月夜裏 野々香 小説の部屋

    

神がかり系 仮想戦記 『神籬の木仙』

 

 第12話 1932年 『死に石。フィンランドの北欧道』

 1月

 天皇の馬車に朝鮮人李奉昌が爆弾を投げる(桜田門事件)

 関係者たち

 「おいおい、朝鮮は独立させたはずだろう、なんで、反日やってんだ」

 「朝鮮を独立させたからじゃないのか?」

 「日本を怒らせて、もう一度、併合してもらいたいニダ〜 ってね」

 「なに? 朝鮮植民地党ってやつ?」

 「「「「あはははは・・・」」」」

 「「「「やだ」」」」

 

 

 上海日本人僧侶襲撃事件

 この事件で日本は、一時、中国討伐を決めかけた。

 しかし、土壇場で木工12干支ギルドの反対で、中国撤収が決まる。

 そう、戦争になれば鉄鋼業が日本産業の主流になることは確実であり、

 木工産業を維持するため、日本軍の自作自演であるというスクープを流させた。

 帝国議会

 “僧侶殺害は、日中戦争を画策する、アメリカCIA、ソビエトKGB、イギリスMI6の自作自演”

 “この新聞は、なんだ! 根も葉もない噂を振りまきやがって”

 “いろんな可能性を討議し合うのが民主主義だ。なぜ、言論を統制しようとする”

 “軍が確認していないから捏造だ”

 “それでは、軍事統制国家だ”

 “日本人の僧侶が殺されたんだぞ”

 “重要なのは、誰が殺されたかではなく、誰が殺したかだ”

 ”中国人だ”

 “欧米諸国が日本と中国を戦争させようと画策した事件だと思う日本人は多い”

 “それはお前たちが流した憶測に過ぎない”

 “あんたは馬鹿なのか。それとも無類のお人好しなのか”

 “日中で戦争したらどこの国が笑うか。その小さい頭で少しは考えろ”

 “CIAとは決まってない!”

 “地位に相応しくない狭心な男だな”

 “なんだと!”

 “欧米諸国は日本と中国を戦争させるためなら、これから日本人を何千人、何万人と殺すぞ”

 “だ、だから、それは憶測に過ぎないと”

 “憶測ではなく、事実だ”

 “日中戦争を始めるまで、中国大陸は、日本人を殺し続ける”

 “そして、日本でもCIA、KGBから金をもらった奴が日中戦争を起こそうと暗殺事件を起こしている”

 “・・・・”

 “アメリカは中国に軍艦を売ると言ってる。どんな軍艦であれ、租界利権は危機に陥る”

 “外務省は何やってんだ”

 “危機に陥るのは、日本だけではない。朝鮮半島に足場を作ってる米英ソの方がはるかに脆弱だ”

 “中国から撤退すべきだ”

 “貴様らは、近代産業のなんたるかを分かっていない”

 “国家は鉄なんだ”

 “鉄は、血の匂いがする”

 “木は、人を守り、人を和らげ、人の思いやりを表現する”

 “貴様ら鉄の代理人は、敵国民だけでなく、同胞を何百万と殺す気でいる”

 “し、死中に活路を見出すという諺もあるし”

 “このバカが、私利私欲の出世と軍事予算欲しさで日本国と日本国民を死中に陥れるつもりか!”

 “い、いや、日清、日露の前例に習い・・”

 “前例に習って中国人から家と土地と財産を奪ってこいってか?”

 “そ、そんな身も蓋もない言い様は・・”

 “ふざけんな!”

 “日本は必要な資源を買う力はある”

 “おまえらなんかに国権を渡せるものか”

 “・・・・・” むっすぅ〜

 

 

 ソビエト・ポーランド不可侵条約締結 

  

  2月

 第18回衆議院議員総選挙

 

 

 フランス パリ

 カフェテラスの日本人たち

 「なんか。殺伐としてるが、戦争が近いのかね」

 「大恐慌のせいだろう」

 「仲間内だけ潤ったら、ほかは貧乏にさせてしまえってところだな」

 「貧乏人に逆転されることくらい腹が立つことはないからね」

 「日本じゃ 結構あるよ」

 「貧乏人の小倅でも木工彫師の才があるだけで、悠々自適」

 「自分たちで金を作れるから木工12ギルドは圧倒的だよ」

 「ふっ 木工業の幸幣が100円相当」

 「鉄鋼業が50銭。貿易用でもせいぜい1円銀貨、鉄鋼業は勝てんだろうな」

 

 

 

 3月

 満州国が建国宣言

 

 三井合名理事長團琢磨が血盟団員に銃撃される(血盟団事件)

 

 血盟団盟主井上日召が自首

 

