月夜裏 野々香 小説の部屋

    

架空戦記 『大本営特攻』

 

 

 第09話 1949年 『日本人なら温泉』

 独伊東欧諸国とソビエト連邦の戦争が終結すると極東情勢が怪しくなっていく。

 しかし、極東日本は12年後、アメリカに譲渡されることが決まっている。

 日本は戦わずして極東日本を放棄。アメリカは戦わずして極東日本が手に入る。

 そのせいか、日本の守備戦力は驚くほど小さく。極東日本が15万、豪州日本が15万。

 予備役は、その数倍。

 アメリカは、12年後手に入る極東日本と合わせ。

 満州・朝鮮・台湾を信託統治領として極東に足場を構築。

 北大西洋と北太平洋の両大洋で覇権を拡大していた。

 

 

 豪州日本

 極東日本と豪州日本の間を移民船が何度も往復する。

 極東日本でも豪州日本でも基幹産業の建設ラッシュが続いていた。

 結局、国を富ませるのは産業の大きさと利潤だった。

 点々と公団住宅が建設され、農業用地の土壌が作られていく。

 河川の近くは早かった。

 あぜ道と水路区画で分けられた水田が地平線まで広がっていた。

 地平線の向こうに行っても地平線が広がっている。

 天の川が全天球を横切り、星々が煌めく。

 「星だけは綺麗だな」

 「三日月の形が逆なのが違和感だね」

 「そういえば・・・」

 「しかし。稲穂が垂れていないのが悲しい」

 「粒が小さい、もみも数が少ない。これで味が悪かったら泣きたくなるね」

 「せっかく、水稲農林1号が広がって、東北でも水田ができたのにな・・・」

 「水稲農林1号はニュージーランド向きかな」

 「オーストラリアだと土壌が変わるし。塩分に強い品種に改良しないと」

 「ありえね」

 「寒冷地用の稲を作っていたんだから、塩分に強い奴だって作れるよ」

 「しかし、水がな・・・日本って水の国だったんだな」

 「ニュージーランドは、水が多いよ」

 「オーストラリアで多くないと駄目なんだよ」

 「温泉が少ないのが悲しい」

 「ニュージーランドは温泉が多いよ。ニューギニアも」

 「みんなニュージーランドに行きたがるワイ」

 「あはは・・・金色の稲穂が延々と続くのはいつになるやら」

 「水田は林で大きく区切らないとね」

 「気持ちだよ。気持ち」

 

 

 三式指揮連絡機が紅い岩肌に上に着陸する。

 エアーズロック (868m)

 「この大きさで、一個の岩だと」

 「でか〜」

 「約35kuだそうだ」

 「赤いな」

 「鉄分が多くて酸化しているんだと」

 「鉄か、羨ましい国だな」

 「大陸西部のマウント・オーガスタスは、もっと大きい岩らしいよ」

 「一面の荒野か。水が不便だな」

 「そのうち慣れるんじゃないか」

 「死活問題で慣れるわけねぇ」

 「そりゃ そうだけどね。穀物地帯になるかは微妙だな」

 「牧畜向きの大陸だ。無理しないで肉食にする方が楽かもね」

 「日本人は精肉いやがるし。牛肉ばっかりだと日本人じゃなくなりそうな気がする」

 「でも肉は好きだから」

 「とりあえず、流通を整備して魚肉とか内陸に行きやすいようにしないと」

 「それは言える」

 「食事事情が改善されれば戦雲が低くなると思うよ。腹が膨れると争い事なんてしたくなくなるし」

 「戦前がそんな感じだったからね」

 

 

 

 瑞穂・秋津

 工業用用水、飲料水とも十分な水量だった。

 雪山を縫うように清水が流れ、青い葉が群れをなして漂う。

 ワサビは、日本人のアイデンティティを保つ上で効果を発揮する。

 業者がワサビを銜える。

 「ワサビは悪くない」

 「ニュージーランドを制圧していなかったと思うとゾッとするね」

 「あぶなく、酢飯の代わりに胡麻油。ワサビの代わりにニンニク味噌を使うところだったよ」

 「嫌ってわけじゃないけど、朝鮮式は、ちょっとな」

 「まぁ 浮気みたいなものだろう」

 「そんな感じかな」

 「でも、焼き肉は欲しいよ」

 「焼肉か。ビビンバと冷麺とキムチもあったな」

 「東南アジアが近いからエスニックが良いかも」

 「いいね。トムヤンクン」

 「そうそう、外国の味に慣れると大根の匂いが鼻につくんだよな」

 「あれは軽いショックを受けたよ」

 

 

