月夜裏 野々香 小説の部屋

    

神がかり系 仮想戦記 『神籬の木仙』

 

 第30話 1950年 『中禅寺湖遷都と、華厳ヶ関』

 元旦、中禅寺湖遷都が公表される。

 既に主要な首都機能は中禅寺湖周辺に移行し、宣言を待つだけだった。

 首都が関東平野から離れると、包括的な平野開発が始まる、

  関東平野 約17000ku   石狩平野 約4000ku   十勝平野 約3600ku

  越後平野 約2070ku    釧路湿原 約1900ku   濃尾平野 約1800ku

  嘉南平野 約1800ku

 7大平野開発が始まると、北方の平野面積が大きかったことから、

 日本の人口と生産力は、北方へと移動していく、

 総理官邸

 「北海道の平野面積を合わせると、関東平野の半分以上か」

 「単純に考えるなら財政投資しは、平野面積率でやる方法もある」

 「湿原の開発は後回しにしたいですが」

 「それに開発を急がせると、海外地入植に支障ができるかもしれません」

 「あまり海外地投資を増やしすぎると、財力と技術とノウハウのある大企業ばかり儲けることになるからな」

 「財閥優遇は、ほどほどにしないと国民の評判が悪いよ」

 「海外地は、自立するまで軌道に乗せないと」

 「それじゃ 外地投資で格差ばかり増やした半島投資や満州投資の頃と変わらんな」

 「おかげで、大学を出ても失業者ばかりだった」

 「今回は、不換紙幣ですし、幸幣もありますれば」

 「だが北方投資も増やせばもっと、国民全体が豊かになりやすい」

 「海外地労働者を得られにくくなるのは、損失です」

 「だから後備工兵師団で基礎開発を行い、あとは、大企業に任せ」

 「その後、民間の誘導に任せてる」

 「10年無税延長は?」

 「むしろ、中堅企業に補助金を渡して、価格競争させたい」

 「いや、それは・・・」

 

 

 インフレに伴い幸幣の数字も一桁増え、

 新100幸幣(1段)、新500幸幣(2段)、

 新1000幸幣(3段)、新5000幸幣(4段)、新10000幸幣(5段)が発表された。

 神社仏閣の御籤で、紙幣と、新しい絵柄の干支の幸幣が交換されていく、

 「1924年に1幸だったものが1940年に10幸。そして、1950年に100幸か」

 「いや、折れる段数が幸幣の価値だし、数字は、名目上の目安に過ぎないから」

 「しかし、わずか、26年で100倍とは、凄い勢いでインフレが進んでる」

 「逆だよ。幸幣が紙幣を回収してインフレを押さえてる」

 「名目100倍でも、実質は、それ以上だし、アメリカじゃ1000倍で取引されてる」

 「特に希少価値の高い材質の幸幣は10000倍で取引されてるらしい」

 「もう、ダイヤ並だな」

 「ダイヤより有利だよ」

 

  

 国防予算不足が祟り遷都に伴い、陸軍省と海軍省は、国防省に統合させられ

 陸海軍航空部隊は、統合させられると空軍となった。

 50式戦闘機 翔鳳は、初の空軍ジェット戦闘機として開発され、

 ジェットエンジンの推力不足は、3発エンジンで補われた。

   空虚重量4000kg/運用時重量6000kg/最大離陸重量12000kg

   全長16m×全幅10m×全高4m  翼面積30u

   推力1800kg×3基 推力5400kg   速度1800km/h  航続力1600km

   25mm機関砲1丁   ハードポイント6ヶ所 3000kg

 空軍将校たち

 「菱型翼は、ドイツの真似か」

 「艦上戦闘機だからね」

 「艦上戦闘機より迎撃戦闘機の方が自由に開発できるのに」

 「実は、離着陸が得意な戦闘機の方が海外でも人気がある」

 「そりゃそうだろうが」

 「やっぱり、海外にも売るのか」

 「お金があっても石油と資源がないと話しにならんらしい」

 「航空機と潜水艦だけは機密にしたいがな」

 「ジェット戦闘機は黎明期だから売って、産業を大きくしたほうがいいらしい」

 

 

 

 

 南樺太 対ソ国境

 外交武官が国境を挟んでカメラ付きの電話で交流する。

 互に録音して情報部で監査し、政府へ報告書が届くことになっている。

 思想的な対立があったとしても外交のパイプは必要であり、

 戦争を回避する上で顔見知りは、都合が良かった。

 国境の監視所は、互の窓から相手が見える距離あった。

 “よお、元気か。加地”

 「ああ、パヴロフ。今日も寒いな」

 “寒い? 俺らロシア人にとっちゃ 日向ぼっこする天気なんだがな”

 「あはははは」

 “なぁ ドイツが日本に売るより、いい機体を中国に売ってる噂があるけど知ってるか”

 「Ta152だろう。大戦の中古品だよ」

 “Me262戦闘機だ”

 「それは知らなかったな。どうでもいいけど」

 “中国は、今度、日本をやるって、中南海でシミュレーションしてるってよ”

 「おかしいな。俺の聞いた話しだと中国は、次、カザフスタンのドルジバをやるって言ってたぞ」

 “あはははは、それより、日本はアメリカと戦争しないのか”

 「お得意さんだからやめとくよ」

 “そ、そういや、日本車をアメリカに輸出したそうじゃないか”

 「ソビエトにも資源と交換に自動車を売ってやるよ」

 “よしてくれ、日本の車が、ソビエトの冬を走れるわけがない”

 「よーし、今に見てろよ」

 “楽しみにしてるよ”

 「」

 “”

 「」

 “”

 

 

 

