月夜裏 野々香 小説の部屋

   

20XX年 日本沈没 『龍の魂魄』

        

    

 

 

第08話 11月 『なっ!』

 日本列島は、地熱のおかげで微妙に暖かくなっていた。

 同時に500m以上の海底、50気圧3度以下で安定していたメタンハイドレートも、

 微妙に海水に溶け出していく。 

 造船所は、タンカーがメタンガス採取用に改造されていた。

 採算ベースで足りなくても、

 溶け出したメタンガスを吸着すれば大和メタン株式会社は、主要各国から投資を受けられた。

 採算ベースなら各国とも溶け出したメタンガスを欲しがる。

 しかし、利権の壁があったりする。

 日本は、領土付きの土地を欲しがり、各国とも、それだけは・・・と、渋る。

 生物の大量絶滅を天秤に、国益と、国家・民族存亡が優先されてしまう。

 もっとも日本は、日本沈没で直接、国家・民族存亡と関わっている。

 当然、各国とも妥協しても良さそうなのだが、

 少しでも有利な条件にしようと折衝が行われたりする。

 もう一つ、日本でしか製造していない部品をストック分も含め、

 大量発注するため、日本製品価格は高騰し、先物扱い。

 日本の企業は、発注に応えるため、増産が続く。

 地震と余震による仕事の合間。

 「・・・なに見てんだ?」

 「ネット」

 「ほぉ まだ通じているのか」

 「うん。日本人は忙しくて、ほとんど書き込みないな。英文の方が激しい」

 「ほぅ って、韓国人と中国人ばかりじゃないか。酷いな」

 「外国人に日本を助けるなって、訴えているね」

 「相変わらず。反日だな」

 “・・・日本民族は、侵略国の害虫ニダ、日本列島ごと日本海溝に沈めた方がいいニダ”

 “世界中で日本奴隷民族ある”

 “日本の男は奴隷で、日本の女は慰安婦で飼うニダ”

 “早く沈んだら良いある”

 “でも、資財とか、工場は、補償で、もらってあげるニダ”

 “日本沈没は、天罰ある”

 “そうニダ、日本人はみんな惨めに泣きながら海の中に沈むニダ”

 “サメに食われると、いいある”

 “サメは上等過ぎるから、イソギンチャクで良いニダ”

 “メガフロートは対艦ミサイルで沈めるある”

 “日本人町も奪ってしまうニダ”

 “南極は、世界のものある。絶対に認めないある”

 “日本人は泣いて謝っても韓国は、メガフロートを作ってあげないニダ♪”

 “日本民族は、みんな、みんな、海の底ニダ♪”

