月夜裏 野々香 小説の部屋

    

神がかり系 仮想戦記 『神籬の木仙』

 

 第24話 1944年 『白禍と、反逆の東亜』

 1月

 中国参戦の年、

 ソビエト軍は戦車戦で優勢だったものの、血肉が大地を覆うような戦場に圧倒され、

 たちまちのうちに人海戦術に飲み込まれシベリア鉄道は一時制圧された。

 例え、強力な戦車であっても、砲弾や機銃を失い、歩兵の接近を許せば身動きが取れなくなり、

 燃料を消耗すれば、いずれ破壊されるか奪われる。

 米英ソの城塞化した租界都市もアメリカ軍の緊急派遣軍の反撃で租界こそ守れたものの、

 中国軍1000万人が満州外縁と朝鮮半島の戦場で死に、

 さらに中国軍1000万が満州外縁と朝鮮半島に増援されようとしていた。

 血肉の腐った臭いと、硝煙が極東の戦域全体に漂い、

 米英ソ軍は、血肉が大地が覆う呪われた大地に足を踏み入れることを躊躇させた。

 救いは冬になって大地を白い雪が覆ったことだったが、

 冬季明けは、雪と一緒に血肉が溶けて流れ出すと予想された。

 冬季明けになると満州外縁で中国軍の反撃が始まる、

 この出鱈目な人的資源は、ソビエト軍の半分を満州外縁に分散させなければならず、

 アメリカ軍の欧州反攻の上陸作戦を延期させていた。

 

 

 東部戦線 ドイツ占領下のレーニングラード

 陽の下であれば白銀でも、曇ると灰色に静まり、

 吹雪けば暗闇になっていく、

 真冬の東部戦線で、うっかり鉄を触ると肉皮を剥がしてしまう。

 息を吐くと、白い息が小さな氷の粉となって落ち、

 息を吸うと、肺の中まで冷え、声まで震える。

 「寒い」

 「寒いな」

 「寒い」

 「寒いな」

 「寒い」

 「寒いな」

 ロシア人がウォッカを飲むのも当然で、

 ほかに適当な対処法がなく、時々口に含んだ。

 ドイツ軍の歩哨は、狙撃されないよう白いコートを羽織り、前線を睨んでいた。

 不意に砲声が轟き、

 ソビエト軍のレニングラード攻勢が始まる。

 「げっ 真冬に攻撃してきた」

 真冬の奇襲は効果があったものの、

 待ち受けていたドイツ軍は、反撃し、レーニングラード要塞の防衛に成功してしまう。

 これは、中国参戦でウラジオストックからシベリア鉄道輸送路が一時占領され、

 冬季戦で極東ソビエト軍が失地を取り戻した後も、冬季明けになると輸送路が脅かされると気付いたからで、

 大西洋からのソビエト支援の輸送船団が苦戦を強いられ、

 戦力不足に陥ったからにほかならない、

 しかし、東部戦線全域は、そうもいかなかった。

 ドイツ軍の反撃は遅れ、後手に回って戦線が寸断されていく、

 ソビエト軍の進撃力はそれほどでもなかったものの、

 ドイツ軍は越冬陣地を失い、後退するよりなかった。

 

 

 サンフランシスコ港

 長門、伊勢、日向、扶桑、山城、金剛、比叡、榛名、霧島が並んでいた。

 あっさり、売却が決まったのは期限が区切られていたためで、

 まさに “国家は鉄なり” を体現してしまうような現象だった。

 日本にすれば “また、建造すればいいじゃないか” で、

 アメリカは “今すぐ欲しい” だったのだ。

 扶桑 艦橋

 白人将校たちが一通り艦内を見回って艦橋にに上がってくる。

 「居住性は、どうかと思うが、素晴らしい高速戦艦だ」

 「この艦が、我が国に大砲を向けないことを祈りますよ」

 「それは、日本次第だろうな」

 「日本は中立の予定です」

 「世界中が戦争してるのに、日本は、いい立ち位置だな。羨ましいよ」

 「アメリカには挑発ばかりされてましたから運がいいのでしょう」

 「あはははは、日本人は神経質だな。アメリカンジョークだよ」

 「「「「・・・・」」」」

 

 

 イギリス領マレー

 暴動が起きていた。

 華僑が流した武器が農村部に流れ、

 それに気づいたイギリス植民地軍が民衆を弾圧し、

 都市部でも反英運動が広がりつつあった。

 シンガポール

 イギリス軍戦略情報室

 各地の情報が集まっていた。

 「どこもかしこも反英運動が高まってる」

 「中国の朝鮮半島侵攻で、アジア全体で反欧米武装蜂起が始まりそうだ」

 「日本がロシアに勝った時と反応が明らかにアジア人の違うな」

 「本物のアジアの盟主は、日本じゃなく、中国ってことじゃないのか」

 「インド人も動揺しているし。このままだと、東南アジアから叩き出されるぞ」

 「日本を対中参戦させられないか」

 「そうなったらアジア独立運動の火は一気に弱まるだろう」

 「日本軍部の一部は出世とポストで色めき立ってるが」

 「木工12ギルドが戦争に反対している」

 「あそこか・・・欧州貴族も幸幣ファンが多いからな」

 「それにアメリカが日本の戦艦を購入して、戦争参戦は不利と判断してるようだ」

 「アメリカ側に付けばいいだろう」

 「アメリカは信用されてないよ」

 「くそっ! 上手くいかない」

 「だいたい、中国がドイツと組むのがおかしい」

 「ドイツは中国に肩入れしていたからな」

 「半島侵攻部隊にもドイツ軍将校が顧問についていた」

 

 

 

 2月 

 国防非常措置要綱が閣議決定

 海抜60m以下を国有地とする決定と補償法が制定され、

 地表から60mを離れた岩盤に対する山体法と補償法が制定される。

 「深地下利用法で公務員ポストの確保は、上手くいくわけだが」

 「60mは深すぎないか」

 「取り敢えず、支障ない深さで制定すれば、状況に合わせて上げていけばいい」

 「しかし、せっかく、鉄と石油と石炭が手に入っても分捕り合戦になるな」

 「軍部が一番とってる気がするが」

 「まぁ 軍艦の建造はしないとね」

 「戦艦は、本当に無用なんだろうな」

 「最近は制空権で決まってしまいますからね。いらないでしょう」

 「だといいが・・・・」

 「なんにしても10年分の資源は、使いごたえがあるよ」

 「その後が不安だがね」

 「西日本全域の防衛は、かなり鉄を使うことになるからね」

 

 

 北アフリカ 日本領漠砂州 (8万3860ku)

 日本が旧イタリア領リビア・ブトナン県を会得したのが1938年で、植民から6年が経過していた。

 主要な列強が国家と国家、国民と国民が戦ってる時代、

 日本は、砂と戦争していると揶揄されていた。

 ガラス繊維のシートとハニカム構造体は接合しながら、砂嵐の度に砂塵を掻き込み、

 海岸から内陸に向かって段々に標高を押し上げていた。

 当初、ただの砂漠だった大地も、港湾設備が整うと船舶が増え、

 太陽光熱発電所が建設され、

 淡水化装置の規模が大きくなるにつれ、緑化が進み人口が増えていく、

 漠砂州は、亜羅州と並び、太陽光熱発電社会の進んだ世界になっていた。

 職員たちが電気自動車に乗って砂丘の上へと登っていく、

 「砂上のなんとかと言うけど、意外にしっかりしてるじゃないか」

 「車くらいなら問題ないよ」

 「河川土と水を散布してるし、短い時間でも砂漠に強い草は育つからね」

 「どうせ、次の砂嵐で埋まっていく」

 「そうなったらガラス繊維を足して、もう一度、河川土を被せる」

 「なんか、エンドレスサンドだな」

 「砂嵐の高度は、せいぜい200mから400m。それを越えると砂塵になる」

 「それまでの我慢じゃないか」

 「大変な費用だ」

 「まぁ お金持ちになったら幸幣に交換するだろうから、紙幣の循環は止まらないし」

 「列強が戦争している間にある程度の基盤を構築できればいい」

 「漠砂州は、日本最大の最大の植民地だからな」

 「朝鮮半島や南満洲を捨てるからだ」

 「いやいや、上層部はともかく。庶民感覚は朝鮮人が入り込んできて面白くなかったよ」

 「苦労しても日本人同士で分け合える砂漠がましだ」

 

 

 3月

 海軍綱領

   33000t級瑞鶴型空母 6隻

    全長280m×全幅32m×吃水9.7m

    MANディーゼル機関2500馬力72基 180000馬力  

    航続距離16kt/25000海里  速度33kt

    78口径88mm対空砲10門  83口径37mm対空機銃20門

    艦上機100機

       瑞鶴 翔鶴 蒼鶴 紅鶴 鎧鶴 陣鶴

  19750t筑波型巡洋戦艦    生駒

  20636t鞍馬型巡洋戦艦    鞍馬、伊吹

  10000t級妙高型巡洋艦

        妙高、那智、足柄、羽黒。 高雄、愛宕、摩耶、鳥海。 黒姫、蔵王、吾妻、穂高、

  

   8000t級大淀型巡洋艦 36隻

    全長192m×全幅16m×吃水6m

    ディーゼル機関電気推進80000馬力   速力32kt  航続距離 16000海里/18kt

    65口径150mm3連装砲2基   71口径88mm連装砲4基   83口径37mm連装機関砲6基

    魚雷4連装2基     投射基2基・投下基4基 爆雷48個

    水上機6機

      大淀 笹内 駒込 胆沢  米代 熊沢 白沢 郡山  八幡 仁淀 矢部 諏訪  

      六郷 高倉 谷津 横瀬  蒔田 三沢 入間 滝沼  白萩 高瀬 狩野 鈴鹿 

      白神 隅田 柳瀬 綾瀬  北秋 谷沢 隅田 神田  黒部 黒瀬 神谷 布施 

 