 アメリカ合衆国が戦略爆撃機コンベアB36を配備していたが

   自重77580kg/187400kg

   全長49.4m×全幅70.1m×全高14.25m  翼面積443ku

   3800馬力×6基   J47ターボジェット2300kg×4基

   最大速度685km/h   航続距離11000km

   機銃12.7mm16門  爆弾39000kg

   乗員15名

 日本も負けずに富嶽の開発に成功する。

   自重38000kg/全備重量122000kg

   全長46m×全幅56m×全高8.8m  翼面積330u

   6000馬力(3725kw)×6発

   最大速度780km/h  航続距離19400km

   20mm機銃4門   爆弾 最大20t

 もっとも大型爆撃機がジェット戦闘機に勝てないことは、実証済みで、

 爆撃機というより、洋上哨戒大型対艦攻撃機で、空中艦隊のような開発と運用がされた。

 富嶽

 「開発7年目にしてようやく、富嶽の生産か」

 「戦艦廃止で海軍員数を減らされたから、代わりに海外地の基地と、航空艦隊って方向らしい」

 「どちらにしろ、人員は減らされるな」

 「原型より菱型翼なのは、最近の流行なのか」

 「後退翼にしようとしたら、ドイツが菱型翼を使い始めてな」

 「洋上を飛んでることも価値あるが、速度も欲しい」

 「飛行船でも良かったんじゃないか」

 「飛行船は流石に逃げるのがむつかしい」

 「無人哨戒飛行船も検討してるが、まだ技術的にむつかしい」

 「というより、器ばかり大きくなって土地的にポスト的に苦しいとか」

 「そうとも言う」

 

 

 

 ドイツ

 ホルテン282A

  全長12m×翼長20m×全高3.5m  翼面積120u

  自重6000kg/最大離陸重量9000kg

  推力2000kg×2基

  最高速度1200km/h  航続距離2000km

  固定武装30mmMK 108機関砲2門

  55mmR4Mロケット弾   爆弾500kg×4発

  乗員1名

 新型機が飛び立っていく、

 ドイツは、比較的、奇抜な機体を開発することが多く、

 この機体も他国の機体と比べると、やや、変わって見えた。

 全翼機は、高速性と、格闘性能で光るものがあった。

 しかし、積載量と機体の安定性が悪いことが問題になり、

 空力特性を安定させるため翼が菱型に近づき、

 機首から機尾にかけて十字型が増していく、

 日本の経済支援の対価で技術支援を求められてるドイツだったが、

 日本の国力が大きくなるため、

 軍事支援に置き換えようとホルテン282Aのライセンス生産を持ちかけていた。

 日本人たちは、呆気にとられながら空を見上げる。

 「・・・こりゃ凄い」

 「いるの?」

 「そりゃ 欲しいわ」

 「しかし、開発産業の育成もあるし。軍事機密も守りたい」

 「最悪でも航空機と潜水艦は、国産を使いたいがね」

 「それは否定しないが、予算縮小を思うと、1対1で勝てる戦闘機は魅力がある」

 「特に、B29爆撃機に原子爆弾を搭載でき、フィリピンやグアム。朝鮮共和国に配備されてるとなれば・・・」

 「それはそうだが」

 「噂ではB47ストラトジェットの開発も進んでると聞く」

 「・・・・軍事費削減は、国際的な流れでしょう。日本だけじゃない」

 「流れはそうだが百聞は一見に如かず」

 「戦訓を得て兵器開発してる戦後の国家群と。戦訓なく、兵器開発してる戦前の国家を一緒にされても困るよ」

 「新型ワルターエンジンとか、新型地対地ロケットは?」

 「まぁ そっちのライセンス生産がいいがね」

 「なんにしてもドイツのジェットエンジンと比べると5年は遅れてる」

 「そんなの資源は買えるんだから、金さえかけりゃいい」

 「札束が紙くずになるのは困る」

 「幸幣で吸収できるよ」

 「木工12ギルドと幸幣が強くなりすぎ」

 「発行量は紙幣と比べてはるかに少ないし、日銀の独占よりマシだよ」

 「幸幣の資格基準はどうなってる?」

 「歩留まり率90パーセント以上だけ」

 「能力制限だけで。派閥制限も人数制限なしか」

 「人材を取られるな」

 「派閥はあるよ。幸箱で取引する方がいいから、12干支の数を揃えるとかね」

 「しかし、最近は木工機械が進んでるから趣味とか暇潰しに作ってる者も多い」

 「外国が作らないのが不思議だな」

 「御籤ないし。手先が器用じゃない」

 「何より生産地から工程が変わってくるから、加工段階で真似できない」

 「神籬が関わらないと無理。というより仙堂家と角浦家の相伝遺産に近いからね」

 「やれやれ」

 「ところで、新素材の開発はどうなってるの?」

 「神籬がプラスチック、カーボン、キチン、シリコンが進んでる」

 「鉄鋼業はセラミック、シリコンで巻き返そうとしてるらしい」

 「シリコンが天王山になるのか」

 「いや、最終的に複合になるという話しだ」

 「いつの間にか、冶金から化学に移行していくんだな」

 「軍機は素材からってことだろう」

 「まぁ ライセンス生産でも素材が軽くて丈夫ならオリジナル機より強力になるからね」

 「正直、空力安定性はどうなの?」

 「かなり良くなってる」

 「じゃ 買う?」

 「漠砂州と北欧道は、そうしたがってる」

 「そりゃそうだ」

 

 

 朝鮮共和国 (21万6823ku)

 北半分の租界を押さえる中国協商保障領7パーセント、

 南半分を共同租界で押さえる米英ソ同盟保障領8パーセント、

   (アメリカ3パーセント、イギリス3パーセント、ソビエト2パーセント)

