月夜裏 野々香 小説の部屋

    

神がかり系 仮想戦記 『神籬の木仙』

 

 第28話 1948年 『ヘルシンキ・オリンピック講和』

 ヘルシンキ・オリンピック講和は、名古屋オリンピックの終結頃から囁かれていた。

 交戦国は、日本を中心にした講和を望まなかっただけで、

 日本に一泡吹かせつつ、それでいて、講和の機会は模索していたため起きた歴史の珍事といえた。

 そして、ヘルシンキ・オリンピック講和に備え、各国とも動きを見せた。

 特に戦後アメリカの間接支配を望まない南米諸国が顕著で、

 慌てて日本に国土の一部を譲渡し、軍事的独立を図ったのだった。

 この動きに対し、CIAを派遣して食い止めようとしたものの、

 既に日本と取引した中南米7ヵ国がアメリカの影響から脱し、

 政治的にも経済的にも独立し始めたのを見ては、止める方法もなかった。

 

 日本 中禅寺湖北岸

 皇居は、男体山(2486m)が削られると中腹に建設され、

 中禅寺湖周辺に政府行政機関が集まり、霞ヶ関に代わる華厳ヶ関と呼ばれるようになっていた。

 皇居より山頂は、宮内庁のものとなり、御禁制地となってしまう。

 日本でも有数の権力者がセカンドハウスを建設していく、

 この地域が遷都に選ばれたのは、半島からの爆撃に対し、防空防衛上の利点があったためと、

 旧皇居に江戸城を再建し、周辺に高層ビルを建設できるメリットがあった。

 省庁で籤引きが行われ、官僚たちがため息混じりに並んでいた。

 海外地が増えるため派遣させられる。

 クジ運が悪ければ、これまで培ってきた基盤を放り出さなければならず

 人脈を繋げていた出世街道から外れるどころか、天下り先もポシャってしまう恐れがあった。

 「いよいよ島流しか」

 「まぁ 部隊を訓練してる過程でほぼ本決まりだっただけに、いよいよきたなって感じだけど」

 「島流しならいいけど、パラグアイとか、ボリビアだったら泣くぞ俺は」

 「新人官僚に行かせろよって気もするがね」

 「どうせなら、木仁弥とかがいいな」

 「今回は、キューバ、パラグアイ、ボリビア、エクアドル、コロンビア、ベネゼエラの6カ国だ」

 「ほぼ全部じゃないか」

 「だいたい、コロンビアとボリビアとベネゼエラは資源があるだろうが、なんで土地なんだよ」

 「日本に土地を譲渡したほうが、豊かになった実績があるからね」

 「あの貧困だったエルサルバドルでさえ、所得が倍増している」

 「資源余りのアルゼンチンも日本への譲渡を検討してるくらいだ」

 「気が重い」

 「海外の荘園と思えばいいだろう」

 「荘園行きならいいが原野じゃな」

 「入植利権があるじゃないか」

 「骨埋める気で行けだし。泣きてぇ〜」

 「だけど、これまでの経験から朝鮮や中国より人当たりがいいらしいけど」

 「あはははは・・・・」 ごくんっ!

 そぉ〜〜〜

 「げっ 原亜州・・・パラグアイ・ボリビアだ・・・」 くら〜

 

 

 日本からコロンビア、ベネゼエラ、エクアドル、ペルー、パラグアイ、ボリビアに10個師団相当の武器弾薬が引き渡され、

 対価の

  グアヒラ半島   苅武市800ku    旧コロンビア領+旧ベネゼエラ領の国境  第26師団

  グアヤキル湾  大洋市800ku     旧エクアドル領+旧ペルー領の国境  第27師団

  パラグアイ流域 原亜州3200ku    旧パラグアイ領+旧ボリビア領の国境  第28師団

 が日本譲渡された。

 既に開発の青写真は出来上がっており、

 そのための下準備も進められていた。

 最大は、内陸でカントリーリスクの高い原亜州で、譲渡面積は4倍に達していた。

 飛行船と入植船団がパラグアイ側を遡ると、物資を次々に搬入していく、

 既に日本国内で部品が作られ、入植船団で運ばれ、現地で組み立てる構造になっていた。

 入植産業は、日本最大の産業に達しており、

 ノウハウが確立され、入植効率は良くなっていた。

 入植は、最初、単身赴任が多く、毎年交替で開発する。

 その後、安全保障が確認され、設備が増えるに従って作業従事者が増え、

 第1次産業、第2次産業、第3次産業で、家族生活者が増えると、入植が本格化していく、

 入植で重要なのは、公共設備が整って利便性がよく、

 日本で働くより、収入がよく、家と土地が大きいことだった。

 そして、伝統的な城郭神社仏閣が定住に欠かせないものになっていく、

 原亜州(3200ku)

 河川運送船が列をなしてパラグアイ川を遡上していく、

 ウルグアイ、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ボリビアの国民は、初めて見る飛行船に度肝を抜かれ、

 夜昼なく延々と行き交う河川運搬船に目を見張った。

 「なんもねぇ 赤い原野じゃないか」

 「でも鳥取県より少し小さいくらいで、ほぼ平地」

 「パラグアイとボリビアとブラジルに囲まれてるのが面白くないがな」

 「まぁ 川が使えるのなら外洋に出られるし問題ないだろう」

 「大いに問題ありだと思うよ」

 「取り敢えず、河川商船用の港湾設備を作って、内陸の開発を進めよう」

 「しかし、60個師団相当の武器弾薬と交換して、さらに開発じゃな」

 

 

 朝鮮半島

 中国軍と米英ソ守備隊が血肉がへばりついて腐った大地で戦闘を繰り返していた。

 中国軍の大群が夜昼なく次から次へと繰り出され、

 米英ソ軍将兵が機銃掃射の弾が尽き、銃身命数が尽きるまで引き金を引き続ける。

 何千万と殺し尽くしても中国軍の勢いは、とどまるところを知らず、

 数十万を殺した戦場の翌日には、数十万の中国軍が死体を乗り越えて押し寄せた。

 米英ソ守備隊は、数ヶ月でノイローゼになる将兵を入れ替えなければならず、

 入れ替えた将兵の大半は、再起不能な状態でフィリピンのサナトリウムに送り込まれ、

 サナトリウムだけが大きくなっていた。

 米英ソ城塞租界は次から次へと陥落し、

 近代的な高層ビルは血塗られた墓標のように思われた。

 ソウル城塞租界が陥落すると、残るは江華島租界と、釜山城塞租界だけとなった。

 中国軍は、1億人くらいの犠牲で朝鮮半島と満州外縁を支配できるだろう。

 といった単純明快な戦略しか持ち合わせておらず。

 そういった中国軍に物量作戦で対抗しようとしても精神汚染させられるだけだった。

 

 大連州(3462ku)