 英文なのだが書き込んでいるのは、韓国人と中国人だけだったりする。

 「・・・良くやるよ」

 「こういうことを書くから日本向けの売り上げが落ちているって気付かないのが、めでたいな」

 「まぁ 少しぐらい割安感が良くても他の国で売り買いだね」

 「こうやって反日バカが掲示板に書き込むと、嫌韓で日本での売り上げが減る」

 「うん」

 「大手の韓国企業は、減った分の売り上げを官僚とか業者に袖の下を渡し、優先商品にしてもらう」

 「おお」

 「すると、売る上げが伸びて鼻高々で愛国韓国人が反日自慢し、営業妨害する」

 「すると、嫌韓が増え、商品を売るため、袖の下も増える」

 「うんうん」

 「袖の下分と収益分を取り戻すため韓国企業は、韓国人労働者を安い賃金で扱き使ってリストラする」

 「げっ」

 「すると、失業の腹いせで、反日書き込みが増えると、売り上げがさらに減る。犯罪も増える」

 「悪循環」

 「袖の下と売り上げ減で開発能力を喪失するから、品質で差がつくと売れなくなる」

 「あとは、その繰り返しだな」

 「韓国は、日本沈没でチャンスだっていうのになにやってるんだか」

 「その割安感だって、袖の下とか、物珍しさで一時凌ぎ、本当の実力といえないね」

 「そうなの?」

 「後進国は、モラルが低いから袖の下が通用しやすくて伸びる」

 「じゃ 袖の下が通用しなくなったら・・・・」

 「日本が部品を供給しなくなれば、上位機種は作れなくなるよ」

 「じゃ いま、日本の売り上げが増えているのは?」

 「先進国がストックで、日本から買っている分。韓国もストックで買っているな」

 「それがなくなると?」

 「ローテク・スペックダウン商品が全盛になるよ」

 「日本が沈んで駄目になると思って、借金して部品を買い漁っていると思ったら・・・」

 「もう、先物だな」

 「移籍、スカウトに失敗したから他の国も日本商品を買い漁るために借金している・・・」

 地震観測所直通のブザーが鳴り響くと。

 休憩中の男達が、動き出す。

 「それで、こんなに忙しいのか・・・」

 「さて、あの、バカ娘どもを仕事に引っ張ってくるか」

 「ふっ」

 

 

 日本沈没という状況下、被害は日本本土だけにとどまらず。

 太平洋全域に広がると予想されていた。

 1960年5月22日のチリ太平洋沖海底地震は表面波マグニチュード8.5。

 モーメントマグニチュード9.5。

 22時間後、最大6mの津波が三陸海岸沿岸に襲来。

 半島人も、大陸人も、日本沈没を喜び、はしゃいで能天気に踊る。

 しかし、現実味を帯びてくると日本沈没の余波で、

 半島も、大陸も、壊滅的な打撃を受けると次第に、わかってくる。

 むろん、事実は、韓国の知識人層で、とどまり、庶民にまで届かない。

 なぜかというと、対応する力がない。

 宴会中・・・・飲めや、歌えや、踊れや・・・

 「日本沈没〜! マンセ〜!!! マンセ〜!!! マンセ〜!!!」

 「日本沈没〜! マンセ〜!!! マンセ〜!!! マンセ〜!!!」

 「日本沈没〜! マンセ〜!!! マンセ〜!!! マンセ〜!!!」

 「日本沈没〜! マン・・・・!?」

 「ん? どうしたニダ?」

 「・・・な、なんでもないニダ・・・」

 「日本沈没〜! マンセ〜!!! マンセ〜!!! マンセ〜!!!」

 「日本沈没〜! マンセ〜!!! マンセ〜!!! マンセ〜!!!」

 「日本沈没〜! マンセ〜!!! マンセ〜!!! マンセ〜!!!」

 「日本沈没〜! マンセ〜!!! マンセ〜!!! マンセ〜!!!」

 そして、比較的な冷静な韓国人が、そのことに気付いても誰にも教えない。

 教えればそれだけ他人が生き残り、

 自分が生き残れない公算が大きくなる、自明の理。

 無知が死んでいくのは無知が悪いのであって、自分が悪いわけでない。

 自分だけが生き残ろうと高台への移動を計画する。

 半島や大陸で、いつの間にか、高台の土地が買われ、要塞化されていく。

 津波が来ても自分さえ生きていれば不良民をみんな流してくれる。

 自分さえ生き残れば生き残った者で総取り、

 山分けという計算も成り立ってしまう。

 日本は、全て沈んで全滅。

 半島も、大陸も、津波で生き残れば、おいしい。

 この利害関係から来る意識の差は、大きく。

 当然、公に知られてはならず。

 中国政府も、韓国政府も、日本沈没万歳を煽っていく。

 半島と中国の庶民は、日本で地震が起こるたびに宴会を続ける。

  

 

 佐世保

 日米合同海軍が集結。

 中国、韓国、ロシアなど、周辺国家の動きを常時モニタリングしている。

 “日本沈没〜! マンセ〜!!! マンセ〜!!! マンセ〜!!!”