  5100t級球磨型 球磨、多摩、北上、大井、木曾、

  3200t級天龍型 天龍、龍田、

  2890t級夕張型 夕張

 

  2000t級陽炎型駆逐艦

    全長114m×全幅11.8m×吃水3.9m

    ディーゼル機関電気推進40000馬力   速力31kt   8000海里/18kt

    65口径105mm砲4門  83口径37mm機関砲4門

    魚雷4連装2基      投射基2基・投下基4基 爆雷36個

      陽炎 不知火 夏潮 早潮 黒潮 親潮 初風 雪風

      天津風 時津風 浦風 磯風 浜風 谷風 野分 嵐

      萩風 舞風 秋雲

 

  1680t級吹雪型駆逐艦

       吹雪、白雪、初雪、深雪、叢雲、東雲、薄雲、白雲、磯波

       浦波

       綾波、敷波、朝霧、夕霧、天霧、狭霧、朧、曙、漣、潮

       暁、響、雷、電

  1490t級初春型駆逐艦

       初春、子日、若葉、初霜、有明、夕暮、

       白露、時雨、村雨、夕立、春雨、五月雨、海風、山風、江風、涼風、

       朝潮、大潮、満潮、荒潮、朝雲、山雲、夏雲、峯雲、霞、霰

 

   4700t級黒龍型潜水艦

   全長113.7m×全幅11.7m×吃水5.89m

   水上 2620t  6000馬力  16kt  21000海里/16kt

   水中 4762t  6000馬力  10kt   400海里/6kt

   533mm魚雷発射管 艦首6基×艦尾2基  40本

   83口径37mm機銃2基

 

 赤レンガの住人たち

 鉄鋼とガラス繊維の総量を皮算用していた。

 アメリカは、鉄鋼の総量を知ってても、ガラス繊維の総量は知らず、

 計算外の戦力を捻り出すことができた。

 鉄やガラス繊維を民間に余計に取られて面白くないものの、

 それは、それとして、何らかの形で、国防を底上げすることができた。

 日本は直接的な軍事力を押さえたとしても、

 軍艦と潜水艦を後進国に輸出するだけで、工業力を強くし、

 産業基盤を大きくできた。

 そして、大国米英ソの軍事力は相対的に低下していく、

 むろん、産業は、資源と市場がなければ維持できないものの

 今は戦争中で、いくら産業を大きくしても売りそこないがなく、

 労働者への賃金も払えそうだった。

 

 

 

 フランス領ギアナの対岸、ブラジル北端

 日本領 瑞森市(400ku)は、先カンブリア時代の結晶質火成岩と

 高度変成岩が露出する楯状地で構造地質学的に安定していた。

 土壌は熱帯雨林で湿地が多く、森林土が積み重なって肥沃だった。

 漠砂州から運んできた砂の山も、たちまちのうちに水を含み、ブラジルの土壌と混ざってしまう。

 遠浅の海岸は浚渫され、海抜5m×幅100m規模の堤防の上に街が作られ熱帯雨林を囲んでいた。

 瑞森市は、まだ小さな街だったものの、

 木工細工師は、宝の山に座し、

 木材の価値を引き上げるため南米全域の木材も取引し、

 南米諸国も木工12ギルドに木材を売るほうが高く確実に売ることができた。

 神籬の人たち

 「なんで、瑞森市に缶詰工場と思ったが、以外に売れるんだな」

 「最初から大戦が起こると思ってたのか」

 「いや、それとは別だよ」

 「ブラジルから瑞森市を得るとき、アルゼンチンとの木材と武器の取引量はブラジルの3分の1って条件があっただろう」

 「そして、ブラジルとアルゼンチンは植林だけでなく、畜産産業だろう」

 「だから協定にないアルゼンチンの肉で缶詰を作ってバランスを取る戦略だったらしい」

 「まぁ いろんな産業があったほうが安定はするけどね」

 「しかし、熱帯雨林は、成長が早くていい」

 「日本じゃ 熱帯雨林並みに気が育つけど」

 「まぁ 俺たちがいるから日本は特別だよ」

 「だけど、木工細工師130万人超えで。鉄鋼組は、相当に切れ気味だけど」

 「軍人130万人よりいいと思うよ」

 「中国参戦で、右翼は軍人を増やしたいらしいけど」

 「今は国力をつけたり、国家基盤を拡充する方が先決だと思うね」

 「右翼は、愛国者ぶってるが、国防を大義名分に軍需利権に媚びてるだけだし」

 「左翼も平和主義者装ってるが、人権を大義名分に反体制利権に群がってるのと変わらない」

 「連中は、庶民を扇動して利用するのに、庶民を馬鹿にし、庶民が力をつけることを恐れる」

 「右翼は利権擁護ばかり、特権階級で貧富の格差を広げ」

 「誤魔化すために対外緊張を煽るか、既得権を守るために戦争したがる」

 「左翼は反体制の既得権益者を淘汰し。権力構造を身内で固めて反対者を粛清して自分が居座るだけ」

 「早い話し、右翼は国民を殺すのが仕事で。左翼は国家を殺すのが仕事」

 「仲間内で特権を占めてウハウハしたいだけの連中に過ぎないよ」

 「どちらにしても、今のところ、右翼も左翼も主流じゃないだろう」

 「大戦中だから、何か自作自演で事件を起こして、そっちに引っ張りそうだけど」

 「まぁ そうれはあるけどね」

 「アメリカ、ソビエト、中国は、いま、日本と戦争したくないだろう」

 「ていうか。幸幣が国際交易通貨になりそうな勢いだけど」

 「そういや、木工利権も、たいがい、巨大になってるけどね」

 「幸幣は、国益にも民益にもなってると思うがな」

 「手先の器用なやつだけはね」

 「そのへんはしょうがないんじゃない。一応、有象無象の不特定多数の権益者だし」

 

 

 

 フランス領ギアナ

 フランス本国の敗北により本国は縮小され、

 ドイツの傀儡ヴィシーフランス政府と成り下がり、

 植民地は、ヴィシーフランス派と、自由フランス派に分かれていた。

 フランス領ギアナは、自由フランス派で、自由フランスの本部が置かれていた。

 本来なら漠砂州トブルク港で凍結されてるフランス艦隊を編入すべきだが、

 ヴィシーフランスでさえ、国力不足で、

 国土を奪われた自由フランスでは、まともに運用できない艦隊だった。

 代わりに少ない人数で運用しやすく燃費の安い日本商船を購入し

 45口径130mm連装速射砲2基を装備させて艦隊を編成していた。

 カイエンヌ

 白人たち

 「瑞森市はわずかな期間であるにもかかわらず、著しく発展してるフシがある」

 「日本は、木工産業が強いからね」

 「日本の林業は伐採と植林が計画的で、都市も緑が多い」

 「ブラジルやアルゼンチンの木材を使えるなら産業収益が大きいのだろう」

 「我々も林業を育てるべきではないのか」

 「これかね」

 白人の一人が幸幣を出した。

 「自分が持ってる山の木を切って、現地民に真似させて作らせてみたがね」

 「名木工と言われていたが、作れなかったよ」

 「折れずに曲げて、割れずに挟み込むのは至難の業だよ」

 「彼の話しでは、反りを利用して曲げながら挟み込んでるらしい」

 「だから林業から木工細工師まで一貫した組織がないと制作不可能な木工細工らしい」

 「木の研究はそれほど進んでない、というより、鉄鋼業が中心と信じてたからね」

 「だが、日本の木工業は、世界的な影響を与えている」

 「特に幸幣は需要が大きいようだ」

 「戦争でたくさんお金をするからね」

 「戦後、幸幣で紙幣を回収するから、高騰するのは目に見えている」

 「別に日本が滅びても、木工12ギルドの人材さえ引き取れば、いいのでは?」

 「まぁ それはそうだがな。日本は強いと思うぞ」

 「そうかな」

 「戦艦11隻を売るっていうのは、戦艦11隻を撃沈できると確信していない国には無理だと思うね」

 「たんに、資源を欲しかっただけだと思うが」

 「日本はツェッペリン型飛行船を2隻購入したあと、独自で4隻の飛行船を建造している」

 「使用目的はいずれも建設作業で、成果が大きいようだ」

 「さらに2隻の飛行船を建造している」

 「貨物量もツェッペリンより大きいし」

 「これら飛行船の戦略的効果が大きいのでは?」

 「まぁ 落ちる前にどれだけの物を運べたかで、乗客を載せないのなら人的損失は考えなくてもいい」

 「割と効果があるのかもしれないな」

 

 

 

 エストニア

 バルト三国のラトビアとリトアニアがソビエトに再占領され、

 悲惨な状態であることに比べ、ある種、平安感が漂っていた。

 国土はソビエト軍に包囲されていたが

 中国との開戦で日本と敵対する意欲がなくなり、

 どの道、租界地イダ=ヴィル県(3364ku)を取れないのでは、うまみもなく、占領されなかった。

 租界地は、総督府に日本の旗が揚げられ、日本人がいるだけ、

 総督府は、生存権のためフィンランドやスウェーデンとの貿易量を増やし、

 ソビエト軍向けの生産工場や保養所を作って、石油、石炭、工作機械などを購入し、

 外貨を稼ぎつつ、国内の公共設備を推し進めるなどしていたが、

 それ以外は、ほとんどエストニア人に任せていた。

 そして、不正腐敗に敏感なのか、

 民衆の訴えがあると、不正が発覚し、

 当事者のエストニア人は降格されるか、公職から追放されるせいか、モラルが高まり、

 占領を経験していないためか、本土より租界地が発展していた。

 イダ=ヴィル総督府

 3月の寒々とした陽が沈んでいく、

 「今日も平穏無事でしたね」

 「死に石と思っていたが、中国の参戦で、意外と生き石なのかもしれないな」

 「北欧道がですか?」

 「まぁ イダ=ヴィルもな」

 「夜が来るたびに戦々恐々ですがね」

 

