月夜裏 野々香 小説の部屋

    

神がかり系 仮想戦記 『神籬の木仙』

 

 第34話 1954年 『積極財政の功罪と。地縁祭り』

 民主主義は、自己主張する個人主義に繋がり、

 資本主義は、拝金主義につながる。

 日本の封建的な体質と融合し、歪な封建制資本民主主義が形成されるが、

 伝統が正しいというわけでもなく、

 普遍的な意味における集団社会制度は模索中で、

 強者の我田引水は、直接的な加害者と被害者というより、

 遠因な党利党略や権謀術数と無関心による貸し渋りと貸し剥がしによって始まり、

 弱者から排斥され殺されていく、

 勝ち組は、誰かを負かさないと現れないため、他者を貶めるか、対外的に搾取するよりなかった。

 とはいえ、資本主義経済は、自己資本投資と、自己の借財による紙幣発行が原則だった。

 積極財政が、なぜ、嫌われ、国賊野郎と言われるのかというと、

 資本主義の原則である自己資本投資によらず、自己の借財による紙幣発行によらず、

 税金と国債で作った紙幣を公共投資という大義名分で、

 公務員とゼネコン産業で強制的に山分けできことから、

 卑劣で汚く不公平な資本主義で、資本主義とは言えないほどの邪道だった。

 社会資本を増やす方法としては、国民全体に一律に紙幣を分配する方が公正だった。

 公務員とゼネコンに所得税を90パーセント以上かけ、

 労働以上の所得を取り上げて然るべきなのだが、

 現実の所得税は、公務員やゼネコンの労働が不正収入を上回ることはなく、

 不正収入を得ていない国民に対し、税金や赤字国債という形で借財を押し付けた。

 そして、所得税90パーセント以上では、

 自己資本投資で出稼ぎ、自己借金の投機で稼ぐ、非ゼネコン資本に面白みがなかった。

 この歪な資本形成が、真面目な一般庶民と資本家に嫌われている理由であるが、

 ここで、紙幣と幸幣を交換できる木工12ギルドが介入する。

 これは、朝鮮投資や満州投資がやりやすかったことと同じで、

 貧困層に機会を与えやすい海外地や過疎地に投資するこになった。

 日本国民が大量の積極財政に暴動を起こさず、容認したのは諸外国にとって意外だった。

 むろん、公務員やゼネコンが紙幣と幸幣を交換し、

 社会資本を還流させやすかったからであり、

 公務員とゼネコンが特権的な不正収入を得て、

 国民全体に国債の借金を押し付けて借金奴隷とし、

 その税収まで、公務員とゼネコンで分けることができる美味しい金の成る木を許せるわけもなかった。

 こういった公共投資への財政投資で不正収入を得る手法が永遠に使える訳もなく、

 まともな信用創造だけの新自由主義型資本主義に回帰させようという動きがあった。

 むろん、それでは社会資本の還流が減少し、必要な社会基盤を作ることができず、

 資本を持つ既得権ばかり強くなり、資本を持っていない弱者は、ますます、資本が得られなくなった。

 こういった独占的な金融独裁と、不正収入による特権階級と、奴隷労働を作る不公平な資本主義制度ではなく、

 200万人産業で代用紙幣の幸幣を手工業で製造してる木工12ギルドが好かれた要因でもあった。

 帝国議会

 “もし、国民全体に紙幣を一律に分配せず”

 “特権的に不正収入を得ているにもかかわらず、所得税を減らすというのなら、所得税の引き下げは反対だ”

 “また、都心に高層ビルを立て、それに対し、国債の借金を国民に押し付けるのも反対だ” 木工ギルド系議員

 “そ、それでは、真面目に働いてるものが80パーセントも所得税を取られて困ると”

 “だったら、国債はゼネコンだけで返済義務を負うことですな”

 “だから公共投資だと”

 “国民にばらまいて、所得税をとって、それで財政投資すりゃいいでしょ”

 “国債で不正収入を得て見返りに天下りするなどと、資本主義に反する”

 “過疎地の投資は箱モノと言われて、人気が・・・”

 “あんたたちが流してる評判だろう”

 “金持ちが我田引水で高い大都会の私有地を国に買わせて暴利を得るなど許せるわけがない”

 “国権を私物化して不正に地位と収入を得るて庶民を奴隷にするなど言語道断”

 “まして、外患なる利権企業右翼を利用して私腹を肥やすなど国賊である”

 ““““・・・・・・”””” ぶっすぅ〜

 

 

 

 北斗市 北アイスランド西部の岬(400ku)

 夏は百夜となり、冬は極夜となり、

 岩場とコケばかりの大地に数十頭のアザラシが転がる。

 “北斗市は、いらない子”

 そう言われながらも北欧道と苅武市、瑞森市を繋ぐ中継地点のためか、投資が進み、

 風力発電と火力発電と、アイスランドで建設した地熱発電からの送電で電力を保つことができた。

 高層ビルが建ち、ドーム型農場で作物が育ち始めると日本人が増え、

 日本とアイスランドの間で交流が増えていく、

 アイスランドの商品や武器弾薬は、日本製が多く、

 日本食も増え、アイスランド人の食生活まで影響が出ていた。

 海軍基地は、潜水艦40隻を配備できるバンカーが建設されていたが、

 平和なのか、配備されてるのは、4隻程に過ぎなかった。

 海底を測量してきた潜水艦が帰還すると、詳細な海図として更新していく、

 海底地形図は艦船が使用するものとして一部刊行されていたが、

 水深40m以下は、軍事機密に近づく、

 潜水艦の潜水能力が高まるほど、

 海底地形図の重要性がまし、潜水艦戦に占める割合も大きくなった。

 

 

 日本でテレビ放送が始まっていた。

 各省庁は、口座を作って、国民に計画書を提示し、募金を呼びかけた。

 大蔵省予算折衝の大蔵詣で廃止の代わりに、

 テレビ、ラジオ、新聞で直接、国民に訴える枠が作られた。

 計画、達成予想額、募金額、進行状況などがテレビ、ラジオ、新聞で報告され、

 国民の社会資本が国政の方向性を左右する下地が形成され、

 募金額が増えるにつれ、国債発行は減少し、

 政府・官僚と議会で決定していく財政は専門筋による偏った財政の調整と化していく、

 日本国民の意思は、政府や議会でなく、募金額で判断されるようになり、

 政府、議会、官僚機構は、国民が第二の大蔵省となったことから国民意向や扱いに慎重になっていった。

 予算を決める者が権力者となるなら、

 日本の支配者は、政府、官僚、資本家から国民へと移行していた。

 これは、木工12ギルドが代用紙幣に足る幸幣を製造していたからで、

 “俺に財政を決めさせろ” という勢力が国民の主流を占めたためだった。

 

