月夜裏 野々香 小説の部屋

    

架空戦記 『大本営特攻』

 

 

 第19話 1959年 『まったり、ゆったり』

 01/03 アラスカがアメリカ合衆国49番目の州となった。

 ワシントン 白い家

 人は我田引水でどこまでも権力と利権を求めた。

 力の信望者な人間はどこにでもいて、権力者が油断すれば下剋上に遭う。

 暴力以外に従わない権力志向な人間は、自らの衝動のため秩序を破壊してしまう。

 支配欲に狂えば、外国勢力を利用し、祖国を貶めても権力を手に入れる。

 それを防ぐため格差を広げ、秩序を破壊しようとする勢力を淘汰する。

 建前的な人当たりが良くても、善良で世界平和な人間はいない。

 最大限の公共の利益も国益止まりであり、

 それさえ、自らの権力集中と保身を守る口実で利用されたりもする。

 世界地図を前に数人の男たちが集まる。

 「戦後軍縮と極東日本を含めたアジア貿易でアメリカの重心は太平洋側に移動している」

 「極東日本を編入するとアメリカ合衆国の重心が太平洋側に移動してしまうな」

 「仮に西海岸へ遷都するとしても、もっと先の話しだよ」

 「その時の場合に備えて土地でも買っておくか」

 「そうだな」 にやにや × 5

 「アラスカを州に取り込んだのも、ハワイを州に取り込むのも、第51番目のApan州のためだよ」

 「日本人労働者の在籍を増やして欲しい声もあるぞ」

 「黒人の蜂起と白人の労働運動が激しくなっているからな」

 「楽しい状況とは言えないが大人しい日本人が好まれるのだろう」

 「Apan州と極東信託統治領の利益は大きいからな」

 「戦略的価値もね」

 「価値が高くてもソビエトと直接国境を接するのは面白くない」

 「だが国防費は安定して得られる」

 「陸軍と空軍はな」

 「海軍もそれなりだろう」

 「日本がエセックス型を就役させればな」

 「就役させるだろう。常識的に割安だ」

 「だが12隻同時就役はしないだろうな」

 「それでもアメリカ海軍の戦力を保つ口実になる」

 「ドイツ海軍が増大しているのにまずくないかね」

 「極東政策で米独の政策は一致している。米独海軍の競争はブラフに近い」

 「もう少し、穏便に頼むよ。貧富の格差が広がり過ぎると国内が荒れる」

 「国内の荒れを沈めるための対独、対ソ、対日脅威ですよ」

 「内憂外患を利用して挙国一致か、北風と太陽だな」

 「外敵を利用して内輪の不正を誤魔化し、国内をまとめる。人間社会なんて、そんなものだ」

 「しかし、ドイツの宇宙ロケット技術。問題は大きくないか」

 「ソビエトは追随しようとしている」

 「ほかの国は?」

 「日本は、宇宙開発事業団を創設する動きがある。しかし、予算が付いていない」

 「水がなくてそれどころじゃないか」

 「イギリスもまだだ」

 「貴族意識と植民地経営のノウハウでやってきた国だ。まっとうな商売などできるものか」

 「となると、ドイツをトップにアメリカとソビエトが続くわけか」

 「予算さえあれば、追い抜けますよ」

 「アメリカ国民は社会福祉を欲している。ないな」

 「社会福祉ですか」

 「社会福祉も金になるし、聞こえが良いだろう」

 「まぁ 施しも出来て気分も爽快、己の善良にも浸れる」

 「勝ち組の特権ではありますね」

 「それはそうと、日本の公民市場ですが・・・拡大傾向にあるようで」

 「それが問題かね。貨幣経済からの脱却など不可能に決まっている」

 「公民主義など資本主義の敵ではない」

 「仮に上手くいっても近代化に必要な資本や労働が手に入るはずがない」

 「近代化には貧富の格差が必須だよ」

 「徴就人口を増やせば一時的な労働者も消費者も作れるだろう」

 「後ろ向きで積極的な勤労とは言えんな」

 「しかし、国民のほとんどが土地持ちとは、共産主義国家の対極にある国だな」

 「実のところ、労働者と消費者ばかりの我々の方が共産主義に弱いからな」

 「土地持ちばかりだと貨幣経済が縮小だろう」

 「いや、日本から貨幣経済がなくなっているわけではない」

 「公民市場で中級品以下を流通させてもかね?」

 「競争がなければ、品質や規格が向上することはないよ」