 

 

 岩手県宮古で豪雪(死者164名、全壊209戸)

 

 

 アルゼンチン

 ブラジルの軍事力強化に刺激されたのか、

 アルゼンチンも日本から武器弾薬を購入する。

 ブエノスアイレス港に大型船が着岸すると、

 世界最強と言われる57t級3式(6号タイガー)戦車が降ろされた。

 日本はドイツ製兵器を製造するたびにスイス銀行のドイツ口座にライセンス料が支払うが、

 それが反米反英の強い中立国がドイツ戦車を選択する理由で、

 対独参戦を見送る口実にもなっていた。

 ブエノスアイレス

 「大きな国は違うね。領土を切り売りしなくても武器を変える」

 「ブラジルは売ったぞ」

 「瑞森市を対米の矢面にしたかったんじゃないか」

 「キューバも動くというし」

 「キューバはアメリカの傀儡だろう」

 「だがアメリカもイギリスも対独対中戦で手が回らない

 「今のうちに軍事的に独立したいというのはアリだと思うね」

 

 

 

 

 4月

 朝鮮半島は、中軍VS米英ソ軍の戦いの真っ最中にあった。

 アメリカ系朝鮮軍、イギリス系朝鮮軍、ソビエト系朝鮮軍の中で半分は中国軍に寝返り、

 敵味方の判別がつきにくく、混戦状態が続いていた。

 戦争に巻き込まれた朝鮮人は、中国軍側につく朝鮮人と、

 米英ソ軍側につく朝鮮人に別れ、骨肉の争いを繰り広げなければならなかった。

 朝鮮半島南岸

 「こんな生活は、もう、嫌ニダ」

 「絶対に朝鮮半島から逃げ出してやるニダ」

 「どうするニダ」

 「に、日本に行くニダ」

 「日本に行ってどうするニダ」

 「生きていた証しを残してみせるニダ」

 「そして、日本で出世して両班になるニダ」

 「そして、日本人から搾取して奴隷にしてやるニダ」

 「で、出来るニカ?」

 「日本人は大義名分を掲げて利権にヨイショしたら、ヒョイヒョイ引っ掛かるニダ」

 「権力さえ手に入れたらこっちのものニダ」

 「それは楽しいニダ」

 「でも巨済島まで500mはあるニダ」

 「それに巨済島は、堤防で埋め立てられて泳いで行けないニダ」

 「これを使うニダ・・・」

 「土管ニダ」

 「これを巨済島に向けるニダ」

 「そして、拾ってきた地雷を斜めにした地面の底に置くニダ」

 「そして、木の板をたくさん置いて、上に座布団をたくさん敷いて」

 「拾ってきたパラシュートを背中に背負うニダ」

 「おぉ 凄いニダ。自分も行くニダ」

 「な、何をするニダ」

 「自分が日本に行くニダ。行きたいニダ」

 「駄目ニダ。自分で考えたから、自分で行くニダ」

 「一緒に行くニダ」

 「だ、駄目ニダ。パラシュートは、一人分ニダ」

 「大丈夫ニダ。大丈夫ニダ」

 「低い位置だから大丈夫ニダ。パラシュートにしがみついて離さないニダ」

 「バ、バランスを崩すから駄目ニダ」

 「土管を動かすの、協力しないニダ」

 「し、しょうがないニダ」

 

 

 巨済島

 米英ソ軍将兵の日用品は、ほとんど日本製になっていた。

 日本で製造された商品は一度、巨済島に集められ、

 米英ソ租界と接する半島域へ輸出されていく、

 中国軍は米英ソ租界地を包囲しており、アメリカ軍の反撃にも屈せず抵抗していた。

 日本領監視塔は、国境の鉄橋を見下ろす位置にあった。

 「ここまで砲声が聞こえるということは、アメリカ軍は苦戦してるんだな」

 「中国軍の野砲は、租界の中の飛行場まで届くし、緒戦の武装蜂起で要衝も押さえてることもあるし」

 「優勢に半島全域を支配している」

 「航空優勢が弱い状況で租界に上陸して、中国軍を押し返すには戦力が足りない」

 「あと、アメリカ軍200万の追加上陸は欲しいところだ」

 「アメリカの国力なら上陸させられると思うけどな」

 「中国に上陸するのは易いが、そうなると欧州での大陸反攻が困難になる」

 「ノルウェー南部上陸に上陸して、フランス上陸作戦を見送くったって話しだ」

 「米英ソ租界は朝鮮人の反乱や対日戦を計画して作られたもので、対中戦を考えてなかったとか」

 「それで、武器弾薬を輸出してたんだからなに考えてるんだかって感じだな」

 「まぁ 日本主催の国際連盟では、都市爆撃禁止を各国に通達しているから、大規模絨毯爆撃ができなくなりつつあるし」

 「国際連盟で赤十字軍を派遣して、捕虜の治療と中立国への移送を監視させている」

 「治療ついでに中立国の建設作業か・・・」

 「まぁ 引き受けてがあるだけでもましと思うよ」

 「しかし、朝鮮半島は激戦になったな」

 「朝鮮人の半分くらいが中国側について」

 「残りは、ソビエト派、アメリカ派、イギリス派で争ってるらしい」

 「朝鮮人同士で争ってたら勝てないよな・・・」

 「方言が大き過ぎて通じにくいし、ハングルで統一しようとしたけどやらなくなった」

 「日本人が作った学校も白人の子供が使うようになったらしい」

 「それで、32年以降の子供は、特権階級以外、まともに学校に行ってないそうだ」

 「じゃ 12歳以下の子供は」

 「字が読み書きできないんじゃないかな」

 「英語とロシア語も」

 「植民地教育で文字を教えるのは馬鹿らしい」

 「特権層は英語か、ロシア語で話すようになってるし」

 「朝鮮人同士ばらばらにされてる」

 「なんか、もう、植民地化なのか・・・」

 「いま朝鮮を独立させようって世代は、日本が統治を開始して1910年から1926年の15年間に教育された世代。最大でも32年までの22年間に教育された世代かな」

 「自分の子供がどんどん馬鹿になっていくのを見たら泣きたくなるだろう」

 「そういったことも考えられないようにしてるんじゃないかな」

 「米英ソ租界地は包囲されてるし。中国軍も攻めあぐねている」

 「どこが有利なんだろうな」

 「朝鮮半島をめぐる戦闘なら中国が優勢なんじゃないかな」

 「ソビエト軍は地の利がありそうだけどな」

 「ソビエト租界は米英の半分しかないし」

 「こっちに来てるのユダヤ人っていうかハザール人らしい」

 「それにソビエトは中国だけでなく、ドイツとも戦争している」

 「しかし、ドイツも苦戦しているのでは?」

 「苦戦はしているが、アメリカは朝鮮・中国戦線に50万人も展開させて疲弊している」

 「ソビエトも満州戦線で極東ソビエト軍70万人が中国軍450万相手に苦戦してる」

 「確かに中国に武器を売ったようですが。中国軍が意外に強いのが驚きですよ」

 「将兵が強いならが漢民族の中に “扶華滅洋” が根付いてたのかも」

 「朝鮮半島が宝の山だからって聞いたぞ」

 「ユダヤ資本も私財を投じたらしいから奪い返すのに必死なんじゃないのか」

 「私財ったって、地中から湧いた石油や掘った鉄鉱石だろう」

 「近代設備や社会基盤を作ったのは、日本人と中国人だよ」

 「それで朝鮮半島の10分の1を手に入れてるんだから何様って感じだけど」

 「経済侵略か・・・」

 ボンッ!

 半島対岸で爆発が起こると火の玉のようなものが撃ち出され、

 悲鳴のようなものと一緒に何かが海峡の3分の1ほどに落ちた。

 「な、なんだ。なにか、こっちに向かって撃ってきたんじゃないのか」

 「方向は、どの辺だ」

 「あの位置と方向からすると・・・」

 「何かが、届いていたとしてもE4、E5。G3、G4辺りか。警備隊に調べさせてみよう」

 

 

 

 5月

 東京

 国際連盟 朝鮮共和国事務局

 今年の目標 “日本人韓国朝鮮人化計画”

 「クライアントから指令が来たニダ」

 「日本人の取り込み作戦を開始するニダ」

 「どうするニダ」

 「まず、オトモダチ作戦ニダ。仲良くするニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 「どうやるニダ」

 「誰かに攻撃させて。助けてやって恩を売るニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 「一緒にイタズラとかすれば親密度が増すニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 「それから日本人に小さな嘘をつかせるニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 「嘘を少しずつ多くして、段々 大きくしていくニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 「その過程で、日本の権力者の下半身を握るニダ

 「10代前半の子供に売春させるニダ」

 「名前も決めてるニダ “ちっちゃい天使たち” ニダ」

 「権力者の下半身を握ったら、アメリカと中国にリストを渡すニダ」

 「日本人は、保身と利権を守るため、言いなりニダ」

 「そして、嘘が大きくなったら小さな公金を盗ませるニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 「盗んだ公金が大きくなったら大きな公金を盗ませるニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 「証拠隠滅のため、日本人に日本人を殺させるニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 「そして、同胞を殺した日本人を操って、たくさんの日本人を殺させるニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 「保身や利権で、同胞を殺した人間は、国と国民の敵になるニダ」

