第25話 1945年 『東南アジア条約機構の戦い』
1月
フィンランドは、北欧道から歩いて国境を越えて行けるため日本人が少なくない、
フィンランド人は、1年戦争で戦傷を抱えた者たちが少なくなかったが
戦争が遠ざかったせいか、平穏を取り戻していた。
首都のヘルシンキは、戦後復興と同時に48年のオリンピックの準備が進められていた。
「なんか、今ひとつの味だな」
「フィンランド料理は、イギリス料理より少し美味しいけど、欧州じゃ人気がないよ」
「日本料理で手直しすれば美味しくなりそうではある」
「オリンピックは出来そう?」
「元々アメリカとイギリスが、ソビエトのフィンランド侵食を防ごうとしてのヘルシンキオリンピックだし」
「日本も対ソ戦略上、悪くないから賛成はしてるけど、フィンランドが相応しいというわけじゃない」
「まぁ フィンランド人も頑張っているようだけど、日本からフィンランドまで来るのが大変」
「戦況が落ち着いた頃を見計らって、北欧道に入ればいいだろう」
「ていうか、戦争を終わらせたがってるのでは?」
「オリンピック休戦?」
「戦争をやめる口実になるのでは?」
「なるほど、一旦、休戦させて。再戦は足並みが揃わないから、ズルズルと講和条約」
「落としどころで、悪くないな」
「つまり日本のオリンピック2回より、フィンランドでのオリンピックの方が評価が高くなる」
「米英ソは、相変わらず、意地悪だな」
「「「「あはははは・・・・」」」」
「しかし・・・・女が多いな」
「いい国だ」
「「「「あはははは・・・」」」」
三河地震。
13日震度5の直下型地震が襲う、
直下型の地震は被害が大きく、
死者2306人 行方不明者1126人 負傷者3866人
全壊7221戸 半壊1万6555戸 全焼2戸 半焼3戸 軽損2万4311戸をだした。
関係者たち
「横揺れはともかく、縦揺れは流石にもたないな」
「戦争してるわけでもないのに酷いもんだ」
「戦争してたらもっと酷かったと思うね」
「どちらにしても大規模開発したほうがいいと思うね」
「大規模開発しても地震の度にって思うと萎える」
「最近の新素材は出来がいいらしいよ」
「だといいけど」
「人口が増えてるから集団住宅を作っていくしかないんだよな」
「取り敢えず、この辺の半分くらいを雇用して、北海道、南樺太、台湾に向かわせたいね」
「それか、海外地」
「でもなぁ 木工やってたりすると経済的に自立してるから、なかなか動かないと思うよ」
「そこは、それ、西日本は朝鮮半島から爆撃されるかもしれないから危ないぞ、とか」
「あと、いい条件を出すしかないだろう」
「まぁ 戦艦を売って、鉄がたくさんあるから問題はなさそうだけど」
東南アジア条約連合軍(SouthEast Asia Treaty Organization:SEATO)本部バンコク
タイ王国、ラオス、ベトナム帝国、カンボジアがビルマとマレーの国境を越えて進軍する。
武装蜂起を鎮圧しようとしていた英印軍の主要装備は、旧式化しており、
戦闘機と戦車を先頭に向かってくるタイ王国軍に圧倒され、地滑り的に後退していく、
日本人武官たち
「東南アジア条約連合軍か。やるじゃないか」
「東南アジアとイギリスが戦争になったら航路の安全性が低下して困るんだがな」
「独立戦争を煽ったのは華僑で。東南アジア条約連合軍を訓練したのは日本だが。決断したのは条約を結んだ諸国だろう」
「兵站線をなかなか理解してくれなくて大変だったけどな」
「しかし、東南アジア条約連合軍を作らせようって発案は悪くなかった」
「その方が東南アジアを結束させやすいし、後顧の憂いがないからね」
「東南アジア条約連合軍が日本に敵対しなければね」
「オイルロードさえ確保できるなら、なんでもいいよ」
「アメリカがどう出るかな」
「朝鮮人が日本人に成り済ましてバンコク条約の破壊工作やってるけど」
「ったくぅ〜」
「アメリカは参戦してくるかも」
「タイ王国、カンボジア、ベトナム帝国に潜水艦を売ってるし」
「アメリカも、これ以上、敵を増やさないだろう」
「人種差別主義者もいるだろうから、わからんだろう」
「なんにしても日本、中国、タイ王国がアジアの盟主を巡って、乱立するわけだ」
「アジアで、まともに工業化してるのは、日本だけだよ」
「だからアジアの工場役になってるんだろう」
アメリカでフランクリン・ルーズベルトが大統領4期目を開始。
ドイツでA4bロケットが発射される。
2月
重慶
アメリカ、イギリス、フランスが反日政策のために投資して建設した設備は、中国軍が接収し
中独合併となり、ドイツ人技術者が中国人を使って工場を動かしていた。
これらの工場はドイツ人の指導と、日本からの補修部品により支障なく動き、
中国軍の武器弾薬を支えていた。
日独共同租界の日本人たち
「ドイツ人の増援で満州と揚子江流域の工場生産量が増えてるようだ」
「オリンピックを利用されたな」
「まぁ 日本も補修部品が余計に売れるのはいいがね」
「でも三峡ダム建設は、大発電になるだろうし。敵に塩を贈るみたいで気が進まないな」
「ただで贈るわけじゃないよ。利権はあるし。資源と交換だ」
「結局、日本も資源がないと何もできないってわけだ」
「特に最近は、戦争してるわけでもないのに、鉄と石油、石炭の需要が増えてるからね」
「建設ラッシュだからだろう」
「戦後の再建需要にも応えるつもりで、設備投資を繰り返している」
アメリカ合衆国
白い家
男たちが世界地図と写真の束を囲んでいた。
世界最大の生産力を持つアメリカだったものの、
中国参戦で兵力を削がれたことで、欧州の反攻が遅らされ、
それが戦いのスケジュールを狂わしていた。
特に東アジアの戦線は、戦線の移動だけでは推し量れない事柄もあって、上手く進まない、
写真の束がそれで、航空写真で撮ったものは、凄惨という表現すら生易しいもので、
酸化した血と腐敗した肉塊が地平線の果てまで折り重なっていた。
地獄絵図でアメリカ軍とロシア軍も戦意を失いかけているのに、中国軍は、戦意を保っていた。
まさに精神力が物量を超えるで、
アメリカ人は、フィリピンで長期療養が必要な者が急増していた。
「君ら中国人は、どうして、こういった戦いができるのかね?」
「・・・・・」
捕らえられた中国軍将校は、なんのことかわからないような表情をする。
「中国軍は、死ぬのが怖くないのか?」
「怖いある。武器を持たず同胞に殺されるのと、武器を持って異人に殺されるかの違いある」
「既に3000万から4000万人は死んでるはずだが、どうして平気なのだ?」
「生き残ったものが死んだ人間のものを相続できるからある」
「働き手を失えば奴隷も手に入るある」
「欧米も日本も同じある。他人の命と土地の交換なら安い。常識ある」