 どこかの病院

 病室

 「大丈夫ですか。会長さん」

 「どうやら、弾が臓器と神経を避けてくれたらしい」

 「そりゃ不幸中の幸いでしたね」

 「仙堂君。見たまえ」

 二つに割れた人形が病室にあった。

 「私が撃たれたその時間に音を立てて割れたそうだ」

 「そうですか」

 「もっと人形を大事にしていたら、撃たれなかったかもしれんな」

 「そこまで万能じゃないですよ」

 「仙堂君。新しい人形を作ってくれないか」

 「またですか」

 「頼むよ」

 「そんな殺されてまで、儲けなくても」

 「あはははは・・・最大最強の麻薬は、金かもしれんな」

 「程々にしてくださいよ」

 「まぁ 検討するが。人形は頼むよ」

 「わかりました」

 「それと、子供の許嫁の件だが・・・」

 「会長・・・」

 「まぁ 確かに早いかもしれんがな」

 「閨閥は財産を守るためのものだ」

 「というより、財産を2倍にし、人脈と金脈と利権を増やすものだ」

 「誰だって貧乏人と結んで親族の犯罪歴と向き合わされたり、財産の半分を嫁の家に取られたくはない」

 「君らの村でもお金持ち同士は従兄妹でも結婚して財産を守るだろう」

 「まぁ 確かに」

 「仮に利権を嵩に着た横暴な嫁と結んだりすることはあったとしても、相応の見返りはあるものだ」

 「・・・・」

 「いつまでも成金のままでいられまい。よく考えておくんだな」

 「はい」

 

 

 第61臨時議会召集

 

 

 西の巨済島(400ku)。東の任那半島(400ku)。

 どちらも最前線の島であるが、大洋の最果ての任那半島より、

 九州に近い西の巨済島の方が緊張感が高かった。

 どちらも莫大な軍事予算をかけて地下道網を広げ、要塞砲を並べて要塞化していたが、

 巨済島は、特に密入国できないよう島全体に防波堤を建設し、密入国や上陸作戦を不可能にさせていた。

 銃声音が響き渡り、

 警備隊が海面に目を光らせた。

 「当たったかな」

 「さぁ 翌日にはわかるかも」

 「そういや、対岸にビルが建ってたけど朝鮮共和国もすげぇな」

 「お前、配備されたばっかりだったな。あれは、ビルに見せた壁だから」

 「そうなのか」

 桜田門事件以降、夜間は無警告で射撃していた。

 

 

 4月

  海軍航空廠設置(横須賀)

 

  鉄道弘済会開業

 

  32000t級金剛型戦艦

   全長222m×全幅31m×吃水9.6m

   ディーゼル機関6500馬力20基  130000馬力  速度31kt

   航続距離20000海里/16kt

   45口径356mm連装砲4基   65口径105mm砲×12門   83口径37mm対空機銃20門

   水上機4機

 改装の終わった金剛が呉湾に浮かぶ、 

 外貨稼ぎ頭の木工産業のおかげで歳入が増え、

 戦艦の改装費用は、必要に足る性能にまで引き上げられていた。

 任那半島会得後は、航続距離が重要視され、

 港湾設備さえ整えば潜水艦だけでなく、戦艦の配備も考えられていた。

 その結果、ディーゼル機関が選ばれたのであり、

 ドイツの技術提携によって完成した戦艦とも言えた。

 金剛 艦橋

 「いいねぇ いいねぇ」

 「副砲廃止で、火力が減ってますがね」

 「だがアメリカの戦艦を振り切れる高速戦艦なのがいい」

 「艦隊戦を諦めたのは、どうかと思いますが」

 「神籬がね。最小の被害で最大の戦果を得るなら通商破壊と言ったらしい」

 「外貨を獲得すると、なんでも言えるんですな」

 「大恐慌で生糸が売れなくなってるのに、木工産業は、売れに売れてるからな」

 「養殖産業を諦めて木工産業に職種変えも多いし」

 「地主は、水飲み百姓から手先の器用な人間を集めて、木工細工師にしようと躍起になってる」

 「まぁ 俺たちの子供でさえ、一度は、木工細工師の適性を調べるからな」

 「安全で食いっぱぐれがないってか」

 「幸幣を考えたあの二人は天才だよ」

 「公定歩合の補填をしてしまうどころか外貨得とくもしてしまうのだからな」

 「しかし、あいつら、平和好きだからな」

 「冷や飯ぐらいですね」

 

 

