月夜裏 野々香 小説の部屋

       

仮想戦記 『白亜の遺産』

 

 第24話 1955年 『資本主義 VS 民主主義』

 日本の国民総生産は、アメリカ、ドイツと並んでいた。

 南満州鉄道と北樺太の利権を交換し、

 中国大陸に対する野心を捨て、

 人身売買によって、経済危機を脱しつつ、

 アメリカの挑発に乗らず、不戦を貫き、

 戦争特需によって莫大な利益を上げ、

 イギリス領ナイジェリアを会得していた。

 日本国民は自らの意志で選択してきた内政外交政策史と思い込んでいたが、

 列強は権力層を監視し、日本の民族性や国民性を監視し情報を集めていたことから、

 あり得ない異常な選択を断続的に断行してきたとに気付いていた。

 むろん、日本国民の誠意と勤勉勤労が高度成長を成し遂げさせたものの、

 白亜の遺産の裏付け、不労取得があったればこその政策変化だった。

 

 

 法律だけでは国家を守れない、

 不文律な恐怖も国防で不可欠だった。

 その中心は特別高等警察。通称特高で

 国権派、民権派、分権派、民族派、資本主義者、個人主義者など様々な代表が集まっていた。

 「「「「「・・・・・」」」」」 ため息

 「統一した意見は、出そうにないな」

 「しかし、妥協すべきだろう」

 「妥協の産物がこれだと、内患と外患に対する処置が不徹底になってしまう」

 「言論の自由、結社の自由、信教の自由、報道の自由は必要だ」

 「内患外患の温床だな」

 「日本は国民国家なんだよ。いろんな要素があることを否定するな」

 「まぁまぁ」

 「それに海外の低価格商品は買うべきだろう。利敵行為とは言えない」

 「だが国内産業を守るため関税は必要だ」

 「そういう考えでは高くてくだらないモノを買わされる」

 「聖域は国民の利益を損なってるし、消費者の敵だ」

 「最終的には、外国の製造品に負けてしまう」

 「国内製品は列強に負けてない」

 「基幹産業と農業はな!」

 「農業はそんなに守られてないぞ」

 「産業もだ」

 「資源会得のため機械や工場、社会基盤を作ってやるのはどうかと思うが」

 「資源がなきゃ何にもできん」

 「石油なら高千穂があるだろう」

 「採算性があるんだよ。素人か、お前は!」

 「なんだと!」

 「まぁまぁ」

 「もっと新規参入を認め産業のすそ野を広げるべきだと思う」

 「百花繚乱で勝てるか。国際競争を舐めるな」

 「資本家ばかり守られ利権が強くなっては、国民に犠牲を強いられて困る」

 「特に独占は困るね」

 「製造物責任制度を取るべきではないか」

 「あれは、保険制度の未熟なアメリカだからこそ発展してる制度だ」

 「そうやって、手足を失わせるような機械を売るんだな」

 「改善はしてるぞ」

 「しかしだねぇ 国内産業を維持するためには海外市場が必要だし」

 「資本家が自由がないと企業が成り立たない」

 「いや、今回の集まりは、内患外患の上限を明文化しようという集まりなので・・・・」

 「国権派は巨大利権の聖域が好きだから、社会を癌化させる」

 「民権派は自由ばかり欲しがって義務を疎かにして、文句ばかりだ」

 「「どっちが!」」

 「「「「・・・・」」」」 むっすぅ〜

 白色テロの標的が明文化されていく、

 内患の標的は、不正腐敗、聖域に対しであり、

 外患の標的は、外交取引差損に対してであった。

 総論は賛成でも、誰かが得をし、誰かが損をするゼロサムが存在することから、

 自由と公共。利権と人権。国権と民権の党派がどこまで我慢できるかで、

 どこまでの行為が国家国民にとって我慢できない内患と外患なのか、

 明確な答えを出せないでいた。

 

 