「アメリカもソビエトも日本も同じある。どこの国も同じある」
「し、しかし、3000万から4000万は非常識すぎる」
「中国で一度、圧政弾圧が始まると1億ぐらい死ぬある。まだ、内戦レベルにも達してないある」
「侵略で外国利権と国内利権の両方が手に入るなら万歳ある」
「「「「「・・・・・・」」」」」
街宣中の扇動者たち
「今がチャンスニダ!!!」
「日本は戦争すれば勝てるニダ!」
「英霊が戦死した魂の祖国。朝鮮半島と満洲を奪い返すニダ!!!」
「日本軍は、絶対に勝てるニダ」
「朝鮮人は、日本軍の上陸を待ってるニダ」
「シコシコ木工やってる場合ではないニダ」
「中国は、米英ソ朝連合相手の戦争で、アジアの盟主になろうとしてるニダ」
「日本がアジアの盟主の座を中国に奪われるニダ」
「日本が有色人種の盟主の座を中国に奪われるニダ」
「このままでは、日本が、英霊が、日清戦争、日露戦争が築き上げた盟主の座を失うニダ」
「日本人なら銃を取って、立ち上がるニダ」
「アメリカ、イギリス、ソビエトと組んで中国軍を撃退するニダ」
「絶対に勝てるニダ」
「今が千載一遇のチャンスニダ」
「日本人は、英霊のために戦うニダ!!!!!!」
大都会の喧騒の中、
日本人たちは、不安を抱えつつも忙しなく行き交っていた。
3月
満州外縁部
中国軍500万と、44.7t級2式(5号)戦車、32t級T34戦車、25t級1式(4号)戦車の1000両が
ソビエト軍79万とT34戦車4000両が対峙していた。
ソビエト軍は、組織的な戦闘力で勝ったものの、
中国軍は、殺しても殺しても際限なく出現し、戦車も師団も包囲して殲滅してしまう。
ロシア軍将兵は、東部戦線のドイツ軍の悪夢を味わっているのか、
狂人の血肉の海で泳ぐ気になれず、
地の利を生かした戦線を維持するだけで精一杯だった。
アジア人にすれば欧米列強は白禍だっものの、
欧米列強にすれば、中国軍の人海戦術は黄禍そのものだった。
満州鉄道から4号戦車と補修部品。
そして、武器弾薬が送られてくる。
中国軍司令部
「1式戦車より、2式戦車が欲しいある」
「それか、大連州でT34戦車を量産するある」
「ラインを変えるのはむつかしく、T34戦車は、補修ラインだけです」
「じゃ もっとT34戦車修理用列車を供給するある」
「24時間3交替で生産してますよ」
「もっと、もっと、欲しいある。資源ならいくらでも渡すある」
「ソビエトとアメリカを東アジアから叩きだすある」
「いま工場を建設しているので、それが完成すれば、もう少し、戦車を増やせるでしょう」
「白人の男を皆殺しにして、白人の女を中国人と日本人で分けるある」
「ロシア人とアメリカ人は、もうすぐ就労人口がいなくなるある」
「そうなったら女子供ばかりでチョロいある」
『『『『いや、それ、中国の方が酷いだろう・・・』』』』 たら〜
アメリカとイギリスは、政治的な足枷で絨毯爆撃が困難になると、限定的な軍需拠点爆撃に切り替えさせられた。
むろん、爆撃で資源帯、発電所、重要施設が破壊され、交通線が遮断されたものの、
ドイツは、時間稼ぎに成功する。
そして、中国参戦でアメリカとソビエトとイギリスは、共にアジア戦域に戦力を奪われ、
ビルマ、マレーの独立戦争は、イギリスの戦力不足を決定付けた。
インドネシアの武装蜂起は、アメリカとイギリスの戦略資源を減らしてしまう。
アメリカは日本参戦を防ぎつつ、戦力を確保するため日本の戦艦を購入するが、
貴重な鉄と石油と石炭を大量に消耗してしまう。
そして、バンコク条約軍のマレーとビルマの侵攻は、独立を宣言した現地政府の求めに応じたものだったが、
アメリカ、イギリス、ソビエトのドイツ包囲戦を著しく弱体化させていく、
ドイツは、開発と生産力に余裕が与えられると、反撃の機会をまった。
そして、ドイツ軍の増強にアメリカ軍とイギリス軍は、慌てて都市爆撃を敢行する、
イギリス本土やノルウェー南部から飛び立ったモスキート編隊が爆撃目標を攪乱させ、
B17爆撃機1200機とムスタング400機の大編隊がベルリンを襲う。
途上、地対空ロケットがB17爆撃機を撃墜し、
Ta152戦闘機300機とMe262戦闘機150機の迎撃にあって、爆撃部隊の半分が撃墜されると、
大陸反攻が不可能な状況に追い込まれていく、
そして、東部戦線でも状況は似ていた。
Me262戦闘機とTa152戦闘機は、戦場の制空権を確保し、
44.7t級5号パンター戦車と、パンツァーファウストは、数量を増して、前線を支え、
東部戦線、地中海・北アフリカ線の戦場を支配した。
4月
小磯内閣総辞職。
鈴木貫太郎内閣成立。
ルーズベルト米大統領急逝、
ハリー・S・トルーマン副大統領が第33代大統領に昇格。
サンフランシスコ会議開催(26日まで)、国際連合創設の議論が始まる。
しかし、幾つかの問題を抱えていた。
アメリカは、戦後、紙幣が社会資本として流出し、泡銭のように膨れ上がるが、
それを回収できなければ新興企業が乱立して成長し、既得権を失う恐れがあった。
むろん、国家権力やラスベガス、ニューヨークのマフィアを使えば非合法に処理できるが、
荒事はなるべく避けるのが上策だった。
日本の幸幣は紙幣回収に手頃であり、
国際連合への日本帰順は、必須と考えられており、
イギリスも同じ考えを持っていた。
「まず、国際連盟は第二次世界大戦を防ぎきれなかった」
「そして、中国を参戦させ。東南アジアで独立戦争を起こした」
「こんな、無能な国際機関は、廃止すべきだ」
「そして、大国を中心にした新国際機関を創設すべきである」
「その名も国際連合だ」
「それでは、大国クラブが出来上がって、中小国から搾取するシステムになってしまう」
「それより、中小国が軍事的政治的に独立できるよう助ける方がいいのでは」
「日本人は甘い、軍事的独立が戦争を生むのだ」
「し、しかし・・・・」
「ドイツが軍事的に独立した途端に軍拡し侵略した。これは既成事実である」
「アメリカがドイツの軍拡に投資した資金の流れは、どう説明するのです?」
「そ、それは、ドイツ人に騙されたのだ」
「戦争で国内を糾合し、儲けてる輩がいる事実ですが」
「日清・日露戦争の頃の日本の事ですな」
「あ、あのねぇ」
「と、とにかく、国際連盟は廃止して。ニューヨークに国際連合を創設すべきである」
「国際連合は米英ソ連合で偏り過ぎている」
「戦争当事国に本部に置く国際機関は相応しくない」
「日本に国際連合の常任理事国の席をあげるから。国際連盟を解体して、国際連合に入れ」
「断る」
「「「「・・・・」」」」 憮然
スペイン軍港ロタ
日本の商船隊20隻が入港し、日本製IX型Uボート100隻が入港する。
潜水艦には、日本で教育を受けたスペイン人が乗艦しており、
欧州の戦局を左右しかねない潜水艦艦隊といえた。
