月夜裏 野々香 小説の部屋

       

仮想戦記 『白亜の遺産』

 

 第20話 1951年 『地上照射マイクロ波で空中要塞』

 アメリカ合衆国

 アメリカの強さは、アメリカ憲法の強さであり、

 国民は封建、世襲などの貴族社会から解き放たれ、

 個人主義と私利私欲を追及することができた。

 富裕層の一部は、ソビエトの書記長アレクサンドル・ヴァシレフスキー(56)よりお金持ちであり、

 政敵の影に怯えなければならない男より平安で幸福であり、

 金の使い道は無類で、豊かな世界を満喫できた。

 むろん権力は書記長が上ではあったが表面的な違いに過ぎず、

 個人の欲望の多くは金を配って済ませることができる範囲のものだった。

 資本主義は領地でなく、資本を介した封建社会であり、

 民主主義は、奴隷に活力を与える妙薬のようなものに過ぎなかった。

 しかし、失業が増え、雇用が得られないと、暴動も起こる。

 日本の生産力がますにつれ、欧州列強の開発の発注は日本へ向けられていた。

 それはアメリカに対する警戒感でもあったが、

 土木建築技術と機械力、資本力が一定の水準になると、

 人件費で安い日本に発注するよりなくなっていた。

 そして、国際競争力で負けたアメリカでは、失業者が増え、

 貧富の格差から民衆のデモが広がっていた。

 

 アメリカは銃砲刀所持が認められる。

 デモが暴動に転嫁されれば銃撃戦を含めた市街戦に突入する可能性が高く、

 他国より深刻な問題だった。

 ワシントン 白い家

 「連中が家に戻って銃を持ち出す前に何とかしないと恐々だよ」

 「数が多いからな勢いが付いたら、ホワイトハウスが制圧されてしまう」

 「このデモは、ソビエト、日本、ドイツが後ろで手を引いてるんじゃないだろうな」

 「ロシア系とドイツ系の一部は、貧富の格差拡大と富裕層の内情を流す新聞・出版を支援してる動きはあります」

 「カウンターで、反共、反独裁の内情をソビエトとドイツに流し続けろ」

 「ソビエトとドイツで反体制勢力を育てよ」

 「はい」

 「日本は?」

 「商売に徹してるだけで、特に・・・むしろ、事勿れ・・・」

 「それは意図的に? 単純に市場を得るだけなら無節操に売買する方がいいだろうが」

 「日本は情報操作が内政向けに使われることが多く、外に向かない傾向が強いようです」

 「ふっ 軍事的脅威の対処で発想の乏しい国だ」

 「軍事力には軍事力しかないと思ってるようで」

 「軍事力に対抗する方法なら同盟戦略もあれば、敵国の情報操作もある」

 「敵国の情報操作で、自国を仮想敵国から外せば戦わずして勝てる」

 「どこの国でもやってることを日本はやっていないのは、日本人が馬鹿だからなのか?」

 「縦割りが強く、国軍と外務省の仲が悪く、利権と主導権の取り合いで足を引っ張ってるのでしょう」

 「ああいう国は、上が狂えば、下は自動的に狂っていく」

 「しかし、分権が進んでいる」

 「朝鮮人を日本に潜入させられるなら、内患で国内をズタズタにするだろうし、外患誘致してくれそうなのだが」

 「第三国の商船で朝鮮人を潜入させましたが捕らえられました」

 「日本は、分権と民主主義で自由度が上がっています。しかし、個人認証は全体主義並です」

 「外国人登録していなければ口座一つ作れません」

 「いったん口座を作れば、便利なことこの上ないのですが」

 「当面の目標は潜入させた朝鮮人の内圧と我々の外圧で日本を押さえられるならいいが・・・」

 「日本の軍事力は?」

 「最近、就役した空母海凰は史上最大の空母です。艦上機は100機以上」

 「蔵王巡洋艦は10000t級ですが兵装が少なめで外洋航行、長距離向きのようです」

 「原子炉を搭載してる可能性はあるようです」

 「本当に?」

 「日本は原子爆弾の実験に反対してるのですが」

 「その際、開示するデーターは原子爆弾だけでなく、原子炉を知っていないとわからない情報が含まれてます」

 「「「「・・・・・」」」」 ため息

 「また、静粛性に富み、スクリュー音がとても静かです」

 「それより、日本が新型ジェット戦闘機を開発してると聞いてるが」

 「はい、試作生産中の模様です」

 「アフターバナー機構は持っていないようですがF3Hデーモン、F4Dスカイレイと同水準と思われます」

 「ジェットファンエンジンの可能性があるかもしれません」

 「アフターバナーの方が簡単じゃないのか?」

 「アフターバナーの発想そのものがなかったのでしょう」

 「逆に我々の技術を盗んでいない証明になります」

 「日本はジェットエンジンで同等の開発を行ってるのか?」

 「開発時期が並んでいるのなら、スタート地点は同じですからね」

 「あとは、組織力、教育水準、開発予算、人員数、資材、後押しの差でしょう」

 「ただ、日本のジェット開発予算は、アメリカの10分の1以下なので、不審なのですが」

 「日本は、開発で10倍に水増しできる力があるのかね」

 「開発で試行錯誤、紆余曲折が少なく、一つに絞ればそうなるでしょうが」

 「あり得んだろう」

 「なので日本に潜入させてるのですが、上手くいってないようです」

 「日本にもっと資本投資して情報を集めさせろ」

 「日本は技術移転目的の投資は認めてますが・・・」

 「いまは情報が必要だ。メクラでは、どう対処していいのかわからん」

 「日本は後進国なので社会基盤優先ですが、いったん、予算を開発に向けたら・・・」

 「海外発注を続けさせて、開発産業に予算を回させなければいいだろう」

 「し、しかし、その対価を払わされることに」

 「土建屋は肥大化した固定費を維持するため自動的に財政投資を強要する」

 「そうなれば予算繰りが付かず、軍事技術は後進国のままだ」

 「世論操作で日本の予算をタコ足を食わせるように使わせられるなら最高だが難しいのならしょうがない」

 「日本と利権分けは面白くないが、そのくらいの金ならある」

 