 

 

 ハーバード大学ドル紙幣教会

 “唯一絶対なる神FRBよ。全能の神FRBよ”

 “大天使ロスチャイルド、ロックフェラー、モルガンよ”

 “我らユダヤ金融支配に反逆する日本を滅ぼしたまえ”

 “日本の幸幣を滅ぼし。10行を中央銀行に統合し。金融の独占を回復させたまえ”

 “日本人の利己主義と拝金主義を強め”

 “所得税を引き下げ、間接税を引き上げて、貧富の格差を拡大させたまえ”

 “地域格差を拡大させ、中央と地方の対立を拡大させたまえ”

 “日本の政府、議会、官僚、資本家、民衆を対立させたまえ”

 “国家が税金を奪って公務員の給料をインフレさせ。庶民の所得を減らしてデフレを起こしたまえ”

 “労使を対立させ、無就職者を増やしたまえ”

 “父権を喪失させ、母を反逆させ、子供を離反させ、殺し合わせ、国賊と売国奴を育てたまえ”

 “日本軍を暴走させて中国、ソビエト、東南アジア条約機構と戦争させたまえ”

 “地方を分離させ、内戦を引き起こさせ、日本を解体させたまえ・・・”

 “アーメン”

 「「「「アーメンニダ」」」」

 

 

 

  朝鮮共和国 (21万6823ku)

   中国協商保障領 7パーセント、中国1万5177ku

   米英ソ同盟保障領 8パーセント、合計16823ku

    アメリカ3パーセント、6504ku  イギリス3パーセント、6504ku  ソビエト2パーセント、4336ku

 朝鮮人は、客家とユダヤ人が発行する紙幣を得るため、客家とユダヤ人に忠誠を誓って地位を得るか。

 利権を銀行に引き渡して資本を得て企業するか。

 ローン契約を結んだ朝鮮民族が働くしかなかった。

 朝鮮半島の工場で生産されたものが国外に輸出され、

 外貨となって、客家とユダヤ人のポケットに入る。

 当然、客家とユダヤ人に逆らえば、紙幣発行がなされず、経済は立ち行かず、

 紙幣を奪われた国家は、企業や国民から紙幣を搾取するよりなく、

 産業が殺され、国民も犯罪に走るか、自殺させられるか、殺されていく、

 朝鮮共和国は、外国人に中央銀行を支配され奴隷労働国となっていた。

 日朝は、国交を断絶していたが保障領は、中国領、アメリカ領、イギリス領、ソビエト領で、

 日本人がいてもおかしくなく、

 そういった国は、日本製の物資が供給されていた。

 江華島

 お祓いで使うコップと塩が納入されてくる。

 「江華島は、戦場になってないので、幽霊がほとんど出ないですよ」

 「助かるねぇ」

 「しかし、ハリウッドの幽霊映像を見て怯えてますし、なかなか来たがりませんよ」

 「ハリウッドは、カメラを設置してるだけで金が入ってくるんですから、金のなる木でしょうな」

 「いま、朝鮮人の人口は、どれほどで?」

 「さぁ 600万くらいだと思いますが、何しろ、現地政府がいい加減で・・・」

 「ぅぅ・・・生殺与奪権を奪われてる」

 「中央銀行だけは、外国に支配されたくないものだな」

 「会社なら会計が独立してヤクザみたいに強請りたかり屋になってるってことだろう」

 「中央銀行は支配の道具にもなるが。独立されて悪用されると国家と国民が殺される」

 「まったくだ」

 

 

 

 漠砂州 (8万3860ku)

 北アフリカに砂漠が形成されたのは5000年前だった。

 変わらない砂漠の環境が延々と続くかと思われたサハラ砂漠の一角に草原が形成されていた。

 それでも砂嵐になると草地が砂で覆われ、

 砂嵐が止むと、その上に土がかぶせられていく、

 標高差が国防につながることから、この作業は延々と定期的に繰り返された。

 白人観光客

 「そろそろ、漠野州に改名してもいいんじゃないか」

 「しかし、日本人は、ポンポン高層ビルを建ててるがどういうつもりなんだろうな」

 「砂嵐の勢いをビルで止めて砂を集めてるんじゃないか」

 「ビルが埋まるだろう」

 「ビルの周りだけ、砂を跳ね除ければ自動的に遮光になるから構わないんじゃないのか」

 「滅茶苦茶だな」

 「それより、日本はどうするって?」

 「石油が出るなら投資するし。石油が出たら買うそうだ」

 「ノリが悪いな」

 「やれやれ、一番、余裕のあるはずの日本がこれじゃ・・・」

 「イタリアのリビア再占領が面白くないのだろう」

 「というより、緑化に協力するだけで石油が入ってきそうだしな」

 「アラブ・イスラム国家が強くなる方が面白くないのだがね」

 「日本人も有色人種で仏教だし。アラブ・イスラムがまともな国家になっても気にならないのさ」

 「まぁ 今のところ、国民に戦争できるだけの意思はない」

 「例え、北アフリカの辺境とは言え、あと10年くらい欲しい」

 

 

 

 日本 寒村の某神社

   仙堂春和(48) × 山城美奈(44)

      仙堂一樹(26) × 仙堂(日吉)明美(22歳)  秋穂(3)  祐樹(♂)

      仙堂智樹(22)  × 仙堂(佐藤)七海(17)

   烏丸彰人(24) × 烏丸(仙堂)加賀美(19)

   角浦秋和(48) × 日向奈美(42歳)  冬樹(19)

      角浦芳樹(22)  × 角浦(伊達)早苗(18)  和樹(1)

   椎葉豊彦(30) × 椎葉(角浦)青葉(26)  和哉(3)  桂治(♂)