 「自分が殺されないよう地位と金にしがみついて、国を解体して国民を衰弱死させてしまうニダ」

 「そして、そして、日本を売国させるニダ!!!!!」

 「そして、正義のヒーローとして悪い日本人をやっつけるニダ」

 「右翼左翼で颯爽と登場するニダ」

 「愛国心の強い奴から右翼が金を巻き上げながら平和好きと喧嘩させるニダ」

 「平和好きのやつから左翼が金を巻き上げながら愛国心の強い奴と喧嘩させるニダ」

 「そして、日本の国権を奪取するニダ〜♪」

 「「「「アイゴー」」」」

 「日本人は怒らないニカ」

 「怒ったら非国民扱い、人民の敵扱いするニダ」

 「利権をバックに言うこと聞かないマスメディアは暴力で恐喝するニダ」

 「ほかの企業は、マスメディアで恫喝するニダ」

 「言うこと聞かない企業と個人は、マスメディアを使って、あること、ないこと、でっち上げて吊るし上げるニダ」

 「ヤクザマスコミニダ」

 「それニダ〜♪」

 「「「「アイゴー」」」」

 「そして、日本を世界中と戦争させて、日本を守りたいと思う者、日本人を守りたいと思う者を戦死させるニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 「日本人を人間不信のウツにして。だんだんと弱くしていくニダ」

 「そして、天皇を亡き者にして、日本人を滅ぼして、大韓帝国と名前を変えるニダ」

 「凄いニダ」

 「日本人は、長いものに巻かれて事勿れニダ」

 「保身と、組織と、目先の仕事としかないから全然気づかないニダ〜♪」

 「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」

 「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」

 「「「ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!! ウェーハハハハ!!!」」」

 

 

 街宣中の扇動者たち

 「今がチャンスニダ!!!」

 「日本は戦争すれば勝てるニダ!」

 「英霊が戦死した魂の祖国。朝鮮半島と満洲を奪い返すニダ!!!」

 「日本軍は、絶対に勝てるニダ」

 「朝鮮人は、日本軍の上陸を待ってるニダ」

 「シコシコ木工やってる場合ではないニダ」

 「中国は、米英ソ朝連合相手の戦争で、アジアの盟主になろうとしてるニダ」

 「日本がアジアの盟主の座を中国に奪われるニダ」

 「日本が有色人種の盟主の座を中国に奪われるニダ」

 「このままでは、日本が、英霊が、日清戦争、日露戦争が築き上げた盟主の座を失うニダ」

 「日本人なら銃を取って、立ち上がるニダ」

 「アメリカ、イギリス、ソビエトと組んで中国軍を撃退するニダ」

 「絶対に勝てるニダ」

 「今が千載一遇のチャンスニダ」

 「日本人は、英霊のために戦うニダ!!!!!!」

 大都会の喧騒の中、

 日本人たちは、不安を抱えつつも忙しなく行き交っていた。

 

 街の人たち

 「右翼は、いつの間に親米反中になったんだろう」

 「お金の出処がアメリカとイギリスになったんじゃないかな」

 「日本に戦争させたいんだろうな」

 「嫌だな。戦争しなくても生きていけるのに、なんで殺しあわないといけないかな」

 「名古屋オリンピックがあるから戦争したくないんじゃないかな」

 「軍部は乗せられたりしないだろうな」

 「軍部も2・26みたいにバカやるからな」

 「士官学校は頭のいい人間が入ってたんだけどね」

 「頭の使い方が間違ってるんじゃないだろうな」

 「竹槍の時代と違って、専門家じゃないとわからない兵器があるし」

 「ノウハウを継承させないといきなり戦力ダウンもある」

 「英才教育やエリート教育は視野狭い気がするが」

 「最近は、木工系が軍部に圧力をかけられるポストについてる」

 「ブレーキをかけてくれるなら、少しマシになると思う」

 

 

 

  

 戦艦を売却して得た資源で主要幹線道路の舗装が伸びていた。

 30年頃、舗装道路率0.9パーセントだった主要道路も、この年、30パーセントにまで伸びていた。

 そして、ドイツのアウトバーンを模倣するようになると、コンクリートの厚みが増し道幅も広くなっていく、

 戦車の活動範囲は増え、ある程度、自由に動き回ることができるようになると、大型戦車の配備も可能になった。

 2種類の大型戦車が舗装された幹線道路を走っていた。

   44.8t級2式(5号)戦車

     全長8.66 m(車体長6.87m)×全幅3.27m×全高2.85 m

     70口径75 mm Kw.K.42 L/70(79発)

     7.92 mm MG34機関銃×2(4200発)

     マイバッハ HL230 P45 水冷4ストロークV型12気筒ガソリン 700馬力 (520 kW)

      整地250km 46〜55 km/h(整地)

      不整地170km 27〜33 km/h(不整地)

     乗員5名

 

   57t級3式(6号)戦車

     全長8.45m(車体長6.316m)×全幅3.705m×全高3m

     56口径88mmKwK36L/56(92発)

     7.92 mm MG34機関銃×2

     マイバッハ HL230 P45 水冷4ストロークV型12気筒ガソリン  700馬力

     整地100km 速度40km/h(整地)

     不整地60km 20〜25km/h(不整地)

   乗員5名

 

 日本軍将校たち

 「いいね。大型戦車を平気な道は、凄くいい」

 「これなら住民に白い目で見られず済む」

 「もっと、舗装道路を増やすべきだろうな」

 「まぁ 戦車というより土木建設機械を通すために舗装道路作ってるようなものだからね」

 「それにガラス繊維も補強材で使えるそうだ」

 「もう、あれは、何にでも使えるんだな」

 「62年まで神籬独占なのが痛いぜ」

 「そうなの?」

 「そういう約束で軍機になってる」

 「木工12ギルドも木工細工師130万人超えで日本最強の政治勢力なんじゃないかな」

 「そうなのか、最近、幸幣見かけないけどな」

 「ほとんど、アメリカに輸出されてる」

 「なんで?」

 「偽造に成功していないのが最大の原因だけどな」

 「戦後は、幸紙幣を使って、だぶついたドル紙幣集めるつもりらしいけど」

 「たぶん、10000倍くらいで取引されるかもって話し」

 「なんじゃそりゃ」

 「まぁ おかげで日本は経済制裁されてないし。石油、石炭、鉄鉱石の輸入で困らないそうだ」

 「中国参戦が原因じゃなかったのか」

 「中国参戦も原因だけどね」

 「外交政治なんて複合的な理由で、総合で優った方に捻じ曲げられて流れていくからね」

 「配備するなら3式戦車がいいような気がするが」

 「2式戦車も人気あるよ」

 「逆にパンツァーファウストがいいって者もいる」

 「政府は、舗装率30パーセントじゃむつかしいっていうか、やめて欲しいらしいけどな」

 「いったい、どのくらい舗装しろって?」

 「選挙が怖いから舗装率80パーセントにして欲しいそうだ」

 「やれやれだな」

 「あと、中禅寺湖辺りに遷都するってことになってるし」

 「本当にあんな場所に遷都するのか。狭いだろう」

 「山を刳り貫いた方が、守りやすいっていうか」

 「関東に高層ビルを乱立させるために皇居を山に移ってもらいたいらしい」

 「すげぇ 不敬な話しだな」

 「皇居見下ろすよりましらしい」

 「江戸城も再建して観光にもなる」

 

 

 第二次世界大戦の主戦場は、東部戦線と北アフリカ戦線とノルウェー南部線

 さらに中国参戦により朝鮮半島戦線、満州戦線に拡大していた。

 幸運なことに日本は不参戦を継続することで、莫大な利益を得てしまう。

 中国占領下 香港

 中国は米英ソ連合と戦っているためか。

 日本租界は残されており、

 日本人たちは、特別待遇を受けやすかった。

 満漢全席

 「今回の取引も上手くいってよかったある」

 「中国が、日本陸軍装備一個分をペロリとは驚きですよ」

 「まだ足りないある。あと、3倍から4倍は欲しいある」

 「「「「あはははは」」」」

 「しかし、今回は、南方軍ですが、アメリカ軍が中国大陸に上陸するような動きがあるので?」

 「いま、主要なアジアの戦線は、朝鮮半島と満州外縁ある」

 「しかし、香港をイギリスから取り返しても、用心に越したことはないある」

 

 

 ドイツ軍がクリミア半島から撤退

 

 ソビエトがクリミアからクリミア・タタール人を追放する

 

 

 呉

 タイ王国人、カンボジア人、ベトナム人、

 インド人、南アフリカ人、フィリピン人、イラン人、イラク人、サウジアラビア人、

 メキシコ人、中南米6ヵ国人、キューバ人、

 コロンビア人、ベネズエラ人、ペルー人、

 ブラジル人、アルゼンチン人、ウルグアイ人、チリ人、

 フランス人、オランダ人、ノルウェー人、エストニア人、スペイン人、ポルトガル人、ベルギー人、

 ギリシャ人、アイスランド人、スウェーデン人、フィンランド人・・・

 多種多様な人種が祖国。あるいは裏金の支援で軍事訓練を受けていた。

 ほとんどの国と独立勢力が欲したのが、貧者の兵器の潜水艦で、

 訓練兵が一人前になれば海軍を編成することもできた。

 IX型潜水艦に乗り込むと交替で訓練が始まる。

 そして、潜水艦と乗員の訓練だけでは足りないことが理解されると、

 艦隊基地も欲するようになり、日本に海軍基地建設を発注し、

 莫大な資源や利権が流れ込んでくることになった。

 

  