 呉

 戦後の予算縮小と対米感情を悪化させたくない事情で軍艦の新規建造が行われず、

 駆逐艦の改造が進む

 2000トン級陽炎型駆逐艦 浜風、谷風、野分、嵐、時津風、不知火、天津風、

 対艦兵装が縮小し、対空・対潜兵装が増える。

 ディーゼル機関電気推進は速度を低下させてしまう。

 しかし、航洋性と静粛性を向上させた。

 対空レーダー、対潜ソナーは最新型であり。

 レーダー射撃ができる71口径88mm艦砲はドイツ製。

 「アメリカ製の土木建設機械と工作機械が大量入荷で仕事がはかどっているらしいよ」

 「極東Jpan州の利権確保を急ぎたいあまり、大盤振る舞いじゃないか」

 「戦後で処分品を一掃したいのだろう」

 「だけど、軍艦の改造くらい、豪州日本でしたいね」

 「アデレード、シドニー、パース、ダーウィン、ウェリントンに工廠を建設中だよ」

 「軍事費ケチって建設しているんだから、しっかりやってもらいたいものだ」

 「軍事費いらないだろう。アメリカも空母12隻、潜水艦150隻を日本に盗られたくないだろうし」

 「そりゃそうだけどな。あと12年もしたら世代変わるだろう」

 「組織、技能、ノウハウとか、蓄積されたモノって、一度失われると再構築するのって大変だろう」

 「それは言えるけどね」

 「だけど、対空兵装と対潜兵装ばかり強化されて、対艦兵装等閑はちょっと辛い」

 

 

 トランジスタ

 AT&Tがトランジスタを発明し、製造段階に入っていた。

 一方、日本も大戦中の戦訓から微細加工、電子技術の開発に意欲を見せる。

 NHK技術研究所がデジタル回路のトランジスタの研究を進めていた。

 新東京 (シドニー)

 工場で技術者たちがブツを丹念に調べる。

 「・・・シリコンとゲルマニウムの結晶なんて、簡単に作れるものじゃないよ」

 「精製が下手だな。アメリカに負けちゃうよ」

 「慌てる必要はないような気もするけど。水をふんだん使える瑞穂・秋津が良いかもしれないな」

 「そっちでも良いけど、政府は、複雑な計算ができると税制を公平にできるって前向きだよ」

 「水飲み百姓が減って、社会資本が増えると産業が複雑になっていくからね」

 「税金をムラなく効果的に搾り取るのは執政者側の夢だからね」

 「戦争が終わると政官財を巻き込んで利権の奪い合いと派閥抗争で離合集散か・・・」

 「やれ、道を作れだの。やれ、橋を作れだの。世俗に予算を取られるのは辛い」

 「軍部が強くなっても、金は取られるし、資材も人材も引き抜かれるし、良い事なかったからな」

 「結局、しわ寄せは弱いやつに行くよ」

 「上にいる支配者階層は、大多数の国民を労働者とか、食いものにしているからね」

 「その上、アメリカと戦争していたから庶民も哀れだったよ」

 「そういえば赤紙逃れも多かったし、貧困層も拡大していたからな」

 「キャリア将校が戦艦部隊でオアフに突入しなかったら、国民も一般将兵も士気低下が免れなかったね」

 「豪州移転しなかったら暴徒化で爆発していただろうな」

 「豪州移転の暴徒化も怖かったけどね」

 「土地が得られる誘惑には勝てなかったか」

 「それにアメリカは核兵器も開発している。アメリカとの和解はどうしても必要だったよ」

 「核兵器開発も予算がないと無理なんだけどね」

 

 