 「・・・なんか、いい気なもんだ」

 アメリカ軍将校が同情気味に呟く。

 「どっちに同情しているんです?」

 日本将校も苦笑い。

 「ふ どっちにもだよ」

 日本沈没。

 そのクライシスは、日本が載っているメガリスが破壊され、

 一気に起こると予測されていた。

 そして、その被害も甚大。

 「アメリカ軍は、いつ頃、引き揚げで?」

 アメリカ軍は、日本沈没でも艦隊保全、航空部隊保全のため逃げていく。

 空白地帯になるものの、沈没する日本を攻撃、侵略しようという国はありえない。

 「ホワイトハウスは、可能な限り日米安保を堅持したがっている」

 「西海岸は、大丈夫ですか?」

 「ふふふ 沈没する国の人間に心配されては適わないな」

 「防波堤は建設しているよ」

 「どちらかというと、ロッキー山脈の反対側に逃げるほうが、いいような気もするがね」

 「高波は、何メートルになるかでしょうね?」

 「さぁな」

 「しかし、地震、日本沈没」

 「そして、日本近海のメタンハイドレート1立方メートルは、メタンガス164立方メートルで吹き上がる」

 「・・・・・」

 「トリプルコンポを正確に算定するには、情報不足だ」

 「・・・・」

 「しかし、相乗効果は、推して知るべしだな」

 「半島も、中国大陸も沿岸部は壊滅する」

 「アメリカ西海岸も大打撃だ」

 「想像もできないし、想像したくもない」

 「できれば、領土で妥協していただいた方が損失も少ないと思われますよ」

 「好きな国を占領すればいい。アメリカは文句を言わないよ」

 「まさか、世界から、文句の出ない方法を取るつもりですよ。たぶんね」

 「そんな、つまらない、良識でアメリカ西海岸の被害を増やすのか。迷惑な国だな」

 「ふっ」

 「・・・まぁ ロッキー山脈の向こう側へ引越しが増えている」

 「防波堤を建設するより、安上がりだし。たぶん、コロニーも作るだろう」

 「本当は、メタンハイドレートの状態で採掘したいのですが、500m以下の深海ですので、なかなか・・・」

 「ところで日本は、船員が足りているのか、外国人の方が、多かっただろう?」

 「今は、日本人の方が増えていますよ」

 「たぶん、沈没前には立派な海洋民族でしょう」

 「サイド・コロニーは、北大西洋のサルガッソーに来ないのかね」

 「サイドを定着させないでくださいよ」

 「竜宮とか、高天原とか、ラピュタとか、いくつか候補を検討しているんですから」

 「ふっ」

 「サルガッソーは、天候も、海も、静かで良さそうですが藻が多くて、魚も捕れないのが微妙ですね・・・」

 「欧米に挟まれて交易で有利だろう」

 「まさか、漁師になるつもりはあるまい」

 「そういうのは、政府が決めることですから」

 

 

 深海調査潜水艇 “わだつみ6500” が、

 マリン・スノーと一緒に降下していく。

 パイロット、小野寺俊夫、結城達也(デコ広)。

 日本海溝 深度8020m

 「やっぱり深いところじゃないとね・・・」

 「限度が、あるけどね」

 「とりあえず、潜れる所まで行って採集だと」

 「田所先生も人使いが荒くなってきたな」

 「エリちゃんとのこと、ばれたんじゃないの?」

 「げっ!」

 「まぁ 設計上は、深度15000mだから、大丈夫だけどさぁ」

 「さすがに行けるところまでって、危ないよな」

 「だよなぁ」

 深度300m

 「!?」

 「なんだ?」

 「メタンプルーム(メタン気泡の柱)か?」

    ※ メタンプルーム 面倒なので、検索で調べて

 「・・・ここは、深過ぎるんじゃないか」

 「もっと潜ってみよう」

 深度900m

 「・・・メタンハイドレートの欠片が浮き上がっているんだ」

 「それが途中で壊れて溶け、メタンプルームになっているのか」

 「・・・この辺は、海水に溶けたメタンが多いようだ」

 「意外と採算がいいかもしれないな」

 「というか、深々層のメタンハイドレートか、壊れているんじゃないか?」

 「ぅぅぅ・・・いやな予感・・・」

 

 

 