 

 国際的な平準化は交易上の利益につながる。

 同時に外患を誘い内患を育て、権力構造にひびを入れ、国風の破壊する要因にもなった。

 一方、仏教は外来宗教であり、稲作は外来種であることから異文化や外来種を吸収し、

 融合してきた側面もあった。

 日本は、古代においては中国、近代以降においては、欧米列強と交易を繰り返し、

 攘夷と開国の間で揺れる、

 明治以降、日本が近代化し強国を維持するなら国内資源と国内市場だけでは足りず、

 石油、石炭、鉄鉱石を海外に資源を求めなければならなかった。

 また、国内市場だけでは、巨大産業を作りえず、

 国内で売れない商品を海外市場に求めなければ身の丈以下の産業しか育てられなかった。

 しかし、日本とは全く違った世界が高千穂に作られつつあった。

 高千穂北部

 鏡の屋根が張られ、太陽光熱集光塔が建設されていた。

 鏡の屋根が太陽の動きに合わせて傾き、

 莫大なエネルギーを高千穂全域に送電していた。

 水力発電、太陽光熱発電、風力発電、崩壊熱発電は増え続け

 採掘された石油の多くは輸出できるほどだった。

 新幹線は高千穂の諸都市を結び、

 市内を電気自動車や電気バスが走った。

 高千穂新聞は、高千穂テレビと同様、州が発行し、紙面の競売・分配方式が取られた。

 官報、政治、経済、軍事、一般、芸能など区分けされていたものの、

 企業、団体、個人が紙面を年単位、月単位で買い、自分で記事を書いていく

 信憑性は、購入した個人、企業、団体名が記述されることから信用問題以外になく、

 虚実が入り乱れた記事は、最初から真偽を読者の判断に委ねていた。

 しかし、人気のある欄は信憑性ゼロの匿名ゴシップ記事欄という逆説めいた現象も起き、

 契約期間があるのに記事を書けなくなった団体から小説や論評を書く者も現れると、

 新聞が雑誌、文庫の代わりにもなっていた。

 新聞は次第にページ数が大きくなり、細分化していくことになり、

 高千穂州と区は、競売利益で公共投資と財政の補填を行うことができた。

 高千穂の人たち

 カフェテラスで客が新聞を読んでいた。

 「国が情報の真偽に責任を負わないのは考え物だね」

 「対抗派閥が反証してるだろう」

 「特に財閥同士は激しいし、嘘書いたらいろんな場所から総攻撃食らうこともある」

 「まぁ とりあえず、忙しいときは朝日、読売面でも目を通しておくさ」

 「しかし、よく大手新聞社が反発しなかったものだ」

 「大手だって、高千穂のこと知ってる記者なんていないし」

 「競売額に応じて部数から利益が配分されるからリスク分散にはなるよ」

 「フリーの記者が異常に増えてるそうじゃないか」

 「紙面を買っても書くことがないときは使うからだろう」

 「現地の情報が欲しいから高千穂人総新聞記者ってか」

 「まぁ いいじゃないか。文書を読むのは楽しいし」

 「ゴシック面のことね」

 「あはははは」

 「まぁ 異説珍説があって面白いがね」

 

 

 

 アラブの採掘権はイギリスが幾つかの無人島を取り、国境の線引きを行い、

 イギリス70パーセント、イラン16パーセント、日本14パーセントの採掘比率を守ることで

 アラブ諸国の独立が成し遂げられた。

 中東の石油生産は増え続け、175万バレル/日の石油が採掘されていた。

 アラブ諸国は武器弾薬をソビエトから購入するようになると軍事力を身に着け、

 利権存続は危ぶまれていく、

 ベネゼエラが5対5の採掘分配方式を取ったことから、

 中東諸国も採掘分配方式を要求していた。

 アラビア海 

 達磨島(50ku)はあまりにも小さく、

 攘夷論を振りかざすと生きて行けず、開国すれば飲み込まれる。

 地表は太陽光熱発電所

 地下は石油精製施設が建設され、

 さらに地下に原子力発電所が埋められていた。

 島は日本から莫大な投資で近代化し、自給率を高めていた

 しかし、いつまでも財政投資を続けられるわけもなく、

 島から電話線、送電線、水道、油送管がアラブに向かって伸びていた。

 関係者たち

 「土建屋に優秀な人間を集めていいものかね」

 「優秀、平均、馬鹿をまんべんなく集めた組織の方が安定するのだけどな」

 「優秀な人間は、お金に惹かれちゃうんだよ」

 「この前来た軍官僚が海凰3番艦建造で協力してくれって言ってるけど」

 「断わる」

 「まぁ あと10年は、施設拡充に予算を回して欲しいのが本音だけどな」

 「そういえばアメリカが採掘権比率に難癖点けてきてるけど」

 「採掘権維持が独立の条件だからな」

 「採掘権比率のままだとイギリス、日本、アラブ経由になってロスチャイルドが儲けてしまう」

 「アメリカは面白くないだろうな」

 