 日本の電力は優先順位があって、

 原子・崩壊熱、地熱、潮汐、水力、太陽光熱、風力の順番で使用される、

 火力は燃料を消費しなければならないことから、

 送電会社の保険用発電として使われることが多く、

 太陽光熱と風力は不安定な発電だった。

 そして、核ミサイル用のプルトニウムが必要量に達すれば核分裂型原子炉は解体され、

 安定した電力供給のための核融合炉の研究が進められる。

 核融合は重水素と三重水素を高圧高温で衝突させ、

 ヘリウムと中性子を作るというものだった。

 言うは易いが重水素と三重水素をプラズマ温度1億℃以上、

 密度100兆個/cm3を1秒間以上閉じ込めなければならなず、

 それは、太陽の中心部を閉じ込めるようなものだった。

 原子力研究所

 関係者たち

 「放射線事故が多くて困る、高千穂の先住民の犠牲が大きすぎる」

 「はっきり言って、原子力関係者の意識も低下してるよ」

 「何とかできないのかね。このままではモラルが保てない」

 「白亜潜水艦で発見された放射線を食べる菌を研究しています」

 「おお」

 「放射性物質の量は変わりません」

 「なんだ」

 「しかし、放射性物質が入ったプールに菌を入れ」

 「植物連鎖を利用して放射性物質の回収ができるかもしれませんし」

 「放射線を僅かでも減退させられるかもしれません」

 「いま、世界中から菌を採取して、放射性物質の中に投げ込んでます」

 「菌が死ぬのではないのか?」

 「死ぬ菌もいますが堪える菌も生まれるでしょう」

 「いま、注目してるのはナノチューブです」

 「こちらは放射性物質を内包させ、保管しやすくなるかもしれません」

 「白亜種でも原子炉は危険な代物だったらしいからな」

 「時に、核融合炉はどんなモノかね」

 「重水素の水槽と三重水素の水槽で高温高圧を作り最深部で衝突させます」

 「それは安全なモノなのかね」

 「核分裂と違って、排出されるのがヘリウムと中性子ですから、核廃棄物の心配がありません」

 「構造はどうなってるのかね」

 「地下2000mほど二つの水槽を掘ると、地熱。自重に、重石の圧力を加え条件を近づけます」

 「二つの水槽の最深層部で圧縮させながら加速器を使い集束と加速させていきます」

 「両方の先端部は爪楊枝ほどになりますが、重水素と三重水素を衝突で水蒸発気と大量のヘリウムを作ります」

 「ヘリウムは空気より軽いので立て坑を上昇しながらタービンを回して発電します」

 「爆発しないのか?」

 「先端部は、重水と三重水の混合液で圧力がかかり加熱してますが」

 「先端部同士は非常に近く、一億度の熱源は小さな点に過ぎません」

 「連続運転すれば高温にはなりますが圧力が小さいので」

 「爪楊枝の部分はずれないのか」

 「固定させていますので。核融合は超高速でぶつかる小さな点に過ぎません」

 「重水も三重水はなくなるのではないのか」

 「重水も三重水も海から抽出できますし、とりあえずは水槽の容積次第です」

 「土方仕事か」

 「シンプルイズベストで行くとそうなりますね」

 「欧米はもっと複雑なモノを研究してるようだが」

 「企業収益優先だから目先の利益を追ってるのでしょう」

 「それに複雑な機構は、攻撃された場合に危険ですし」

 「んん・・・」

 「日本は国益優先なのでは?」

 「まぁ 今のところ不足分を火力で補ってるが、中東との取引で嫌な思いをする者は少なくない」

 「依存率が大きいと特にな」

 「高千穂油田があるのでは?」

 「安い燃料で高度成長してることを忘れないでくれ」

 「今のうちに自然再生エネルギーを増やすとしても、安定性が低い」

 「しかし、原子力頼ろうとすると、列島側の反発もあってな」

 「扶桑からでも送電できますし」

 「列島は地震が多いですから地熱と風力と火力を中心にした方が良いのでは?」

 「工業の中心が半島と高千穂に向かったら、割り切れるものじゃないよ」

 「列島の工業は軍事的な安全保障の側面で必要だ」

 「しかし、日本の大地主は、土地を売らないと農業従事者がおらず維持できなくなってる」

 「扶桑と高千穂は既得権の邪魔がなく区画整理が容易。区画自体広いですし発展している」

 「列島はそのことを恐れてる」

 「利権と保身にかまけてるからですよ」

 「そうはいってもなぁ」

 「「「・・・・」」」 ため息

 「少なくとも水を燃料に発電できるのは、人類の夢ですよ」

 「水で発電したいなら水力発電でも潮汐発電でもできるだろうが」

 「まぁ そうなんですけどね」

 「どの道、地下石油備蓄で穴を掘らないといけませんし」

 「いまの石油備蓄は?」

 「150日分くらいです」

 「電化が進めば200日くらいになるかもしれません」

 「1940年頃の石油備蓄は民事・軍事をあわせても2年分あったぞ」

 「石油備蓄以上に、石油消費量が増えてますからね」

 「もっと電化を進めるか。石油備蓄を増やすかか」

 「あと省エネもありますね」

 「省エネか・・・石油を買う側としては徒労が増えるな」

 「石油関連営業課は、政府から補填されてるんじゃないですか?」

 「まさか」

 

  