 金と銀との交換を保証した兌換紙幣は戦争や天災により度々破られ、

 資本に余裕のある富裕層は、その度に金と銀を手に入れようと遮二無二なるなど

 悲喜劇が裏舞台で行われいた。

 しかし、近代になって生産量が増大していく上で、兌換紙幣から不換紙幣への移行が求められるようになり、

 大恐慌以降、不換紙幣が主流になっていく、

 そして、社会資本の通貨量は、管理通貨制度により制限されつつ発行されるようになった。

 早い話し、通貨を発行しすぎると、モノやサービスの価値が強くなり、

 富裕層の権力と権威が脅かされるため、利権で統制された慎重な発行が求められ、

 中央銀行に対し、圧力がかけられたのだった。

 しかし、幸幣が木工細工師によって生産され、作られるようになると、二つの通貨がせめぎ合い、

 インフレを加速させてしまう。

 その結果、余剰資本を手に入れた新興企業が増大し、

 そのうち、幾つかが成功し、成金が生まれていったのあった。

 そのひとつ、神籬ガラス工場

 ガラス繊維は、ガラスを溶かし遠心分離させながら細い糸状の物を放出させ、

 冷却させながら極細の糸を巻き取っていく、

 糸を編みながらより大きな糸を作り、糸を編みながらシートを作り、

 シートの厚みを増していけば板になった。

 材料は砂(二酸化ケイ素)で生産が増えるほど1t当たりの単価が安くなり、

 酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化リンなど混ぜ

 工業製品となっていく、

 神籬は、鉄より弱いが禿山規制のある木より生産しやすいガラス繊維を軍事機密とすることで

 ガラス繊維生産を30年間独占する協定を結び、不逞な政商へと変貌していた。

 神籬社員たち

 「なんに使えるかな」

 「鉄より弱いが木より強い。航空機、軍艦、小銃。あと真空管の代用で使えるんじゃないの」

 「特に防弾軽視の駆逐艦とか」

 「まずは、補助艦艇じゃないの」

 「材料が二酸化ケイ素で砂。鉄じゃないってだけで、大金星だからね」

 「産地の沖縄、新潟、小樽は大躍進だね」

 「でも、まだ足りない気がする」

 「アメリカから二酸化ケイ素を輸入するか」

 「「「「・・・・・」」」」 どよ〜ん

 

 

 

 5月

 日中上海協定調印

 

 僧侶殺害事件

  

 仏大統領ポール・ドゥメール暗殺される(7日死去)

 

 アルベール・ルブランが仏大統領に就任

 

 チャップリン来日

 

 第62臨時議会召集

 

 齋藤内閣成立

 

 日本国家社会党結成(赤松克麿ら)

 

 新日本国民同盟結成(下中弥三郎ら)

  

 独ブリューニング内閣総辞職

  

 

 日本・朝鮮の非公式協議が始まる

 「朝鮮は、世界の覇者であるアメリカ、ソビエト、イギリスと同盟を結んでいるニダ」

 「日本は、朝鮮共和国と国交を結んで極東の安定を図るニダ」

 「断る」

 「なぜニダ! 朝鮮は昔と違う世界一の外交戦略国ニダ」

 「アメリカ、ソビエト、イギリスと同盟を結んでる世界唯一の外交国家ニダ」

 「朝鮮は、小指一つで日本を滅ぼせるニダ」

 「やってみたら」

 「後悔しても知らないニダ!」

 「はいはい」

 「返事は一回ニダ」

 「はいはい」

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 フィンランド

 ソビエト国境からマンネルハイム防衛線までの地峡と、

 スールサーリ島(21ku)、ラヴァンサーリ、大・小チュテルサーリ島などの島々の6000kuが日本に引き渡されつつあった。

 第12師団と後備師団5個が上陸すると要塞線の建設が始まる。

 スターリンは腹を立てたが、大粛清の前で、フィンランド領内のことだった。

 そして、カムチャッカ半島と沿海州占領が可能な日本と事を構えるのは、得策でなかった。

 日本人とフィンランド人

 「大変な物資ですな」

 「朝鮮半島の意趣返しくらいはできますよ」

 「ソビエトは攻めてくるでしょうか」

 「半島は4ヵ国同盟で手が出せませんが、逆に言うなら半島に手を出さない限り4ヵ国同盟が縛りになってます」

 「そして、日本陸海軍は、北東シベリアの多くで反攻作戦が可能ですし」

 「この地で失う以上の領地を得ることができるのですよ」

 「それが、地峡の防衛最大の抑止になるでしょう」

 「なるほど」

 「むしろ、北方側の方が不安です」

 「そちらは日本からいただいた兵器と武器弾薬で守れるでしょう」

 

 フィンランドに家が建てられていく

 ガラス繊維を壁に敷き詰めていくと室内の温かみが増していく、

 「意外に効果があるんだな」

 「さすが神籬」

 「カレリア地峡でも生産できるだろうか」

 「ガラスだからね。燃料はいるが材料の石英さえあれば、設備を整えてさえすればできる」

 「燃料か」

 「一番のネックだな」

 「まぁ 買うことはできるよ」

 「本当に?」

 「ソビエト連邦ったって、独裁の権力基盤を維持するには、金がいる」

 「「「「あはははは・・・」」」」」

 

 

 