 艦政本部 第七部 潜水艦部

 UボートXXI型潜水艦

  水上 排水量1621t  15.6kt    17.9kt   28700km/10kt

  水中 排水量2100t  17.2kt  粛速6.1kt    630km/5kt

  全長76.7m×全幅8m×吃水5.3m

   MAN M6V40/46KBB 過給式 6気筒 ディーゼル機関2基4000馬力

   SSW GU365/30 複動式電動機2基5000馬力

   SSW GV232/28 静粛航行電動機2基226馬力

  乗員57人

  魚雷発射管6門23本  20mm機関砲4基

 ドイツの新型潜水艦は、日本へも設計図が伝えられる、

 日本でUボートXXI型潜水艦の同型艦を建造し、中立国に輸出するだけで、

 中立国は軍事的にも外交政治的にも独立を保つことができた。

 日本がアメリカに売却した旧式戦艦は、それほどドイツで問題にされなかった。

 同じ資源で、戦車、航空機などの兵装を作られる方が不利になるとされたからで、

 アメリカにすれば、日本戦艦の購入は、日本が参戦しないという保障のようなもので、

 戦争が終わるまでの時間稼ぎでしかなく、

 日本が戦艦を持っていないだけで、安心だったのだ。

 日本にドイツから亡命した家族が数枚の設計図を手渡すと、

 家と土地が与えられ、口座に相当の金が振り込まれた。

 設計技師

 「いい潜水艦だな」

 「しかし、朝鮮半島が敵性国家になってるから迎撃機優先だし」

 「予算もトンネル掘りや設備投資に金をかけている」

 「潜水艦は後回しって感じなのが辛い」

 「だから輸出用潜水艦で産業基盤と技術を繋ぐのが上策ってことだろう」

 「]]T型は新機軸が参考になるけど、日本の潜水艦の方が倍も大きいし、スペックが上だよ」

 「いや、費用対効果は]]T型が勝ってる」

 「戦争になったら、日本でも]]T型潜水艦を大量生産したほうがいいな」

 「戦争になったらね」

 「でも、こいつを中立国に売るのは1947年まで勘弁して欲しいらしいよ」

 「まぁ 準備もあるし、訓練もあるから、それくらいなら構わないけどね」

 

  

 中国軍の反攻作戦が始まる、

 吊光弾が投下され、星弾が撃ちあげられると、

 中国軍が地平線まで大地を覆って押し寄せている光景が照らされる。

 アメリカ軍の指揮所は、高台で平地とは百数十メートルの段差があった。

 中国軍は登りきれないが、血と肉の腐ったような臭いだけは届いていた。

 爆撃と砲撃と機銃掃射が中国軍の点と線を粉砕し薙ぎ倒していく、

 しかし、中国軍は、面となって押し寄せ、死体の上を乗り越えて米英ソ軍を飲み込もうとしていた。

 アメリカ軍将兵やM4戦車は、たちまち小集団となって孤立して包囲されていた。

 指揮所のアメリカ軍将兵たちは、嘔吐を堪えつつ、

 矢継ぎ早に支援砲撃と爆撃を要請していく、

 「今年も酷い戦場になりそうだな」

 「一ヵ国分の国民くらいは殺してるはずですよね」

 「中国は、人口だけは多いからな」

 「こんな血肉が染み込んで腐った土地に住むやつの気がしれませんよ」

 「もう、食事の味がしないな」

 「自分は菜食主義者になりましたよ」

 「日本が野菜を補給してくれなかったら軍の士気は保てなかったかもしれないな」

 「将軍。戦意喪失してる将兵が増えてます」

 「使い物にならなくなる前にフィリピンに後退させろ」

 「アメリカ本土に帰還させないのですか」

 「悪評が立って、徴兵を嫌がられたら困るだろう」

 

 

 鴨緑江は血と肉が流れ、

 奪った戦車と薬莢が集められて洗浄され、

 修理と補修が加えられ、戦力化が進められていく、

 墜落した航空機の廃材も洗われ、日本領大連州に送られ、

 武器弾薬と交換される。

 中国軍将校たち

 「去年は1000万が死んだある」

 「今年は2000万人が死にそうある」

 「来年は3000万が死ぬかもしれないある」

 「大丈夫ある。これだけ戦力があれば米英ソ軍を極東から叩き出せるある」

 「しかし、苦戦してるある」

 「華僑が東南アジアで独立戦争を起こすある」

 「インドも独立寸前ある」

 「そうなったらイギリスは御終いある」

 「中国は命と戦車を交換していけばアメリカ、ソビエト、イギリスに勝てるある」

 

 

 6月

 アイスランド共和国がデンマークから独立

 

 北海道で大噴火が起こり、新しく造山され、昭和新山と命名される。

 

 

 アメリカ合衆国

 開戦と戦争を鼓舞する広告戦が展開され、

 中国軍、ドイツ軍、イタリア軍の悪逆非道さが喧伝され、

 名家の子息が率先して軍隊に志願して国民を戦争に煽っていた。

 それとは別に軍産複合体は、戦争で儲けた金を利権に変えるか、

 紙幣余りのインフレになることを恐れ、別の価値あるモノに変える必要に迫られた。

 そして、アメリカ全体の戦争機運と別の法則に縛られた街もあった。

 ニューヨーク・ウォール街の証券取引所に幸幣取引部門が作られると、

 幸箱 10幸、50幸、100幸、500幸、1000幸 5種12干支60枚組

 19920幸箱がテーブルの上に並べられ重ねられ、積み上げられていく、

 1000幸ばかり入れた幸箱も一時期流通したことがあったが、

 芸術作品としての趣から、19920幸箱が基準になった。

 幸箱は、幸幣を丸めて箱(縦50mm×横120mm×厚さ80mm)に入れた箱を単位にしていた。

 確認も容易で上からみるだけで、全部が揃っているとわかる作りになっていた。

 札束がただの紙の束にしか見えない人種が、一度、幸箱を単位で使い出すと

 未だ偽造に成功してない点で好まれたのか、

 銀行は、幸幣専用の金庫を作り、

 不動産は、紙幣価格の横に、幸箱幾つと書かいた。

 自動車の値段の横にも幸箱幾つと書かれるよになると、

 転売可能な金融商品として、幸幣を欲しがる者が急増していく、

 この段階になると、戦争でばら撒いたドル紙幣を幸幣で回収し、

 社会資本で流れるドル紙幣の総量を調整できることに気づき、

 石油や鉄鉱石が日本に流れ、

 幸幣がアメリカへ流れてしまうルートが確立されてしまう、

 そして、日本で木工細工師が増えているのにもかかわらず、

 日本国内の流通が少ないという現象にも繋がっていく、

 幸幣を運んできた日本人たちは、取引所の熱狂を見て呆れる。

 「アメリカは、戦争中に何やってんだろうな」

 「まったく・・・」

 

 メトロポリタン歌劇場

 ピッコロ、フルート(アルト - バス)、オーボエ、コーラングレ(イングリッシュ・ホルン)、

 オーボエダモーレ、バリトンオーボエ、小クラリネット、クラリネット、バスクラリネット、

 ファゴット、コントラファゴット、サクソフォーン

 全て木管楽器だった。

 こういった世界では、たまに笛だけ、打楽器だけといった酔狂な公演が行われる。

 この日の木管楽器は、全て日本製木管楽器で、そのうちの半分は、子供が作ったものらしかった。

 観客たちが出てくる

 「笛って、あんなに綺麗な音色だったの」

 「前は、あんなんじゃなかったけどな」

 「楽団の人間に聞いたら全部日本製だって」

 「ヴァイオリンだけじゃなかったのか」

 「あいつらの文化侵食は酷すぎる」

 「木管楽器で使うアフリカン・ブラックウッドは日本に流れるって言うし」

 「木管楽器作ってる連中は真っ青になってるらしいよ」

 「まぁ はっきり言って、買うなら、日本製を買うけどな」

 「しかし、日本人って、そんなに耳が良かったのか?」

 「15歳とか10歳くらいの子供が作ってるのもあるらしい」

 「もう、神がかっているっていうか、日本は普通じゃないな」

 

 

 

 普通の人々は出自、民族、伝統、言語、宗教で繋がる国家に帰属する、

 しかし、裏切り、犯罪、内戦、戦乱など多種多様な理由で、

 出自、民族、伝統、言語、宗教がバラバラにされる者たちが現れる。

 アウトローと呼ばれる者たちであり、

 彼らは、帰属していた出自、民族、伝統、言語、宗教に敵対したとしても、

 スポンサーに対し忠実であれば生きやすく、成功しやすかった。

 当然、スポンサーが日本政府梃入れの日本資本であったとしても、

 成功報酬が見合えば協力する者たちが現れる、

 そして、それが、国家に準ずる勢力にとって都合のいい提案ならさらに乗りやすかった。

 ベルギー領コンゴ

 本国がドイツに占領され降伏しても、コンゴではベルギーの国旗が翻っていた。

 日本資本がコンゴに入り込んだのは、ベルギーの要請で、

 開発する代わりに必要とする資源が得られることになっていた。

 そして、銅、コバルト、ダイヤモンド、カドミウム、

 黄金、銀、亜鉛、マンガン、錫、ゲルマニウム、ウラン、

 ラジウム、ボーキサイト、鉄鉱石、石炭が確認され、資源大国の可能性があった。

 もっとも資源の多くは、内陸にあって、開発は膨大な投資が必要だった。

 「随分、労働者が多いな」

 「中国人ですよ」

 「敵国人だろう」

 「アメリカが捕虜を持て余しましてね」

 「殺せばいいだろう」

 「殺し過ぎると人間性が損なわれ、軍人として役に立たなくなるので、日本に何とかしてくれと言われまして」

 「なるほど、それで人身売買か」

 「黒人より悪党ですが、役に立ちますよ」

 「そうなのか」

 「扱いは要注意ですがね」

 「まぁ 建設してくれるのなら構わんさ・・・」

 「お、飛行船か。大きいな」

 「新型か?」

 「初期投資はツェッペリン級の飛行船を使わないと大変ですからね」

 「何トンぐらい運べるの?」

 「120トンくらい」

 「そりゃ凄い」

 日本政府は、国際情勢に適う形で、敗戦国のアウトローを味方に付け、

 都合のいい状況を作り出していた。

 

