第22話 1942年 『戦争は、問答無用の公共事業だから』
1月
ソビエト軍は、ドイツ軍遅延のため死守命令を繰り返し、焦土作戦を行って後退したため、
冬装備が不足していたドイツ軍は冬季戦とともに侵攻が困難になり、
6月から始まったバルバロッサ作戦は、12月になると終息し、
補給と休息のため中央と南方で後退していく、
そして、後退したとしてもドイツ軍の大半は極寒地で野営しなければならなかった。
大半でないドイツ北方集団は半壊したレーニングラードを占領し、
ドイツ軍将兵25万に暖かい部屋とベットを提供することができた。
そして、損傷の少ないレーニングラードの工場は、ドイツ本国から工員を移動させ、操業を再開することができた。
また、冬の海路は、冬の陸路を上回る輸送力があり、
ドイツ貨物船がレーニングラードの港に4号F型戦車を降ろしていく、
そう、レーニングラードは、ソビエト攻勢の一大拠点となっていた。
円建公定制実施(為替相場のドル基準廃止)
第1回大詔奉戴日
国際連盟 本部 東京 戦時通商安全局創設
交戦国の代表が集まり、外交使節・捕虜交換船協定が調印された。
これにより中立国船の安全性は高まり、通商航行がわずかに回復していく、
ヴァンゼー会議
ドイツ首脳が欧州ユダヤ人の殺害を決定
日本 北海道
空襲警戒のサイレンが鳴り響くと、
滑走路から、1式戦闘機 鍾馗 が上昇し、日本海側へと飛び立っていく、
ソビエト空軍機か。朝鮮共和国のアメリカ軍機が多く、
この時期、朝鮮半島から飛び立つ対米英ソ空軍機に日本全体が神経を尖らせていた。
「朝鮮共和国の社会基盤を開発しすぎたんじゃないのか」
「軍用地は開発していないよ」
「米英ソ空軍500機が配備されてるというし」
「連中の生活基盤を整えたということだし、自分の首を絞めたきがするよ」
「しかし、わざわざ、北海道まで何しに来たのやら」
「決まってるだろう・・・」
北海道には、ドイツの人造石油工場とほぼ同じものが建設され、
年間60万tの人造石油の生産が可能になっていた。
九州と大連にも同じ規模の人口石油工場が建設され、年間180tの石油を作り出し、
日本の自然石油の産出50万tと合わせると、年間230万tに達した。
問題は、人造石油の材料である石炭で、
北海道。福島県。山口県・福岡県・佐賀県・長崎県など日本全国で年間6000万tを産出していたが
それでさえ、日本が石炭資源国でない証明でしかなく、
石炭火力発電を目減りさせてまで、人工石油で燃料を欲するかと問われるなら、
そうではないとしか答えられず、
さらにいうなら日本は、石油600万トンを消費していたのであり、
海外から購入した石油と石炭で日本のエネルギー需要を支えていた。
アメリカからの鉄鉱石と石油は減少しつつあり、、
代わりに中東石油と、中国の鉄鉱石・石炭と、ブラジルの鉄鉱石が増大していた。
2月
イギリス軍がカイロ王宮を包囲
イギリス軍将校たち
「エジプトが日本に領地を引き渡す算段は潰えたって?」
「なんとかね」
「しかし、エジプト人は、武器弾薬さえ渡してもらえるなら、領地の一部くらい日本に渡したがってるよ」
「そして、日本軍は、国境の向こう側だ」
「漠砂州は、緑化が進んでるんだって?」
「中国の河川を浚渫した土か。タイ王国から土を運んでるらしい」
「あと状況が許せばアマゾン川の河川土も運び込んでる」
「対価は武器弾薬だから軋轢がほとんどないらしいが」
「タイ王国が植民地解放をするって、本気なのか」
「可能な戦力は持ち始めているよ」
「日本もタイ王国の植民地解放を応援している」
「日本は戦わずに?」
「日清日露で将兵が死に過ぎてるし、もういいってことだろう」
「その割には、軍事力が大きいじゃないか」
「日本は、最初から土地と交換するつもり武器弾薬を作ってるのさ」
「武器を売って拠点を得るか。武器と将兵を消耗して拠点を得るの違いだし」
「そして、拠点を占領できる程度の武器を引き渡してるのだから、形の違う戦争でもあるな」
「戦わずとも利権を手に入れられるだけの資本と技術を誰が日本にやったんだ」
「勝手に覚えたんだろう」
「火縄銃2丁を売ったら、10年で数万丁を製造した国だし」
「1897年に12000tの戦艦富士を売ったら、1910年に19000tの薩摩を建造した」
「今じゃ 心臓部の機関も国産で作ってる」
「ひょっとしたら土人に白人が追い抜かれてるのか」
「かもな」
「「「・・・・」」」
地中海・北アフリカ戦線
日本領漠砂州は、北アフリカの英伊地上戦を封じてしまう。
代わりに航空戦と海戦が注目され、作戦が強要される、
地中海最強の海軍国はイタリアだった。
しかし、手練なイギリスにジブラルタルとスエズ運河を押さえれ地中海に閉じ込められており、
フランス海軍もドイツに敗北するまで、地中海のイタリア海軍と制海権で争っていた。
しかし、フランスがドイツに敗北すると、フランス海軍は無力化され、
イギリス海軍が大西洋でドイツ海軍との戦闘で疲弊すると、
イタリアの海軍戦力だけが突出してしまう。
41177t級戦艦ヴィットリオ・ヴェネト、リットリオ、
26434t級戦艦カイオ・ドゥイリオ
23088t級戦艦コンテ・ディ・カブール、ジュリオ・チェザーレ
10500t級重巡洋艦トレント、トリエステ、
11065t級重巡洋艦ボルツァーノ、
11900t級重巡洋艦ゴリツィア
9440t級軽巡洋艦アブルッチ、ガリバルディ
3750t級軽巡洋艦アッティリオ・レゴロ
1620t級駆逐艦アルビーノ、ベルサリエーレ
1550t級駆逐艦ジョベルティ、オリアーニ、ジェニエーレ、アルティリエーレ、
カミチア・ネーラ、グラナティエーレ、アスカリ、カラピニエーレ、
ランチエーレ、アヴィエーレ、フチリエーレ、コラッチィエーレ
1400tt級駆逐艦シロッコ、マエストラーレ、グレカーレ、
1200t級駆逐艦ランポ
リットリオ 艦橋
「艦長。砲撃を中止してもいいそうです」
「そうか」
「マルタ島占領でイギリスはジブラルタルとスエズ運河に分断」
「イタリアとリビアの航路は安全になるだろう」
「しかし、イタリア軍上陸部隊は総崩れ。ドイツ軍上陸部隊に助けてもらいましたね」
「潜入部隊は、イタリア特殊部隊が目覚しかったし」
「敵前上陸なんて野蛮な戦いができるのは、ドイツ人くらいだろう」
「提督。イギリス艦隊です」
「ま、まさか。こっちに来たのか」
「キング・ジョージ5世型戦艦の就航が近いから、戦艦を捨ててもいい気分なのかもしれないな・・・」
フェアリー・ソードフィッシュ編隊が現れ、
イタリア艦隊上空を護衛していたフォッケウルフ4機と空中戦が始まる。
わずか4機のフォッケウルフが数十機単位で押し寄せるソードフィッシュ編隊を追い掛け回し、撃墜していく、
フォッケウルフは、数機を撃墜すると燃料が足りなくなって引き上げ、
100km北方のシチリアから飛来したフォッケウルフ4機と交替する。
そして、日本から輸入した97式戦闘機4機編隊も援軍で現れ、ソードフィッシュを追い回していく、
空母インドミタブル、フォーミダブル、ハーミーズ
戦艦ウォースパイト、レゾリューション、ラミリーズ、ロイヤル・サブリン、リヴェンジ
重巡洋艦コーンウォール、ドーセットシャー
軽巡洋艦エンタープライズ、エメラルド、ダナエ、ドラゴン
オランダ軍軽巡洋艦ヤコブ・ヴァン・ヘームスケルク
駆逐艦テネドス、他14隻
オランダ軍駆逐艦1隻
艦載航空機93機(雷撃機57機、戦闘機36機)
インドミタブル 艦橋
「提督。空襲部隊は、15機が撃墜されました。後続も独伊護衛戦闘機に妨害され苦戦しているようです」
「流石にイタリア艦隊全軍の上陸作戦。空の守りも堅いというわけか・・・」
提督は、やや曇った空と、傾きつつある太陽を見つめる。
「戦艦部隊で夜襲をかける」
イギリス艦隊は、マルタ島を回る戦闘航路を決め、
それ以外の航路を執る艦船を全て敵艦であるとして突撃させた。
メリットは、敵味方を判別しやすく、同士撃ちが少ないことで、
デメリットは、有利な体勢でも敵艦隊と接触できない可能性が高いこと、
もう一つ、不利な体勢で敵艦隊とぶつかる可能性もあることだった。
戦闘行動で柔軟性が少なかったものの
旧式戦艦しか持たないイギリス艦隊と、最新鋭のイタリア戦艦と、まとも戦えば勝目が少なかった。
そして、あっても夜間に決まった航路を全力で走るだけなら
索敵で迷いのある新型戦艦より戦いやすいと思われた。
イギリス艦隊は、幾つもの縦列を作って、広がって航行し、
イタリア艦隊は誤射を防ぐため3本の縦列を有視界内で航行させる。
砲撃戦は互いの吊光弾や星弾が輝く合間に艦影を観測して砲撃した。
マルタ島を巡る艦隊戦が始まると
イタリア艦隊は有利な位置を占めようと航路を変え、別の敵艦隊に側面を晒した。
イギリス艦隊の砲撃は迷いなく敵艦影に集中し、
イタリア艦隊は不意に出現する艦隊の敵味方識別で遅れたのか、
砲撃戦に迷いが生じ、損害は混乱として広がっていく、
マルタ沖夜戦と呼ばれた海戦は、