 何もないはずの神社に二つの一族が集まっていた。

 その日は、雷が落ちた日で、

 一族に子供が生まれると、仙堂家なり、角浦家なりが来るが、

 この年は、仙堂家と角浦家の両方で子供が生まれ、両家が集まった。

 全員が普段着で着飾った風でもなく、

 神主と村長は、次の世代に移っていたが党首や子供達と顔見知りで、

 村から何人か巫女さんを頼んでるのか。宴席で、お神酒を振舞っていた。

 主役の仙堂祐樹(♂)と椎葉桂治(♂)は、雷が落ちて砕け散った御神木のそばで休み、

 残りの一族も三々五々にくつろいでいる。

 村の家々にも酒とツマミが配られてるはずだった。

 「日長一日、仕事を離れて、酒もつまみも食事もそこそこで、寺でのんびり過ごすか」

 「子供たちが飽きるまでですから何日も居座ることがあるそうですよ」

 「人間国宝がこれだけいると壮観だが、妙な儀式だな」

 「本当に・・・」

 椎葉と烏丸は、仙堂家と角浦家の中に入りにくいのか一緒にいた。

 角浦家の長女と結婚した年上の椎葉と、仙堂家の末娘と結婚した年下の烏丸とでは、

 椎葉の方が格が上なのだろうか、

 しかし、なんとなく気が合っていた。

 「ひょっとして、この神社が仙堂家と角浦家の秘密かもしれませんね」

 「多分ね。しかし、結婚前に一度来たことあるけど何もない」

 「そういや、結婚前に、お使いで来たことありますよ」

 「ですが、小さな神社で、なにもなかったですけどね」

 「俺たちがわからないだけで、木仙一族には、なにか見えてるのかもな」

 「それはそうと、仙堂家も角浦家も、お金持ちの割に使用人がいないですね」

 「元々 頭首二人は、この村の出だし」

 「仙堂家と角浦家の嫁も娘嫁も庶民上がりだから大抵のことはできるよ」

 「だから庶民上がりと結婚してるのかもしれないが」

 「しかし、俺たちの場合、お金持ちのところの娘と結婚するから、ちょっと我侭だな」

 「確かに・・・経済的に独立してますしね」

 「俺たちは、関係ないことだけど。財産が半減させるより、メイドを雇うほうが合理的な気もするがね」

 「でも、こっちも庶民上がりで、そうじゃなかったら結婚できなかっただろうし」

 「藤原氏の時代なら娘は、家の手駒で。皇族か、華族に嫁入りですよ」

 「まぁ 閨閥もいろいろあるんだろうな・・・」

 何もない小さな神社と、少し広めの鎮守の杜。

 直系の子供たちは、何をするでもなく、ぼんやりと散策していた。

 何日かすると、村の顔役や恐る恐るやってくる村の子供達と交流するようになり、

 次第に村人たちが集まり、

 仙堂家と角浦家に守り立てられて出世した人々が帰郷し、

 さらに周辺の村人まで集まって、祭りのようになっていく、

 椎葉と烏丸は、東京から来た秘書の報告書に目を通し、確認のサインをした。

 秘書たちは憮然と去り、

 二人ともため息をついた。

 「一週間経つけど、仕事どうするんだろう」

 「子供たちが飽きるまでいるらしいけど」

 「村が出来る子を中央に送り。子供は出世すると故郷を守るか」

 「なんか、祭りの原型を見たような気がするな」

 「そういや、青葉も自分の御神木を持っていて、その地域と繋がりを強めてるな」

 「加賀美もそうです」

 「こうやって、独自の祭事が作られて家族と地域が結束していくんですかね」

 「逆に出世頭が村に妬まれて殺されると、村は寒村のまま朽ち果てていく・・・・」

 「都会じゃ 個人主義と企業主義が強まっているから家族が壊れ安く、地域の繋がりが気薄になっていくな」

 「地縁祭とタウン型高層ビルで歯止めがかかるといいですがね」

 「んん・・・まぁ 結局、中心になる人が問題になるのかもしれないな」

 

 

 