 「法王を頂点とするカトリックが形骸化して崩れた」

 「そして、聖書を頂点として、個人の信仰を中心にしたプロテスタントが強くなった」

 「財閥大企業を頂点とする貨幣経済が形骸化し」

 「個人の能力を発揮させやすい零細企業が強くなることもある」

 「ふん、人間は欲深い、貨幣の楔を断ち切れるものか」

 「断ち切る必要はないよ。非貨幣経済存在するだけで、巨大資本の搾取が困難にある」

 「防ぐ方法は?」

 「航空機技術の移転で便宜を図るしかないかも」

 「それはまずかろう」

 「問題は、相対的に貨幣価値を下げてしまう、買収も困難ということだ」

 「消費経済を進めさせないと拝金主義にならず。当然、買収も困難になるだろうよ」

 「日本の資産家が資本を吸い上げられず、消費でばら撒くようになる可能性もある」

 「貧富の格差が縮まると困るよ」

 「そうかな、アメリカは銀行でお金を腐らせているのに、町で強盗殺人が起きてるよ」

 「働き場もなく、生産手段を奪われた負け犬どもだ。どうなろうと知ったことではない」

 「狂犬を蔓延らせたくないだけだ」

 「というより、日本の様な代案を出されると困る。アメリカの消費者団体も注目している」

 「せっかく赤狩りで労働運動を弱体化させたというのに・・・」

 「元軍人、共産主義者も、民主主義者も一緒に押さえましたからね」

 「だがアメリカは大規模農場ばかり、労働者と消費者の生産の手段を奪っている」

 「消費団体が見ても駄目だろう。日本の公民市場は、小口生産者団体のグループだろう」

 「だが日本は、公民金庫を作った。一般消費者も公民市場のサービスを受けられる」

 「老後を考えれば利息の付かない金融機関に預けるものか」

 「自分の土地に産物でやっていけるのだ。金がいるとは限らんよ」

 「土地持ちが多く生産手段と流通機構があると、優秀な人間を使い捨てできないじゃないか」

 「人を育てるなんて、経費のかかることしたくないからね」

 「使い捨てされるバカが悪いんだ」

 「しかし、いくら日本民族が土地の配分に惹かれたとはいえ、天皇に従って豪州日本に国を移した」

 「国家百年の大計どころか、千年は語り継がれそうだな」

 「慣習的に天皇の権威は万全ですかね」

 「引っ越し後、最低でも数世代は続かせないとね」

 「だが世代が伸びるほど日本民族は天皇を中心に結束しやすくなる」

 「便利だな」

 

 

 独ソ国境線

 ドニエプル川を挟み、独ソ国境線が南北に伸びていた。

 ドイツ軍は、キングタイガーV。

 ソビエト軍はT55戦車を国境近くに配置していた。

 独ソ戦争になれば、アメリカが漁夫の利を得るであろうと予測がついていた。

 米独ソ三竦みで戦雲は低い。

 なによりヒットラーのような強力な指導者でなければ戦争などできるものではなかった。

 ドイツ人とロシア人がドニエプル川両岸に座って釣りをしていた。

 両国とも網を使わない約束になっており、豊かな大河が横たわる。

 日本人はどちら側にもいる、という点で日本人の国際的な立場を物語っていた。

 釣れたナマズとチョウザメが鉄板に乗せられ、塩を掛けられ、無造作に焼かれていた。

 大ナマズは4m級にもなるという。

 ロシア料理シャシリクだと一度マリネに付け込んだ魚肉を焼く。

 国境近くではドイツ人もシャシリクを作っていた。

 もっとも、時間がないのか、半分は塩焼きだったりする。

 串刺しした魚肉や鉄板で焼かれた魚肉が引っ繰り返されていく。

 「ヤーパン。何にする?」

 「鯉がいいな」

 「せっかく、ドニエプル川まで来たのに大ナマズを食わないのか?」

 「ちょっと大味だからな」

 「おお〜! 釣れたぞ」

 3mのチョウザメが釣られる。

 現地の人間が腹を捌いて15kgほどキャビアを引っ張り出すと、少し塩を掛けて揉み解す。

 「「「お〜〜!!!」」」

 日本で食えば、大変な価格になる。

 保存がなかなか効かず、塩付けしなければならないキャビアは、高級品だった。

 現地にいるだけで器に盛った新鮮な黒い卵を山盛りスプーンで頬張る事が出来た。

 「「「美味い〜」」」 涙々

 「ソビエト側の観察は?」

 「もう、どうでもいいや」

 

 