 ホワイトハウス

 「日本近海のメタンハイドレートの採掘権は?」

 「大和メタン会社で、全て、やると・・・」

 「ふざけるな!」

 「あと、5年以内でアメリカ西海岸は津波で総浚いだ」

 「とにかく、日本近海での採掘は、必要だぞ」

 「推測では主権と領土の件で進展がないと」

 「採掘権は、後回しにされるのではないかと」

 「だから、インド洋とか、南大西洋とか、好きな国を攻め落とせばいいだろう」

 「我がアメリカは、一切の非難はしないぞ」

 「侵略は、気が進まないとか」

 「・・・あいつら、どうしても大和メタン会社で、やるつもりだな」

 「それとも、アメリカ軍に南米か、南アフリカを侵略させて、それを日本に・・・」

 「あほか! そんなことが、できるか!」

 「・・・南極の主権と領土を承認するしか・・・」

 「日本人め〜 アメリカ西海岸と人類の未来を人質に取りやがって〜」

 「いいように、やられてますね」

 「なぁあにぃがぁあ〜 人類救済だ!」

 「世界中の金を集める気だな。あのぉ 人でなしの外道どもが!」

 「ユダヤ人並みですな」

 「くっそぉお〜!」

 「メタン採掘に関して言うと」

 「日本近海の総量が推定7兆4000億立方メートルで膨大ですし」

 「早いうちに少しでも足掻かないと・・・」

 「それと・・・温暖化で海水温度が上昇すると日本近海だけでなく、世界中のメタンハイドレートが・・・」

 「それくらい、わかっておるわ!」

 「日本沈没で弱って、泣きべそ掻くかと思えば、なんだ、あの民族は」

 「世界中から、金と資源を集めやがって!」

 

 

 オーストラリア

 シドニー港

 日本近海のメタンハイドレートが溶けると、どうなるか。

 オーストラリア人は、理解したのか、

 日本の南極移民船団の停泊を認めてしまう。

 何しろ、日本人のオーストラリアへの移民は見向きもされていない。

 日本政府が交渉しているのは、アフリカ大陸や南米大陸ばかり。

 おかげで、どうにも、弱みがない。

 2000万くらいの移民割り当てが欲しいと来れば、いくらでも、料理できるものを、

 日本政府は、な〜ぁんにも、言って来ない。

 それどころか、日本の南極開発の邪魔をするなとアメリカは、オーストラリアに最後通告。

 日本の船舶は、競争力の高い製品を置いていくと、

 オーストラリアの資源を根こそぎ持っていく。

 価格的に韓国や中国製より安く、性能は、断然良い。

 輸出産業が落ちて弱っているのは韓国・中国ばかりではなく、

 東南アジアからアメリカ、EC諸国まで、根こそぎ工業が潰されていく。

 しかし、不買運動を起こしてしまえば、

 日本はメタンハイドレート採掘で後れを取り、地球の温暖化、生物の大量死。

 そして、メタン採掘の技術で世界トップが日本では、邪魔もできない。

 何か大掛かりな詐欺にあっているのかと、

 日本のテレビを見れば被災地が映っている。

 「どうやって、この大量の製品を作っているんだ?」

 「魔法?」

 「・・・・かもしれん」

 実は、昼夜引っ切り無し、死に物狂いで、作っているだけ。

 日本の南極移民船団は、オーストラリアで出港準備を続ける。

 

 

 

 造船所

 レーザーで調べると歪みが計測できる。

 「やっぱり、基礎になる部分で歪みが出てきているな」

 「んん・・・まいったな。調整しないと・・・」

 「ったく。下請けの工場も最近は精度が怪しいし」

 「もう、造船所も浮きドックでやるべきだろうな」

 「んん・・・まいったな。あっちも、こっちも精密機械の調整で時間がかかりやがる」

 「もう、名人芸でやっていくしかないな」

 「精密機械は、洋上に移すべきだろう」

 「まだ名人芸のできる人間が残っていて良かったよ」

 「引継ぎが上手く行けばいいが」

 「危なかったな。合理化とか、人件費をケチっていたから、その引継ぎも怪しかった」

 「再就職してもらった爺さんたちで、なんとか引継ぎを進めて、やりくりしていくしかなさそうだ」

 「実は日本沈没で労働集約できて儲けたのかもしれないな」

 「歪みはともかく、随分と効率よくなった」

 

 