イギリス艦隊が軽巡洋艦エンタープライズ、エメラルド、ダナエが沈没し、
イタリア艦隊は、軽巡洋艦ガリバルディ。駆逐艦ランチエーレ、アヴィエーレ、フチリエーレ、コラッチィエーレが沈没していた。
翌朝になると両艦隊とも半数が大破という惨憺たる有様で、
双方とも昼前に戦場を離脱してしまう。
戦艦ウォースパイトは、381mm砲弾3発が命中し、第3砲塔が完全に破壊され、
右舷艦首は巨大な穴が空き、噴煙を上げていた。
艦隊中央も破壊されてそこからも黒煙が上がっていた。
艦橋は、ガラスが割れ、煤煙が入り込んでいた。
「沈むかと思った」
「全く」
「無事な戦艦は?」
「レゾリューションとラミリーズが巡洋艦に砲撃され小破です」
「あのくらいなら1ヶ月くらいで戦線に復帰できるでしょう」
「なんにしてもあと、1年はイタリア艦隊の動きは封じることができるだろう」
アメリカ合衆国
白い家
大統領がテーブルに着くと、カラーコード戦争計画の報告書が乗せられている。
注目されていたのはブラック(対ドイツ戦)だった。
「どういう形であれ、戦えば勝てるが、死傷者数を容認できるかによる」
「そしてだ。どの報告書も容認できない死傷者の数字になってるんだが」
「それは、開戦の状況によるのでは?」
「どこかの国がニューヨークを艦砲射撃して。民間人を含めて数万を殺害でもしない限り容認できない死傷者数だよ」
「イギリスは、アメリカ参戦計画があると」
「計画ねぇ・・・」
3月
鉄道技術研究所設立
イギリス空軍がリューベックを大空襲
亜羅州 (4039ku)
船で10万tの河川土が運ばれていくる。
1tの河川土を厚み1mで敷き詰めると1uほどになり、
1tの河川土を厚み10cmで敷き詰めると1ku程になった。
大木が根を張るほどの緑化は簡単には進められない、
根を張った大樹を生やすより、広く浅く草を生やすための緑化で、
10万tの土を厚み10cmで、1kuを敷き詰め、
太陽光熱発電の鏡板を設置していく、
亜羅州の総面積で逆算すれば4000回往復し、4億tを運ぶなら草が生える程度の緑化が可能になった。
無論、一定量の水も必要で、それを可能にする淡水化プラントを建設しなければならなかった。
タンカーから土を降ろすとシートを引き上げ、シートを海水で洗う、
船内を掃除すると原油を載せ、日本へと帰還していく、
関係者たち
「もっと、土砂輸送船を増やして欲しい気がするな」
「さすがに土を載せて降ろして掃除して、石油を載せて日本まで往復するタイムロスが大きすぎるんだろう」
「まぁ シートを敷いていても多少は汚れるからな」
「しかし、緑化は早いほうが有利だと思うけど」
「30万t級タンカーも建造するらしいよ」
「すげぇ」
「そうなったら土砂船に割り振られる船も増えるんじゃないか」
「むしろ、土砂運搬専用船を建造する方がいいという話しもあるけど」
「危険性は増すが、亜羅州で石油精製したものをタンカーで輸送するって方法もある」
「いいねぇそれ」
「緑も増えてきたな・・・」
太陽光熱発電の鏡板の日陰を中心に草が生え、
砂漠だった大地が青みがかっていたのだった。
亜羅州 (4039ku)
和蔵(わくら)湾 (800ku) アル・ワクラ湾 旧サウジアラビア・カタール
サウジアラビアとカタールの付け根にある港湾は浚渫され、港が作られていた。
サウジアラビアで油田が発見されると和蔵(わくら)湾(800ku)パイプラインが伸び、石油積出し港となっていく、
日本で10万t旧石油タンカーの建造が計画されるようになると、さらに浚渫が深まった。
そして、石油は、亜羅州全体の緑化と城塞都市化に還元され、日本人の移民が増えていた。
「こんな砂漠で油田が出るなんて」
「石油が取れると聞いていたがここまでとは」
「ひょっとしたら、アメリカより油が多いかもな・・・」
イギリスのタンカーが入港し、石油の積み込みが始まる。
イギリスの継戦能力も中東油田に頼るところが大だった。
そして、世の中、金であり中東諸国も日本も妨害しなかったのだった。
ドイツの水冷エンジンのユモ213Aは1940年に開発されたにもかかわらず、
戦時中で、旧式のユモ211と、DB601に生産ラインを奪われて生産の切り替えが遅れ、
その開発支援が日本に回ってきていた。
無論、日本で開発生産された部品は、中立国を介しドイツへ供給する契約があり、
その義務は、果たされていくのだった。
そして、Fw190戦闘機の空冷エンジンBMW801Dのライセンス開発生産もはじまり、
Fw190の影響を受けたのか、1式戦闘機 “鍾馗” の改装も始まる。
1式戦闘機 “鍾馗U”
全長8.92m×全幅11m×全高3.248m 翼面積22u
自重2600kg / 全備重3400kg
BMW801D 1600馬力
最高速度680km/h 航続距離1600km
MG131 13mm機銃6丁
関係者たちが戦闘機を見上げた。
「いいねぇ 空冷は生産しやすいからそれだけは、飛燕に勝てそうだ」
「しかし、最強は、神籬の機体になりそうだけどね・・・」
日本の木工細工師は、世界最大最強の100万人体制になっていた。
彼らは木工細工の製造の傍らで、設計図通りの木工細工を作り、
木工所に運ばれ、組み立てられ、木製の機体を作った。
特注の機体は、木の性質、個性を最大限に発揮し、
ドラゴンの翼や尻尾のように上下左右し、機体を旋回させた。
複葉機と見紛うばかりの旋回力に多くの関係者が呆れたが、価格の問題で生産は見送られた。
大阪
下町の扇動朝鮮人たち
「朝鮮人は、結束して、かばい合って利権にヨイショするニダ」
「日本人同士は、バラバラに競争して、不正腐敗を嫌うニダ」
「日本人に対しては、針小棒大、棒大針小に、言いがかりをつけて格差と派閥を作るニダ」
「馬鹿右翼は、利権の味方で、国民を犠牲にするニダ」
「だから右翼になったら戦争させて日本人を徴兵して皆殺しニダ」
「馬鹿左翼は、利己主義で、国家を犠牲にするニダ」
「だから左翼になったら日本の国権と日本民族のアイデンティティを破壊するニダ」
「右翼と左翼は互いに憎み合ってるニダ。利用できるニダ」
「格差を作って貧乏日本人に戸籍を売らせて、口封じで殺すニダ」
「国権派と民権派を互いにに組み合わせて。右翼と左翼で日本人を挟み撃ちニダ」
「貧乏日本人から戸籍を買ったら日本人に成り済まして、日本を支配するニダ」
「アメリカもソビエトも中国も応援してくれてるニダ」
「絶対に勝てるニダ。日本人を駄目駄目にして。日本を乗っ取るニダ」
街宣中の扇動者たち
「今がチャンスニダ!!!」
「戦争すれば勝てるニダ!」
「英霊が戦死した魂の祖国。朝鮮半島と満洲を奪い返すニダ!!!」
「日本軍は、絶対に勝てるニダ」
「朝鮮人は、反乱目前で、日本軍の上陸を待ってるニダ」
「蒋介石国民軍も朝鮮半島の米英ソ軍を追い出したがってるニダ」
「日本軍が上陸してきたら国民軍、朝鮮軍でアメリカ、イギリス、ソビエトを挟み撃ちニダ」
「絶対に勝てるニダ」
「今が千載一遇のチャンスニダ」
「日本人は、英霊のために戦うニダ!!!!!!」
大都会の喧騒の中、
日本人たちは行き交っていた。
喫茶店
仙堂と角浦
「たまに都会に来ると、なんとも騒がしいものだな」
「世界中が戦争してるからな。日本も戦争して儲けたいとか思ってるのだろう」
「冗談じゃない。これからアメリカとイギリスを追い抜こうという時に戦争なんてしてられるか」
「まぁ 最近、店が増えたのも原因かな」
「電化製品を作れるようになったからかもな」
「電化製品を買える金持ちが増えたということじゃないか」
「車とかも」
「そういや、車も増えたな」
「トラックとか交戦国に売って安く作れるようになったらしい」
「無節操だな」
「そういや、アメリカが軍用車でジープを開発したって聞いたけど」
「見た見た。ジープって、アメリカの一般車両より安く作ってんだぜ」
「あはははは・・・マジ?」
「まじまじ」
「そりゃ 質より量かもしれないけど、一般車両より安く作るのはどうかと思うわ」
「でも95式小型乗用車よりジープがいいっていうのがムカツクが」
「あはははは・・・」
4月
帝国石油設立
第21回衆議院議員総選挙
チリの首都サンチアゴ北西180kmの山岳に面した海岸域400ku。
コキンボ州の最南端に面し、南はチリ・バルパライソ州があった。
僅かに入り組んだ海岸線と僅かな平地と、1300級の山体が領地を占めていた。
蝦夷市は1936年に譲渡され開発が始まった。
ただの海岸線は、埋め立てられて港湾が建設されるようになり、
荷揚げ荷降ろしが急増し、発電所が建設され、山を囲むように街が作られ、
山岳鉄道が伸びていくに従って、次第に山腹にも街並みが建設されていく、
チリとの国境線は指標になる赤字の塔と赤いロープが網目を作っていた。
国際情勢からかけ離れた辺境に思われたが、
時々 アメリカの艦船が現れ、示威行動を取ると引き上げていく、
サンチアゴとは鉄道で結ばれるようになり、物資や人の往来が増えていた。