そして、日本の商船隊には 1式戦闘機 “鍾馗” 200機と、44.7t級2式(5号)パンター戦車200両が積み込まれていた。
これらの戦力は、戦後のスペインの独立を守るため最低限必要な戦力とされていたが、
スペインに代替する資源はなく、
スペイン領赤道ギニア(26034ku)+ビオコ島(2017ku)が日本に引き渡され、
第22師団(赤道ギニア)と第23師団(ビオコ島)が上陸し、領地を接収する。
ビオコ島(2017ku)
日章旗がはためき、第23師団と第22師団が後備工作師団8個とともに開発を開始する。
日本商船80隻が入港し、飛行船3隻が新領土上空を滞空し、必要な物資を降ろして行く、
残留白人たちが出来たばかりの沖縄料理店に入る。
「もう、日本の店か・・・」
「赤道ギニアともお別れだし、丁度いい土産話しになるな」
「日本円はあるだろうな」
「選別貰ってきた。ドルも使えるらしい」
「ドルがあれば石油を買いやすいからだろう」
「しかし、日本の生産力は大したものだな」
「インフレに耐性があるのかね」
「それとも金の力で国権や既得権が強奪されても平気なのだろうか」
「単一民族だから利権の交代に強いのか。利権が細分化されているのか」
「これだけ投資を増やして、よく、スタグフレーションにならないものだ」
「スタグフレーションは、既得権が信用創造で金を得てるのに生産雇用しない、なにも消費しない場合に起こる」
「既得権が貧富の格差を広げるためか。対外債務の支払いに追われ、生産にも消費にも寄与していない場合だ」
「要は既得権が揃いも揃って無能か。支配が少数の世襲と不正腐敗で恨みを買い。多数に金を渡せない時だ」
「御用経済学者は口が裂けても言わないだろうがね」
「ぶっちゃけ、国民にばら蒔いたほうが、消費を刺激して、有能な人間が金を集めて生産が増えるから上策だけどね」
「蓄財になるのでは?」
「蓄財が犯罪なら上限を決めて、一番蓄財してる資本家から順番に銃殺していけばいい」
「そうすれば、銃殺を恐れ金を消費するから少ない紙幣で循環するから経済効率が良くなるし、格差の是正もあっという間だ」
「つまり、下克上を恐れない程度、器が大きければ日本は成長し続けるし、器が小さければ成長が止まって縮小するというわけか」
「じゃ 今の日本は、成長期ってわけだ」
「アメリカとイギリスの情報部が、日本の利己主義と拝金主義を強めさせようとしてるが、今のところ、上手くいってないようだ」
「なんとかできるのか」
「上層部が下克上を恐れるクズ野郎にすればいい」
「まぁ そうだろうが、格差が是正され過ぎても、戦争がむつかしくなるのでは?」
「国と国民の利害が一致している方が強いよ」
「全体主義は表面的に強いように見えて、格差が大き過ぎて、国と国民の利害が一致していない」
「戦争を起こしやすく、勝っているときはいいが」
「元々 国民が権力層を憎んでいたりすると、防戦で崩れやすい・・・」
「美味いなこれ、なんていうんだろう」
「ええ・・と・・・ラフティ・・・ソーキそば・・・ヒラヤーチー・・・ゴーヤーチャンプルーだって」
「いまは、船が多いから沖縄直送らしい」
「んん・・・おれ・・・このまま残って住むことにするわ」
「日本語どうするんだよ」
「徹夜で勉強して、覚える」
赤道ギニア(26034ku)
第22師団 総司令部
将兵たちが体長300cmほど。子猫ほどの大きさのゴライアスガエルを囲む、
聞いた話しでは世界最大のカエルらしい。
「一応、食用に耐えるらしいが勇気のあるものはいるか」
「「「「・・・・・」」」」
将兵が躊躇しているあいだにカエルは飛び跳ねて去っていく、
「・・・全く酷い土地をもらったものだ」
「ちょっと泣きたくなりますね」
「アメリカやイギリスに開発の邪魔がされなければいいのですが」
「邪魔できるような余剰戦力はなさそうだがね」
「余剰戦力の無さは日本も同じでは?」
「第24師団と第25師団を創設するから総勢26個師団」
「陸軍兵力だけなら平時32万で戦時は65万を超える」
「米英ソ独中には負けるが、そこを除けば上位だ」
「最近は、タイ王国にも負けてるがな」
「あそこは戦争してますから」
「ですが開発を神籬に任せるのはどうかと」
「自然と調和するなら神籬に任せるのが良いそうだ」
「取り敢えず、収益になりそうなのは林業らしいし」
「あそこは、園遊会にも御呼ばれされて、上の覚えも良いようだし」
「子供が閨閥入りするのか気になる」
「縁次第で風当たりが全く変わるから各勢力とも腫れ物に触るかのようだし。どうなんだろうね」
「聞いた話しだと、なんか、閨閥との許嫁を避けてるし」
「子供たちも揃いも揃って令嬢令息に関心が少なく、色気が少ないのか、妙な動きを見せてるらしい」
「親の性格だろう」
飛行船 城雲
仙堂が赤道ギニアの地上を見下ろす。
御神木は日本固有のものでなく世界中に存在する、
御神木を認知できるかできないかの差でしかない。
赤道ギニアでは現地民がパンヤノ(カポック)木を神の木と考えてる節があり、
その資質が見抜かれているとはいえ、
仙堂は、目星い御神木を見つけると地図に印をつけていく、
面白いことに御神木と人間の関係で、
御神木が御神木たるのは樹霊を帯びた人の存在と切り離せない、
人口の気薄な土地は、樹霊に足る御神木があっても寄り代となる人がいないこともありえた。
これでは、木も人も力を発揮でず、土地の発展が失われる。
赤道ギニアは、そういう土地だった。
「どうです? 事務次官。赤道ギニアは?」
「土壌を変えていく必要はあるが宝の山になりそうだな」
林業を進める上で適当な役職があった。
省庁の中で、それほど強い役職でなかったものの、林業に限り強い権限があった。
「林業の取り分がこの範囲だ」
「残りは鉄鋼とゼネコンで決めていいだろう」
「農林業収益は、どの程度見込めそうです」
「台湾を超えそうだな」
「それは凄い」
5月
亜羅州 (4039ku) 中東アラビア海
武山(むさん)半島 ムサンダル半島 800ku 旧アラブ首長国連邦・オマーン
和蔵(わくら)湾 アル・ワクラ湾 800ku 旧サウジアラビア・カタール
武矢(ぶや)島 ブビヤン島 863ku 旧統合イラク・クェート
佳(けしま)島諸島 1576ku 旧イラン
佳(けしま)島 ゲシュム島 1491ku
良久(らく)島 ラーク島 49ku
辺賀(へんが)島 ヘンガム島 36.6ku
砂漠と荒野でしかなかった大地は、油田として小さかったものの、
中東石油の出入口を押さえて、日本の石油戦略の要になっていた。
日本からの断続的な投資が続き、人工的な構造物が建ち並び、街を形成していく、
太陽光熱を反射鏡で集めて海水を蒸留して飲料水と農業用水を確保し、