 中国大陸

 悠久の歴史を刻む中国大陸に幻想を抱き夢を馳せる。

 日本人やアメリカ人のイメージを誘導し、国政を動かし、中国に介入させる勢力が存在する。

 その勢力は、主要各国の特定の層で利害が一致した者たちの連合であり。

 国庫を動かし、国外と国内で搾取した利益を我田引水に引き出すことができた。

 彼らの知識、視点、意識に中国に対する憧れや幻想はなく。

 豊かな資源、巨大な市場、膨大な労働力に過ぎない。

 中国官僚の不正腐敗に干渉し、介入し、収奪を試みる。

 利権に酔いしれた勢力は国民を煽り、国家を動かしていく。

 無論、成功すれば富裕層は膨れ上がり、豊かで安逸な生活ができる層を増やした。

 そして、一部は国民へと還元される。

 日本が退いた中国大陸は二つの選択肢、アメリカとソビエトで分かれる。

 欲望全開の資本主義で弱肉強食な世界を望むか、

 競争のない共産主義の牢獄で囚人となる道を選ぶか。

 中国の有力者はアメリカと組むことを良しとし、大多数の貧しい中国人は共産軍へと馳せ参じる。

 支配層と被支配層の衝突が自由と共産の戦いの本質で難しい思想戦など必要なかった。

 中国大衆は国民党の言う事に耳を傾けない。

 また国民党の耳に中国民衆の叫びは届かない。

 自ら不利となる事に耳を傾ける者などいない。

 如何なる大国であれ、国民が政府を呪い公益性を喪失すれば、惰弱な世界が広がるに過ぎない。

 アメリカは諜報の価値を重視し、情報に予算を投資できた。

 極東日本を足場にしたアメリカは、金を支払うだけで中国軍閥を味方にする事が出来た。

 中国大陸に親米組織を構築することもできた。

 台湾人はアメリカにとって都合の良い手駒であり、エージェントであり、

 化外の民たちは、アメリカの商品と工作費を持って大陸に渡って成功していく。

 リバティ船が揚子江を上がっていく。

 船橋

 「中国大陸は無政府状態に近いそうだ」

 「政府を求めなければ警察機構は得られない。治安も法もなくなる」

 「軍閥に奪われるか、山賊に奪われるかなのだろう」

 「政府を作っても二重、三重に搾取される」

 「国民党も信用できないのだろう。どうせ匪賊ばかりの世界だ」

 「共産党は?」

 「勢力は拡大している。しかし、ソビエトの支援が遅れているから赤化に至ってない」

 「極東日本が手に入るのなら、中国大陸は混乱した状態が好ましいよ」

 「ある程度、設備投資した方が極東日本の利益にならないか?」

 「とりあえず、極東日本は資源が必要だがね。アメリカからでも持って行けるよ」

 「しかし、日本は、あんな工場しかないのに良くアメリカに宣戦布告出来たものだ」

 「立て直さないとな」

 「それに必要以上に中国投資しない方が良いだろう。有色人種に自信を付けさせたくない」

 「それは言える」

 「問題は、信託統治領にした満州・朝鮮・台湾じゃないか。どうするんだ?」

 「朝鮮人は識字率が高過ぎる。将来的には、独立させるんじゃないか」

 「日本人が余計な事をするから・・・」

 「英語圏にして、ドサクサに識字率を落とさせようと画策してるけどね」

 「上手くいけばいいが」

 「朝鮮人も漢民族も、地位安泰を第一にするから大丈夫だろう」

 「そういえば、英語を覚えると意図的に識字率を低下させようとする節があるな」

 「良い傾向だね」

 「自分の権力を手にするまでだろう。そのあとは、国家基盤を構築しようとする」

 「可能な限り、独立は遅らせたいね」

 

 

 

 秋津 (南ニュージーランド)

 放牧を教わった日本人が羊の群れを率いて牧草地へと向かう。

 ニュージーランド人であれば子供でも出来、やっていることだった。

 日本人は企業でやらなければ難しく。懸命にやらないとできないでいた。

 逆にニュージーランド人に水田をやらせると良い大人でも出来ない。

 単に慣れと経験の差ともいえる。

 一部では水田が広がり始めていた。

 もっとも、皮革業者、毛皮業者、食肉業者が急き立てるため、そう簡単に農家に戻せないでいる。

 「牧畜やらないなら、ホップか、葡萄畑にしてくれだと」

 「ビールに、ワインか。西洋かぶれだな。日本酒とか、焼酎とかの方が良いだろう」

 「大御所が困るらしいよ」

 「なるほど」

 「しかし、随分、日本人が増えていないか」

 「ニュージーランドを望む日本人は多いからね。温泉宿も増えてるよ」

 「何かそれだけで浮き浮きしてくるよ」

 「水田は?」

 「水力発電を建設するらしいから、様子見かな」

 「それに年間の気候がなんとなく掴めてきたから、これからだよ」

 

 