チリ人たち
「わずか、6年で街を作ってしまうとはな」
「アメリカ製商品に頼らなくてもいいのはいいが・・・」
「どちらかというと、ペルー、ボリビア、アルゼンチンを恐れなくてもいいのがいい」
「蝦夷市が敵になることってないか」
「どうかな。一つでも戦争になれば、世界中の海外地が危なくなるから、戦争は避けるらしいよ」
「特に侵攻作戦でもしようものなら、現地軍に囲まれる可能性が高くなる」
「しかし、豊かな街だ」
「幸幣で公定歩合分を補填してるのが大きいらしい」
「人口は?」
「軍属を中心に20万人くらいだそうだ」
「チリを占領する気か」
「開発が終われば、軍属を少しずつ減らしていくらしいが」
「チリとの違いは、何なんだろうね」
「国民性じゃないのか。チリは地主制度が強過ぎてチリ人の労働意欲が低下している」
「日本の場合、質の高い労働者が多い」
「学制制度かな。チリはお金持ちの子供しか学校に行けない」
「日本は識字率が高いらしいよ。新聞やラジオで社会情勢を共有できるし、何十万っていう人間が動く」
「しかし、欧州で戦争になってるというのに日本人の活動は活発なのが気になる」
「日本がアメリカと敵対してくれるのなら助かるがね」
タイ王国
発電所と製鉄所が建設され、
鉄工所が建設され、96式戦闘機と、10t級89式(1号)戦車が試作されていた。
国産で戦闘機と戦車を製造できるようになるとタイ王国の国民感情も変わっていく、
そして、輸入した96式戦闘機が制空権を確保し、
10t級89式(1号)戦車、15t級95式(2号)戦車が占領地を行進する。
この光景は、タイ人を鼓舞し、アジアの夜明けのように感じさせた。
日本人たちがタイ王国陸軍の行進を見守っていた。
「武器商人は、意外に美味しいんだな」
「好きなだけ、緑化のための河川土を採れる」
「洪水が起きそうにないくらい、浚渫してやってんだろうが」
「しかし、日本が好きにできるのも国産できるまでだろう」
「まず識字率を上げないと。戦車と航空機は無理をしてると思う」
「官僚組織と学制と税制がまだ弱いかもね」
「占領行政をどうするって?」
「タイ王国は、日本人をオブザーバーにつけて国際的に承認させようって腹らしい」
「タイ王国とフランス領インドシナの戦争になれば利権が増えるし、アメリカの動きが読める方がいいね」
「たぶん、インドシナ人、インドネシア人、マレー人、ビルマ人の独立運動も激しくなるだろうし」
「アユタヤ日本人町の不安はあるよ」
「まぁ その時は、漠砂州と亜羅州の力もついてるだろうし、なんとかなるだろう」
5月
イギリス軍がマダガスカルに上陸(マダガスカルの戦い)
空母イラストリアス、インドミタブル。戦艦ラミリーズ、
イラストリアス艦橋
「マダガスカルが必要なのかね」
「日本が駐留すると困るだろう」
「日本は、タイ王国をイギリスにけしかけさせようとしてるとばかり思ってましたよ」
「その可能性はあるよ」
「しかし、日本が中東に足場を築いてるのに戦争中で手も足も出ない」
「インドとマダガスカルに潜水艦基地を建設して、亜羅州を封鎖可能にせねばならん」
「なるほど、それなら欧州戦線を放り出してインド洋に来た理由も納得しました」
「まぁ 北アフリカ戦線が低迷して兵力に少し余裕があるのが最大の理由だがな」
大阪市営地下鉄四つ橋線の大国町駅 - 花園町駅間が開業。
第80臨時議会召集
プラハ
ラインハルト・ハイドリヒがイギリスの支援下にあった暗殺部隊の襲撃を受ける。
ハイドリヒは6月4日に没する。(エンスラポイド作戦)
メキシコが枢軸国に対して宣戦布告
旧グアテマラ(沖ノ浜)領(400ku)に面した400uが日本に譲渡され、
92式戦闘機 100機と、10t級89式(1号)戦車500両など、
10個師団相当の武器弾薬がメキシコ軍に引き渡されることになった。
これは、イギリスに味方しつつ、メキシコ国軍を強化し、アメリカ支配を跳ね除けようとしたためで、
イギリスは賛成するしかなく、
アメリカは、ドイツに宣戦布告したメキシコに制裁することが困難になった。
日本領 沖ノ浜は800kuに拡大し、さらなる投資が増え、
ドイツ製の梛風(なぎかぜ)LZ127と梛雲(なぎくも)LZ130を模倣して建造した飛行船が開発を進めていた。
浮風(うきかぜ)
全長244m×直径41.2m
ダイムラー・ベンツ16気筒985馬力ディーゼル・エンジン4基
積載量100t
速度131km/h
浮風(うきかぜ) コクピット
「中南米に回されるとは意外だったな」
「中東もですが、メキシコの軍拡で、中南米も不穏なのでは?」
「沖ノ浜の拡大で、任那は2800kuに増えて、アメリカもピリピリしてるのかもしれないし」
「軍事的に独立すれば中南米諸国は、アメリカの言いなりにならずに済む」
「そして、中南米諸国が近代化に成功すれば、南北アメリカ諸国で干渉しあって、東アジアまで来れないだろう」
「そのために兵器と武器弾薬の売買を?」
「それに一度、売れば軍事力を維持するため引き続き買ってくれる」
「そうなったら領土は無理でも、利権と資源が入りやすくなる」
瓜生島 (旧コスタリカ領 ココ島:46.6ku)
日本軍が入植するようになると要塞砲台が建設され、飛行場が建設されていた。
パナマ運河を塞ぐようなかたちで浮く小島は、アメリカ海軍にとって、邪魔以外の何者でもなかった。
入植が始まって以来、5日と欠かさず、水平線上に艦船を配置し、日本陸海軍を挑発していた。
監視塔は70m程の鉄塔で周囲は電探が張り巡らされ、最高峰634mの上に建っていた。
周囲100kmを見渡せるため、アメリカ戦艦もおいそれと近づけなかった。
日本軍将兵たち
「日本軍はせいぜい、パナマ運河を塞ぐ程度なのに、アメリカ軍は日本本土を爆撃できる」
「この違いが大きいんだよな」
「それは朝鮮半島の基地が大きければだろう」
「大きいよ」
「そうなの?」
「日本のゼネコンが朝鮮の米英ソ租界25ヶ所を建設してるからな」
「なんで建設してるんだよ」
「建設すればアメリカの石油と屑鉄が入る」
日本
ドイツから渡された2つの設計図は、常軌を逸した重戦車だった。
製造は、陸軍造兵局でなく、海軍造兵局に送られたが、
日本で量産していいような戦車に思えないものだった。
44.8t級5号戦車
全長8.66 m(車体長6.87m)×全幅3.27m×全高2.85 m
整地250km 46〜55 km/h(整地) / 不整地170km 27〜33 km/h(不整地)
70口径75 mm Kw.K.42 L/70(79発)
7.92 mm MG34機関銃×2(4200発)
砲塔前面110 mm 傾斜11°側・後面45mm 傾斜25°車体前面80mm 傾斜55°
側面40mm 傾斜40°後面40mm 傾斜30°
マイバッハ HL230 P45 水冷4ストロークV型12気筒ガソリン 700馬力 (520 kW)
乗員5名
57t級6号戦車
全長8.45m(車体長6.316m)×全幅3.705m×全高3m
整地100km 速度40km/h(整地) / 不整地60km 20〜25km/h(不整地)
56口径88mmKwK36L/56(92発)
7.92 mm MG34機関銃×2
装甲 前面100mm 側面および後面80mm 上面および底面25mm
マイバッハ HL230 P45 水冷4ストロークV型12気筒ガソリン 700馬力
乗員5名
関係者たち
「この戦車は、流石に問題ありそうだな」
「作れないか」
「いや、エンジンはともかく。装甲は巡洋艦レベルだし。大砲だって対空砲だし」
「つくろうと思えば作れるけどさ」
「こんなの配備して道路を走らせるの?」
「輸出用に製造するらしい。買った国が迷惑被ろうと構わないそうだ」
「なるほど、そういうことなら遠慮なく作れそうだ」
「だけど、6号戦車は、もう少し軽く製造できそうだが」
「なんか、希少資源がないんだと」
「おいおい、むやみに戦争するから資源を買えなくなってんじゃないか」
「だから第三国を経由して希少資源を売ってんだろうが」
「ところで、設計図で5号戦車と6号戦車を作るの?」
「25t級1式(4号)戦車が陸軍で採用されたの、生産が始まって5年後の今年だったんだけど」
「まぁ 国内じゃ22.7t級97式(3号)戦車でさえ、白い目で見られてたからな」
「買いたがってる国があれば製造して売るよ」
「買うかな」
「ドイツで5号パンター戦車と6号タイガー戦車の映像を撮ってるはずだから、見せれば買うんじゃないの」
「だといいけど」
「取り敢えず、配備は後回しでいいので、44.8t級2式戦車パンターと57t級3式戦車タイガーで採用してくださいよ」
「製造する側も本気で作れますし」
「そうだなぁ・・・」
6月
アムステルダムの隠れ家でアンネ・フランクが日記を付け始める(アンネの日記)。
ナチス・ドイツがハイドリヒ暗殺の報復としてチェコのレジャーキで住民を虐殺。
朝鮮共和国 (21万6823ku)