 州庁

 朝鮮半島の戦況が刻々と伝えられていた。

 中国軍の無理攻めは、ヘルシンキオリンピック講和を前提にしているのか、

 大陸全土から強制徴兵した人間を次から次へと送り込み、郷土は女子供ばかりとなっていた。

 「アメリカは負けてるのか」

 「まぁ 日本が輸出した武器弾薬で戦えますし、朝鮮半島の租界は金のなる木ですから」

 「しかし、あまり住みたくないビルだな」

 「まぁ 建て直したくはなりますね」

 「どちらにしろ、アメリカとイギリスは、朝鮮半島利権を失えば、日本商船の自由航行を保障する必要はありません」

 「海外地が心配です」

 「また、中国が朝鮮半島を支配してしまうと、大連州が獅子身中の虫になるので殺されるかもしれません」

 「といっても、中国の人口が回復してからなので30年くらいは戦争できないと思いますが」

 「対中国国境は大丈夫だろうな」

 「国境の堡塁は、半島の米英ソ租界より厚く高くして、堀は深く広くしてますので大丈夫かと」

 「それならいいが中国を支援し過ぎたのでは?」

 「兵器と武器弾薬だけで試算したら中国軍が負ける戦力なんですけどね」

 「人海戦術が兵器と武器弾薬を上回ったのだろう」

 「というよりアメリカ人とロシア人とイギリス人を辟易させるまで流した血と肉の勝利」

 

 

 神籬 飛行船製造工場

 飛行船の自重は120tほどで、積載量も120tほどになった。

 この頃、戦闘機の自重が2800kgに達していたことから、

 42機分のアルミで1隻建造できた。

 しかし、体積は、半端でなく大きく、

 格納庫を含めた整備施設は、大型戦艦の格納庫を彷彿とさせた。

 日本が飛行船の製造に前向きなのは、参戦しておらず、

 物資を空輸するためで、土木建設用だった。

 神籬は、23隻の巨大飛行船を建造し、天候不順と事故で4隻が破損したが、

 残った19隻が開発と建設で役立っており、さらに5隻が建造されつつあった。

 「随分、政府も日銀も気前よく建造させてくれたな」

 「新型は、強化ガラス繊維で丈夫さが増しているし、信頼性も向上している」

 「もう一つは、新領地の開発のほか、戦後再建で各国がレンタルしたがってる」

 「要は、壊れるまで空輸で黒字にしてしまえばいいだけのことで、運次第だ」

 「やはり、木仁弥州の取得が、大きかったかな」

 「というより、日銀を10個に解体しようって提案が効いたかな」

 「ふっ 末尾で0から9までの10行なら日銀独裁はなくなる」

 「まぁ 幸幣で日銀独裁は消えてるから今更って気がするがね」

 「官僚はポスト分けを望んでるし、慌てて気前よくしたって日銀は終わりさ」

 

 

 製鉄所

 高炉 鉄鉱石を溶かして銑鉄を作り、不純物を酸化させる。

 転炉 不純物を取り除き鉄鋼を精製し、

 二次精錬で成分を微調整し、

 連続鋳造で半製品を鋳造し

 圧延で半製品を加工して所定の形状の製品にする。

 鉄は国家なりという定説は、近世において真実で、

 鉄の量が戦争の帰趨を分けた。

 大戦中、アメリカと日本は、外交戦略で敵対視しつつも国際分業が進んでいた。

 これは、アメリカが取引しなくても、中国の鉄鉱石が日本へ鉄鉱石が流れていたからで、

 アメリカが取引しなければ別の国と、同盟に有利になる取引がされる可能性が高まっていたからだった。

 日本の製鉄所増設に伴い所有できる鉄鋼材は増大する。

 戦前、弱かった高炉は、戦中、徐々に増強され、

 大量の銑鉄を製造できると、アメリカから鉄鉱石が流れ込み、

 半分を鉄鋼やコークスで送り返したり、

 鉄鋼やコークスを半製品にまで加工してアメリカへ送り返すなどしていた。

 多くは、金に任せて買い取って送り返されたが、

 生産が増えるほど、日本の取り分も確実に増え、鉄鋼材は日本や海外地の公共設備や設備投資となった。

 幾分かは、兵器・武器弾薬として諸外国へと輸出され、

 日本の国際的地位を押し上げ、アメリカは中立国の市場を失っていく、

 この国際分業は、アメリカの相対的な地位を押し下げた。

 しかし、日本の鉄生産を無視すれば、戦力差が悪化するジレンマに立たされ、

 取引益を含めて破壊するなら日本と戦争するしかない状態に陥っていた。

 むろん、大インフレの戦後を収束させる手立てで、

 幸幣の高騰で紙幣を吸収する目論見があることから断念せざるを得なかったものの、

 日本の生産力は、ドイツに並び、

 アメリカは、日本が鉄鋼代用のガラス繊維生産に気づいたとき、

 日本のガラス繊維は、品質と価格と生産力で世界の市場を独占できる産業を構築していた。

 

 木仁弥州+雲州島

 南米諸国の新領土会得は、相乗効果で木仁弥州、特に雲州島、瑞森市の開発に寄与した。

 これまで、新領土には、比較的小型の製鉄所が建設されてきたが中型製鉄所に増設され、

 州内需要だけでなく、他の日本海外地へも輸出できる規模になろうとしていた。

 雨が降り続く中、機材が組み立てられていく、

 「中型製鉄所建設は、本国がぶすくれてたよ」

 「東アジアの本国の粗鋼ばかり頼っていられない」

 「それにブラジルは鉄鉱石が大きい」

 「雲州で鉄鋼を作れるなら本国と分業だってできるだろう」

 「そうなったら、欧州の戦後再建需要で設備投資の元が取れるし、儲けられそうだ」

 「そういや、神籬が石油があるんじゃないかと探してるようですが」

 「じゃ 自立がまた一歩近づくわけだ」

 

 

 雲州に大型の木造建築が作られていた。

 仙堂春和と角浦秋和が直接関わって建てたもので、

 木だけでなく、岩なども並べ替えられ、新しい様式の石畳が組み合わされていた。

 文化財指定になりそうな家だったが、新婚家庭が住んでいた。

 土砂降りの雨が屋根を叩くと心地よい音色となってひさしを降り落ち水路へと流れていく、

 この手法は、最初、台湾で取り入れられ、

 熱帯雨林型の家屋として国際的にも評価され、世界中で建設されていた。

 この家は、その中でも群を抜いて良作だった。

 椎葉豊彦(24歳) × 椎葉(角浦)青葉(20歳)