 東京

 日本は高度成長の真っただ中にあった。

 外資参入は徐々に増え、珍しい商品が店頭に並び、

 60年の東京オリンピック効果で外国人観光客も増えていた。

 国際化の波が否応なく訪れ、

 日本国民の多くは昨日と違う今日を日々意識していく、

 再建された江戸城は日本人の精神をわずかに安定させていたものの

 時代の流れは速く、価値観を多様化させていた。

 白人と日本人たちの外交折衝

 「国民基金なるものは、資本主義のルールに反する」

 「国民基金は、民主主義のルールで発行されるものであって選挙権と同様、国民の生存権です」

 「国民は自ら汗を流し賃金を稼ぐことで、生存権を勝ち取るものだ」

 「日本の愚作のせいで、アメリカで暴動が起きてる」

 「アメリカ人の暴動と日本の政策は関わりないことです」 

 「貴様らの人権紙幣発行が、アメリカ国民を暴動に誘ったのだ」

 「それは違うでしょう」

 「アメリカ政府が傾きつつある銀行と企業を助けるため税金を投入したから国民の暴動が起きたのですよ」

 「馬鹿を言いなさい、国民に選挙権以外の権利などもっての外だ」

 「ボトムアップ型経済政策は必要ですよ」

 「トップダウン型積極財政こそが、国家を強くし、国民を豊かにするのだ」

 「ボトムアップ型の積極財政はアメリカの好みでないようで・・・」

 「当たり前だ!」

 「トップダウン型財政投資はインフレが起こりますし、特定産業のみが強まるだけですな」

 「それが正常な財政政策だ」

 「貧富の格差が広がりますね」

 「貧富の格差が広がれば不労取得を求める富裕層の株操作が経済の中心になり」

 「実態経済を損なわせるのでは?」

 「そ、そのようなことはない」

 「投資家の株操作だけで、企業イメージで企業の評価が上下し」

 「健全な企業が殺され、不健全な企業が生きながらえる」

 「そういった不条理がウォール街で起きてるのでは?」

 「そ、それはボトムアップ型の積極財政でも同じだ」

 「ですが利息還元保障が国民にあれば、企業をこしやすいでしょう」

 「ハングリーな状態が勤労を促進させるのだ」

 「国民に金を渡したところで物価が上がるだけ」

 「物価を決めてるのは誰でしょうね」

 「「「「・・・・・」」」」

 「投資家や資源メジャーなのでは?」

 「「「「・・・・」」」」

 「物価上昇はそれほどでもありませんよ」

 「ボトムアップ型経済は、消極財政にすべきだ」

 「それは、偏った財政政策としか思えませんね」

 「無産階級に蓄財させたところで国家は豊かにはならない」

 「いやいや、創意工夫しながら民間活力で産業が伸びるはずです」

 「金を全国民に配るなど、あり得ない!」

 「日本は単一民族で同胞を抱えてる」

 「異民族の金融支配を目的としたユダヤ銀行の経済システムに従う義務はない」

 「それに今のところ新札発行の分の公定歩合分を上限にしてる」

 「あなたたちが搾取してる利子分だから。心配されてるようなインフレはない」

 「ベーシック・インカムような経済システムはよくない政策だ」

 「国民基金は最低限所得保障ではなく。利息還元保障なのですよ」

 「つまり経済システム上、必須事項ですな」

 「現金でなくフードスタンプにすべきだ」

 「同胞に、そんな惨めな思いをさせられるか」

 「その方が利益が大きいんだ。経済は乗数効果で考えるべきだ」

 「日本は独立国家だ。あなた方に従ういわれはない」

 「日本は株市場をもっと外資に開放すべきだ」

 「金持ちの投資家だけが優遇されるような経済システムはよろしくないかと」

 「資本主義は適者生存であるべきだ」

 「日本は民主主義でもあるので、資本主義ばかり強調されても困りますね」

 「電気自動車は反資本主義的だ」

 「いや、普通に売れてますよ」

 「企業にとってガソリン車の方が寡頭化しやすくいいに決まってる」

 「本土は、油田がないので、電気自動車の方が都合がいいのです」

 「石油価格は安いだろうが」

 「誰かがあと数十年で石油が枯渇するといってる」

 「あ、あれは石油価格を維持するための方便だろうが! それくらい、わかれ!」

 「最近、電気自動車の性能も良くなりまして」

 「円が暴落するぞ!」

 「いまのところ、出回ってる紙幣量と物価は安定してるし、暴落する兆候はないね」

 「「「「・・・・・」」」」 むっすぅ〜

 「後悔しても知らないからな」

 「後悔させてみろ」

 「「「「・・・・・」」」」 むっすぅ〜

 「もし、我々の足場で暴動や革命が起きたとき。我々の在日資産は保護されるんだろうな」

 「我が国は約束を守る国ですよ」

 「「「「・・・・・」」」」 むっすぅ〜

 

 

 マリアナ沖 深度300m

 日本海軍 潜水艦 紺龍

  5200t/6500t 全長100m×10m×吃水7.5m

  ディーゼル1625馬力×2基 (3250馬力)

  トリウム原子炉1基(750kw・1000馬力)

  電気推進  水上4000hp/海中9000hp  水上13kt / 水中 20kt

  魚雷533mm×6 36本  70人

 艦橋から哨戒ブイが海上へと伸びていた。

 朱雀からの情報が紺龍に届き、

 海底の地形で現在位置を照合する。

 座標がわかれば、標的までの方位や距離がわかった。

 「1番発射準備」

 「1番発射準備完了」

 「発射!」

 プシュー!