 

 ハワイ

 日米経済交渉

 白人と黄色人

 「政府が職業を強要させたり、民衆が選挙をボイコットしたりする制度は、やめて欲しいね」

 「民主主義の破壊につながる」

 「高千穂州のは、国民は政局に参加する義務はあるし」

 「白羽の矢が当たっても辞退は本人の自由だ」

 「そういう問題ではない」

 「まぁ 世襲がないと財界の贈収賄は通用しにくいだろうね」

 「「・・・・」」

 

 「ところで、アメリカは原爆実験をしているが、国民を甲状腺癌と肺癌で殺したいのか」

 「放射性物質の危険性は確認されている」

 「しかし、放射性物質と甲状腺癌や肺癌の相関関係は確認されてない」

 「危険性が確認されてるのに、個別の病床と全く関連がないというのは不可解だ」

 「なぜ、日本は放射線障害のことを言う」

 「あなた方が言う危険性が危惧されてるからですよ」

 「日本は原子爆弾技術を持ってるのかね。それとも原子炉技術を?」

 「まぁ 研究してはいますよ」

 「日本は危険といった研究をしてるのかね」

 「安全保障に足る技術分ですがね」

 

 「日本市場は閉鎖的だ。もっと開放すべきだ」

 「GMとフォード。プラット・アンド・ホイットニー、コカコーラはいい仕事していますよ」

 「全然足りない。日本はもっと市場を開放すべきだ」

 「関税と国産民族株は守られるべきでしょう」

 「アメリカの小麦粉と肉はどうだね?」

 「オレンジは?」

 「い、いや、しかし、高千穂から買ってるので」

 「高千穂は遠いから高くつくはずだ。それに長期船倉に入れると品質が悪化するはず」

 「日本と高千穂の往復便はありますし、食糧は冷房船で運びますので」

 「「「「・・・・・・」」」」

 「日本はアメリカ投資参入を受けるべきだし」

 「もっとアメリカのモノを買って店頭にアメリカ製品を並べろ」

 「し、しかし、国内産業のこともあるので」

 「プラット・アンド・ホイットニーを引き揚げてもいいのか」

 「どうぞ」

 「工場ごと中国に移すぞ」

 「どうぞ」

 「「「「「・・・・」」」」

 「日本はR4360を供給できなくなるのだぞ」

 「中国に工場を移すのでしたら中国から買いますし」

 「工員が失業するじゃないか」

 「技術の高い工員なら、日本企業は喜んで雇うでしょう」

 「「「「「・・・・」」」」

 「そ、その気になればP&WはJ52P8Aターボジェットの生産も台湾でできる。推力は4100kgある」

 「ジェットエンジンは日本で売れないかもしれません」

 「R4360はジェットエンジンより燃費がいいので旅客機と貨物機で人気がありますよ」

 「「「「「・・・・」」」」

 「う、嘘だ。日本のジェット戦闘機が我々のジェットエンジンより勝ってるわけがない」

 「誰も勝ってるなんて言ってませんよ」

 「日本の国防を国産エンジンでしたいだけですし」

 「アメリカの最新型エンジンは、J57P8。推力4500kgですよね」

 「・・・・」

 「知ってますよ。エンジン開発は国家予算で底上げしないと難しいですし」

 「企業は需要がなければ潰れる」

 「誰だって、バカ高い運賃払って飛行に乗りたいと思っていない」

 「「「「・・・・」」」」

 「ドイツとイギリスは財政負担に耐えかね、エンジンを売りたがってる」

 「だいたい、プロペラエンジンでも、ジェットエンジンでも外国から買えばいいですし」

 「航空エンジンなんて言うのは、国家にとって絶対に必要なモノではないんですよ」

 「「「「「・・・・・」」」」」

 

 「日本人は、半島の先住民朝鮮人をブラジルとフランス領に人身売買した」

 「そのことに対する自責の念はないのかね」

 「あなた方、アメリカ人が殺したネイティブアメリカンに自責の念があるなら」

 「日本人も朝鮮人に自責の念があるでしょう」

 「死んだネイティブアメリカンは口を利かんが、生きてる朝鮮人は口を利く」

 「日本は朝鮮人に情けをかけて足元掬われるな」

 「日本では、情けは人の為ならずといいまして、情けが巡って自分に戻ってくると思ってるわけです」

 「ふっ 善良など、金と同じだ」

 「人は己が覇望のため金を使い、己が保身のために回収する。それが資本主義だ」

 「奴隷どもは金は天下の周りものと思い込み、降ってこないかと右へ左へ踊らされるだけだよ」

 「し、しかし、日本列島は単一民族、縁の繋がりがありましてな」

 「天皇を中心として、行政が民を栄えさせる・・・」

 「そんな淀んで腐りきった、なぁなぁの利権同好組織でやっていたら日本は長くないな」

 「いずれ、朝鮮のように両班貴族が増え、私利私欲で国を傾かせる」

 「日本の歴史が膠着し腐敗した権力がどうなるか証明してるではないか」

 「競争させ、貧富の格差を高くし、余剰資本で開発を行う」

 「これが国家が進むべき道だ」

 「国内に反対意見が多いようで」

 「そういう時は、外国の安い労働力を入れるのだ」

 「低賃金で利益率が大きくなって、懐が温まる」

 「それは、我々が中国で、少数民族を管理職につけ、多数の漢民族を押さえ植民地化するという・・・」

 ご、ごほん!