東南アジアの河川土を運び込んで大地に敷き詰めていた。
最大はホルムズ海峡に浮かぶ佳(けしま)島(1491ku)で
東南アジアの河川土で造成が進んだのか、緑で覆われていた。
表面の土壌は太陽の直射により蒸発して乾いていたが、樹木が根を張る地中深くは湿気があって樹木が育っていた。
当初は、軍人と軍属。建設作業員家族、石油関連関係者の家族だけだったが、
今では、基幹産業を中心に第一次、第二次、第三次産業の人口も増え、磐石な社会基盤を作っていた。
問題は、日章旗を掲げ、国作りしているものの、
この地に来て数年で、住人の多くが郷愁を覚えていることだった。
中東アラビア海沿岸の砂漠に合う建築物が研究され、
いくつものモデルハウスが建設され、理想的な家が完成すると大量生産が始まる。
日の出日の入りで直射の長い東西の壁は厚く、南北の壁は比較的薄かった。
陽差しは長く、日陰を可能な限りつくる構造で、洗濯物が干されていた。
家一軒に必要な資材は明らかに日本の一般的な家より多く、高価なものになった。
しかし、国家予算を注ぎ込めば数百万の人間が住むことができた。
6月
ノルウェー北部のドイツ軍が降伏し、
ノルウェー国王ホーコン7世がノルウェーに帰国。
イギリス領シンガポール
1km幅のジョホール海峡の対岸は、マレー軍とバンコク条約軍で埋まっていた。
イギリス軍司令部
「中将。本国は戦艦ハウと駆逐艦6隻を慣らし運転で3ヶ月だけ派遣してくれるそうです」
「慣熟訓練用の戦場か・・・」
「こっちは、土人どもに追い出されようとしてるというのにいい気なもんだ」
「ドイツのジェット戦闘機部隊は強力らしいですからね」
「生産が増えてからドイツ爆撃は困難になってますし」
「ソビエト軍も中国軍の人海戦術に辟易してるのか、兵力不足に陥ってますからね」
「それはイギリスもだ」
「このままだとシンガポールも維持できなくなる」
「マレー軍が建造してる対岸の艀は200艘ほどです」
「1隻20人で計算すると4000人ほどなので、上陸作戦は無理だと思います」
「このまま、島に篭城すればマレー軍もバンコク条約軍も上陸できないでしょう」
「シンガポールは孤立するし、大英帝国の面子は丸潰れになる」
「それにインドネシアのオランダ植民地軍も絶望的で、追い出される寸前だ」
「インドも各地で武装蜂起が続いてる」
「負担が大きすぎて、維持に見合う利益はなかろう」
「アメリカが戦艦部隊を出してくれるなら」
「アメリカは人種戦争を恐れてる。東南アジアに干渉したくないそうだ」
「せめて日本が侵攻してくれば、アメリカは日本の侵略に対して開戦できるのだがね」
「日本は隔進論で世界各地に海外地を保有してる。今更、侵略なんてするものか」
「なんとしてもアジアの独立勢力と、中国と、日本を潰すべきだ」
「残念ながら対ドイツ戦で余剰戦力がないそうだ」
「ですがスポンサーは、なんとしても朝鮮半島投資を回収したいそうですよ」
「どうせ、地中から湧いて出た石油を日本のゼネコンに売って、中国人労働者に作らせた利権だろうが」
「金持ちの独占欲と所有欲は、一般的な人類の範疇を超えてますからね」
「そんな強欲のために戦争に動員されて死ななきゃならんアメリカ国民とイギリス国民が哀れだねぇ〜」
「国民に自分たちの利権を脅かされるくらいな。ほかの国を憎ませて戦わせていたほうがいいだろう」
「貧乏人だって、戦争で御国のために手柄を立てて、将校になれたら嬉しいだろうが」
「まぁ そうだけどね・・・・」
「司令。ヤンゴン陥落しました」
「「「「・・・・・」」」」
マレーとビルマが独立を宣言し、バンコク条約軍に加盟し
バンコク条約軍は、タイ王国、ベトナム帝国、カンボジア王国、ラオス、マレー、ビルマの6カ国となる。
アメリカ軍とイギリス軍は、ノルウェー南部スタバンゲル街を押さえることで、北海を封鎖し、
最終的にノルウェー北部の解放に成功した。
しかし、対中国戦争で兵力不足に陥り、大陸反攻が見送られた結果、
ドイツは、フランスのビスケ湾の潜水艦基地を拡大し、Uボート作戦を継続できた。
米英機動部隊は攻撃部隊を繰り出し、ビスケ湾の潜水艦基地に強襲をかけるが、
Uボートバンカーは、抗堪性が高く、艦上機の攻撃に強かった。
北大西洋
空母エセックスが回頭しつつ全力で魚雷から逃げようとするが、
4本の魚雷は、エンジン音を追い掛け、軌道を変えながらエセックスに命中し、水柱を上げていく、
エセックス艦橋
「左舷機関室に魚雷4本が命中、隔壁を閉鎖しろ、右舷の機関室だけは守れ」
「艦隊の損失は?」
「本艦は大破」
「戦艦ミズーリー小破。巡洋艦ボイシー、ホノルルが中破。駆逐艦3隻が沈没しました」
「またも、出会い頭でUボート艦隊を踏んだわけか」
「どうも、Uボート艦隊は、本国の命令に従わず、勝手に配置を決めてるのかもしれません」
「空母イントレピッド被雷。3つ!」
見張り員が叫んだ。
Uボート]]T型潜水艦と音響魚雷の組み合わせは、連合国の艦隊にとって、死神のような存在だった。
バルト海
空母 グラーフ・ツェッペリン
装甲艦 アドミラル・グラーフ・シュペー、アドミラル・シェーア
重巡洋艦 アドミラル・ヒッパー、プリンツ・オイゲン、ザイドリッツ
軽巡洋艦 10隻
コルベルク(長良)、マインツ (五十鈴)、アウクスブルク (由良)、
マクデブルク (鬼怒)、シュトラースブルク (川内)、グラウデンツ(那珂)、
エムデン、ケルン、ライプツィヒ、ニュルンベルク、
駆逐艦 21隻
Z4 リヒャルト・バイツェン、Z5 パウル・ヤコビ、Z6 テオドール・リーデル、
Z10 ハンス・ロディ、Z14 フリードリヒ・イーン、Z15 エーリッヒ・シュタインブリンク、
Z20 カール・ガルスター、
Z23、Z25、Z29、Z30、Z31、Z33、Z34、Z37、Z38、Z39、Z43、Z44、Z45
Me262がグラーフ・ツェッペリンの飛行甲板を使って離着艦を繰り返していた。
艦上機型Me262は、全長が10.58から12mと伸ばされ、
折り畳みの主翼の翼面積は21.7uから26uに広がっていた。
また、重心位置が変わり着艦フックを装備していた。
陸上機型より100kmほど低速で機動も劣っていたが、最強の艦上機に違いなかった。
艦橋
「取り敢えず、3機か」
「運用が上手くいけば量産して、アメリカとイギリスの機動部隊を沈めることができるだろう」
「アメリカが艦上ジェット戦闘機を開発できなかったらな」
「ドイツは、少なくとも5年は進んでると思う」
「しかし、アメリカは原子爆弾を開発してると聞いてる」
「ドイツは原子爆弾を開発してないのか」
「リガ、ミンスク、キエフ、オデッサのラインを維持できているなら来年か、再来年には完成らしい」
「それまでドイツが持てばいいが」