 艦首から発射された魚雷は、海上へと上昇し、

 水柱と共に空へ飛びだすと翼を広げ、吸気口を競りだし、飛び去っていく

 「飛行を開始しました。標的まで300kmです」

 朱雀が時速1000km/hで標的に命中したと確認すると歓声があがる。

 「当たるもんだな」

 「ちょっとつまらないというか、懐古的なものを感じますね」

 「潜水艦戦の醍醐味は、潜望鏡で狙ってドン!だからな」

 「でも巡航ミサイルの割り当ては少ないみたいですよ」

 「また、土建屋にICを取られたか」

 「いえ、農業でしょう。機械化するそうですから」

 「機械化か・・・そういや、耕耘機をどうたらって言ったっけ」

 「あと、達磨島の影響で工場型農業とか」

 「設備費かけると農業は、儲からんだろう」

 「土地収用の条件で補助金を出すときがあるそうですよ」

 「工場生産は、水と肥料撒きと、害虫と雑草対策で楽で」

 「船内でも、もやしとカイワレは作ってますし」

 「高千穂でも毒蛇と毒虫を怖がらなくていいって増えてるようです」

 「なんか、世の中変わっていくな」

 「アメリカがバイオ種子を紛れ込ませる可能性があるので、農地工場化は国防だそうですよ」

 「アメリカはそんなことをやってるのか」

 

 

 

 衆議院で投票が行われ

 「罷免賛成187票。罷免反対43票。白票70票により、山田次官を罷免します」

 ざわざわ ざわざわ ざわざわ

 高千穂は抽選制衆議院が省庁を監視し、多数決で官僚・公務員を罷免することができた。

 貴族院の推薦やコネで官僚・公務員になっている者が少なくなかったことから

 政情の自浄に効果があった。

 この高千穂の独走を阻む抽選制衆議院制度が本土でも評価され、

 諸刃の刃となって内地の官僚機構にも突きつけられていた。

 内地では官僚組織の抵抗で官僚・公務員の罷免を政府の専権事項とするか、

 議会の多数に委ねるかで波乱になっていた。

 官僚たち

 「やれやれ、罷免されちまったよ」

 「あちらを立てればこちらが立たず、こちらを立てるとあちらが立たず、両方建てると身が立たずだな」

 「内地は、政官財だけを考えればよかったけど、衆議院は庶民感覚に近い。感情で判断される」

 「まぁ 1期のみで選挙なしで選ばれるから、一番、庶民感情に近いからな」

 「日本でそれやられると身動き取れなくなるな」

 「でも、日本でも強まってるんだろう。抽選制衆議院」

 「国民はその気満々だな」

 「窮屈になるな」

 「内地でさえ、聖域が突かれてるからな」

 「世知辛ないねぇ」

 

 

 日本製の電気ピックアップトラック車が凹凸の多い山道を走破し、

 アメリカ製ピックアップトラックを抜いていく、

 「へぇ ディーゼル発電か」

 「むしろ、6輪インホイールモーターの効果が大きい」

 「バイタリティの有りそうなトラックだな」

 「外国は、マイクロ波道路ないから輸出用だよ」

 「ハイブリットっていうんだろう」

 「潜水艦方式ともいう」

 「でも、なんで、ピックアップトラックなの?」

 「ピックアップトラックはアメリカで、人気あるんだよ」

 「まぁ アメリカの国土の大半は田舎だからな」

 「いや、もう、発想が根本的に違うから」

 「高千穂もマイクロ波道路舗装はこれからだけどな」

 「幹線道路は充電しながらノンストップで走れるよ」

 「どちらにしろ、自動車産業はアメリカ、中国、欧州で売れるなら躍進できる」

 「むしろ、アメリカ、中国、欧州以外に売った方がいいのでは?」

 「んん・・・後進国は政情が不安定だからリスクが大きいし、庶民が貧乏だ」

 「しかし、日本は町工場で電気自動車を作れるから、欧米のガソリン車と戦うのは辛い」

 「日本は巨大利権を嫌う風潮があるから」

 「地域で自動車会社を統合させたがる節もあるし」

 「車検をもっと厳しくして零細企業を潰せ」

 「基幹部品の規格さえ合ってたら問題なかろう」

 「ガソリン車とディーゼル車ならコンツェルンを作れて楽なんだが」

 「トップ層はな」

 「まぁ ハイブリット車なら内外とも売れるが、国内市場で足を引っ張られるのが辛い」

 「上手くいったらハイブリットエンジンで戦車や装甲車を作るの?」

 「んん・・・対外的なことを考えると不利だけど」

 「国内用だとディーゼルエンジンの効率だけを考えればいいだけだから有利なんだよな」

 「馬力的にどうなの?」

 「1基30kwなら16基480kwで652馬力」

 「1基40kwなら16基640kwで870馬力」

 「1基50kwなら16基800kwで1088馬力」

 「1基60kwなら16基960kwで1280馬力」

 「もっとも馬力より、ハイブリットエンジンで16車輪を全部インホイールモーターにすると大きい」

 「おいおい」

 「じゃ ハイブリット戦車もありなのか」

 

