパイの温床であると、

 2年間に100人以上の減員を要求する。

  

 キューバと北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が友好協力条約に調印する。

  

 スペイン国民投票でNATO残留派が勝利する。

  

 スイスの国民投票で、国連加盟が否決される。

  

 アメリカ下院がレーガン大統領が提案したコントラ援助を否決する。

  

  

 04/

 アメリカ・日本が、この年、最初の地下核実験を実施する、

 地下の核爆弾が炸裂し、計器が跳ね上がり、

 微震がネバダの大地を揺らし、土砂を吹き上げ、きのこ雲を作る。

 日米の将校たちが密閉されたトーチカに並ぶ。

 「・・・ったく。ようやく。核実験ができるよ」

 「待っていましたよ」

 「非核団体の連中は、何で、ああ過激なんだ」

 「不況になってからは、ますます手が付けられない」

 「今朝は、サソリを送ってきたよ」

 「アメリカ人は過激ですな」

 「ほとんどが真珠湾にいた兵士の遺族だからな。あまり無碍にもできないが・・・」

 「遺憾の意を表明しますよ」

 「ふ お互い様だからな」

 「ええ・・・」

 「しかし、どいつも、こいつも、権利、権利。日本民族の大人しさが羨ましいよ」

 「だが蛇のように怖いときもある。プラザ合意では、酷い目にあったよ」

 「海外州の日本人は、本当に日本人なのかね」

 「内地の日本人より、日本人民族であることに誇りを持っているようですな」

 「現地主義的ですが国際バランスにも聡い」

 「ったく。随分、儲けたのだろう。日本は空母を造らないのかね」

 「どうでしょう。なにぶん。単価が上がっているようで・・・・」

 「アメリカで、ステルス戦闘機を開発している。日本も参加してはどうかね」

 「嬉しい申し出ですが軍の予算は、共産圏の軍事力しだいなので・・・・」

 「こっちが核実験をしたのだから、ソ連側も核実験をすることになっている」

 「しかし、ソ連戦闘機は・・・・」

 「大丈夫だ。ソ連の新型戦闘機フランカーはプレゼンテーション向きらしい」

 「輸出用ですか?」

 「そりゃあ、そうだろう」

 「ロシア民族総乞食でアメリカが食糧を輸出しないと生きてはいけない国だ」

 「なるほど・・・」

 「しかし、極東シベリアの自立経済は、あまり面白くないな」

 「アルコール依存数が低くなっている」

 「まともに給料を払っているそうですから」

 「あはは・・・」

 「極東ソビエトはどこの国だ?」

 「欧州側と同じですよ。アメリカからの食料がなければ終わり」

 日本縦断鉄道が完成し、日本製品が間宮から極東ソビエトに流れ込んでいた。

 当然、ソビエトの地酒も国内で消費するより、日本人に売った方が利潤が良かった。

 非国民と囁かれながらもシベリア鉄道の外国人用一等車両では東郷ビールが飲める。

 もちろん、外資のため。

 土地に産して価値ある物は、全て売られていく、

 代わりに日本から食料や日用品、電化製品、自動車が流れ込み、

 モスクワまで届いてしまう。

 「ところで日本は熱を加えると電波を発したり、磁性化させてしまう薬剤を開発と噂があるが、本当かね?」

 「えっ? いえ。聞いていませんよ」

 「本当かね?」

 「ええ、私は、聞いていませんよ」

 「そうか・・・・」

 「そういった薬剤を炸薬に混ぜて、敵に一発でも命中させると・・・・」

 「・・・袋叩きに遭いますね」

 「開発していないのなら別にかまわないのだがね」

 「アメリカは特定の遺伝子を持った人種を殺してしまう生物兵器を開発しているのでは?」

 「噂ですけど・・・」

 「まさか、そんな危ない物・・・研究したとしても開発するわけがない」

 「まして、保有するなどありえんよ」

 「そう・・・でしょうね・・・」

 ソビエトが核実験の再開を宣言。

  

 ハレー彗星が76年ぶりに地球に接近する。

  

 フィリピンで、反アキノ派が国会の再開を求めて2万人の集会を行う。

  

 韓国の全斗煥大統領が、「改憲論議」禁止の談話を発表する。

 

 米軍機がリビアのトリポリとベンガジを爆撃。

 カダフィー大佐暗殺が目的とみられている。

 