 専有面積に換算すると

 北朝鮮域 中国1万5177ku

 南朝鮮域 アメリカ6504ku。イギリス6504ku。ソビエト4336ku 合計16823kuとなった。

 朝鮮共和国は、B29爆撃機が配備されており、

 依然として、対日侵略、対中侵略の足場だったものの、

 米英ソ連合の朝鮮半島利権は、戦災復興が進まず小さくなり、

 日本の海外地利権は、開発が進んで相対的に大きくなっていた。

 平壌

 中国人の人海戦術で穴が掘られ、血の混ざった土が捨てられ、

 掘った土が、土壌として散蒔かれていた。

 トラックが連なって街道を走っていく、

 中国軍に護衛された日本人が、中国語の看板を運び込んでいく、

 国交のない日本人は朝鮮共和国に入国できなかったが、

 中国が特例処置といえば、日本人は入国できた。

 中心部の租界城塞は、中国人が住み、

 朝鮮人は、租界外の野晒しの中にいた。

 トラックの日本人たち

 「なんか、来るだけで呪われそうな場所だな」

 「それでも、租界の中は、随分、綺麗になったよ」

 「高層ビルの血を吹いたからって、人が死んだ事実は消えないと思うけどな」

 「ていうか、看板くらい自分で作れって言いたい」

 「地図を正しく確認して、正しい場所に置ける人間が少ないんだよ」

 「しかし、貴重な鉄鋼を使うとはね」

 「鉄鋼を使わないと朝鮮人に壊される」

 「まぁ 標識を確認して警察を配置するようなものだからね」

 「どころで朝鮮人って何人ぐらい残ってるの?」

 「さあ、700万人くらいって話しだ」

 「中国人が増えてないか」

 「まぁ 反政府勢力は、こっちに送られてるらしい」

 「アメリカとイギリスの貯金箱だったのが、まるでゴミ溜めだな」

 「正確には、ハザール人の貯金箱だよ」

 「中国人はよくハザール人の貯金箱を壊してくれたよ」

 「タイ人もね」

 「この辺の朝鮮人たちは、どっち側?」

 「さぁ ほとんど中国だけど、アメリカ、イギリス、ソビエト側の朝鮮人も少なくないようだ」

 「そんな風には見えないが」

 「もう、併合前に戻った感じだな」

 「聞いた話しだと両班貴族の半分が殺されたらしくて、あの頃より退化してるってさ」

 「なんとなく似てるし。助けてやりたいけど」

 「やめとけ、溺れてる朝鮮人に引き摺り込まれて殺されるだ」

 

 

 木仁弥(赤道ギニア)州(26034ku)+雲州(ビオコ)島(2017ku)

 木仁弥州から550kmも離れた洋上に、瑞雲(アンノボン)島(17ku)が点在していた。

 この小さな火山島も旧スペイン領で、木仁弥州に編入されていた。

 断崖に潜水艦用バンカーが建設されていた。

 強固な鉄骨鉄筋コンクリートとガラス繊維の層が組み合わさって強靭な防衛力を誇り、

 内部に爆弾でも仕掛けれない限り破壊は不可能に思われていた。

 東西4km×南北7kmほどの火山島で中心に標高598mと、巨大なカルデラ湖が存在し、

 常に雨雲に覆われていた。

 現地島民は全て大陸に移され、日本人ばかり20000人が開発作業をしていた。

 日本海軍将校たち

 4700t級潜水艦の入港をを見ていた。

 「大型基地を建設しても、配備は3隻から4隻か」

 「戦争になって建造して、現地に大量配備って発想なんだろう」

 「まぁ いいけどね」

 「しかし、随分と日本人が増えてるじゃないか」

 「インフレ分のほとんどは、海外州投資だし、住宅に出す補助金も多いから増えるだろう」

 「敷地面積も大きいから、来るだろうね」

 「もっとも、ほとんどは帰るか、別の場所で開発作業になる」

 「残るの住人は家族を呼ぶ5000人くらいだろう」

 「でも、なんで高層ビル?」

 「補助金でコミュニティ階層もあるし」

 「政府が木仁弥州投資が本気だってことを国民に教えるためだよ」

 「火山島なのに?」

 「安全な場所に建てるよ」

 「だといいけど」

 「何しろ、大陸から離れてるし、場所がよくてね」

 「ポルトガルから、サントメ島とプリンシペ島も買えばよかったのに」

 「上手くいかなかった」

 「アメリカに取られると厄介だぞ」

 「ポルトガルも、それだけは、嫌らしい」

 「木工は成功するって?」

 「まぁ 狭いが木工細工師も、居着くらしいよ」

 「インフレ過ぎて、信用できる蓄財は幸幣だけって気がしてきたからな」

 「逆に言うと、木工細工師がいない地域は、流通貨幣を水増しできないから生活が苦しくなる」

 「実は幸幣が増えると紙幣と置き換えられて、借金で製造する紙幣を全部置き換えれば、国債をゼロにできるって話しもある」

 「まぁ だから日銀を分割できたんだけどね」

 「そうなったら、幸幣を生産する木工産業の天下になるじゃないか」

 「誰だって、誰かの利息と株配当のために働かされたりするのは、嫌だろうが」

 「まぁ 確かに・・・」

 

 