 

 

 7月

 アメリカ ポートシカゴ港で弾薬輸送船が爆発し惨事となる。

 

 ドイツでヒトラー暗殺未遂事件が発生。

 

 日本で小磯内閣成立。

 

  連合国金融通貨会議でブレトン・ウッズ協定が締結され、国際通貨基金・世界銀行が設立。

 

 

 神籬社 非鉄開発局

 神籬が木工から生糸・木綿に進み、ガラス繊維の生産に成功すると、

 その気質から化学分野へと移行していく、

 基幹産業から外れた分野だったものの、

 だからといって、欧米の技術開発に依存するわけにもいかず、

 独自の開発が進められていく、

 タラバガニの養殖場が作られていた。

 目的はタラバガニの肉でなく、高分子キチン繊維の攻殻で、

 不純物やタンパク質を取り除くことに成功すればガラス繊維と違う素材になると考えられていた。

 「セルロースもいいけどキチンも悪くない気がする」

 「どう使ったものか」

 「航空機とか、飛行船の素材とか」

 「セラミック組も航空機と飛行船の素材を狙ってたけど」

 「セラミックは、堅いだけだから戦車だろう」

 「航空関連なら、こっちが有利だと思うけどな」

 「むしろ、ガラス繊維や炭素系の研究しているグループが強敵じゃないか」

 「なんにしても、神籬のおかげで、ようやく、欧米の化学技術開発に並ぶ」

 「研究は、大きな余剰資本がないとどうしようもないから幸幣様々だよ」

 「そういや、鉄鋼業も航空機産業の研究費を増やしてるらしい」

 「へぇ 航空機は時速800km/h当たりで頭打ちって聞いたがな」

 「ジェットエンジンとV2ロケットの開発だと」

 「あと、アメリカが開発してるという原子爆弾」

 「作れるの?」

 「さぁ 朝鮮半島がどう転ぶにしても日本は爆撃圏内だし」

 「研究するふりだけでもするんじゃないか」

 「そう思うと緊張感が半端ないな」

 

  

 仙堂一樹16歳、智樹12歳、加賀美9歳

 角浦青葉16歳、芳樹12歳、冬樹9歳

 6人とも木を最大限に生かす才能を持ち、何か作れば、それは高値で売れていく、

 ある意味、能力に特化した家柄で、そのため家柄や容姿で選ぶ門閥から独立してしまい、

 ある種の孤高な家柄に見られた。

 むろん、華族、有力な家柄からの許嫁の話しは常に舞い込む

 しかし、その多くは、残念なことに御神木との縁はない、

 御神木の樹霊を帯びた人間は老若男女250人ほど確認していた。

 不確定な成り行きが腹立たしいほどだが、

 御神木の樹霊を帯びた者たちは、一般家庭が圧倒的に多く、

 年頃の一樹と青葉も周りの思惑を他所に、年相応の一般人と交際を深めようとしていた。

 「ねぇ 一樹くん、これどうかな?」

 「まぁまぁかな」

 「これは、これは?」

 「僕ならオルゴールの箱じゃなくて、オカリナにしたかも」

 「ええ〜 無理〜」

 「誰が一番うまい?」

 「んん・・・如月かな」

 「「「「えぇ〜・・・・」」」」

 「・・・・・・」

 取り巻きの美人さんたちは、むくれ、

 如月は頭脳と容姿で自信がないのか、少し離れた場所でひっそりと木を削っていた。

 彼女は同級生の中で、それほど気立てがいいとは言えず、

 頭が良いとは言えず、容姿も良いとは言えず、

 家柄は、至って普通で、木仙一族が利権と財力に任せて、家族ごと取り込んでいた。

 そして、一樹は、理不尽な理で一樹が彼女のそばにいることが多く、

 自然に会話が成立する。

 将来の伴侶になるかは未定で、少なくとも射程内の地域と年齢層に15、6人はいて、

 なんだかんだで、顔合わせしていた。

 なんとなく結婚するなら年下がいいと言われてはいたが、

 同年齢なら彼女がいいとなんとなく考えていた。

 近代化で御神木の伐採が少なくなく、

 彼女の御神木も危なく切り倒されそうになったことがあって、

 木仙一族は、御神木の発見と保護に神経質になっていた。

 

 

 

 8月

 東部戦線

 ドイツ軍はレーニングラードの占領を継続し、ソビエト軍の背後を付くような戦力を集結させていた。

 ソビエト軍は数倍の戦力でレーニングラードを包囲せざるを得ず、戦力を分散させることに成功していた。

 東方の満州外縁部を中心とした中ソ戦争も戦力を分散させる要因となっていた。

 ドイツはミンスクが落ちればキエフを維持しても本国が危機に晒されることから、

 キエフを自動的に放棄しなければならなくなる。

 そして、ミンスクが失われるならレーニングラードへの海上輸送も意味をなくすと考えられていた。

 ドイツ軍は、ミンスクに座して縦深陣地を構築して粘り強く戦うつもりで、

 散発的に遠征してくるソビエト軍の進撃を防ぎ続けていた。

 そして、ソビエト軍の本隊が集結し、

 ミンスクを巡って

 ドイツ軍120万、ドイツ戦車3500両、火砲6000門、航空機2400機、

 ソビエト軍150万、戦車4000両、火砲12000門、航空機3000機が集結し、

 史上空前の戦車戦が始まる。

 

 ドイツ軍司令部は、ミンスク聖霊大聖堂が使われていた。 

 共産国の軍隊であったとしても、キリスト教会は爆撃されにくく、

 司令部が置かれることが少なくなかった。

 ドイツ軍将校が地図を囲む。

 敵と味方の駒が並べられていたが、盤上に現れない問題がのしかかる。

 早い話し、図上で優勢な状況でも駒を動かせないのだから始末が悪い、

 「補給物資が遅れて、攻勢のタイミングが合いませんね」

 「都市爆撃が減った代わりに道路という道路。鉄道という鉄道が爆撃で寸断されて、輸送力が低下している」

 「防空部隊も都市と違って守りにくいのか、苦戦しているらしい」

 「どうやらスターリングラードに匹敵する正念場になりそうだな・・・」

 空襲警報が鳴り響き、

 イリューシンIl2シュトゥルモヴィークの大群がイナゴか、雲霞の如く現れる。

 「防空隊を出撃させろ、叩き落せ」

 「司令。ソビエト軍は右翼に3個師団を増援。突破を試みるようです」

 「・・・・・」

 「右翼に予備戦力を回しますか?」

 「督戦隊は?」

 「数千人が数珠繋ぎで10段ほどで、こちらに向かっているようです」

 「第35師団を右翼に移動させ、状況に合わせて、戦線を支援させよう」

 「包囲戦で来る気なのか、市街戦で来る気なのか、まだ、わかりにくいですね」

 「スターリングラードの轍は踏みたくはないが」

 「状況的に守ってるのはドイツ側だ」

 「反撃に使える予備戦力をどの程度、残すかでミンスク攻防戦の勝敗が決まるな」

 「武器弾薬の不足が痛いですね」

 「だが中国軍がシベリア鉄道を脅かして、ソビエト軍の攻勢を弱らせている」

 「そうでなければミンスク防衛は難しかっただろう」

 ソビエト軍の大攻勢は、ミンスク市街戦で挫かされた。

 ドイツ軍のパンツァーシュレックとパンツァーファウストは、

 T34戦車を次々と血祭りにあげてソビエト軍を消耗させて時間稼ぎを成功する、

 ドイツ軍増援軍は輸送路を修復しながら戦場に現れ、

 キングタイガー戦車200両と、パンター戦車500両がソビエト軍の脆弱な戦線を突破し、

 ソビエト軍総司令部を磨り潰した。

 指揮系統を失ったソビエト軍は、動きを止め、

 ドイツ軍は、多対1のランチェスターの法則でソビエト軍を殲滅させ、

 ついにソビエト軍を全面敗走させてしまう。

 ドイツ軍は主導権を取り戻したものの、追撃できるような力は残されておらず、

 遺棄された戦車、火砲、航空機、武器弾薬を捕獲していく、

 

 

 9月 

 第85回臨時議会召集(11日閉会)。

 

 ドイツがV2ロケットによるロンドン攻撃を開始

 

 シャルル・ド・ゴールによるフランス臨時政府成立

 

 日本

 消臭剤、コンプレッサー、ディーゼル発電機、ホースが製造され売れていた。

 戦場の血肉を洗い流すためだったが受注が多く、

 工場は3交代となり、電力不足、人手不足に陥るほどだった。

 工員

 「オリンピックが近いというのに仕事ばっかりだな」

 「世界中が大戦争なのに、本当にオリンピックするのか」

 「国威がかかってるし。国際法違反の絨毯爆撃もやめている」

 「白人も増えてるみたいだし」

 「もう選手団は日本で調整に入ってるんじゃないか」

 「いい加減、戦争も終わっていいような気がするけど」

 「戦争が終わると俺たちの仕事も減っちゃうな」

 「とういうより、クビかも」

 「それは困る」

 

 

 任那州 旧コスタリカ領 瓜生(ココ)島 (46.6ku)