 アメリカ合衆国

 白い家

 「日本人は、高層ビルを建て続けてますね」

 「ポンポン立てやがって」

 「1棟が巡洋艦並みの値段だというのに、日本は金持ちだな」

 「国債と税金でビルを建設してるようだが」

 「金融とか、財政なんていうのは、シンプル・イズ・ベストでね」

 「財政は、金持ちから金を奪って、公共投資するか、庶民に散蒔くことだし」

 「金融は、必要な公共投資分と、庶民が自殺したり犯罪を犯さない分の紙幣を発行する事だ」

 「これに失敗すると利権や世襲が強くなって、格差が広がる」

 「庶民は、利権に人権を脅かされ、所得を奪われるから、保身に走って消費が冷え込む」

 「そして、コントロールできないほどの紙幣が富裕層に集まり金がだぶついているのに、庶民は貧しく犯罪者と自殺者が増加する」

 「政治力で、無理やりでも所得税を取って富裕層の不労蓄財で腐らせず」

 「国債だろうと税金だろうと、社会資本を循環させるのが最上だよ」

 「紙幣量もコントロールできる範囲で済ませられるし」

 「日本の場合、紙幣を貰ったゼネコン社員は、神社で紙幣と幸幣を交換する」

 「200万人の木工12ギルドが紙幣を使うから、社会資本が循環してしまう」

 「あと、強化ガラス繊維と強化コンクリートもビルの軽量強靭化と結びついてますし」

 「この循環は長期的に続くだろう」

 「つまり日本の金融と財政は上手くいってる」

 「そうだな・・・」

 「自分の財産の半分を奪われるくらいなら内戦も辞さない人間は、どこにでもいる」

 「既得権を守るためなら、戦争も辞さない人間は、どこにでもいる」

 「日本も幕府を打倒されるくらいならって、戊辰戦争した。予想通りじゃなかったが」

 「廃藩置県され録を失うくらいなら西南戦争も辞さなかった。予想通りじゃなかったが」

 「農地解放されるくらいなら、軍縮されるくらいなら、中国侵攻で対米戦争も辞さない。これは失敗しただろう」

 「幸幣と、木工12ギルドのせいだ。突き詰めると仙堂と角浦だな」

 「金融支配を守るためなら、日本を解体する。これも上手くいかなかったな」

 「いいとこまで行ったんですがね」

 「結果は中央銀行の10行分割。木仙一族と木工細工師にしてやられましたね」

 「我々なら、人類の8割を殺してでも紙幣発行権は手放さないがな」

 「予想外でしたね」

 「つまり、日本は、資源で自立し、工業力でも一流に近づいてる」

 「その上、国権手駒のラスボスまで、根こそぎやられたんじゃ コントロール不能だな」

 「日本も波に乗るとやめられないのでは?」

 「このままだと、日本の工業力はアメリカを超えてしまうな」

 「日本人をもっと遊ばせよう」

 「日本人から金を奪えば、投資できなくなり、働けなくなるのでは?」

 「日本の権力者や富裕層に海外に浪費させるか、不正蓄財させよう」

 「財政を狂わせても、金融で銀行が紙幣を発行すれば、済むことでは?」

 「中央銀行さえ、支配することができれれば、日本を殺せるのに・・・」

 「ラスボスの中央銀行が、10行に分割されてしまいましたからね」

 「10行とも支配して、紙幣印刷をやめさせないと」

 「1行でも印刷をやめなければ、日本を潰すことなんてできません」

 「なんて、むかつく国だ」

 「逆にインフレさせられないのか?」

 「幸幣が強くなるだけですし」

 「銀行は、抽選で選ばれた貴族員と衆議員の合議制ですから」

 「貴族員の5人はともかく。選挙民が反発すれば衆議員10人が一瞬で是正しますよ」

 「誰か、日本人に逆張りの面白さと利益を教えてやれよ」

 「日本経済のバブル破壊させて、利権を買い漁って、ボロ儲けで日本権力構造の支配みたいな?」

 「確かに大恐慌の時は美味しかったですけど」

 「そんな大量殺人鬼みたいな真似ができる人間が、日本にいればいいのですがね」

 「それより、マニラコネクションと、陽華人、騎華人が組み始めたらしい」

 「あと、東南アジア条約機構のフリーエージェントの南蛮万事屋も」

 「組織の活動資金は、どこから得ている?」

 「彼らは、日独相手の東南アジアのバイヤーみたいになってますからね」

 「フィリピン人のテロリスト部隊を編成してマニラ・コネクションを攻撃してみるか」

 「サナトリウムにいるのはアメリカ国民ですよ」

 「アメリカとフィリピンの戦争になりますよ」

 「それもいいが今のアメリカは戦争できる状況にない」

 「しかし、マニラ・コネクションは潰さないと・・・」

 「そのへんは、もう少し、検討してみることにしましょう」

 「あと、ユダヤ銀行の紙幣発行独占を気に入らない、合衆国の第二銀行を開業したがってるグループですよ」

 「連中はアメリカに神社を建立させて紙幣と幸幣の交換させたがってます」

 「もちろん、日本は反対だろうな」

 「まぁ 資源と交換ですからね」

 「でも、数百倍の価格で紙幣と交換してますので、こっちの方が美味しいですし」

 「問題は、内部抗争が激化してることでしょう」

 「こっちについてるマフィアも多いですが」

 「向こう側についてるマフィアも少なくないので、我々も標的になりかねませんよ」

 「「「「・・・・・」」」」

 「それに、第二銀行開業派勢力も増えてる」

 「このままだと末尾偶数ドル紙幣をアメリカ議会に取られてしまうな」

 「大イスラエル建国の途上というのに・・・」

 「むしろ、日本がすんなりと海外地を手に入れてることが癪に触る」

 「日本人は一部の利権屋を除くと善良ですからね。驚く程に・・・」

 「ふっ お金持ちや役人なんていうのは、基本的に略奪乞食なんだよ」

 「私利私欲以外のことは、金をもらわない限り、小指一つ動かさないさ」

 「日本もそういう連中を出世させれば・・・」

 「なんとか、第三国籍の朝鮮人を送り込むか。国際連盟の職員で朝鮮人を入国させてるがね」

 「生憎、日朝国交は回復してないし。朝鮮人の潜入も失敗してるから、日本で情報操作するだけの数が足りない」

 「それはそうと、国際連盟で空中、地表、洋上核実験の停止を呼びかけてますが」

 「周回遅れのドイツ、日本、ソビエトが国際連盟を利用して、アメリカの足を引っ張ってるだけだ」

 「しかし、応じなければ、ドイツ、日本、ソビエトは、直ちに無制限核実験を行うと」

 「「「「・・・・・」」」」 ぶすぅ〜

 

 

 国際連盟は、全会一致が原則の社交場で、

 例え、多対一であろうと、別段、脱退する必要性もなく、過ぎていく、

 また、国際軍事組織すらなかった。

 そのため、国際紛争で手を打つ力が弱かった。

 国際連盟の強化が必要とされ、

 日本、ドイツ、中国、イタリア、タイ王国・・・・が連盟で・・・・

 東京 国際連盟 本部

 世界最大の木造建築物 “平安宮” の周囲は、日本庭園が広がり、

 落ち着いた風情を作り出していた。

 独立国が増えたせいか、庭園が拡張され、

 独立したバンガロー型の各国事務所が転々と配置され、

 安全のため庭園の周囲は壁と堀が作られた。

 バンガロー型建築物は、最大容積と木製であることが決まっており、

 各国が運び込んで組み立てるか、日本が作ることになっていた。

 日本事務所

 「殺されるニダ」

 朝鮮共和国の代表は、そういった。

 「はい?」

 「今日の議題を上げると、殺されるニダ。議題を上げないで欲しいニダ」

 「しかし、今日の議題は、十数ヶ国が提示しようとしている」

 「日本が引いたところで、ほかの国々で上げるだろう」

 「反対したら殺されるニダ?」

 「誰に?」

 「客家に殺されるニダ! 一族皆殺しニダ」

 「では、賛成したらいいのでは? 日本も助かりますし」

 「賛成したらユダヤに殺されるニダ!! 一族皆殺しニダ!!!」

 「じゃ 棄権すればいいじゃないですか。それでも賛成が勝てそうだ」

 「棄権したらどっちからも殺されるニダ!!」

 「どうしようもないですな」

 「日本に亡命させて欲しいニダ」

 「はあ」

 「それなら、賛成するニダ」

 「いや、しかし、日朝の国交が回復してませんし」

 「だったら、議題反対して、壮絶に殺されてやるニダ」

 「いっそ、賛成して、中国に亡命したらいいじゃないですか」

 「それか、反対して、アメリカに亡命するとか」

 「どっちに行っても暗殺部隊が送られるニダ!! 日本が一番安全ニダ!!!」

 「そうですか」

 「客家やユダヤの言うこと聞いたら護衛付きの大屋敷で、何不自由無く、一生楽隠居できると聞いたことありますよ」

 「日本もそうするニダ!!!」

 「そう言われても・・・」

 「一生恩に着るニダ」

 「あははははは・・・」

 「笑い事じゃないニダ!!!!!」

 「一族はどうするんです」

 「賛成しても反対してもどっち道、すぐ殺されるニダ。間に合わないニダ」

 「・・・でもねぇ」

 「杓子定規は、日本人の一番悪いところニダ!」

 「・・・・」 ため息

 加盟国8割裁決制で加盟国の8割が賛成なら採決されることとする提案が全会一致で裁決され

 国際軍事組織を分担金額に応じて編成する議題が全会一致で裁決され、

 核実験の制限で

 空中、地上、洋上での核実験を全面的に禁止する国際条約が全会一致で採決された。

 朝鮮人の国連代表は、その日のうちに行方不明となった。

 