 

 

 アフリカ大陸の高千穂、アジアの扶桑半島の価値が高まるにつれ、

 日本国防軍における陸軍戦力の価値が増大していた。

 もっとも、高千穂周辺、

 イギリス領ペナン、

 フランス領ニジェール、チャド、カメルーンの植民軍は些細な戦力に過ぎず。

 扶桑が国境を接するカザークも友好関係が保たれていた。

 また高度成長期に軍部が将兵を引き抜けば国民総生産が低迷し、

 軍組織の増大は、暴走に繋がる可能性も高くなることからも将兵の増強は敬遠された。

 代わりに大量の予備兵と携行兵器のストックを増やし、

 兵士の心構えと必要最低限の射撃訓練は行われていた。

 それはそれとして、効果が認められるものの主力戦車の突進にたいし、

 携行兵器が頼りでは心もとなく、

 イスラエル内戦でセンチュリオン戦車が携行兵器に撃破されてる戦訓があり、

 戦車も一定の強化が求められた。

 国防省技術研究部

 継手構造の複合素材を用いたハイブリット戦車が検討され、

 センチュリオン戦車に似せた戦車の研究が始まっていた。

 

  ディーゼル電気推進型ハイブリットセンチュリオン戦車

  重量40t  全長8.84m  車体長7.55m×全幅3.39m×全高3.01m  

  16基480kw=652馬力  速度50km/h  行動距離550km

  52口径105mm砲1基 6.5mm機銃3丁

 関係者たち

 「こりゃまた凄い」

 「セラミック、カーボン、シリコン、ケブラ、チタンを重ねて使うと軽くなる」

 「それにインホイールモーターの馬力とトルクを考えるだけだから」

 「ディーゼルエンジン効率を考えるだけでいいし」

 「よしっ・・・」

 「高いけどね」

 「「「「・・・・」」」」 ため息

 「いくら?」

 「5倍」

 「はあ」

 「性能はいいけど、大量配備は無理だね」

 「し、しかし・・・・どのくらい性能がいいの」

 「いまの携行兵器くらいなら防げるし、戦車砲にも耐えられる」

 「無敵じゃないか」

 「ただし、上部、後部、下部は弱い」

 「それと大口径砲、爆撃、地対地ロケットの直撃。地雷にはやられそうだけど」

 「一般的な戦場で、そういうのに当たる可能性は少ないんだよ」

 「どうせなら独自設計で製造したい」

 「独自設計か・・・」

 「隠し事があるから、軍事力で、あんまり目立つなって言われてるからな」

 「やれやれ」

 「馬力は伸びそうなの?」

 「モーターの改良が進めばね」

 「じゃ 車輪モーターの改良が進めば替えるだけで・・・」

 「自動的に戦車の走破性が向上しますね」

 「「「「・・・・・」」」」

 

 次期主力戦闘機開発

 推進7000kg級ジェットファンエンジンの開発が進んでいた。

 「次は双発機にするって?」

 「予算からして機数が半減しそうだな」

 「そんなに苦しいのか」

 「いまのところ、日本、扶桑、高千穂は高性能戦闘機が必要ないと衆議院に思われてる」

 「将来は必要になるだろうが」

 「だから開発はいいけど、機体増産は中国、カザーク、アフリカ諸国の様子を見てって」

 「機体を増産できてもパイロットは急に増やせないだろうが」

 「いくら言っても素人衆はわからん。というよりむかしの軍への反発だろうな」

 「そんなに暗かったか」

 「まぁ 確かに軍に傲慢なところがあった」

 「いまは、土建屋が傲慢だがな」

 

 

 東京

 都心の中心で建設工事が始まろうとしていた。

 関係者たち

 「農業用ビルを建てるって?」

 「今後、製造業とサービス業が増大していくからね」

 「産業構造を変えても日本と扶桑が自給自足が可能か検証するためだと」

 「何階建て?」

 「サングリーン60だから60階じゃないの」

 「縦90mと横55mで敷地面積4950u」

 「60階だから総床面積0.2kuで敷地面積の40倍くらいになる」

 「棚作ったり水槽栽培すると作物によるが1kuくらいになって敷地面積の200倍」

 「なんか、それは、農家と競合してしまうし、いろいろ駄目なんじゃないの?」

 「それに世界一高い作物になりそうだ」

 「いや、製造業やサービス業で土地を収用しても農業自給は問題ないって物証だから」

 「利益になるものなの?」

 「機械化されてフロア当たりの農民は数人だし、都税で価格統制するから利益にはなるでしょう」

 「なんか、ずる」

 「都心全域の穀倉地帯でもあるし、物流が止まったときの食糧安全保障にもなる」

 「地代はともかく、しょうがないんじゃないかな」

 「グローバル化したがってる企業が妨害してる節があるようだ」

 「グローバル化か。安いものを買って高く買ってくれるところに売るが商業の基本だからな」

 「第一次、第二次、第三次とも強い国は、儲けるのが難しいから」

 「植民地の米を買い叩いて、日本で売りたいとか思うんだろう」

 「嫌だねぇ そういう金の亡者みたいなのは」

 「でも、中国の安い低級品とかいいぞ」

 「まぁ そうだろうが・・・」

 