 ニューヨーク ウォール街証券取引所

 石油と鉄鉱石の対価で、日本から大量の幸幣が運び込まれ、取引が始まる。

 この取引で幸幣は高騰し続け、アメリカ石油資本と鉄業者は、莫大なドル紙幣を得ることができた。

 幸幣の複製に成功したアメリカ人は、今のところおらず、

 ほとんどの国民は、幸幣が蓄財で優れた商品であると信じており・・・

 日本人たち

 「幸幣のおかげで日系財閥を形成できるかもしれないな」

 「だといいけど」

 「アメリカのお金持ちは、半分泥棒半分強盗みたいなものだし」

 「仮想敵を作って連邦を強化し、貧富の格差を誤魔化そうとしてるだけだ」

 「貧乏人は、貧富の格差を問題にして、分け前を増やすため州を強化したがってる」

 「元々 ロックフェラー、ロスチャイルド、モルガンが嫌いな勢力は、金が維持できるなら味方だし」

 「日本、中国、ドイツと組めば、FRBを敵に回してもある程度の財産は支えることができる」

 「信用できるのか」

 「厭戦機運の強い軍人が中心に味方にしてくれている」

 「マニラ・シンジケート?」

 「将兵の間で、資本家に利用されて殺された観が強まってるからな」

 「どうにかしようって、連中は、金さえあれば組織化するよ」

 「しかし、マフィアや暗殺組織まで抱え込まなきゃならんからな」

 「あまり、拝金主義にされても困るよ」

 「まぁ 上限もあるし」

 「日本からの輸出も一定数は、そこを通じてだから、その範囲で頑張ってもらえばいいさ」

 「それに連邦を脱退して、州で紙幣を発行した方がピラミッドが小さくなって格差が縮まるし」

 「民主主義を強くすれば、取り分が増えて幸せになりやすい。バカでもわかる話しだ」

 「アメリカは、東南アジア移民を対中対日工作員に仕立てようとしてるらしい」

 「本当に?」

 「東南アジア条約機構に参戦しなかったのは、対中工作員募集のためもあるよ」

 「朝鮮人だけじゃなかったか」

 「アメリカは、金融支配が得意だし、手広くやってるよ」

 「金融支配されてると思うと勤労意欲落ちるし、やる気なくなるけどな」

 「ところで、ヘリウムは?」

 「備蓄の関係でそろそろ輸出解禁の動きを見せてる」

 「本当に?」

 「来年か再来年には、ヘリウム飛行船を飛ばせそうだ」

 「ロビー活動が少しは役に立ったか」

 「それもある」

 「中東の石油採掘量がアメリカの石油採掘量を上回ったからか」

 「それもあるし、独伊中の国際同盟のせいで、米英ソの国際連合が求心力を失ってる」

 「結局、国際連盟は、そのまま拡大してるし、本部の日本が強い」

 「幸幣のこともあるし、いつまでも日本と敵対していられないのが本音なんじゃないか」

 「ヘリウムより水素が安いし、積載量が増やせるんだけどな」

 「ヘリウムは燃えないってだけで、旅客もできるよ」

 「むしろ、貨物空輸が利益になる」

 「あと飛行船は、水素を燃料にしたジェットエンジンも検討しているから」

 「F86セイバーは高性能だと聞いたけど?」

 「推力2710kgで単発だ」

 「我が国が推力1800kgだから、単発だと負けるな」

 「こっちは小型軽量だし、そこそこ追いついてると思うよ」

 

 

 ハーバード大学ドル紙幣教会

 “唯一にして、全知、全能なるドル紙幣の神FRBよ”

 “全能なる偶像の神。ドル紙幣の神よ”

 “大使徒ロスチャイルド。ロックフェラー。モルガンよ”

 “紙切れでありながら人心を惑わせ。大いなる富と貧困をもたらせる偶像の神よ”

 “人の下に人を作り、さらにその下に人を作る呪符よ”

 “好況と不況を操って富をもたらす紙幣発根権よ。戦争と平和を支配するドル紙幣の神よ”

 “神の子を土と塵以下にしてしまう紙幣の神FRBよ”

 “あなた様に反逆を試みようとする邪悪な勢力に死を与えたまえ”

 “唯一絶対なるドル紙幣神を拝まない国々は、滅びよ”

 “円紙幣で独立し、さらに希少価値の高い幸幣なるものを産む日本は、呪われよ”

 “地獄の業火で焼かれるがいい”

 “日本よ。全能のドル紙幣から永遠の死を賜れるがいい”

 “日本人よ。全知全能なるドル紙幣の神を恐れおののくがいい”

 “おのれ、小癪なマルク紙幣を刷り続けるドイツよ”

 “運良く生きながらえやがって、今度こそ、完全に止めをさせてやる糞虫よ”

 “いい気になりやがって、今度こそ、売国奴をそそのかして、滅ぼしてやる”

 “慇懃無礼なロシアの糞たれは、極寒の牢獄の中で氷漬けになるがいい”

 “中国も早く滅ぶがいい、お前らを絶滅してから地球を支配してやる”

 “聞くがいい、全知全能なるドル紙幣神FRBに従う使徒たちよ”

 「「「「「「ニダ!」」」」」」

 “我ら白人の侵入を拒む日本に潜入し、攪乱させ、親子夫婦兄弟を仲違いさせ、滅ぼすのだ”

 「「「「「「ニダ!」」」」」」

 “我らが神ドル紙幣に反逆する日本に潜入し、日本の国体を破壊するのだ”

 「「「「「「ニダ!」」」」」」

 “日本の流通通貨を支配し、貧富の格差を拡大させ、産業を破壊し、日本民族を滅ぼすのだ”

 「「「「「「ニダ!」」」」」」

 “人の良い日本人を騙し。金の力で日本人の魂と血を汚してしまうのだ”

 「「「「「「ニダ!」」」」」」

 

 

 

 

 新型飛行船は、水素を推進剤で燃やして飛び、飛行速度と安定性が向上していた。

 安全性は考慮されていたがエンジン重量が増し、積載量が減らされていた。

 飛行船 羽雲

 コクピット

 「新型飛行船を見せびらかしか」

 「南米諸国を味方につけたいのだろう」

 「地上は、あまり飛びたくないのだが」

 南アメリカ大陸の中原域

 総面積19万5000kuに及ぶ世界最大級の熱帯性湿地パンタナルが広がっていた。

 海抜80mから150mの低地に大陸の河川水が集まり、年間降水量1000mm〜1400mmに達する。

 高温多湿で、年間平均気温25度。温度差は0度から40度になった。

 鳥類約1000種、哺乳類約300種、爬虫類480種類、約400種の魚類が棲み、

 「広い〜」

 「げっ 蛇、蛇、蛇」

 「土砂降り〜」

 「おおっ カエル、カエル、カエル」

 「蒸し暑い〜」

 「すげぇ カブトムシ、カブトムシ、カブトムシ」

 「寒い〜」

 「あっ カピバラ、カピバラ、カピバラ」

 「洪水〜」

 「ピラニア、ピラニア、ピラニア」

 日本領原亜州3200kuは、パンタナールのパラグアイ流域に存在し、開発が始まる。

 原亜州は、内陸ながらパラグアイ川で外洋と繋がり、十分な広さがあった。

 パラグアイに沿って港湾施設と道路が建設され、

 区画整理が行われると、公共設備の建設が進められていく、

 水陸両用車シュビムワーゲンはライセンス生産され、

 釧路湿原で使われていたが、原亜州でも使われるようになっていた。

 関係者たち

 「高層ビルを建てる理由は?」

 「砂漠と同じ、暑いから日陰を作ると喜ばれる」

 「建設費を回収できる見込みは?」

 「インフレになるとみんな思ってるから、金が余ると神社仏閣で紙幣を幸幣と交換する」

 「実質、幸幣のおかげで流通貨幣は、公定歩合を上回ってるから問題ないよ」

 

