月夜裏 野々香 小説の部屋

    

仮想歴史 『風が吹けば・・・』

 

 

第11話 1918年 『赤い小妖怪たち』

 封建主義と大航海収益の延長線上に現れた専制君主が崩れ、

 植民地の搾取で余剰資金を集めた官僚、貴族、資本家が結託しつつ産業革命を起こしていく。

 産業革命は、農民を農地から切り離し、労働者へと仕立て、

 初期の資本主義は、国権を代表しつつ、劣悪な環境の中、貧富の格差を増大させてしまう。

 貧困層の小作農民の救済と労働環境の改善を求め、

 民権向上を目指した社会主義が現れたものの、

 初期の資本主義は、競争に歯止めがなかったことから、農民と労働者を踏み躙ってしまう。

 比較的、妥協を求めた穏健な民権移行を目指した社会主義は、次第に影をひそめ、

 暴力革命を是とする共産主義が誕生する。

 緊急避難的な農民一揆、町民の打ちこわしは、倒閣を目指した共産主義に吸収され・・・

 ロシア帝国が共産革命の数歩手前にあったと証言する者は少なくなかった。

 二つの公爵領が農民と労働者の共有地となった事で共産革命は沈静化し、

 いくつかの貴族が改易させられ、農民と労働者の分配されたことで、

 ロマノフ王朝の命運が保たれたと証言する学者も少なくない。

 そして、ロシア帝国の共産革命が困難になると、共産主義は、徐々に変質し、

 範囲が狭くても、より力を得やすい民族共産主義の形を取り、

 少数民族独立をダシにした民族共産主義革命へと移行していく。

 欧州危機の際、反ロシア勢力に流れ込んだ武器は、彼らを凶暴なほど増長させてしまう。

 冬季を狙った独立戦争は、共産主義的な要素が強く、

 総動員が解かれた隙が突かれてしまう。

 その最初が 01/27 フィンランド内戦勃発(〜5月15日)

 フィンランド独立と内戦だった。

 一度、総動員を解いたニコライ二世皇帝は、再動員をかけるか窮し、

 諸外国の情勢を見守りながら、

 戦いは限定的なものとして、数個師団の動員が行われ、

 ドイツ帝国とオーストリア・ハンガリー帝国は、後ろめたいことがあるのか黙認する。

 

 

 02/06 イギリスで選挙法改正(30歳以上の女性に参政権)

 日本人たち

 「いよいよ、イギリスは、婦人参政権を容認か」

 「軍部の暴走を防ぐ手としては、悪くないね」

 「戦争になれば男の発言力が増すから、婦人たちは戦争に否定的だからね」

 「いや、戦争を起こして、疎ましい旦那に死んで欲しい場合も・・・」

 「あははは・・・」

 「だけど、女性の権利を認めると、煩わしいことが起こりそうだぞ」

 「そうなんだよな」

 「権力層と資本家が軍人と組むか、婦人と組むかだよね」

 「家人が法律家とか、警察とかと組んで、主人を貶めるんじゃないか」

 「権力闘争か・・・やりかねねぇ」

 「どっちも、暗い未来しか見えてこねぇな」

 「婦人参政権は、もう少し、様子を見るべきだろうな」

 「というか、代替案があるなら、そっちにしたい」

 婦人参政権がなかなか容認されないのは、家の主導権争いが絡んでいた。

 どっちも聖人君主でないのなら権力闘争で不和を広げるより、

 片方の独裁がマシと考えられていただけ、

 その方が子供にとって幸せだろうと思われただけともいえた。

 

 

 

 02/16

 ロシア帝国リトアニア独立運動

 ロシア軍がリトアニア鎮圧のため出撃していく。

 サンクトペテルブルクは、まだ凍っていた。

 冬季が明けになれば、ラドガ湖からバルト海へと流れ込むネバ川と、

 幾筋もの運河が流れる美しい水上都市となった。

 その美しさは、北のヴェネツィアと呼ばれ、

 冬宮は皇帝を中心に貴族たちが集まっていた。

 ニコライ二世が諸侯潰しでロシア庶民の共有地拡大を狙っていると知られており、

 宮廷貴族に緊張が漂い始めていた。

 「・・・総動員を終わらせて、一息ついたのに民族主義者どもが独立したがる」

 「北のフィンランドに部隊を送ったと思えば、今度は西のリトアニアとは・・・」

 「帝国が戦争より、和平策を取ったことで、弱気になったと勘違いしたのでしょう」

 「民衆の不満を吸収したのは貴族連合、民主主義、共産主義でなく。民族主義だったようだな」

 「「「「「・・・・」」」」」

 「ここで独立派を付け上がらせては各地で独立運動が起こる。鎮圧せよ」

 「「「「「御意」」」」」

 「まぁ 貴族が民衆を煽り、皇帝を蔑にし、簒奪しようとしていないだけましか」

 「「「「「・・・・」」」」」 ごっくん!