 「まぁ なんだ。日本の膠着した社会は世襲化し、いずれ、日本国民を抑圧するだろう」

 「純血種の日本民族だけで淀んでしまうといずれ社会が死んでしまう」

 「そして、膠着した世襲は破綻する・・・そういうことを言いたいのだよ」

 「まぁ 厚生年金、国民保健、農政は負担だし、いずれ破綻するかもしれない」

 「しかし、それは国内問題ですからね」

 「それにアメリカから買わなければならない決まりはありませんし」

 「最悪でもインドシナ米やタイ米を買うでしょうし」

 「・・・・」 むすぅ

 「・・・・」 ぷぃ!

 「「「「・・・・」」」」 ため息

 

 

 

 中国は、古代から踏襲されてきた大地と都市を奪い返す面子だけのために戦っていた。

 しかし、中カ戦争は莫大な戦費を列強に支払い武器を調達しなければならず、

 黄河戦線を守るカザーク軍は精強で、

 仮にどれほど戦費を調達し続けても黄河戦線を突破する兵站力はなく、

 列強を利し、中国と中国国民に犠牲を強いる戦争でしかなかった。

 法幣と中国国債の6割は、武器弾薬の対価で元華銀行に支払われ、

 国内経済は外資に牛耳られていた。

 中国は、これ以上、外資に侵食されると、国内経済を完全に外資に支配されてしまうことから、

 カザークと停戦協定を結ばざるをえず。

 中国政府は元々黄河以南に攻め込むつもりのないカザークとあっさり停戦調印を結んだ。

 黄河停戦境界線

 砲声も銃声も爆音もなく、将兵の断末魔もなかった。

 しかし、中国軍とカザーク軍が黄河を挟ん睨み合い、軍を増強していた。

 中国人と日本人

 「中カ停戦が成っても国境線は物々しいですな」

 「停戦ラインであって国境線じゃないある」

 「そうでしたね」

 「中国は、資源と人口で多いですが、売国奴と外資の内患外患でボロボロある」

 「お札を渡されると、まぁ いいやって、思いますからね」

 「それでも日本は利権構造から外患を排しているある」

 「その代り、国民総背番号制と分権化させられましたよ」

 「その上、高千穂のおかげで、衆議員の抽選制も強まっている」

 「国内の治安がいいのが一番ある。羨ましいある」

 「そういえば上海で銃撃戦がありましたよ」

 「外資が少数民族を組織化し、武装させてるある」

 「・・・・」

 「まぁ 日本は大して介入してないのは知ってるある」

 ほ・・・

 「しかし、日本はもっと世界に対して積極的に介入しなければならないある」

 「欧米諸国とは軍事力で差がありますから」

 「白人は支配欲が強いある。気を付けるある。日本をターゲットにしてるある」

 「しかし、中国もムスタングやB17爆撃機を東シナ海、南シナ海側に配備してるのでは」

 「配備すると、ユダヤとの取引が上手くいきやすいある」

 「日本もそうある。ユダヤ資本と敵対してるドイツとイタリアは困ってるある」

 「確かに」

 

 

 日本

 日本 首相官邸

 小悪党たちが集まっていた。

 「ようやく、戦争が終わったか」

 「軍需を縮小させて、民需転換を図らないとな」

 「産業省は、日本製兵器が人気あることから第三国へも売りたいと」

 「もういいよ。武器商人みたいな真似は国際的に好ましくないし」

 「しかし、需要がある」

 「需要がなくなって慌てたって、国は面倒見ないからな」

 「一番の負担は、輸出できず数を作れない国内用の特殊兵器なのですが」

 「だいたい高性能ジェットファンエンジンを開発しても海外輸出できなければ赤字なんですよ」

 「さらに赤字を回収する前に生産中止」

 「新型エンジンを開発しろじゃ潰れろって言ってるのと同じですし」

 「海外に武器輸出して利益を上げないと、赤字を補填できないじゃないですか」

 ごほん!

 「まぁ なんだ」

 「一部を機密性の高い部署に流用できるように調整してくれ」

 「税金で何とかするから」

 「ったくぅ・・・」

 