 「ジメジメと思ったら涼しい」

 「熱帯雨林でも山岳地だもの」

 「僕は、それほど、木工は得意じゃないんだけど」

 「木工関係は私がやるわ」

 「よく、君と、結婚できたと思うよ」

 「こっちは、なるべく、あなたのそばにいたつもりだけど」

 「いつ、結婚を申し出てくるか不安だったわ」

 「それは悪かったね。でも財閥や華族の息子たちが君に会いに来てたし」

 「玉砕覚悟だったって事ぐらい察して欲しいな」

 「そう。よく頑張ったわ」

 「だけど、条件が海外地に住むことになるとは思わなかったよ」

 「10年に一回ぐらい本土に帰れるわよ」

 「あはははは・・・島流し・・・お、お父さんとか兄弟とか、心配しないのかな」

 「お父さんが来るはずだけど神籬とか、木工12ギルドの押さえで、どうしても日本にいなければならなかったの」

 「芳樹と、一樹君は、後継で日本を離れないほうがいいし」

 「智樹君と冬樹がたまに来て手伝ってくれるはずよ」

 「やっぱり、木工が大変なんだ」

 「私たちがちゃっちゃかやったほうが、神籬で長年研究するより早いのよ」

 「なんか。超越し過ぎて・・・」

 「でも君が来たということは、かなり期待されてるんだ」

 「木工産業じゃ 台湾を超える」

 「台湾の方が広いのに」

 「自由になる熱帯雨林で広いのは木仁弥州だもの」

 「でも、海外地で上手くやっていけるのかな」

 「人と土地が、上手くやっていけるかは、人と木が縁を結べるかだもの」

 「新説だね」

 「本当のことよ」

 

 

 

 華厳ヶ関 新総理官邸

 遷都宣言は、まだ出されていなかったものの、

 主要な行政府機関は移動していた。

 日本銀行分割案

  華厳0銀行    東京1銀行    大阪2銀行    名古屋3銀行   岡山4銀行

  福岡5銀行    富良野6銀行   台北7銀行    大連州8銀行   雲州9銀行

 「別に地域で分けず、10行を華厳に集めてもいいような気がするが」

 「まぁ いちいち中央に来てというのも面倒ですし」

 「しかし、木工12ギルドの圧力で日銀解体とは、哀れな気もするな」

 「官僚ポストを増やせるのも大きかったですからね」

 「目的は、日本が10銀行制に移行すれば、アメリカのFRBも圧力を受けるだろう」

 「FRBの独占をなくせば、意図的な不況は起こせまい」

 「まぁ そうですが」

 「紙幣発行の監視は、大丈夫なんだろうな」

 「一応、政府、各銀行、議会で代表を送ってますし」

 「末尾数字が違うだけで通し番号ですので異常発行があれば気づきやすいかと」

 「人口定数発行枠。産業資本収益発行枠。銀行自主発行枠。銀行間調整発行枠」

 「政府折衝発行枠。議会折衝発行枠が決まってますので」

 「しかし、こうなると、幸幣は11番目の銀行になるわけか」

 「なんにしても日銀分割で、木工12ギルドの発言力が強まるわけだ」

 「そういや、任那州の代表がむくれてましたよ」

 「そりゃ 任那州は早かったが、面積もあるしな」

 「面積なら漠砂州なんですけどね」

 「投資が莫大でも人口が少なすぎる、金。いらんだろう」

 「日本の生命線を押さえてるなら、亜羅州なんですけどね」

 「亜羅州に紙幣発行させたら逆に怖すぎる」

 

 

 48年8月15日

 交戦国はフィンランドのヘルシンキオリンピック開催を機に休戦状態に入った。

 ヘルシンキ・オリンピック講和会議は、

 日本が40年東京オリンピック、44年名古屋オリンピックで意地を見せたせいか、

 国際社会で価値が高められ、

 且つ、交戦国の意地で、国際連盟を無視して講和会議が開催される。

 オリンピック開催と同時並行で講和会議が行われ、講和調印が行われた。

 停戦した戦線がそのまま国境線となり、同盟と連合は痛み分けの状況になっていた。

 ヘルシンキオリンピック講和条約調印式典

 各国代表たち

 「たくぅ アメリカ、イギリス、ソビエトで、国際連合を立ち上げようとしたらドイツ、イタリア、中国で国際同盟を立ち上げようとするし」

 「日本、インド、東南アジア条約機構、中東諸国、南米諸国は反発するし、やれやれだ」

 「それに戦争が終わったと思ったら中南米どころか、南米、中東まで軍事的に独立かよ。マジむかつく」

 「残った兵器と武器弾薬を後進国に売ってやろうと思ったのに、くそっが!」

 「やれやれ、日本が一番得したみたいだな」

 「いえいえ、仕事が多くて、国民は過労死寸前ですよ」

 「「「「「どんだけ働いてんだよ!」」」」」」

 「ちったぁ 遊べよ」

 「そうそう、海外地だけじゃなく、中米、南米、中東、東南アジアまで近代化させてるだろう」

 「幾ら、お金を配ったらそうなるんだ。信じられん」

 「ていうか、そんな優秀な労働者がいるなら、よこせ」

 「何のために海外地を増やしてると思ってるのです?」

 「日本文化で育っていない日系人に日本人と同じようなモラルや勤勉勤労は得られにくいですよ」

 「このガラパゴス野郎・・・」

 「国柄や民族性がないと面白くないでしょう」

 

 

 朝鮮半島

 アメリカ軍は休戦までに仕掛けた地雷を有線で爆発させたことで中国軍を吹き飛ばし、

 南半分を回復していた。

 アメリカ、ソビエト、イギリスは、戦後、朝鮮共和国の再建を試みるも既に資金が尽き、

 中国も北半分を占領したものの、再建する技術力も資材もノウハウもなかった。

 米英中ソは、半島を租界支配する取り決めをし、

 朝鮮共和国は、統一した状態が残される。

 朝鮮共和国 (21万6823ku)

 北半分の租界を押さえる中国協商保障領7パーセント、

 南半分を共同租界で押さえる米英ソ同盟保障領8パーセント、

 アメリカ3パーセント、イギリス3パーセント、ソビエト2パーセントとなった。

 専有面積に換算すると

 北朝鮮域 中国1万5177ku

 南朝鮮域 アメリカ6504ku。イギリス6504ku。ソビエト4336ku 合計16823kuとなった。

 日本は、廃墟となった北朝鮮や南朝鮮の再建に手を貸すことがなくなり、

 日本に石油や鉄を輸出すればなんでも言う事をきく構造が消えていた。

 

 

 日本

 戦争が終結すると欧州再建需要が高まり、日本への発注が増えていた。

 対価の資源が日本に流れ込み、設備投資で工場が建設されていく。

 天皇が華厳の皇居に移動すると、江戸城再建と高層ビルの建設ラッシュも始まる。

 高層ビルの補助金は莫大で、平地の平屋を購入するより割安になり、

 富の象徴というより、金の成る木となった山の保全を目的にしていた。

 300m級80階建て高層ビル

 関係者たち

 「眺めはいいな」

 「しかし、日本は、日照権の問題があるな」

 「日照権を考えず建てられそうなのは、砂漠でしょう」

 「砂漠か・・・」

 現地と本国の間で何度も報告書と計画書が行き交い修正した開発モデルが作られていた。

 「漠砂州に1000kmほどの入江を作って、高層ビルを建てるなら歓迎されそうだが」

 「袋小路に海水を流し込むのは感心しない」

 「淡水プラントで工業用水、緑化、飲料水で消費するから内陸に向かって流れるのは変わらない」

 「金かかりそうだな」

 「しかし、完成すればポルトガル並みに発展させられそう」

 「漠砂州は、地中海の袋小路なのが問題だよ」

 「結局、イギリスは、ジブラルタルとスエズを守り切ったからな」

 「いや、エジプトは、たぶん、スエズを国有化するよ」

 「そうなったら、イギリスは中東からも追い出されるな」

 「代わりにユダヤ人の入植が始まってる」

 「漠砂州が攻撃されそうだな」

 「いや、漠砂州はアラブ・イスラムを分断している」

 「逆に言うならアラブ・イスラムを分断するために日本の漠砂州入植を許した節もある」

 「そういう裏があるのか」

 「予定より、日本の入植域が近代化してしまって戸惑ってるらしいが」

 