同盟保障領は15パーセント。
比率は、アメリカ6パーセント、イギリス6パーセント、ソビエト3パーセント。2対2対1だった。
専有面積に換算するとアメリカ12800ku。イギリス12800ku。ソビエト6400kuの合計32000ku。
25の城塞都市で振り分けられ、一つの都市は、1280kuで都市の中心を押さえ、
年を追うごとに城塞都市の堡塁は厚く、高くなり。堀は広く深くなっていった。
駐留するアメリカ軍2個師団、イギリス軍2個師団、ソビエト1個師団は互いに監視し合っていたものの、
半島利権を守る点は共通していた。
都市の外では、朝鮮人軍が朝鮮人の暴動を鎮圧していた。
そして、国交を断絶しているはずの日本企業が朝鮮半島の租界で高層ビルを建設していた。
日本人たちが列車で城塞都市間を移動していく、
大半が難民として逃れてきたユダヤ人と白人で、
インド人、黒人、フィンピン人、中国人がいて、朝鮮人はわずかしかいない。
朝鮮人のほとんどは城塞都市の外で生活している。
日本人たち
「随分と城塞都市の防衛力を強化している」
「暴動の規模が大きくなってるんだろう」
「アメリカは、中国軍を半島に侵攻させて、朝鮮人を始末させたがってるらしい」
「まさか」
「自分たちは悪くないで、死んでくれたら最高なんだろうな」
「朝鮮人を減らして、租界をもっと大きくしたいのだろう」
「アメリカ資本の貯金箱として?」
「まぁ そんなところ」
「ついでに中国軍も壊滅させようという腹、だそうだ」
「「「「・・・・・・」」」」
「しかし、日本が中国に89式と95式を輸出しているから蒋介石国民軍は手強いでしょう」
「米英ソと中国の共謀なら可能だ」
「中国軍が半島全域を制圧しても城塞都市25個は無事。死ぬのは朝鮮人ばかり」
「戦争を共演で?」
「蒋介石も邪魔な将校を片付けたいらしい」
「腹黒ですな」
「それで米英ソの利権は15パーセントから20パーセントに増えて、朝鮮半島の米英ソ軍はさらに強くなる」
「それは怖すぎる」
「最終的に日本と中国を降せば、白人の天下になるな」
「我々さえ、城塞都市の外に追いやられるだろう」
「本当は日本と中国で共倒れさせたがってるが、今のところ、日中戦争に至る要因は少ない」
「主戦派は戦争したがってますよ」
「軍官僚は地位と利権拡大が目的」
「煽ってる連中は、日中戦争で日本が弱体化させることが目的だろうな」
「両方共、途中まで利害が一致して共闘するが、最後はどうなることやら」
「しかし、これほどの投資をするとは珍しいですな」
「投資しないと軍事基地を維持できないからだろう」
「そして、アメリカ資本がアメリカ国内から持ち出した巨大な貯金箱がある」
「幾らくらいあるのでしょうな」
「さぁ 国を丸ごと買えるかもしれないが、どうなることやら・・・」
B17爆撃機とP38戦闘機が編隊を組んで飛んでいた。
「どちらにしろ、戦争したがってるのは、アメリカだろうな」
「いま、何機ほど?」
「アメリカが400機。イギリスが400機。ソビエトが200機ほど。イギリス機は、パイロットも機体もアメリカ製だがな」
「負けないにしても、ヤバい航空戦力では?」
「そうだな・・・海外地で消耗しなければいいが・・・」
「ところで、さっきのユダヤ人は、何語を話してたんだ?」
「たぶん、ヘブライ語じゃないかな。世界中のユダヤ人を集めてヘブライ語にするって動きがあるようだ」
7月
日本は米英ソとの開戦に備えて、日本海沿岸玄界灘防衛線を構築しなければならず、
浜が埋め立てられ、一部は海抜3m程の堤防が建設され、上陸作戦を困難にさせていた。
「なんか綺麗な浜を埋め立てるのは忍びないな」
「軍隊を増やして海岸を守るか。公共事業で浜を減らしていくかだろう」
「堤防なら浜を残せる」
「堤防を爆破されたら上陸されちゃうだろう」
「対上陸作戦なら浜を減らしたほうがいいけど、海水浴ができないのが不満かな」
「鹿児島県から鳥取県辺りまでは我慢すべきなんじゃないの」
「海水浴がしたいなら瀬戸内海まで線路を引っ張ればいいし」
「上陸用舟艇を接岸させても岸壁を登らされるんじゃ 上陸作戦なんてやりたくもないだろうし」
「しかし、朝鮮半島を米英ソに取られて、一気に緊張感が増したな」
「いいんじゃないの、国防予算が増えて」
「増えたのはゼネコンの予算だろう」
「「「「あはははは」」」」
高台にレーダー網と、迎撃用航空基地が建設されていく、
鍾馗Uが飛び立つと、飛行場上空でダイヤモンド編隊を組みつつ旋回していく、
交戦国の空軍を除けば世界最強の練度を持つ航空戦力といえた。
司令部内に、やや、薄汚い男が入ってくる
「司令。ただいま戻りました」
「半島は、どうだった?」
「朝鮮民衆は、人間不信と生活苦で反政府軍組織の形成は困難です」
「そうか、しかし、人間不信というのは・・・」
「1906年、朝鮮の小学校は40校で特権階級だけのもの」
「その後、伊藤博文が学校建設を推し進め」
「1910年の日韓併合時の識字率は10パーセント」
「本格的な学制が敷かれました」
「朝鮮共和国独立の1926年までに学校は300校を数え」
「日本式の教育は13年。識字率は17パーセント」
「1926年、米英ソ軍の駐留が始まると資金難から縮小が始まり」
「300校の朝鮮学校はアメリカ・イギリス系240校。ソビエト系60校に分割」
「今は、資金難で統合縮小され。現在、アメリカ・イギリス系120校とソビエト系30校が残ってるのみです」
「つまり、知的水準は小学生にも満たず低いまま思想教育か。哀れだな」
「というより独立後の学制の崩壊で、平安、咸鏡、京畿、全羅、慶尚の5つの方言は統合されてませんでした」
「じゃ 朝鮮人民衆は、統一行動が困難ということか・・・」
「朝鮮人民族は、下士官以下の数合わせで考えたほうがいいかもしれません」
「あと、キリスト教伝道所で朝鮮人の逸材を発掘し、諜報員に洗脳していく方法は取られています」
「ふっ 相変わらずか」
「訓練して、日本に潜入させる気のようです」
「わかった。ご苦労。ゆっくり休んでくれ」
「はっ」
スターリングラード戦が始まると各地から南方軍へと援軍が派遣されてくる。
それとは別に東部戦線は、推定航空機20000機、戦車20000両が破壊され遺棄され、
破棄された戦車の多くは、車体の10パーセントから30パーセントを交換するだけで再生する、
破壊された15t級2号戦車、22.7t級3号戦車、25t級4号戦車、
9.4t級T26戦車、11t級BT2戦車、11.5t級BT5戦車、13.8t級BT7戦車、
T34戦車、KV1戦車など、推定するなら戦車8000両を再利用できると試算されており、
レーニングラード、キエフ、ミンスクなどの大都市に集められていた。
あまり役に立たない旧式戦車でも偵察戦車や輸送警護の使い道があり、
北欧道から部品を入手し、
4号戦車やT34戦車を回収する回収戦車や陣地構築のためのブルドーザーに改造されることもあった。
捕獲兵器が優れた点は、本国に内緒で改装し戦力を水増しできることで、
北方集団のレーニングラード占領の事例からか、
中央集団や南方集団でも戦闘部隊からでも補修部隊で整備部門に振り分けられた。
そして、ソビエト軍の軍需拡大と反撃が予想されることから、ブルドーザーへの改造は増えていた。
ブルドーザー3台が並ぶ程度で掘り進み、対岸側に堡塁を作ってしまうと対戦車塹壕が出来上がり、
強力なT34戦車でさえ、止まってしまう。
また、戦車を塹壕に隠して砲塔だけを地上に現すだけで強力な対戦車トーチカとなり、
T34戦車やKV1戦車にも抵抗しやすかった。
ドイツ占領下キエフ工場
T34戦車の修理が完了すると、ドイツ戦車の塗装がなされ、ハーケンクロイツが描かれていく、
「前後左右上部に大きめのハーケンクロイツか。用心深いことだ」
「夜は形を見て撃つからな。空爆もだいたい形を見て急降下する」
「T34やKV1が最強の戦車でなければ使いたくもないのだが」
「なんにしてもブルドーザーで対戦車塹壕を作って。回収車でT34戦車とKV1戦車を戦力にすると戦線を維持しやすいらしい・・・」
11t級BT2戦車2両がキャタピラが破壊されたT34戦車を台車に載せてくる。
台車は日本製で、戦車を台車に載せるクレーンも日本製だった。
捕獲戦車は工場に入れる前、ドニプロ川の河川水をコンプレッサーで水圧を上げて血肉を洗い落とし、工場に入れていく、
キエフの工場が軌道に乗ると、修復されたT34戦車、KV1戦車、4号戦車が前線に並ぶようになり、
ドイツ軍の戦線を支える貴重な戦力になっていく、
ホロコースト
ナチス・ドイツ占領下のフランスでユダヤ人1万3000人が一斉に検挙。(ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件)
8月
アメリカでマンハッタン計画開始
インド洋
船団は、Uボート用の洋上移動補給船団と言えるものになっていた。