 都市道路、幹線道路を中心にマイクロ波電線網が広がっていく、

 電気自動車は急速に数を増し、人々は進み行く電化生活に慣れていた。

 航空開発技術者の一部も発想が電化になっていた。

 空中要塞はターボプロップエンジンと発電機モーターのハイブリットエンジンで

 航空機の機体下部に格子状のレクテナを敷き詰め、地上からのマイクロ波を当てる。

 変換効率70パーセントで充電しながらプロペラを回転させて飛ぶ計画だった。

 マイクロ波が受信できる空域では、燃料を消費することなく飛ぶことができ、

 メリットを追求すると滞空能力の強化になり、

 機体の基礎設計はジューコフスキー翼にし、離着陸できる限界まで巨大化していた。

 開発技術者たち

 「地上からのマイクロ波リレー照射で日本上空を巡回か・・・」

 「素材は金さえかければいいとして、要は強力なハイブリットエンジンかな」

 「それと、機体が大き過ぎると離陸も着陸もできない」

 「まぁ レーダーと管制装置を置いて、戦闘機部隊を誘導するだけでなく」

 「地対空、地対艦、地対地ミサイルを誘導できる」

 「哨戒半径460kmだが精密性を考えるなら自重を最大限、管制に使った方がいい」

 「では空中空母は難しいですかね」

 「戦闘機を空中に収容できる特典ってあるのか」

 「かっこいいだろう」

 「いや、そういうんじゃなくて」

 「空中待機が楽で燃料を消費せずに済む」

 「それに休息や補給できるなら地上からの出撃より、作戦能力が高い」

 「高いっていってもマイクロ波の届く範囲だしな」

 「気圧変化や気流があるが、戦闘機を収容できるならいいが」

 「形としては薄っぺらなデルタ翼型を飛ばす方が地上からのマイクロ波を受けやすい」

 「空中空母を兼ねるなら飛行船型かな」

 「プロペラ推進型飛行船にヘリウムを入れるとして空気の抵抗を考えると面白くない」

 「別の考え方としては円盤型にして、マイクロ波の爆圧推進で揚力を得る方法もある」

 「あれは宇宙ロケット打ち上げ技術だからな」

 「爆圧で機体を浮かせるなんて、鏡面のリフレクターが持たないと思う」

 「飛行船型ならヘリウムが使いやすいし、空中で合体する必要もない。積載量が増える」

 「機動性を選ぶならデルタ翼の方がいい」

 「マイクロ波で受電しながら飛ぶなら、日本上空から離れられない」

 「機動性より滞空性じゃないの?」

 「飛行船型なら余剰浮力あるから島伝いに南洋まで行ける」

 「デルタ翼型と飛行船型の両方を建造するとか」

 「そんな金。ない」

 「巨大デルタ翼でも機体を軽くすれば離陸できるのでは?」

 「まぁ デルタ翼機は、元々揚力のある機体だからな」

 「それでも大き過ぎる、カタパルトとか、滑走路の下から蒸気圧でも噴出さないと」

 「プロペラモーターだけだと、推力が弱いのが問題だが」

 「翼端を空洞にするから空気を圧縮して火を点けたらどうだろう」

 「空洞にするのはちょっと問題ありなのでは?」

 「いや、機体を空洞にして気流を通した方が安定すると思う」

 「安定し過ぎて、旋回できなくなるのでは?」

 「だから旋回する側通風孔を閉じて気流を減らせばいいと思うね」

 「普通に敵艦隊を空襲できる攻撃機を作りたい気分なんだが」

 「艦隊に近づくとパイロットが危ないじゃん」

 「戦闘機に護衛させながら、艦対艦、空対艦、地対艦ミサイルを誘導してもらう方がいい」

 「むかしの雷撃手や爆撃手が聞いたら、目くじら立てて怒りそうなこと言うな」

 「正直な気持ちだよ」

 

 

 