  

 カザーク連合

 油田が発見され、工業力が伸びていた。

 三角テント型のビル群が建ち並び、狩猟文化を残したまま近代化していた。

 毛皮を纏った白人が我が物顔で行き来し、

 漢民族は中国の生活が苦しいのか、白人の10分の1人権という立場に甘んじていた。

 5年任期のサイン・ハン(大賢領)制も機能しており、

 国風は、皇帝のいないロシア帝国で、共和制に近く、

 カザーク経済法で所得上限法が決まったものの、

 今のところその上限に達した資本家はいなかったことから、

 資本主義より民主主義の強いアメリカ合衆国といった印象もあった。

 ハルピニスク

 ロシア人たちが日本、ドイツ、アメリカから供給されてくる機械類を見ていた。

 「日本製がドイツ製と遜色ないのが不思議だよな」

 「日本製の質が良くなって、アメリカ製を追い抜いてる」

 「アマテラス=ダジボーグで日本人たちの行動を見る限り日本民族は、長いモノに巻かれやすい」

 「利権ムラで結束しやすく排他的。国民も小心で事勿れなのにな」

 「軍需産業から民需産業に舵を切ることができたことの方が驚きだね」

 「確かにと政策決定に違和感あるけどな」

 「日本社会は、明治前の古朝鮮系、明治後の旧朝鮮系、32年以降の新朝鮮系の対立があったようだ」

 「いわゆる反日勢力同士の確執だったらしいが」

 「新朝鮮系が古朝鮮系・旧朝鮮系との戦いに負けて人身売買された。というのが日本史の裏舞台らしい」

 「たぶんその辺が政策転換の枝分かれになったんじゃないかな」

 「癌のように日本に巣食ってたのに、それがいなくなると外患も介入できなくなるか」

 「まぁ 日本人自体は大人しいから、それほど怖くはないが」

 「日本軍はチャドやニジェールで土地を借りて地下核実験してるし。こうも工業力が強くなると脅威だな」

 「こちらから手を出さなければ大丈夫なじゃないのか」

 「ところがユダヤ資本とアメリカは、日本に浸透したがってる」

 「例のユダヤ資本お抱えの朝鮮人部隊は?」

 「ああ、日本潜入を試みたが失敗した」

 「やはり、遺伝子を使った個人認証のせいか」

 「人間の設計図の部分だけを抽出して数値化するのって凄い技術だよな」

 「4つの組み合わせらしいけどな」

 「漢字文化だから短縮できるんじゃないのか」

 「日本のコンピューターは32進法を使ってる節がある。8分の1くらいに短縮できるんじゃないのか」

 「64進法なら16分の1に短縮できるの?」

 「さぁ 噂だと、日本パスポートの個人認証欄は64進法がついてるらしい」

 「そういう国と対立するのはまずいだろう」

 「まぁ アメリカユダヤとも日本とも上手く、馴らせていければいいだろう」

 「カザークは、ソビエト、中国、日本、アメリカに囲まれている。そのくらいの気概で舵取りしないとな」

 

 