捕獲に戸惑ってる間、ドイツ通商破壊艦隊の索敵の隙間にイギリス艦隊が飛び込んだ。
というより、イギリス艦隊も気づかずに飛び込み、
突然、水平線上に出現した船団を味方と思い込んだのだ。
12100t級装甲艦ドイッチュラント。
5195t級軽巡洋艦シュトラースブルク (川内)、シュトラールズント (神通)、グラウデンツ(那珂)、輸送船12隻、
VS
重巡洋艦10035t級ドーセットシャー、9750t級コーンウォール、
ほどなく、ドイッチュラントの砲弾がドーセットシャーとコーンウォールに降り注ぎ、
ドイッチュラントに気づいたドーセットシャーとコーンウォールが撃ち返した。
そして、軽巡洋艦シュトラースブルク (川内)、シュトラールズント (神通)、グラウデンツ(那珂)がドイツ重巡に突撃する。
海戦は、双方とも相殺戦と言える様相となった。
悪いことにインド洋の最強艦同士の艦隊戦であり、
英独海軍とも南大西洋の艦隊をシフトしない限り援軍を出せない戦況にあった。
軽巡洋艦シュトラースブルク (川内)の艦首の砲塔は破壊され燻っていた。
それを除くと、艦の機能に支障がなかった。
艦尾主砲150mm砲2基が10000mほどの距離からドーセットシャーの吃水線下に向け撃ち込まれていく、
艦橋
「狙うのは、艦首側と艦尾側の吃水線下だ」
「急いで、ドイッチュラントとシュトラールズントの乗員を収容しろ」
「船団に分譲し、この海域から脱出するぞ」
9月
隔境省設置を決定
フェロー諸島沖
零戦20機とF4Fマートレット40機、フェアリー フルマー8機が海上航空戦を展開していた。
時折、ランカスター爆撃機が上空から爆弾の雨を投下しつつ通過していく、
眼下は、ドイツ機動部隊が黒煙を上げ、白い航跡が曲線を幾重にも描き、
十数個の水柱が立ち昇っては消える。
艦隊から撃ち上げられる弾幕で、ランカスターが炎を上げ、海面に叩きつけられ、
大爆発で海上全体が震える。
零戦がノロノロと降下するソードフィッシュを機銃掃射すると、水柱が立ち上って、魚雷が誘爆する。
ドイツ機動部隊
戦艦ビスマルク、ティルピッツ。シャルンホルスト、グナイゼナウ。
空母グラーフ・ツェッペリン
軽巡ケルン、エムデン
ビスマルク艦橋
「流石にイギリス本土を迂回するときは、発見されるか」
「しかし、零戦は意外にやりますな」
「ビルマルクは日本の新型戦艦を改良したもの。シャルンホルストは未完成戦艦を改良したもの」
「グラーフ・ツェッペリンは、瑞鶴を真似したもの」
「ドイツ海軍は、日本海軍の代理でイギリス海軍と戦ってるようなものだな」
「癪に障りますが、ビスマルクは、いい戦艦ですよ」
「しかし、戦闘自由か。総統も気前が良くなったものだな」
「レーニングラード占領と、スターリングラード占領間近で気を良くしたのでは?」
「だといいがな・・・」
ビスマルクの対空砲がランカスターを包み込むと爆発四散した。
「12時。距離34000m。イギリス船団を発見」
「エムデンは護衛で、グラーフ・ツェッペリンと後退させろ」
「残りは、突撃せよ」
ビスマルク、ティルピッツ、シャルンホルスト、グナイゼナウとマレーヤ、レゾリューションが撃ち合った。
砲弾の雨が飛び交い、
間隙を縫うようにイギリス軽巡洋艦6隻と駆逐艦15隻がドイツ戦艦部隊に突撃していく、
ドイツの軽巡ケルンが盾になろうとするが明らかに劣勢だった。
そこに援軍の重巡アドミラル・ヒッパーとプリンツ・オイゲンと、駆逐艦Z29、Z30、Z31が割り込んだ。
イギリス軽巡の152mm砲弾が近くの海面に水柱を上げていく、
重巡アドミラル・ヒッパー 艦橋
「真正面だ。横っ腹を撃て!」
艦首から4つの炎が吹き上がると、
砲弾が弧を描きながら軽巡ホバートに命中し、黒炎を上げた。
「上手いこと誘導されましたね。タイミングもドンピシャですよ」
「上からだとよく見えるのだろう」
「イギリスの水雷戦隊を戦艦部隊に近づけるな」
第二次フェロー諸島沖海戦
イギリスは、戦艦マレーヤ、レゾリューションが撃沈され、
軽巡3隻、駆逐艦4隻、護衛艦12隻を失うだけでなく、
アルハンゲリスク向けの輸送船22隻を撃沈、
30隻が拿捕され積荷の航空機303機、戦車612両、トラックと装甲車4348両、
そして、戦略物資18万tを奪われる大敗を決した。
軍縮条約脱退の遅れと日本艦艇のドイツ売却がイギリス海軍を苦境に陥れさせていた。
ドイツ潜水艦は、イギリスの通商を破壊し、
ドイツ水上艦艇は、無敵と謳われたイギリス海軍を圧倒していた。
イギリス海軍将校が戦艦キングジョージ5世を見上げる。
せっかく建造した条約型戦艦だったが、
条約外型戦艦のビスマルク、ティルピッツとの戦闘は戦訓が得られており、
1対1の戦闘は、戦う前から敗北が決まっていた。
それより、問題は、エアラコブラとM4戦車がドイツ軍の手に渡ったことと言えた。
エアコブラは空中戦で役に立たないものの、対地戦で無類の強さを発揮し、
M4戦車は、T34戦車より劣るものの、4号戦車より強力だったのだ。
拿捕された船団は、そのまま、レーニングラード港へと送られ、ドイツ北方部隊が使うことが多かった。
この海戦以降、ソビエトへと物資救援は、太平洋航路が取られるようになっていく、
ニューファンドランド島
09月11日
イギリスの新型戦艦キングジョージ5世と、旧式巡洋戦艦タイガーが停泊し、
島民や本国から報道関係者が集まっていた。
そこにアメリカ戦艦ニューメキシコ、ミシシッピ、アイダホの3隻が現れる。
戦艦アイダホ 艦橋
「対潜哨戒とはいえ。なんか、移動の仕方が変だな」
「ん?」
「イギリス戦艦が移動したあとに投錨って変」
「まぁ 変な方向に移動して、衝突しないようにだろう」
「それに不自然で、変な霧だな」
「だな」
米英首脳の会見は機密扱いになっていたが、なぜか、ドイツ海軍に行程が知られていた。
米英首脳は、高台のテーブルを囲んで戦艦群を見下ろしていた。
ロブスターとズワイガニを時々口に入れるが、事件が起こる前の緊張感からか、
ワインとビールの量も増えていた。
「本当に来るのか?」
「来てもらわないと負ける・・・」
「こっちは戦艦を撃沈してもらわない限り」
「幾ら戦争計画を練っても議会が賛同しないし、参戦不能だよ。机上の空論に過ぎない」
チャーチルは、霧を発生させるという機械を見上げる。
白い霧は山を下って湾を霧で埋め戦艦の視認を難しくさせていた。
戦艦は、小刻みに移動し、場所を変えるといった事をしていた。
そして、水柱が次々と立ち上る。
ルーズベルトは車椅子のまま、戦艦を確認し、
チャーチルも水柱が立ち上ったのがアメリカ戦艦と気付くと小躍りした。
「大統領。目薬は用意してるだろうな」
「ああ」
「なるべく、感動的な演説で頼むよ」
「ああ」
空襲警報が鳴り響くと、警備艦が慌てて防潜網を敷設し始めた。
警備艦
“戦艦が雷撃された。急いで防潜網を敷設しろ”
「だから言ったんだ!」
「こうなる前に、防潜網を敷設しろと。俺のせいじゃないからな」
「移動だけで対潜防衛できるといったのは上層部だからな」
“いいから、潜水艦を逃がすな防潜網の敷設を急げ”
「言われなくても今やってる」
ソードフィッシュが界面を何度も巡回し、
駆潜艇が潜水艦狩りを開始する。
UボートIX型4隻が発見され3隻撃沈され、U130だけが捕獲された。
戦艦ニューメキシコ3本、ミシシッピ4本、アイダホ3本の魚雷が命中し、ニューファンドランドの湾に沈んでいく。
09月15日 アメリカ議会は312対23の賛成多数でドイツに宣戦布告した。
日本
赤レンガの住人たちが中南米の地図を囲み、
アメリカ VS
メキシコ、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、
ニカラグア、コスタリカ、パナマのシミュレーションをしていた。
日本と中南米は航路を寸断され、潜水艦しか往復できず、
中南米の武器弾薬製造工場となった任那州が中南米7ヵ国の戦線を支えていた。
「なんかもう、負けそう」
「30t級M4戦車は反則だわ」
「このスペックは、ちょっと疑わしい」
「ていうか、戦車に道路と橋を破壊しながら走られたら困るんですけど」
「取り敢えず、任那は、資源さえあれば、83口径88mm砲を製造できるし、鍾馗も製造できる」
「それに直接、任那に上陸してこない限り、死ぬのは、中南米の人間だから」
「コロンビアがアメリカ側につくのは、確定なの?」
「パナマがこっちについたら、コロンビアはアメリカ側に付きたくなると思うな」
「それくらいの買収はして見せるでしょう」
「こっちも25t級1式戦車を量産しないとダメなんじゃないか」
「沖ノ浜(旧グアテマラ・メキシコ:800ku)領まで石油のパイプラインを引いてくれるならメキシコに1式戦車売ってやるけどさ」
「25t級1式戦車じゃ30t級M4戦車に勝てないよ」
「57t級2式戦車を開発するんじゃなかったっけ?」
「開発したよ。上層部は輸出用で生産する気らしいけど」
アメリカ合衆国
白い家