 中国大陸

 内政が乱れた国家を破壊するのに軍隊は不要だった。

 双方の軍隊に武器弾薬、麻薬をバランスよく渡しさえすれば、勝手に殺しあった。

 国民軍有利かと思えば、そうでもなく、不正腐敗で民衆に見限られていた。

 民衆は、安全保障のため地方軍閥か共産軍へ馳せ参じる。

 地方軍閥は利権を守ろうと国民軍の統一を阻み。

 共産軍もソ連製武器を入手するようになると農村で力を付けていく。

 そして、もう一つ、

 中国民衆に拳銃、短機関銃、麻薬が流れ込み、大陸を混沌の渦に巻き込んでいく。

 最大の不安要素は、拳銃、短機関銃、手榴弾、迫撃砲、バズーカなどで重武装した少数民族といえる、

 アメリカ合衆国は姿を見せることなく、

 武器弾薬、麻薬売買だけで中国大陸の混乱と搾取を成し遂げていた。

 国民軍も共産軍も、税を集めることができず。

 家族を単位とする国家基盤を麻薬で破壊され、根底から崩されていく。

 村人同士で銃撃戦が行われていた。

 離れた場所から白人たちが様子を見ていた。

 「お、始まった。始まった」

 「本当に凶作、不作になると村人全員が匪賊となって近くの隣村を襲撃するんだな」

 「あれだけ食料を買いしめりゃ飢餓にもなるよ、人災だな」

 「見たかっただろう銃撃戦」

 「まぁあな」

 「・・・ふっ やっぱり、コルトガバメント(11.43mm×23)が最強だよな」

 「拳銃の範疇にコルトガバメントを入れるのは、どうかと思うよ」

 「ベレッタM1951(9mm×19)が拳銃の国際標準モデルだよ」

 「威力が小さい」

 「だからガバメントと威力を比べるな。それに拳銃は威力の問題じゃないだろう・・・」

 中国人が倒れる。

 「お、やった♪ トカレフTT33(7.62mm×25)最強!」

 「「たまたま当たっただけだろう」」

 「ワルサーPP(9mm×17。7.65mm×17)もいけてると思うよ」

 「日本の例のやつは?」

 「6mm×28か? 貫通力はトカレフ以上じゃないか、何で作ったの?」

 「初速は680m/sでトカレフの420m/sより速い。命中率も良い」

 「命中率が良くてもマン・ストッピング・パワーで弱いだろう」

 「マン・ストッピング・ペイン。逃走用だよ」

 「銀行強盗用かよ」

 「中国人に整備の仕方とか教えているのか?」

 「弱装弾ばかり売ってるよ」

 「銃の整備屋があっちこっちで開店してるよ」

 「悪党」

 「なにを言う。需要に応えただけだよ」

 弓、柳葉刀、青龍刀、竹槍だった武器が徐々に拳銃に変わり、銃撃戦が増えていた。 

 

 

 香港

 アメリカの商船から武器弾薬が降ろされ、華僑の仲買を通じて武器が手渡されていく。

 中国軍閥にとって武器弾薬は身を守る上で大切なものであり、

 武器弾薬と交換に喜んで資源を引き渡した。

 推定、千数百万単位の拳銃・短機関銃が中国少数民族と民衆の手に渡り、騒乱を引き起こしていた。

 アメリカにすれば、条約批准までの時間稼ぎでばら撒いたものであり、

 条約批准後は、新たな関係に模索することになっていた。

 「この状態が続くといいんだがね」

 「1000万丁ほど少数民族に渡したからね」

 「中国人は護身のため死ぬほど働いて2億丁くらい買ってくれるよ」

 「少数民族は、そんなに働きものかね」

 「人権は自らの力で、命がけで守らなくちゃ」

 「・・・まだまだ、荒れそうだな」

 「中国は、きっと、アメリカのような立派な民主主義の国になるよ」

 「みんな拳銃を手にして、殺し合いになると思うね」

 「まさか、中国民衆は、国家と軍閥の弾圧から、自らの人権と権利を守るよ」

 「そして、匪賊、隣人からの襲撃から身を守り、自由と正義の民主主義を勝ち取るんだ」

 アメリカ人が恍惚。

 「その高い志が中国人に通用すれば良いな」

 「アメリカ合衆国の善意と良心は全世界を包むんだよ」

 アメリカ人が恍惚。

 「「「「「・・・・・・」」」」」

 「そう、未来のために」

 血のように赤いワインを掲げる白人は自分の言葉に酔っていた。

 アメリカ合衆国は、戦後、残った武器弾薬を中国に放出。

 コルト・ガバメント1丁約100ドルだとしたらアメリカは10億ドルを先行投機していた。

 建造中のキティホークが2億7000万ドルだとすれば、3隻分を優に超えている。

 もっとも、販売価格であり、原価はもっと少なかったりする。

 この先行投資が少数民族を強くさせ、

 武器の所持が中国人をバラバラにし、麻薬が中国を衰弱させていく。

 そして、共産党に吸収されるはずだった中国民衆を独り善がりな強盗集団にさせていた。

 「それはそうと、極東信託統治領に黒人を住まわせているのか?」

 「合衆国国内に黒人が2500万もいると、治安が悪くなるだろう」

 「漢民族と黒人が衝突するんじゃないか?」

 「だって、黒人がいるとアメリカ国内が荒れるじゃないか。毒を以て毒を制すだよ」

 「なんか、ボロ雑巾のように使いきってアジアに追い出すのかよ」

 「黒人は寒くて生きていけないんじゃないの?」

 「んん・・・満州馬賊と黒の騎士団は良い勝負だったな」

 「何かどっちでも良いみたいだな」

 「もちろん、銃が売れるなら、どっちでも良いよ」

 