 植民地が独立すると新興国は、自衛のため国軍を創設しなければならず、

 武器を購入するため資源を叩き売り、列強から武器弾薬を購入する。

 イギリスは戦後、赤字と弱体化を逃れるため植民地を手放していったが、

 理由の半分は独立させて武器を売った方が意欲的な労働が大きく、

 利益が大きかったからといえた。

 そして、日本も、そういった新興国への市場に参入していた。

 特にインドは、日本(西太平洋)−達磨島(アラビア海)−高千穂(南大西洋)を繋ぐ大国で、

 敵性国家と結ばれた場合の外交戦略上の損失は大きく、最も気を使う国家となっていた。

 アメリカ、ドイツ、イギリス、ソビエトなどの列強もインド洋を意識しており、

 インドを味方陣営に引き込もうと必死に画策していた。

 マハトマ(偉大なる魂)ガンディーは暗殺されかけたものの軽傷で済み、

 親日を選択したことから日印貿易は急速に増えていた。

 ムンバイ港

 日本諜報関連事務所

 日本人たちが日本風インド料理を囲む、

 郷に入れば郷に従えというものの、

 日本風の味付けになってしまうのは仕方がないことといえた。

 「アメリカとイギリスは、いまのところ東南アジアと中東に集中している」

 「しかし、東南アジアを封鎖されると痛いな」

 「逆に日本と高千穂で東南アジアを封鎖できると考えていいと思う」

 「それに東南アジアの白人支配より」

 「日本の高千穂支配の方が強いし、達磨島もイギリス領より有利だ」

 「いまのところはそうだろうが、アメリカ、イギリスの方が資本力がある」

 「日本は、賃金格差を低く抑えてるし」

 「地方分権が進んで中規模権力構造が乱立してる」

 「まぁ 逆にいうなら外資が中央を押さえても費用対効果が悪い」

 「地方を押さえようとしても、総背番号は国が管理してる」

 「地方は孤立を恐れて、外資に靡きにくい」

 「中央集権なら外資が東京を押さえるだけで、日本圏全体が支配されてしまう」

 「だが資金力で劣ってしまうのは変わらない」

 「ユダヤ資本はポケットマネーで勝負できるのに」

 「こっちはなけなしの予算を絞らないと対抗しなければならない」

 「戦時も平時も同じか。金持ちには勝てんな」

 「正直、国費だけでは足りない」

 「州知事から工作費を工面して貰わないとやっていけないのが情けない・・・」

 ドアが開く

 「水力発電所を建設して欲しいそうだ」

 「またかよ。ますます土建屋が強くなってしまうな。もう手が付けられん」

 「イタイプダムが完成したから丁度いいんじゃないかな」

 「あそこは朝鮮人使ってたから」

 「インドは自前の労働者がいるだろう」

 「アチュート不可触民ね」

 「さすがのマハトマ・ガンディーもカーストを壊すのは難しいようだ」

 「次の世代というより、今度の公共投資でアチュートに資金力をつけさせ」

 「民主化を推し進める気のようだ」

 「それより例の話しは?」

 「インドは民族問題で内紛気味ですし」

 「戦闘経験者は多いようです」

 「インドシナとインドネシアに潜入して、フランス人やオランダ人や東欧人と戦えますよ」

 「インドシナより、インドネシアを重視したいね」

 「しかし、ソビエトも別の思惑があるようで、インドシナとインドネシアに武器を流してるようで」

 「共産主義者か・・・」

 「格差を望む資本主義もあれだが、平等主義の資本主義もあれだからな」

 「なんか、中国、東南アジア、アフリカ大陸は混沌としそうだな」

 「ええ・・・」

 

 

 65000t級海凰型空母 海凰

   排水量65000t/満載85000t 全長336m×全幅76m×吃水10m

   4サイクルディーゼル機関30000馬力×8基 240000馬力電気推進

   ナトリウム小型原子炉10000kw(7500馬力)×4基 30000馬力電気推進

   27万0000馬力 速度34kt 航続距離 30000海里+α

   艦上機 100機〜200機   71口径40mm砲×40基

 

  陽炎

   空虚重量6620kg/最大離陸重量13000kg

   全長14.1m×全幅8.4m×全高4.5m 翼面積30u

   推力5400kg  速度2450km/h  航続距離 800km〜3000km

   25mm機銃 ハードポイント8基

 この時代、アメリカとドイツが核兵器を生産し、艦隊の脅威は核兵器になっていた。

 飛行甲板から陽炎が射出されると、艦隊上空を旋回する。

 

 艦橋

 「放射線から艦を守れるのだろうか」

 「放射線は装甲で何とかなると思いますが、直撃は酷いですよ」

 「どう考えてもアメリカ海軍は数で勝ってるからな」

 「アメリカが今度、建造する新型60000t級フォレスタル型空母は海凰に匹敵してますよ」

 「海凰は幾つかの技術的な優位性と、原子炉がある」

 「低速で走る分には、燃料消費がない」

 「問題は、軍事力の差より、国際政治上の問題だろうな」

 「アメリカは、中国、カザーク、フィリピン」

 「フランス領インドシナ。オランダ領インドネシアに足場を作ってますからね」

 「ふっ その中国と東南アジアでアメリカの足場を底上げしてるのが日本だからな」

 「自殺用の縄を作ってるとしか思えないし。先住民は飢餓状態で哀れだよ」

 「日本は、外貨、資源、市場がないと国力を上げられないそうですよ」

 「まぁ とりあえず、日本が国力をつけるまで、東南アジアには我慢してもらうしかないか」

 「手遅れになるのでは?」

 「インドシナとインドネシアは内紛が勃発している」

 「流しているのは、支配しようとしてる白人の方だから笑える」

 「先住民を殺戮する方便ですよ。白人が一人殺されると先住民を100人以上殺す」

 「それと武器を余計に売るために・・・」

 「列強も無茶苦茶やるな」

 「最悪な国ですよ。自国軍すら消耗品のように」

 「ユダヤ資本にとって、アメリカ人、イギリス人は搾取の対象だし」

 「自国でもないフランス人、オランダ人や東欧人ならなおさら」

 「イスラエルを祖国と信じるユダヤ人を除けば」

 「人口の少ないユダヤ人が守る祖国は利権で情報操作は命綱」

 「守るべき力の根源は紙幣しかない」

 「アメリカは元々移民国家で民族的な甘えと共通する歴史観で乏しい」

 「金になるなら白人も黒人も黄色人もない」

 「むしろ、貧富の格差で起こる暴動を恐れ」

 「国と国が戦う方がよく、白人と黒人と黄色人が憎み合っている方が都合がいい」

 「拝金主義者は富を重視するし、アングロサクソンは力しか価値がないから」

 「弱者は踏み躙っても伸し上がる」

 「なんか、怖いですね」

 

 

 天昭(クサイ)島 (108ku : 標高634m)はポナペ島から東南に555kmほど離れていた。

 先住島民コスラエ人は全て他の島に強制移民させられ、

 土建業者によって宇宙基地が建設されていた。

 日本の上層部は、人類以前の文明が小惑星の衝突によって滅びた事を知らされており、

 宇宙開発は可能な限り推し進められていた。

 宇宙開発者たちが山頂に立ち、直径15mほどの穴を覗き込んでいた。

 「深さは?」

 「200mほど底だ」

 「そこまで掘る必要があるのか。最上部から打ち上げた方がよかろう」

 「地盤の問題があるし、加速するまで横風を受けずに済む」

 「港からロケットをレールに乗せて運び」

 「縦穴に積み合える」

 「ロケット噴射の排気口は側面から逃がす」

 「いまのところ計画で最大のモノは全長120m。直径10m」

 「総重量3000t」

 「低軌道なら200t。静止軌道まで100t」

 「推進剤の性能が良くなるなら、もう少し重量を増やせるだろう」

 「マイクロ波推進ならもっと少なく、効率よく打ち上げられるのに」

 「あれはコントロールが難しいし、爆圧で押し上げるから・・・・」

 「というより、予算の関係で軍部が撫すくれてる」

 「剥れてるのはこっちだよ」

 「土建屋が予算の取り過ぎ」

 「日本は、元々 社会基盤が弱かったし、地震の多い国だしね」

 「社会基盤作っても人口少ないから赤字だよ」

 「う、宇宙ロケットは、安全保障だから・・・」

 