 EC12ヵ国外相緊急会議で、リビア外交官の削減などの制裁措置が決められる。

 

 ソ連・ウクライナ共和国

 チェルノブイリ原子力発電所4号原子炉が、大爆発。史上最悪の原発事故。

 

 05/

 アフガニスタンで、カルマル人民民主党書記長が辞任し、

 後任にナジブラ政治局員が就任する。

  

 

 共産主義は冷戦の始まりとともに勢力を伸ばしていた。

 チベットで押さえ込んだかに見えた。

 しかし、全世界で共産主義が勢力を拡大。

 一般的にアフガニスタン紛争。

 アフリカ、中東、南米などでも共産ゲリラの活動が日増しに大きくなっていた。

 アメリカの不況に始まり欧州全体も巻き込まれ、

 アメリカ社会はプラザショックで上流階層まで自信を喪失していた。

 アメリカ社会自体が共産主義の脅威と影に怯えていた。

 

 日本の瑞風とアメリカのF14トムキャットの編隊が洋上で合流すると、

 編隊を組みなおし、綺麗な逆V隊形を取った。

 互いに仮想敵として模擬訓練をしていただけあって呼吸も合う。

  

 第12回主要先進国首脳会議 間宮(キリスト像)サミット

 7ヵ国蔵相会議(G7)の新設などを盛り込んだ経済宣言

 国際テロ問題でリビアを名指しで非難する声明

 チェルノブイリ原発事故に関する声明

 キリスト像の前にサミット首脳が並び。上空を月影VTOLが舞う。

 キリスト像の指先はクレムリン。

 F14トムキャットと瑞風の逆V編隊がキリスト像の指先に向かって飛び。

 白煙を吹き流しながら急上昇していく光景が全世界に流れる。

 この日ばかりは、ウスリー対岸のT72戦車群も弱々しく見えた。

 

 世界中が核の恐怖と共産主義の脅威に怯えていた頃、

  

 映画トップガンで涙する者が多かった年。

 このサミットの映像を見て、ある者は感涙し、

 ある者は喝采した。

  

 首脳たちは、合図待ちで思い思いに耳栓を抜いていく、

 「・・・ったく、東京から間宮にサミットを移したのは、これがやりたかったのかね」

 「まあ、効果があるでしょう。政治は、祭りごとですから」

 「そりゃあ、ソビエトの実情を知らない大衆は喜ぶだろうよ」

 「実情を知っていたらソ連が自暴自棄にならないことを祈るばかりでしょう」

 「日本がソビエトの底上げしている。その実情をどこまで信じていいものか」

 「極東シベリアなら日本の影響圏といえますよ」

 「誰が養っているのか。という意味ですがね」

 「やれやれ、日本の年の幕開けでもあるわけか」

 「・・・彼は、来ているのだろう」

 一人がキリスト像を見上げ、一人が応える。

 「ええ、気に入っているみたいですよ」

 日本とアメリカは、間宮サミットから同列で見られ始めていた。

 経済で日本が優位になり、

 軍事でアメリカが優位になり、

 どちらが話しても他の首脳は、聞くよりなかった。

 

 

 都内の地下鉄など19駅で、爆竹や発煙筒などによるサミット反対のゲリラ事件が発生。

 

 イギリスのチャールズ皇太子とダイアナ妃が来日する。

 

 円高となり、1ドル150円台に突入する。

 

 アメリカの著名科学者・技術者6500人が、SDI研究拒否の署名を行う。

 

 日本の海外資産2598億ドルで世界一を記録更新。

 

 

 06/

 国連アフリカ特別総会で、アフリカ経済復興と開発のための行動計画が採択される。

 

 

 07/

 ニューヨークで「自由の女神」誕生100年祭が行われる。

 

 レーガン大統領は、訪米中のパキスタンのジュネジョ首相に対し、

 核兵器を保有した場合、軍事・経済援助を停止すると警告。

 

 原水協と原水禁の対立で、原水爆禁止統一世界大会が開催不能となる。

 

 ソ連の化学・石油工業機械製作省所属の各企業が、

 1987年初めから完全独立採算制へ移行することが発表される。

 

 ベイルートで、キリスト教徒とイスラム教徒が砲撃戦を行う。

 

 ジュネーブでOPEC総会が開幕する。

 