 

 新京都

 農地で売店を作ると市場が痩せる。

 しかし、生活に余裕が出来ると、ちょっとした売店が農地に作られたりする。

 “高橋、高橋をよろしくお願いします”

 “日本国民9200万人以上が水資源の不足で困っているのです”

 “軍艦、戦闘機、戦車が水を与えてくれるでしょうか”

 “生活用水、農業用水、工業用水、排水処理は、全てに優先する課題です・・・”

 “高橋、高橋をよろしくお願いします”

 選挙カーが走り回る。

 公民金庫

 「水が欲しいのならニューギニアにでも行けばいいんだ」

 「あそこの入植も多いようです。山脈を削って住み良くしているようです」

 「標高1500m以上なら涼しそうだな」

 「現在3ヶ所を切り崩して、南北ニューギニア島を繋げていますよ」

 「この大陸はプラスチック容器が大量にいるな」

 「そっちは一般企業が手を付けている」

 「手のつけられていないのは、文化関係か・・・」

 「・・・映画館を作った方が良いんじゃないの。金になるよ」

 「採算の良い映画館は、一般銀行が作っているだろう」

 「ほかのは、微妙に赤字じゃないの」

 「どうせ、低利子で預かった預金だから。長期計画で採算が低くてもやれるよ」

 「公民市場に美術館、演劇場、野球場、サッカー場も悪くないよ」

 「まぁ 映画も出来るようにすればいいか」

 「だけど、生産者が文化人になれるのか?」

 「親が関心を持てば、子供が惹かれて芸術も伸びていくよ」

 「お祭りとか、バラバラにされているのに根強いモノがあるからね」

 「継承とか、やっつけでやれるのが信じられん」

 「基本的にお祭りが好きなんだよ」

 「でも、神社仏閣は、一般銀行が強いから食い込めていない」

 「公民金庫は、出来たてだからな」

 「だけど、低金利だから長期計画を考えやすい」

 「しかし、金を預かると貨幣経済も考えるよね」

 「需要が問題だな」

 「公民金庫なのだから、文化関連でのんびりやる方が良くないか」

 「徴就制度があるなら農村にレストランやレジャー施設を作れないか?」

 「採算が取れないだろう」

 「学徒上がりの徴就だろう、天下りの100分の1で済むよ」

 「まぁ 天下りに似つかわしくない程度の規模で良いか・・・」

 「田舎は、いろんな面で遅れているからね」

 「都市は、田舎との格差が縮まる事を喜ばないよ。収益が減るから」

 「もう良いよ。公民市場でやっていきたい」

 「まぁ 総人口9200万、市町村総数2000くらいだから、公共設備投資も掛け算なんだよね」

 「グリーンカードとってる日本人も少なくないから、その総人口も微妙だな」

 「総人口9200万でも屁でもないところが嬉しい」

 「水問題を除けばね」

 「だけど、待望の週刊の少年漫画雑誌が出ただろう、水がなくても紙は作るんだな」

 「週刊少年マガジン、少年サンデーの創刊か」

 「水資源の無駄と言えなくもないが豪州日本の夜明けを感じるね」

 「うんうん、日本の未来は明るい」

 「豪州日本を飛躍させる新しい文明開化だね」

 「豪州文化第一号にしよう」

 「これで貨幣経済にも弾みがつきそうだな」

 「いや、貸本屋でいけるよ」

 「週刊本は置けないだろう。価格も安いし」

 「いや、公民市場は地代が低いから」

 「著作権とか貸与権とか、済し崩しだからね。どうかなぁ〜」

 「ぶっちゃけ、土地持ち作家も趣味で行けそうだな」

 「公民市場のせいでデフレになるとまずいよ」

 「インフレじゃないと、人は働かないし、国債払えなくなるんだよな」

 「国債の利息どうするんだろう」

 「徴就人口を増やせば、労働者も消費者も都心に集められて、工業と商業も発達するだろう」

 「なんか、仕事に人生賭けろよ、って気もするが」

 「そういう雰囲気じゃないだろう」

 

 