「中国と東南アジアが米英ソ連合国と敵対しているし」
「日本が、中南米諸国から南米にかけて支援して、軍事的に独立させつつある」
「たぶん、アメリカの言うことは聞かなくなるだろう」
「それに日本自体が国力を急速に伸ばしつつあるようだ」
「アメリカは戦争どころじゃないと思うね」
第87臨時議会召集。
カナダ ウィリアム・キングが首相に再選。
サンフランシスコ会議で国際連合憲章が調印される。
7月
アメリカ、ニューメキシコ州
アラモゴードの実験場で史上初の原子爆弾の爆発実験に成功(トリニティ実験)。
東北から北海道の太平洋沿岸にかけて北欧と見紛う街並みが作られていた。
西日本の富裕層が比較的に安全な避難地を東北から北海道の太平洋岸に求めたためで、
木工細工師の財出とあわさって、東北・北海道を発展させていた。
むろん、財政投資の巨大利権は、人事が8年に制限される。
北海道 厚岸湾
大型ガントリークレーンが建設されると輸送量が増え、物資と住人が増えていく、
生活必需品だけでなく、娯楽品や貴金属店なども増え、
東南アジア産のルビー、サファイア、エメラルド、ヒスイ、ペリドットが入荷していた。
神籬の職員が当主、木仙一族の動きを気にしつつ歩いていた。
当主の意向は、出世と直結しているからだ。
「コンクリートの道路か。この辺も変わったな」
「西日本が戦場になる不安が強まってるからだろう」
「戦艦をアメリカに売ったからね」
「戦艦は役に立たないよ」
「それならいいけど、中国大陸と朝鮮半島は艦砲射撃でやられてる」
「上陸するわけでもないのに戦艦を艦砲射撃で消耗させてしまうなんて無駄だな」
「アメリカは、そういう無駄な使い方ができる世界唯一の国だよ」
「戦後、日本は、そのアメリカと対峙することになりそうなんだけど」
「のらりくらり、相手にしないようにすればいいんじゃないか」
「アメリカは貧富の格差。全体主義、個人主義。右翼と左翼。地域や少数部族。宗教に言語」
「ありとあらゆる対立を利用する」
「まぁ 日本が豊かな間は、問題ないだろう」
「支配したいとか。自分だけが豊かになりたいと思わない限りね」
「逆に、むつかしい話しかも・・・」
そこは、見晴らしのいい場所で、港湾都市全体を見下ろせるような場所で、
目の前に石垣と螺旋階段の石畳を持つ、杜塚が作られていた。
「これが角浦家が造成した区画?」
「御神木用の杜塚ってやつ?」
「金に任せて土地を買ったと思うと、こんなの作るのだから、相変わらず不思議なことをする一族だな」
「日本全国30ヶ所に杜塚を作ってるらしい」
「この場所を選んだのは、角浦家の長女青葉さんだそうだ」
「杜塚の設計も青葉さんだし。石垣作って、植えるのは苗木が一本だし。何考えてるんだか」
「もう、巫女だな」
「御神木と関わるなんて、卑弥呼以来の巫女かも」
「誰と閨閥を結ぶやら」
「仙堂家の長男一樹君じゃないの?」
「その可能性はあるけど、女が継ぐわけじゃないから閨閥入りもあるかも」
「なるほど」
「そういえば、神籬が世話してる山も、御神木を1本選んでるというか、植えてるらしいよ」
「山主も御神木がある方が箔が付くってんで、石垣を作って囲んでるし」
「噂じゃ 木仙一族が日本中の樹霊と縁を結んで繁栄を画策してるらしい」
「噂だろう。そんな超常的な力があるのかね」
「しかし、大岩も移してるのか」
「本来、神籬は、岩も含んでる」
「そして、巨木や巨岩を寄り代に神社が作られたのが本然だろう」
「権力者が政治的な理由で作った神社の御神木なんていうのは偽物って話し」
「じゃ 木仙一族のやってることは、遠祖返り?」
「実力が備わってるのが最大の問題なんだろうけどね」
「そういや、この前、皇居に呼ばれて、皇族用の杜塚建設も引き受けたらしいけど」
「権力層も戦争が欧州からアジア全域に及んで不安になったんだろうな」
「ここ、将来的に神社みたいになるのかね」
「まぁ それくらいの広さはあるけど、若木が大きくなってからだろうから100年後くらいじゃないなお」
「なんだ。老後は、当主に頼んで神主にでもしてもらうと思ったのにな」
「「「「あはははは」」」」
「だって、この辺の利権は任期8年で自分のものにできない上に申し送りもないからな」
「仕事が無責任になるし、杜撰になりそうだ」
「日本風じゃないけど、税金が大きいし、小洒落た北欧風の建物だし制度的な実験だろう」
「しかし、人生で8年やって、追い出されたら嫌になると思うぜ」
「八方美人して、転職先さがすかも」
呉
4700t級黒龍型潜水艦 24番艦 獅子龍
全長113.7m×全幅11.7m×吃水5.89m
水上 2620t 6000馬力 16kt 21000海里/16kt
水中 4762t 6000馬力 10kt 400海里/6kt
533mm魚雷発射管 艦首6基×艦尾2基 40本
83口径37mm機銃2基
日本海軍では戦艦が主力艦から降格させられ、アメリカに売られ、
空母と潜水艦が主力艦の座に付いていた。
しかし、半島が敵対勢力の足場になり日本本土全域が爆撃圏内になると、国防の主役でさえなくなっていた。
国防の主役は、防空レーダーと航空機を中心にした防空システムであり、
対潜哨戒と駆逐艦になろうとしていた。
基幹産業は、爆撃に強い地下へ移動させられ、
民間家屋も防空壕の需要があった。
関係者たち
「国家予算が増えてるのに国防予算の比率が減ってるのが面白くない」
「だいたい、戦艦を売っての鉄鋼業隆盛なのにずるい」
「朝鮮半島じゃ 戦争で家屋の9割が破壊されたらしいし」
「日本本土全域が爆撃圏内に入って御家大事ってことじゃないの」
「だから国防費を増やして戦力を拡充しないと」
「金換算で潜水艦じゃ寂し過ぎる。せめて、同トン数寄越せ」
「だよねぇ」
アメリカ大統領トルーマンが原子爆弾使用を承認する。
イギリスで第二次大戦後初となる総選挙が実施され、労働党が第一党となる。
ウィンストン・チャーチルは下野し、クレメント・アトリーが首相の座に就く。
ニューヨークのエンパイアステートビルディングにB25爆撃機が衝突、14名の死者。
8月
鈴木貫太郎内閣総辞職。
インドネシアのスカルノとハッタがオランダからの独立を宣言。
オランダ植民地軍と戦争状態になっていく。
東久邇宮内閣成立。
総理官邸
「中国と、タイ王国、ラオス、ベトナム帝国、カンボジアが対白戦争を開始している」
「マレー、ビルマ、インドネシアも独立戦争を開始した」
「日本が利己主義に走って海外地を増やすばかりだ」
「戦後国際社会において、傍観するのはよくないのではないか」
「日本が対白戦に参戦すれば人種戦争になってしまう」
「それこそ100年戦争になってしまうぞ。支援のみで押さえるべきだ」
「いっそ、人種戦争にして、最終戦争にすべきでは?」