 日米半導体交渉が最終合意。

 5年間価格監視など、日米半導体協定が結ばれる。

 某電子計算機研究所

 新聞を読む職員たち

 「・・・って、中身は、何も変わらないじゃないか」

 「監視するという条文を付けたかっただけなんだよ」

 「価格監視といっても製造原価に人件費と諸経費の比率が違うだけ」

 「ほぼ同じ価格と性能になっている」

 「ウィルスに対する抵抗力がまったく違うから同じ性能で同じ価格だと、TRON規格が有利になるよ」

 「ウィルスか・・・本当に流行っているの? あまり聞かないな」

 「だから、TRONのオペレーションシステムもアプリケーションソフトもROM化させている」

 「ハードディスク上のパラメータとデータを変える位しかできないの」

 「ふ〜ん LSIでアメリカ有利、RAM・ROMで日本有利、ハードディスクで互角か」

 「予算をかけただけはあって、それなりに競り合っている」

 「ここで空母派が出てこないだろうな」

 「さぁ プラザショックで、日本は、金持ちになったと誤解している人間が多いから」

 「結局、日本資本は、アメリカ資本を引き摺り落としただけで」

 「儲けのほとんどは、各国の資本家で山分け」

 「日本資本の儲けは、現地工場の切り盛りに回されるんだろう」

 「利潤は入ってくる」

 「それに元々、アメリカ資本で、現地工場を切り盛りするのだから、いいけどね」

 「それに世界にドルを散らせた方が日本の製品で回収しやすい」

 「元々は、世界のお金だよ」

 「アメリカは、世界中の金塊を溜め込んでいたんだからね」

 「日本も、がめつく、真似をするのかな」

 「どうだろう。基本は、下手外交、懐柔外交だからね」

 「プラザ事件は、アメリカ資本のやり過ぎに対する日本資本の反発だよ」

 「しかし、中国と韓国は、通用しないな。こっちが引いた分、限度知らずに笠にくるから」

 「やれやれ」

 「日本人もハングリー精神が低下すると、人が良くなって搦め手の侵食に弱くなりそうだ」

 「アメリカも日本の鬼門だと思って、中国と韓国を利用するだろうね」

 「あれは?」

 「歴史博物館に中国と韓国の事が展示されているだろう」

 「あれを見たら大陸から退くんじゃないか」

 「中国・韓国物が展示されているのは東京の歴史博物館しかないだろう」

 「もっと増やせばいいんだ」

 「朝鮮戦争前の資料が、たくさんあるんだろう」

 「残っているかな。まぁ 複製でも良いとおもうけど・・・」

 「とはいえ、経済だから、ほどほどの勝ちになってしまうか」

 「そりゃ 日本側の予算も決まっている」

 「良いと思う特許を順番に10個選んでも」

 「11個目からは、華僑資本が金を出すからと持っていくだろうからね」

 「少なくとも、先に選んだ10個が、11個目からより有望であれば良い」

 「せいぜい、中国が上位10個の中から選ぶのを阻止するくらいだろうね」

 「でも、早い者順なんだよね。こういうの」

 「それに日本人は、目利きというより」

 「大手とか、口利きとか、権威に弱いから・・・・」

 「だよね・・・」

 

 

 08/

 レーガン大統領が、ソ連向け穀物輸出にも政府援助を認める。

 

 初の液体水素燃料を使ったH1ロケットが成功する。

 測地実験衛星「あじさい」、アマチュア衛星「ふじ」、

 磁気軸受フライホイール実験装置「じんだい」となる。

 

 アメリカ上院がニカラグアの反政府ゲリラのコントラへの援助を決定する。

 

 ソ連が、チェルノブイリ原発事故で周辺30キロが汚染されたことを国際原子力機関に報告。

  

  

 東京外国為替市場で、急激な円高が進み、となり初めて150円を突破する。

 

    

 EC委員会が日本製一般複写機に

 一律15.8%の暫定反ダンピング関税の賦課を決定する。

 

 

 09/ 

 チリで、軍政反対ゼネストが起こる。

 

 パンアメリカン航空機がパキスタンのカラチ空港で乗っ取られる、

 パキスタン軍部隊が急襲し乗客ら22人が死亡する。

 

 チリで、ピノチェト大統領暗殺未遂事件が起こる。

 

 日産がイギリスで自動車生産を開始する。

 