 08/21 ハワイがアメリカ合衆国50番目の州となる。

 ハワイがアメリカの州に編入されたのちも、オアフ島は日本の領地として残されていた。

 もっとも、表向き日本というだけでアメリカ資本が入り込み、

 日本人も日系人もグリーンカードを持っていた。

 官僚もそのまま、アメリカ方式に切り替わり、条約批准と同時にアメリカ合衆国に編入される。

 真珠湾

 ドイツ製47口径381mm3連装2基に換装された戦艦 武蔵が入港していた。

 日本海軍は、大和、武蔵、巡洋艦を交替で真珠湾に配置していた。

 床の間の飾りのようなものといえる。

 武蔵 艦橋

 「いよいよ、オアフ島もアメリカに返還か」

 「61年。もう少し先だろう」

 「ローテーションでは、東京湾から首相を乗せて、大和が出航」

 「真珠湾からは武蔵が総督を乗せて出航らしい」

 「オアフ日本領も終わりか・・・」

 「寂しいが英語の看板が大半で、歩いている人間は、白人やら日本人やら・・・」

 「アメリカ人も銃を持てない日本の法律に馴染んだんじゃないか」

 「だけど、公民市場は作るな、だとよ」

 「あれは、大和大陸だろう。それに、まだ国内なのだから内政干渉は困るよ」

 「取引だよ。うまみがあったようだ」

 「取引か・・・」

 「アメリカは資本主義バリバリの国だろう」

 「資本の寡頭も進んでいるから、小規模生産者組合に物々交換やられると目障りらしい」

 「だけど、一部のアメリカ人も公民市場を作りたがっているらしいじゃないか」

 「消費者同士でも物を融通し合えれば助かるからね」

 「消費経済が進んでいるアメリカは困るだろうね」

 「日本が生産者経済で、アメリカが消費者経済か・・・」

 「火種にならなければ良いけどな」

 

 

 豪州日本 ヨーク岬半島

 ニューギニアの山を崩し、土砂をヨーク岬半島に輸送し、海岸側を造成していた。

 海岸側の出口を失った雨水は湿地を広げ内陸へと流れ。

 植林と埋め立てを繰り返しながら人工的な山が作られていく。

 「こんなんで山崩れは防げるのか」

 「トンネルも不安だな」

 「凝固剤も使っているよ」

 「なんとも、のんびりした工事だな」

 「少なくともトンネルも運河も作れそうだが高低差が最大の問題になりそうだ」

 「まぁ 大和大陸は低い大陸だかね」

 「水が淀むとまずいかも」

 「いまのところ、塩分が強いから大丈夫だろう」

 

 

 新京都

 赤レンガの住人たち

 装甲列車が完成していた。軌間1600mmは積載に余力があり速度を出す事が出来た。

 戦車部隊を大量に分散配置するより、

 装甲列車を上陸地点に急行させると安上がりだった。

 「もちろん途中の線路が破壊されなければ、だけどね」

 「支線を増やして欲しいものだ」

 「装甲は戦車以上で、火力も自走砲以上か、不自由なだけで悪くはないよ」

 「緑化に金を取られてるからね、装甲列車は妥協の産物なんだろうな」

 「都市環状線で郊外化を進めているから、守りやすい気もする」

 「集客できず店が潰れるんじゃないか」

 「農家は都心の店が潰れても困らないんだと」

 「やれやれ」

 「そういえば、ドイツ帝国が今度作るブライトスプールバーンは軌間3000mmだっけ」

 「ヒットラー最後の遺産か。よく作る気になったもんだ」

 「車体幅7mは楽に越えそうだ。戦車を横に並べて載せられるんじゃないか」

 「もう、何を考えているか即分かりだな」

 「2階建で物凄い余裕があるらしいけど、曲がるとき困る気がするぞ」

 「ドイツの技術は世界一だから大丈夫なんだろう。曲率半径は5000mくらいらしい」

 「軌間1600mmでも縦載せなら戦車を載せられるよ」

 「数を揃えられないのが問題かな」

 「なんか、土地持ちが増えて勤労精神が落ちてるような気がするね」

 「自作農民が増えると、国防の害になるとは思わなかったよ。ロクなことない」

 「消費者も労働者も国が徴就しないと得られないからね」

 「公民市場で補完し合っているから、無敵の縮こまりだな」

 「徴就制で家賃収入も増えてきたんじゃないか?」

 「いや、国の負担だろう。何で税収にならないような政策をするかな」

 「持ち家が相互支援で組んでるから」

 「国防大臣も金がないって、ぶつくさ言ってたよ」

 「エセックス型空母なんか、買わされそうになるからだ」

 「通商破壊に強い大陸なら、防空と戦車に集中すればいいんだけどな」

 「いくら安いからって、アメリカに中古空母で釣られんなよ。アホが」

 「潜水艦後回しで、防空はアオガエルで、戦車はいまだにシャーマンじゃな」

 「15年も使うなよ」

 「新型戦車は購入でライセンス生産になるかもってよ」

 「購入だとタイガーVか、M48か、T55か?」

 「極東日本で働いている日本人の事を思うとM48なんだけどね」

 「大和大陸全般で機動力を発揮するならタイガーVだよ」

 「数を揃えるならT55かな」

 「上陸部隊は、守備隊の戦車3倍が必要なら、全揚陸艦の2分の1の戦車を配置すればいい」

 「大戦中、アメリカで800隻近く建造していたLSTもほとんど退役してしまったし」

 「いま主力のLST1153型、1156型が6隻か・・・」

 「デ・ソト・カウンティ型8隻もあるぞ」

 「単純計算で揚陸艦14隻で一度に運べる戦車は420両くらいか」

 「ということは、一つの軍管区に220両あれば国防は十分になるな」

 「シャーマンじゃ駄目だけどね」

 「鉄道がもう少し発達すれば、援軍を送りやすくなって上陸されても有利になる」

 「鉄道か・・・予算が減りそうなこと言うなよ」

 「こっちは、大陸なんだから10年でも20年でも好きなだけで戦えるよ」

 「だけどアメリカとインドネシアに組まれたら厄介だぞ」

 「インドネシアに侵略の意図はないよ」

 「アメリカもなさそうだけどね」

 「それを言っちゃ 日本の国防省は困る」

 