 韓国 プサン

 造船所

 日本人が韓国人に案内されて歩き回る。

 「日本は困っているニダ」

 「かわいそうになったので我が国がメガフロートを作ってあげたいニダ」

 「・・・・」

 「日本が買ってくれるのなら、売るニダ」

 「・・・・」 ぼんやり

 「地震の多い日本より。地盤が安定している韓国で作った方がいいニダ」

 日本が格安で自動車など製品を輸出すると、

 輸出品が売れなくなった韓国産業は起死回生を狙って、メガフロートの建造を申しでる。

 「・・・・」 ぼんやり

 もっとも、韓国人が日本沈没を喜んで、はしゃいでいる姿を見ると面白くもない。

 「・・・・」 ぼんやり

 売り手市場になると見込んでいた韓国造船界は、日本の役人の態度を見て、次第に焦燥気味。

 ぼんやり韓国観光して帰国する日本代表に韓国の関係者が縋り付く。

 「お、お願いニダ!」

 「メガフロートを作らせて欲しいニダ〜!」

 韓国は、メガフロートを建造する基礎技術を持っていない。

 生き残るためには、どうしても技術指導してもらわないと困った。

 ところが日本は、地震で破壊された資財を再利用。

 メガフロート産業に傾倒していく。

 一旦、軌道に乗ってしまった産業は、利権全体が膨れ上がり、自動的に動き出してしまう。

 そして、日本人は、日本沈没を喜んでいる韓国人にメガフロートを作らせても、

 それに命を預けて、生活する気になれない。

 まして、メガフロートの技術指導して助ける気にもなれず・・・

 というわけで、袖にして・・・・サヨナラ・・・

 

 

 そして、日本沈没需要で先進国経済が助けられてしまう。

 生産工程上、地震で遅延問題があると、日本も外国に発注する。

 それも、膨大な数で日本様々・・・

 おかげで為替レートは、持ち直してしまうどころか、

 各国とも日本の輸入を規制しようと、円高。

 しかし、それは、円高で、外国の資源を安く日本に売ってしまうという堂々巡りで、

 メガフロート建造を助けてしまう。

  

  

 結城達也(デコ広)、田所エリ、倉木美咲。

 同棲生活は、それなりに楽しく。

 行きがかり上、一緒にいる倉木美咲は、学校へ行く。

 そして、ほんわかドジな田所エリもシッカリ者の阿部玲子も、

 大学生活が強制的に休学、働き詰めの毎日。

 何でこんなに仕事があるのかと・・・・

 地震と余震で手を休められると嬉しかったりする。

 地震万歳〜♪

 地震の度に機械が止められて調整。

 地震を感知しただけで自動で止まっていた。

 しかし、それでは間に合わないと地震予知連絡会直通で、

 地震発生と同時に機械が止められていく。

 そして、その時間が休憩。

 昼休みで横になっていたりする。

 「・・・玲子。このメタン吸蔵のナノカーボンって、なんなの〜」

 「んん・・・わかんな〜い」

 女子大中退は、結構、馬鹿だったりする。

 「エリちゃんは、日本が沈んだら、どうするの?」

 「んん・・・わかんな〜い。もう “どうにでもなれ” って感じ〜」

 「エリちゃんも働き過ぎて、頭が回らなくなっているわね」

 「うん、むしろ、沈んで楽になりたいの・・・」

 「デコ頭とは、上手くいってるの?」

 「んん・・・・最近、時間がずれ過ぎて、あってないじゃん」

 「玲子は、小野寺君とは、どうなの?」

 「んん・・・3日前」

 「あ〜 玲子。ずるぅいいい〜! わたし、5日前」

 「ふ なんか、時間のすれ違いも多いし、仕事で人生すり減らしているよね」

 「うん、こんな国、地震で沈んで正解よ」

 「ていうか、地震で沈みそうだから、こんなに働かされているのよ」

 「沈む前は、もっと、暇してたでしょう」

 「ぅぅぅぅ・・・・覚えていない」

 「ん・・・ショッピングとかなくなって・・・配給だものね」

 「ううう・・・この作業服、囚人服みたいで、いや〜!!」

 「職業選択の自由って、大切よね」

 「そうそう、人間、自由が生きがいよ・・・」

 「お〜い!! そこの二人。仕事だ!」

 「「は〜い!」」

  