 

 中国、インドシナ、インドネシア、アフリカ大陸フランス領では内紛が起き、

 人々は血を流し合っていた。

 陸軍は国境沿い、海岸沿いを巡回し、

 海軍は押し寄せる難民船を撃沈していた。

 イギリス植民地帝国は崩壊寸前になっており、

 逆にフランスとオランダは、植民地支配を強めようと血で血を洗う内紛を続ける。

 扶桑 製造工場

  早期警戒管制機 朱雀

   全長90m×翼幅90m×全高24m  翼面積1320u

   空虚重量150t/最大離陸重量300t

   推力5488kg×16基

   最大速度830km/h 高高度時1040km/h

   航続距離41710km 12人

 巨大なデルタ翼機が製造されていた。

 莫大な予算を投じ、開発し、高練度の人員を多数必要とし、

 高品質の材質で高性能を求めて製造し、組み立てていく、

 この巨大な機体は何も生産せず、日本経済を押し上げることもしない、

 この機体を離着陸させるため、莫大な予算をかけて飛行場も建設しなければならず、

 特定の産業の懐だけを温め、

 国家と国民に負担だけを押し付け続ける。

 しかし、国も国民も、この機体が滑走路から浮かぶことを望み、期待していた。

 軍事力を保有しなければ大国に侮られ、国益を侵食されることを知っていた。

 関係者たち

 「政府は、何機製造するって」

 「とりあえず定数36機」

 「すくな」

 「だいたい、10日に1機」

 「陽炎といい、朱雀といい。大きな工場立ててそれじゃ泣きたくなるぜ」

 「世間一般の予算感覚なら駆逐艦を建造してるのと変わらない」

 「作るともっと泣きたくなると思うな。破産する」

 「掛け捨て保険じゃね」

 

 

 この時期、日本経済は躍進を続けていた。

 その多くはアメリカ市場、

 イギリス VS ドイツ、イタリアの停戦後の復興需要、

 中国 VS カザークの停戦後の復興需要、

 インドシナの建設需要、

 フランス領アフリカ大陸、インドシナの建設需要、

 インドの建設需要、

 イスラエルの建設需要だった。

 そして、武器弾薬の輸出だった。

 海外需要は、日本の外資収入あるいは資源収入と市場を広げる足場になった。

 足を引っ張る要素は人口気薄による労働と市場の集約が難しくなったこと、

 子供が増えて行く段階での養育期間のみといえた。

 国家存続は教育と子孫繁栄、外交と国防、経済と社会基盤にかかっていた。

 「人口は増えてるが子供の出生率が横ばいだな」

 「だから人口が気薄なのはまずいと」

 「国が大きくなったものはしょうがないだろう」

 「日常生活のほとんどが仕事に取られて余暇がないからだろう」

 「しかしなぁ インフラ整備で利便性はいいが、インフレで生活水準は変わらない」

 「それで、出生率が横ばいじゃ・・・」

 「子供のいない熟年層と壮年層は利己主義に走って国の存続を誤らせるぜ」

 「まぁ 今のところ緩やかだが人口は増加してる、当分、心配には及ばないだろう」

 

   

 高千穂(ナイジェリア)

 高千穂州債が発行された分だけ日本銀行券が入ってくる。

 資本投資されると鉄道と道路が伸び、港湾と飛行場が整備され、

 工場は機械化し、穀物は増え、

 生産物は海外へと輸出され、外貨や円札を入手し、

 州税を回収し、さらに州債を返還し、さらに州債を発行して日本銀行券を得る。

 銀行券(紙幣)を使った経済循環は、ユダヤ人が発明したものだった。

 この頃、日本圏で国家総背番号制を採用した人権基金が検討されていた。

 日本銀行が人権で発行する仕組みで、

 政府が発行する紙幣と同じように流通させることができた。

 遺伝子情報が記された人権基金は、成人を迎える前は親に、

 20歳を過ぎてからは10年ごとに発行され、遺伝子口座に振り込まれ、

 本人以外に引き出せないことになっていた。

 著名人の遺伝子情報が記された紙幣は価値があるのか、

 価格以上で取引されることも予想され、

 この人権銀行券の発行は、余計に銀行券を欲する高千穂の政策誘導であり、

 内地の日本に圧力をかけていた。

 人権基金は子供の養育費を軽減させる効果もあり、

 人口増加につながると推測されていた。

 問題は、日本銀行が発行する銀行券に対する人権銀行券の割合で、

 基本的に国民総生産(GDP)を以上の銀行券を発行すればインフレ(紙幣安)となり、

 国民総生産(GDP)より銀行券が少なければデフレ(紙幣高)となった。

 「人権基金は総紙幣量の1パーセントくらいでいいような気がするが」

 「というより、養育と老後補助金という考え方の方がよくないか」

 「んん・・・・日本は、弱肉強食的な資本主義は合わない」

 「しかし、もっとも金が必要なのは青年期と壮年期だ」

 「それに投機とハングリーが民間活力の原動力だろう」

 「むしろ、消費が需要を引っ張るのでは?」

 「日本人は貯蓄するのが好きだろうが」

 「まぁ そういえなくもない」

 