 

 

 フィンランド湾とバルト海は、最大の港であるドイツ領サンクト・ペテルブルク港(2300ku)と、

 ソビエトのレーニングラード港を塞ぎ、

 ドイツ、ソビエト、フィンランド、エストニア、日本の領海が複雑に絡んでいた。

 北欧道スールサーリ島(21ku)、ラヴァンサーリ、大・小チュテルサーリ島の数ヵ所に高層ビルが建設されつつあった。

 なんで、こんなところにと思うのだが、戦後の厭戦機運がまだ高く、

 北欧道から外洋に出る途上の島で、

 この地に高層ビルを建てるとフィンランド湾を行き来する艦船が丸見えとなり、

 少なからず圧力をかけることができた。

 もっとも原子爆弾が配備されてる時代、軍施設は、地下網に集中していたが、

 屋上にはレーダーサイトが建設され、

 フロアの一つは、軍が専有し、海を見張ることになっていた。

 ソビエト海軍の13350t級スヴェルドロフ型巡洋艦が領海の外を通過しようとしていた。

 日本人たち

 「新型巡洋艦か・・・」

 「ソビエトは、ヒットラーが引退したから様子見で、出航させたのかもしれないな」

 「ヒットラーは、スターリンが暗殺されて、驚いて辞任したのが正解だろう」

 「な、なるほど、道理で唐突な引退だと思ったよ」

 「しかし、外洋まで何重にも包囲されてるのに随分と大きな軍艦を建造したものだ」

 「だから外洋で活動できる巡洋艦を建造したんだろう」

 「日本も、もっと、建造すればいいのに」

 「日本は、軍艦より高層ビルを建てる方が流行ってるみたいですからね」

 「まぁ 軍縮で陸奥を廃艦されて毒気を抜かれ。戦艦部隊をアメリカに売却して牙が抜かれからな」

 「せめて爪くらい残さないと」

 「ふっ」

 「しかし、ネヴァ川から離れただけでもホッとするな」

 「独ソ軍が川を挟んに睨み合ってる大都市ですからね」

 「一触即発で核戦争は、怖すぎますよ」

 「核戦争といえば、実験場は手配できたのかな」

 「インドか。アフリカのどこかが、地下実験限定で貸してくれるって話しでしたけど」

 「地下か・・・」

 「日本は国土が狭いからね」

 「ドイツも命懸けで守った土地で核実験なんてしたくないでしょう」

 

 

 

 中国 上海 日独伊共同租界

 開戦と同時に米英ソ租界は奪われ、

 その後、日独共同租界へ引き渡された。

 日独共同租界が大きく広げられた原因は、

 国家として対米英ソで戦い続けるため日独を味方につけたかったこと、

 中華民族が国家の圧政から逃れたかったことの二つで、

 利権をもっと強くしたいとか、拡大したいとか、のレベルでなく、

 国家の存亡と一族の死活問題で命懸けだったのだ。

 そして、その政策は、戦争で大量の男が戦死したことで女余りが発生し、

 租界を中心に混血が大量に生まれ

 日中混血の陽華人の子供を集めた職業訓練学校が作られ、

 万事屋と呼ばれる卒業後の活動組織となり、

 ドイツ側も独中混血児の騎華人を集めて騎華団という秘密結社を作り出した。

 そして、収容地に学校を中心にした街が形成され、

 陽華族と騎華族という新たな少数民族を生み出した。

 日本は、子供たちの教育を退役した特高職員が行っていた。

 “・・・君たちは中国人の中でも特別な子供達だ・・・”

 “・・・重要なことは、血統書を作り、維持管理することだ”

 “だから子供が生まれたら必ず我々に報告すること”

 “その後、各支族の族長にそれを渡すので、しっかり管理する事が大事だ”

 関係者が授業の風景を見ていた。

 「どうだね。特高教育の調子は?」

 「日本の士官学校や警察学校でやったら国民に袋叩きにされかねませんがね」

 「中国社会は、死がそばにある」

 「独特の嗅覚が身に付くし、目付きが違ってくる」

 「租界で学校を作って正解でしたよ」

 「まだ、客家の教育に比べたら甘いある」

 と母親が発言する。

 「そうか」

 「そうある」

 「中国人はトリプルスタンダード、カルテットスタンダードが標準ある」

 「10代過ぎて衣食住付きで画一教育なんて舐めてるある」

 「4、5人で班を作って、棲家を奪わせるある」

 「特に教育してる職員が薄っぺらで、やる気ないある」

 「中国大陸じゃ 甘ちゃん過ぎて半分も生き残れないある」

 「ペーパーエージェントはやめて。早く、詐欺と盗みと人殺しを実習させるある」

 「「「「ええーーー」」」」」

 「だいたい、戦闘訓練がなってないある」

 「引き金を引く正確さと速さは関係ないある。引き金を引く状況と早さが大切ある」

 「「「「あははははは・・・」」」」 ため息

 中国人は、戦線に立つと戦友の後ろに回りたがるくせに、

 個人戦は、無類の強さを発揮することから情報工作能力が高かった。

 

 