 

 

 09/14 ドイツの月探査機モントが初めて月面に到達する。

 一方、日本宇宙開発事業団は、まだ海の物とも山の物とも知れない。

 戦中、ドイツから得たV2ロケットの拡大改良型が宇宙ロケットの原型になる予定だった。

 当然、打ち上げるとすれば衛星軌道に乗せやすい赤道付近、ニューギニア。

 そして、最大の問題は、予算不足だった。

 学生たちが解体したV2ロケットの部品の構造を調べていた。

 宇宙に夢を馳せる学生、人類最高の技術に惹かれる学生・・・・

 V2ロケットの構造を多くの学生に調べさせ、解析させ、蓄積された技術を習得させる。

 そして、集約した技術に啓発させた人材を数多く育てた国が宇宙開発で勝ち残る、

 予算が小さければ組織の規模が小さくなり、

 地位が少なければ、多くの者が徒労に終わらされる。

 開発の選択肢が狭まり、取捨選択も厳しくなる、

 当然、地位を求める学生同士の競争も激しくなった。

 しかし、権威主義が強ければ優れたアイデアも奪われ、捨て去られてしまう。

 自分の地位と権威を守るため後塵の追い上げを押さえつけ。

 野心的な人間なら下剋上で這い上がり、人の良い人間であれば諦める。

 決して最良の選択がなされるわけでなく。最高の人材が地位に付くわけでもない。

 「結局、偵察衛星が軌道上を周回するようになるまで予算は、お預けかな」

 「軍人と違って脅迫とか、力付くで予算獲得というわけにもいかないし、付かないと思うね」

 「宇宙ロケットは国防も関係あるだろう」

 「本当にそう思ってるなら、一個師団潰して、こっちに予算を回してるよ」

 「国防省は、敵艦か、敵航空機を落とす程度のミサイルしか、考えてないからね」

 「あぁあ〜 ドイツのV2ロケットを頂いて有利なはずだったのに・・・」

 「いまじゃ アメリカに負けてそうだな」

 「ヨーク半島岬の造成で、それどころじゃないか」

 「大和大陸の内陸に運河を通せるなら、全ての産業で有利になるらしい」

 「造成はともかく、ヨーク半島岬は海岸への道が閉ざされて湿地化してるらしいよ」

 「山まで造成しなくても、水路を作って造成が進めば、自然と運河になるかな」

 「熱帯雨林の雨水を大陸側に引き込めれば大きいと思うけど」

 「予算付きそうにないなら。こりゃ 将来は兼業農家かな・・・」

 「でも昔と違って間引きなんてなくなったし、良かったんじゃないかな」

 「家の婆さんなんて “こんな、ばばぁでも捨てられずに済む時代なんだねぇ” って、ポツリだぜ」

 「そういや、東北だっけ」

 「赤子殺して間引きしないと、祖父、祖母が姥捨て山だろう」

 「もう、威厳がなくなれば則、死」

 「子供に殺されるかもしれないから、命懸けで威張り散らしてたらしいよ」

 「へぇ 東北は、我慢強そうなイメージに思えたけど、ずいぶん違うな」

 「食べて行けるのなら我慢するけど。小作人は、酷かったらしいよ」

 「豪州に来てよかったじゃないか」

 「いまじゃ ニューギニアの米をたらふく食ってるよ」

 「そういや、おかずをまともに食べたのも、こっちに来てからだと」

 「そういえば、初めて肉食った時は、親が涙ぐんでたよな」

 「そうそう」

 

 