 

 

 朝鮮反日第5列師団

 “日本人に成り済まして悪いことして、日本人が日本と日本人を嫌いになる作戦週間”

 反日作戦会議

 「今日のイケナイこと予定を報告するニダ」

 「祭りの朝鮮パチンコにトモダチを誘って廃人5人を目標ニダ」

 「日本人の射幸心を煽って中毒にして人間失格にしてやるニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ

 「小さな子供にいたずらして心に深い傷を追わせてやるニダ」

 「きっと、人間を憎むようになるニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ

 「隣り合った家に生ゴミを投げ込むニダ。隣同士の家を仲違いさせてやるニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ

 「貧乏人を貶して差別してやるニダ。お金持ちを憎ませてやるニダ」

 「きっと、共産主義者になるニダ。愛国革命戦隊の仲間になるニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ

 「自作自演で犯罪を共演して、キャリア警察に手柄を立てさせてあげるニダ」

 「警察にコネを作って、浸透してやるニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ

 「殺し屋するニダ。資本家や共産家の弱みを握って、ポストを貰うニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ

 「これだけやったら、日本人が日本人を嫌いになるニダ」

 「反日日本人をたくさん作るニダ」

 「日本人は、プライドやしがらみで雁字搦めニダ」

 「朝鮮人は、自尊心以外に失うものがない強さがあるニダ」

 「負けたと思わない限り、負けないニダ」

 「「「「アイゴー」」」」

 パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ パチ

 

 

 フィリピン

 戦争による精神障害を回復させるため戦場と違う気候は好都合で、

 サナトリウムの建設が急がれていた。

 収容人員は150万人に達し、

 戦争が終結しても長期療養の将兵たちが残されていた。

 アメリカ本国に知られたくない症状もあって、

 日本人が高給で雇われ療養を助けることも増えていた。

 医療関係者たち

 「日本料理は、いい効果があるようだ」

 「じゃ 日本人の料理人をもっと雇うか」

 「段々 賃金が高くなってるが」

 「国民に金を渡すと、言う事を聞かなくなる」

 「外国人に金を渡すと、アメリカ企業から買ってくれるから企業収益になる」

 「アメリカ資本の考えることはその程度のことだよ」

 「資本主義か。利己主義と拝金主義は、国民を殺してしまうな」

 「だけど、期間に年月が掛かりすぎると、家族が煩くなる」

 「しかし、症状がも少し良くならないと、この状態で帰還させると、いろいろまずい」

 「凄まじい戦場だったんだな」

 「軍人を中心に厭戦機運が高まるわけだ」

 「まぁ 不況が終わって別の職業も増えてるし、軍需関係は小金も溜まってる」

 「金貰ってもやりたくないこともあるさ」

 「しかし、中国人相手にこれだけ梃子摺るなら、日本軍はもっと強いだろうな」

 「いや、日本は兵民分離が進んでる」

 「守備隊を除くなら、攻守で使える日本師団は29個で中国軍の10分の1以下だ」

 「兵力で火力戦を補えないならアメリカ軍が有利だよ」

 「じゃ 先に日本を叩くほうが良かったわけか」

 「まぁ そんな気もする」

 「ふっ 日本に上手く立ち回れたな」

 

 

 漠砂州

 日本人50万人が開発作業に従事していた。

 緑化が進み、高層ビルの建設が進められていく、

 高層ビルの南斜面は集光用の鏡張りで、

 光熱を集めると海水を蒸留し、大量の飲料水を作り、

 北側に大きな日陰を作った。

 この独特な高層ビルは、欧米の注目を集め観光客を呼び寄せた。

 トブルクの港では式典が行われ、

 フランス艦隊の砲口から封印が剥がされ、ヴィシーフランスへ帰還していく、

 まだ、ヴィシーフランスの戦後は、ドイツの影響下にあったものの、

 ドイツは戦後再建に掛かりっきりで、ヴィシーフランス支配どころではなく、

 イタリアも国内経済をどうにかしないと革命が起こりかねない情勢になっていた。

 地中海情勢は、ジブラルタルのイギリス。スペイン。ヴィシーフランス。

 イタリア。ドイツ(ギリシャ)。トルコ。ヴィシーフランス。ユダヤ。

 イギリス保護国エジプトと、日本の漠砂州が拮抗し、

 イタリア領リビアとヴィシーフランス領アルジェリアは、独立運動が盛んで、危険な状況に陥っていた。

 漠砂州 州庁

 「情報部が集めた資料を確認するならドイツ、イギリス、フランス、イタリアは、戦争で疲弊しきってる」

 「回復するまで、20年以上、必要らしい」

 「回復するというのは、戦争できるまでってことか」

 「有り体に言うと最後通牒を突きつけられるまでなので、そうです」

 「アメリカは?」

 「アメリカも朝鮮半島で大量の兵員を失っている」

 「しばらく、戦争できない勢力が議会を支配するだろう」

 「じゃ 20年以内に漠砂州の開発を進めれば、自立しやすいってことか」

 「ほかの海外地も同じことを言ってたよ」

 「海外地も増えたし、開発費は、天文学的な金額になる」

 「逆に言うと、お金持ちが増えるってことじゃないか」

 「設備が残った状態で、インフレになるから大丈夫だろう」

 「幸幣を高騰させれば紙幣を吸収できなくはない」

 「結局、木工12ギルドにお金が流れるのね」

 「「「「あはははは」」」」

 

 

 旧レーニングラードは、ネヴァ川の北がドイツ領サンクト・ペテルブルク州となり、

 南がソビエト領レーニングラードとして残った。

 ドイツが戦線を守れたのは致死量のウランを散布したからで、

 東部戦線でも致死量のウラン散布地が国境の代わりになっていた。

 ウランは土を被せ、コンクリートを敷くことで弱めることができたが、その分だけ再建が遅れた。

 北欧道から来た日本の建設会社がサンクト・ペテルブルク市の再建を手伝っていた。

 ドイツ領ドイツ領サンクト・ペテルブルク州(2300ku)