 「ですが手古摺れば皇位の資質を疑う者も現れるかもしれません」

 「お前じゃなかろうな、ラスプーチン伯爵」

 「わたしは下賤な身の上、とても帝国を預かるなどとできません」

 「諸侯たちよ。足るんだ軍紀を立て直し、戦功をあげ、己が所領を保つが良い」

 「「「「「ウラー!」」」」」

 

 

 02/24

 エストニア独立宣言 (ロシア帝国)

 

 

 南ザクセン(カメルーン) 790000ku

 巨大な飛行船が浮かんでいた。

 ドイツ帝国ザクセン王国

 フリードリヒ・アウグスト3世(53)は、陽の照り返しの強さに呆れる。

 ザクセン王国は南に位置していたものの、

 南のチェコの山岳地帯に接して涼しいのだった。

 ザクセンの名を冠するのなら、もう少しと思うのだが、

 他の諸侯国に所領が取られても腹が立つ。

 赤道に近くても、高原地帯まで行くとそれなりに涼しかった。

 海外植民地の中では、比較的ドイツ帝国に近く、

 本来なら最も力を入れたいところが・・・

 「あの湖は?」

 「ニオス湖です」

 「湖底にマグマ溜まりがあるようです」

 「大量の二酸化炭素を含んでいるので、近付くのは危険かと」

 「イギリス、フランスが手を掛けなかっただけあって、酷いものだな」

 「アダマワ高原域は気候が良いようですが、他は、住みにくい場所です」

 「土地の分配は?」

 「植民地の中では大きいですが、人気はないようです」

 「だろうな。社会基盤の基礎は大変だし、ここでは、命懸けだ」

 「日本企業に働かせるというのは?」

 「んん・・・国内に資本を還元できなるが・・・仕方がないだろう」

 「工作機械を売れば、取り戻せるかと」

 「まぁ そうだろうな」

 ドイツ帝国で100隻近い飛行船が就役していた、

 最新の飛行船は全長240mに達しており、積載荷重も100tを超えていた。

 それがなければアフリカ内陸高原部の開発など考えも出来ない事だった。

 ドゥアーラ港に集積された物資を飛行船が次々と内陸へと運びこんでいく。

 他の列強では真似ができず、

 植民地支配を広げるなら地道に線路を伸ばしていくのみだった。

 もっとも河川を遡上し、物資を運び、

 地道に線路を伸ばしていくのも堅実で良いのだが・・・

 沿岸部より、内陸が発展している方が防衛し易いともいえた。

 そして、ドイツ人は、1500m以上の高原に集まり、

 ドレスデンを真似た城塞都市を建設して、アフリカ人から身を守り、

 港に通じる沿道・路線のみが開けていく。

 

 

 

 04/01

 丹那トンネル起工 総延長7804m (〜1934)

 

 

 日本を滅ぼすのに武器はいらない。

 交易を断てば鉄と石炭がなくなり、

 自然と弱体化し、衰弱していくのである。

 前提となる条件を理解しているなら自由貿易を守ることが命題となっていく。

 この頃の日本は、生糸、海運、海外就労など競争力の高い産業で外貨を稼ぎ、

 自給率の向上、水力発電の建設、鉄道、公共設備など、国内開発を進めていた。

 日本と組む国は、採算性の良い労働による開発が可能になり、

 日本と組まない国は、採算性の悪化で、不利益を被り始める。

 そして、辛い仕事を低い賃金でやり遂げる日本人労働者にしわ寄せがいくのである。

 無知な人間は、選択肢が狭まり、働く事で、その日の糧を得るか、

 非合法な手段で生きて行くしかなくなるのである。

 少なくとも日本は、その日の糧を奪うことで得ようとする主戦派層より、

 働く事で得ることを望む層が多かったのである。

 そして、どこの国でもそうであるが国防のため、

 予算の一部が振り分けられ・・・

 日本海

 ロシア極東艦隊 (前ド級戦艦15隻)

 ドイツ帝国ゲルマニア艦隊 (ド級戦艦4隻、装甲巡洋艦7隻)

 清国艦隊 (前ド級戦艦11隻)

 日本艦隊 (ド級戦艦2隻、巡洋戦艦2隻、装甲巡洋艦34隻)

 砲力だけを見ると日本が一番弱体化していた。

 しかし、海峡や要衝に要塞砲が配備されており、

 日本海軍艦隊は、少ない代わりに稼働率全般で優れ、動く事が出来る艦隊だった、

 寒々とした日本海を軍艦が白波を立てて走っていた。

 20000トン級装甲巡洋艦 妙高、那智

 (前ド級16350トン級キング・エドワード7世型戦艦)