 09/26 伊勢湾台風、死者2041人、被害家屋27万戸

 アメリカ合衆国Apan州となる極東日本は、オーストラリア・ニュージーランドの地名が付けられる。

 オーストラリア人は毒の少なさと豊かな水に喜び、

 ニュージーランド人は開発されていることに驚く。

 もっとも、地震が多いことを恐れ、

 この日起きた津波と洪水は、人々を十分に恐怖させた。

 台風が過ぎた後、家を流しながらゆっくりと川の水と海水が引けていく。

 高台

 「こりゃ酷いね」

 「低地を造成していなかったら、もっと酷かったんじゃないの」

 「白人は高いところが好きだからね」

 「蒸し暑いところが嫌いなだけだよ」

 「こういう事があると、埋め立てを、もっと高くしそうだな」

 「仕事が増えて良いかもね」

 「そういえば、こっちに航空機工場。半島に戦車製造工場を建設するらしい」

 「いよいよ。アメリカ極東産業フル操業か」

 「しかし、なるべく極東日本に残って欲しいと言われても困るけどね」

 「豪州に自分の土地があると縛られるからね」

 「老後を考えると、戻り時ってあるよ」

 「そういえば、白人が台風の補償で喚いていたよ」

 「なに補償? 台風は国の責任なのか?」

 「自然に対する脅威を怠ったとか」

 「保険でも自然災害の補償はしてないだろう」

 「まぁ 日本列島は、天災が多いからね」

 「北半球はアメリカ側が天候の情報を握っているじゃないか」

 「台風に対する危機意識が低過ぎて、海に出ていた連中もいるから」

 「ったくぅ そんな連中の面倒まで見ないといかんのか?」

 「アメリカ人は権利が煩いからね」

 「権利ばかり主張する国民は害虫だな」

 「平和になるとどこでもそうだ。人間は利己主義の塊だよ」

 「民主化すると浅ましい豚になるかね。日本の制度で補償すればいいんだよ」

 「アメリカ人は、プラスアルファしないとブツブツ言い続けそうだ」

 「ちっ 補償を有利にしようと円安傾向にしているし、貰った後に円高か」

 「良い傾向じゃないの、輸出が伸びる」

 「資源を安値に買い取られるのは気に入らん」

 「最低でもインゴットか部品を輸出しているよ」

 「しかし、アメリカもせこいな、国内産業を考えずに為替で儲けようなんて」

 「国内産業が空洞化して、国際競争力が低下するだろう」

 「煩くなった労働者を黙らせるためと。そして、金に目が眩んでいるんだよ」

 「いやだねぇ。日本人も賃金が上がると真似しないか、国内産業の空洞化は面白くない」

 「空洞化も何も、基幹産業を維持する徴就人口を確保するのでやっとだから」

 「そ、そうだった」

 

 

 

 12/01 南極条約(ワシントン) 効力発生 1961年6月23日

 南緯60度以南の領土化が凍結される。

 「何か国際外交政治で負けているじゃないか」

 「実行支配していることには変わらないだろう」

 「核兵器の開発で遅れているし、予算がないからね、日本国内の都合だよ」

 「予算がないのは、インフレを起こさせて、労働者と消費者を増やさないからだろう」

 「それか、金利を上げ、資本を集めての積極財政が難しくなっている」

 「土地と生産力を奪って、労働者と消費者を背水の陣で働かす方が良いからね」

 「土地持ちは真剣に働かないよ」

 「徴役制は、いま一つ、経済が伸び悩むからな」

 「アメリカ資本は、赤狩りで邪魔者と一緒に社会主義者を片付けたから、産業が伸びそうだな」

 

 

 南アフリカ共和国

 白人が支配する南アフリカ共和国

 2割の白人が8割の黒人を支配する白人至上主義の国。

 黒人は奴隷のような扱いを受けていた。

 大量の資源。

 工業ダイヤを買い付ける日本人だけは人種差別されることもなく、特別扱いされていた。

 「黒人に人権を与えたが最後、秩序が破壊され強盗の巣窟になるでしょうよ」

 「・・・・」

 特権階級の仲間入り出来た日本人は、異を唱えない。

 「既に予兆があるので?」

 「ええ、犯罪者のほとんどは黒人ですからね」

 「なるほど」

 「有色人種でも日本人程度の良識があれば安心なのですが残念ですよ」

 「人種隔離政策アパルトヘイトは必要ですよ」

 「南フランス、イタリア、ドイツ帝国は、我々の政策に賛成していますし・・・」

 人種差別を肯定する白人の排他的特権を追求する国家群であり、

 アメリカ合衆国も極東信託統治で同類だった。

 「なるほど・・・」

 

 

 太平洋の台湾からインド洋まで遠かった。

 米英連合が中東で覇を得るには、ケープタウンを押さえなければならなかった。

 ケープタウン基地

 59000トン級空母 フォレスタル 艦橋

 「中東油田は大きい。どうしても押さえておきたいらしい」

 「不利だと思うが」

 「アラブ・イスラムがアメリカを利用しようと考えている間は大丈夫だろう」

 「地政学的に不利な気がするがね」

 「その方がアラブ・イスラムに高値で兵器を買わせることができる」

 「じゃ 後進国は資源を売って、アメリカから高い武器弾薬を買い続けるしかないわけですか」

 「どうせ、距離が遠いから余計に買うしかないだろう」

 「イスラエル(マダガスカル)経済が伸びれば意外と近代化するのでは?」

 「人口5000万のうちユダヤ人は1000万。大半はポーランド人だ。言語統一もまだ先になるな」

 「まずユダヤ教統一ではないですか?」

 「荒れるな」

 「内政が治まるまで短くて数世代ですかね」

 「だがアフリカ人より識字率が高く、産業は大きくなるだろう」

 「だと良いのですが」

 