 北欧系の建物は、東北・北海道・南樺太で既に建設が試され、

 修復は、それほどむつかしくなかった。

 日本人たち

 「まさか、ドイツがレーニングラード守り切るとは思わなかった」

 「東部戦線も東プロシア、ポーランド、ルーマニアのラインを守ったし」

 「オリンピック前の大攻勢は激しかったんだけどな」

 「極東のハバロフスクとウラジオストックが陥落しそうで、兵員不足に陥って増援が集まらなかったらしい」

 「ドイツは中国参戦に救われたわけか」

 「東アジアの盟主の座を中国に持っていかれるな」

 「東南アジア条約機構も意気盛んだし、日本は、講和で国際連盟を外されてイマイチって感じか」

 「しかし、北欧道が南のドイツと北のフィンランドに挟まれたわけだから悪くはないな」

 「どうだか。北欧道の価値が低下してるような気もする」

 「でも、なんだかんだで、北欧道は、死に石から生き石になったんじゃないか」

 「どうだかね。各個撃破の多少な気もするが」

 「むしろ、ドイツが味をしめて、中国の支援を継続しそうで嫌だな」

 「そういや、旧式化した艦艇とUボートを中国に輸出するとか」

 「嫌な国だ」

 「まぁ 中国は希少金属があるからしょうがないだろう」

 「日本も中国の希少資源がないと今後の国際競争力が不安になってくる」

 

 

 

 アメリカ合衆国

 戦争が終わると帰還が始まる。

 アメリカ軍将兵の9割は、極東の戦線に投入され、

 南ノルウェーや北アフリカ戦線は、アメリカ軍の主力ではなかった。

 極東でも欧州でも勝利したわけではなかったが、

 ドイツ軍や中国軍の侵略を食い止めたことにかわりなかった。

 将兵が輸送船から降りると紙吹雪が舞い、凱旋パレードが行われた。

 ビルの一室

 「随分、華やかだな」

 「46年以降は、ドイツ本土爆撃の被害が大き過ぎて、ゲリラ爆撃になっていた」

 「華やかにやらないとやりきれないよ」

 「F80シューティングスターの航続力が、もう少しあればドイツ本土爆撃で役に立ったのにな」

 「開発中のF86セイバーは、もっと、航続距離が短い」

 「最悪、欧州と極東に拠点を維持できたのは救いだ」

 「それにユダヤのパレスチナ移民も進んでる」

 「しかし、本命だった朝鮮半島があれでは・・・」

 「くそぉ 蒋介石め、日本人の言うことを真に受けやがって」

 「やはり、中国参戦は、日本の後押しがあったと?」

 「契約で、武器弾薬の供給を約束していた。というより双方合意だ」

 「妙な言い回しだな」

 「互いにケレン味のある交渉はするだろうし」

 「誘ったのか、誘われたのかなんて曖昧な部分を追求したってしょうがない」

 「結果で推測すべきだと思うね」

 「確かに。戦後、気がついたら後進国は10個師団相当の戦力で自衛し」

 「日本は世界中に拠点を作り」

 「日本の工業生産量がドイツを抜いていたっていうのは面白くない」

 「朝鮮半島は、南半分でも日本を焼け野原にできるんだろう」

 「出来るかもしれんが、海外地が力をつけつつある」

 「日本と戦争になったら、通商破壊の被害は、ドイツ以上になるだろう」

 「しかも今後20年から30年は戦争できそうにない」

 「しかも完全勝利からかけはなてるから、戦後は軍縮が強くなりそうだし」

 「なかなか、手強いですな」

 

 

 

 重慶

 日本・ドイツ共同租界は、戦争中拡大を続けた。

 そして、ドイツ人と中国人。日本人と中国人の混血たちが教育を受けていた。

 そういった交流は戦争のどさくさに行われ、

 日本やドイツに引き取れない場合が多く、

 さりとて、放置するわけにも行かず、

 ドイツ風・日本風の教育が行われていた。

 血縁は、次第に中国の権力層にまで達していた。

 日本語とドイツ語ばかり習い、中国語の話せない混血も急速に増えていく、

 彼らは、自らを陽華人、騎華人と名乗り、客家の真似をして系図を作り始めた。

 彼らのたまり場が租界で、戦後、日本とドイツから製品流れ込み、

 経済基盤が大きくなると、さらに租界を拡大させた。

 

 商工会議室

 取引が終わると客人が帰っていく、

 「客家は嬉しそうだな」

 「少数民族だから主要民族が減ったほうが嬉しいだろうさ」

 「しかも、残ったのは女ばかり」

 「だけど、ほかの少数部族も駆り出されて殺されてるだろう」

 「おかげで日本人が張り込みやすくなってるわけだが」

 「あはははは・・・・」

 「何はともあれ、戦争が終わってやれやれだな」

 「これで航路の安全は確保できるし、安心して貿易ができる」

 「そういえば、ドイツが三峡ダム建設を引き受けることになったらしい」

 「じゃ ドイツに資源が流れるな」

 「だけど女ばっかりで、男手が少ないだろう」

 「そういや、ドイツも男が少なそう」

 「ソビエトもだよ」

 「集計だと、満州外縁と朝鮮半島で中国人が1億人くらい死んだらしいよ」

 「ロシア人とアメリカ人は?」

 「300万から600万くらいだそうだ」

 「中国は、二桁違うな」

 「ていうか。国民党幹部の話じゃ 内戦で1億死ぬより、敵と戦って1億死んでくれた方が得だったらしいけど」

 「凄すぎて何も言えない」

 「俺たちは大丈夫なんだろうな」

 「中国がアメリカとイギリスとソビエトを敵に回した以上。日本人とドイツ人は味方だよ」

 「どうだか。客家はユダヤ人と、接触したらしいけど」

 「なに? 喧嘩したんじゃなかったの?」

 「殺し合ったのは、異邦人どうしだから」

 「まぁ それでも戦後にすぐ接触とは・・・」

 「立場が似てるから話しが合うのだろう」

 「どういう教育をしたら、ああいった系譜を主軸にした勢力が出来上がるのやら」

 「日本なら皇族と家族の系譜だろう。華族なんて、皇族の遠い遠い遠戚がゴロゴロらしい」

 「たしか一度でも縁戚につながると系譜をしっかり作り始めるらしい」

 「そういや、閨閥ハズレの仙堂家と角浦家の長男と長女が結婚したそうですよ」

 「やっぱりくっついたか」

 「いや、別々に一般の家庭とですよ」

 「仙堂家も角浦家も閨閥に入らなかったのか。どうなってんだか」

 「まぁ あと、二人ずついるので構わないんじゃないですか」

 「仙堂家の方は長男なのに?」

 「まぁ あそこは子供6人とも木工細工の才能がありますし、何を考えてるのかわかりませんよ」

 「一般家庭と結婚しても財産が減るだろうに」

 「しかし、仙堂家も角裏家も、子供たちが稼いで、財産が増えてますけどね」

 「成金は一代限りと思ったが、あの一族は違うのかね」

 「まぁ あまり血縁主義になってもどうかと思うがね」

 

 