 アメリカ信託統治領 朝鮮

 荒れていた。

 日本人の行政官が退き、資金源が断たれると社会機能は停滞。

 教育、通信、鉄道すら運用できない。

 ヤンバン(両班)復活。アメリカ系・通訳系の新ヤンバンが台頭し、二重取りが始まり。

 日本から農薬が供給されなくなれば食糧自給率が低下していく。

 アメリカ軍に衣食住を押さえられ・・・

 「「「「「「朝鮮独立万歳ニダ〜!!!!!!」」」」」」

 キュル キュル キュル キュル 

 「「「「「「戦車ニダ。逃げるニダ〜!!!!!!」」」」」」

 ファビョった朝鮮民衆は、独立を求め立ち上がった。

 しかし、M4戦車に蹴散らされる。

 「「「「「「悔しいニダ〜!!!!!!」」」」」」

 腹ペコな朝鮮人は数人がかりでもアメリカ兵士にいなされていく。

 アメリカ人にすれば、日本人のみ別格扱いであり、

 ほかの有色人種に後れを取るわけにはいかない。

 平壌

 東洋のエルサレムには、嘆きの壁がある。

 朝鮮人は我が身を嘆きながら慟哭していく。

 「ずっと一緒だって言ったニダ ずっと一緒だって言ったニダ!」

 「ずっと一緒だって言ったニダ ずっと一緒だって言ったニダ!」

 「ずっと一緒だって言ったニダ ずっと一緒だって言ったニダ!」

 「内鮮一体だったニダ 内鮮一体だったニダ 内鮮一体だったニダ〜!!!」

 「内鮮一体だったニダ 内鮮一体だったニダ 内鮮一体だったニダ〜!!!」

 「内鮮一体だったニダ 内鮮一体だったニダ 内鮮一体だったニダ〜!!!」

 「日本に裏切られたニダ 日本に裏切られたニダ 日本人に裏切られたニダ〜!!!!」

 「日本に裏切られたニダ 日本に裏切られたニダ 日本人に裏切られたニダ〜!!!!」

 「日本に裏切られたニダ 日本に裏切られたニダ 日本人に裏切られたニダ〜!!!!」

 ファビョって頭を壁にぶつける者も少なくなく、涙だけでなく、血溜まりも増えていた。

 玄界灘を渡り、極東日本人になり済ます者も少なくない。

 バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! 

 「丸太で玄界灘を渡るニダ!!!」

 「「「「アイゴ〜!!!!」」」」

 バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! 

 「日本人は寂しがって泣いているニダ」

 「「「「アイゴ〜!!!!」」」」

 バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! 

 「しょうがないから、みんなで慰めに行くニダ」

 「「「「アイゴ〜!!!!」」」」

 バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! 

 「ずっと、一緒ニダ♪」

 「「「「アイゴ〜!!!!」」」」

 バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! 

 「朝鮮人も、大国に住むニダ♪」

 「「「「アイゴ〜!!!!」」」」

 バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! 

 付き合わないと損する福の神な人間もいる。

 付き合うと損する疫病神な人間もいる。

 !?

 「さ、鮫ニダ〜!!」

 「「「「アイゴ〜!!!!」」」」

 バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! バシャ! 

 

 

 

 

 “新” 仙台 (アデレード)

 完全引っ越しが済むまで暗黙の了解で “新” がつけられ、勘違いは減る。

 生き残った海軍艦艇で再編成が進んでいく。

 空母 大鳳、瑞鶴、翔鶴、飛龍、蒼龍、

 戦艦 大和、武蔵

 巡洋艦19隻

  (妙高、那智、足柄、羽黒)、(高雄、愛宕、摩耶、鳥海)、(最上、三隈、鈴谷、熊野)

  (利根、筑摩)、大淀、(阿賀野、能代、矢矧、酒匂)

 護衛艦97隻

  2700トン級秋月型護衛艦12隻

    秋月、照月、涼月、初月、新月、若月、霜月、冬月、春月、宵月、夏月、花月

 

  2567トン級島風型護衛艦 島風

 

  2000トン級陽炎型護衛艦29隻

    陽炎、黒潮、親潮、早潮、夏潮、初風、雪風、荻風、舞風、秋雲、浦風、磯風

    朝潮、大潮、満潮、荒潮、朝雲、山雲、夏雲、峯雲、霞、霰

    浜風、谷風、野分、嵐、時津風、不知火、天津風、

 

  2077トン級夕雲型護衛艦19隻

    夕雲、巻雲、風雲、長波、巻波、高波、大波、清波、玉波、涼波、藤波、早波

    浜波、沖波、岸波、朝霜、早霜、秋霜、清霜、

 

  1700トン級初春型護衛艦6隻

    初春、子ノ日、若葉、初霜、有明、夕暮

 

  1685トン級白露型護衛艦9隻

    白露、時雨、村雨、夕立、春雨、五月雨、海風、江風、涼風

 

  1680トン級吹雪型護衛艦21隻

    吹雪、白雪、初雪、薄雲、白雲、磯波、浦波、綾波、敷波、朝霧、夕霧、天霧

    朧、曙、漣、潮、暁、響、雷、電、叢雲、

  