 

 南極大陸

 南極最大の基地は南大西洋に面したアメリカのマクマード基地だった。

 そして、日本、ドイツ、イギリスと越冬基地の規模が小さくなっていく。

 日本は、比較的広い範囲を占めていながら孤立していた。

 日本が地政学的に有利と各国とも認めていた。

 日本のテリトリーに観測所が建設されても小さな観測所を置くのみだった。

 山岳地

 志向性爆薬が南極の山脈を刳り貫いて行く。

 雪に埋もれ難い標高に飛行場が建設されていた。

 「山の上に作ると風が強いだろう」

 「風も強いが寒さも相当なものだ。反対側は、もっと風が強いがな」

 「しかし、随分掘ったんじゃないか」

 「軍事用の爆薬だけはあるよ。ボーリングが進めば、もっと住みやすくなるだろう」

 「密閉すれば、燃料が少なくて済みそうだ」

 「凍土はちょっと厄介でな、断熱材と凝固剤がいるよ」

 「しかし、これだけ内陸だと、砕氷艦を建造しても、ここまで来るのは大変だろう」

 「だから、自給自足に必要な空間を掘らないとな」

 「相当な予算になるな」

 「当面の目標は直径72m。建築面積46755u。容積124万m3くらいかな。いつ完成するやら」

 「風力発電で電力を得て、樹木や農園を作るのか?」

 「宇宙コロニーが可能かも、調査したいらしいよ」

 「なるほど」

 「問題は、公私の配分で越冬隊ごとに公私の配分を変えて様子を見るらしい」

 「隊員の性格とかあるからな。結構、浪花節だし」

 「個別的な問題は、ともかく、平均的な公私の最適バランスを知りたいらしい」

 「自分のモノは丁寧に扱うし、公共のモノはぞんざいに扱う。良くある話しだ」

 「日本は比較的、公益性が高いと思うが慣れ合いも大きくなる」

 「その辺の見定めとか、教育が必要だよ」

 「取捨選択にはなるよ。公のモノを私的に流用するやつは外す」

 「私のモノを公的に流用できるやつは残す」

 「んん・・・昔と違って、人権とか、権利が五月蠅くなったからね」

 「下剋上で人権を利用するから始末に負えんよ」

 

 

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 月夜裏 野々香です。

 大本営 “特行” 引っ越しまであと2年です。

 戦後、国際情勢とか、国内体制とか、定まってきます。

 北半球では米独ソの三竦み、

 豪州日本は、焦点、争点から離れ、縁側でお茶でしょうか。

 

 

 史実 伊勢湾台風、死者5041人、被害家屋57万戸

 戦記 伊勢湾台風、死者2041人、被害家屋27万戸

 癪な事に史実より被害が小さいです、

 アメリカ人は蒸し暑い事が嫌いで沿岸部より高台に住みたがる。

 移転と人口が少ない事を利用し、海を埋め立てるより沿岸部を埋め立てたおかげです。

 

 

 南極基地

 密閉型自給自足系コロニーです。

 将来は、細菌・伝染病で地球が全滅したり (復活の日)。宇宙人侵攻(エイリアン)だったり。

 人類最後の砦になるか?

 エヴァだと、この基地が原因でセカンドインパクトで真っ先に壊滅です。

 

 

 豪州日本

 衣食住大国になりそうです。

 公共的な人材確保は徴就制で確保。

 

 

 オーストラリア大陸

 西オーストラリア州 鉄鉱石鉱山 マウントトムプライス、パラバード、マウントニューマン

 西オーストラリア州 金鉱 スーパーピット山 

 西オーストラリア州 金・ニッケル鉱山 カンバルダ

 クイーンズランド州 炭鉱 グーニエラ・リバーサイドー、モーラ、

 ニューサウスウェールズ州 炭鉱 マウントソーレーイー

 ノーザンテリトリー(北部準州) ウラン鉱山 ジャビル

 クイーンズランド州 ボーキサイト鉱山 ウイパ

 

 

 

 

日本連邦
オーストラリア (大和) 北ニュージーランド (瑞穂)
タウンズビル 福岡 オークランド 旭川
ブリズベン 広島 ハミルトン 札幌
シドニー 東京 ウェリントン 函館
       
キャンベラ 京都    
メルボルン 大阪 南ニュージーランド (秋津)
アデレード 仙台 クライストチャーチ 高松
    ダニーディン 高知
パース 舞鶴    
    信託統治領
ダーウィン 沖縄 ポートモレスビー ポートモレスビー
    ラバウル ラバウル
タスマニア (八島)    
ホバート 豊原    
       

  

 

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第18話 1958年 『富からの巣立ち』

第19話 1959年 『まったり、ゆったり』

第20話 1960年 『バイバイ、皇紀2620』