大統領がテーブルに着くと、カラーコード戦争計画の報告書が乗せられている。
大統領と側近たちが、ブラック(対ドイツ戦)の報告書を手にとった。
「議会の反対は23票か。思ったよりいたな」
「なぜ、交戦国カナダのニューファンドランド島にアメリカ戦艦3隻が停泊していたのか追求されましたからね」
「表向き、民間航路の安全確保についての米英首脳協議だが、状況的に疑わしかった」
「ドイツ潜水艦4隻の雷撃だったことは確かだし」
「水柱が上がって戦艦が沈んでいく映像の記録も残ってるし。捕獲したUボートも証拠で残ってる」
「何発か、味方が撃って、被害を大きくしてやったがな」
「バレないだろうな」
「ドイツの不発魚雷を修理して使いましたよ」
「霧発生器は取り除いただろうな」
「はい」
「じゃ 心おきなく戦争ができるな」
「ええ、サファイア(対タイ王国)戦。アメジスト(対インドシナ)戦より、アメリカ国民は戦ってくれると思いますよ」
「アジアは、共産化したのならともかく、人種差別で戦争は、反発が大きくなりそうだからな」
「それに被害が増えて士気が低下すると。ニカラグアの様に日本が得する」
「しかし、レンドリースで時間を稼いだと思ったが、報告書を見る限り、どうにも対ドイツ戦も苦戦しそうだな」
「本当は日本も巻き込んで戦争したかったのですが」
「朝鮮半島の軍事基地を大きくできれば、日本の生殺与奪権は、こちらにある」
「例え、どんなに僻地を緑化したところで孤立した小さな区画に過ぎない」
「日本本土を焼け野原にすれば、自動的に降伏するだろう」
「現状の朝鮮守備隊の戦力では無理ですがね」
「それより、次の44年ロサンゼルスオリンピックはどうします」
「日本が大戦でもオリンピックを成功させたのだ」
「アメリカが大戦中にオリンピックをできなければ名折れだろう」
「まぁ そうでしょうけど・・・」
「全力でロサンゼルスオリンピックを成功させる」
「交戦国なのに、ですか?」
「「「「あ・・・・・」」」」
「日本は、44年も名古屋でオリンピックを引き受けてもいいと・・・」
「「「「・・・・・・」」」」
扉が開くと士官が報告書を持ってくる。
「大統領!」
「独立を宣言したラオス王国軍、カンボジア王国軍、ベトナム帝国軍が、フランス領インドシナに宣戦布告しました」
「タイ王国は独立軍を支援する動きを見せています」
「「「「・・・・・」」」」
「に、日本は?」
「日本は沈黙したままです」
「・・・誰かが我々と違う思惑で世界大戦をデザインしてる奴がいるぞ」
10月
インド洋海戦で装甲艦ドイッチュラントと軽巡シュトラールズント (神通)が自沈し、
第二次フェロー諸島沖海戦後の海を軽巡洋艦シュトラースブルク (川内)、グラウデンツ(那珂)と輸送船12隻が航行し、
ヴィルヘルムスハーフェン港に帰還する。
ドイツ海軍は、通商破壊艦隊の帰還を支援し、
水上艦艇を出撃させて牽制するため通商破壊艦隊の帰還率は低くなかった。
ヴィルヘルムスハーフェン港
海軍将校たち
「重巡洋艦コーンウォールとドーセットシャーは沈没したそうだ」
「じゃ 引き分けか」
「いや、負けだろう」
「少なくとも軍艦を建造できるくらいの輸送船を拿捕できたのだから悪くはないと思うがね」
「しかし、イギリスは護衛空母を建造しているし、水上艦艇による通商破壊は、うまみが低下しているそうだ」
北アフリカ
一度、砂嵐が起こると十数メートルの高さまで砂塵で覆う。
強い砂嵐になれば上空2000〜5000mにも達し、目を開けさせることもできなくさせ、
視界を遮断させてしまう。
そうなると砂丘は、刻々と移動し、定まることはない。
日本が10個師団相当の装備と交換に手に入れ、
入植しようとしていた漠砂州(8万3860ku)は、そういった土地だった。
太陽光発電で石英が溶かされガラス繊維が作られていく、
ガラス繊維の原料は石英で、砂漠に沢山あった。
太陽光熱を集めるだけで石英を溶かしガラス繊維を作ることができた。
ガラス繊維の何がいいかというと、原料が大量にあることと、熱伝導率の低さで、
住宅の多くはガラス繊維で作られていく、
むろん、色を混ぜれば丸見えということもなくなり、住宅だけでなく、
ガラス繊維という形でいろんな建築物を建設することができた。
最も作られたのは、長さ1m直径5cmのガラス繊維棒で人一人が乗っても耐えることができた。
端をソケットに差し込んで組み立てると中空が大きく、頑丈な1辺1mの正6角ガラス枠となり、
ハニカム構造で連結させることもできた。
これを大量に作って国境沿いにばら撒いていく、
目的は、砂嵐の度にガラス枠の空気抵抗で、砂を溜め込み砂丘を高くすることで、漠砂州の防衛。
そして、北アフリカの砂塵を集め漠砂州全体を標高1500m級の高地にしてしまうことを目的にしていた。
材料は北アフリカの砂で、労力の大半は砂嵐だった。
むろん、定期的に凝固剤の混ざった水を撒き、河川土を敷く必要があったものの、
海岸域は、土砂の輸送量が増えるほど、緑化が進み、
沿岸から100km圏が草地で覆われていく、
日本人の人口が増えると街が大きくなり、生産力が高まった。
鉄道は、河川土を輸送するために建設され、
線路沿いに河川土が押し広げられ、草地が育っていた。
イタリア軍将兵だけでなく、ドイツ軍将兵やイギリス軍将兵まで視察に訪れ、意識を変えられていく、
そう、戦争しなくても公共事業を繰り返せば、生産量が増える、
その公共事業が緑化だとしても将来的な巨大な可能性となって、国を潤すことができた。
アメリカ参戦で、面白くなさそうなドイツ軍士官と、見通しのいいイギリス軍士官たちが草原を見渡していた。
「なんか凄い勢いで緑化を進めてるな」
「まるで戦争だ」
「公共事業って、戦争だったんだな。知らなかったよ」
「特定の産業に赤字財政を投資するから評判悪いけど、押し切ることができれば紙幣が大量に供給される」
「金を渡す相手は、軍隊じゃなく、労働者でもいいってことだ」
「庶民が金を持ったら使うから、投資と雇用と生産が増える」
「金持ちから徴収して、消費者に散蒔く事ができれば、少ない紙幣でも足りるが」
「利権が強くなりすぎると、抵抗が激しくなるから、設備投資を増やすしかない」
「もっと利権が強くなると、紙幣供給を絞って利権を強めるから、それもむつかしくなる」
「まぁ 金持ちのための利権基盤を作るか。金持ちのために殺し合うかの違いだがね」
「でもまぁ 日本は幸幣で通貨を水増ししてるんだろう」
「日本は民族国家で、日本人は手先の器用な民族だからな。普通の国はマネできない」
「しかし、防御力も相当なものだ」
「海岸は、45口径356mm要塞砲。国境沿いは対戦車塹壕と、55口径150mm砲。78口径88mm砲が並べられてる」
「戦車は100両ほどだが、2号(95式)戦車と3号(97式)戦車が配備されている」
「戦車を輸出してる割に自国で使う分が少ないな」
「輸出すれば、資源や土地で、元が取れる」
「しかし、再生産の弱い軍事費は、不満が大きくなるものだ・・・」
水平線上に艦隊が現れた。
戦艦3隻、重巡4隻、軽巡4隻、水上機母艦1、駆逐艦32隻、潜水艦16隻、小艦艇18隻。
合計77隻のフランス艦隊は5年契約で、国際連盟に預け入れされてしまう。
むろん、港の使用料と補修費はヴィシー・フランス持ちで、
対価は、フランス領で採掘される資源が当てられた。
日本は、国際連盟の名義を利用し貸艦庫業務をしたと言える。
戦艦ダンケルク、ストラスブール
旧戦艦プロヴァンス
重巡コルベール、フォッシュ、デュプレ、アルジェリー
軽巡ラ・ガリソニエール、ジャン・ド・ヴィエンヌ、マルセイエーズ。
日本人たちは、戦艦を見上げていた。
11月
北方ドイツ軍は、ソビエト第2の都市レーニングラードを占領すると、幾重にも強靭な防衛線を構築していた。
ヒットラーの思惑で軍の主力は、南方のスターリングラードに向けられていたものの
レーニングラードは、海上輸送で物資と戦力を送りやすく、
フィンランド、北欧道、エストニアの支援を受けられやすかった。
北欧道はソビエトとフィンランドの1年戦争でも守られた。
これは、ソビエトが北樺太、カムチャッカ半島を奪われる可能性を危惧していただけではなく、
フィンランド海からラドガ湖にかけて対戦車塹壕が建設され、
城塞都市の雪城(ゆきしろ)市、氷室(ひむろ)市、霧氷(むひょう)市が建設され
北欧道の要衝に第12師団と、後備師団10個が配備され、
強靭な要塞砲台に55口径150mm砲100基、78口径88mm砲200基が配置され、
ソビエト側に向けられていた。
独ソ戦が開始され、シベリア鉄道が使えず、海路の危険が増したものの、
漠砂州からイタリア、ドイツへと移動するルートが開発されると、軍属を中心に日本人の移民が増えていく、
霧氷(むひょう)市は、ラドガ湖に面した街で区画整理上30万人が生活することができた。
漠砂州からイタリア、ドイツへと移動するルートで日本人たちが到着し、