 艦隊駆逐艦は、ディーゼル機関電気推進25000馬力〜30000馬力に換装。

 主兵装は対空・対潜強化に換装され、対艦装備は低下、2線級落ちが決まる。

 1680トン級吹雪型護衛艦

 綾波 艦橋

 レーダー射撃と連動した71口径88mm連装砲3基が火を噴く。

 高感度ソナーと連動した533mm対潜魚雷、爆雷投射機も装備されていた。

 赤レンガの住人たち。

 「艦隊駆逐艦だった艦艇の主砲が71口径88mm砲とはね。世も末かな」

 「ドイツ製は優れていますから。1基1分で18発。6基なら108発の弾幕です」

 「レーダー射撃で10000m上空の敵機に届く対空砲なら歓迎だよ」

 「命中率を考えると次期艦艇は、もう少し大型艦が良いですがね」

 「プラットホームで計算すると全長150m以上が縦揺れ対策で望ましいがな」

 「フィン・スタビライザーを装備して横揺れ対策もすべきでは」

 「今後は、対艦誘導弾が怖いですから、早めに撃墜しないと命取りです」

 「71口径88mm砲なら、巡洋艦の50口径140mm砲より良いかもしれません」

 「140mm砲は命数が余っている間使うよ。対空両用で65口径辺りを開発する予定だがね」

 「アメリカが対艦ミサイルを開発していたとしても不思議ではありませんから」

 「上は、艦艇が多くて将兵が少ないから自動化を進めて人減らし優先のようだ」

 「艦底を補強して塗り替えたそうです。戦力より、延命に力を入れてますね」

 「思ったより新型艦艇の建造が後回しにされそうでね」

 「水上艦は良いとしても潜水艦は、新型艦を建造しないとまずいのでは?」

 「そっちも補強するらしいよ」

 「やれやれ、豪州に着て冷や飯ぐらいになったな」

  

  

 アメリカ信託統治領 満州

 大慶油田が発見される。

 「やっぱり発見できたか、あると思った」

 「日本が戦前に油田を発見していたら戦争にならず済んだろうに・・・」

 「軍事ばかりに金を使っていたからな、山師に賭ける予算なんてないだろう」

 「しかし、この油質だとドイツの技術じゃないとお手上げだと思うがね」

 「まぁ 良いじゃないか、おかげで極東Japan州の開発も進む」

 「満州独立に火が付くのでは?」

 「どうかな、中国大陸の混迷振りだ。アメリカの信託統治領のままが良いと考えるだろうよ」

 「しかし、このまま、信託統治領というわけにもいくまい」

 「プエルトリコ化させるか、独立させるか、微妙だな」

 「プエルトリコ化はいやだよ。朝鮮人に合衆国市民権をあげたくない」

 「それは言える」

 

 

 東南アジア フィリピン

 東南アジアは、独立していく。

 これは、アメリカが日本の利権を引き継いだ時点で東南アジアの独立が定まっていたために過ぎず。

 東南アジアの日本利権は少なく。

 逆に日本の国益が強かった満州・朝鮮・台湾を引き継ぐと信託統治領にしてしまう。

 マニラ

 アメリカ人が歩くと棘々しい視線に晒される。

 アメリカ人は主人でなくなっていた。

 とはいえ、フィリピン人が国家運営ができるかというとそうでもない。

 封建制度も定着させられなかった部族社会であり、

 それなりな官僚も育てられていない。

 「昔の友人たちは残っているようだが、親日政権はしばらく続きそうだ」

 「金次第か」

 「将来性を考えれば、フィリピンも影響化に入れておくべきだろうな」

 「フィリピンの利権は奪われているし、金ないよ」

 「良いよ、役所仕事も、警察も、教育も、たいしたことないし、ボロが出てからでも遅くないよ」

 「まぁ そんなところか」

 「まず極東Jpan州の開発と確保が先決だよ」

 「アメリカ人の移民も急がせないと」

 「だよね。極東日本がオーストラリア人、ニュージーランド人ばかりだとイギリスになってしまう」

 「それは困る」

 

 

 大和の艦尾飛行甲板にXF5Uが着艦する。

 艦尾航空管制室

 「ようやく、アオガエルが8機に増えた」

 「量産が遅れているんじゃないか」

 「ライセンス生産なんて簡単にできるものじゃないよ。モノがモノだしね」

 「ていうか、工作精度がゼロコンマ以下の桁が二つ以上違うからね」

 「もっと優良工作機械が必要だよ」

 「元の工作機械より精度の高い工作機械はトンビが鷹を生むに近いからね。蓄積しないと」

 「ジェット機の時代なのにな」

 「着艦できないだろう」

 「レーダー搭載型にすると重量が増えるらしい、そうなると短距離離着陸が難しくなるらしい」

 「空技研は、ユモ1700馬力エンジンを改良したアオガエルを検討しているらしいよ」

 「エンジンが大きくなると振動幅が広がる。それに機体が大きくなるんじゃないか」

 「振動幅が広がるのは困るけど全長8.73m、全幅9.91m、全高4.50m。元々が小さいからね」

 「円盤型だと収まりやすいからな」

 「フリッツXか、Hs293を装備できれば嬉しいけどね」

 「1570kgと1045kgじゃ エンジンを強化して大型化しないと無理」

 「艦隊の対艦攻撃力が低下しているから、そうも言ってられない」

 「艦隊も対空と対潜兵装ばかりになったからな」

 「予算が減らされると手抜きするしかないからね」

 「攻めてこられたら統治者のせいにすればいいよ。もう知らん」

 

 