 

 ウルグアイのプンタデルエステで開かれた関税貿易一般協定(ガット)

 閣僚会議が新ラウンド(多角的貿易交渉−ウルグアイ・ラウンド)の開始宣言を採択。

 会議場のテーブルで表舞台の代表が歓談し、

 壁際に裏舞台の実務者が集まる、

 「これで、本当の意味で秋津州は、南米のセンターか」

 「自治州が独立国じゃ強過ぎますよ」

 「情報も、通信も、流通もハードは全て秋津州で牛耳ってるよ」

 「むかし、人質だったとは思えんよ」

 「あれから、40年ですからね」

 「本当に何もない半島だったのかね」

 「ええ、何も・・・」

 「ふっ これほど機能的な連続都市は世界に存在しないよ」

 「世界の首都にしてもいいくらいだ」

 「地下に何本、敷いても路線が一本で済みますからね」

 「リニアは作らないのかね?」

 「中国で実験してからの方が安心ですから・・・」

 「改善しながら秋津と本国に作れますし」

 「オリンピックはできそうかね」

 「まだ軍事色が強いですからね」

 「ブラジルのタンクレード・ネーベス大統領は文民上がりだろう」

 「ようやくですけどね」

 「どういう工作かな。日本人が魔法使いなのは本当らしいな」

 「流れるままにですよ」

 「日本人は、幸運が付いて回るらしいな」

 「アルゼンチンは83年。ブラジルは85年。ウルグアイも今年で民主化」

 「そして、88年に秋津州でオリンピックか」

 「アルゼンチンのアルフォンシン政権は政情が不安定ですが」

 「関税貿易一般協定(ガット)で落ち着くでしょう」

 「治安が安定した秋津州で南米大陸の経済を押さえられるなら問題ないよ」

 「アメリカの産業界。持ち直しそうですか」

 「富裕層のホワイトカラーが低賃金で汗を滲ませて働き始めた」

 「世界に散ってしまった資産を回収するためにね」

 「それは、怖い、怖い」

  

  

 ソウルでアジア競技大会が開催される。北朝鮮は不参加。

  

 ソ連政府が、カザフ共和国にある地下核実験場を西側に公開する。

  

  

 10/

 インドで、ルル首相暗殺未遂事件が起こる。

  

 核弾頭ミサイルを搭載したソ連の原子力潜水艦が火災を起こす(6日深海に沈没)。

  

 