 アメリカ合衆国

 FRBは、紙幣を発行する私営の銀行だった。

 紙幣は、国債。株。土地、家などの債権と、

 借金などの労働契約などを対価にして発行される。

 国債。株。土地、家などの債権が全て銀行のモノになってしまうと、

 労働契約から生じる対価が紙幣発行が銀行業務となった。

 国家は税を必要とし、

 既得権益は、産物を独占し、絶えず一定の紙幣を集めるため、

 国民は、生まれた瞬間に数百万ドルもの負債を負うことになる。

 銀行業務における貸し借りは資本主義として正しいかもしれない、

 しかし、民主主義の権利として、一律に銀行紙幣が分配されない限り、

 国民はFRBの奴隷なるよりなかった。

 幸幣は代用紙幣としての価値があって、紙幣と交換が可能なため、

 アメリカでも重用された。

 まともな企業や個人は、FRB支配から逃れようと、資源や穀物を日本に売却するだけでなく、

 技術や工業品まで売却して代用貨幣たる幸幣を手に入れ、

 流通貨幣を水増しさせようとしたのだった。

 戦後、社会資本が増大するインフレを是正しようと、幸幣を取り入れたユダヤ資本だったが、

 今では、家、土地、自動車だけでなく、洋服の値札にまで幸幣での値段が併記され、

 アメリカ国民全体が、幸幣による流通貨幣増大を望み、日本企業の誘致に賛成していた。

 アメリカ合衆国で神社が建立したのは、そういった背景があった。

 ニューヨーク神社

 アメリカ人は、見よう見真似で、一礼して鳥居をくぐると、

 参道の中央を避けて歩き、手水舎で手と口を洗い、

 神前に立つと一礼し、お賽銭を入れ、鈴を鳴らして、二拝二拍手一拝をし、

 その後、紙幣と御籤を交換していく、

 この時期、日本で形骸化しつつある作法が、なぜか、アメリカで行われていた。

 これは、アメリカでも幸幣を製造して欲しいという差し迫った理由があった。

 当然、証券取引所で紙幣と幸幣で交換できると反対する勢力が生まれるが、

 取引所で紙幣と交換しても利鞘、逆張りなどに利用されるだけでなく、

 資本家に紙幣がとどまるだけで、社会資本として流れにくいことが判明し、

 マニラ・コネクションなど賛成派勢力と、FRB勢力の

 双方に付いたマフィア数百人が死亡・行方不明な抗争が繰り広げられた結果、神社建立となった。

 その賛成派の支援で陽華人と騎華人が入国していた。

 彼らは、一度、中国を出国し、

 アメリカと国交が回復してる東南アジア条約機構、日本、ドイツの国籍を取得すると、

 アメリカのグリーンカードを取得し、万事屋や騎華団としての活動が始まる。

 マニラ・コネクションと陽華人と騎華人

 「ちっ 証券取引所の時価の5分の1以上で数量規制とか、ふざけやがって」

 「今度、FRBの人間が歩いてるとこ見付けたら、やってやる」

 「一応、こっちと、FRBの落としどころですから、こっちも手酷くやられましたし」

 「もっと、神社を増やさないといけない」

 「そして、アメリカで幸幣を製造して、FRBを分割しなければ、アメリカ人は永遠にFRBに支配されたままだ」

 「まず、議会で勝てないとダメなのでは?」

 「まぁ そうだが、FRBを敵に回すと当選はむつかしい」

 「FRB支配をアメリカ国民に喧伝しては?」

 「マスメディアはアメリカ資本に押さえられて、すぐには見方を増やせない」

 「地道にやるしかないですな」

 「まぁ そうだが・・・」

 「旦那。もう、幸幣がなくなったある」

 巫女姿の騎華人が声をかけた。

 「次の入荷は?」

 「明日の航空便で届くある」

 「「「「・・・・・」」」」 ため息

 取引所の5分の1の値段なら、それが仮に1枚でも交換に来るのが当たり前だった。

 

 

 

 ミクロネシア

 小さな環礁に巨大なタウン型高層ビルが建設されていく、

 最上階は、軍のレーダーサイトとヘリポートで使われ、

 部屋の半分は宝くじの利権になってるため、

 手に入れると自分で住むか、転売する。

 「雛壇式というか、ピラミッド型というか。いまの流行りなのか」

 「10階ごとのテナント階は、ベランダを広く取った方が好まれるようで過疎向きですね」

 「今は、過疎しか建設してないだろう」

 「橋梁上、問題があるんじゃないのか」

 「斜め外側に向かって重心を移動させる構造なので、それほどでもないですよ」

 「重量を食うコンクリートも少なめですし」

 「強化ガラス繊維は、そんなにいいのか」

 「最近は、強度が良くなってね。繊維強化プラスチックっていうらしい」

 「下のほうが広いから人気あるんじゃないのか」

 「下のほうが価格が高いですから、バランスは取れてますよ」

 「価格といっても、政府補助金やら、宝くじ事業やら、予備役事業やら・・・」

 「自立できればいいが」

 「自立出来るだけのスペースと人口は、ありますよ。どのみち、軍用で使いますし」

 「軍民兼用は面白くないな」

 「逆に治安はいいでしょう」

 「軍は民間に関わりませんよ」

 「治安なら、派出所付きが大きいでしょうね」

 「逆に住民は、軍施設の存在でミサイル直撃ですからね。不安を持ってますよ」

 「軍施設の本体は、地下にあるし、問題ないでしょう」

 「住民は?」

 「まぁ 地下施設に移動する方が安全ですね」

 「しかし、地下と言っても海抜下だからな・・・」

 「下部は軍用で耐えられよう。隔壁が破壊されない限り大丈夫なように作ってるよ」

 「軍艦造れって言いたくなるくらいだが」

 「今は社会基盤の時だし。ミクロネシアの生産力を大きくして、任那州が孤立しないようしたいらしい」

 「しかし、自家用車の代わりに水上機やボートは面白いな」

 

 

 

 イランの資源で最大は石油だった。

 それを除いたとしても石炭、鉄鉱石、銅、鉛、亜鉛、クロミウム、バライト、

 塩、石膏、ブリブテェニアム、ストロンチウム、シリカ、ウラン、金など重要な資源が多く、

 イランは、近代化を欲しており。

 日本も公共投資、設備投資、生産で資源を欲していたため、両国の利害が一致した。

 日本資本は、イランの近代化を対価に公共投資と開発と採掘を引き受け、

 資源を手に入れようとし、ドイツ資本、アメリカ資本と激しい商戦を繰り広げていた。

 

 先進国は、少数民族、閨閥、学閥エリートによる金融支配、

 ゼネコン支配、軍需支配など考えなければ、

 国債を乱発し、高い水準でインフレを継続させることができた。

 アメリカは、ユダヤ金融支配を覆されるような投資はできず、

 ドイツと日本は可能だったものの、

 日本の場合、基幹産業で溢れた資本が幸幣を購入するためか、

 既得権と学閥エリート以外のルートで、庶民に紙幣が流れやすかった。

 金権支配が困難になるほど、公平や大義名分が強まり、

 貧富の格差が薄められ、

 戦争状態にあるようなインフレを継続することができた。

 結果として、過疎地や海外地の財政投資が進み、社会基盤が整っていく、

 その中で、亜羅州だけは、10年モノ建設国債を回収する生産力があり、

 ほかの海外地とは、一線を画していた。

 亜羅州 (4039ku) 佳(けしま)島 (1491ku)