 中南米 イギリス領ベリーズ

 任那から機関車が到着し、木工細工、日用品、電化製品が降ろされ、

 木材や資源が積み込まれていく、

 ベリーズの生活水準は、この取引の繰り返しで急速に向上していた。

 利便性が増すに連れ、イギリス資本家の進出も少しずつ増え、

 周辺の中南米諸国と変わらないが生活物資に溢れ出した。

 日本を含めた中南米8ヵ国不戦条約機構は、宗主国のスペインとの結びつきを強めつつあり、

 イギリスも、アメリカとドイツに挟まれている境遇から抜け出そうと、

 日本やスペインと連携を望む層も増えており、

 ベリーズ進出は、そういった外交戦略上の要になっていた。

 イギリス情報部ベリーズ支部

 「日本の任那州拡大は大したものだ」

  1930年 任那州 フォンセカ湾 ニカラグア領地コシグイナ(400ku)

  1932年 任那州 フォンセカ湾(1200ku) 4カ国不戦条約により拡大

             ニカラグア(400ku)+ホンジュラス(400ku)+エルサルバドル(400ku)

  1934年 任那州 中米7カ国不戦協定調印 (2400ku)

                任那。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。

                     コスタリカ、グアテマラ、パナマ、

             フォンセカ湾(1200ku)  旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領

             旧コスタリカ領 ココ(瓜生)島 (46.6ku)

             ブリカ(中ノ鳥)半島 (753.6ku)  旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)

             旧グアテマラ(沖ノ浜)領(400ku)

  1942年 任那州 中米8カ国不戦協定調印 (2800ku)

                任那。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。

                コスタリカ、グアテマラ、パナマ、メキシコ

             フォンセカ湾(1200ku)  旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領

             旧コスタリカ領 ココ(瓜生)島 (46.6ku)

             ブリカ(中ノ鳥)半島 (753.6ku)  旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)

             旧グアテマラ・メキシコ(沖ノ浜)領(800ku)

 「任那は、1930年の入植当初、日本本土の代理店で倉庫だった」

 「その後、10年間は下請け組立企業となっていったが」

 「40年以降は、発電所と製鉄所を有す、工業地帯へと変貌している」

 「むろん、日本からの工業製品は、圧倒的だが、携行兵器程度は生産でき、自衛できる工業力に育っている」

 「いまは、300m級の高層ビル8棟が建設されつつある」

 「日本人が高層ビルが好きとは思わなかった」

 「最大の理由は、任那が狭いこと、そして、赤道に近いと日照権の問題が弱くなってね」

 「むしろ、日陰が欲しいから建設してくれ、らしい」

 「しかし、赤道に近い土地で近代化ってあるのか」

 「現に近代化してるだろう」

 「日本と取引を増やせば、ベリーズにも高層ビルを立てることができるわけか」

 「今のところ、日本と取引できそうなのは工業用ダイヤくらいだが」

 「中東の石油を抑えられたのが痛いな。まさか、アメリカの油田より大きいとは」

 「たぶん、イラク、イラン、サウジアラビアも石油を日本に輸出して近代化するだろう」

 「結局、我々やアメリカが使った手を中東諸国も使えるわけだ」

 「日本にエネルギー自給の動きは?」

 「秋田沖で海底油田を掘削しているらしいが、それを除けば水力発電、風力発電、火力発電を増やしてるだけだな」

 「万が一でも石油が出たら手がつけられなくなるな」

 「金をばら撒いて妨害するにしても限度があるよ」

 「日本の軍事力って、どの程度?」

 「戦前の艦艇は売却されるか。解体されつつある」

 「33000t級瑞鶴型空母6隻。8000t級大淀型巡洋艦40隻が主力だ」

 「しかし、水上艦艇は、あまり気にしなくてもいいだろう」

 「怖いのは4700t級黒龍型潜水艦300隻だな」

 「戦争が始まればXX1型を改良した2500t級潜水艦を大量生産するだろう」

 

 

 箱のモノは天下り先で利権の一つだった。

 日照権の問題は、箱モノ叩きの切っ掛けになりやすく、

 対応策として赤道に近い高層ビルの建設が増えていく、

 南太平洋の箱モノ建設は、天下りよりも野心的な側面が強く

 船を使って資材を運べるため輸送が割安で、取得費用はなく、日照問題もなかった。

 なにより人目につかないことが話題になることを避け、

 国防戦略上の分野に誤魔化すことができた。

 完全自給自足タウン型ビルで世界最大規模の巨大箱モノが環礁に建設する構想が生まれ、

 ポナペ島の環礁でボーリングが行われ、地盤が確認されていた。

 関係者たち

 「老後は南の島で悠々自適は悪くないか」

 「何棟建設するの?」

 「取り敢えず建設して、試金石にすればいい」

 「中継の島だし、タウン型ビルだから生産力も高い。誰も住まないとか、最悪の事態は避けられるだろう」

 

 

 

 

 東南アジア条約機構

 タイ王国。ベトナム帝国、ラオス、カンボジア王国。

 マレーシア、ビルマ。インドネシア。シンガポール。

 8カ国の代表がバンコクに集まって会議が開催される。

 代表権は、タイ王国で、

 日本・中国・ドイツ・イタリア・アメリカの代理人がオブザーバーとして参加していた。

 「東南アジアは近代化するのかな」

 「資源は心配ない。軍備もそこそこあるし」

 「あとは、教育と、行政機関だと思うね」

 「それが乏しいのが問題なんだろう」

 「少しずつ整い始めてるよ」

 「日本を例に上げると、明治維新から80年で、今の日本だ」

 「いやいや、邪馬台国からの歴史があるし、培ってきた伝統や文化が土台になってる」

 「江戸時代でも欧米列強に負けない文化水準はあったよ」

 「日本は、タイ王国に足場あるようだが」

 「独立を支援したからでしょう」

 「おかげでフランスとイギリスとオランダは涙目だな」

 「アメリカは、東南アジア条約機構に参戦せずで交易にありつけたわけか」

 「国際外交で分別なく敵を増やすのは、馬鹿野郎のすることだからね」

 「しかし、日本ばかり発注が行くのな」

 「男手が余ってますからね」

 「「「「「・・・・・」」」」」 憮然

 

 

 

 戦後、日本のガラス繊維の軍機が解かれ、欧州再建で大量に使われだした。

 設備投資の回収が必要なことから高額だったガラス繊維は、徐々に安上がりな資材になり、

 民間資金でも大量に発注できるようになり、

 日本産業基盤は、さらに増大していた。

 イギリス

 日本人たち

 「自国民に金をばら撒いて、産業を立て直せばいいのに」

 「そんなことしたら成金が増えて利権が破壊されてしまう」

 「日本も神籬と木工12ギルドを母体にした新勢力が薩長閥系産業を押しのけて急成長して旧財閥の力を縮小させてる」

 「イギリスが格差を維持するなら国民に金をばら撒くのでなく、日本企業に発注する方がいい」

 「日本企業に金を渡しても回収するのはイギリス資本だからね」

 「ふっ 利己主義と拝金主義に陥った資本家は、どうにかしたほうが国家と国民の利益になるな」

 「どうにか。の部分が怖いよ」

 「あはははは」

 