 日本信託統治領ニューギニア

 豪州日本の開発だけで手が一杯の日本だった。

 実のところ移民で資金繰りがつかず手放したいと思っていたりする。

 もっとも、北太平洋に対する拠点でもあるためそれなりの予算を投じる。

 そして、配分される土地は、大和、瑞穂、秋津、八島の3倍。

 区画整理が進むと移民が殺到し始める。

 「こっちに来ると大地主になれるから、意外と移民が多い」

 「同じ防波堤でも、地続きじゃないから安心感も強い、満州より増えるだろうね」

 「大陸と違って水で悩まなくても良いし、土地無しの人間にしたら嬉しいかもね」

 「結局、人は土地に根付くんだろうな」

 「上手くいけば、このまま、日本国領土に編入できるかも」

 「人口次第じゃないの?」

 「日本人は、農地と温泉があって、それなりに漁業ができれば、意外と居つけるのかも」

 「それなりに設備投資は必要だろう」

 「信託統治領は、もっと規制を緩めるか」

 「税金を減らせば、住む人間は増えると思うけどね。サービスは低下する」

 「金食い虫の軍事費を削減できるのなら何とかなるんじゃないか」

 「なんとかねぇ」

 

 

 戦後の国際情勢は米英連合、豪州日本、独伊東欧諸国、ソビエト連邦の4極体制となっていた。

 ドゴール北フランス。ペタン南フランスは、統合することもできず南北に分断したまま。

 中国もインドも混迷していた。

 国際外交政治で味方を増やし、敵国を絞り込める統治者は有能であり。

 国際外交政治で味方を減らし、敵国を増やす統治者は無能と言える。

 国民と軍の統制がとれており、国力が大きな国は選択肢が広がり国際外交でも有利になった。

 とはいえ、縄張りを守るため同種を排除する戦いは人間に限らず行われる。

 それは生存圏の確保するため必要なテリトリーであり、

 また、雌の奪い合いでも衝突が起こる。

 こういった戦いは、自存権ともいえる。

 勝者は増長し、敗者は縮小する。

 そこには善も悪も存在しない。

 負けた国が馬鹿だったに過ぎない。

 上手くいったか、上手くいかなかったか。

 馬鹿でなかったか、馬鹿だったかでしかない。

 もっとも、勝敗は決し、第二次世界大戦は終結してしまう。

 各国は確保したテリトリーで国際協調の時代に移行したことを悟る。

 戦後の各勢力はそれなりに拮抗し、各国の調整を行うため一つの国際機関が求められる。

 国際連盟の復活。

 各国とも不便であることから誰となく持ちかけ、誰となく賛成し、

 数度の非公式協議を経たのち本決まり。

 スウェーデンのストックホルムに本部が置かれたのは、大戦中、中立国だったからに他ならない。

 常任理事国は設けず貿易、通信、金融の調整に特化した事務レベル協議機構。

 年に1度、代表交渉が行われ、いくつかの条項が成立し、

 いくつかの協議が不成立のまま取り残される。

 事務レベル協議

 「独伊東欧諸国とソビエト連邦の戦争も終わったしさ。オリンピックどうする?」

 「あ、そうだった。次は、52年だっけ」

 「やっぱ、やらないとね」

 「日本はどうするの?」

 「んん・・・引っ越しが終わるまで、パス」

 「じゃ 中立国かな〜」

 「でも、設備が整ってないとね」

 「「「「「んん・・・・・」」」」」

 

 

 

 極東日本 旧京都

 「ここは、清水の舞台から飛び降りるつもりで・・・」

 !?

 アメリカ資本主義は、清水の寺を買い取ろうとテーブルの上に札束を乗せていく。

 「「「「「・・・・・」」」」」

 歴史と伝統なないアメリカは、自らの歴史を重んじる。

 当然、懐に飛び込んできた歴史も重んじたいとか、観光になるとか・・・

 “そんなに金持っているんなら自分で作れ、2、3個は造れるだろう”

 そういう金額。

 なにしろ、アメリカの大企業は日本の国家予算並みの金を動かせる。

 喉から手が出そうな、

 民族の誇りとか、プライドとか、伝統とか、歴史とか、消し飛びそうな。

 そういう金額。

 引っ越し費用を捻出できない城郭神社仏閣は、軒並み狙われ。

 清水寺でさえも金任せに買い取ろうとする。

 「「「「「・・・・・」」」」」 ごっくん!