 6月

  ボリビアがパラグアイに宣戦布告。チャコ戦争勃発。

 

 

 タイ王国で革命が起こり、絶対君主制から立憲君主制へ移行し

 どこかで見たような君主制民主主義国家になっていた。

 タイ王国にとっては、明治維新に匹敵するような歴史的大事件だったものの、

 直接関係のない庶民の生活は、それほど変わらない、

 コーラート台地の開発も継続していた。

 これは、日本がどちらの政権に対しても敵対するものでない旨を公表していたためで、

 通商上の取引のみが行われ、協定はそのまま革命政権へ引き継がれた。

 運河が建設され、水路の網の目が作られ、灌漑設備とともに広げられ、

 既得権は一度、リセットされ、口分田が作られ、

 陸稲、トマト、トウモロコシ、落花生、ナツメヤシ、オリーブ、ぶどう、豆類、

 ナツメヤシ、オリーブ、サボテンが作られていく、

 タイ王国政府関係者と神籬の人たち

 「素晴らしい」

 「後は、水利、区画整理、公共設備の建設を続ければ、豊かな国になりますよ」

 「我々の取り分は、どうなるのでしょう?」

 「だから、発電とか、電話とか、上下水道とか、税収とか」

 「バンコクより、東北部の方がお金持ちになるってことは?」

 「さぁ それは教育しだいかもしれませんね」

 「小学校卒、中学校卒、高卒、大卒じゃ知識量が全く違うので」

 「な、なるほど・・・」

 

 

  

 東京

 扇動家たち

 “アメリカが中国に軍艦を輸出しそうニダ”

 “日本は危険ニダ。滅ぼされそうニダ”

 “戦うニダ。今がチャンスニダ”

 “中国に攻め込むニダ”

 “中国人に日本人がたくさん殺されたニダ”

 “英霊が命懸けで手に入れ、奪われた失地を取り戻すニダ”

 “半島をアメリカ、ソビエト、イギリスから奪い返すニダ”

 “戦争するニダ。絶対に勝てるニダ”

 “軍人さんありがとうニダ。軍人さんの味方ニダ”

 扇動家の巣窟

 「もうすぐ、軍人とのパイプを大きくできるニダ」

 「軍人とのパイプを大きく出来たら、日本軍にクーデターを起こさせて日本を暴走させるニダ」

 「軍国主義化させたら、日本と米英ソと戦争させて、朝鮮半島を真の独立国家にさせるニダ」

 「日本だけでは足りないニダ。中国も朝鮮半島に攻め込ませるニダ」

 「中国は怖いニダ」

 「日本だけでは、きっと戦わないかもしれないニダ」

 「む、無理やり戦わせればいいニダ」

 「中国が漁夫の利を得るのは困るニダ」

 「そ、それはそうニダ」

 「やはり、日中と米英ソを戦争させるニダ」

 「でも、日中戦争ならスポンサーがお金くれるニダ」

 「お、お金の方がいいニダ。成功報酬は日本支配ニダ」

 「「「・・・・・」」」 にまぁ〜

 

 

 空技研

  ジュピター・寿   空冷星型9気筒型   600馬力     90式艦上戦闘機

  プラット・アンド・ホイットニーR1690・明星

                空冷星型9気筒  740馬力

  イスパノスイザ L式12Xcrs

                水冷V12気筒型   610馬力

  ユンカース ユモ 210  水冷V12気筒型   680馬力

  BMW液冷V型12気筒VI型           750馬力    92式戦闘機

 関係者たち

 「90式も92式開発されたばかりだし。エンジンの開発は進んでいない」

 「次期主力開発は次期早々ではないのか」

 「時代は、複葉型から単葉型。固定脚から引っ込み脚に変わろうとしている」

 「開発が遅れれば、欧米諸国に先んじられる」

 「機体はどうするね」

 「これまで通り、神籬にもつくらせるよりない」

 「しかし、木工産業に人材を取られると、鉄鋼業は足を引っ張られる」

 「企業体が幸紙幣と銅交換を保証したからだろうが!」

 「仕方がなかろう」

 「木工産業は、最大の外貨稼ぎ頭だし。幸幣を生産している」

 「正直言うと、幸幣と交換すれば借金することなく、紙幣量を水増しできるのが大きい」

 「日銀に頭が上がらない状態は面白くないし」

 「とはいえ、このままの状態は、まずかろう」

 「鉄鋼産業を主流にしたいものだが、まだ、工作機械が足りないし」

 「人口比の多くを木工業に取られている」

 「これでは戦争不可だ」

 「よりによって次の機体も良さそうだからね」

 「幸幣の応用で機体を造るとはね」

 「捻り分を計算して機材を配置するのは面白いね」

 「機体を捻らせるのって問題では?」

 「計算上、空力特性がよくなるよ。癪だけど」

 「鉄じゃ無理ですからね」

 「生産効率が悪いことは別にしてな・・・」

 