 主兵装50口径234mm3連装2基は、元副砲だった。

 戦艦に劣る砲力だったにもかかわらず速度は26ノットであり、

 耐波性と航洋性の高さで周辺海域の海軍艦艇を圧倒した。

 というのも清国前ド級戦艦9隻は、日本の造船所で修理改装しており、

 ロシア前ド級戦艦15隻はウラジオストックにとどまっており、

 海洋で出会うのはドイツ帝国ゲルマニア艦隊 (ド級戦艦2隻、装甲巡洋艦2隻)だった。

 戦艦は存在していることに意義があり、

 必要な時に出撃すれば良いという発想もある。

 しかし、示威行為が出来ない軍艦は飾りという考え方も出来た。

 前者に従うなら前ド級戦艦から装甲巡洋艦のランクダウンは愚かな改装改悪であり、

 後者に同調すれば一つの選択肢といえた。

 妙高 艦橋

 将校たちが双眼鏡で東の空を見ていた。

 「今日の波は良いなぁ〜」

 「少しうねっている方がかっこいいですからね」

 「20000トン級なら巡洋戦艦でもおかしくないのだがな」

 「装甲巡洋艦に近いですよ。戦艦の艦体に巡洋艦の大砲ですからね」

 「んん・・・しかし、前後に3連装1基ずつとは情けない」

 「せめて、3基は欲しいですよね」

 「どうかな・・・甲板に空きがある方が・・・お・・・来た」

 飛行艇が雲間から降りてくる。

フェリックストウ F5
重量 hp 全長×全幅×全高 速度 航続距離 機銃 爆弾 乗員
5800kg 360hp×2 31.60×15.20×5.80 144km/h 1120km 7.7mm× 4 418kg 4

 「大丈夫ですかね。少しうねってますよ」

 「イギリス人パイロットだから大丈夫なんじゃないの」

 水上飛行艇は、ゆっくりと風上に向かって滑空し、

 着水、

 水上飛行艇は、何度か飛沫を上げ、

 派手に波を蹴立て、妙高の方に回り込んでくる。

 「停船。飛行艇に燃料を給油する」

 外洋で飛行艇に給油できるなら、

 装甲巡洋艦と飛行艇の作戦能力は飛躍的に増した。

 「やっぱり航空機の時代かな・・・」

 「あれくらいなら、まだ撃ち落とせますよ」

 「いまはな。しかし、10年後、20年後、30年後は違うだろう」

 「そういえば、むかしは蒸気帆船が軍艦でしたね」

 「そういうことだ」

 「それに日本は鉄が少ない」

 「鉄が少ない国の軍隊が鉄を大量に使う軍艦に頼っては、近代化も失速するだろう」

 「もっと付加価値の高い商品を作らないと・・・」

 「まぁ 軍艦と遠方の国に輸出する方法はあるがね」

 「何かそれでもいいような気がしてきた」

 「海運業も海外就労も打撃を受けるし」

 「巡り巡って、日本近海の軍事的緊張が高まって、軍事費が必要になって嬉しいけど」

 「外貨が減ったら、身動きが取れなくなるよ」

 

 

 清国

 清国国会は、金を集めたモノ、票を集めたモノによって構成されていた。

 そして、清国政府は、その代表たちの離合集散の総意によって作られている。

 ある意味、資本主義、民主主義の総意に基づいた決定がなされる。

 しかし、代表に敵対した地区。

 つまり、金を集められなかった地区、票を集められなかった地区は、収奪地獄であり、

 収奪された資財は、金を集めた地区、票を集めた地区に集中してしまう。

 天国と地獄の格差は広がるのである。

 そして、その貧富の格差によって、清国の近代化は進んでしまう。

 

 もう一つ、国を近代化させるには、国民教育が必要だった。

 しかし、子供の知識が親を追い抜き、親が地位が脅かされるのである。

 自分の子供であれば、まだ許せるものの、

 他人の子供が我が家の家計を追い抜くほどの収益を上げ成り上がるのである、

 これを許容できるか、許容できないかで、近代化の道筋が建てられた。

 大企業でさえ、企業努力と向上を目指すより、

 企業の利益を守るため、多くの業務を細分化させ、

 一部の人間のみ大枚で雇用し、全容がつかめさせるのだった。

 つまるところ、近代化と言いながら知識の平準化を成すのは簡単ではないと言える。

 日本国は曲がりなりにも近代化を成し遂げられた。

 それは、その事を幾分か許容できたからに他ならない。

 後進国の多くがそうであるように、

 清国社会も親は無学、子供は知識豊富な現象が突き付けられる。

 増長する子供と、惨めに老いて行く親たち、

 良くある話しなのであるが優秀な子どもと、

 親孝行、感謝といった心情は比例しないのである。

 親が子供に田畑仕事をさせようと、学校から引っ張っていく、

 日本人留学生

 「やれやれ、清国も大変だな。親のやっかみ」

 「日本もあるか! 日本もあるか!」

 「まぁ 貧しいと大変だし」

 「誰だって老いて追い抜かれていくのは嫌だし」

 「老害にもなるよ」

 「そうある。そうある。清国は大国なのに、親の心狭いある」

 「正確に言うと人の心が狭くて、追い抜かれるのがいやってことさ」

 「・・・人間は難しいある」

 そう、どこの後進国もが経験する、近代化の波が清国を揺さぶる。

 近代化は、貧富の格差だけでなく、世代交代も含まれており、

 器の小さい国民国家であるほど抵抗が強かった。

 目の前に脅威を突き付けられ、ようやく、近代化に応じるのである。

 逆にいうと、欧米列強を脅威と感じるほど小国であった。

 その事で、日本の近代化がなされ、

 清国は、欧米列強を脅威と感じるほど大国であった。

 その事で、清国の近代化が遅れたとも言えた。

 