 心持、涙ぐむほどの金が乗せられている。

 『ふ 先祖よ。子孫よ。俺を褒めてくれ』

 「・・・お断りします」

 「そ、そうですか。また来ますので、その時、御再考してください」

 「「「「「・・・・・」」」」」

 はぁ はぁ はぁ はぁ はぁ

 真っ白・・・

 汗だく。

 戦前・戦中の日本は、奪うか奪われるかの戦いをしていた。

 戦後の日本は、日本の魂を売るか売らないかの熾烈な戦いを繰り広げる。

  

 

 アメリカの日系人は、収容所生活から一転し、引っ張りだこ。

 アメリカ資本に雇われて日米関係を取り持つ膠役として羽振りが良くなっていた。

 熱海

 温泉街にアメリカ人が訪れる。

 世の中、金。

 殺し合っていた時代は遠い過去。

 城郭神社仏閣と違い温泉は運べず、アメリカ資本が旅館を買占めていく、

 女中の半分は、オーストラリア・ニュージーランド人、アメリカ人の旅館もあった。

 そして、温泉旅館継続のため、アメリカ市民権を得ようとする女将もいた。

 グリーンカードを得ようとする日本人従業員まで現れる。

 浴場

 ハルゼー提督は、皮膚病に効くと評判の温泉に浸っている。

 「パットン。イギリスはどうだった?」

 「イギリスの要請で機動部隊回航で豪州を奪われたんだ。泣いてたな」

 「ふっ」

 「・・・ハルゼー。温泉も悪くないな」

 「だが、日本の夏は蒸し暑くて過ごし難いらしい」

 「夏になったら北海道に行くか。マッカーサーの話しだと満州も過ごしやすそうだ」

 ハルゼーとパットンは、日本の子供の遊びを真似、両掌から御湯を出して遊ぶ。

 「ハルゼー。俺の方が飛ぶぞ」

 「バカいえ、命中率は俺の方が良いぞ」

 ハルゼーとパットンは洗面器を狙っていた。先に一杯になった方が勝ち。

 「だけど、何でお湯が白いんだ?」

 「さぁ ポカポカして気持ちが良いぞ」

 「しかし、こうして極東で骨休めも悪くない、気が休まるな」

 「欧州戦線も太平洋戦線も攻めあぐねたからな」

 「太平洋艦隊がドジって戦力を太平洋に取られたからな」

 「なにを言う、機動部隊を大西洋に回したから豪州を奪われたんだぞ」

 「緒戦でオアフ島を奪われたやつが悪い。おかげで欧州を後回しにされたんだぞ」

 「まさか、日本が戦艦10隻を捨てて来るなんて思わんだろう」

 「太平洋で失態して迷惑かけたんだから、大西洋に機動部隊の回航ぐらいしないとな」

 「だけどノルマンディ上陸作戦で決定打になったし、ノルウェーでドイツ海軍にとどめを刺した」

 「地中海ではイタリア海軍を壊滅させた。欧州の戦況は有利になったんだぞ」

 「それで機動部隊のパイロットを大量に失って、日本に豪州を占領されちゃな」

 「あれはマッカーサーが悪い。豪州の主力部隊をニューギニアに移動させるから」

 「まぁ 日本と豪州の交換に繋がったのなら悪くないがね。アメリカは公然と国土を拡大できた」

 「そりゃ アメリカ合衆国は得したけどね」

 「日本も得したんじゃないか」

 「まぁ かなり得だろうよ」

 「だけど、この旅館の女将は泣いてたぞ」

 「女特有の思い入れってやつだよ。女は日本人もアメリカ人も同じ、女々しくていやだね」

 「普通は泣くんじゃないか」

 「ニュージーランドに旅館を作るらしいよ」

 「なんだ」

 「アメリカ女性の方がサバサバしてる気がするぞ」

 「まぁ 執着しているモノがあるか、ないかだよ」

 「しかし、日本の決断には驚いたね」

 「帝国の決断か、日本人の性格を考え直さないとな」

 「無駄に消耗しながら、引き籠って自滅すると思ったのに意外だったね」

 「日本列島がアジア大陸の盾になると太平洋艦隊は縮小かな」

 「機動部隊を揃えるより、日本列島に戦力を配備する方が合理的だからね」

 「それも豪州日本の戦略だな」

 「極東日本の国力が増えれば変わると思うよ。艦隊くらい維持できる」

 「いまのところ、極東日本の見込みの人口は4000万くらいだ。防衛費を捻出できるか怪しいね」

 「もっと長い目で見ればいいだろう」

 「まぁな・・・」

 ばしゃ!

 「よーし!! 勝った!」

 「ちっ!」

 ハルゼーとパットンの温泉遊びは、しばらく続いた。

 

 

 