 

 

 日本の対米最前線の拠点は、5ヶ所に点在していた。

   太平洋    任那州 (2800ku)   大洋市 (800ku)  

   カリブ海    苅武市 (800ku)

   大西洋    瑞森市 (400ku)   北斗市 (400ku)

 朝鮮共和国の基地ほど近くなく、大きくなかったものの、

 アメリカ合衆国に対する圧力になっていた。

 任那州は、初期に開発したことからもっとも開発が進み、

 同時に中南米諸国という地の利を拡大できる場所に存在し、

 特別高等警察 任那探題 対米第13係が編成される。

 探題は、半自律機関で海外地に作られていた。

 情報部員が地図を囲んでるとアメリカ帰りの中堅の諜報員が入ってくる。

 「ヤバいヤバい。仙堂家と角浦家の言う通りだった」

 「反米勢力の5分の1は、CIAの自作自演でアメリカの仮想敵を演じてるらしい」

 「本当に?」

 「というより、アメリカの寄生虫と言えなくもないから見分けが付きにくい」

 「なんだよそれ、支離滅裂すぎる」

 「それくらいやらないと州が強くなるし、人種のモザイクをまとめられない」

 「それで、まとめてるのが、ハザール資本ってわけか」

 「彼らにとっちゃ アメリカも金融支配で飲み込むべき占領地らしい」

 「だから、自作自演でも半分本気」

 「「「「・・・・」」」」

 「手口がわかれば、同じ手で巻き返せるが、どうも悪辣過ぎて、気が進まない」

 「というより、欧米の真似はしないほうがいいと思うね」

 「まぁ 仙堂氏と角浦氏の言うこと聞いて、あまり近づかないようにしていたのは正解か」

 「しかし、木仙一族は、どうしてわかったのかね」

 「木が教えてくれるとか、言ってたけど」

 「それ “ふっ また精霊が囁いている” 的な危ない人だから」

 「実証されてるだろう。俺たちだって、危ないから人形持ってるし」

 「それで、売国奴も見分けられた」

 「「「「「・・・・・」」」」」

 「それで、いま、ハザール人は何を考えてるの?」

 「外敵の日本、ドイツ、イタリア、中国、東南アジア条約機構と、内敵のアメリカ、イギリス、ソビエトの相殺」

 「もう、ヤバ過ぎてなにも言えん」

 「フグだし」

 「マニラ・コネクションと共闘関係になれそう?」

 「半島で酷い目に遭ってるし、資本家層の正体を正確に教えたら、日本より、資本家の敵になるよ」

 「もう、共産軍だな」

 「共産主義と資本主義の究極の目的は、国民を奴隷にすることだから」

 「互いに共闘し、中間層を殺して、二者択一を強いてる」

 「南樺太探題によると、共産党独裁に反対してるロシア人も多いらしい」

 「亡命白衛軍も組織されてたっけ」

 「じゃ 資本主義のアメリカと、共産主義のソビエトで。中間の日本、ドイツ、イタリア、中国、東南アジアを殺したいわけだ」

 「ということは、中南米諸国も強い中間層の国にしてしまえばいいんじゃないか」

 「まぁ その方が、将来的には、有利だけど、地主が強すぎてな」

 「グアテマラからパナマまで6ヵ国の面積を合わせると49万3000ku」

 「メキシコの面積は197万2550ku」

 「日本を含めて不戦協定を結んでるし、経済連携も強まってる」

 「アメリカには及ばないが、ある程度、近代化させれば、アメリカに対抗できると思うね」

 「CIA支援の破壊工作も激しいがな」

 「満州の時や半島より、益しらしいけど」

 「それは、木工12ギルドが中南米で木工学校を作って、半分自立させてるからだろう」

 「まぁ 木工12ギルドの鑑定幣付きなら、値段も上がるからね」

 「海外の木工職人は、ほとんどが、日本の木工ギルドに木工細工の鑑定を依頼してる」

 「だから世界中に日本の木工12ギルドの鑑定所兼木工細工店がある」

 「よく考えると、トンデモ利権だな」

 「紙幣を印刷するほどじゃないとしても、たぶん、笑いが止まらないと思うよ」

 

 

 

 300m級高層ビルの建設は5年を必要とする。

 しかし、環礁は、船を直接接舷できるためか3年ほどで建設することができた。

 マーシャル諸島の小さな環礁に300m級タウン型高層ビルが建設されたのは、

 土地代と日照権の問題がなかったことと、社会基盤整備が国防を兼ねていたからだった。

 日本人たち

 「小さな陸地が少しあるだけの環礁か。誰か辺境に住むのかね」

 「公募者を募っての建設だし」

 「自給自足のタウン型だから希望すれば住めるだろうね」

 「というより、定年向けに建設してる」

 「自然破壊みたいで、どうかなって気がしないでもない」

 「自然は再生するよ」

 「それに釣りは楽しいいかもしれないだろう」

 「熱帯魚は食べたくないな」

 「フエダイ、ハタ、アジ、ブリ、ボラはいけるよ」

 「あと、天然の水族館」

 「成功しなかったら巨大な墓標になるかも」

 「成功すればマーシャル諸島の人口と産業は、百倍くらいになるかも」

 「地震がないのはいいけど」

 「アメリカ機動部隊に攻撃されるのは嫌かも」

 「レーダーを置けるし、地対艦ミサイルや地対空ミサイルを設置できるし」

 「伊達に頑丈に作ってないし。そんときは、住人を避難させればいい」

 「まぁ 船を横付けさせて、作りやすいっていうのが利点ではあるか」

 