 

 

 平均的なイギリス領域より近代化している藩王国は存在し、

 北から南に向かって、

 ハイダラーバード藩王国、マイソール藩王国、トラヴァンコール藩王国があった。

 藩王国の近代化は、イギリス植民地行政の批判となり、

 インド民衆の反英と離反と独立運動を強めてしまう。

 インド大陸の利権を固持するため、

 イギリスは、インド植民地防衛を日本に求め、日本への利権分けを開始する。

 日本人街の譲渡が始まると、日本の建設師団と囚人たちが上陸していく。

 内陸部の山岳地であり、水源を押さえ、水力発電ダムを建設できる地域だった。

 イギリスは、日本に利権分けで植民地の保持を容易にし、

 植民地帝国を保つ野望があった。

 日本人の囚人労働者たち

 「日本でもドカタ仕事、インドでもドカタ仕事か・・・」

 「どこに行っても同じだよ。日本人の仕事は船乗りか、ドカタだ」

 「少なくとも給与と自分の私有地が確保されているのが救いかな」

 「建設師団は良いよ実入りが良いから」

 「囚人は、売って、被害者の補償にさせられるのが辛いよ」

 「なんか、屯田兵って感じだな」

 「こんなインドの内陸を開発して日本の得になることってあるのかね」

 「イギリスに騙されているんだよ」

 「日本風の城郭神社仏閣があれば、それなりに落ち着けるかも」

 「落ち付けねぇ」

 

 

 

 05/28

 総動員を解いた後は、軍の再動員は困難となり、

 国家にとって、危険な状態と言える。

 そして、民族主義と共産主義が結ぶと・・・

  アルメニア独立宣言 (ロシア帝国)

  アゼルバイジャン独立宣言 (ロシア帝国)

 ロシア帝国は共産主義と民族分離独立派の鎮圧に忙殺されていた。

 北のフィンランドに続き、西の小国が独立運動を起こし、

 機会を待ったかのように南の小国も独立運動を起こそうとしていた。

 

 

 南ヴュルテンベルク(東アフリカ) 99万4996ku

 南ヴュルテンベルクは、東ゲルマニアに次ぐ可能性を予感させていた。

 海路をイギリス領ザンジバル島に押さえられていたにもかかわらず、

 高原域の天候と環境の良さがドイツ人の移住を足し、

 アメリカ風の自由と民主主義を基礎にした自由都市を建設すると、

 ドイツ人だけでなく、オーストリア・ハンガリーの少数民族の移民も増えていく。

 北のビクトリア湖が並々と水を湛え、

 ツェッペリン飛行船が空中に浮かび、機材物資を運び込み。

 ドイツ風バロック・ロココ調の教会、学校、家々、工場が円心状に広がり、

 道路沿いに並木が揃えられていく。

 ドイツ人入植者たち

 「ロシア帝国が大変なんだって」

 「どうせなら、欧州危機の時に独立運動が起きれば良かったのに」

 「もう、ドイツ帝国は、人口で周りに負けそうだし無理だろうな」

 「あぶねぇ」

 「西は500km、東は1000kmほど堡塁を作ってるらしいよ」

 「それで守れるの?」

 「さぁ 人口7000万のうち2000万が国外に出てるから」

 「ドイツ本国に5000万ほど、残っているらしいけど」

 「ロシア帝国は、人口1億4000万というからね」

 「戦争になれば防衛線を作っても勝てないよ」

 「フランスが人口4200万だから移住が進むとフランスにも負けそうだな」

 「ロシアとフランスは、守りに入ってるから自分から戦端を開かないよ」

 「ドイツ帝国も欧州危機で避難所を作りたいと思ったんじゃないの」

 「ケチだから無一文で放り出したがってると思ったけどね」

 「ドイツ産業は急成長で人口が増えていく」

 「国内処理するか、外征で外に出るしかない」

 「予算を削っても移民先を作った方が得か」

 「いつまでもつかな」

 「南ヴュルテンベルク(東アフリカ)は、99万kuだから余裕あると思うよ」

 

 

 