 

 7月

  ポルトガルでサラザール内閣成立(独裁始まる)

 

  第10回ロサンゼルスオリンピック 開幕(8月14日)

   

  ドイツ総選挙でナチス党が圧勝

 

  第63臨時議会召集

  

  

 アメリカ合衆国

 白い家

 幸幣を模した物が集められていた。

 「寸法は全て違わず、全く同じものです」

 「そして・・・」

 何人かの有力者が最終段階の組立で曲げて差し込もうとすると、ポキリと折れてしまう。

 「なぜだ?」

 「わかりません、神籬は、決まった肥料を使わせ、時間に木を切るようにとか、細かく分けてるようです」

 「つまり、それがわかればマネができるということだな」

 「しかし、産地が変わると肥料や木を切る時間が変わるので・・・」

 「やれやれ、幸幣を暴落させることもできないのか」

 「残念です」

 「それに作業が細か過ぎて、アメリカ人は苦手とするところでしょう」

 「「「「「・・・・・」」」」」

 「欧州情勢は?」

 「ドイツは、民族主義が強まってるようだ」

 「こちらの思う壺だな」

 「問題は、日本か・・・」

 「国民国家としての自覚が強過ぎるし、外貨収入産業が酷く民族的だ」

 「そして、そいつらが妙な方向に舵を切ってる」

 「例のニカラグアやフィンランドとの同盟か」

 「たぶん、バルサ材と白樺を押さえる気なのだろう」

 「そして、アメリカとパナマの間を塞いでる」

 「パナマ運河がやられたら、対独・対日戦争はひどく困難になる」

 「対日石油輸出禁止にするか」

 「オランダは日本のお得意さんだ。応じないよ。」

 「それにイギリスの一部は、中南米で日英が組むシミュレーションを考えている」

 「んん・・・」

 「このまま推移すれば、アメリカの一人勝ちだからね」

 「何より、ニカラグアだけでない」

 「反米の強いホンジュラス、コスタリカ、エルサルバドルも、日本に利権を売って武器を買おうとしている」

 「あと、ベネズエラも日本と接近している」

 「フィンランドの地峡の日本軍駐留は?」

 「あそこは、死地だし。いつでも滅ぼせるし。悪くないというより好都合な気もする」

 「それはイギリスとも意見が一致している」

 「問題は、日本は50個師団相当の武器弾薬を生産中だ」

 「妨害しろ」

 「ニカラグアは、アメリカ資本を完全に排斥した」

 「ホンジュラス、コスタリカ、エルサルバドルはアメリカの影響を排斥できると浮き足立ってる」

 「世論を覆せるだけの金はない」

 「コスタリカやグアテマラでさえそうだ」

 「軍事力を増強して中南米を恫喝すれば?」

 「いま、アメリカ国民に金を渡すと我々の立場の方が悪くなる」

 「フーヴァーは人気がないし。あと10年かけてアメリカの主要利権を買収していかないと・・・」

 「あと10年か・・・」

 「日中戦争は?」

 「日本側が避けてますな」

 「どこが妨害している」

 「神籬ですよ」

 「もう一度、やるか」

 「昨日。××銀行の頭取が銃撃されました」 

 「「「「・・・・」」」」

 「カウンターで報復されたのかもしれません」

 「さすがに自分で造幣してるだけはあるな・・・」

 「「「「・・・・」」」」

 「やはり、中国に戦艦を売るべきでしょう」

 「中国に戦艦を売れば中国でも朝鮮半島を封鎖できるようになる」

 「いや、中国は戦艦の補修ができないだろう。そう悪いアイデアではない」

 「中国は信用できない。それが最大の問題だよ」

 「だが反日で利害が一致してるよ」

 

 