 イギリス領ビルマ

 植民地支配の象徴イギリス総督府はビルマ人に包囲されていた。

 インドから流れ込んだ携行武器を持ったビルマ人がイギリス軍を圧倒していた。

 イギリスは戦後再建で乗り遅れ、植民地人と戦う気概を失っていた。

 イギリス軍に守られた総督府職員が総督府を脱出すると、

 ビルマ人民衆からサブマシンガンが撃ち上げられ、大歓声が沸き起こった。

 ビルマ沖

 65000t級海凰型空母 雷凰

 陽炎が離着艦を繰り返していた。

 巡洋艦の艦長はCICにいることが多くなるが、

 空母の艦長は、飛行甲板の様子も知らなければならず、艦橋にいることも少なくない、

 艦橋

 「アメリカがフォレスタル型空母を就役させたらしい」

 「じゃ アメリカの対日圧力が増えますね」

 「艦上機は、陽炎が強いよ」

 「スペック上、アメリカ機に合わせて低めにしてるが、圧倒できるはずだ」

 「潜水艦も・・・・」

 「しかし、予算上、苦戦しそうだけどな」

 「開発費に予算を掛け過ぎなのでは?」

 「まぁ そうだが陽炎や雷凰の性能を見ると、強いことは言いにくい」

 「逆に性能差が開いてる間は、さらに性能差を広げたい気もする」

 「やはり艦上機の対艦性能が弱いですし、双発戦闘機が待ち遠しいですね」

 「とりあえず艦上機は対潜哨戒、艦隊防空が優先で」

 「対艦攻撃は朱雀を中継にした艦対艦ミサイル攻撃が主流・・・」

 「伏見提督。ビルマが独立を宣言しました」

 「インドに続きビルマも独立か。マレーも独立できればいいがな」

 「イギリスの植民地支配は低下してますからね」

 「マレー人の独立運動も盛んですし、長くはないのでは」

 「んん、インドをもっと援助して、インドに植民地独立の父になってもらおう」

 「日本は日和見ですか」

 「核兵器持ってるアメリカと正面からぶつかるのは嫌だしな」

 「提督。日本がビルマ独立を承認しました」

 「そうか」

 「イギリス艦隊が後退していきます」

 「では我々も引き上げるか」

 「日本のビルマ投資が増えそうですね」

 「どうかな。紙幣発行が国民基金と連動してるからな」

 「そんなに国民に金をばら撒くのが嫌なんですか」

 「だって、権力構造上、最下層の国民が言うこと聞かなくなったら怖いしな」

 「日本国民の自由意思を信じてもいいのでは?」

 「そういう伝統がなかったからな」

 「こういうのは、不換金紙幣だからこそ成せる業ですから」

 「だといいが・・・」

 日本の政府船がビルマの港へと入っていく、

 

 

 欧州の生産力のほとんどはドイツ帝国が作りだしていた。

 それ以外の国は、工業競争で敗北し、消費国となりつつあった。

 辛うじて生産力を保っていたのはイギリスだったが、経済力でドイツ対抗できるはずもなく、

 アメリカと日本に支えられていた。

 ドイツの盟友イタリアの経済も落ち込み気味で、何を作っても売れず、

 日本に支援が求められていた。

 イタリア ローマ

 日本人たちがカフェテラスに座っていた。

 「今日は人通りが少ないな」

 「まだ、シエスタだろう。スペインほどじゃないが3分の1くらいは休み始める」

 「そりゃ 昼寝はしたいが、そんなことじゃドイツに負けるだろう」

 「変えたくない自分というものがあるんだろう」

 「教育のせいかねぇ」

 「日本も教育で手を抜くと大変なことになるだろうな」

 「まぁ それは言える」

 「しかし、まさか、イタリアが日本に太陽光熱発電を発注するとはね」

 「イタリア領リビアに作って、イタリア半島に送電すれば結構な利益になるのだろう」

 「太陽光熱発電なんて言っても塔と鏡なんだから自分たちで作ればいいのに」

 「ほら、例の地下ビルも作って欲しいのだろう。イタリア人のリビア入植も進めたいらしい」

 「でもまぁ 最大の理由はマフィアを排除したいらしい」

 「マフィアねぇ」

 「ドイツもイタリアマフィアには手を焼いてるらしいが」

 「ドイツも受注してるから手分けして作るんじゃないのかね」

 「ドイツもイタリアのためによくやる」

 「結局、ドイツの抜け道を考えるとイタリアからリビアに行って、高千穂に行くしかないらしい」

 「それにイスラエルを封鎖しなければならないし」

 「日本も一緒にやりたがってるというわけだ」

 「しかし、現地の状況はよくないだろう」

 「独立運動は激しいな」

 「イタリア群軍は鎮圧してないのか」

 「対戦車砲が出回っていてな」

 「はぁ どこが」

 「決まってるだろう」

 「戦争や内紛が起こると武器が売れて儲かる人たちがいるからね」

 「戦争で勝つため、資源を差し出すわけか」

 「そういうこと」

 「やれやれ」

 「だから、独立運動を避け、人のいない砂漠で足場を作る気なのだろう」

 「建設中に攻撃されないだろうな」

 「建設中は、一応、イタリア軍を配置してくれるそうだ」

 「シエスタは交替で警備して欲しいね」

 

 

 達磨島

 物資が集められていた。

 「太陽光熱発電を建設するって?」

 「ああ、その代り油田を一つもらえる」

 「おいおい、サウジアラビアの国王サウードは変わったばかりだろう。大丈夫だろうな」

 「政情が変わって、ただ働きなんて嫌だぜ」

 「電力網は権力基盤の一つになるからね」

 「淡水化した水をリヤドに供給できるし」

 「王族は身内以外信用してないし働くの嫌いだから、日本人のポストも少なくない」

 「よくそんな取引を・・・」

 「達磨島を見せた。なかなか効果的だった」

 「ほかの中東諸国も続かもな」

 「じゃ ガソリンは安いままか」

 「たぶんね」

 「必死に地熱発電と洋上風力発電を建設してるんだがな」

 「買った石油は全部、溜めとけばいいだろう」

 「穴掘りまくって石油備蓄してる」

 「穴掘るから土建屋ばっかり肥え太るんじゃないのか」

 「穴掘らないと爆撃されたとき困る」

 「しまいには土建屋のために国が滅ぼされるぞ」

 「まぁ しかし、基幹産業は作らないといけないからな」

 「金になるし・・・」

 「建設機械ばかり作りやがって、土建屋が他分野の工業の足を引っ張ってるとしか思えん」

 「あははは・・・」

 