 07/12

 日本海軍の戦艦 “河内” 爆沈

摂津型戦艦 2隻
排水量 全長×全幅×吃水 hp 速度 航続距離 兵員
26000 180×25×8.2 25000 23 10kt/10000海里 764
50口径305mm砲連装4基 45口径120mm単装砲8基 水上機3機  
摂津、河内

 日本最大最強の戦艦の爆沈は、国の内外に影響を及ぼす。

 海軍は原因究明が求められ、

 大方の予想で、原因不明は人災とされた。

 これは、根拠があり、

 1912年11月の7750トン級装甲巡洋艦日進の火薬庫爆発事件があった。

 上官に対する恨みで水兵が火薬庫に時限爆弾を仕掛け、

 軍艦ごと沈没させようとしたのだった。

 これは、未遂に終わり、犯人は捕まえられた。

 三笠の爆沈以降、下瀬爆薬は使われておらず。

 兵装削減で砲数は少なく、

 弾薬管理も不能になるほど多くなかった。

 そして、昨年、筑波の爆沈に続き、

 今年、河内の爆沈・・・

 

 赤レンガの住人たち

 新聞を読む手が小刻みに震える。

 “海軍は新型艦艇が欲しくて原因不明の爆沈を起こしているのでは・・・”

 「ロ、ロクなこと書きやがらねぇ 土建屋の差し金だな」

 「連中も安全のためとか称して、必要以上に予算をせびる時がありますからね」

 「ったくぅ〜」

 「最近は、練度を高めようとすると海軍イジメみたいなことも起こりますし」

 「上と下。どっちが悪いとも・・・」

 「軍隊は同好会の集まりじゃない」

 「だいたい、いざ戦いが起こって慌てても遅いのだ」

 「器を揃えても軍隊は戦えない」

 「将兵はナマクラでなく、鍛え抜いた真剣でなければ国家防衛はできないのだ」

 「こういう事件や事故は、民間だって起こるだろう」

 「公僕だからって目の敵にしやがって」

 「だいたい、人間がそんなに善人か?」

 「偽善者が、ええ格好しいしやがって、自分の胸に手を当てて良く聞いて見やがれ」

 「「「・・・・」」」 ため息

 「・・・運がない・・・辞めないと収まらんな・・・」

 「ええ・・・残念です・・・」

 朝野とも騒ぎ始め、何人もの将校・士官のクビが切られていく。

 

 

 南樺太

 寒冷地は穀物の生産性が低く、

 投資回収の見込みは立たなかった。

 大規模な工事を行っても冬季になると、生産も流通も止まる。

 開発は、莫大な資本が求められ、

 冬季は、別の職場を準備しなければならない。

 こういった環境の変わる仕事は、好まれないことが多く。

 当然、人材の育成や雇用も難しく・・・

 この地に都市が建設されたのは、国防のためと言えた。

 孤立した未開地に兵站地を置くより、

 生活基盤を大型都市に置く方が大きな兵力を維持しやすく・・・

 豊原市に大型の土木建設機械が持ち込まれ、

 夏季の間、集中して建設が進められていく。

 政府関係者の乗るT型フォードが舗装工事の進む街道を走っていた。

 「この寒い土地に100万都市なんてどうかしてるよ。不自然」

 「住む場所を何とかできても食い物はね・・・」

 「産業を興そうにも電力が足りない、冬場は全てが凍りつく」

 「家屋は、天井、壁、床を二重にして、分厚くしないとね」

 「艦隊で守る方がよかろう」

 「兵站を北に押し上げ、艦隊でなくても守れるようにしているんじゃないの」

 「艦隊を建造する方が安い」

 「一度、都市を建設すれば、自存自衛するよ」

 「助成金とか、喚き散らかして、軍事費を削りそうだ」

 「まぁ そういう事もあるかも知れないがね。長い目で見れば楽できる」

 「いいこと言いやがって、後から金をせびりやがる」

 「軍だって戦争するから税を上げて、なんて露骨な事言わないよ」

 「先に大義名分じゃないか」

 「愛国心だの聖戦だの戦争始めて、後で金をせびるだろう」

 「いや国防のため、だから」

 「口は便利だな」

 「英霊の血を流した皇土を交換したくせに・・・」

 「あははは・・・等価交換だよ。等価交換」

 「本当に等価なのか?」

 「土地に執着し過ぎて政策的な選択肢や柔軟性を失うのは良くないよ」

 「地方に予算を分配し過ぎると、日本の近代化も遅れるだろう」

 「まず国内の紙幣を増やさないと土木建設や産業そのものを起こせないだろう」

 「産業を興すには外国製品が必要なんだよ。つまり外貨」

 「労働力なら高額貨幣を増やせば何とかなりそうだけどね」

 「政府が金の延べ棒で、外国製品を買うか?」

 「御用聞きでもするつもりか」

 「「「「・・・・」」」」

 

 

 