 淡水化プラントで作られた水と、肥沃な土壌によって森林が伸びていた。

 基幹産業が整うと、タウン型高層ビルが建ち並び、

 太陽が高層ビルの影に隠れると、涼しく過ごしやすい環境が作られていく、

 日本人たち

 「入植が始まって14年か・・・・」

 「空が狭くなったな」

 「展望台に上ると空が一気に開けるよ」

 「海外地に随分と大きな投資をするものだ」

 「都心に投資するより、海外地に投資する方が貧乏人に利権が巡りやすいし」

 「それに木工12ギルドは、閨閥でも学閥でも土建屋でもない富裕層だからね」

 「いったい、何棟建てる気やら」

 「1000棟くらい建設できるよ」

 「いくら使うやら」

 「150兆。総人口で割ったら1人150万円を超えるな」

 「幾ら幸幣で資源を買えるからって大盤振る舞いだな」

 「400万戸分だと、ゼネコンは人殺しって民間家主に恨まれるかも」

 「ゼネコンは、お金持ちになって民間家主の土地を買う再開発資本を手に入れられるんじゃないか」

 「海外地や過疎地の投資は投資はハコモノとか評判悪いから」

 「やりすぎると選挙で負けて潰されるんじゃないのか」

 「木工ギルドが幸幣を紙幣と替えてばら蒔いてくれるし。なんとかなるだろう」

 「埋め立てた河川土って、どのくらいの厚みになってるの?」

 「50cm超えたと思うけど。あとは、漠砂州の埋め立てばかりになるんじゃないかな」

 「しかし、随分と近代化したものだ」

 「その気になれば独立できるかも」

 「それは困る」

 「温帯の樹木も植えられるとは思わなかった」

 「このへんは、盆地になって乾燥してるから日陰さえ作れるなら涼しいよ」

 「漠砂州もそうだけど、凹凸を造る方式が定着しそうだな」

 「日本人は地平線が落ち着かない」

 「そのほうが日陰ができるし、日の出や西日の暑さを防げる」

 「そういや、テヘランでも高層ビル作りたいらしいけど」

 「サウジアラビアとイランに続いて、イランもか」

 「無節操に引き受けただけあったな」

 「たくさん建設しないと、遮光効果低いって言ったか」

 「言った。言った。しょうがないって顔してたよ」

 「ふっ 高層ビル見せびらかしただけあったな」

 「でもテヘランって標高1000m超えだから遮光しなくてもだと思うけどね」

 「契約書は、先に棟数を契約に入れとけよ。キャンセルされないように」

 「だな」

 

 

 

 この時期の日本人は小中学校出や高卒出が少なくなく、

 よく言えば肉体労働のゼネコン系、

 維新以後に形成された薩長人脈の鉄鋼系

 復活した手に職のある神社仏閣徳川の木工12ギルド系で、

 国家基盤を形成するには丁度良かったと言える。

 戦後、大卒が増え、神籬社を中心に機械、科学、化学、医学、音響など

 自然科学な産業が形成され、欧米産業と並びつつあった。

 そして、基幹産業だけでなく、

 高度な知識を必要とする大学卒産業が海外地にも及び始めていた。

 木仁弥州 (28051ku)

 公共投資とともに基幹産業が形成され、

 その一角に化学コンビナートも建設されていく、

 これは、中東の石油が得られやすかったこともあるが、油田の見込みがあったからだった。

 それ以外では林業が拡大し、

 熱帯作物プランテーションの機械化が進み、

 高品質の果物は、大西洋沿岸の富裕層に向けて輸送されていた。

 子供たちが川の近くでゴライアスガエルを見つけて遊んでいた。

 虫が多いとカエルが集まり、カエルが集まるところには蛇が来るが、

 蛇の中に毒を持つ種類がいて危険だった。

 これは、食物連鎖の鉄則なのだが、

 アフリカ大陸は、虫、カエル、蛇の全てで毒を持つ種類がいて、対策が研究されていた。

 関係者たち

 「虫はともかく。蛇だけは、入れたくないな」

 「壁を作れば入れないはずだ」

 「しかし、蛇が入れないと虫が増えて困るだろう」

 「都合のいいカエルを壁の内側に入れりゃいいよ」

 「あとは、殺虫剤」

 「それと、ベニト川の浚渫と堤防造りだな。ダムも必要だし」

 「ベニト川は338kmあるが」

 「まぁ 全部、浚渫する必要はないとしても漠砂州が河川土を欲しがってる」

 「それより、公害対策はなんとかなんるんだろうな」

 「公害対策の効果がないと、木工12ギルドの集票がまずないし」

 「亜羅州からも漠砂州からも公害物質に反発が来てる」

 「一番、反発してるのは神籬だけどね」

 「神籬は、木工産業と二人三脚だから、鉄鋼業系と基本精神が違うよ」

 

 

 

 

 

 東京 国際連盟

 「日本は国際連盟の本部理事国ニダ」

 「・・・・・」

 「国際連盟の本部理事国が、隣国の朝鮮共和国と国交断絶なんておかしいニダ」

 「・・・・・」

 「日朝国交を回復するニダ」

 「・・・・・」

 「なぜ、目を背けるニダ」

 「・・・・・」

 「なぜ、明後日の方向を向くニダ」

 「・・・・・」 ため息

 「まっすぐ前を見て、現実を直視するニダ!」

 「・・・・・」 ため息 

 「朝鮮共和国は、独立国ニダ!」

 「連盟本部常任理事国は加盟国と国交を回復する義務があるニダ」

 「・・・・・」 ため息

 「日本人は朝鮮人を差別してるニダ!!!」

 「・・・・・」 ため息

 「なぜ、大きなため息をつくニダ!!!!」

 「・・・・・」 ため息

 「もし、日本が朝日国交樹立しないなら、韓国は国際連盟を脱退して国際連合に行くニダ」

 「本当に?」

 「本当ニダ」

 「是非、脱退してください」

 「・・・・・」

 「是非、連盟を脱退して、国際連合に行ってください」

 「あ、あ、いや、そういう意味ではないニダ」

 「では、脱退ですね」

 「い、いや、今のは違うニダ」

 「朝日国交樹立して欲しいという意味でいったニダ」

 「いや、朝日国交樹立しないから、脱退していいですよ」

 「違うニダ。違うニダ。朝日友好は、大事といっただけニダ」

 「国際連盟は脱退しないニダ」

 「・・・・・」 ちっ

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 月夜裏 野々香です。

 権力や権威に騙されるな。

 一定以上の人間は、どうやったら最善か知ってる。

 馬鹿だから間違ってるのでなく、支配欲と私腹を肥やすためにやってる。

 権力とお金は、良い人間に渡すと良い国になる。

 権力とお金は、悪い人間に渡すと悪い国になる。

 むかし、視点が低く視野の狭い利権屋に国民が殺され、自滅した島国が東洋にありました。

 なんてことにならないように (笑

 でも国賊と売国奴しかいない (笑

 