 東京

 喫茶店

 山菜を使った果物酒やお菓子が増えていた。

 大手の企業に言わせれば、山を削って開発させろで、目の敵にされているが、

 過疎地のビル建設が増え、人口が分散されつつあった。

 仙堂と角浦

 「北欧道は、アカマツ、トウヒ、シダレカンバだそうだ」

 「ほかは?」

 「今のところ確認していない」

 「種類が少ないのは、面白みがない」

 「エゾマツ、トドマツ。ミズナラ、イタヤカエデ、シナノキ、ハルニレを植林させよう」

 「ストロベリー、ラズベリー、ブルーベリー、グズベリー。コケモモ、フサスグリは多いようだ」

 「水源が多いからスズキ、キタカワカマス、ローチ、カワカマス、コクチマスが捕れる」

 「寒いのだから、それくらいの楽しみは欲しいな」

 「しかし、援軍は不可能の場所。下手したら全滅か」

 「カレリア地峡は、1個師団と後備師団だが、攻撃されたらカムチャッカ半島に上陸することになってる」

 「いくらソビエトでもカレリア地峡とカムチャッカ半島の交換はしないと思うよ」

 「しかし、思い切ったじゃないか」

 「だから10個師団相当の武器弾薬で6000kuなんだろうな」

 「15倍以上の保険ってわけか」

 「それくらいの掛率がないと分が悪いだろう」

 「アメリカとイギリスの反発は?」

 「孤立した地だし。対ソ戦略で好都合で見逃しのようだ」

 「思った通りか」

 「死地で旨みもなさそうだしな」

 「それは、投資額にもよるよ。だいたい、ガラス繊維が売れるじゃないか」

 「そういや、ガラス繊維は断熱材で優れていたな」

 「そうそう」

 「まぁ 北欧道を難攻不落にできるなら安い買い物かもしれない」

 「欧州に足場ができるし」

 「まぁ 俺たちにとって有利な話しだが、将兵たちは、命懸けだろうな」

 「最悪、フィンランドに逃げ出せることになってるよ」

 「フィンランドと仲良くできればいいが」

 「一応、親日でしょ」

 「国境を接すれば、話しは変わるだろう」

 「かもしれないが、防波堤でもある。仲良くして悪いこともなかろう」

 

 

 

 9月

 中南米 任那半島

 ニカラグア、ホンジュラス、コスタリカ、エルサルバドルの代表が集まり協議が始まっていた。

 「我々も軍事的に支援していただけるので」

 「独立に必要な程度の戦闘機と武器弾薬は、対価と交換に引き渡せるでしょう」

 「対価は、領土ということですな」

 「任那と5カ国で不戦協定を結ぶ必要もあります」

 「せっかく武器を渡しても、互いに戦争し合っては、アメリカの思う壺ですから」

 「領土面積はいかほど?」

 「ニカラグアと同じ条件で」

 「わかりました」

 任那、ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル4カ国不戦協定調印

 日本は10個師団相当の武器弾薬を4カ国に引渡し、

 ホンジュラス、エルサルバドル2カ国から400kuずつ

 任那半島の対岸でホンジュラスとエルサルバドルから割譲した湾800kuは繋がっていた。

 日本のフォンセカ湾における領有面積は1200kuとなった。

 既に兵器と武器弾薬は、任那半島に配置されており、

 兵器と武器弾薬の交換と同時に、任那半島の駐留師団10個は分担して新領土を接収してしまう。

 そう、中南米諸国は、十分な武器さえあれば、アメリカの干渉を排することができそうに思われた。

 

 

 トラック諸島沖

 17636t級重巡洋艦 鞍馬

 10000t級巡洋艦 高雄、愛宕、摩耶、鳥海

 5195t級軽巡洋艦 長良、五十鈴、名取、由良、鬼怒、

 先頭を進む蔵馬は、やや古臭い1908年モノの41式45口径305mm連装砲2基を背負式に艦首に集め、

 副砲を廃止し、ドイツ製65口径105mm砲、83口径37mm機関砲を配置し、

 艦尾飛行甲板に水上機8機を置いて、

 いかにも旧ド級巡洋戦艦を一生懸命改装したといった風格を滲ませていた。

 果断のない改良で主砲は、装弾システムがごっそり改良されて、仰角15度から仰角45度まで引き上げられ、

 385kgの砲弾を810m/sの速度で撃ち出すことができた。

 少なくとも125kgの砲弾を835m/sの速度で撃ち出す重巡より強力な火砲だったのである。

 不安があるのは投射力で艦首4門は少なすぎた。

 それでも先頭を走る蔵馬は、重巡キラーとしての役割を持っている。

 独特だったのは、艦首両舷の先端部から魚雷発射管があった場所に水管を伸ばしていたことで、

 わずか直径450cmほどの注排水口でも、戦闘で舵が破壊されても回頭出来るだろうと取り付けられていた。

 水路を開けると、右舷の海水が左舷の排水口から排出されるか、左舷の海水が右舷の排水口から排出され

 艦の両舷の水圧が変わり回頭を早めた。

 この注排水回頭システムは、対戦艦戦闘を諦め、

 相手を対巡洋艦以下に絞ったことで余剰トン数で余裕のできた生駒、伊吹、鞍馬に採用され、

 実験が繰り返されていた。

 

 鞍馬型2隻  鞍馬

  排水量 17636t / 18595t

  全長220m×全幅22m×吃水7.8m

  ディーゼル機関電気推進100000馬力  速力30kt  航続距離10kt/21500海里

   45口径305mm連装砲2基  65口径105mm対空砲連装4基  83口径37mm対空機銃10門

  水上機 8機

 