 10/28

 オーストリア・ハンガリー帝国

 貴族でなければ人間らしい生活は保障されない世界であり、

 辛うじて地主、家主が上手い食事にありつく事が出来た。

 ウィーンの貴族社会を日本人留学生が歩いていた。

 「言語と民族問題がなければ、もっと強国になっていたな」

 「少数民族の移民が進んでいるから強国になりそうじゃないか」

 「2等市民としてだろう」

 「それだって、現地民より上だけどね」

 「まぁ 同じ白人同士なら大同団結したくもなるか」

 「大丈夫か」

 「なにが」

 「いま白人に対抗できる国は、日本と清国だけなんだぞ」

 「清国と組むのは気が進まないな」

 「それに国家同士で対立するつもりなら、俺たちを留学させたりしないだろう」

 「オーストリア・ハンガリーでもドカタ仕事をさせるのか」

 「水力発電ダムを建設すれば、資金の回収をしやすいだろう」

 「日本に発注するとは限らないだろう」

 「日本から軍艦を買うとき、どういう取引ができるか、考えたっていいだろう」

 「日本から軍艦を買うと思うか」

 「利害関係が余り絡んでいない方が信用されやすいし、安い」

 「一度、信頼されたら、もう一度買うだろうよ」

 「だと良いがね」

 !?

 不意に銃声が轟く、

 「な、なんだ?」

 「少数民族の蜂起じゃないか」

 「移民で比率が減っているのに良くやるよ」

 「比率が減っているから焦っているんじゃないか」

 「宿舎に帰るか」

 「ああ」

 

 ロシア帝国起こった民族共産主義独立運動は、国外を刺激。

 オーストリア・ハンガリー帝国にも波及していく。

 オーストリア軍は、空中分解しそうな国軍を食い止めつつ、

 民族共産主義を攻撃していく。

 オーストリア軍は、農村部を押さえたものの、

 拳銃が使いやすい都市部ゲリラに苦戦を強いられる。

 オーストリア軍は、反政府アジトの一つをようやく占拠する。

 「こいつらナガンM1895拳銃を持ってやがる」

 「ちっ! ロシアに横流しした仕返しだな」

 「というか、世界中の拳銃が集まってるぞ」

 「いろいろ使わせて、一番良い拳銃を調べさせてるんじゃないか」

 !?

 「くっそぉ〜 スタイアーM1912って、オーストリア製だろう」

 「拳銃は神の様に公平だから、誰が撃っても贔屓しないよ」

 「ぅ・・・こっちは、ショーンベルガー・ピストル世界初の自動拳銃だ」

 

 

 

 

 日本は、中国大陸権益から引き離されており、

 米英独との貿易と需要に頼って外貨を稼ぎ、石炭と鉄を購入した。

 民間は、内需拡大で鉄を欲しがり、

 軍も対ドイツ帝国ゲルマニアの急成長に合わせて、鉄を欲しがり、

 綱引きの結果、日本海軍は、中古イギリス艦艇を払い下げ改装していた。

 これなら数を揃えられ、

 改装すればソコソコの性能を保て、解体すれば鋼材も増えた。

 赤レンガの住人たち

 「戦艦河内と装甲巡洋艦筑波が戦わずして爆沈で失うとはね」

 「もう、爆沈させて欲しくないよ」

 「うん」

 「イギリスの中古装甲巡洋艦5隻を戦力化できれば損失を補えるかな」

 「マイノーター型3隻とデューク・オブ・エジンバラ型2隻も234mm砲から152mm砲に換装だっけ」

 「うん、234mm砲は上位艦か、要塞砲に配備することになるだろうね」

 「次も、中古戦艦に頼るしかないか」

 「古い順だと、次は、21845トン級ドレッドノートと18800トン級ベレロフォン型戦艦3隻」

 「そいつは飛ばしたいな」

 「じゃ 19550トン級セント・ヴィンセント型戦艦3隻もかな」

 「イギリスの中古だと予備の鋼材が多いのが嬉しいよ」

 「でも最新は、28000トン級リヴェンジ型戦艦5隻だから負けるよ」

 「イギリスも良く新型戦艦をポンポン造れるものだ」

 「不満だが中古は十分多いな」

 「どちらにしろ、全長を伸ばし、機関を倍以上に増やして」

 「兵装を半分以下でランク落ちしないと駄目だろうな」

 「とりあえず・・・」

 「購入したばかりの装甲巡洋艦を改装して・・・」

日本海軍 大綱
艦種 排水量 速度 主兵装

 

戦艦 1 26000 23 50口径305mm連装4基

摂津、河内

2 22000 22 50口径305mm連装3基 薩摩、安芸
巡洋戦艦 2 18000 25 鞍馬、伊吹
装甲巡洋艦 2 22000 26 50口径234mm3連装2基 姫神、白神
10 20000 26 香取、鹿島
妙高、那智、足柄、羽黒、
高雄、愛宕、摩耶、鳥海
1 18000 28 生駒、筑波
7 17000 25 敷島、朝日、三笠、
石見、肥前、周防、相模、
3 14600 23 50口径234mm砲連装2基 マイノーター、シャノン、ディフェンス
2 13550 23 45口径234mm砲6門 デューク・オブ・エジンバラ、ブラック・プリンス
6 13500 26 45口径152mm3連装2基 八雲、吾妻、出雲、磐手、春日、日進
  36        