「それより、日本が大戦を仲介し、講和の中心になって戦争を終わらせるべきでは?」
「それなら、内々に話しを進めているがね。上手くことが運んでない」
「このまま、戦争を続けても日本が得するだけと気付けば講話したくなるだろう」
蒋介石大統領は、督戦部隊を使って反政府的な村から若者を徴兵し、
満州外縁と朝鮮半島へと押し出していた。
彼ら不穏分子の死は、蒋介石国民党の子飼いの権力基盤強化に繋がり、
満州外縁と朝鮮半島の支配は、中国国民軍の権力拡大にもつながった。
例え、満州外縁と朝鮮半島で敗北しようと、権力基盤さえ強化できるなら構わないのであり、
なぜ、中国が朝鮮半島と満州外縁に侵攻し、中・米英ソ極東戦争が起きか、という命題と解だった。
米英ソ・ソウル租界外縁
包囲されていたアメリカ軍15万が租界ソウルを守る二つの戦線から後退すると中国軍150万が雪崩込んだ。
ソウル租界は丸裸になり、窮地に陥った。
しかし、十数時間後、二つの山頂から閃光が広がる、
それぞれの爆心地から300m以内の中国軍将兵を蒸発させ、
直径1km圏内の中国軍30万人を焼き殺し吹き飛ばした。
二つの爆煙は、キノコ雲となって16000mもの高度に達した。
そして、アメリカ軍の反撃が始まる。
アメリカ軍15万は、キノコ雲に向かって進軍し、
黒い雨の降る中、中国軍の兵站線を食い破って戦線を拡大していく、
9月
第88臨時議会召集。
“アメリカは原子爆弾を開発したことを確認しました”
“日本の国防は最悪な状況にあるのではないのか”
“原子爆弾の製造は、ウランやプルトニウムを生成しなければならず”
“簡単に製造できるものではないのです”
“また地雷式に爆発させたことからも爆弾が大型であり”
“B29爆撃機では、戦線が交錯する地上戦域で、精確な投下が難しかったか”
“B29爆撃機に搭載できなかった可能性もあります”
“日本は原子爆弾を開発できないのか”
“現在、原子爆弾は研究途上であり、開発には、莫大な予算が必要です”
“アメリカが開発した原子爆弾を勘案するなら、半島がアメリカ軍に支配され、日本が危険ではないか”
“中国軍は、さらなる徴兵を行っております”
“満州外縁と朝鮮半島には、それぞれ1000万に及ぶ将兵が送られており”
“戦争はこれからも続くと推測されています”
“中国軍は、あれだけの威力の爆弾を落とされても戦うというのか”
“もし、爆弾を落とすというのなら、最初に北京に落とすべきだったと思われますが”
“それができなかった時点で、蒋介石大統領は、所在を隠してしまっていますし”
“戦争は継続できるものと思われます”
“もし、日本が原子爆弾の攻撃を受けたら、なんとする”
“基幹産業は地下に移動させており、国家産業は必要最小限守れましょう”
“行政機関も地下へ移動させることも可能です”
“しかし、一般大衆の多くは、逃れる術は少ないと思われます”
“とはいえ、数十万規模の将兵が一度に集まるようなことはなく”
“原子爆弾を落とすには費用対効果が悪いと言わざるを得ません”
“”
“”
“”
10月
幣原喜重郎内閣成立。
総理官邸
木仁弥(赤道ギニア)州(26034ku)+雲州(ビオコ)島(2017ku)の地図が広げられ、
必要な基幹産業と防衛拠点が記されていた。
開発が早かったのは、林業収益の見込みが大きかったことと、
日本中間層の技工生産力と購買力が著しく大きかったからにほかならない、
海外地の家・土地は、内地の平均土地家屋の5倍から6倍に達していた。
単純に日本で貧困層であっても海外地なら高給で大きな屋敷と地位が得られた。
「海外州開発のため国家予算に倍する国債を発行しているのだが、大丈夫なのか」
「戦争特需で外貨だけは多いですし、公定歩合分をはるかに超える幸幣で水増しできますから」
「それに海外は、好んで幸幣を集めるようです」
「紙切れに1000と書いて流通させてるだけで、原価は1円もかかってないのが紙幣だからね」
「それを1000倍の価値で流通させてるのだから絶対に損しないどころか、ぼったくりだ」
「そして、紙幣が欲しければ借金しろ」
「金がなければ家と土地で支払え」
「言う事を聞かなければ発行しないで潰すで、真似して作ったら死刑だという話しだ」
「国が保証しているからやっていけてるのであって、一機関の支配や私物化を目的としていいものじゃない」
「紙幣は、国民を借金で苦しめるためのものでもないだろうし、恩着せで作って流通させていいものでもない」
「それに比べ、幸幣は手間暇をかけた木工細工だし。需要がなくなればほかの木工細工に切り替えられる」
「欧米が安定蓄財で幸幣に目をつけるのも必然なのだろうな」
「幸幣が庶民で生産してるので、格差の是正に一役買ってるのもあるようです」
「大局的に考えるなら社会資本は、無理やり還流させるだけでも構わないものだ」
「むしろ、高い技能技術の労働力を効率の良い生産に使えるかだろう」
「できるなら高い技能技術の労働力は、軍部優先にしてもらいたいものです」
「人口7500万の人口で、1万人に1人の逸材は、7500人になる」
「それを軍部で独占すれば、軍需と軍だけは異常に強くなるだろう」
「しかし、偏った国策は、国家としてそれが一番いい状態なのかというと疑問に思うし」
「7500人も個性があって伸びる方向が違うだろう。適性が軍部と合わなければ殺されてしまう」
「そういうのはね。国民にとっては悲劇としか思えないね」
「せ、せめて予算だけでも軍に・・・」
「予算を分ければ、人材も分けるのと同じだよ」
「ある程度、予算を分散させるほうが国民は適性に応じて働けるし、国は豊かになるだろう」
「だいたい、国防に金が必要だというなら、経済防衛にだって金は必要だよ」
「「「「・・・・・」」」」 憮然
「それと、赤道ギニアの件は、城郭や神社仏閣などの伝統の継承も必要になるな」
「雲州島は、面積が2017kuですが、山が高く、比較的涼しいようです」
「雨が多いですが」
「開発に飛行船を使うのかね」
「神籬は飛行船12隻を投入しても良いと」
「神籬も都合よく飛行船を建造していたわけか」
「戦後、再建でも利用できると奮発したのでしょう」
「まぁ 好都合ではあったがね」
「しかし、また、鉄が必要になりますな」
「鉄鋼は、1000万トンくらい見込んでる」
「コンクリートとガラス繊維で水増しすれば相当な規模になるだろう」
「本土防衛で使いたいくらいですな」
「全くだ。しかし、海外地は、軍事的な保険にもなりうる」
「それに資源は期待できなさそうだが、林業は大きいし。ブラジルの鉄鋼もある」
「あと、ベネゼエラの石油も購入しやすい」
「何より、インド洋を封鎖できる位置にあるのが嬉しい」
「雲州島は、3011mの火山もあるし、地震も怖いな」