 マフィア抗争の怖いところは、金よこせじゃなくて、

 言うこと聞かなきゃぶっ殺すの世界なので、正直怖い。

 というか、ついていけない、

 日本のキャリアは、頭でっかちで経歴と面子だからイチコロでやられてそう。

 

 

 

   仙堂春和(48) × 山城美奈(44)

      仙堂一樹(26) × 仙堂(日吉)明美(22歳)  秋穂(3)  祐樹(♂)

      仙堂智樹(22)  × 仙堂(佐藤)七海(17)

   烏丸彰人(24) × 烏丸(仙堂)加賀美(19)

   角浦秋和(48) × 日向奈美(42歳)  冬樹(19)

      角浦芳樹(22)  × 角浦(伊達)早苗(18)  和樹(1)

   椎葉豊彦(30) × 椎葉(角浦)青葉(26)  和哉(3)  桂治(♂)

  

 

 

 近衛師団

 第01師団(東京)    第02師団(仙台)    第03師団(名古屋)    第04師団(大阪)  

 第05師団(広島)    第06師団(熊本)    第07師団(北海道)    第08師団(弘前)

 第09師団(金沢)    第10師団(漠砂州)  第11師団(瑞森市)   第12師団(北欧道)  

 第13師団(姫路)   第14師団(蝦夷市)   第15師団(亜羅州)   第16師団(熊襲市)  

 第17師団(久留米)  第18師団(宇都宮)   第19師団(大連州)   第20師団(任那州)

 第21師団(善通寺)   第22師団(木仁弥・赤道ギニア州)    第23師団(雲州・ビオコ島)

 第24師団(小倉)    第25師団(高田/仙台)

 第26師団(苅武市)  第27師団(大洋市)  第28師団(原亜州)

 

 

 

 1926年 巨済島(400ku) 済州島(1845ku) 鬱陵島(72.82ku)

 1926年 大連州(3462ku)

 1930年 任那州 フォンセカ湾 ニカラグア領地コシグイナ(400ku)

 1932年 任那州 フォンセカ湾(1200ku) 4カ国不戦条約により拡大

             ニカラグア(400ku)+ホンジュラス(400ku)+エルサルバドル(400ku)

 1932年 北欧道 カレリア地峡+フィンランド湾諸島 (6000ku)

             スールサーリ島(21ku)、ラヴァンサーリ、大・小チュテルサーリ島他

 1934年 任那州 中米7カ国不戦協定調印 (2400ku)

                任那。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。

                     コスタリカ、グアテマラ、パナマ、

             フォンセカ湾(1200ku)  旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領

             旧コスタリカ領 ココ(瓜生)島 (46.6ku)

             ブリカ(中ノ鳥)半島 (753.6ku)  旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)

             旧グアテマラ(沖ノ浜)領(400ku)

 1935年 熊襲市 (400ku)  旧タイ王国領対マレー国境

 1936年 蝦夷市 (400ku)  旧チリ領

 1938年 漠砂州 (8万3860ku) 旧イタリア領リビア・ブトナン県

 1939年 租界地 エストニア・イダ=ヴィル県(3364ku)50年

 1939年 瑞森市 (400ku) 旧ブラジル・オランジュ域

 1940年 亜羅州 (4039ku)   中東アラビア海

        武山(むさん)半島  ムサンダル半島  800ku    旧アラブ首長国連邦・オマーン

        和蔵(わくら)湾    アル・ワクラ湾   800ku    旧サウジアラビア・カタール

        武矢(ぶや)島     ブビヤン島    863ku    旧統合イラク・クェート

        佳(けしま)島諸島              1576ku   旧イラン

            佳(けしま)島      ゲシュム島   1491ku

            良久(らく)島      ラーク島     49ku

            辺賀(へんが)島    ヘンガム島   36.6ku

 1940年 租界地 ノルウェー・フィンマルク県(48618ku)

 1941年 北斗市 北アイスランド西部の岬(400ku)

 1942年 任那州 中米8カ国不戦協定調印 (2800ku)

                任那。ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル。

                コスタリカ、グアテマラ、パナマ、メキシコ

             フォンセカ湾(1200ku)  旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領

             旧コスタリカ領 ココ(瓜生)島 (46.6ku)

             ブリカ(中ノ鳥)半島 (753.4ku)  旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)

             旧グアテマラ・メキシコ(沖ノ浜)領(800ku)

 1943年 府穀市(800ku)  タイ湾フコク島(561ku)+(対岸231ku) 旧ベトナム帝国・カンボジア王国

 1945年 木仁弥(赤道ギニア)州(26034ku)+雲州(ビオコ)島(2017ku)  旧スペイン領

 1948年 グアヒラ半島   苅武市800ku      旧コロンビア領+旧ベネズエラ領の国境  第26師団

 1948年 グアヤキル湾  任那州 大洋市800ku 旧エクアドル領+旧ペルー領の国境  第27師団

 1948年 パラグアイ流域 原亜州3200ku      旧パラグアイ領+旧ボリビア領の国境  第28師団

 1952年 任那州 (8400ku)

        任那(1200ku)    フォンセカ湾  旧ニカラグア・ホンジュラス・エルサルバドル領 第20師団

        瓜生島(46.6ku)   旧コスタリカ領 ココ島

        中ノ鳥市(753.4ku) ブリカ半島   旧コスタリカ領(353.4ku)+旧パナマ領(400ku)

        沖ノ浜市(800ku)  旧グアテマラ・メキシコ

        蝦夷市 (400ku)  旧チリ領                                第14師団

        瑞森市(400ku)   旧ブラジル・オランジュ域                      第11師団

        苅武市(800ku)   グアヒラ半島   旧コロンビア領+旧ベネズエラ領の国境  第26師団

        大洋市(800ku)   グアヤキル湾   旧エクアドル領+旧ペルー領の国境    第27師団

        原亜州(3200ku)  パラグアイ流域  旧パラグアイ領+旧ボリビア領の国境    第28師団

 

 

 

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第33話 1953年 『愛国利権連合体か。国民国家共同体か。』
第34話 1954年 『積極財政の功罪と。地縁祭り』
第35話 1955年 『国民へのバラ撒きこそ最善の財政』