 豪州日本

 鉄鉱石一杯、石炭一杯。

 これを産業に反映すると製造価格が押さえられ、研究開発費を絞り出す事が出来る。

 安価な膨大な資源で採算性が向上し大量生産が軌道に乗れば、技術は熟練し、

 国際競争力に反映される、

 富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなるという構図が作られる。

 産業が軌道に乗るまで軍事関連の生産が縮小し、

 基幹産業、設備投資、民生品のための生産が拡大する。

 社会基盤、公共事業への積極財政投資は、やむえない事であった。

 人事を尽くし優れた運用で効率良く業績を伸ばす必要があり、

 民営化しつつ独立採算の弾みを付けさせる、

 失敗すれば、半病人の不良産業、

 カンフル剤の財政融資を打ち続けなければならない不良債権となり、

 政官財を巻き込んだ吸血鬼とか、寄生虫とか、

 泥棒の巣窟とか、ブラックホール状態になってしまう。

 一般に “勝って兜の緒を締めよ” である。

 鉄鉱石、炭鉱、希少金属鉱山に銑鋼一貫製鉄所が建設され。

 鉄道で有機的に連結されていく。

 極東日本であれば鉄鉱石と石炭を輸入しやすい海岸近くに製鉄所を建設すると有利だった。

 当然、各種工場、公共設備、商業地帯、居住区も整備されていく。

 いわゆる海岸産業型。

 大和大陸では、内陸の炭鉱近くに製鉄所と発電所が建設され、

 ドーナツ状に各種工場が建設され、

 公園や公共設備が整備され、商業地帯や居住区が整備されていく。

 豪州日本が内陸産業型となりやすいゆえんでもある。

 無論、沿岸で産業が起こらないわけでもない。

 転炉以降の鉄鋼、クズ鉄用の製鉄所が建設され、そこでも製鉄産業は起こせた。

 そして、瑞穂・秋津、八島も転炉以降の製鉄所が建設されていく。

 「鉄は良いとして、あとは、工業用ダイヤだよな」

 「イギリス剥れてるからね」

 「どこか、ダイヤ鉱山ないかな」

 「南アフリカの黒人に反乱を起こさせて独立させよう」

 「せっかく、国際連盟が復活しているんだから、交渉して必要なダイヤを輸入した方が良くないか」

 「つまんねぇ」

 「じゃ 軍事費減らしてダイヤ鉱山を探そうぜ。探せばあるかもしれない」

 「んん・・・面白くねぇ」

 

 

 南アフリカ共和国 ケープタウン港

 8200トン級巡洋艦 大淀 艦橋

 ちょっとした砲艦外交が行われていた。

 何しろ、工業用ダイヤは戦略物資、それなりに意思を見せる必要もあったりする。

 「国際外交戦略で豪州日本が覇を唱えるなら大型揚陸艦を10隻くらい欲しいものだ」

 「そりゃ 大型の空母を持っていても地上を制圧できるうわけじゃないけどね」

 「赤城と加賀を売却しないで揚陸艦に改造すれば良かったのに」

 「売却したから人件費とか、見舞金を払えているんじゃないの」

 「かあ〜 しみったれ〜!」

 「瑞鶴と翔鶴の格納庫を一層に改装するのなら、そのまま、揚陸艦に改造する手もあるがね」

 「まぁ 今の国際情勢で波風を立てるのはまずいんじゃないの、政府も新造艦を渋ってたし」

 「土木建設に予算を注ぎ込みたいんだよ。どうせ、自分とこの門閥企業を稼がせているんだ」

 「ずるいよな」

 「まぁ 戦前戦中は、軍部もやってたけどね」

 「どっか攻めて来ないかな・・・」

 

 

 

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 月夜裏 野々香です。

 『国防戦記』が引き籠り戦記なら、『大本営特攻』は1億総雄飛戦記でしょうか。

 中途半端はいけません。

 大本営特行、引っ越しまであと12年です。

 

 

 人口が多いので現在の豪州より大きな産業が起こります。

 当然、資源地帯には製鉄所、発電所が建設され、

 各地の製造ネットワークが鉄道と船舶で連結されていきます。

 というわけで内陸産業型となり、

 かくして、資源地帯を核としたドーナツ状の大都市が形成されていきそうです。

 

 

 戦前・戦中の艦隊型駆逐艦は、史実のDE型護衛艦。

 あと哨戒艦とか、補助艦艇にされていきそう。

 巡洋艦はDD型護衛艦という感じです。

 

 

 国際連盟は、サミットと国際連盟を足して2で割ったような事務レベル機構になってしまいました。

 事務レベル協議で調整できない時、代表権を持つ国家代表会議で決まります。

 

 

日本連邦
オーストラリア (大和) 北ニュージーランド (瑞穂)
ブリズベン 広島 オークランド 旭川
シドニー 東京 ハミルトン 札幌
    ウェリントン 函館
キャンベラ 京都    
メルボルン 大阪 南ニュージーランド (秋津)
アデレード 仙台 クライストチャーチ 高松
    ダニーディン 高知
パース 福岡    
    信託統治領
ダーウィン 沖縄 ポートモレスビー ポートモレスビー
    ラバウル ラバウル
タスマニア (八島)    
ホバート 豊原    
       

  

 

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第08話 1948年 『南太平洋波低し』

第09話 1949年 『日本人なら温泉』

第10話 1950年 『人間牧場』