 

 関東平野

 地下鉄、上下水道、通信ケーブル、送電ケーブルが網の目のように張り巡らされようとしていた。

 三つを統合したことで地下開発は、合理的で容易になっていった。

 地下鉄が都市間だけでなく、空港と港湾を結ぶようになると利便性が増していく、

 地上に出ると、厚木基地が広がっていた。

 深緑色の機体に日の丸が描かれたMe262戦闘機が飛び立っていく、

 「ジェット時代になったら機体表面が高くなるから木製はなくなる」

 「ようやく、鉄鋼業の時代になると思ったら、強化ガラス繊維も増えるとはね」

 「それ以前に、半島勢力が大きく変わって、西日本側に資本が流れ始めてる」

 「朝鮮共和国は、米英ソ共同租界が残ってるし。B29爆撃機には核爆弾が搭載されてる」

 「安全になったわけじゃないんだけどな」

 「それでも今後10年くらいは戦争にならないと感じ始めてるんだろう」

 「せっかく、東北、北海道、南樺太に北欧系の建物が建ち始めたというのにな」

 「それより、エンジンの調子は?」

 「エンジン構造の独自開発は4社で進んでますよ」

 「耐久時間は100時間を超えましたし。冶金も、もうじき追いつくと思いますよ」

 「耐久時間は、最低でも400時間から600時間くらいないと、大量配備は不可能だな」

 「後進国もジェット戦闘機を欲しがってますよ」

 「まぁ 輸出してやってもいいんじゃないか」

 「軍機なのに?」

 「今は少しでも資源を手に入れて工場を大きくしないと」

 「それは、それとして、ジェット艦上機用空母をどうにかしたい」

 「ドイツと共同開発できるのでは?」

 「それだけが救いだな」

 「昔と違って北欧道と漠砂州の安全保障も高まってるし、ドイツと連携しやすい状況ではあるけど」

 「ドイツは、疲弊してるだろう」

 「日本で89式戦車、95式戦車出来て」

 「97式戦車、1式戦車、2式戦車、3式戦車をライセンス生産できたの」

 「ドイツが第一次世界大戦後、疲弊してる時、助けたからだろう」

 「柳の下にってやつか」

 「海外地会得の原動力にもなったじゃないか」

 「あと中国参戦は、日本の戦車を手に入れたからだ」

 「そうだっけ」

 「そうだよ」

 「まぁ 遠交近攻は外交戦略の基本だし、しょうがないか」

 

 

 

 グアヒラ半島 

 日本領苅武市800ku (旧コロンビア領+旧ベネズエラ領)

 そこは、ベネズエラ湾に面した北辺の東西に細長い領地で、マラカイボ湖に蓋をしていた。

 新設された第26師団と後備工兵師団6個が上陸すると開発が始まる。

 日本の苅武会得は、マラカイボ湖のベネズエラ油田と関わるため、

 アメリカ政府と資本を刺激したものの、アメリカ国民に戦意はなく、

 直接、国土を侵犯され攻撃でもされない限り戦争に至らないと思われていた。

 むろん、いつまでもというわけでなく、

 アメリカ軍が回復するまでの年月であろうと思われていた。

 15万人を超える開発と建設が行われた。

 日本から商船が到達する事に造成が進み、

 発電所、港湾、空港、上下水道、工場、街が整備され、ビルが建てられていく、

 貧乏くじを引いた官僚たち

 「コロンビアもベネズエラも軍事的な独立のためとはいえ、気前がいいと思ったが、砂漠みたいなとこだな」

 「どうせ、日本とアメリカが戦争すれば漁夫の利とか考えてると思うね」

 「まぁ 確かに矢面だ」

 「流石にキューバは怖すぎて手を出せなかったが」

 「むしろ、キューバに軍事基地建設を誘われた節もある」

 「なんで?」

 「アメリカが軍事力を維持するため」

 「御免被る」

 「それはそうと、ドイツ資本も来てるぞ」

 「落ち着いたら、ドイツ艦隊も砲艦外交で来るんじゃないか」

 「戦後だっていうのに忙しないな」

 「南米の反米感情は強い。ドイツが利用しない手はないよ」

 「戦後再建のため旧式の兵器と武器弾薬も売るはずだ」

 「じゃ ドイツ製の兵装で軍事的独立を果たした後進国は、そのままドイツ製に移行しやすいか」

 「ライセンス料を考えると競り負けるな」

 「ドイツは国家財政の債権もあるし。賃金格差でどうにかなりそうだろう」

 「じゃ 戦後は日本の一人勝ち?」

 「どうだろう。海外地の出鱈目な開発費を考えると。老後のインフレには泣くよな」

 

 

 

 

 