 訓練で主砲弾が撃ち出されると、水平線上に浮き沈みする標的のブイの周りに砲弾が落下する。

 ブイは、日当を支払った高速船に曳航されていた。

 「電探で位置を測定しながら撃てるのはいいが、それでも寂しい水柱だな」

 「ですが距離が正確ですし、格段に命中率が上がりますね」

 「神籬にはムカつくところもあるが、まぁ 見逃してやってもいいくらいのことはするな」

 「外貨稼ぎで自信がなければ、海外地の会得なんてできないことらしいですから」

 「接近してみるか」

 「速度そのまま、面舵40」

 艦首の右舷側の水管が開き、左舷側へ水流が流れた。

 右舷の水圧が減り、左舷の水圧が増えると艦首がゆっくりと右回頭していく、

 この注排水回頭システムにより、蔵馬の旋回能力は高く、見かけの割に小回りが効いた。

 そして、3斉射で標的のブイを破壊した。

 「将来的には3連装砲台にするそうですが」

 「赤レンガの連中は、ドイツの282mm砲か。それより下の口径を考えてるようだ」

 「まぁ 元々そのつもりで建造したのだから問題はないだろうが・・・」

 大砲の口径を落とすのに抵抗を感じる将兵は少なくなかった。

 

 

 10月

  東京都。人口500万人、世界第2位の都市となる

 

  ハンガリーでゲンベシュ内閣成立

 

  石川県小松町で大火(1100戸焼失)

 

 日本で大規模な建設国債が組まれた。

 対象は、任那州(1200ku)で近代化に必要な社会基盤を整備するためだった。

 総理官邸

 「任那州1200kuか。香港より大きいな」

 「朝鮮半島のアメリカ12800ku。イギリス12800ku。ソビエト6400kuに比べたら10分の1に過ぎませんよ」

 「まぁ それくらいの外交戦略的な反撃はしたいものだ」

 「中南米における日本の香港になればいいですがね」

 「10年以内に永久城塞都市とし、潜水艦基地と航空基地を充実させよう」

 「あと、中南米諸国の工場になるだけの投資も行う」

 「アメリカの対応が気になりますね」

 「アメリカも朝鮮半島に取り付いてる。今にほんと事を構える勇気はないはずだ」

 「アメリカの対朝鮮投資が軍事拠点だけで少ないのが気になりますね」

 「朝鮮中から搾取して、軍事拠点だけを大きくする構造は、フィリピンと同じだな」

 「日本みたいに身銭を切ってまで投資する気がないのだろう」

 「そういえば、朝鮮共和国の李垠皇帝が日朝国交回復をしたいと」

 「朝鮮議会が国交断行したのだ」

 「いくら、李垠皇帝が反対していたとしても嫌だろう」

 「梨本宮との縁もありますが」

 「とても残念だな。とても残念だ」

 「問題はフィンランドのカレリア地峡では?」

 「フィンランド湾の島々を含んだカレリア地峡6000ku。日本国民は反対してないよ」

 「日本国民は、ソビエト軍に直接、銃口を向けられてないからな」

 「とはいえ、朝鮮半島の仕返し的な思惑はありますからね」

 「しかし、あの地峡に住みたがる日本人がいるかどうか」

 「いざとなればフィンランド側に逃げられるよ」

 「それにせっかく、欧州に作ることができた拠点だし。全力で守りたい」

 「第12師団だけだと、淋しいですな」

 「確かに造兵は必要だね」

 「「「・・・・」」」 にや〜

 「しかしだ。カレリア地峡開発は金がかかるよ」

 「名前は、どうするの?」

 「取り敢えず、北欧道」

 「まんまかよ」

 

 

 

 11月

  民主党ルーズベルトが現職フーヴァーを破り当選

 

  仏ソ不可侵条約調印

 

  「唯物論研究」創刊(唯物論研究会))

  

 日本領 大連(遼東)半島(3462ku)

 発電所が建設され、鉄道網が作られ、工場が建ち並ぶ、

 人口100万人の99パーセントを日本人が占めていた。

 北のソビエトと南の南京軍閥と対峙する蒋介石国民党は、武器弾薬を欲した。

 蒋介石国民政府と大連の取引は急速に増え、

 鳥取の面積に満たない小さな半島ながら、首都東京に並ぶ利益を上げようとしていた。

 大連

 「やれやれ、日本中の大手企業が大連に工場を移すことになるとはね」

 「日本人が増えましたからね」

 「それに売れ残りの心配がないのはいいですよ」

 「扇風機の売れ行きもいいようだ」

 「発電所も大きくしたほうがいいようですね」

 「電気の輸出なら丸儲けって気がします」

 「そうだな。大型火力発電所を建設しよう」

 「地下に作ったほうがいいかもしれませんね」

 「戦争になるのか」

 「基幹産業は地下に移したほうが安全なはず」

 「まぁ そうだな」

 

 

 12月

  独シュライヒャー 内閣成立

 

  日豊本線全通

 

  シャム国王が憲法を承認(立憲君主制へ移行)

 

 帝国議会 第64通常議会召集

 “何を考えてる! カレリア地峡などと、完全な死に石だろうが”

 “しかし、フィンランドは日本に支援を求めており、武器弾薬と交換に・・・”

 “黙らっしゃい! 日本がフィンランドとソビエトの戦争に巻き込まれたらどうするのか!”