  

  

   

 

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 月夜裏 野々香です。

 メガフロートの建造費は、1u当たり10〜13万円だそうです。

 もっとも厚みがまったく違うので、強度分を累計加算し、

 十数倍から数十倍でしょうか。

 あとは、GDPの何割か、掛けるだけ。

 労働集約で統制経済で且つ、戦時下並みの人工需要で24時間体制。

 日本が沈むと知って、

 ヘタレだった大学生も、

 金曜妻も働き始め、

 賃金もそれなり、工期は、短いので、もっと、安くなりそう。

 もっとも、湾内仕様でなく。

 外洋の建造物で厚みもあるので、だいたい。同じ程度でしょうか。

 6000m×1000mで、6000億程度。

 それに付属する装備一式、そちらの方が高いかも・・・

 20XX年は、7月からGDPが、4倍弱に跳ね上がった状態が続いて・・・・

 何個ぐらい作れるか・・・・

 アメリカは、

 1938年 名目GDP  861億ドル。 実質GDP   8797億ドル 成長率−3.4 だったのですが、

 1945年 名目GDP 2231億ドル。 実質GDP 17863億ドル。 成長率−1.1 です。

 文字通り、敗戦国は踏み台です。

 日本の場合は、領土が消えてしまうので、もっと切実でしょうか。

 ちなみに2007年 国家予算は、85兆で、特別会計は別。

 国の固有資産が他にあって。

 名目GDP 529.7兆円  実質GDP 565.4兆円。

 土地価格は、下落傾向で目減りして、

 それ以外の国内総生産が急浮上。

 日本製品は、先物化して、売れに売れて、輸出は急上昇。

 まさに蝋燭が消える瞬間、

 火が強くなるという感じでしょうか。

 取捨選択で予算配分がされていくと・・・

 

 

 あと、メガフロートの集団。

 アマテラス、ツキヨミ、イザナキ、イザナミ、アメノウキハシ、オノゴロジマとか。

 いろいろ、総称する名称を検討しています、

 外国人も、日本のアニメを見過ぎで、サイド・コロニーが強かったりです。

 

 

  

AOE-424 補給艦 はまな

 

DD-172 護衛艦 しまかぜ

 

DD-171 護衛艦 はたかぜ

 

J28E 護衛艦 ひえい

 

DDH-141 ヘリコプター搭載護衛艦 はるな

 

 

 

 

 

 

横須賀 配備艦隊
旗艦 DDH143しらね     5200t
第61護衛隊 DDG174きりしま     7250t
  DDG171はたかぜ     4600t
第5護衛隊 DD111おおなみ DD110たかなみ   4650t
第1護衛隊 DD107いかづち DD102はるさめ DD101むらさめ 4550t
         
横須賀 地方総監部
第21護衛隊 「はつゆき」 「しらゆき」 「さわゆき」 2950t
第41掃海隊 「すがしま」 「のとじま」 「つのしま」  
  特務艇「はしだて」 輸送艇「2号」 多用途支援艦「すおう」 砕氷艦「しらせ」
         

佐世保 配備艦隊

旗艦 DDH144くらま 5200t
第62護衛隊 DDG173こんごう 7250t
DDG178あしがら 7700t
DDG170さわかぜ 3950t
第06護衛隊 DD104きりさめ DD109ありあけ 4650t
第02護衛隊 DD103ゆうだち DD112まきなみ DD157さわぎり 4650t

佐世保 地方総監部

第23護衛隊 護衛艦「いそゆき」 護衛艦「はるゆき」 護衛艦「あさゆき」
第26護衛隊 護衛艦「おおよど」 護衛艦「せんだい」 護衛艦「とね」
第3ミサイル艇隊 ミサイル艇「おおたか」 ミサイル艇「くまたか」 ミサイル艇「しらたか」
第43掃海艇 「いえしま」 「まえじま」 「まきしま」
第46掃海隊 「もろしま」 「ゆりしま」 「ひこしま」

 

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第07話 10月 『げっ!』
第08話 11月 『なっ!』
第09話 12月 『むぅ〜』

登場人物