そして、ドイツ人も入国してきた。
ドイツ人たち
「日本人は、資源があるわけでもない孤立したカレリア地峡に随分と投資するものだな」
「ボーキサイト、油母頁岩、リン灰土、泥炭、石灰石が少しだけ取れる」
「しかし、総量は多くないし、投資が大きいほど、回収は困難になるだろう」
「1932年に引き渡されて、10年か。フィンランドの手引きがあるとは言え、よく来たものだ」
「満州と半島で引いたからだろう」
「わずか10年で30万都市3つは、流石に大きいと思うぞ」
「日本の欧州向け企業支局は、北欧道に置かれてるし、フィンランドやエストニアとも良好な関係にある」
「何より、ソビエトの海への出入口を押さえてるから、アメリカとイギリスも影で支援していた」
「もし、北欧道がソビエトに攻撃されたら、米英でソビエトを攻撃する計画もあったらしい」
「米英ソは朝鮮半島で組んでるのに?」
「可能性だよ。米英ソで半島を管理するより。米英日で半島を管理する方が楽と思ってる」
「矛盾しまくりだな」
「正直、日本も対ソ戦略で一矢報いることができる唯一の拠点だ」
「かなりの投資をしたと思うね」
「どの程度?」
「鉄鋼35万tだから、戦艦10隻分と聞いてる」
自由フランス・アメリカ軍・イギリス軍が北アフリカ上陸トーチ作戦(カサブランカ・オラン・アルジェ)を開始
ヴィシーフランス軍20万人が反撃する。
戦艦マサチューセッツ
重巡洋艦ウィチタ、タスカルーサ
駆逐艦ウェインライト、メイラント、リンド、ジェンキンス
給油艦1隻
第34.9任務群
重巡洋艦オーガスタ(ヒューイット少将の旗艦)
軽巡洋艦ブルックリン
駆逐艦ウィルクス、スワンソン、ラドロー、マーフィー、ブリストル、
ウールゼー、エディソン、ティルマン、ボイル、ローワン
兵員輸送艦10隻、貨物輸送艦3隻、その他の艦艇6隻
第34.2任務群
空母レンジャー
護衛空母スワニー
軽巡洋艦クリーブランド
駆逐艦5隻、潜水艦2隻、給油艦1隻
ヴィシーフランス艦隊
戦艦ジャン・バール
軽巡洋艦プリモゲ
大型駆逐艦ミラン、アルバトロス、ル・マラン
駆逐艦ラルション、フグー、フロンデュール、ブーロネー、ブレストア、タンペート、シムーン
スループ、掃海艇など19隻
潜水艦11隻
戦艦マサチューセッツの砲撃がカサブランカへ向けられていた。
艦橋
「ジャン・バールに命中」
「いい加減。降伏すればいいものを」
「面子があるのでしょう」
「負けた国に面子があるわけがない」
「ドイツに負けてもアメリカには負けたくないのでは?」
「ふっ 悪足掻きしおって」
「ですが、フランス人を完全に敵に回せないとのこと・・・」
「それくらいわかっておる・・・」
「上空を警戒中の援護機より入電。ドイツ艦隊が迫っています」
「なんだと!」
ドイツ機動部隊
戦艦ビスマルク、ティルピッツ。シャルンホルスト、グナイゼナウ。
空母グラーフ・ツェッペリン
軽巡ケルン、エムデン
戦艦ビスマルク 艦橋
「フェロー海戦の修復が終わったと思ったら、すぐ、再出撃とはな」
「ですが、空母は便利ですよ。近づいてくる敵哨戒機を撃墜できるのですから」
「それでも発見されず、ここまで来れたのは僥倖ではあるな」
「11月の天候もありますが。バトルオブブリテンでのイギリス空軍の疲弊したこと」
「米英の対ソ支援がアジア経由が主流になったこと、イギリス艦隊を叩いたことが原因でしょうか」
「あとシュペーとシェーアの艦隊が通商破壊作戦で哨戒艦が少ないせいだろう・・・」
「提督。グラーフ・ツェッペリンが空母レンジャーと護衛空母スワニーに爆弾を命中させたそうです」
「そうか。じゃ あとは、マサチューセッツをいたぶるだけだな」
戦艦ビスマルク、ティルピッツ。シャルンホルスト、グナイゼナウ。
戦艦マサチューセッツ
戦艦4隻対戦艦1隻の絶望的な海戦により、
戦艦マサチューセッツ、重巡洋艦ウィチタ、タスカルーサ。駆逐艦メイラント、リンド、ジェンキンス
空母レンジャーと護衛空母スワニーが撃沈され、
残った2486t級シムス型駆逐艦ウェインライトは、魚雷を使い切り、砲塔を全て破壊されてドイツ艦隊に降伏する、
しかし、ドイツ艦隊がアメリカ艦隊を殲滅したとき、米英上陸部隊は既に洋上になく、
モロッコ・アルジェリアに上陸作戦していた。
そして、ドイツ艦隊も大西洋で位置を知られたまま長居するわけにもいかず、
北大西洋で通商破壊を展開しつつ、本国へ帰還していく、
アメリカとイギリスは、ドイツ戦艦部隊の強襲により、戦艦1隻、重巡2隻、駆逐艦3隻、空母1隻、護衛空母1隻を失ったものの、
北アフリカに地上戦を展開しうる戦線を構築し、ヴィシーフランス軍を降伏に追い込んだ。
一方、ヒットラーは、米英連合軍の地中海・北アフリカからの攻撃に対し、
ヴィシーフランスが中立国のままでは都合が悪いことから、
ドイツ第1軍、第4軍、第7軍でヴィシー・フランスに侵攻させて制圧、
また、チュニジアに3個師団45000人を上陸させてイタリア軍5個師団80000人と合流させた。
チュニス 独伊司令部
「ドイツ艦隊の活躍でも、上陸作戦を続行させるとはな」
「制圧されたあとに艦隊が到着しても・・・」
「上陸作戦部隊に艦砲射撃すればよかったのですよ」
「ドイツ海軍にそういう発想はないかもな」
「ですが、ようやく、北アフリカで戦闘になります」
「北アフリカは、日本の漠砂州のおかげで、戦闘らしい戦闘がありませんでしたから」
「イタリアは、漠砂州に救われたわけだ」
「我々の4号戦車450両はいいとして。イタリアの戦車はどうしたものか」
「イタリアは、スターリングラード戦に日本製10t級1号戦車と15t級2号戦車の500両と、M13/40戦車1000両を注ぎ込んでる」
「北アフリカのイタリア戦車は、M11/39戦車80両と、L6/40戦車100両で役に立ちそうにない」
「P26/40重戦車は?」
「2両ほど荷揚げしていたが頼りにすべきじゃないだろう」
「それよりタイガー戦車5両をこちらに回してくれたことのほうが助かりますよ」
「東部戦線の南軍がぶすくれてはいたが、こちらのほうが緊急性があったからな」
関門鉄道トンネルの旅客営業開始。ダイヤ改正も同時実施。
東部戦線
独ソ両軍の師団が広大な戦線でせめぎ合っていた。
緒戦の主力だったドイツ軍の10t級T号戦車、15t級U号戦車、22.7t級III号戦車と
ソビエト軍9.4t級T26戦車、11t級BT2戦車、11.5t級BT5戦車、13.8t級BT7戦車は、相殺して減少し、
二線級兵器となっていく、
ソビエトで45t級KV1戦車と32t級T34戦車が生産が増えると、ドイツ軍の侵攻速度は低調になり、
戦車数が拮抗していくと、スターリングラード制圧は困難になっていく、
ドイツ軍が主力にしていた25t級IV号戦車でさえ、苦境に落とされていた。
そして、戦場は輸送力に支えられるという冷徹な原則があって、
ドイツ軍は輸送船50隻、トラック33000台と鉄道3本が東部戦線を支えていた。
ここにイタリア軍が参戦して、1000台トラックと、2本の鉄道建設が進み、
ドイツ軍が前線に押し出せる総兵力は、徐々に増大していた。
ヒットラーの好みで推し進められたコーカサスへの進軍は、海路輸送の使えるレーニングラードから遠く、
黒海を背水の陣とするような死地への行軍で、反対も少なからずあった。
しかし、コーカサスを占領できれば、ソビエトの油田地帯と工業地帯と穀倉地帯を押さえることができ、
対米戦でも戦えるかもしれないといった死中に活路を見出すような作戦だったのではある。
当初、ドイツ・イタリア・ルーマニア軍将兵30万人とソビエト軍将兵18万7000人の戦いでドイツ軍有利だった。
しかし、ドイツ軍150万がスターリングラードに集結するようようになると。スターリングラード両翼の陣営は薄まり、
イタリア軍30万、ルーマニア軍15万、ハンガリー軍15万が主力となり、
ドイツ軍20万が遊撃部隊として残されるだけになっていた。
ソビエト軍は戦力を回復させ、軍の再編成をし、苦戦しているふりをしつつ戦力を立て直し、
ソビエト軍170万人が薄まったスターリングラードの両陣営に総反撃を仕掛け、戦況を一変させていた。
スターリングラード両両翼のルーマニア軍15万は、旧式のチェコ製38t戦車しか配備されていなかった。
しかし、数日前から1年戦争で補修された9.4t級T26戦車、13.8t級BT7戦車、11t級BT5戦車、B2戦車が300両配備されていた。
両側面後方で陣地を構築していたイタリア軍30万も10t級89式(1号)戦車、15t級95式(2号戦車)を配備し、攻勢の準備をしていた。
どの戦車もT34戦車の敵ではなかったが対戦車戦で砲弾を消費しなければならず、
ルーマニア・イタリア軍の戦車を撃破しない限りソビエト軍歩兵の戦線突破は困難だったこともあり、
スターリングラードの両翼総崩れという事態だけは避けることができた。
ドイツ第6軍は師団を再編成し、後退しつつも辛くも戦線を立て直すことができた。