 

 ブラジル

 征倭協会 (朝鮮族)

   南アメリカ大陸

        朝鮮民族シラギ戦線(ブラジル) 

   アフリカ大陸

        ピョンヤン戦線(ペナン)   テジョン戦線(ニジェール) 

        プサン戦線(チャド)      ソウル戦線(カメルーン) 

 

 “日本は近代化と国防と労働資源の会得のため半島が絶対に必要だったニダ”

 “だから日本は半島を占領したニダ”

 “そして、朝鮮人から全てを奪ったニダ”

 “日本はとっても悪い国ニダ”

 “そして、日本人は世界最悪の民族ニダ。滅ぼさなければならないニダ”

 「「「「・・・・・・」」」」

 ブラジル人にとって、東アジアの一角がどうなろうと知ったことではなく、

 逆に増えすぎた朝鮮人の淘汰を思い詰めていた。

 しかし、アメリカが朝鮮人を南米支配の先兵として利用しており、

 ブラジルは経済の首根っこをアメリカに押さえられていた。

 とはいえ、日常でブラジル人が朝鮮人のいうことを聞くとか、

 暴力を振るう振るわないは別次元の問題で

 双方の活動家が忽然と消えてしまうことは珍しいことでなくなっていた。

 

 

 フランス領カメルーン

 アメリカの代表団とフランス植民地軍、

 そして、ソウル戦線(カメルーン)支隊の代表が集まっていた。

 表向き、どちらも別の団体名を使って、身元が分からないようになっていた。

 「日本への潜入は?」

 「そ、それが環状線内に入る前に環状線の外先住民の世界を通らなければいけないニダ」

 「そのうえ、環状線内は、生まれたときから遺伝子で個人認証使ってるから生活が難しいニダ」

 「高千穂の潜在GDPは、ドイツ帝国に準ずる」

 「そして、アフリカ大陸の食糧庫、発電所、通信所、鉄道、水道局になろうとしている」

 「それだけは何としても防がなくてはならない」

 「日本の戦力を知りたい、そして、出来るなら高千穂を消耗させたい」

 「現地反政府勢力を高千穂に向けられるのならいいのだが」

 「しかし、ナイジェリア人は、カメルーン人より人口がはるかに多い」

 「下手に攻撃すれば、カメルーンが逆に攻撃される」

 「高千穂の水源はニジェール川だ」

 「ニジェールとペナンはこちらが押さえてる」

 「その辺から圧力をかけられると思う」

 「まず、高千穂環状線の外側の先住民を味方につけるんだ」

 「しかし、高千穂の先住民は、家はあるし、電気水道は伸びてる」

 「仕事はあるし、教育は受けられ、テレビも見れる」

 「生活水準は植民地よりはるかにいい暮らしですよ」

 「先住民を日本の飼い犬にさせず、独立を目覚めさせるのだ」

 「我々が独立していないのに、高千穂の先住民に独立といっても・・・」

 「とにかく、君らには武器弾薬などの支援を行う」

 「何としても外周の先住民を煽って・・・」

 「高千穂の外周先住民も遺伝子を使った個人認証をしているようです」

 「生まれるとすぐに登録されるので、同じ種族でも簡単に高千穂に入れませんよ」

 「あのガラパゴス野郎・・・」

 「朝鮮人は何としても日本と高千穂に潜入して破壊するのだ」

 「了解してるニダ」

 

 

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 月夜裏 野々香です。

 高千穂のテレビ、ラジオ、新聞はWEB化してしまいました (笑

 これまでの架空戦記は、企業収益のため国益を犠牲にしてきました。

 しかし、この戦記では外需縮小に伴い、内需へ移行したのち、

 国益と民益のため企業を統廃合縮小させるかな。

 

 

 

 ユダヤ海軍

 戦艦8隻、小型空母1隻、強襲揚陸艦6隻、軽巡17隻、駆逐艦36隻、

 ルベン(金剛)、シメオン(比叡)、イッサカル(榛名)、ゼブルン(霧島)、

 ダン(伊勢)、ナフタリ(日向)、ガド(扶桑)、アシェル(山城)、

 ガリラヤ(鳳翔)

 メギド(神州丸)、アララト、シナイ、オリーブ、モリヤ、ゲリジム、

 アフェク(天龍) カナ(龍田)

 ツロ(球磨) アコ(多摩) ハモン(北上) ハロシェテ(大井) ケデシュ(木曾)

 シロ(長良) キネレテ(五十鈴) ハマテ(名取) ラマ(由良) ラマ(鬼怒) リモン(阿武隈)

 ヨクネアム(川内) ガテ・ヘフェル(神通) シムロン(那珂)

 サリテ(夕張)

 峯風、澤風、沖風、島風、灘風、矢風、羽風、汐風、

 秋風、夕風、太刀風、帆風、野風、波風、沼風

 神風、朝風、春風、松風、旗風、追風、疾風、朝凪、夕凪

 睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、

 文月、長月、菊月、三日月、望月、夕月

 

 

 

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第19話 1950年 『ファビョンウィルスで人類絶滅、世界征服ニダ♪』
第20話 1951年 『地上照射マイクロ波で空中要塞』
第21話 1952年 『新しい天と地は』