 火山島は熱帯雨林が繁り断崖絶壁に取り囲まれ、最高峰は634mに達する。

 年間降水量は7000mmlに及び、日本軍が常駐していた。

 島を北北東から南南西にかけて直径14mの半円ドームの地下道が4本が縦断して掘られ、

 90度交差して8本の地下道が横断して、網目の地下網を形成していた。

 全長6km4本と全幅2km8本のトンネルは、海抜10mほどの高さで、水平に作られ、

 支線のトンネルが何本も建設され、潜水艦基地へと連なっていた。

 島の要塞化が進んだのは、飛行船の輸送力が大きく、

 潜水艦15隻、航空機は100機を常駐させ、

 最大30隻と250機を運用できるほどまでになっていた。

 2式大艇が着水すると、司令官が降り、副司令が敬礼で出迎える。

 「おかえりなさい、司令」

 「ただいま、副司令」

 「日本のお土産は、食堂に運ばせるから、交替になったらもらってくるといい」

 「「「「ありがとうございます」」」」

 「新型飛行船の調子良さそうだな」

 「ガラス繊維は耐久性がよくないので、定期的に交換しなければなりませんが、それを除けばいいようです」

 「レーダーは?」

 「レーダードームの建設で、水平線100km圏は、余裕で見渡せます」

 「戦争になる可能性が低くなったとは言え、心強い島になった」

 「戦艦部隊と砲撃戦ができそうですからね」

 「戦争特需様々だな」

 「ですが、この島より本国の緊張感が強いのは驚きましたよ」

 「半島が戦争していたからな。軍だけでなく民間までピリピリだろう」

 「よく戦艦を売ったものです」

 「それだけ、資源が欲しかったって事なんだろうな」

 「戦後、日本が袋叩きになりそうで怖いですけどね」

 「まぁ 日本が儲け過ぎたのは確かだな」

 

 

 

 10月 

 アメリカは、カサブランカ沖海戦でマサチューセッツを失い、

 チュニジア・ガルテ島沖海戦でワシントン、ノースカロライナ、サウスダコタを失い、

 ノルウェー上陸作戦でネバダ、オクラホマ。ミシシッピ。テネシー、カリフォルニアを失っていた。

 アメリカが日本の戦艦を購入したのは、日本の参戦を封じる手立てであると同時に戦艦不足を補うためでもあった。

 メキシコ湾 

  大西洋艦隊

    アイオワ ニュージャージー ミズーリ ウィスコンシン

    サウスダコタ インディアナ アラバマ

    金剛 比叡 榛名 霧島

  太平洋艦隊

    長門  伊勢 日向 扶桑 山城

    ニューメキシコ アイダホ

    コロラド ペンシルベニア アリゾナ

 長門 艦橋

 「沈められて生き残った乗員と新兵を日本の戦艦に振り分けたが」

 「ようやく、まともに動かせるようになったか」

 「だが熟練には程遠い」

 「どうせ、ドイツもイタリアも戦艦部隊を動かせるような状態じゃない」

 「それに敵地や敵艦への攻撃は航空機で代用が利く時代だ」

 「日本が新型戦艦の建造を見送ったのも」

 「朝鮮半島で戦争してるにもかかわらず戦艦に売却に応じたのも」

 「日本が戦艦がいらない時代に気づいたからで、戦艦が何か役に立つとしたら、艦砲射撃なだけだろう」

 「まぁ そうとしてもだ」

 「戦闘に勝つことだけが戦争に勝つと思い込んでた日本軍人の割に気前いい」

 「実際、戦場に外交武官を送ってれば時代の流れには気づくだろうさ」

 「しかし、旧式戦艦部隊は火力と防御力で優れてるが遅すぎる」

 「サウスダコタ型は火力と防御力が最強だが耐波性で劣るし、速度もそれほど速くない」

 「アイオワ型は、火力が強力で速いが耐波性が悪い」

 「日本戦艦が一番バランスが取れてるのが癪だな」

 「センスが良くても古過ぎるし防弾も怪しいな」

 「どうせ上陸作戦でしか使わないよ」

 「しかし、艦隊全体で、慌てて何かを剥ぎ取ったような跡があるのはなんだったんだろうな」

 「さぁな 日本軍将校の頭の中で新兵器と思ってるような何かだろう」

 

 

 

 

 世界大戦真っ只中、であるにもかかわらず、

 各国代表団を乗せた船は、母国を出港し、航路は何事もなく進み、名古屋に寄港し、

 その過程で、いろんな、物資、人材、資本が移動し取引が行われたが、

 各国とも表に出すことはなく、事は秘密裏に進められ、歴史の闇の中に埋もれてしまう。

 そういった裏事情はともかく、

 選手団と観客が集まり、

 歴史に残るオリンピックは開催され、競技が進んでいく、

 敵国同士の競技になると審判だけでなく、競技員の数は3倍増員され、

 一つ一つの競技で記録になるカメラが回り、写真が撮られた。

 名古屋オリンピック 閉会式

 「無事に終わりそうだな」

 「それは、無事に母国に帰ってからだと思うね」

 「次のオリンピックはフィンランド・ヘルシンキだって」

 「まぁ 中立国だし、開催は48年だから。それまでに戦争も終わるだろう」

 「だといいけど。一応、次のフィンランドがコケたら日本でって可能性もあるから準備して欲しいらしい」

 「流石に3連ちゃんは辛いな」

 「成長してるタイ王国のバンコクでもよかったんじゃないの」

 「タイ王国は、戦争の可能性があるから退いた」

 「なに、タイ王国は戦争する気なのか」

 「戦争するというより、戦争できる国になろうとしてるよ」

 「戦争の相手って?」

 「イギリス」

 「マジで」

 「マレーとビルマで独立運動が強まってるし、インドも独立する気になってる」

 「もし、マレーとビルマで独立運動が激化して武装蜂起なんてことになったら動く気らしい」

 「だ、大丈夫か」

 「タイ王国は東北部の開発で成功しているし」

 「ベトナム帝国、ラオス、カンボジア独立に関与して、東南アジアの盟主になってる」

 「更に中国がアジアの盟主になろうと米英ソと戦争している」

 「ここで、ビルマとマレーで独立戦争が始まって、タイ王国が何もしなかったらタイ王国は面目を失うことになるな」

 「日本は?」

 「日本は、一応、日露戦争してるからいいんじゃないの」

 「だけど、日本は、日露戦争の利権をほとんどなくしてるよね」

 「そんなのどうでもいい気がするね。国の生産力はあの頃の5倍を超えてる」

 「むしろ、資源をたくさん輸入して、生産力を上げる方が国益だ」

 

 

 オリンピック期間中は、ビザが簡略化される。

 そして、この機会を狙って日本に潜入しようという人間も多い。

 オリンピック会場のトイレ

 「カキクケコ (ガギグゲゴ)」

 「チュウコエン・コチュッセン (十五円五十銭)」

 「合言葉は完璧ニダ」

 「特高は、いるニカ?」

 「外で見張ってるニダ。特高は、絶対に半島に送り返す気ニダ」

 「そうはいかないニダ。絶対に包囲網を突破して、絶対に日本に溶け込んでみせるニダ」

 バタン!

 「できたニダ。変装は完璧ニダ」

 「す、凄いニダ。完璧な虚無僧ニダ」

 「これなら特高は、朝鮮人と気付かないニダ」

 バタン!

 「できたニダ。完璧な変装ニダ」

 「す、凄いニダ。完璧な山伏ニダ」

 「これなら特高は、朝鮮人と気付かないニダ」

 バタン!

 「できたニダ。完璧な変装ニダ」

 「す、凄いニダ。完璧な芸者ニダ」

 「これなら特高は、朝鮮人と気付かないニダ」

 バタン!

 「できたニダ。完璧な変装ニダ」

 「す、凄いニダ。完璧な神官ニダ」

 「これなら特高は、朝鮮人と気付かないニダ」

 「「「「これで日本人ニダ」」」」

 「抜け出して、会合地に行くニダ」

 

 

 

 モスクワ

 イギリスのチャーチルと、ソビエトのスターリンが会談。

 

 

 ダンバートン・オークス連合国会議

 「アメリカを中心にした国際連合を結成しよう」

 「国際連盟は?」

 「日本主導の国際機関なんか誰が認めるか。ふざけんな」

 「しかし、国際連盟を解体するには正当な口実がいるぞ」

 「だいたい、日本がおとなしく、国際連盟を解体するものか」

 「米英ソで国際連合を創設すれば世界は国際連合に傾くはずだ」

 「第三世界は、パクスアメリカもパクスソビエトも望んでいないようだが」

 「と、とにかく、国際連盟を解体させて、アメリカに国際本部を置く国際連合を結成すべきだ」

 「まず、加盟国の引き抜きと国際連盟脱退工作をすべきだろうな」

 

 

 ドイツのロンメル将軍が自殺

 

 

 

 11月

 アメリカ大統領選挙でフランクリン・ルーズベルトが4選される。

 

 ゾルゲ事件 リヒャルト・ゾルゲ・尾崎秀実が処刑。

 

 マレー独立戦争

 

 ビルマ独立戦争

 

 マレーとビルマで起きた独立戦争を支援したのは華僑勢力だった。

 華僑は、村を中心に武器弾薬を横流しし、

 独立運動家に資金提供を続けたのだった。

 金と武器があれば、村の長を中心に武装組織が出来上がる。

 村と村が連携し、序列を形成していけば宗教やカリスマ性の強い人物が立ち、

 広域独立勢力の形成は年月の問題になった。

 そして、マレーとビルマで独立戦争が始まると英印植民地軍に反旗を翻した。

 

 