「温泉は期待できるかもしれませんね」
「ふっ 熱帯で温泉に入りたいと思うかどうか」
「地熱発電は期待できるかもしれません。あと、水力発電も」
「なんにしても島民は大陸に移して、雲州島は、日本人だけで占めたほうがいいでしょう」
「確かにそうだな」
11月
世界初の電子計算機が作られる。
呉
ユンカース ユモ 004を模倣したジェットエンジンが作られていた。
エンジンが製造できなければ航空機は飛ばない。
そして、仮に製造できたとしても耐久時間が短ければ大量配備など不可能な話しだった。
数十、数百のチームがニッケル(Ni)とコバルト(Co)を中心に幾つもの金属を加え、
比率と工程を変えながら冶金を繰り返し、
ジェットエンジンの構造を少しずつ変えて試作品の実証試験を続け、
最適な合金の比率と工程と構造体を蓄積していく、
蓄積した技術量が品質と構造の量が国家間の技術差となり、航空機のスペックに反映される。
関係者たち
「なかなかいい強度のジュラルミンが出来たぞ」
「エンジンだけじゃなく、機体にも応用できそうだ」
「たぶん、海軍艦船も欲しがるかも」
「これで木製の機体から解放されるわけだ」
「しかし、旋回時に機体を反らすなんて芸当はできないけどね」
「あれは、木工職人が140万もいるような国じゃないと不可能な話しで一般的じゃない」
「一般的じゃない方の国にいるのだが」
「木工細工師は忙しいし、特殊仕様は考えないことにしよう」
「しかし、航空機エンジン開発に戦艦建造並みの予算と人材をかけるのは、どうかと思うが」
「どうせ、戦艦の建造はない、それなら航空機産業に予算と人材を回すべきだろう」
「利権団体がむくれてる。殿中沙汰にならなきゃ御の字だが」
「空母と巡洋艦と潜水艦と駆逐艦は建造するよ」
「トン数当たりの価格は高騰しているからな」
「紙幣なら幸幣で回収すればいい。ユダヤ人の手口は参考になる」
角浦芳樹(13)は、人形を彫るとクライアントに渡す。
彼の作る人形は芸術性が高いだけでなく “身代わり人形” と思われていた。
実例が数回も続くと、命に比べれば金など安いと思う層が、保険で買い求め、
噂が海外に広がると、戦地行く富裕子息用の人形の発注が舞い込む。
そして、海外でも実例が確認されると相乗効果で、発注が増えてしまう。
「実に素晴らしい作りだ」
「芳樹くんの父上も、身代わり人形を作ることができたもんです」
「親子揃って、同じ才能とは、実に羨ましいものだ」
「ただの人形ですよ」
「しかし、これだけの人形を13歳で彫れるとは・・・」
12月
第89臨時議会召集。
“第24師団と第25師団の創設におきまして追加予算が得られました。ありがとうございます”
“しかし、失業率は3パーセント以下。追加動員は可能なのかね?”
“平時動員と戦時動員がありますので。戦時動員の者に募集をかけ、採用するつもりであります”
“しかし、そうなった場合、戦時動員分が割り込むと、予想されます”
“それに関しては、将兵の火力と防弾を増やすなど、装備を充実させることで補えると考えます”
“戦時兵員定数の削減は軍属を中心に反発が広がっていますが”
“ですが師団増設に鑑み、民生は、軍属支配の拡大を恐れてます”
“国防のためには、必要な兵力があるわけですが”
“戦争が始まれば、国民として協力を惜しみませんが、平時にあっては国民の益を認めるべきであります”
任那州 (2800ku)
ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドルが囲む日本領任那湾(1200ku)は、
基幹産業の発電所、製鉄所、鉄道、港湾、工場など近代設備が建設されていた。
公共設備の学校、行政機関、軍設備、警察機関、消防署など作られていく、
また中南米7ヵ国ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。
コスタリカ、グアテマラ、パナマ、メキシコが総延長4000kmほどの鉄道で連結され、
市場が拡大し、産業基盤も拡大していた。
その後、イギリス領ベリーズを結ぶ鉄道が開通すると、日英貿易の中継と木材取引が始まり、
両国の政府関係者の行き来も増えていく、
列車 個室
日本人たち
「なに? 日本持ちで水力発電所を建設?」
「ポストは、30年ほど日本人だし」
「日本が現地国の国債で建設して、対価は、林業権益でもらうことになってる」
「中南米諸国の鉄道も悪くないな」
「小なりとは言え、グアテマラからパナマまで6ヵ国の面積を合わせると493000kuを超える」
「人口は3000万弱で貧しく、鉄道収益は大した事ないが、林業は魅力があるし」
「メキシコ、コロンビア、イギリス領ベリーズを合わせれば、潜在的な可能性も高くなる」
「現地民の反日は?」
「格差が目に見えてわかるから、少しずつ強まっている」
「しかし、まだ、朝鮮の100分の1くらいか、中国の10分の1程度で、反米の方が強い」
「今のところはだろう」
「中南米に武器を売ってるから軍事的に独立してるが、外交戦略でフリーになってる」
「油断するとアメリカに取り込まれてやられると思うよ」
「まぁ 用心深く城塞都市化も進めている。89式戦車や95式戦車じゃ落とせないだろう」
「アメリカが攻撃してこなければね」
「アメリカは、対中・対独戦争で手詰まりになってるから日本と戦争したいと思わないだろう」
「それは対日戦を後回しにしてもいいと思ってるからだろう」
「今のうちに軍事力を整備するか」
「アメリカとメキシコが戦争してくれるかだな」
「メキシコの石油は任那の生命線だから、アメリカとメキシコの戦争は困るよ」
「イギリス領ベリーズは、どんな感じ?」
「これから行くけど、メスティーソ系、クレオール系、黒人系が多い」
「日本が任那に来てからイギリスの投資が増えたが、戦争が始まってから低調だ」
「まぁ 森林資源があるからイギリス資本が投資して取引が増えるが、日英で組んでの対米戦略は凍結してる」
「イギリスの反日は?」
「日本が中東の石油を押さえてるから慎重になってる」
「イギリスは、現状で、日本と戦争しても得しないから反日を隠してはいるね」
「じゃ 取り敢えず取引はできるわけか」
「日本に木材を売って幸幣を得れば、使いようがある」
「幸幣を欲する富裕層はイギリスにも多いからね」
国際連盟 朝鮮共和国事務局
朝鮮反日第5列師団
政治第13連隊
行政官僚大隊 法曹大隊 貴族院大隊 衆議院大隊
宗教大隊 教育大隊
外郭左翼大隊 外郭右翼大隊
新聞大隊 ラジオ大隊 作家大隊
在日大隊 部落大隊 アイヌ大隊
琉球大隊 台湾大隊 外国人大隊
海外地大隊
経済第16連隊
経済連大隊 独立企業大隊
銀行大隊 芸能大隊
軍事第11連隊
情報工作大隊 破壊工作大隊