 「艦隊を再編成しないと」

 大型の島は、小型の発電所が建設され、自給自足経済が推し進められ、

 要塞砲と武器弾薬の格納庫が建設されていく。

 通常は要塞守備隊で防衛し、

 戦争が始まれば徴兵する手法は、非戦闘国家向けだった。

 軍事的脅威を常に受けるため、戦争好きにとって不満たらたらであり、

 国民は、軍事的圧力を受けつつも、社会基盤は累積確保され、

 富裕層になれる機会も増えた。

 

 

 

 日独権益交換で得た最南端の島だった。

 小型ながら水力発電によって、電力が確保され、徐々に近代化していく、

 業者たちの半分ほどが船に乗っていく。

 「なんだ。民間建設業者も減らされるのか?」

 「どうやら、フランス領インドシナ開発の発注らしい」

 「なんで?」

 「ほら、ドイツ帝国に煽られたんじゃないか。植民地開発競争に負けられねぇって」

 「搾取経済の方が儲かるのに」

 「独立運動が怖いんだよ」

 「最近は、維持費の方が大きくなっているから移民人口移動で押さえる気だな」

 「列強の人間が植民地に住んで植民地人になりたがるものか」

 「だから日本企業に白人世界を作らせて居付こうとしているんだろう」

 「いやだねぇ 日本企業も金に目が眩んで日本領後回しで、利敵行為かよ」

 「民間企業は金の味方。国の味方じゃないよ」

 急に周りが暗くなり、

 「それに・・・こんな雨ばっかりの場所・・・」

 土砂降りの雨がサモアに降り注ぐ、

 

 

 

 

 11/03 ロシア帝国でポーランド共産独立運動

 ドイツ帝国との国境近いポーランドの独立運動は、ロシア帝国を困惑させる。

 冬宮

 「ドイツ帝国は動かないであろうな」

 「ドイツ国境を越えないのであれば構わないと確約を取りました」

 「その代り、オーストリアの掃討鎮圧戦は、見て見ぬ振りをして欲しいと」

 「・・・それなら良い。早々にポーランドを鎮圧せよ」

 「御意」

 

 

 11/16

 オーストリア・ハンガリー帝国(5200万人)

 帝国は、少数民族2分の1政策(1000万)を推し進め、

 少数民族のドイツ海外植民地移民が進むと人口比率も変わっていく。

 単純計算だと少数民族の小作地は倍に増え、住居も倍になっていくのであり、

 穀物生産が増えれば、それだけ自作農への転身も可能になっていく、

 少数民族側も支配者・被支配者である事より、

 衣食住で満足している方が重要であり、

 生活に満足しているのなら反抗する気力も小さくなっていくのである。

 この政策が成功すれば、総人口は4200万に減少するものの、

人口比(%)
ドイツ人 ハンガリー人 チェコ人 ポーランド人 ウクライナ人 ルーマニア人
24→36 20→28 13→13 10→5 8→4 6→3
クロアチア人 スロバキア人 セルビア人 スロベニア人 イタリア人  
5→3 4→2 4→2 3→2 3→2  

 少数派民族は生活を安定させやすくなり、

 主流派民族の比重は増して国内は安定していくのだった。

 しかし、不穏な動きはあるのであり、

 サラエボ事件は、欧州の火薬庫であるバルカン半島に火を付け、

 オーストリア・ハンガリーとセルビアの戦端が開かれ、

 戦争は、互いの同盟諸国を巻き込もうとし、欧州危機をもたらした。

 独墺同盟と仏露同盟は、互いに総動員体制へと移行しつつ、

 一触即発のまま、2年に渡って、大量の武器弾薬が生産されてしまう。

 そして、オーストリア・ハンガリー軍がセルビア軍を打倒すると、

 冬季を利用して総動員体制が解除され、平和が訪れる。

 とはいえ、大量に生産された武器弾薬は闇市場に流れ、

 差別された民族に渡っていく。

 結局、人口比で安定したものの、

 収入が増した少数民族は、武器を得やすくなり、

 武装した独立主義者の運動が増えて行くのだった。

 

 