 東京

 国際連盟

 「日本は国際連盟の本部理事国ニダ」

 「・・・・・」

 「国際連盟の本部理事国が、隣国の朝鮮共和国と国交断絶なんておかしいニダ」

 「・・・・・」

 「日朝国交を回復するニダ」

 「・・・・・」

 「なぜ、目を背けるニダ」

 「・・・・・」

 「なぜ、明後日の方向を向くニダ」

 「・・・・・」 ため息

 「まっすぐ前を見て、現実を直視するニダ!」

 「・・・・・」 ため息 

 「朝鮮共和国は、独立国ニダ!」

 「連盟本部常任理事国は加盟国と国交を回復する義務があるニダ」

 「・・・・・」 ため息

 「日本人は朝鮮人を差別してるニダ!!!」

 「・・・・・」 ため息

 「なぜ、大きなため息をつくニダ!!!!」

 「・・・・・」 ため息

 「もし、日本が朝日国交樹立しないなら、韓国は国際連盟を脱退して国際連合に行くニダ」

 「本当に?」

 「本当ニダ」

 「是非、脱退してください」

 「・・・・・」

 「是非、連盟を脱退して、国際連合に行ってください」

 「あ、あ、いや、そういう意味ではないニダ」

 「では、脱退ですね」

 「い、いや、今のは違うニダ」

 「朝日国交樹立して欲しいという意味でいったニダ」

 「いや、朝日国交樹立しないから、脱退してもいいですよ」

 「違うニダ。違うニダ。朝日友好は、大事といっただけニダ」

 「国際連盟は脱退しないニダ」

 「・・・・・」 ちっ

 朝鮮人たちが去っていく、 

 「半島が南北に引き裂かれたのに朝鮮人は、相変わらず元気ですね」

 「都市の中核を奪われてるけど、一応、統一国家だよ」

 「米英ソの朝鮮政府への干渉はどうなるのでしょうか」

 「勝手に戦争はさせない。ただ、租界で労働力を得て、生産品を本国に運んで富を得る」

 「まるで家畜か何かですね」

 「米英ソ連合が作ったシステムがそれだからね。中国も便乗したんだろう」

 「日本がそうならないことを祈るばかりだ」

 「そういう状態で、日本と国交を結びたいんですね」

 「見かけが似てるからな。まともに生き残る術は日本人に成り済ますしかない」

 「彼らは、利己主義だし拝金主義で、利口から馬鹿までいろんなレベルがいる」

 「自尊心が強すぎて、外罰的だから組織を形成しても格差が広がりやすく、上手くいかない」

 「しかし、根底の愛国と民族で繋がっている」

 「日本人は、内罰的なところがあって組織を形成しやすい」

 「権力構造も、議会、省庁の派閥と、軍需、木工、ゼネコンを中心にした企業の利権の連合が中心だ」

 「口で言うほど愛国と民族で繋がってる者は少ない」

 「彼らを日本に引き入れたらそれこそ、利権と癒着構造を構築し、軒下を貸して母屋を乗っ取られる」

 「日本人は同胞同士で同士討ちさせられ、利権は各個撃破されるだろう」

 「下手をすれば議会や政府まで乗ったられかねんな」

 「基本、外罰的で上に媚びて下に残忍な性格だから国家内国家を作ろうとするだろうし」

 「日本人は、全部、ド貧民にさせられるな」

 「皆、一国一城が欲しいのはともかくとして。もう少し、愛国教育が必要ですかね」

 「かもしれんが・・・・」 ため息

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 月夜裏 野々香です。

 今回は官僚の話し、

 官僚が何億と退職金をもらって、なぜ、独立して事業も興さず、有能な人材に投資もせず、

 コネのある産業に天下って稼がなければならないのか。

 新陳代謝を促進し、産業を育成して、パイを大きくすることもせず、

 社会資本のパイを余計に奪うだけの官僚は、本当に有能なのだろうか。

 支配力を強め先鋭化した少数精鋭で国を守れるのだろうか。

 逆に先鋭化させたことで、外患内患の金持ちの浸透戦術に遭って各個撃破されている。

 外国人の似非愛国勢力、似非平和勢力に日本人が騙されて金を奪われている。

 貧富の格差が広がり、国民が自分を守れなくさせ、国を弱体化させてるフシがある。

 こういう時、TPPで国際企業連携なんかやったら、国民は悲惨。

 非常手段で、国民にばら撒くしかない、

 国民一人一人が自分を守れるだけの資本が必要ということ、

 国民一人一人が自分と家族と財産を守れるなら、国を守ることも容易い。

 

 陽華人と騎華人は、新しい民族になり得るでしょうか (笑

 

 

 木仙一族

   仙堂春和(42歳) × 山城美奈(38歳)  智樹(16)  加賀美(13)

      仙堂一樹(20歳) × 仙堂(日吉)明美(16歳)

   角浦秋和(42歳) × 日向奈美(37歳)  芳樹(16)  冬樹(13)

   椎葉豊彦(24歳) × 椎葉(角浦)青葉(20歳)

  

 

 

 近衛師団

 第01師団(東京)    第02師団(仙台)    第03師団(名古屋)    第04師団(大阪)  

 第05師団(広島)    第06師団(熊本)    第07師団(北海道)    第08師団(弘前)

 第09師団(金沢)    第10師団(漠砂州)  第11師団(瑞森市)   第12師団(北欧道)  

 第13師団(姫路)   第14師団(蝦夷市)   第15師団(亜羅州)   第16師団(熊襲市)  

 第17師団(久留米)  第18師団(宇都宮)   第19師団(大連州)   第20師団(任那州)

 第21師団(善通寺)   第22師団(木仁弥・赤道ギニア州)    第23師団(雲州・ビオコ島)

 第24師団(小倉)    第25師団(高田/仙台)

 第26師団(苅武市)  第27師団(大洋市)  第28師団(原亜州)

 

 

 

 1926年 巨済島(400ku) 済州島(1845ku) 鬱陵島(72.82ku)

 1926年 大連州(3462ku)

 1930年 任那州 フォンセカ湾 ニカラグア領地コシグイナ(400ku)

 1932年 任那州 フォンセカ湾(1200ku) 4カ国不戦条約により拡大

             ニカラグア(400ku)+ホンジュラス(400ku)+エルサルバドル(400ku)

 1932年 北欧道 カレリア地峡+フィンランド湾諸島 (6000ku)

             スールサーリ島(21ku)、ラヴァンサーリ、大・小チュテルサーリ島他

 1934年 任那州 中米7カ国不戦協定調印 (2400ku)

                任那。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。

                     コスタリカ、グアテマラ、パナマ、

             フォンセカ湾(1200ku)  旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領

             旧コスタリカ領 ココ(瓜生)島 (46.6ku)

             ブリカ(中ノ鳥)半島 (753.6ku)  旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)

             旧グアテマラ(沖ノ浜)領(400ku)

 1935年 熊襲市 (400ku)  旧タイ王国領対マレー国境

 1936年 蝦夷市 (400ku)  旧チリ領

 1938年 漠砂州 (8万3860ku) 旧イタリア領リビア・ブトナン県

 1939年 租界地 エストニア・イダ=ヴィル県(3364ku)50年

 1939年 瑞森市 (400ku) 旧ブラジル・オランジュ域

 1940年 亜羅州 (4039ku)   中東アラビア海

        武山(むさん)半島  ムサンダル半島  800ku    旧アラブ首長国連邦・オマーン

        和蔵(わくら)湾    アル・ワクラ湾   800ku    旧サウジアラビア・カタール

        武矢(ぶや)島     ブビヤン島    863ku    旧統合イラク・クェート

        佳(けしま)島諸島              1576ku   旧イラン

            佳(けしま)島      ゲシュム島   1491ku

            良久(らく)島      ラーク島     49ku

            辺賀(へんが)島    ヘンガム島   36.6ku

 1940年 租界地 ノルウェー・フィンマルク県(48618ku)

 1941年 北斗市 北アイスランド西部の岬(400ku)

 1942年 任那州 中米8カ国不戦協定調印 (2800ku)

                任那。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。

                コスタリカ、グアテマラ、パナマ、メキシコ

             フォンセカ湾(1200ku)  旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領

             旧コスタリカ領 ココ(瓜生)島 (46.6ku)

             ブリカ(中ノ鳥)半島 (753.6ku)  旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)

             旧グアテマラ・メキシコ(沖ノ浜)領(800ku)

 1943年 府穀市(800ku)  タイ湾フコク島(561ku)+(対岸231ku) 旧ベトナム帝国・カンボジア王国

 1945年 木仁弥(赤道ギニア)州(26034ku)+雲州(ビオコ)島(2017ku)  旧スペイン領

 1948年 グアヒラ半島   苅武市800ku    旧コロンビア領+旧ベネズエラ領の国境  第26師団

 1948年 グアヤキル湾  大洋市800ku     旧エクアドル領+旧ペルー領の国境  第27師団

 1948年 パラグアイ流域 原亜州3200ku    旧パラグアイ領+旧ボリビア領の国境  第28師団

 

 

 

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第27話 1947年 『奴隷商人共産組合』
第28話 1948年 『ヘルシンキ・オリンピック講和』
第29話 1949年 『日本銀行分割』