 “その時は、北樺太とカムチャッカ半島を攻め・・・”

 “政府は、外交戦略を囲碁か何かと勘違いしてるのではないのか”

 “カレリア地峡に向かうのは、家族を持つ日本人なんだぞ”

 “フィンランドやソビエトに人質に取られていいわけがない”

 “国際情勢は、多くの国々が干渉し合ってるので囲碁のような1対1の単純な戦いではなく”

 “捨て石とか。布石とか。死に石とかいう判断をすべきでなく”

 “一定以上の防衛力があれば防衛が可能という・・・”

 “馬鹿言うな、あんな小さな地域で、近代国家は最低限の国土にも達していない、補給もままならんわ”

 “そうは言われましても、フィンランドとの協力関係は・・・”

 “皇軍を危険に晒してることを承知してるのか!”

 “現状は、問題ないかと・・・”

 ““““・・・・・”””” 不信不信・・・

 帝国議会は紛糾していたが、北欧道と武器弾薬の交換は本決まりとなっていく、

 

  国際電話会社設立

 

 ベルリン

 欧州の日本主局は、旧フィンランドの地峡域の北欧道へ移っていた。

 神籬支局支店

 ナチス親衛隊が店の外を行き来していた。

 「なんか、殺伐としてきてるが大丈夫なんだろうな」

 「ドイツ国民全体が再軍備したがってるからね」

 「特にヒットラーが伸びてるようだ」

 「ヒットラーは、大義名分はいいけど、なにかと、黒いものを感じるな」

 「自作自演の破壊工作をコミュニストのせいにして国権奪取みたいなことやりそうだな」

 「まぁ 反共は、少数派が国権を奪取するには適当な口実になるけど、そこまでやるかな」

 「そこまでやるんじゃないの」

 「取り敢えず、日本への利益誘導はどうしたものか」

 「そういや、フランスのバイヨンヌ市立信用金庫が配当がいいと誘いがあったけど」

 「この不況期に?」

 「んん・・・ユダヤ人が作った信用金庫だからな・・・・」

 「目の敵にされてるから、様子見がいいんじゃないか」

 「だな・・・」

 ちゃりんっ!

 「いらっ・・・」

 ちょび髭の小男が親衛隊を引き連れ立っていた。

 

 

 

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 月夜裏 野々香です。

 木仙一族

   仙堂春和(26歳) × 山城美奈(22歳)   一樹(4)  智樹(ともき)♂

   角浦秋和(26歳) × 日向奈美(21歳)   青葉(4)  芳樹(よしき)♂

 お子ちゃまが増えました。一族繁栄でしょうか (笑

 

 

 さて、日 VS 米英ソ朝の構図で、なぜ、日本の中南米進出が見逃されてるかです。

 朝鮮共和国(21万6823ku)

 アメリカ12800ku。イギリス12800ku。ソビエト6400kuの合計32000ku

 25都市×中心租界区画1000kuと、中南米の未開のフォンセカ湾(1200ku)の天秤です。

 正解は、米英ソの足並みが揃わないこともありますが、都市25個 対 未開湾1個

 面積比 アメリカ10.6 対 日本1 なので、我慢してる。でした。

 

 

 ※ 死に石

 囲碁用語です (笑

 なんというか、死ぬとわかって打っちゃう石があって、

 こっちは1手損で、相手に2手損をさせてやれ、みたいな。

 相手を混乱させてやれ、みたいな。

 相手が乗らない場合悲惨だったり、

 相手が上手なことを考えてたりすると涙目になるんですが、そういう時に打ちます。

 時々 死ぬはずが、眼を作って “活つ石” になる時もあります、

 

 

 1926年 巨済島(400ku) 済州島(1845ku) 鬱陵島(72.82ku)

 1926年 大連州(3462ku)

 1930年 任那州 フォンセカ湾 ニカラグア領地コシグイナ(400ku)

 1932年 任那州 フォンセカ湾(1200ku) 4カ国不戦条約により拡大

    ニカラグア(400ku)+ホンジュラス(400ku)+エルサルバドル(400ku)

 1932年 北欧道 カレリア地峡+フィンランド湾諸島 (6000ku)

    スールサーリ島(21ku)、ラヴァンサーリ、大・小チュテルサーリ島他

 

 

 

 

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第11話 1931年 『少しは中南米も面白くしないと』
第12話 1932年 『死に石。フィンランドの北欧道』
第13話 1933年 『極東の楔 VS 中南米の楔』