 アイスランド レイキャビク

 米ソ首脳会談が行われるがSDIをめぐり決裂する。

 互いに国を背負う者の使命で国内向けのパフォーマンスが必要だったりする。

 少なくとも国内の軍人に暗殺される状況は避けるべきである。

 日本軍は、民政下で比較的大人しくなっており、

 各国の首脳から羨望の眼差しで見られていた。

 総合的に見るとソ連の国内状態は悲惨の極み、

 店に並ぶ行列は、毎日記録を更新し、

 庶民は、何の行列かわからないが並ぶ状況だった。

 ウクライナは他国が羨むような黒土層が広がっていた。

 しかし、その収穫は庶民に届かない、

 人の原動力は欲望に比例して強くなる。

 他人を殺しても生きようという気質も、人より上に立ちたい欲望も強い、

 平等に働き平等に分配する共産主義思想の理想では生きていけない、

 ソ連の殺人、自殺、餓死は、毎年のように記録が更新していた。

 当然、ソビエトから分離独立したがる国もでてくる。

 しかし、ソビエトはKGBが怖いだけではなく、産業を細分化していた。

 自治国が独立したとたん、商品が作れなくなる連邦国だった。

 大統領と書記長。

 ビールとコニャックを互いにお土産を交換したりする。

 「・・・・書記長。ソビエトはどうかね。チェルノブイリは大変だっただろう」

 「食料がないと、駄目だな」

 「まあ、資源と交換するのはかまわないのだがね」

 ソビエトが怖いのはICBMだった。

 自暴自棄になれば世界が受ける被害は人類史始まって以来の未曾有の被害がもたらされる。

 「・・・大統領。一応、聞いてみるけどSDIは?」

 「んん・・・あれは駄目だよ。まだ、殺される」

 「はぁ〜 こっちが折れるしかないか。踏んだり蹴ったりで泣けてくるよ」

 「気を落とさないで、よろしく頼むよ」

 「チェルノブイリ支援で援助物資とか。食料は、オマケを付けるからさ」

 「それは、いいけどね」

 「ところで、日本人がソビエトの穀倉地帯に入ってなにやっているの?」

 「え、ああ、調査だろう。将来的に物になるかどうか。放射能の査定だよ」

 「まぁ 個人の所有を認めれば収穫率も上がるし、流通もできるよ」

 「経済観念が育つまで、ハゲタカから守れるかどうか、不安だね」

 「あはは・・・・極東シベリアのロシア人は?」

 「まだ、抑えさせている。国内が混乱してしまうからね」

 「人事整理は?」

 「ランボーがいれば10人ほど貸してもらいたいね。あらかた片付く」

 「残念だがスクリーンから出られないそうだ」

 「SDIの件で5人ほど追放させてもらうよ」

 「しょうがないか。お互い大変だよな」

 「まったく」 しみじみ

 米ソ首脳の共同記者会見。

 映像では互いに睨み付け、

 憤りを見せたりするのだから意外に芸人だったりする。

  

 ソ連がアメリカ外交官5人を国外追放処分。

  

 北京に初の株式会社ができる。

  

 パキスタンのカラチで人種暴動。

  

  

 11/

 中国

 アメリカから5億5000万ドルの高額兵器電子航法装置を購入、

 「大丈夫なのかい、航法装置なんて。パイロットに亡命されないのか?」

 「ああ、燃料を少なめにするから、そちらの陣営に届かないし」

 「一応、日本に対する圧力になるだろう」

 「とりあえず。適当に牽制を頼むよ」

 「敷島か、防御力は強いと聞いているけど?」

 「近付いたら撃墜されるよ。マジで」

 「こっちにも核兵器があるよ」

 「いや、日本の衛星は核サイロを衛星で見張っているから。いつでも狙われる」

 「だろうね・・・ところで、日本は、本当に円高不況なのか」

 「・・・どうも、日本連邦だけは不況を避けているらしい」

 「散在したアメリカ資産が日本に集まっている」

 「円高の準備していたということかな」

 「らしいね。そのくせ、突っぱねるから嫌な国だよ」

 「ふ、第二の条件降伏じゃないか」

 「名目でアメリカが勝って、実質で負け。その通りだな」

  

 東北大が、31.1テスラの世界最強の磁場発生に成功する。

  

 フィリピンのアキノ大統領が初来日。

 政府が400億円のフィリピン特別借款を約束する。

  

 EC外相会議がシリアのテロ行為に対して武器禁輸などの包括的な共同制裁で合意する。

  

 日本の巨大加速器、筑波の高エネルギー研究所のトリスタンで、

 電子と陽電子の衝突に成功する。

  

 15日に噴火した伊豆大島の三原山が大噴火。

 溶岩流が元町地区に迫ったため、

 全島民の1万300人と観光客2000人に非難命令が出される。

 三原島沖の“さがみ” “かしま”

ワスプ型強襲揚陸艦 イオージマ

だいたい、同じトン数で、似ています。これしかないので、勘弁です。

 さがみ 艦橋

 「・・・・いやぁ ようやく活躍の舞台だ・・・」

 「喜ぶべきか。同情すべきか」

 「顔で悲しんで、心で踊ってだよ」

 「ですけど、日本って、本当に豊かですね」

 「食料と寝袋があっさり揃ってしまうんですから」

 「日本で、地震・火事は、怖いからね。寝袋は、ストックしているんだ」

 「食料は、有り余っている」

 「軍隊なのに気分は、サンダーバードですよ」

 「あはは・・・ますます、空母が遠のくな」

 「本当に・・・・ソ連のヘタレが」

  

  

 アメリカのポインデクスター大統領補佐官

 対イラン武器供与代金をニカラグアの反政府ゲリラのコントラに横流しした責任を取って辞任する。

 

 アメリカがミサイル搭載の「B52」配備でSALTIIの規制を無視する。

 

 12/

 第14回ホノルルマラソンが開催される。参加者の約半数は日本人。

 

 閣議が1987年度一般会計予算54兆円の大蔵原案を了承する。

 

 