 

 メキシコ

 任那からの鉄道が首都メキシコシティにまで到達する。

 中南米諸国と任那の絆は強まり、街で日本人が増加する切っ掛けになった。

 メキシコは、日本から10個師団相当の武器弾薬を得た後、軍事的に独立し

 政治、経済、外交でも独立していく、

 当初、10t級89式だった戦車は、

 日本製兵器の購入を続け、15t級95式、22.7t級97式、25t級1式戦車、

 44.7t級2式戦車へと更新され、

 戦後、ドイツと講和を結ぶとドイツ製兵器の購入も増えていた。

 メキシコシティの中心に1辺200mほどのソカロ広場があって

 周囲を政府機関が囲み、広場の東側に国立宮殿 大統領府があった。

 大統領は、国軍の総司令官も兼ねており、

 メキシコ国軍将兵たちと図上演習を囲むこともあった。

 仮想敵国は、アメリカ合衆国で、

 グアテマラやイギリス領ベリーズ相手の図上演習は、ほとんどなかった。

 手持ち最強の44.7t級2式(5号)戦車パンターの駒は強靭で、

 アメリカ軍の44t級M46パットンの攻撃を上手く防いでいた。

 しかし、緒戦は、防ぎ得ても、兵器を国産できない限り戦線を長く持たせられない、

 半年で。ほとんどの戦車が破壊され、

 あとは、パンツァーシュレックやパンツァーファウストで戦車の侵攻を防ぎ

 機関銃と小銃で応戦するジリ貧の戦況になっていく、

 ここで、参考になったのは、第二次世界大戦の戦いや朝鮮半島の戦いで、

 どんなに強力な戦車であろうと、対戦車塹壕は越えられない、だった。

 もう一つは、任那州の工業生産力で、小さな面積であるにもかかわらず、

 発電所、製鉄所、工場が密集し、中南米の工場地帯になっていた。

 そして、燃料と原料さえ任那に供給すれば携行兵器を生産し、補給できた。

 大統領と将兵たち

 「もう少し、対戦車兵器を増やすべきか・・・」

 「戦車で時間を稼ぎたい気もします」

 「そうなると、携行兵器がドン減りしてしまう」

 「予算額を変えないと、予算比を変えても大きな差にならないと思いますよ」

 「分かっていても、そうもいかん」

 「任那は、メキシコの対米シミュレーションが、任那の携行兵器生産を大きく変え、修正をむつかしくするので、慎重にと言われてますよ」

 「ラインの数は簡単に変えられないか・・・」

 「なぜ、日本は、工業化できたのだろうな。沖ノ浜は800kuしかないというのに大きな街になってる」

 「なんでもいいからテノチティトランを再建して、学校と工員に、お金を渡せと言われたことがありますね」

 「学校と工員には、わかりやすいが、それが出来るなら苦労はない」

 「テノチティトラン再建は、よくわからんな」

 「メキシコ人の個性化ということでは?」

 「確かに、日本は、独自の歴史があるが・・・」

 「知り合いの木工細工師は、文明の接木説みたいなことを言ってましたね」

 「インカ文明を徹底的に破壊したのは確かだが・・・・」

 「というより、任那大学に留学した者の方が、アメリカの大学に留学した者より好感持てますね」

 「それも言えるな」

 「木工を中心にもっと交流を増やすか」

 「あと、地縁祭もやってみてもいいかもしれないな」

 「軍のほうもお願いしますよ」

 「軍は、メキシコ大統領の右手に過ぎない」

 「「「「・・・・」」」」 むっすぅ〜

 

 

 

 漠砂州 (8万3860ku)

 戦後、ドイツが開発した58t級キングタイガーV戦車のライセンス生産が決まると、

 ドイツ製戦車の一部が日本に上陸する。

 場所柄、日本から運び込むより、ドイツ製を配備したほうが割安になり、

 逆に中国向けなど、日本に代理生産させたほうが安上がりなこともあった。

   全長10.28m(車体長7.38m)×全幅3.75m×全高3.09m

   1080馬力  航続距離250km  速度48km/h

   52口径105mmSK18砲    7.92mm MG34機関銃×3

   5人

 日本軍将校たち

 「88mm砲をやめて105mm砲にしたのか」

 「たくさん砲弾を積むのは良くても破壊力が心もとないからな」

 「これで97式(3式)戦車と1式(4号)戦車を売却できるんじゃないか」

 「突撃砲に改造して欲しい国も多いようだ」

 「あと、ドイツ製を買う国も多い」

 「歩兵の対戦車ロケットが相手なら旋回砲がいい」

 「新型重戦車に対抗するなら固定砲に改造したほうがいいかもしれないが」

 「パンツァーシュレックがあるなら、むしろ、兵隊をたくさん乗せられるウニモグSd400装甲車がいいね」

 「ドイツはガンランチャー砲搭載の戦車を検討してるらしいけど」

 「砲弾が高いだろう」

 「ドイツは技術で世界一が好きだから」

 