 オーストリアハンガリー帝国は、民族共産主義の増大による社会不安に脅え、

 ロシア帝国は貴族潰しで国内軋轢を潰しで、貧民層救済と風通しを良くしていた。

 そして、ドイツ帝国は、植民地入植事業で国内の整理を進めていた。

 ドイツ帝国

 マイスター制度は、ドイツ帝国の国民教育の根幹をなすものだった。

 その制度は、国家の枠組みを中心とした機能主義であり、

 国民(12歳〜15歳)が適性に応じ、国家産業の歯車になるシステムであり、

 国家にとって利点はあるものの、

 国民側に負担になる欠点も存在した。

 制度に反発する自由主義者も少なくなかったのである。

 当然、自由主義者は、自由への要求が強く、

 海外植民地での自由市建設を要求する。

 ドイツ帝国議会の力が強くなると、

 ドイツ帝国皇帝ヴィルヘルム2世は、喧噪を離れた場所を望み、

 帝都ベルリンの中心ベルリン王宮から、

 郊外のツェツィーリエンホーフ宮殿居着く事が増えた。

 皇帝と側近

 「・・・望むべき情勢は、臨めぬ情勢の時に起こるの」

 「御意」

 「オーストリアの共産主義運動は、激しさを増しているのか」

 「少数民族は、人口の減少で焦っていたところ、闇市場から武器が流れ込んだようです」

 「民族主義と共産主義を組ませたのでしょう」

 「僅かな銃器でも平時では大騒ぎか」

 「ドイツ帝国内に浸透していないだろうな」

 「武器の密輸は増えているようですが、いまのところ平静が保たれております」

 「帝国内に混乱を引き込まないのならいいが・・・」

 「民主主義も強まってますし」

 「共産主義も絡み、可能性は十分にあり得ます」

 「どうしたものか・・・」

 「海外の自由市を増やしてガス抜きした方が良いかと」

 良い臣下は、想像力を助け、選択肢を広げさせ、自由を広げ、

 悪い臣下は、想像力を妨げ、選択肢を狭めさせ、追い詰めてしまう。

 

 

 イタリア統一以前は、サルデーニャ王国、両シチリア王国、ロンバルド=ヴェネト王国、

 教皇領、フィウメ自由市の5カ国に分かれ、

 一部は、オーストリア・ハンガリー帝国に奪われていた、

 イタリア半島が統一したは1861年3月のことであり、

 まだ、統一して57年しかたっていない。

 そして、イタリア人は、全体より個人の感情を優先するあまり、

 犠牲になる事を逃れるため、近代化が進んでいなかった。

 海援隊は、地熱発電、水力発電ダム建設でイタリア産業に食い込もうとしつつあった。

 工業を興すには発電が必要であり、

 この時期、自然破壊を知りつつも各国は、水力発電、火力発電を増やしていく、

 もっともイタリアは、国境の壁より、元占めマフィアの障害の方が大きく・・・

 ローマ

 日本人留学生たちは、ローマ帝国の遺産を見上げる。

 「人本主義(ヘレニズム)の象徴だな」

 「神本主義(ヘブライズム)の象徴でもあるよ」

 「カトリックの総本山で、神の存在を薄っぺらく感じるのはなぜだろう」

 「神の前に兄弟姉妹が強過ぎて、親子と夫婦の関係性で弱いからじゃないか」

 「確かに平面的な感じがするな」

 「どちらにしても、欧州文明の根幹は、ローマ帝国にあるはずなんだけどな・・・」

 「マフィアが牛耳っているのはどういうわけだ」

 「本心に正直な気質がいいねぇ」

 「近代化が遅れてそうだな」

 「資源がないからかも」

 「だけど温泉がある」

 「昼寝ばかりしてるぞ」

 「人生を楽しんでいるんだよ」

 「ローマはいいねぇ」

 「ローマは、心を潤してくれる」

 「イタリア人の生み出した文化の極みだよ」

 「そう思わないか?」

 「なんか、退廃的だな」

 「退廃的でない人間の方がどうかしてるよ」

 「・・・この国は、まずいかもしれん」

 「だから、イタリア人のアメリカ移民を増やしたいんだろう」

 「イタリアの産業を大きくしたらイタリア人のアメリカ移民が増えないだろう」

 「よ、世の中、金なんだよね」

 

 

 

 12/01

 セルビア・クロアチア・スロベニア独立運動

 

 

 デンマークを宗主とする属国としてアイスランドが独立

 

 

 

 

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 月夜裏 野々香です。

 史実と随分違う世界情勢になってしまいました。

 戦争なんて言うのは、楽しみがある時にはしないものです。

 どこかの平行次元世界の気もします。

 

 

 

    領有 面積(ku) 利権 面積(ku) 軍(万) 人口(万)
北欧 ドイツ帝国 54万0857     4700
朝鮮半島 東ゲルマニア 21万0000   100 1000
遼東半島     3462+1万2500 10 100
山東半島 ホーエンツォレルン 4万0552 11万6700 20 200
カメルーン 南ザクセン 79万0000   10 100
東アフリカ 南ヴュルテンベルク 99万4996   10 100
南西アフリカ 南バイエルン 83万5100   10 100
トーゴランド 南バーデン 8万7200   10 100
 
ドイツ帝国 350万2167 12万9200   6400

 

 

  

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第10話 1917年 『盛者必衰の・・・』
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