 雷燕2型のミサイルは2発。瑞風のミサイルは4発

 日本がミサイル兵器を軽視しているのかといえば、一概には、言えない。

 目標の索敵、目標までの誘導をレーダーサイト基地、早期警戒機、電子管制機に任せていても、

 ミサイル自体は、レーダーと赤外線を組み合わせた高級品。

 索敵装置、誘導装置、中間誘導装置、慣性航法装置、

 GPS、地形照合誘導装置、恒星天測装置、中間指令誘導装置

 長射程、対ミサイルの迎撃、多目標の撃ち分け、

 多目標の同時攻撃、オフボアサイト(横の目標を撃つ)装置。

 垂直発射装置、ミサイル発射後指定変更装置、カメラ映像による誘導などなど・・・・

 ファーストルック・ファーストキル (先制発見・先制撃破)は、効果的な基本戦術ではある。

 しかし、それを許さない対レーダーECM・ECCM、対ミサイル防御にも、お金をかけてしまう。

 この時代、対レーダー、対ミサイル防御は、大戦中の防弾にも匹敵するため疎かにできず。

 米ソ戦闘機に比べて推力の小さい雷燕2型、瑞鳳は、性能で、機能化されたり、

 ミサイル数が制限されてしまったりする。

 

 米ソの戦闘機も輸出用は “ファーストルック・ファーストキル” を標榜。

 対ミサイル防御で手抜きしている節がある。

 しかし、本国部隊は、ステルス化などで対ミサイル防御にも金をかけていた。

 つまり、輸出用で攻撃力を触れ回り “矛” を与えても “盾” は、手抜き。

 

 赤レンガの住人たち

 「・・・・また、値段が上がったよ」

 「失踪してぇ〜」

  

  

   

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 月夜裏 野々香です。

 うっかりと、新型艦を建造するのを忘れてしまいました。

 仮想戦記とは、思えません。

 第一次建艦は、30年前でした。

 如何にクジュウクリ型購入で遅れても、限度がありました。

 慌てて、第一次やまぶき型8隻を解体で九頭竜型8隻を建造です。

 潜水艦の年度は勘弁です。

 回転が速すぎて、忘れてしまいますので脳内で修正してください。

 ステルス化は、予算不足でマストなど微妙に取り入れられただけ。

 艦体は同じ、電子装備の更新。

 アメリカのマネをして、(ソ連が先) 垂直発射方式を採用しただけでした。

 性能的には、6000トン級なので、

 はたかぜ型護衛艦とこんごう型護衛艦の中間というところです。

 因みに60口径155mm砲は1門装備ですが自動化に成功しました。

 治金技術の向上で射程は45kmくらいです。

 長距離砲弾を使うと60km。もう、戦艦でしょうか。

 史実と違うのは、国防軍は、自衛隊より攻撃的で、身の丈が大きく。

 それ以上に国防域が広い・・・・

 って、面積当たり、弱いやんけ!! の核抑止頼りの日本国防軍です。

 開発費が同じでも、装備の更新費用は、3倍以上になります。

 正面戦力は、必要なだけ・・・・って、どのくらいだ。が、いいような気もします。

 国土を守れる程度でしょうか。

 国威を守れる程度でしょうか。

 いや国防省を・・・・

 

 因みに、この戦記の日本は、国防域が広いので、地方隊は存在せず。

 史実の地方隊と海上保安庁を足して、

 2で割って、強い感じの海洋保安庁が、がんばっています。

 武装は、大きい船だと、47mm対空機関砲。

 艦載近距離防空システム(CIWS)25mm機関砲。

 小さい船だと6.5mm機関砲。

 船は、大小各種、数も、たくさんあって、

 海上保安庁のHPを参考に4倍強くらいでしょうか。って、デカッ!

 因みに船は、軍艦構造ではなく、商船構造なので船としています。

 米ソ冷戦が終わりつつあり。

 軍隊から、警察の時代へと移行していくことになる・・・??