 三式指揮連絡機を遊覧飛行機用に改造した機体が飛んでいた。

 各国の観客が漠砂州の空を飛びたがり、

 金の力に負けた日本と漠砂州は、遊覧飛行事業を認めた。

 白人たちが上空から見るとH型に見える高層ビルが建設されていた。

 南北は、遮光を兼ねた太陽光熱反射鏡の壁で、

 東西は、居住施設になっていた。

 日の出と日の入りの太陽光熱の半分を防ぐことができ、緑化に役立つように思われた。

 「壁が邪魔で風を引き込みにくいのでは?」

 「壁の内側は、低温なので、温度差で風が生まれるはずですよ」

 「日本の大蔵官僚の一人は、金返せって、言ってたらしいですが」

 「黒字の亜羅州や大連州を基準にしたらそうなるだろうな」

 「つげを植林しまくって幸幣を大量生産すれば返せるだろう」

 「だいたい、紙幣と幸幣を神社仏閣で交換するだけで流通貨幣を倍に水増しできる」

 「公定歩合や利息どころじゃないって話しだ」

 「つげは、常緑樹じゃないですか」

 「冷室栽培すればいいだろう。幾つかの高層ビルでは実験的に栽培してると聞く」

 「出鱈目な木工細工師の数です」

 「日本の木工12ギルドだけで世界の木工細工の生産の半分以上を占めてる」

 「世界中の銘木という銘木が日本に集められて加工されている」

 「ドイツの富裕層の何人かは、日本の宮大工に別荘を作らせてご満悦だ」

 「高校の先生は、日本が近代国家から退行してると言われてたんですけどね・・・」

 「俺もそう教わったが逆になったな」

 「国土全域が緑化して養える人口が急増しているし。砂漠に入植する自己犠牲な民族だ」

 「ユダヤ人がエジプトとリビアの矛先を漠砂州に向けさせようとしてるのに」

 「リビアとエジプトは、日本の緑化事業を誘致して関係が良好」

 「逆に将来に自信をつけていて、反イスラエルが強まっている」

 「買収がうまくいってない」

 「エジプト人もリビア人も庭を緑化して木を生やしてくれる方が嬉しいそうだ」

 「最大の利点は、太陽光熱を発電に利用できることで、電化が急速に進んでる」

 「1000kmのU字型人工入江は本気なんですかね」

 「漠砂州の3分の2を入江で囲って島にするってやつか」

 「幸幣で投資を回収できるなら、燃料と資源さえあればできるだろうな」

 「そのほうが得なんでしょうか」

 「南のほうが蒸発しやすいからな」

 「多少、幅は必要だろうが蒸発すれば雨になって落ちてくるだろう」

 「そうなったら入江に向かって海水が流れ込むから澱みは少ない」

 「何人ぐらい住むんでしょうね」

 「さぁ 1000万くらいを考えていたら、ちょっとした国家になるかもしれないな」

 「緑化速度を考えたらエジプト並みかも」

 

 

 

 グアヒラ半島  苅武市800ku

 苅武市は、旧コロンビア領と、旧ベネズエラ領の国境に囲まれたベネズエラ湾の北に面し、

 油田のあるマラカイボ湖の押さえになっていた。

 それをコロンビアとベネズエラが許したのは、反米独立だからで、

 日本の武器弾薬で軍事的に独立したかったからだった。

 そして、苅武市は、両国にとっての懐刀となっていく、

 石油精製所、発電所、製鉄所、石油コンビナートの建設が始められ、

 経済的な自立が目指されていた。

 この時期の日本は、所得税が大きく、

 いくら稼いでも税金で吸い上げられ、次の公共投資に向けられていた。

 この循環が維持できるなら健全な貧富の格差で近代化していく構造が作られていく、

 むろん、外国投資で、資産を秘蔵する資本家が少なからずいたものの、

 多くは自制が強く、アメリカや中国の資本家のような天文学的な蓄財にならなかった。

 苅武市庁

 「なんとか、任那州、大洋市、瑞森市と鉄道を連結させたいが」

 「できれば新幹線がいいですね」

 「コロンビア人やベネズエラ人に新幹線を運転させるのは嫌だ」

 「まぁ 命が幾つあっても足りませんが」

 「その辺の交渉は?」

 「投資配分、権益配分、配当金だけが問題の様です」

 「権益は独占しないと安全性は保てませんね」

 「だが、反日の切っ掛けになるからな」

 「任那州の鉄道権益は、どうなんです」

 「あそこは、小国の後進国ばかりだ」

 「コロンビアとベネズエラは、準大国と言えるような大きさだからな」

 「面子もあるだろうし、権益独占はむつかしいと思うよ」

 「じゃ 低速の新幹線か」

 

 

 

 

 

 東京 国際連盟

 「日本は国際連盟の本部理事国ニダ」

 「・・・・・」

 「国際連盟の本部理事国が、隣国の朝鮮共和国と国交断絶なんておかしいニダ」

 「・・・・・」

 「日朝国交を回復するニダ」

 「・・・・・」

 「なぜ、目を背けるニダ」

 「・・・・・」

 「なぜ、明後日の方向を向くニダ」

 「・・・・・」 ため息

 「まっすぐ前を見て、現実を直視するニダ!」

 「・・・・・」 ため息 

 「朝鮮共和国は、独立国ニダ!」

 「連盟本部常任理事国は加盟国と国交を回復する義務があるニダ」

 「・・・・・」 ため息

 「日本人は朝鮮人を差別してるニダ!!!」

 「・・・・・」 ため息

 「なぜ、大きなため息をつくニダ!!!!」

 「・・・・・」 ため息

 「もし、日本が朝日国交樹立しないなら、韓国は国際連盟を脱退して国際連合に行くニダ」

 「本当に?」

 「本当ニダ」

 「是非、脱退してください」

 「・・・・・」

 「是非、連盟を脱退して、国際連合に行ってください」

 「あ、あ、いや、そういう意味ではないニダ」

 「では、脱退ですね」

 「い、いや、今のは違うニダ」

 「朝日国交樹立して欲しいという意味でいったニダ」

 「いや、朝日国交樹立しないから、脱退していいですよ」

 「違うニダ。違うニダ。朝日友好は、大事といっただけニダ」

 「国際連盟は脱退しないニダ」

 「・・・・・」 ちっ

 

 

 