 

 資本主義の原則は、貸し借りだった。

 企業は、銀行から金を借り利息を支払い、投資家から投資を受け配当を分配する。

 これは政府でさえ同じであり、連邦準備銀行(FRB)から金を借りる。

 そして、これら社会資本は元金だけでなく、

 公定歩合(利息)を吸い上げられる仕組みになっていた。

 値打ちがあるものは最終的に銀行の権利となり、

 人々は借金することでようやく紙幣が印刷され、

 労働を提供することで賃金を得ることになった。

 アメリカ経済は、戦争需要、戦後再建利権、中国大陸利権で

 大恐慌を克服したに見えたが参戦できず、

 莫大な利益を得たものはアメリカの軍需産業だけだった。

 戦後、需要が低迷し、

 大多数の国民層は金を持たず、社会資本は細り続け、

 黒人の社会的向上はなく、犯罪が急増していた。

 そして、資本主義の牙城アメリカで労働運動と暴動が起こっていた。

 ホワイトハウスは、雇用を求める集団に包囲され、

 ウォール街は、賃上げを求める労働集会が行われていた。

 

 東海岸 ジキル島

 アメリカを支配する人々が静かなリゾート島に集まる。

 彼らはホワイト、アングロサクソン、プロテスタントでWASP(ワスプ)と称する代表で

 その中でも最上位のロズウェルコネクションと呼ばれるグループだった。

 彼らは私的利権集団であり、

 私利私欲がアメリカ合衆国とアメリカ国民だけでなく、

 国境を超えた経済的な支配権が及ぶ範囲を使役している点で、

 日本の白亜機関と存在を異にしていた。

 「ドイツ、日本、ソビエト、カザークは我々の経済的な侵入を拒んでいる」

 「軍事的な圧力をかけるべきだろうか」

 「ドイツと日本は核兵器を保有している」

 「咬ませ犬的な隣国を利用するとしても、準備期間が必要だ」

 「とにかく、日本、ドイツ、ソビエト、カザークに圧力をかけ、劣性選択を強いるのだ」

 「情報を支配し、麻薬、退廃思想、利己主義」

 「拝金主義、暴力暴行、虚偽、女性自立、家庭崩壊、反体制を拡大し」

 「道徳や倫理観を破壊できれば、我々の資本が入り込める」

 「国民が馬鹿になれば、政治もおのずと狂わせることができるだろう」

 「日本とドイツは警戒しているようですな」

 「我々の中国でのやり方を見ていますから」

 「んん・・・中国は大きいし、我々と同格の悪党だ」

 「日本とドイツの妨害を排除しなければならなかったし」

 「どうしても日本とドイツ資本を取り込む必要があったのだ」

 「時に例の技術は役に立ちそうかね」

 「はい、未知の技術が多いのですが悪くないと思います」

 「彼らは何しに来たのだろう」

 「超新星爆発から逃れてきた異星人か」

 「あるいは超新星爆発があるため、避難できそうな恒星を探しているのかもしれません」

 「連中は、我々の太陽系を占領する予定じゃないだろうな」

 「それはわかりません」

 「しかし、我々の抵抗が大きいと知ればやめるでしょう」

 「銀河系は広いのですから」

 「超新星爆発か。我々も50億年前に他天体への脱出を考えるべきなんだろうな」

 「その時までには、恒星間航行に足る技術を得ているでしょう」

 「できれば、いま得たいものだ」

 「確かに」

 「可能な限り貧富の格差を広げ、宇宙科学技術を向上させるべきだろうな」

 「ええ、しかし、民衆のデモが激しくて」

 「まったく、日本のせいで・・・あの国は碌なことしない」

 「日本とドイツも何らかの未知の技術を得てるのでは?」

 「限りなく黒に近い灰色だな」

 「特に日本は試作品が少ないうえに開発の紆余曲折が少なすぎる」

 「日本はジーンリッチ研究をしてるのかね」

 「研究はしてるようですが表には出ていません」

 「我々も、もっと研究すべきだろうか」

 「遺伝子操作は危険では?」

 「不死研究は我々の夢だ。手が届くかもしれないのに止められるか」

 「ミュータント化しても知らんぞ」

 「国民で実験してみるか」

 「我々の場合、公益より私益に走る帰来があるが、歯止めが利かず国が亡ぶとまずかろう」

 「それでも不死研究は魅力だ」

 

 

 

 

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 月夜裏 野々香です。

 国民紙幣は国民基金に変えました。

 中国産はどうしようかな。

 100円ショップのない日本に我慢できるかってことなんですよね。

 ・・・・日本の繊維産業潰しても入れたいような入れたくないような (笑

 

 

 

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第23話 1954年 『国民(人権)基金は新札分の公定歩合と連動で』
第24話 1955年 『資本主義 VS 民主主義』
第25話 1956年 『アメリカと契約して×××になるニダ〜♪』