麻薬大隊 ヤクザ大隊 暗殺大隊
民生第12連隊
農業大隊 漁業大隊 林業大隊
製造大隊 小売大隊
不良大隊 いじめっ子大隊
反日朝鮮将校たち
「在日組織編成が遅れてるニダ」
「日本が朝鮮を独立させたからニダ」
「組織を形成する前にズタズタニダ」
「あと、教育が足りないから、日本人に相手されないニダ」
「もっと勉強しないと行けないニダ。小学生以下の学力じゃ任務に支障が出るニダ」
「それ以前に、結婚できないニダ」
「悔しいニダ。せめて、朝鮮人学校を作りたいニダ」
「そうすれば頭が良くなって、もっと上手く日本をコントロールできるニダ」
「朝日国交回復して、日本潜入第5列師団を増強するニダ」
東京
「日本は国際連盟の理事国ニダ」
「・・・・・」
「国際連盟の本部理事国が、隣国の朝鮮共和国と国交断絶なんておかしいニダ」
「・・・・・」
「日朝国交を回復するニダ」
「・・・・・」
「なぜ、目を背けるニダ」
「・・・・・」
「なぜ、明後日の方向を向くニダ」
「・・・・・」 ため息
「まっすぐ前を見て、現実を直視するニダ!」
「・・・・・」 ため息
「朝鮮共和国は、独立国ニダ!」
「連盟本部常任理事国は加盟国と国交を回復する義務があるニダ」
「・・・・・」 ため息
「日本人は朝鮮人を差別してるニダ!!!」
「・・・・・」 ため息
「なぜ、大きなため息をつくニダ!!!!」
「・・・・・」 ため息
「もし、日本が朝日国交樹立しないなら、韓国は国際連盟を脱退して国際連合に行くニダ」
「本当に?」
「本当ニダ」
「是非、脱退してください」
「・・・・・」
「是非、連盟を脱退して、国際連合に行ってください」
「あ、あ、いや、そういう意味ではないニダ」
「では、脱退ですね」
「い、いや、今のは違うニダ」
「朝日国交樹立して欲しいという意味でいったニダ」
「いや、朝日国交樹立しないから、脱退してもいいですよ」
「違うニダ。違うニダ。朝日友好は、大事といっただけニダ」
「国際連盟は脱退しないニダ」
「・・・・・」 ちっ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
月夜裏 野々香です。
木仙一族
仙堂春和(39歳) × 山城美奈(35歳) 一樹(17) 智樹(13) 加賀美(10)
角浦秋和(39歳) × 日向奈美(34歳) 青葉(17) 芳樹(13) 冬樹(10)
独伊中 VS 米英ソ の大戦中、
タイ王国を中心とする東南アジア条約機構がイギリスの植民地マレーとビルマに侵攻、
さらにインドネシアも独立戦争を開始、
華僑の本気と、日本の資源争奪戦が生んだ悲劇でしょうか (笑
近衛師団
第01師団(東京) 第02師団(仙台) 第03師団(名古屋) 第04師団(大阪)
第05師団(広島) 第06師団(熊本) 第07師団(北海道) 第08師団(弘前)
第09師団(金沢) 第10師団(漠砂州) 第11師団(瑞森市) 第12師団(北欧道)
第13師団(姫路) 第14師団(蝦夷市) 第15師団(亜羅州) 第16師団(熊襲市)
第17師団(久留米) 第18師団(宇都宮) 第19師団(大連州) 第20師団(任那州)
第21師団(善通寺) 第22師団(赤道ギニア) 第23師団(ビオコ島)
1926年 巨済島(400ku) 済州島(1845ku) 鬱陵島(72.82ku)
1926年 大連州(3462ku)
1930年 任那州 フォンセカ湾 ニカラグア領地コシグイナ(400ku)
1932年 任那州 フォンセカ湾(1200ku) 4カ国不戦条約により拡大
ニカラグア(400ku)+ホンジュラス(400ku)+エルサルバドル(400ku)
1932年 北欧道 カレリア地峡+フィンランド湾諸島 (6000ku)
スールサーリ島(21ku)、ラヴァンサーリ、大・小チュテルサーリ島他
1934年 任那州 中米7カ国不戦協定調印 (2400ku)
任那。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。
コスタリカ、グアテマラ、パナマ、
フォンセカ湾(1200ku) 旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領
旧コスタリカ領 ココ(瓜生)島 (46.6ku)
ブリカ(中ノ鳥)半島 (753.6ku) 旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)
旧グアテマラ(沖ノ浜)領(400ku)
1935年 熊襲市 (400ku) 旧タイ王国領対マレー国境
1936年 蝦夷市 (400ku) 旧チリ領
1938年 漠砂州 (8万3860ku) 旧イタリア領リビア・ブトナン県
1939年 租界地 エストニア・イダ=ヴィル県(3364ku)50年
1939年 瑞森市 (400ku) 旧ブラジル・オランジュ域
1940年 亜羅州 (4039ku) 中東アラビア海
武山(むさん)半島 ムサンダル半島 800ku 旧アラブ首長国連邦・オマーン
和蔵(わくら)湾 アル・ワクラ湾 800ku 旧サウジアラビア・カタール
武矢(ぶや)島 ブビヤン島 863ku 旧統合イラク・クェート
佳(けしま)島諸島 1576ku 旧イラン
佳(けしま)島 ゲシュム島 1491ku
良久(らく)島 ラーク島 49ku
辺賀(へんが)島 ヘンガム島 36.6ku
1940年 租界地 ノルウェー・フィンマルク県(48618ku)
1941年 北斗市 北アイスランド西部の岬(400ku)
1942年 任那州 中米8カ国不戦協定調印 (2800ku)
任那。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。
コスタリカ、グアテマラ、パナマ、メキシコ
フォンセカ湾(1200ku) 旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領
旧コスタリカ領 ココ(瓜生)島 (46.6ku)
ブリカ(中ノ鳥)半島 (753.6ku) 旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)
旧グアテマラ・メキシコ(沖ノ浜)領(800ku)
1943年 府穀市(800ku) タイ湾フコク島(561ku)+(対岸231ku) 旧ベトナム帝国・カンボジア王国
1945年 赤道ギニア(26034ku)+ビオコ島(2017ku) 旧スペイン領
第24話 1944年 『白禍と、反逆の東亜』 |
第25話 1945年 『東南アジア条約機構の戦い』 |
第26話 1946年 『日本民族国防会議甲子園で優勝するのよ』 |