 アメリカ合衆国

 白い家

 「マレーとビルマは、イギリスに対し独立を宣言。武装蜂起しました」

 「イギリスは、どうすると?」

 「現地民を鎮圧するとのことです」

 「ふっ 最悪だが、日本の戦艦を購入してよかったよ」

 「日本の戦艦が独立運動に対して砲撃すれば、日本の国際的な地位は低下する」

 「砲撃したのはアメリカ海軍ですがね」

 「そういうのは、刷り込みでどうにでもなる」

 扉が開いた。

 「大統領。先ほどオランダ領インドネシアでも武装蜂起が起きたとの報告です」

 「「「「「・・・・・・」」」」」

 「詳しい報告は、これから集めます」

 「情報部は、いったい、何をやっていたんだ」

 「ほ、報告書で資金と武器が流れていると警告しました」

 「組織化までは、掴めていませんでしたが」

 「「「「「・・・・・」」」」」 憮然

 

 

 12月

 東海道沖で東南海地震発生。

  M(マグニチュード)7.9、死者・行方不明者1223人、建物全壊36520件。

 

 仏ソ相互援助条約調印

 

 第86議会召集

 “対津波造成工事と、耐震構造建築10万戸を大量発注すべきです”

 “というより、新素材の建材も増えてますし”

 “毎年人口の1パーセント相当の耐震公団新築を建設すべきだと思いますが”

 “し、しかし、そのような予算はないが”

 “とにかく、個人所得は増えてますし、家屋なら効率よく資本を回収できますし、建設することです”

 “見込みはあるかもしれないが・・・”

 “余れば、宝くじの景品にすればいいじゃないですか”

 “宝くじ・・・”

 “対津波造成工事は、潜入防止策にもなりますし”

 “まぁ そうだろうが、余りインフレを進めるのはどうかと思うのだが”

 “既成特権層を脅かすくらいの新興勢力や成り金は、一定以上、必要ですし、刺激になりますよ”

 “だが我々よりお金持ちが突然、出現することだってあるのだぞ”

 “既得層の持ち回りで世襲で衰退していくより、実力主義、能力主義で結構じゃないですか”

 ““““・・・・・・””””

 

 

 上海沖

  長門  伊勢 日向 扶桑 山城

  ニューメキシコ アイダホ  コロラド ペンシルベニア アリゾナ

 戦艦10隻が交替で中国沿岸を砲撃し、

 日本製戦艦群が中国大陸を艦砲射撃する光景が印象付けられいた。

 むろん、アメリカの国旗がはためいていたが、標準よりやや小さな国旗が使われている。

 艦首の先端に防爆圧ドームが置かれ、映画会社の人間が撮影していた。

 長門 艦橋

 「艦長。あと20発で砲身命数です」

 「またか」

 「次は、アメリカ製の砲身と交換するので、命数が伸びるはずです」

 「提督。上陸作戦をするわけでもないのに、艦砲射撃だけとは」

 「戦艦の使い道としては、費用対効果の悪い使い方ですな」

 「それと映画会社のクルーも異常に多く、任務の妨げになってます」

 「日本製の戦艦が中国人に街を砲撃したことを印象づけるのが任務だ」

 「むしろ、この映像を最大限に生かさなければ、戦後の国際情勢は上手くいかない」

 「しかし、やりすぎると日本の反米機運が強まってまずいのでは?」

 「その時は、中国人とドイツ人の留学生だけに見せればいい」

 「我が国が利用できる人間を形成できればいいのだ」

 「な、なるほど・・・」

 

 

 

 イタリア半島 ナポリ沖

 金剛 比叡 榛名 霧島

 アイオワ ニュージャージー ミズーリ ウィスコンシン

 サウスダコタ インディアナ アラバマ

 戦艦11隻がイタリアを夜襲し、艦砲射撃を開始する。

 1隻当たり1000発の砲撃で11000発の大口径砲弾がイタリアの港町という港町を破壊する。

 金剛 艦橋

 「こんなオンボロが旗艦とはな」

 「名目上ですよ」

 「イタリアの沿岸都市を日本製戦艦が破壊したという事実がいいのです」

 「ドイツもやるのか」

 「ドイツは、対艦誘導ロケットを開発しているので、見送りです」

 「それでは、いつまでたってもドイツは降伏しないのでは?」

 「中国参戦で陸軍部隊が足りなくなってな」

 「兵力数だけなら、独伊中同盟が10倍も多い」

 「そ、そんな」

 「中国の海軍と空軍が脆弱でよかったよ」

 

 

 東京

 「日本は国際連盟の理事国ニダ」

 「・・・・・」

 「国際連盟の本部理事国が、隣国の朝鮮共和国と国交断絶なんておかしいニダ」

 「・・・・・」

 「日朝国交を回復するニダ」

 「・・・・・」

 「なぜ、目を背けるニダ」

 「・・・・・」

 「なぜ、明後日の方向を向くニダ」

 「・・・・・」 ため息

 「まっすぐ前を見て、現実を直視するニダ!」

 「・・・・・」 ため息 

 「朝鮮共和国は、独立国ニダ!」

 「連盟本部常任理事国は加盟国と国交を回復する義務があるニダ」

 「・・・・・」 ため息

 「日本人は朝鮮人を差別してるニダ!!!」

 「・・・・・」 ため息

 「なぜ、大きなため息をつくニダ!!!!」

 「・・・・・」 ため息

 

 

 

  

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 月夜裏 野々香です。

 木仙一族

   仙堂春和(38歳) × 山城美奈(34歳)   一樹(16)  智樹(12)  加賀美(9)

   角浦秋和(38歳) × 日向奈美(33歳)   青葉(16)  芳樹(12)  冬樹(9)

  

 

 今回も前回に引き続いて、下半身を少し、

 ちっちゃい天使たちの元ネタは、プチエンジェル (笑

 アメリカ派のTPP議員、中韓派の議員とか。増税議員も、やられちゃったぽいって話し、

 一部の利権を除くと、日本と日本人にとって不利益になることを命懸けでやってる人たちでしょうか。

 戦前も戦後も利権を利用されて、日本が傾く構図が民族病な気がします。

 

 

 神籬の木仙がヤバいのは、木工細工師と漫画アニメ職人の才能がかぶりそうなこと、

 3次元人形萌えは勘弁なのですが安定した職種なら漫画より木工を選びそうですし、

 生き甲斐の漫画アニメ産業が今の半分とか (涙々

 ちょっと、肉を切って骨を断つような。執筆の萎えそうな暗黒歴史戦記になりそう。

 

 

 近衛師団

 第01師団(東京)    第02師団(仙台)    第03師団(名古屋)    第04師団(大阪)  

 第05師団(広島)    第06師団(熊本)    第07師団(北海道)    第08師団(弘前)

 第09師団(金沢)    第10師団(漠砂州)  第11師団(瑞森市)   第12師団(北欧道)  

 第13師団(姫路)   第14師団(蝦夷市)   第15師団(亜羅州)   第16師団(熊襲市)  

 第17師団(久留米)  第18師団(宇都宮)   第19師団(大連州)   第20師団(任那州)

 第21師団(善通寺)   第22師団(小倉)    第23師団(高田/仙台)

 

 

 1926年 巨済島(400ku) 済州島(1845ku) 鬱陵島(72.82ku)

 1926年 大連州(3462ku)

 1930年 任那州 フォンセカ湾 ニカラグア領地コシグイナ(400ku)

 1932年 任那州 フォンセカ湾(1200ku) 4カ国不戦条約により拡大

             ニカラグア(400ku)+ホンジュラス(400ku)+エルサルバドル(400ku)

 1932年 北欧道 カレリア地峡+フィンランド湾諸島 (6000ku)

             スールサーリ島(21ku)、ラヴァンサーリ、大・小チュテルサーリ島他

 1934年 任那州 中米7カ国不戦協定調印 (2400ku)

                任那。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。

                     コスタリカ、グアテマラ、パナマ、

             フォンセカ湾(1200ku)  旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領

             旧コスタリカ領 ココ(瓜生)島 (46.6ku)

             ブリカ(中ノ鳥)半島 (753.6ku)  旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)

             旧グアテマラ(沖ノ浜)領(400ku)

 1935年 熊襲市 (400ku)  旧タイ王国領対マレー国境

 1936年 蝦夷市 (400ku)  旧チリ領

 1938年 漠砂州 (8万3860ku) 旧イタリア領リビア・ブトナン県

 1939年 租界地 エストニア・イダ=ヴィル県(3364ku)50年

 1939年 瑞森市 (400ku) 旧ブラジル・オランジュ域

 1940年 亜羅州 (4039ku)   中東アラビア海

        武山(むさん)半島  ムサンダル半島  800ku    旧アラブ首長国連邦・オマーン

        和蔵(わくら)湾    アル・ワクラ湾   800ku    旧サウジアラビア・カタール

        武矢(ぶや)島     ブビヤン島    863ku    旧統合イラク・クェート

        佳(けしま)島諸島              1576ku   旧イラン

            佳(けしま)島      ゲシュム島   1491ku

            良久(らく)島      ラーク島     49ku

            辺賀(へんが)島    ヘンガム島   36.6ku

 1940年 租界地 ノルウェー・フィンマルク県(48618ku)

 1941年 北斗市 北アイスランド西部の岬(400ku)

 1942年 任那州 中米8カ国不戦協定調印 (2800ku)

                任那。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。

                コスタリカ、グアテマラ、パナマ、メキシコ

             フォンセカ湾(1200ku)  旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領

             旧コスタリカ領 ココ(瓜生)島 (46.6ku)

             ブリカ(中ノ鳥)半島 (753.6ku)  旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)

             旧グアテマラ・メキシコ(沖ノ浜)領(800ku)

 1943年 府穀市(800ku)  タイ湾フコク島(561ku)+(対岸231ku) 旧ベトナム帝国・カンボジア王国

 

 

 

 

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第23話 1943年 『米英ソビエト合 VS 独伊中同盟』
第24話 1944年 『白禍と、反逆の東亜』
第25話 1945年 『東南アジア条約機構の戦い』