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 月夜裏 野々香です。

 日本は、中禅寺湖周辺に遷都しました。

 1950年の東京の画像は、もっと自然がありました。

 あのくらい自然を残して高層ビルだけ増やしていこうかなって感じです。

 メキシコ以南の南米諸国を中国並みの強国にしてやろう (笑

 

 

 信用創造で利息が1パーセントつくとします。

 信用創造を繰り返すと元金と利息に、利息が加算していきます。

 貸し借りを100回を繰り返すと、信用創造で印刷した元金を超えて破綻してしまう。

 なので所得税のフラットタックス化が進み、貧富の格差が大きくなり、

 富裕層の蓄財が増えてるのに国民の消費能力が小さくなって、投資ができなくなる、

 さらに、海外に紙幣が流れ、溜め込まれるとどうなるか。

 なぜ、銀行で貸し渋りや貸し剥がしが行われるのか、

 なぜ、日銀引き受けで国債を発行しなければならないか、

 なぜ、国債で紙幣を増刷して社会資本を補充しなければならないか、

 なぜ、富裕層に所得税をかけ、公共投資で資本を還流させなければならないか、

 なぜ、ユダヤ教で同胞から利息をとっていけないとされているのか、

 そういう話し、

 

 

 木仙一族

   仙堂春和(44歳) × 山城美奈(40歳)  智樹(18)  加賀美(15)

      仙堂一樹(22歳) × 仙堂(日吉)明美(18歳)

   角浦秋和(44歳) × 日向奈美(38歳)  芳樹(18)  冬樹(15)

   椎葉豊彦(26歳) × 椎葉(角浦)青葉(22歳)

  

 

 

 近衛師団

 第01師団(東京)    第02師団(仙台)    第03師団(名古屋)    第04師団(大阪)  

 第05師団(広島)    第06師団(熊本)    第07師団(北海道)    第08師団(弘前)

 第09師団(金沢)    第10師団(漠砂州)  第11師団(瑞森市)   第12師団(北欧道)  

 第13師団(姫路)   第14師団(蝦夷市)   第15師団(亜羅州)   第16師団(熊襲市)  

 第17師団(久留米)  第18師団(宇都宮)   第19師団(大連州)   第20師団(任那州)

 第21師団(善通寺)   第22師団(木仁弥・赤道ギニア州)    第23師団(雲州・ビオコ島)

 第24師団(小倉)    第25師団(高田/仙台)

 第26師団(苅武市)  第27師団(大洋市)  第28師団(原亜州)

 

 

 

 1926年 巨済島(400ku) 済州島(1845ku) 鬱陵島(72.82ku)

 1926年 大連州(3462ku)

 1930年 任那州 フォンセカ湾 ニカラグア領地コシグイナ(400ku)

 1932年 任那州 フォンセカ湾(1200ku) 4カ国不戦条約により拡大

             ニカラグア(400ku)+ホンジュラス(400ku)+エルサルバドル(400ku)

 1932年 北欧道 カレリア地峡+フィンランド湾諸島 (6000ku)

             スールサーリ島(21ku)、ラヴァンサーリ、大・小チュテルサーリ島他

 1934年 任那州 中米7カ国不戦協定調印 (2400ku)

                任那。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。

                     コスタリカ、グアテマラ、パナマ、

             フォンセカ湾(1200ku)  旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領

             旧コスタリカ領 ココ(瓜生)島 (46.6ku)

             ブリカ(中ノ鳥)半島 (753.6ku)  旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)

             旧グアテマラ(沖ノ浜)領(400ku)

 1935年 熊襲市 (400ku)  旧タイ王国領対マレー国境

 1936年 蝦夷市 (400ku)  旧チリ領

 1938年 漠砂州 (8万3860ku) 旧イタリア領リビア・ブトナン県

 1939年 租界地 エストニア・イダ=ヴィル県(3364ku)50年

 1939年 瑞森市 (400ku) 旧ブラジル・オランジュ域

 1940年 亜羅州 (4039ku)   中東アラビア海

        武山(むさん)半島  ムサンダル半島  800ku    旧アラブ首長国連邦・オマーン

        和蔵(わくら)湾    アル・ワクラ湾   800ku    旧サウジアラビア・カタール

        武矢(ぶや)島     ブビヤン島    863ku    旧統合イラク・クェート

        佳(けしま)島諸島              1576ku   旧イラン

            佳(けしま)島      ゲシュム島   1491ku

            良久(らく)島      ラーク島     49ku

            辺賀(へんが)島    ヘンガム島   36.6ku

 1940年 租界地 ノルウェー・フィンマルク県(48618ku)

 1941年 北斗市 北アイスランド西部の岬(400ku)

 1942年 任那州 中米8カ国不戦協定調印 (2800ku)

                任那。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。

                コスタリカ、グアテマラ、パナマ、メキシコ

             フォンセカ湾(1200ku)  旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領

             旧コスタリカ領 ココ(瓜生)島 (46.6ku)

             ブリカ(中ノ鳥)半島 (753.6ku)  旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)

             旧グアテマラ・メキシコ(沖ノ浜)領(800ku)

 1943年 府穀市(800ku)  タイ湾フコク島(561ku)+(対岸231ku) 旧ベトナム帝国・カンボジア王国

 1945年 木仁弥(赤道ギニア)州(26034ku)+雲州(ビオコ)島(2017ku)  旧スペイン領

 1948年 グアヒラ半島   苅武市800ku    旧コロンビア領+旧ベネズエラ領の国境  第26師団

 1948年 グアヤキル湾  大洋市800ku     旧エクアドル領+旧ペルー領の国境  第27師団

 1948年 パラグアイ流域 原亜州3200ku    旧パラグアイ領+旧ボリビア領の国境  第28師団

 

 

 

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第29話 1949年 『日本銀行分割』
第30話 1950年 『中禅寺湖遷都と、華厳ヶ関』
第31話 1951年 『戦うか。隷属の選択しか与えない』