補給線を維持できたことが最悪な戦況での唯一の戦功で、
ドイツ陸軍総兵力の4分の1の160万人と、
戦車・突撃砲3500両、航空機3000機を無駄に失わずに済んだことだった。
12月
米国シカゴ大学でウラン核分裂連鎖反応に成功
フランソワ・ダルラン大将がアフリカにおけるフランス国家元首兼北フランスにおける陸海空軍部隊総司令官兼北アフリカ総督に就任する。
丸の内・銀座で有線放送を実施
第81議会召集
「44年もオリンピックをやるというが、できるのかね」
「アメリカは参戦国となりましたし、オリンピックは中立国がよく」
「いま世界でオリンピックを開催できる国は、世界に日本しかないかと」
「三段論法でなんでも引き受けるのはやめた前、失敗したらどうするのだ」
「平和の祭典が戦争に負けるというのは、人類史の恥ではないか」
「成否に関わらずやるべきだ」
「成否にかかわらず、日本と海外地の防衛が削がれますな」
「アメリカは、なんと?」
「できるなら開催国を譲ってもいいと」
「国際戦略では大きかろう」
「逆に日本人が生意気と思われ、目の敵にされそうだがね」
「この大戦が終われば間違いなく、日本は標的にされるぞ」
「だから大枚払って、設備投資してるんだろうが」
「名古屋市長は?」
「全力で開催する所存です」
「名古屋に予算を出さねばならんだろう」
「我が国は、海外地だけでなく、国内の公共投資でも行っている」
「金がなくて軍艦や航空機すらまともに作れないのだが」
「生産量だけは多いがな」
「輸出用では守れん」
「戦争になれば国内用に振り向けることができる」
「おかげで、品質と生産性が向上してる」
「鉄を輸出していることをお分かりか」
「それ以上の鉄を輸入してるよ」
「アメリカが参戦した。もう石油も鉄も高騰して買えんだろう」
「と、取り敢えず、中国から鉄を買ってますし。中東の油田も買えてますよ」
「資金は、木工12ギルドが幸幣を作ってる。足りないが水増しできるしなんとかなるだろう」
「実のところ、紙幣より、幸幣の方が通貨を水増しできる」
「公定歩合や利息の支払いを考えずに済むので都合がいい」
ヴィシーフランス ダルラン大将が暗殺される。
イギリス
ヴィッカース・アームストロングのウォーカー造船所
排水量 36772t/44460t
全長227.2m×全幅31.4m×吃水10.8m
蒸気タービン4基4軸 125000馬力
速度27.5ノット 航続距離4750海里/18kt
乗員1631名
45口径356mm4連装砲塔2基+連装砲塔1基
50口径133mm連装両用砲8基
39口径40mm8連装ポンポン砲4基
水上機3機
イギリスがようやくキング・ジョージ5世型戦艦を就役させる頃、
戦争の趨勢は、イギリス、ソビエトに不利な戦況に傾いていた。
イギリスは、バトル・オブ・ブリテンを辛くも勝ちを収めたものの、
陸海空軍は半壊状態になっており、
戦力を回復させるための輸送船団もUボートの通商破壊によって大損害を受け、
日本商船をレンタルやリースしない限り戦線を維持し得なくなっていた。
キングジョージ5世 艦橋
「ようやく、新型戦艦を就役させたと思ったら悲惨な状態になってるな」
「ドイツがソビエトに向かわなかったら降伏ものだったんじゃないか」
「ドイツの上陸用舟艇の数で逆算すると成功はむつかしいと思うがね」
「それより、この戦艦は、ちょっとダメだろう」
「シャルンホルスト型はともかく。ビスマルク型に勝てそうにない」
「ですよね」
「一体どうして、こんな戦艦になったんだ」
「条約に縛られていたからでは?」
「結局、イギリスとアメリカが条約型で、日本は建造せず」
「ドイツ、フランス、イタリアだけが条約型を超える戦艦を建造か」
「日本は条約型戦艦4隻を建造するって聞いたんですがね」
「亜羅州と漠砂州の利権開発で、流れたらしい」
「むしろ戦艦を建造して。中東進出しなければよかったのに」
「それでこっちも戦艦建造を後回しにしたツケが回ってきたわけだ」
東京
国際連盟本部 連盟の議場
「日本は国際連盟の理事国ニダ」
「・・・・・」
「国際連盟の本部理事国が、隣国の朝鮮共和国と国交断絶なんておかしいニダ」
「・・・・・」
「日朝国交を回復するニダ」
「・・・・・」
「なぜ、目を背けるニダ」
「・・・・・」
「なぜ、明後日の方向を向くニダ」
「・・・・・」 ため息
「まっすぐ前を見て、現実を直視するニダ!」
「・・・・・」 ため息
「朝鮮共和国は、独立国ニダ!」
「連盟本部常任理事国は加盟国と国交を回復する義務があるニダ」
「・・・・・」 ため息
「日本人は朝鮮人を差別してるニダ!!!」
「・・・・・」 ため息
「なぜ、大きなため息をつくニダ!!!!」
「・・・・・」 ため息
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
月夜裏 野々香です。
木仙一族
仙堂春和(36歳) × 山城美奈(32歳) 一樹(14) 智樹(10) 加賀美(7)
角浦秋和(36歳) × 日向奈美(31歳) 青葉(14) 芳樹(10) 冬樹(7)
近衛師団
第01師団(東京) 第02師団(仙台) 第03師団(名古屋) 第04師団(大阪)
第05師団(広島) 第06師団(熊本) 第07師団(北海道) 第08師団(弘前)
第09師団(金沢) 第10師団(漠砂州) 第11師団(瑞森市) 第12師団(北欧道)
第13師団(姫路) 第14師団(蝦夷市) 第15師団(亜羅州) 第16師団(熊襲市)
第17師団(久留米) 第18師団(宇都宮) 第19師団(大連州) 第20師団(任那州)
第21師団(善通寺) 第22師団(小倉) 第23師団(高田/仙台)
1926年 巨済島(400ku) 済州島(1845ku) 鬱陵島(72.82ku)
1926年 大連州(3462ku)
1930年 任那州 フォンセカ湾 ニカラグア領地コシグイナ(400ku)
1932年 任那州 フォンセカ湾(1200ku) 4カ国不戦条約により拡大
ニカラグア(400ku)+ホンジュラス(400ku)+エルサルバドル(400ku)
1932年 北欧道 カレリア地峡+フィンランド湾諸島 (6000ku)
スールサーリ島(21ku)、ラヴァンサーリ、大・小チュテルサーリ島他
1934年 任那州 中米7カ国不戦協定調印 (2400ku)
フォンセカ湾(1200ku) 旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領
旧コスタリカ領 ココ(瓜生)島 (46.6ku)
ブリカ(中ノ鳥)半島 (753.6ku) 旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)
旧グアテマラ(沖ノ浜)領(400ku)
任那。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。コスタリカ、グアテマラ、パナマ、
1935年 熊襲市 (400ku) 旧タイ王国領対マレー国境
1936年 蝦夷市 (400ku) 旧チリ領
1938年 漠砂州 (8万3860ku) 旧イタリア領リビア・ブトナン県
1939年 租界地 エストニア・イダ=ヴィル県(3364ku)50年
1939年 瑞森市 (400ku) 旧ブラジル・オランジュ域
1940年 亜羅州 (4039ku) 中東アラビア海
武山(むさん)半島 ムサンダル半島 800ku 旧アラブ首長国連邦・オマーン
和蔵(わくら)湾 アル・ワクラ湾 800ku 旧サウジアラビア・カタール
武矢(ぶや)島 ブビヤン島 863ku 旧統合イラク・クェート
佳(けしま)島諸島 1576ku 旧イラン
佳(けしま)島 ゲシュム島 1491ku
良久(らく)島 ラーク島 49ku
辺賀(へんが)島 ヘンガム島 36.6ku
1940年 租界地 ノルウェー・フィンマルク県(48618ku)
1941年 北斗市(400ku) 北アイスランド西部の岬
1942年 任那州 中米8カ国不戦協定調印 (2800ku)
フォンセカ湾(1200ku) 旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領
旧コスタリカ領 ココ(瓜生)島 (46.6ku)
ブリカ(中ノ鳥)半島 (753.6ku) 旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)
旧グアテマラ・メキシコ(沖ノ浜)領(800ku)
任那。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。コスタリカ、グアテマラ、パナマ、メキシコ
第21話 1941年 『心のハンを燃やすニダ!』 |
第22話 1942年 『戦争は、問答無用の公共事業だから』 |
第23話 1943年 『米英ソ連合 VS 独伊中同盟』 |