 少なくとも、戦わずに国境線での鍔迫り合いが増えると、

 今後、海洋保安庁の予算が増えるかもです。

  

 アメリカは、貧乏になったせいか。

 次期主力ステルス戦闘機で、日本と共同開発を打診。

 どうやら、御すことができない。

 牙を持った頼もしいパートナーと思ったようです。

 力の心棒者。腕力バカには牙を見せないとわからないのでしょうか。

 

 史実と違って、日本軍は、国産製が多めです。

 そして、ライセンスを安く購入しているので正面戦力は多いようです。

  

 戦記 日本の海外資産2598億ドル

 史実 日本の海外資産1298億ドルです。

  

クジュウクリ型強襲揚陸艦(LPH)  二番艦(サガミ) 三番艦(カシマ)

排水量

全長×全幅(m)

馬力(hp) 最大速力(ノット) 乗員  
40000

250×36

70000 24 935  
兵装(改装後)
牙鳳(対空ミサイル) 25mmファランクス ヘリ ハリア 揚陸部隊 車両
8基 6基 23機 6機 1870名 ・・・・・

   

6000トン級 やまぶき型 巡洋艦 64隻

日本海・東シナ海

北太平洋・北極海

南太平洋・南シナ海

地中海・インド洋・大西洋
解体 やまぶき あかしや あじさい あすなろ さざんか しもつけ ねむのき ろうばい 56年度艦
第02次 しゃくなげ さるすべり ゆきやなぎ はなみずき はなずおう うめもどき こむらさき かくれみの 60年度艦
第03次 ゆきざさ ゆずりは えにしだ くちなし くましで みずなら もくせい もくれん 64年度艦
第04次 えのきぐさ からすむぎ からすうり くまやなぎ ひめうつぎ もみじがさ つくしはぎ すずめうり 68年度艦
第05次 あかまつ つめくさ つゆくさ かまつか あかしで しらかし しらすげ とだしば 72年度艦
第06次 やぶつばき やまざくら さねかづら しろよめな つるまさき とねあざみ とぼしがら かすまぐさ 74年度艦
第07次 さわしば せんぶり やまうり あわぶき かさすげ おにすげ あおみず あおすげ 76年度艦
第08次 むくげ やつで のぶき みずき みつば よもぎ さつき すすき 78年度艦

6000トン級 九頭竜型 巡洋艦 64隻予定

第09次 九頭竜 阿賀野 阿武隈 五十嵐 五ヶ瀬 渡嘉敷 伊尾木 四万十 86年度艦

2500トン級 やまひめ型 潜水艦

海底敷設 やまひめ おおひめ たかさご おにひげ こしなが このしろ むぎつく ひらまさ
海底敷設 しいら ひめじ あしろ やつめ めじな やまめ あまご いさき
海底敷設 くさやむろ おあかむろ あかひめじ よめひめじ くろさぎ わかさぎ ひいらぎ かわはぎ
第04次 あかむつ くろむつ ばらむつ やせむつ かわむつ ぬまむつ たかはや しらはや
第05次 あかえそ おきえそ しまそい くろそい おいかわ まつかわ あかいさき しまいさき
第06次 あおはた あかはた あざはた きじはた るりはた にじはた あかはぜ さびはぜ
第07次 やりぬめり ほろぬめり せとぬめり そこぬめり やいとはた おおめはた いやごはた ほうきはた
第08次 ゆめかさご みのかさご ふさかさご しろかさご ぎんあなご くろあなご しろあなご おきあなご

2700トン級 春潮型 潜水艦

第09次 春潮 夏潮 秋潮 冬潮 朝潮 満潮 引潮 夕潮
第10次 黒潮 赤潮 蒼潮 澄潮 風潮 瑞潮 影潮 雪潮
第11次 親潮 大潮 若潮 早潮 荒潮 鳴潮 磯潮 灘潮
渦潮 巻潮 高潮 沖潮 猛潮 幸潮 浜潮 闇潮 まだ

 潮がなくなったら次は

 “瑞礁(ずいしょう)” “海礁(かいしょう)” “彗礁(すいしょう)” “峯礁(ほうしょう)” とか、

 それが足りなくなったら“海龍” “鋼龍” “青龍”・・・・

 潜水艦は、年数が短いから大変。って、この戦記、いつまで続くんだろう。

 史実と違うのは、SOSUS網で通信と充電を利用した移動と待ち伏せができるため。

 通常型潜水艦で、トン数の割には、強力なところでしょうか。

  

  

 1986年

 ・・・・んん・・・・天空の城ラピュタでしょう。

 あとは、ドラゴンボール・・・セイント星矢も・・・

         

鯨さんを守らなきゃ

 

   

 

 

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よろしくです。 

1986年 昭和61年 誕生酒 (楽天)

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第96話 1986年 『うんじゃだめよ』
第97話 1987年 『国際貢献に流されて』